昨日、南関東と北海道の緊急事態宣言解除の話を書いた。
このまま再燃しないことを前提に書いてしまったが、そればかりはわからないね。
2月下旬ごろから北海道で感染が拡大して、3月中旬で収束を確認したあとに、再燃したという話もあったけど、
あれは当時の判断としては多分正しくて、ヨーロッパからの流入という想定外のことが起きたわけですから。
遺伝子の変異状況を調べたら2月からの流行は抑え込んだが、それとは別に流入してきたのは確からしいそうだし。
再燃のきっかけがなにかはわからないので、あれこれ心配しても無意味である可能性はあるのだが、
今はまだ南関東・北海道は火種を抱えているので、まずは収束をしっかり見届けることなんだろうと思う。
ふと、アジアの近国はそれぞれどんな状況なのだろうと気になった。
アメリカ・ヨーロッパは絶対数が多すぎるので、まだまだ長くかかるだろうと思う。
それに比べれば東アジア・東南アジア・オセアニアは比較的状況がよいと思われる。
なんとなく日本と韓国は状況としては似ていて、流行の抑え込みをしっかり見届ける段階。
中国にとってはもう過ぎた話、シンガポールはまさに戦いの真っ只中だろう。
でも、ちょっと感覚に頼りすぎかなと思ったので、ちょっと数字を調べてみた。
国ごとに数値の数え方が違うので、単純に比較するのは難しい面はあるが、
1つ、現状を表す指標として参考になりそうなのが、入院・治療中の患者数である。
COVID-19 Map (Johns Hopkins University)
ここでActive Casesとして示されているものですね。
これも国によって違うだろうとは思うのだが、日本でのこれまでの状況を見ていると、
重症患者は長く在院し、軽症患者は早期退院するので、重症患者の把握に問題のない地域同士を比較するならば参考になりそう。
これを人口あたりで正規化してみると、だいたいの傾向はわかるんじゃないか。
ということで、計算してみた。
まず、日本だが、現在の入院・療養中の患者数は2139人となっている。集計のタイミングで多少の差はあろうと思うが。
一時期のことを思えばだいぶ減りましたね。ここのところは1日100人以上のペースで減っている。
これは人口10万人あたりにすると1.7人となる。
同様の計算を南アジア・東アジア・東南アジア・オセアニアの各地域で行ったら、だいたいこんなもの。
- 1.0人未満 : ニュージーランド・ミャンマー・タイ・台湾・ラオス・ベトナム・カンボジア・中国(大陸・香港・マカオ)
- 1.0~2.0人: ネパール・オーストラリア・日本・韓国
- 2.0~4.0人 : モンゴル・ブータン・スリランカ
- 4.1人 : マレーシア
- 5.9人 : インド・インドネシア
- 9.4人 : フィリピン
- 17人 : バングラデシュ・パキスタン
- 279人 : シンガポール
ちなみにイタリアで同様の数字を計算すると91人となる。
シンガポール以外ならイタリアよりはずっと少ない。この数字を額面通りに読んでいいかは難しい国もあるが。
シンガポールが人口に比して異常に多い。そりゃ福岡県ぐらいの人口で3万人以上の患者が出てるんだからね。
外国人労働者が主で比較的若いので、重症化する割合は低いとは思われるので、
人数の割には死者数は積み上がらず、終息期の減少ペースも早いとはみられるが、それにしても……である。
シンガポールの規制って文字で見た限りでは日本よりはるかに厳しくて、それもお国柄だけど、それでもこういう状況である。
それ以外の国について見てみると、1.0人未満の地域は感染拡大が起きなかったか、抑え込みきったかどっちかでしょうね。
この中には日本の上陸拒否・ビザ効力停止の対象になっている国も多くあるが、もはやと無意味とは思う。
1.0~2.0人の日本と同じグループは、ネパールは拡大期、あとは終息期ですかね。
日本・韓国・オーストラリアは感染拡大のスタートに差はあるが、その後の状況は似ているなと思う。
この辺は多分まだしばらく見届けに時間はかかるが、6月末で上陸拒否・ビザ効力停止は終了できそう。
それ以上はまだまだ拡大期かなという感じである。
概して南アジアの状況が悪い。この辺は医療機関へのアクセスが悪いですから、実態はもっと悪いかも知れない。
数字より悪そうなのは、インドネシアもそうなんですよね。
ここは診断されないまま死亡した(コロナウイルスによる死者数としてカウントされていない)のが相当あると言われている。
フィリピンは出ている数字も悪いが、これも診断に至る割合は低いらしく、重症患者が取りこぼしがないか気がかりである。
数字だけ見ればシンガポールが悪いが、実態はインドネシアとフィリピンの状況の方が悪いのだと思う。
マレーシアも手こずっているようである。シンガポール程度には手応えはありそうだが、まだ時間はかかるだろう。
モンゴルは人口が少ないので高く出ているのかと思ったが、5月に入ってから3倍に跳ね上がったらしい。
モンゴルは中国と隣接していることもあって早期に鎖国した。それで日本との往来ができず困ったというニュースもあった。
最近の増加はどうもロシアからの流入らしく、おそらく捕捉は出来ているのだと思うが、気がかりである。
国内での流行がごく少ないまま経過すれば割り引いてもよいとは思うし、現状は上陸拒否の対象外だが、
一方でモンゴルは鎖国続ける気満々なので、日本の事情によらず往来が困難な状態が続くのは明らかである。
ちなみに死者数、これも国によって集計に差はあろうと思うが、ある程度は比較できると思う。
日本の死者数は830人と報告されている。人口100万人あたりにすると6.5人となる。
この数字は韓国(5.3人)、オーストラリア(4.0人)、シンガポール(4.0人)、インドネシア(5.2人)などの地域よりは高く、
今まで挙げた地域でこれを上回るのは、フィリピン(8.1人)に留まるので、アジアでは死者は多い部類である。
インドネシアの数字が信頼に値するかは疑問だけど。
あとシンガポールはいくら患者が若いって言っても、今後積み上がるでしょうね。
もっともヨーロッパでは比較的マシというドイツで同じ数字を計算すると100人であるなど、
アジアでは高めと書いた日本の数字もヨーロッパやアメリカに比べれば、かなり低水準である。
高齢化率を考えれば善戦した方ではあって、高齢者施設などの予防対策や、医療機関の懸命の治療によるものだと思う。
人工呼吸器だのECMOだの、医師・看護師・臨床工学技士の苦労は相当なものだと想像するが、これだけの患者が回復できたのなら報われましたね。
今の数字から将来が正しく予想できるかはわからないけど、傾向としては参考になると思う。
上陸拒否・ビザ効力停止の再開第1弾というのも、ここまでで終息期にあると明確にわかる地域になろうと思う。
インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポールというのはいずれも日本とのつながりも深く、
これらの国々との行き来が困難な状態が続くのは本当に苦しいんだけど、現状からするとやはり難しいのかなと。
もちろん、ヨーロッパやアメリカとの往来が難しいのも問題だけど、それより苦しいのは間違えないので。