おととい、延長の届けを出したこともあって遅くまで研究のため研究室にいた。
学校を20時に出て駅へ向かって歩いて行ったら、その途中の信号機の1つが黄色点滅・赤点滅だった。
夜になるとこういうこともある。ただ20時で切り替わるのはちょっと早い気もするが。
この信号機はT字路にあって、直進できる方向の信号機は黄色点滅、直進できない方向の信号機は赤点滅になっていた。
赤点滅は一時停止の義務があるので、実質的には止まれの標識と意味はさして変わらない。
よくあるT字路の姿である。昼間は信号機で交通整理を行って、夜間は一時停止義務を課して安全に通行できるようにすると。
そういうことですね。
直進できる方向の信号機は黄色点滅だが、これは注意するようにというだけで進んで良いということは青信号と同じだ。
ただ、一時停止した後に自動車が曲がってくる可能性はあるし、横断歩道を歩行者が渡る可能性がある。
黄色点滅・赤点滅の時間帯は歩行者用の信号は消灯しているので、横断歩道には信号機がないのと同じになるんでね。
なので、注意するようにと黄色点滅にしているのだろう。
ところで自動車と横断歩道の関わりというのは意外と複雑である。
基本は横断歩道は歩行者が最優先なので、横断歩道を渡ろうとする歩行者があれば手前で止まる義務がある。
道路交通法第38条第1項
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
とはいうけど実際には止まってくれる車は少ないけどね。なかなかこの義務は実践されていないようだ。
車が止まらなければ痛い目にあうのは歩行者なので、歩行者としては確実に渡れるようになるまで待つことが多いですけどね。
歩行者もそんな考えだから一時停止する義務を守らない人が増えてしまうのかも知れんけど。
ただ、これは信号のない横断歩道の事情である。信号がある場合はまた事情は違う。
というのも、信号で歩行者を横断できなくしている横断歩道はさっきの義務は適用されない。
そのはずなんだが、条文にはそんなこと書いてないよな。次の項にはこう書いてあるけど、
道路交通法第38条第2項
車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
なので信号のある交差点で直進する時には歩行者のことを気に掛けることはない。
ただ、そんな交差点でも右折・左折するにあたってはその曲がった先にある横断歩道は横断可能なので歩行者優先だ。
このあたりまでは典型的な例だから、自動車教習所でもよく取り上げられる話だろう。
実際、僕も自動車学校で場外に出て運転にするに当たってはよく言われたものである。
ただ、交差点によってはこれとは違うこともある。
歩車分離式の交差点の場合は、車両用の信号機が青のときは歩行者用の信号機は全て赤になっている。
なので、歩行者が右折した先や左折した先で待っていても無視して進んでいいわけだ。
そのために信号機に歩車分離式というプレートを貼ってあるのだろうか。
しかしそこまで理解して曲がっている人ばかりなんだろうかね。
ただ、曲がっている途中で車両用の信号が赤になり、歩行者用の信号が青になればやはり歩行者が優先である。
本来は黄色信号の間に抜けないといけないんだけど、抜けられなくなった車両を時々見る。
まぁ大概は歩行者用の信号機が青になっても気にせずすぐに抜けていくけど、たまに止まって渡り終わるまで待つ車もあるか。
これと似た例で青の右矢印が出ている時は、歩行者用の信号機は赤になってるはずだから、
歩行者が待ってても曲がれるはず。確かそうなってたはず。
歩行者用の信号がどうなってるのかは実は重要なことのはずだけど、自動車の運転手が気にしているかはようわからん。
ここまでは交差点の話だが、押しボタン式信号機の場合も同じである。
歩行者用の信号が赤ならば、黄色点滅でも歩行者が待っていてもそのまま通過していい。
ちなみに最近では押しボタン式信号機を黄色点滅から青信号に改造する動きがあるらしい。
(参考記事 : 黄色点滅→青色点灯-押しボタン信号 (四国新聞社) )
道路の真ん中にある横断歩道なら確かにそれでも問題ないですね。
この背景には車両信号が黄色点滅なら止まってくれるとおもって赤信号なのに渡る歩行者がいるということがあるらしい。
ただ、小さな交差点にある横断歩道の場合は、ここで出てくる車両もあるから黄色点滅が妥当だとは思いますけどね。
ここで最初の夜間黄色点滅・赤点滅の交差点の話に戻るのだが、
ここの黄色点滅というのは歩行者用の信号が消灯しているから歩行者がいれば停止する義務がある。
しかし、押しボタン式信号機の黄色点滅は停止する義務はない。
青信号だったとしても、右折・左折した先の横断歩道では一時停止する義務がある、
けど歩車分離式の交差点だったり右矢印が出ている時に右折したなど、歩行者用信号が赤のときなら一時停止の義務はない。
というわけで、目の前に見えた信号と横断歩道で一時停止の義務があるかは無関係だということがわかった。
しかしなんで夜間は黄色点滅・赤点滅に変えるんでしょうね。
車が来ないのに信号待ちがあるのは不合理だからですかね。
信号待ちがないのは便利なのかも知れないけどこういうときだからこそ注意が必要だと思う。
ぜひこのことを心に留めておこう。