一気にオホーツク管内へ

実質今日から夏休みがスタートする。

まぁ制度上の夏休みは土曜からなのだが、いろいろあって木曜夕方発となった。

昼過ぎまでは在宅勤務で仕事してからの出発ではあるんですけどね。

だから、ほぼ1日勤務してるんで夏休みではない気もするけど。

そんなところまで考えれば社内でも最速クラスの夏休みスタートでは?


今回の北海道入りは飛行機である。

当たり前だろという話はあるが、実は北海道を出るのは船だったりする。

やはり飛行機は陸路・海路では不便なところまで一気に飛べるのが魅力である。

そこで今回の旅の北海道の着地点に選んだのが女満別空港だった。

オホーツク管内の大空町(かつては女満別町)にある。

大空町というのが空港にちなんだ名前なのでまぁ空港の町ということだね。

オホーツク管内の二大都市、北見と網走の双方の玄関口である。

これが女満別というローカルな地名を付けた空港の理由だと思う。


まぁ二大都市とは書いたものの、規模が大きいのは圧倒的に北見であり。

でも目的地は網走なんですよね。

やはりこの旅行、全体的に宿の選択肢の少なさに悩まされた。

まだ網走はそこまでではないが、北見ほど選択肢があるわけでもない。

とはいえ前後のスケジュール考えるとそれしかないやろという話であり。

そういうのでけっこう宿代がかさむ旅行である。

西日本とはだいぶ感覚が違うというか、特に北海道はそうかもしれませんね。


しかし女満別から北海道入りというのも、東京発だからこその選択で、

というのも北海道各地に空港があるけど、新千歳は東京便がほとんどなんですよね。

女満別についてはPeachの関西便があるが1日1往復ですからね。

これはあるだけマシというレベルですね。

もちろん羽田空港で乗り継ぐってのはあるけど、お値段的にどうだろう?

まぁ東京以外からだと新千歳までズドンと行くのが無難だよね。

WAONがよいわけ、JRE POINTがよいわけ

職場の人がマイナンバーカード作ろうかなという話をしていて、

マイナポイント目当てだけど、所得税の申告にも使えるしなぁと。

「マイナポイントはWAONでしょ」と力説したが、

この人がマイナポイントでやりたいことを考えると最適っぽい。


というのもこの人「ビックカメラでiPadでも買おうかな」と言っていて、

値段は? と聞くと4万円ぐらいじゃない? って。

ビックカメラでポイント満額付く支払手段としては、

ビックカメラのクレジットカード、Suica他、WAON、nanaco、Edyと。

Suicaは残高2万円が上限なので、4万円ぐらいの買い物には不適である。

WAON・nanaco・Edyは残高5万円が上限だからこの中だろうと。

その中でWAONをピックアップすると「そういえばミニストップで作ったような」と。


この人はマイナポイントは新規だから、下記3つの全てが対象になる。

  • 利用額(WAONの場合チャージ額)の25%(上限5000円相当)
  • マイナンバーカードの健康保険証利用に同意すると15000円相当
  • 公的給付支給等口座の登録をすると15000円相当

マイナンバーカードを作って、マイナポイントを登録した後、

WAONに2万円チャージして(現金チャージでOK)、とりあえず置いておく。

そして翌月末にダウンロードしに行くと2万円加算され4万円になる。

それでビックカメラに買い物に行けばよいということである。


2万円チャージしたのをどうやって使うかということを考えると、

最大5万円まで入るWAONの運用しやすさは卓越している。

しかもチャージするだけで条件を満たせるのも楽である。

同じことはnanacoやEdyにも言えるから、それでもいいんだけどね。

マイナポイント第1弾のときにあったイオン独自の割増ももう終わってるし。

イオンとマイナポイント


この人が最初考えていたのはJRE POINTだったらしい。

JRE POINTはSuicaチャージに対してマイナポイントが付与される。

ただ、Suicaは上限2万円なので、いろいろ不便では? と。

もちろん複数回に分けてチャージしてもよいのだがけっこう大変だぞと。

そこでこの人には推奨しなかったのだが、僕にとってはJRE POINTが最適だなと思った。

なぜならばマイナポイント第1弾を使い終わっているからである。

マイナポイント第2弾をどこで使うかは決め手に欠ける面があったが、もうこれはJRE POINTしかないぞと。


というのも、マイナポイント第1弾を使い切った人は、

マイナンバーカードの健康保険証利用への同意と、公的給付支給等口座の登録によるポイント付与だけだが、

この2つのポイント付与というのは電子マネーの利用の必要が無い。

マイナポイントの登録手続きを行えば、ポイントが付与されるというだけだね。

その上でJRE POINTとして受け取れば、ルミネ商品券に交換できる。

ルミネ商品券は16400ポイントで20000円分の商品券を受け取れる。

手持ちのポイントと15000ポイント合わせると16400ポイントに達する。

この交換により15000ポイント付与されるマイナポイントは18000円以上の商品券に化ける計算である。

ルミネ商品券はつり銭が出るので、さほど無駄な買い物をする必要はない。

ルミネ内の無印良品で時々少額の買い物をするという使い方だから、なかなか減らないけど。でもいつかは使えるはず。


これはマイナポイント第1弾を使い切ったからこその選択であって、

第2弾からの人は20000円分使える電子マネーを意識して選ぶ必要がある。

その場合でもSuicaは選べるが、上限額を考えると注意が必要である。

そこを乗り越えらればいろいろお得な要素はありますけどね。

ルミネ商品券に交換すればだいぶ増えるのは確かですからね。


ちなみに公的給付支給等口座の登録はすでに終わっている。

これは所得税の申告時に還付金を受け取る口座を登録できるためである。

もちろん登録は任意だが、まぁここだろうと思いますから。

マイナンバーカードの健康保険証利用も同意済みだし。

だからもう準備は済んでいるわけ。

電話番号がわかるとYahoo!が危ない?

ちょっと話題になっていたのだけど。

取引相手の情報表示の仕様変更について (ヤフオク)

従来、匿名配送以外の場合に表示されていた、出品者・落札者の電話番号が非表示になるということ。

どうしても電話番号の記載が必要な場合は、メッセージで別途聞くなどの対応ができるが、

宅急便・ゆうパックでは電話番号の記載は任意なので、問題ないのではとのこと。

ヤマト運輸の一部のシステム(法人向け)では電話番号を記載しないと送れないが、

仮に00-0000-0000とでも登録すれば進めるので問題はないのではとのこと。


まぁスムーズな配達を考えると電話番号書いた方がよいとは思うし、

前に住んでいた社宅みたいに、電話番号がないと不便だということであれば、

落札者側から伝達して書いてもらうということも可能だろう。

書留でも電話番号があると呼び出してもらえた

これはオークションで購入した商品を簡易書留で送ってもらったときの話で、

書留で電話番号を記載していることは少ないが、任意で記載することは可能で、

どうしても記載して欲しいと依頼して対応してもらったと。


それにしてもなぜこんなことになったのか。

原因はYahoo!のパスワード無効化時のログイン方式にある。

【再掲】弊社サービスや宅配業者を装う偽SMSや電話にご注意ください (ヤフオク)

現在のYahoo!の推奨のログイン方式はパスワードを使わず、

携帯電話回線と紐付けた上でパスワード無効化することを推奨している。

SoftBank回線を使っている場合は電話回線を使った認証が出来たり、

あるいは登録した端末であれば、FIDOによる生体認証という方法がある。

しかし、それにあたらない場合はSMS認証に頼っているのが実情である。

PCでは時々SMS認証が要求されるし、スマートフォン・タブレットでもFIDOと連携できないアプリではSMS認証だし、FIDO登録の前にはSMS認証がある。


もちろん、それでもSMSに書かれている確認コードをYahoo!以外に入力しなければ問題ない。

ただ「配送業者を装うなどしてSMS認証コードを巧妙に聞き出し、Yahoo! JAPAN IDを乗っ取る手口が発生」というのが実情だという。

おそらくこういう話があるのは、運送会社が電話番号を使って配送時刻の指定や配送状況の通知を行うことが増えているというのもあるんだと思う。

確かに運送業者自身がSMS認証を要求してくるケースは覚えがないけど、

運送会社も使っている「LINE通知メッセージ」を受け取るには、電話番号のSMS認証が要求されるというようなことはある。(SMS認証の主体はLINE)

利用者の錯誤により、本来Yahoo!以外のサイトに入力してはいけないYahoo!の確認コードを他人に教えるということが実際に起きているのは確か。

そこに利用者の落ち度があることは確かだが、被害軽減のためにはやむなしとのことか。


このような問題はヤフオク以外にもあるかもしれないが、

ログインに必要なIDまたは電話番号が入手できることが多いこと。

その上、電話番号があれば運送業者へのなりすましがやりやすいことがある。

Yahoo!のログインには、ID・携帯電話番号・メールアドレスが使える。

まず、IDは原則公開の文字列で、ヤフオク出品者・落札者のIDは公開される。

ただし、シークレットID機能によりログインに使うIDは別のものにすることはできる。

電話番号は回線認証を使っている人の場合はログインに使える。

メールアドレスはあえて登録した場合のみ使える。

ヤフオクでの落札者・出品者の関係においては、IDと電話番号が問題で、

いずれにせよシークレットIDの設定をすれば問題はないと思うが、使っている人はあまり多くないと思う。


こういう話、わりと最近にあったようなと思ったらSBI証券だ。

他の証券会社ではIDをユーザーが自由に決めることが出来ないので、

他サービスから流出したID・パスワードを単純に適用できないので、そこに困難さがあるが、

SBI証券ではユーザーが任意にIDを決められるため狙われたのではないかということである。

(SBI証券が狙われたわけ)

もっとも問題だったのはログインパスワードと取引用パスワードを分離しているにもかかわらず、同じ内容を設定している人がいたことが問題である。

ただ、他の証券会社ではログインに行きつくまでに困難があって、

なぜならばログインIDが割りあてられた数字だったり、GMOクリック証券ではIDの末尾2文字は自分では決められないなど、他のIDと一致しないことが多いのである。


他人から知れるIDであることが本質的にダメなわけではないと思うが、

IDがわからなければログインに行きつくこともできないので、

まずはここを公開されているIDや、公開されうる電話番号を使うのをやめるというのは意味があることだと思う。

その上で一番重要なのはパスワードであったり、認証コードを漏らさないということになると思う。

これらのデータを手入力するということがなくなればいいんですけど、

現実的には難しい面もあり、そこに付けいる隙があるのが実情である。


パスワードとSMS認証の2要素認証にするというのも考えられるけど、

そもそもパスワードを無効化するのはパスワードを忘れることへの懸念もある。

パスワードを付けたとしても、使い回しや忘れたときのことを考えればあまり効果は無いというのも判断としてあったんだと思う。

今回のようなケースならないよりはマシでは? とも思いますけど、どうでしょうね。


とりあえずシークレットIDの設定はしておいた。

これでログインへの到達が難しくなることは確かなので。

ワークアラウンドもちゃんとあるので、どうしても忘れたときはなんとかなる。

まぁログインできる端末が残ってればそういう心配も無いんだけど。

あと今までできなかったPCでのFIDO設定ができるようになってたのでやっておいた。

今後はPCでSMS認証が要求されることは大きく減るということである。

利便性も高くなるし、SMS認証の頻度が減れば、錯誤により確認コードを漏らしてしまう可能性も経るんじゃないか。

太陽光発電と空調は少しズレている

東京電力管内で「電力需給ひっ迫注意報」ということで、

原因としては6月としては暑すぎるということである。

確かに家を出るときにはもうだいぶ暑かった。


具体的に逼迫する時間帯は15~18時とのことだった。

17時ごろまでは出勤しているので、帰ってきてから電気を使うのを遅らせるとよくて、

今日は夕方に買い物に行くのだから、さっさと行って、帰ってきてから冷房など付けるとよいということになる。

この時間帯は工場などでの電力消費は落ち着いてくるが、

家庭で調理は始まったり、帰宅した人が電気を使い出したりするので、

そういうので厳しくなるようなので、ずらすのが効果的ということである。


冬の夕方が電力需給が厳しいというのは、太陽光発電が普及した時代の常識だが、

夏の午後もそうなのかと思って、でんき予報の需要予測と太陽光発電のグラフを比較してわかったのは、

当然、晴れる日は太陽光発電は多いのだが、ピークは12時ごろである。

ただ、暑さのピークは14時ごろで、その暑さは夕方になっても、夜になっても続く。

15時以降は太陽光発電の発電量はガクッと下がってくるが、空調にかかる電力はむしろ高い時間帯で、ここが厳しいわけですね。


逆に余裕があるのが午前中である。

太陽光発電は割とたくさん発電するが、空調がまだ少ないからである。

というわけで、夕方の工場の操業を一部制限する一方、そこまではしっかり稼働することで稼働時間も十分確保できるという理屈である

残業よりは早出がいいということですね。実際そういうことをしているかはわからないけど。


それにしても6月でこれだけ暑いのもそうだけど、

もう梅雨明けらしいと聞くと、心配なのはダムの貯水率ですね。

特に西日本が心配で、四国だと銅山川のダムが貯水率17%、早明浦ダムが35%とかで、もうずっと水不足が続いてるんですよね。

大雨が降れば一気に回復するが、なかなかそういう見込みもない。

四国の水不足はいつものこととはいえ、例年になく厳しい年になる可能性が高い。

関東平野については、利根川流域のダムは洪水期(7月から)の制限容量に向けて水位を減らしている段階なので、特に問題はないとみられる。

ゲーム開発は衣装デザインを含む

昨日、東京に出かけていて、これを観に行っていた。

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICALCOLLECTION!!! (東京アニメセンター)

昨年から今年にかけてアイドルマスターシンデレラガールズは10周年ライブツアーということで、5会場を回ってきた。

その衣装やらステージのことを展示をもって振り返るということである。

シンデレラガールズとしては昨年11月~今年1月にそれ以前の衣装を振り返る展示を行っていて、

さらに言えば2020年1~2月には同じくアイドルマスターシリーズで、ミリオンライブの衣装展が行われている。

この当時の東京アニメセンターは市谷のDNPプラザ内にあったのだが。


今の東京アニメセンターは渋谷MODI内にある。

マルイなんですけど、マルイの中では専門店主体の店舗という位置づけらしい。

マルイってアニメ・ゲーム関係の特設店舗をやったり、エポスカードで特別デザインのカードを出したり、どうもこの分野に興味があると。

そういう背景があっての東京アニメセンターの招致だったのかもしれないが、

問題は狭いこと。展示スペースの狭さは異常である。

市谷のときも広いとは思わんかったが、まだここよりはマシ。

ただ、この施設は展示だけではなく、グッズ販売を行うアンテナショップの一面もあり、それを考えると渋谷の方がいいんかなとも思う。


今回のライブ用の衣装、基本的にはシンデレラガールズのゲーム開発を委託されているCygamesがデザインしたものらしい。

なぜかというとゲーム内で使う予定があったからである。

そのためゲーム内の3Dモデルを意識して衣装のデザインは決めているようだ。

もっともゲーム内で使うと言っても絵だけの場合もあるけど。

一方で実際に人が着る衣装としたときにどうなるかということも考えてあって、そこの違いも図示されていた。

実際にこれを布で作るにあたっては多少アレンジは入るらしいが、

しかしそれ以前の段階でここまで出来ていれば最小限で済みそうな感じはする。


それにしてもそこまでCygamesに委ねられてるんですね。

確かにシンデレラガールズが始まった2011年当時、バンダイナムコにはソーシャルゲームのノウハウがなく、それで頼ったのがCygamesだったのだけど。

ただ、その当時のCygamesのヒット作といえば神撃のバハムートである。

アイドルゲームとはだいぶ違うわけで、そこにはバンダイナムコのノウハウがあると思っていたが。

しかも当時は絵だけの世界で、人が着るステージ衣装との関係はなかったはず。

だから、この当時はゲーム内の衣装と人が着る衣装を同時に作るという発想はなかったと思うのだけど、果たしてどうなのか。

明確に結びついたのは2018年にアイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)の1周年衣装「アクロス・ザ・スターズ」を同年ステージで着たことのような気がする。

ただ、ゲーム内の衣装と人が着る衣装を同時にデザインしたかは不明である。


アイドルマスターのステージ衣装では当たり前になっているが、

ゲーム内の衣装を布で作る上で重要な技術がプリント生地である。

絵が先にあるので、世の中にある布の柄から選んで作ると同じものにならないので、

絵にある柄の布を少量だけ印刷で作ると。こういうことがよく行われている。

今回の新衣装「シンデレラ・コレクション」は完全にこれをあてにしている。

1人1人全く違う柄の布を使っていて、これはゲームに登場する全員分についてデザインしていて、これだけなら絵だけの問題だが、

この一部は実際に人が着るのが決まっているので、プリント生地は前提条件である。

なかなか手が込んでいるが、そのアイドルらしさを表す柄になっていて面白い。


Cygamesにとってはシンデレラガールズのコンテンツ作りから学ぶことは多かったとみられ、

それが「グランブルーファンタジー」「プリンセスコネクト!Re:Dive」のヒットにつながったんだろうし、

なにより最近では「ウマ娘 プリティーダービー」である。

これもステージ衣装とゲーム内衣装を連動させて作っている部分はあると思う。

そうか、自社製品でこんなことやってる会社なんだから、シンデレラガールズでできないわけはないんですよね。


2016年のシンデレラガールズ4thライブで度肝を抜いた個別衣装は、

だいたいモチーフとなるゲームの衣装があったが、そのまま作れたものはほとんどなかったと思う。

いろいろな手が加わっていて、中にはほぼオリジナルというものもあった。

この衣装のこの要素とか、そういうのを拾い集めた結果なんですけどね。

こういうのはやはり衣装作りのプロの腕の見せ所だったんじゃないかなと思う。

あれは本当に大変だったと思うけどね。

実は厳しい期日前投票の要件

こんなニュースがあったのですが。

選択肢に「介護」なく 選管職員が期日前投票拒む 名古屋市 (産経新聞)

宣誓書の選択肢が選べなくて、期日前投票できなかったという話。

どれを選べばよいかは、投票の背景を説明すれば教えてくれると思うのだが、

職員が積極的に聞き取ることはなく、どれか選ばないと投票できないとしたことが問題である。

投票に来た有権者にも落ち度はあるような気はするが、職員の対応に問題があったということである。


でも在宅での家族の介護ってどの選択肢になるんだろう?

最初に思ったのは「病気等」の選択肢だが、家族の介護って自分の病気ではないよなぁと。

そこで公職選挙法の期日前投票の規定を確認したら、厳密なことをいうと期日前投票の条件はかなり限られていることがわかった。


第四十八条の二 選挙の当日に次の各号に掲げる事由のいずれかに該当すると見込まれる選挙人の投票については(略)期日前投票所において、行わせることができる。

一 職務若しくは業務又は総務省令で定める用務に従事すること。

二 用務(前号の総務省令で定めるものを除く。)又は事故のためその属する投票区の区域外に旅行又は滞在をすること。

三 疾病、負傷、妊娠、老衰若しくは身体の障害のため若しくは産褥じよくにあるため歩行が困難であること又は刑事施設、労役場、監置場、少年院、少年鑑別所若しくは婦人補導院に収容されていること。

四 交通至難の島その他の地で総務省令で定める地域に居住していること又は当該地域に滞在をすること。

五 その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。

六 天災又は悪天候により投票所に到達することが困難であること。

1~6の理由が見込まれることが条件となっている。

実際には状況が変わってこれらの条件を満たさなくなってもよいが、投票時点ではいずれかの見込みが必要である。


さて、それでそれぞれの理由を詳しく見てみると、

1.は総務省令という言葉が出てくるが、これは公職選挙法施行規則ですね。

これを見るといろいろ書いてあるのだが簡潔に言えば冠婚葬祭ですね。

このためうちの市の宣誓書には「仕事等」というくくりで「仕事、学業、地域行事の役員の仕事、本人又は親族の冠婚葬祭、その他」と書かれている。

2.は投票区外に外出することである。外出の理由は問わないが、自宅近くだと条件を満たさないし、ましてや在宅では該当しない。

1.も外出という点では同じような気はするが、在宅での仕事や、自宅近くでの葬式や地域の仕事も対象になるので、これが1.と2.の要因を区別する理由である。

3.は完結に書けば「歩行困難または刑事施設に収容」ということになる。

これはうちの市の宣誓書では「病気等」というくくりになるのだが、

条文上は、病気などの理由で歩行困難でなければ期日前投票できないように読める。

おそらくそこまで厳しく捉えられてはいないと思うのだが……

5.は他市町村での不在者投票の対象としてよく知られている。

6.は台風による悪天候が見込まれるときや、災害からの避難中に使われる。

新型コロナウイルス対策で混雑を忌避して期日前投票する場合もここに該当するという。


4.はほとんど該当する人はいないので、宣誓書の選択肢に書かれていないこともある。

無人島なのに期日前投票? 投票所入場券の謎、記者がたどった (朝日新聞デジタル)

総務省令(公職選挙法施行規則)で定める地域というのは相当限られた地域である。

しかも、そこに挙げられた地域には無人地帯も多い。

東京都では小笠原村の硫黄島・南鳥島・母島が該当する。

硫黄島は自衛隊、南鳥島は気象庁関係など、仕事か他市町村居住を理由とした不在者投票が行われる。

母島は普通に投票所があるが繰り上げ投票になる。(期日前投票所もある)

輪島市の舳倉島(投票箱が運べなくなる懸念から島内には当日の投票所がなく、臨時の期日前投票所が設けられる)のような例外はあるが、ほとんど機能していない。


冒頭に出てきた人の場合、どこに該当するのか。この条文からはわかりにくい。

普通に歩けて、在宅の理由が一般的な家事ならば、対象にはならなさそうだ。

ただ、おそらくは在宅での介護は「職務又は業務」に該当するとみられる。

このため「仕事」を選べばよかったわけである。


最近は当日の投票所設置が人員配置の面で難しいということで、

投票所を集約して、期日前投票所の巡回で対応するケースが増えている。

巡回の期日前投票所は選択肢の1つで、常設の期日前投票所の近くに行くときに投票することもあるし、むしろそっちの方が多そう。

あるいは従来より遠くなるとしても、当日に投票できる投票所もある。

しかし、よくよく考えてみると当日在宅の人は、さっき書いた舳倉島のような例外を除けば、投票所が遠いというだけで期日前投票はできないのである。

実際、どういう理由を選んでいるのか。

巡回投票所を使うのは高齢者が多いだろうから「病気等」を選んでいるのか、

外出する可能性もあると汎用的な「レジャー・用事等」を選んでいるのか。


なかなか実態に即しているとは言いがたいが、期日前投票制度が始まってからはあまりあれこれ言われることもなくなった。

不在者投票できる条件について、詳しく解説することもない。

宣誓書の「病気等」という選択肢は、条文上は「歩行困難」なのが条件だが、そこまで厳しいと思わせない記載になっている。

これは意図的に誤解を狙っているのだと思う。

実際には「レジャー・用事等」を選ぶべき、歩行困難とまで言えない人の通院・入院でも「病気等」を選んでいることは多いと思う。

でも、それを問いただすことはないので判明することはない。


そもそも期日前投票の宣誓書っているの? という話もある。

今住んでいる市では投票所入場券の裏面に宣誓書が刷り込まれている。

これに記載すると期日前投票所で渡すだけで投票できると。

期日前投票の場合、投票所入場券を持たずに来る人の割合は当日よりは多いとみられる。

このため投票所にある宣誓書に必要事項を書いてもらった方が好都合というのはあるかもしれない。

とはいえ、大半の人は投票所入場券を持参して、期日前投票に来るんですよね。

宣誓書にはなんとなく記載されていることを確認して、あとは入場券のバーコードを読み取って、氏名を確認して投票用紙を渡して、書類を回収するだけである。

回収した宣誓書の集計は別途行うかも知れないが、その程度である。


このあたりは不在者投票の制度をそのまま引き継いだことが問題なのかも。

もともと不在者投票の条件はそこそこ厳格だったし、投票用紙の郵送先などの情報が必要なので、何らか書類の提出が必要なのは確かである。

しかし期日前投票になって、投票所入場券を持参して、その場で投票して帰るだけの人に追加で得るべき情報は、期日前投票を行う理由程度である。

そもそもその理由だってだいぶいい加減な運用がされているのだから、

それってそもそも必要なの? というのはもっともな指摘である。


郵便での不在者投票とか、職員以外による代筆とかは、不正投票の原因にならないかとか、選挙の秘密への懸念などの心配があり、難しい面がある。

ただ、期日前投票についてはそういう懸念はあまりなくて、やりたければどうぞという感じの制度である。

なので、あれこれ細かい事を言わんでいいような気はする。

ほとんどはかつての不在者投票の名残だと思うのだが……

もうちょっと広く「当日に投票所に到達することが困難と見込まれる」とすればよくて、それが事実であることを宣誓させるほどでもない気がする。

投票所入場券のない人は、宣誓書のような紙に書いてもらったほうがよいが、それはまた別の問題でしょう。

段差解消はされているが実用的ではない?

新築移転を予定している愛知県体育館についてバリアフリーの観点で問題が指摘されているというニュースを見て、

障害者団体が騒いでるからと言って真に受けて良いものかと思いつつ、

詳しい事情を見てみると、確かにこれはかなりキツイぞと思った。

【独自】隈研吾氏デザインの愛知県新体育館にバリアフリーの大問題 26年アジア大会に影響も (Yahoo!ニュース)


問題となっているのが、体育館のメインの入口が2階で、

そこへ至るルートは基本的に大階段となっているということである。

とはいえ、階段以外のルートがないわけではない。階段の右側にエレベータ1基ある。

ただ、エレベータが比較的小型のもので、なおかつ多くの来場者が見込まれる体育館なので、これは厳しいのではないかということだった。

その後、エスカレータの追加、スロープの追加、エレベータの大型化という方針が出てきたが、

もともと大階段をメインルートとしてきた都合、無理のある導線が多く、

後付けで仕方なく付けるのならこれもやむを得ないけど、公共施設のバリアフリー化が当たり前になった新築される施設とは思えない状況になっている。


どうしてこんな計画が出来てしまったのか。

まず、このような体育館では来場者と関係者の導線を分けることが好ましい。

また名古屋城跡に立地する都合、埋蔵文化財の保護の観点で地下に掘るのは難しい。

このため、関係者は1階・来場者は2階から入ることを基本としたわけである。

このような構造は珍しいものではないが、2階への導線が大階段に集中することが問題である。

大階段の構造上、エレベータは少し離れた場所に置かざるを得ない。


そこで使えるエレベータが1基のみというのは貧弱に見えるが、実は建物内には4基のエレベータがあるのだそう。

ただ、そのためには1階から体育館に入る必要があるが、

さっき「関係者は1階・来場者は2階から入ることを基本」と書いた通りで、

イベントの運営上の都合で1階からの出入りは限定的にしかできない可能性がある。

車いすでの来場者に対して特別扱いすることは可能だと思うが、

足が使えても大階段を上るのはきついと思う人も多そうである。

そういう人の迂回ルートは当初計画では離れた場所にあるエレベータ1基しかなく、

この1基でOKとしてのには、無理をして階段を上らせるからというのもあったのかもしれない。


これを見て思いだしたのが、大阪駅の北側、アトリウム広場に設置された仮設エレベータのことである。

大阪駅の北側にはJR高速バスターミナルがあるが、ここは横断禁止である。

梅田地区は安全面から横断禁止箇所が多く、地上を歩くのはなかなか大変である。

アトリウム広場は高速バスターミナルを乗り越え、駅北側を結ぶ役割を果たしている。

ただ、この広場は本来ならばグランフロント大阪につながるはずだったが、開業が遅れていた。

このため、北側へのアクセスを確保するために広場に穴を開けて仮設階段を付けた。

階段を利用できない場合、ノースゲートビルディング内のエレベータが利用できるとはなっていたのだが、このエレベータはひどく混み合う。

どれぐらい混むかというと11階の映画館にエスカレータでの来場を推奨する掲示があるほど。

これは問題だということで、仮設階段脇に仮設エレベータを設置することになった。

現在はグランフロントへの通路に階段・エレベータが取り付けられ、仮設階段・エレベータは撤去されている。

また、道路を挟んで向かいなのにどうにも往来しにくいヨドバシ梅田との間に数本の歩道橋が架けられ、デッキレベルでの回遊性が上がった。


理屈上は段差なしでの移動ができるように作ってあっても、

エレベータの目的・大きさ・混雑などによって目的を達成できないことはあるということ。

大阪駅のアトリウム広場については、グランフロントと開業時期がずれたことによるもので、最低限の段差解消はできているから、当面はこれで乗りきるのは理解できる面はある。

迂回を促すなどの方法もあるが、高速バスターミナルのために歩行者通路を分断した経緯もあるので、仮設エレベータの設置をせざるを得なかったとも言える。


愛知県体育館の件も理屈上はこれで段差解消はできているのだが、

実際の利用者の導線を考えるとどうにも無理がある。

1階から来場者が自由に入れるのなら、確かに問題はないのだが、

それだと関係者の導線と錯綜するから、一般の来場者は2階から入る導線をメインにしたんじゃないかと問われると苦しい。

打開策はいろいろあると思うのだが、根本的な構造を見直さないと、本質的な解決にはならないような気がする。

ただ、それをするとアジア大会をターゲットした開業予定が変わってしまいかねない。


ちなみにこの新体育館のプロジェクトはPFIということで、

民間事業者(前田建設工業・NTTドコモ他)が建設・運営をするという形で、

この仕組みゆえに多目的利用で稼げることが求められた面はあると思う。

そのことと、無理のある来場者導線ができたことを結びつけることは適切ではないかもしれないが、

ただ、愛知県が当初思い描いていた施設配置とはかなり違ったのは確かで、

このため愛知県は「車いす以外の利用者もエレベーターが利用できるよう配慮すること」などの要望を出していた。

それを考慮した結果がこれなのか? という話である。

保険料払っているの半分だぞ

驚いたけど、まぁそうかもなと。

国民年金保険料 未納者+免除・猶予者で5割超 低年金に陥る恐れも (朝日新聞デジタル)

国民年金保険料を納めるべき人のうち、実際に保険料を納めているのは半分もおらず、

全額免除が382万人、納付猶予が230万人と多い。未納者は106万人だが減少している。

納付猶予については追って納付しなければ、未納と同じ扱いになるが、今納めなくてもよいことには違いない。


これでも年金給付への影響はそこまでない。

そもそも公的年金加入者が6725万人いる中で、厚生年金に加入しているのが4531万人、その配偶者で国民年金第3号被保険者が763万人。

すなわち8割近くは厚生年金から基礎年金勘定に繰り入れられている。

残り2割程度が国民年金保険料で賄う部分だが、

そもそも基礎年金の半分は税金で賄われており、免除でも半額は入ってくる。

納付猶予については追って納付されることが前提なので少し違う気がするけど、

基礎年金全体としては9割以上は確保できているので、大きな問題はないわけである。


こういうことになっている要因の1つには厚生年金の加入範囲拡大というのもありそうですが。

すなわち安定的な収入があり、国民年金保険料を納めていたような人は、厚生年金に移行していったということである。

納付猶予の割合が高いのも学生納付特例によるところが大きい。

年齢階級別で見ると20~24歳が24%を占めているのは日本に人口分布にしては異常であるが、その理由はそこにあると。

もっともこの場合は追納しなければならないが。


厚生年金のおかげでそれなりに基礎年金は安定しているが、

ただ、それだけに国民年金保険料が負担能力に見合っているのか見逃されてきたのかなと。

保険料免除の場合、年金が目減りするので、免除期間が長期間に及ぶと低年金の懸念がある。

また、納付猶予の場合は、後に追納できないと、それで目減りしてしまう。

免除・猶予の先に厚生年金への加入、あるいは安定して国民年金保険料が納められる所得が得られれば、そうである保証はない。

国民年金第1号被保険者の半分が保険料を払っていないということは、

免除・猶予が続き、当然追納も難しい人が相当いるということである。

そういう人が年金によらず生活できる備えがあるとも思えず、となれば……

なかなか公的年金もままならないものである。

ポスター掲示板を増設する理由

今日は参議院議員選挙の公示日、ということで各地で立候補受付があったわけだが、

先週、東京都ではポスター掲示板の増設工事がせっせと行われていた。

参院選東京選挙区 候補者ポスター掲示板の枠を増やす作業進む (NHK)

ただ、結果的に言えばこの増設部分の出番はないようだ。


東京都も市区町村によるとは思うが、だいたい同じタイプの掲示板を使っている。

今回の場合、当初貼られていた掲示板は 縦3枠×横12枠の36枠が切られ、

右上から2枠は掲示板の説明書きが記載されている。

そして、右から2列目から、右から左に向けて1,2,3…11と番号が振られ、

次の行には右から左に向けて12,13…22と振られている。

そして最も下の列は注意書きの下に34、続いて右から左に23,24…33となっている。

34番の掲示場所が変則的だが、最大34番までポスターを貼れるように見える。

でも実は35番・36番枠も存在する。それは説明書きが書かれた2枠にも35・36番が振られているためである。

実は一番右の列は下から34,35,36となっているのである。

なお、市区町村によっては同じような掲示板でも34番も説明書きに使っていることがある。(34番枠の内容はたいてい重要度は低いので潰れてもほぼ問題はないが)


実際には34~36番枠は予備として考えているのだと思う。

ここに貼られてしまうと説明書きが消えてしまうなどの問題もありますから。

でも、注意書きがつぶされたとしても、貼れないよりはずっとよい。

もし一部の候補者がポスターを貼れないとなれば、公平性を欠くことになり問題である。

だから、よく考えられた仕組みだなとは思っていた。


さて、冒頭に書いた通り、東京都は各市区町村にポスター掲示板の増設を指示した。

ニュースによればトリガーとなったのは、書類の事前審査に来た人が30人を超えたあたりだとみられる。

公示まであと1週間ぐらいあるので、まだ立候補を考える人が増える可能性はある。

増設には増設分の板を準備して、作業者を確保してと、どうしても時間がかかる。

もっとも恐れるべきことはポスターの貼れない候補者が出ることである。


増設された掲示板は、従来の掲示板の左か上に3枠分足され、

その3枠は7・38番枠、そして39番枠に掲示板の説明が記載されている。

3枠増やしたわけだが、35・36番枠に貼られると掲示板の説明が潰れることを考えれば、35番枠以降にポスターが貼られれば増設部分の意味はありそうだ。


そして告示日、東京都選挙区の立候補者は34人で締め切られたようだ。

結果としては掲示板の説明書きが潰れない34番までで足りたので、

増設部分の意味は特になく、転ばぬ先の杖ということだったと思う。

一応、補充立候補という制度があって、立候補者が亡くなった場合、追加の立候補者を立てられる制度がある。

近年で話題となったのは2007年の長崎市長選挙で、現職の市長が再選を目指して立候補するも選挙期間中に暴力団に射殺されるという事件が起きた。

2名補充立候補し、市職員から補充立候補した田上富久さんが当選、再選して現在も長崎市長である。

もしも補充立候補があれば、実際に増設枠の意味も出てくるのかも知れないが、稀なことではある。


それにしても東京都選挙区の立候補者数の多さは異常である。

当然、改選数6と多いことは背景の1つとしてある。

確かに国政政党だけでも14人立候補者を立ててますからね。

ただ、国政政党の候補者でも半分ぐらいはほぼ勝ち目はないような気はするんですけどね。

国政政党というのは比例代表の得票率2%以上などの要件を満たした政党を言うが、

政党要件ギリギリの党勢で当選者を出すのはいくら東京都選挙区でも厳しい。

よっぽど他党支持者を巻き込める自信があるならよいが……


それにも増して無所属・国政政党以外の政治団体を名乗る候補者が多すぎる。

もちろんこれらの候補者の中に有力候補がないという話でもない。

国政政党との関係性や地方議会での活動など、軽視できない候補者もいるから。

ただ、大半は本当に怪しいものである。活動体制も脆弱とみられる。

ゆえに39番枠まで用意したポスター掲示板も1/3程度しか埋まらないのが実情である。

東京都選挙区にこのような候補者が集中するのは改選数6だからというのもあるかもしれないが、東京の選挙区だからというのはあると思う。

特に参議院の選挙区立候補者は必ず政見放送を流すことが出来る。

衆議院の政見放送は大変

こういうところも狙っているのではないかなと思う。


正直なところ、巨大なポスター掲示板を用意して、ましてそれを増設するなんて、

それは東京都選挙区の選挙の実態に見合った内容なのかなと思うんですけどね。

ただ、今の供託金でも高いと言われる状況で、なにがよいのかは難題である。

選挙は我々の生活によい影響も悪い影響もあると思うが、

当選可能性が低い候補者が乱立することは騒音など生活にとって悪い影響があると思う。

民主主義のコストとしてある程度は受け入れるべきものだが、

参議院の東京都選挙区ほどになるとさすがに度が過ぎている。どうにかならんものか。


あと、ポスター増設の引き金を引いたのは、おそらくはとある政党の立候補者擁立方針によるものだと思う。

兵庫県選挙区でもポスター増設が行われたニュースがあったが、

実は東京都だけのことではないんですね。全国的に多いんですよ。

全国の選挙区の立候補者数をみると、異様なまでに立候補者の多い政党がある。

よりによって政党要件を満たしている政党だからタチが悪い。

もちろん1つの政党だけに原因があるわけではないけど、最後のトリガーを引いたのはここなんだろうなと思いますね。

元々、ある程度余裕があると思って準備していたはずですから。

ヨーロピアンスタイルの3歳ダート三冠

昨日から話題になっているのですが。

3歳ダート三冠競走を中心とした2・3歳馬競走の体系整備について (地方競馬全国協会)

従来、南関東所属3歳馬で争われていた羽田盃・東京ダービーをJRA所属馬を含む全国の馬に開放し、JpnI格付けを取得、

現在のジャパンダートダービーについては名称変更の上、10月上旬の開催とする。

これにより日本の3歳ダート三冠が大井競馬場に揃うことになるというもの。

あわせて、園田競馬場で3歳限定で行われている兵庫チャンピオンシップ(JpnII)について、

1400m戦に変更し、ダートの3歳短距離チャンピオン決定戦にするとのこと。

園田競馬場は日本一コンパクトな競馬場で、大半が1400m戦を占めるという特徴もあり、これにより園田で開催される中央・地方交流重賞は全て1400mになる。


以前こんな話を書いたことがある。

世界的に見れば、アメリカのクラシック三冠も有名だという。

ケンタッキーダービー・プリークネスステークス・ベルモントステークスの3レースで勝利することで、

期間は5~6月で中1~2週と詰まっていて、距離のバリエーションは約2000m、約1900m、約2400mで、全部ダート。

日本の地方競馬もダート競馬だからか、3歳馬の三冠はこのスタイルに近いのかなと。さすがにここまでの短期決戦ではないが。

(三冠最終決戦とは)

芝ではイギリスのクラシック競走に準ずる5レースがあり、このタイプのクラシック三冠がまともに成立しているのは日本ぐらいと言われている。

日本では牝馬三冠最終戦の秋華賞も加わり、牝馬ではこちらの三冠が目標になる。

このタイプの特徴の1つが春2戦・秋1戦という構成であるが、秋になると4歳以上馬と混ざってレースに出られるため、ヨーロッパでの三冠の形骸化につながったとも。

これに対してアメリカの三冠は春に短期集中で3戦行うということである。


日本のダート競馬もこれを参考にしてきたところが多く、各地の地方競馬にあるご当地の三冠シリーズもアメリカンスタイルが主流と思っていた。

ただ、実際にアメリカンスタイルなのは南関東と兵庫(園田)の2つぐらい。

南関東は下記3レースで三冠、

  • 羽田盃(4月下旬~5月上旬・大井1800m)
  • 東京ダービー(6月上旬・大井2000m)
  • ジャパンダートダービー(7月上旬・大井2000m) JpnI(中央・地方全国交流)

あと、ここは牝馬三冠もある。

  • 桜花賞(3月下旬・浦和1600m→来年から1500m) 地方全国交流
  • 東京プリンセス賞(4月下旬~5月上旬・大井1800m)
  • 関東オークス(6月中旬・川崎2100m) JpnII(中央・地方全国交流)

兵庫は下記3レースで三冠である。

  • 菊水賞(4月上旬・1700m)
  • 兵庫チャンピオンシップ(5月上旬・1800m) JpnII(中央・地方全国交流)
  • 兵庫ダービー(6月上旬・1800m)

問題はJRA勢が来る交流重賞で、地元馬限定のレースがあるから三冠挑戦権は地元馬しかないが、地元勢が交流重賞で勝つことは難しい。


地方競馬ではダービーシリーズとして6月に各地のご当地ダービーを固めている。

高知優駿(黒潮ダービー)と門別の北海優駿は地方全国交流、他は地元馬のみである。

同時期にJRAではユニコーンステークス(GIII)が行われ、

これらの上位馬がジャパンダートダービーに集い、3歳ダート王を争う――

というのは建前で、実際にはジャパンダートダービーにはJRA勢と南関東勢以外はあまりいないという。

これは勝ち目がないという判断もあるのだろう。

実際には各地の3歳チャンピオンが集まるという性格が強いのは、

10月上旬に盛岡で行われるダービーグランプリ(地方全国交流)だという。

この前哨戦を「3歳秋のチャンピオンシップ」としてシリーズ化している。


アメリカンスタイルと書いた南関東と兵庫の三冠シリーズだが、

このうち一冠は現実には難しく、一方で秋にはダービーグランプリの前哨戦がある。

北海道・岩手・高知・佐賀では、ダービーの前哨戦・ダービー(ダービーシリーズ)・ダービーグランプリの前哨戦(3歳秋のチャンピオンシップ)で三冠である。

南関東・兵庫も実際にはこれに近い実情もあったんだと思う。


新しい3歳ダート三冠では春2戦・秋1戦だから、完全にヨーロピアンスタイルである。

ジャパンダートダービーが10月上旬に移るが、これは現在のダービーグランプリの位置である。

現在のジャパンダートダービーは各地の3歳チャンピオンが集まるのは難しい。

現在のダービーグランプリの時期にJRAを含め夏を越えて強くなった馬が集まるのが適しているというのはなるほどと思った。

ダービーグランプリを交流重賞にせずに、ジャパンダートダービーの移設という形を取ったのは、すぐにG1級のレースにできるからだろう。

大井競馬が主催者であることで高額賞金のアテがあるのも好都合である。


新しい3歳ダート三冠は立場によって異なるメリット・デメリットがある。

わかりやすいのがJRA所属馬にとってのメリット。

ジャパンダートダービー(1着賞金6000万円)に代えて、新しい三冠(羽田盃5000万円・東京ダービー1億円・新ジャパンダートダービー7000万円)が目標となる。

JRAでは年間レース数の兼ね合いもあり、ダートまで手が回らなかったので、大井でやってもらえることはありがたいことである。

おそらくJRAにもこれにふさわしい前哨戦も整備されるのだと思う。

2歳・3歳のダートOPクラスのレースはいずれも重賞(GIII)やリステッドになれる実績はあるので、ダート三冠を念頭に再配置するのだろう。

課題は国際的な格付けがないこと。

いきなりG1級のJpnIの格付けが付くのは日本ローカル格付けだからこそである。

将来的には国際競走にという構想はあるだろうが、格下げは受け入れたくないだろう。

今のジャパンダートダービーはG2になれるかどうかというレベル。国際G1への道は遠い。

最近はダートも外国遠征が行われることが増えたが、せっかくのダービーでの戦績も国際的にはリステッド扱いでは……というのはある。


大井競馬にとっての明確なメリットは馬券売上である。

やはりJRA所属馬もやってきてハイレベルな争いとなれば注目度は高い。

新しいダート三冠の賞金はJRA所属馬に持って行かれる分もあるが、

そこで得た馬券売上で前哨戦の充実、あるいは条件戦の賞金引き上げなど、地元馬に還元できる分も増えると読んでいるのだと思う。

ただ、大きな課題があって、それはご当地ダービーを失うことである。

従来は東京ダービーがあるから、南関東所属を選ぶ馬も少なくなかったとみられる。

2016年の東京ダービーを優勝したバルダッサーレは、JRAからの移籍初戦が東京ダービーで明らかな東京ダービー目当ての移籍だった。

これは物議を醸し、東京ダービーの出走順は地方競馬の賞金で決めるルールになった。

そこまでした地元馬のダービーをJRA含め全国開放するなんてと思う人は多いのだろう。

ただ、昨年は船橋所属のミューチャリーとカジノフォンテンが、JRA勢を破りG1級のレースで2勝するなど、地方勢も強くなっている。

もしJRA勢を打破できれば、新しい三冠レースは従来より高額賞金である。

日本ダート競馬の主役は大井をはじめとする南関東だということで、強い馬が集まることに期待しているのではないか。


他の地方競馬主催者ですが、各地のダービーあるいは前哨戦の位置づけが変わることは間違いないと思う。

このためどのようになるかは見通せない部分は多い。

例えば、兵庫ダービーは地元馬のみで1着賞金2000万円を争うということで、

地元馬だけのレースでこの賞金の高さは魅力的だと言われており、今後も続けるのではないか。

もちろん兵庫から大井のダート三冠へ向かう選択肢もあるし、

兵庫チャンピオンシップを頂点とした3歳短距離王の道もできるが、

地元勢で争う兵庫ダービーが目標という馬は揃うでしょう。


門別はもともと門別デビューから移籍して東京ダービーを目指す馬を送り出してきた。

今後は門別所属でも東京ダービーは目指せることになる。

また門別で行われる北海優駿を含む三冠シリーズは地方全国交流競走である。

このため大井の三冠は厳しいけど、という馬の受け皿になる可能性がある。

同じようなことは同じく地方全国交流の高知優駿(黒潮ダービー)にもあると思う。


各主催者とも課題はいろいろあるが、日本ダート競馬の課題の1つを打開するために大井競馬が手を挙げたことは大きいのでは。

これと同じような形でダートの牝馬三冠も整備されるといいですけどね。

すでに関東オークス(JpnII)はありますが、同じく川崎では秋にロジータ記念がある。

関東オークスの前哨戦には大井の東京プリンセス賞がある。

また、2歳牝馬チャンピオン決定戦として年末に東京2歳優駿牝馬がある。

現状、JRAの前哨戦が散々(2歳・3歳という以前にダートでOPクラスの牝馬限定戦がない)なので、そこが整えられるかが課題である。