日本の深夜に全社表彰

先日、全社表彰が行われていたようなのだが、

この表彰式はWeb会議で誰でも見られますよと書いてあるんだけど、

その時間帯が勤務時間外の夜遅くに設定されていた。

なんでこんな時間に表彰式やるんだよ! とリアルタイムで見ることは無く、

録画データが上がるという話だが、それもまだ見ていない。


で、なんでこんな時間に表彰式をやるんだと真面目に考えたのだが、

表彰対象は日本に限らず、全世界の拠点にいるわけである。

で、概ね アジア・ヨーロッパ・アメリカ と拠点があるわけだ。

日本を含むアジアの割合が高いことは確かである。

そのアジアも東から西まで広く分布しているわけだけど。

と考えるとUTCとの時差で考えると、アジア~ヨーロッパは UTC+0~UTC+9で広く分布し、

アメリカ(ハワイ・アラスカ以外の本土)はUTC-8~UTC-5である。

これらの範囲に分散している人が広く集まれる時間と考えると、

アメリカで朝、日本が夜とならざるを得ない。

アメリカ太平洋標準時(UTC-8)で朝6時というのは、日本(UTC+9)で深夜23時である。

両端はきついが、このような形で時間を決めたと考えられる。


もし、アジアだけでよければ、トルコ(UTC+3)の朝9時は日本の15時なのでそこまできつくない。

主だったところはこの範囲で収まりますからね。

逆に東アジアとアメリカであれば、アメリカ東部(UTC-5)の夕方18時は日本の朝8時である。

これでもなかなか両方で勤務時間内に入れるのは難しいが、

アメリカで朝・日本で夜を選ぶよりは現実的ではある。


そもそも全社表彰をこのような形でやるのがいいのかという話はあるが。

地域ごとに分散して表彰を行えばよいという考えもある。

昔はそうやって各地の拠点で表彰状の伝達をしてたんじゃないのかなぁ。

もちろん全社的に表彰内容を知らしめるという意味では、

こうしてリアルタイムでまとまってやることも意味はあるとは思うが、

そんな定時内でもないのにリアルタイムで参加できるわけないじゃないの。


というわけで理屈はわかるが、あんまりいい方法じゃないねと。

全ての拠点が満足できないのなら本社の都合のよいときにやるという考えもあるとは思うが。

ただ、幸か不幸か太平洋上にはさしたる拠点がないので、こういうこともできてしまうという。

短時間だけ使う駐輪場

今日、帰ってきて2箇所の買い物を自転車でハシゴした。

一方はよく自転車で買い物にいくところだけど、

もう1箇所は普段は歩いて買い物に行くところである。

ハシゴするルートも怪しかったが、一応は遠回りにならずにたどり着けた。


で、どちらも駅周辺の商店街ということで、ちゃんと駐輪場に停めないといけない。

1箇所は店の前に駐輪場があるのでここを使えばよい。

2時間以内なら無料、それ以降の加算ペースは他の駐輪場に比べて速いし、

立地の特徴からほとんどが無料範囲内での利用なんじゃないかな。

実際、かなり自転車の入れ替わりが激しい駐輪場でもある。

ここは普段から自転車で買い物に来ることは多い店だからよく知っているが。


で、問題は2つ目の店である。店に駐輪場があった覚えがないので、

そしたら近くの公共駐輪場に停めないといけないと思ったが、どこにあったか。

幸いにも店の目と鼻の先にあったので、これはよかったのだが、

駐車料金ってどうなっているんだろうと看板を見たらこんな内容だった。

下段ラック・平置きは 2時間以内無料、以後4時間毎100円

上段ラックは 2時間以内無料、以後8時間毎100円

短時間の利用ならどっちでもよいので、サクッと下段に入れたけど。


この料金設定を見てまず思ったのはちょっと高いなということ。

というのも普段使うエリアの公共駐輪場は立地条件によって、

6時間毎100円・12時間毎100円・24時間毎100円の3タイプがある。

いずれの公共駐輪場も最初の2時間は無料で、料金を積算するのはその後。

料金は立地などで変わるが12時間毎100円のところを使うことが多いですね。

これだと14時間以内の外出なら100円で済むので、多くはこれで足りる。


この感覚からすると4時間毎100円はずいぶん高いという印象がある。

上段の8時間毎100円としても100円で済むのは10時間以内となれば、

外出時に100円で収まらずに200円となることも多く発生しそうだ。

200円で済めばいいかなという感じだが、18時間超で300円ですか。

1日の外出でそこまで行くのは稀でしょうけどね。

利用時間が長い人は2段式ラックの上段を使ってねという意図はまぁわかる。

確かに2段式ラックの上段は使うのにいろいろ手間がかかるし。

ここに料金差を設けているのは初めて見たような気がするけど。


駅周辺などは短時間でも駐輪場に入れざるを得ないので、

どこに駐輪場があって、短時間無料かとか把握する必要がある。

今は市内の駐輪場はほぼ2時間無料になったが以前はそうでもなかったので。

こういうのはだいたい決まり手ってのはあるんですけどね。

あまりいかないところだとちょっと考えないといけないんだけど。


おそらくここに自転車を停めて長時間外出ということはないので、

大丈夫だとは思うけど、上段でさえ料金がかさむなぁと思ったのだった。

内蔵ROMはプログラム用では?

あるシステムで設定情報を保存する方法についてどう考えてるの?

と聞いたらマイコン内のフラッシュROMに書き込むんだと言われて、

いや、そのマイコンのROMはプログラムを書き込むことしか想定されていないのでは? と。


あるシステムでは少量の設定情報を保存するのにマイコン内蔵のROMを使っているが、

これはプログラム格納用のROMと分離されたものになっている。

このような分離されたROMがあるか調べたらなかったので、

それは外付けのEEPROMを付けるべきだと思っていた。


プログラムとは別のユーザーデータをROMに格納する話を調べるとこんなのが出てきた。

フラッシュメモリをEEPROMとして使う「裏技」 (EDN Japan)

消去が遅くて回数が限られるという欠点を踏まえた上で使えばいいですよとある。

ただ、本当に問題はないのかと気になって調べたらわかったことがあった。

この記事はSTマイクロの人が回答しているが、

同社のSTM32ではフラッシュROMを2つのバンクに分けており、

消去・書き込み中も、他方のバンクについては通常通りアクセスできるという。

すなわち2つのバンクを全部プログラム用に使うこともできるが、

1つをプログラム用、もう1つを設定情報用と使い分けるのは想定された作りになっているわけである。

一般のマイコン内蔵フラッシュROMがそうなっているとは言えない。

調べたところ今回採用すると言っているマイコンはそうはなっていなかった。


ところでEEPROMとフラッシュROMの指すところは少し違うらしい。

EEPROMは電気的に消去・書き込みができるROMを表す言葉で、

今どきマスクROMやUV-EPROMなど作られることは少ないので、ROM=EEPROMと言っても間違いではない。

この点ではフラッシュROMもEEPROMに含まれるのだが、

部品としてのEEPROMはワード単位や比較的少量のデータ単位で読み書きできるものを指す。

これに対してフラッシュROMは一定のまとまりをもったページ単位で消去を行うものを指す。


フラッシュROMの書き込みはビットを1→0にすることしかできない。

消去を行ってデータを全部1にしてから、書き込みを行う手順を踏むため、

少量のデータの保存に手間と時間がかかる傾向がある。

一方で大容量化には適している。概ね1Mbitが境目になるみたい。

EEPROMと呼ばれる部品も実態としてこういう動きなのかもしれないが、

消去を経ずに書き込み命令を出せばよいので取扱が便利である。

このような使われ方の差もあって書換(消去)可能回数が多い傾向がある。

例えばEEPROMは100万回、NOR Flashが10万回など。


先の「フラッシュメモリをEEPROMとして使う裏技」で言及されているのは、

フラッシュの消去は時間がかかるが、書き込みだけなら速いので、

書き換えごとに違う領域に書き込み、全部埋まったら消去するというやり方があるという話だった。

確かにそういう工夫をして使っているものを見たことはある。

一方でマイコン内蔵のROMは読み出しが高速であるというメリットもある。

書き換え回数も1万回もあれば十分と言うケースも多いだろう。


ただし、これはプログラム用と設定情報用でバンクが分かれている場合の話。

もしも分かれていない場合は消去・書き込み中のフラッシュへのアクセスが止まる。

このため、消去・書き込み処理中はSRAM上でプログラムを動かす必要がありそうだ。

ページ単位での消去ができるので、プログラムデータごと消去してしまうことはないが。


というわけで整理すると、

  • 書き込み頻度が高い場合は基本的には外付けのEEPROMを使うべき
  • プログラムと設定情報でROMのバンクを分けられるなら通常動作を継続しながら使うことはできる
  • プログラムと同じバンクを書き換える場合は、書換中はROMが読めなくなるのでSRAM上でプログラムを動かすなどする必要がある
    (結果として通常動作を継続しながら書き換えることが難しい)
  • フラッシュROMの消去にかかる時間には注意が必要
    (消去済みの領域に書き込むならむしろ速い場合もある)
  • 読み込みが高速である点は内蔵ROMを使うメリットである

こうして整理してみると、バンクが分けられないとかなり不便である。

通常動作の中で消去を行うのはほぼ困難なので、ここで制約されることは考えられる。

ただ、今回のケースは上記条件に照らして絶対不可能とも言い切れないところが悩ましい。

でも常識的に考えてそういう使い方する意味は乏しいと思うのだけどね。

わざわざそんな面倒なことやるんかいと。


あえて外付けのEEPROMを付けるのはそれだけの価値があるからだという話なんだと思うんですけどね。

高速・高頻度書き込みというところに価値を見いだしにくいのはあるが、

そこに価値を見いだせるケースはそれなりに多いとは思うんですがね。

KLM Asiaはなぜ今日も成田に飛ぶ

偶然「KLM AISA」と書かれた飛行機を成田空港で撮影した写真を見て、

気になって調べたらいろいろと驚くことだらけだった。


前提知識として知っておくべきキーワードが「日本アジア航空」である。

この会社は1975年に日本航空の子会社として設立された。

その背景には1972年の中華人民共和国との国交樹立がある。

国交樹立後に中国大陸との航空路線を開設するにあたり航空協定を結んだが、

大陸への乗り入れが認められた日本航空は台湾路線を運航してはいけないという条件が付いた。

台湾を支配する中華民国との断交も相まって台湾路線の継続が困難になった。

この問題を打開するため日本航空ではない航空会社を設立した上で、

日本・台湾の民間団体同士で航空協定を結ぶという形を取ることになった。

以後長らくJALグループの台湾路線は 日本アジア航空(JAA)により運航されていた。


で、このやり方は後に台湾への乗り入れを行う外国航空会社の参考にされ、

航空会社の名前に「アジア」と付けて別会社として台湾乗り入れする会社が何社もあったという。

もっとも塗装を変えて別会社を装っているだけというケースもあったらしいが。

KLM Asiaもその1つである。オランダのKLMは台湾路線はこの名前で飛ばしていた。


一方で時代が進むにつれて、大陸・台湾の両岸交流も深まってきた。

もともと香港経由での交流はあったが、2003年に香港上空を経由するという名目での直行便が運航され、

2008年にはそのような名目を付けずとも直行便が認められることとなった。

これにより中華人民共和国が外国航空会社に課していた台湾路線を運航しないことという条件も外れることとなり、

2008年に日本アジア航空は日本航空インターナショナル(当時)に吸収合併、

以後はJAL便名で台湾路線は運航されている。

すでに引退しているが旧JAAの機材は「JAL」の塗装に改められて使われたという。

他の外国航空会社も台湾路線の別会社(を装うの)は順次やめたという。


しかし、そんな中でも「KLM Asia」は未だに残っている。

とはいえ、台湾路線が単なる「KLM」塗装の機材で運航されることもあるし、

台湾路線以外でも「KLM Asia」塗装の機材が使われることもあるという。

これが冒頭に書いた成田空港にいた KLM Asiaの正体である。

調べてみるとアフリカ路線にKLM Asiaの機材が入ることもあるようだし、

時には大陸路線にKLM Asiaの機材が入ることもあったという。

KLM Asiaの本来の意味からするとおかしな話だが。


塗装だけの問題とみられるが、KLMでは2016年頃に塗装変更を行っている。

そのときに通常のKLM塗装になるかと思いきや、塗装変更されてもKLM Asiaだったという。

「荷蘭亞洲航空公司」という漢字表記までちゃんと書き込んでいるという。

(実際にそんな名前の会社があるわけではないと思うのだが)

果たして何を意図しているのかはわからない。


ところで日本にはもう1つ、2008年以前に台湾路線を運航していた会社があった。

それが エアーニッポン である。現存しないんだけど。

ANAグループでその昔はプロペラ機を飛ばしていたらしい。

グループ内に存在したこの会社に台湾路線を担わせていた時代があったと。

とはいえ、こちらはJAAに比べればかなり形式的なものである。

Air JAPANの名前が付記されたANA保有の機材とANAの乗務員を借りて、

エアーニッポン(EL)便名で運航していたというのが実態だったよう。

(2006年に中部~台北線を自社機材で開設したのはあるようだけど)

なお、エアーニッポンは主にプロペラ機をエアーニッポンネットワーク(現:ANAウイングス)に分社化、

ANA便名でのジェット機の運航と台湾路線の運航という役目はいずれも親会社に吸収され2012年になくなっている。


もう今は昔なんですけどね。

その名残がなぜかオランダの航空会社に残っていて、

なぜかKLM Asiaの名前を書いた機材で世界中を飛び回っていると。

もうそれもこの機材が引退すればなくなるんじゃないかなぁと思うけど。

スマッピーとUMACAを使ってほしい

昨日、東京競馬場に行って気になったのが投票所の構成である。

東京競馬場は本当に広くて、世界でもここまで人が入る競馬場は他にない。

それだけに馬券を購入する投票所も数多くあるのだが、

混んでいる投票所とガラガラの投票所の差が大きい。


そのガラガラの投票所というのが「スマッピー専用投票所」である。

スマッピーというのはマークカードの代わりにスマートフォンで表示したQRコードを使って買い目を指定する方式である。

昔、WINSで1回使ったことあるんだけど、使い方によっては便利である。

馬名を見ながら、これとこれとこれの組み合わせとか選べるので、

マークカードに数字だけ塗るより間違いが少なくてよかろうと。

ただ、そのために端末を出すのも煩わしいという考えもある。


調べてみると、スマッピー専用の投票所は全国の競馬場・WINSに設置されたが、一般の発売所に戻されたところも多いと言う。

設置している機械自体は同じものでマークカード投入口をふさいでるだけなので。

それでも残っているところは競馬場だとパドック近くが多いようである。

メリットとしては2つ考えられるようである。

空いているので急いで投票するのに便利であるということ。

もう1つはマークカードが飛び散らないので環境美化の観点でよいこと。

確かに東京競馬場のパドック付近の投票所は屋外なので風で飛ばされたら掃除も大変。

そういうのを回避できる点ではスマッピー専用の意味はありそうだ。


一方でスマッピー投票のニーズがいかほどかという問題もある。

馬券の買い方としてはこんなところが想定される。

  1. マークカードを書いて現金で買う
  2. スマッピーでQRコードを作成して現金で買う
  3. マークカードを書いてUMACA投票を行う
  4. タッチパネルの操作でUMACA投票を行う
  5. スマッピーでQRコードを作成してUMACA投票を行う
  6. UMACAスマートでWebサイトからUMACA投票を行う
  7. 即PATなど銀行口座から投票を行う

3~6のUMACA投票は事前に現金でカードに入金してから投票し、的中すれば出金できる。

入出金は現金扱いが発生するが、投票だけなら現金扱いが発生しないので、

UMACA投票機の配置は自由度が高く、席近くなどにも多く設置されている。

UMACAを持っている人、あるいは一定の購入実績のある人専用の区域を設けている施設もある。(東京競馬場はなかった)

とはいえ、実際のところ、競馬場でも7.に書いた銀行口座からの投票をする人はいるという。

UMACAは現金で入金する必要があるが、入金しすぎても払い戻せない。

即PATなら買わなかった分は月曜に銀行口座に戻るし、的中金も銀行口座に自動的に入る。

やっぱりこれが一番便利なのだという話は聞く。


で、上に書いた投票方式の2,5,6,7はスマートフォンを使う方法である。

5と6の違いはUMACA投票機にいく必要があるかないかの違いとも言える。

それならばUMACA投票機でスマッピーなんていらないような気がする。

UMACAスマートが導入されたのはl今月のことである。

インターネット投票といえばそうだが、競馬場・WINSでしか入出金できないので、

基本的に施設内で使う想定かと思うが、自宅で使うことができないわけではない。

競馬場でもわりと即PAT使われているのでは? とは言ったけど、

銀行口座と連携することのテクニカルな問題や心理的な抵抗感を考えれば、

入出金はあくまでも現金で、投票はインターネットというのもニーズはありそうだが。


JRAがUMACAを導入した目的の1つは現金でWIN5を買えるようにするためであろう。

WIN5はインターネット投票のシステムでしか取り扱わないが、

UMACAはインターネット投票のシステムを利用しているためである。

なお、WIN5用のマークカードはないので、タッチパネルかスマッピーを使う必要がある。

継続的に大量に買う人にはメリットがある仕組みだが、単発ではなかなか。


スマッピーで作成したQRコードを使って現金で馬券を買う方法は、

単発であってもメリットはある方法ではある。

UMACA投票機にスマッピーはUMACAスマートで代替されそうだが、現金投票ならスマッピー特有のニーズはあるはず。

JRAとしてもそこに期待して展開したんだろうけど、思ったほどは……という感じなんかなぁ。


ただ、多客時に通信回線の品質がどうなのかという懸念はあるんですよね。

1~7の方法で回線非依存の方法は 1,3,4 の3方式だが、

UMACAを持っていなければ1.の伝統的な方式しか残らない。

そして多客時に来る人というのは普段よりUMACAを持たない人の割合は高いであろうと。

そんな状況で現金投票所が減らされ、その一部がスマッピー専用投票所では困るよねと。


そんな今日の東京競馬場は83000人の入場者がいたという。

昨日、こんなことを書きましたが。

最近のジャパンカップはオークス馬が強い印象だが、どうだろう?

これは概ね間違えていなくて、2着(リバティアイランド・今年の牝馬三冠)、3着(スターズオンアース・昨年の桜花賞・オークス馬)はそうだった。

ただ1着のイクイノックスが強かったね。あれにはかなわんわ。

1~5着に並んだ面々は芝中長距離のチャンピオンがずらりと、

ジャパンカップは確かに日本競馬のチャンピオン決定戦だなと改めて思った。


イクイノックスの活躍もあり、お父さんのキタサンブラックは種牡馬として忙しい状態で、

今日のジャパンカップ優勝で勝つべきレースはだいたい勝てたとも言える。

時代により賞金水準は異なるとはいえ、獲得賞金22億円は4歳にしてJRA所属馬の最高記録を塗り替えている。

そうすると来年からは種牡馬入りしなければならないのかなと。

春シーズンにはここまでのことになるとは思ってなかったんだけどね。

白毛図鑑と出世レース

今日は東京競馬場に出かけていた。

開催日の競馬場に行くのは、昨年夏の帯広(ばんえい競馬)以来、

サラブレッドだと小学生の頃に1回あったかどうか。

テレビやラジオで観戦はしてるけどさ。


もっとも明日はジャパンカップだが、今日は東京では重賞レースもない。

とはいえ、これはこれで楽しみなレースがあったのと、

そして、動機として大きかったのが競馬博物館での特別展「白毛図鑑 純白のサラブレッド」と、

それに合わせて阪神競馬場から誘導馬見習い中の シロニイ が出張してきていて、

それがこの東京開催の期間中だけということなので、やってきたわけである。

パークウインズの日ならば入場料なしで競馬博物館も見られるんだけど。(cf. 馬券売場と博物館)

入場料といってもネットで買えば100円だけどね。(本来は200円)


12時すぎに到着したら、ちょうど今日2つ目の新馬戦の発走の頃だった。

新馬戦でもあと1~2時間は早く来ないとパドックから見れないなとか。

未勝利戦ならもっと早く来ないといけないしねぇ。

本当は昼食後に来たいぐらいだったけど、それは余裕がないので、この時間になった。


さて、競馬博物館だが、アーモンドアイ顕彰馬選定記念の特集があった。

明日のジャパンカップデーには顕彰馬選定記念として「アーモンドアイメモリアル」なるレースがある。

展示物で印象的だったのがドバイターフ出走時のゼッケンやレーシングプログラムですね。

今後、他の顕彰馬と並んで列せられることになるのだろう。


さて「白毛図鑑」の展示だが、最初の方は毛色と遺伝子の話。

馬の白毛というのは白変種というもので、ホッキョクグマの白さと同じようなものらしい。

こういうのが突然変異で発生することは他の動物でもあるという。

毛色を決める遺伝子についての説明があった上で、

じゃあ白毛を決める遺伝子は何かというのを研究した結果があった。

ちなみに馬の毛色は血統登録の記載事項なのだが、現在は遺伝子検査も使って決定しているという。

芦毛だと若い頃は真っ黒でかなりゆっくり白くなっていくケースもあり、生まれた時点では確かに難しい。

青毛・青鹿毛・黒鹿毛はどれもパッと見て黒いが、青毛は明確に遺伝子が異なる。


そして白毛の活躍馬の紹介になるのだが、多くを占めていたのはシラユキヒメの一族のことである。

というかこの特別展が行われたのもソダシの活躍によるところが大きい。

シラユキヒメは突然変異で生まれた白毛の牝馬である。

未勝利で引退となったが、父サンデーサイレンスとあっては繁殖馬としての期待があり、

金子真人オーナーが持っている種牡馬との交配も相まって、

2008年にユキチャンが関東オークスで優勝、白毛馬初の重賞勝ち馬となる。

2019年にシラユキヒメの孫にあたるハヤヤッコがレパードステークスで優勝、

国際グレードレースでの白毛馬の勝利は世界初のことだった。

そして2020年、ソダシが阪神ジュベナイルフィリーズを優勝し、白毛馬初のG1制覇を果たした。

この重賞勝ち馬3頭が特にピックアップされて展示されていた。

シラユキヒメの子孫の勝ち上がり率が7割にも達するという。

JRAの勝ち上がり率は平均3割程度なので驚異的な数字である。

牝馬の活躍馬の多い一族でもあるので、今後も長く繁栄すると思われる。

白毛ではないが、重賞6勝のメイケイエール、スプリンターズステークスを勝ったママコチャなんていうのもいますからね。

(なお、これらの子が白毛になることは通常はないという)


この一族の活躍馬の1頭がシロニイである。

最初は主にダートを走っていたが、6歳で芝の長距離に転向して、

3勝クラスからの格上挑戦の阪神大賞典4着で、天皇賞(春)にも出走している。

9歳に引退するまで3勝クラス止まりだったが、それなりに知られた名前だった。

現役が長かったこともあるが実は1億2300万円も賞金を稼いでいるという。

長く走ったが今年引退し、阪神競馬場の誘導馬に転向することとなった。

白い馬は見栄えするので誘導馬になることは多いけど、多くは芦毛で白毛は珍しい。

今回の展示に合わせて東京に出張して、放牧展示されていたというわけである。確かに白かった。


今日の東京では重賞レースこそないが、楽しみだったのが9Rのカトレアステークスである。

このレースは2歳のダート戦で、出世レースとして知られる。

かつては1勝クラスのカトレア賞だったが、2020年からOPクラスとなった。

JRAで行われる2歳OPのダート戦はこれが唯一である。

結果は1番人気のアマンテビアンコが優勝、ユキチャンの息子で白毛馬である。

やはりこの一族強い、特にダートでは強い。と改めて思ったのだった。

最近はUAEダービーのステップレースになることが多いのだけど、

来年からは大井のダート三冠もあるので、羽田盃を目指すのもよい。

ただし、JRA枠を考えるとステップレースで優先出走権を得る必要がある。

カトレアステークスを勝てばUAEダービーはほぼ招待されるはずなので、

どちらを取るかというのは難しい選択である。


もう1つの注目レースがメイン11Rのキャピタルステークスである。

こちら芝1600mのリステッドレースでジャパンカップ出走馬の帯同馬の出走も意識したレースになっている。

まぁ外国馬を意識していても、最近は外国馬の出走はないのが実情だが。

この都合で実績馬にとっても出走しやすいレースになっている。

勝ったのはドーブネ、前走とあわせてリステッド2連勝と調子がよい。

千葉サラブレッドセールで5.1億円で取引されたという馬で、

4歳の今日までで稼いだ賞金は1億5600万円……馬代金さえ見なければ立派なんですけどね。

藤田オーナーも東京競馬場に来ていたようだけど、

その後、京都2歳ステークスで藤田オーナー所有のシンエンペラーが優勝して、

実はこちらも高額馬なのだが、それで勝つんだからすごいよなぁ。


競馬場に来て馬券を買わないわけにもいかないだろうと、

東京の9~12Rをそれぞれワイド1点100円だけ買って遊んでいた。

1・4着のワイドで惜しい! となったが結局全て外れ。1点で当てるのは簡単じゃないなぁ。

現金扱いのいらないUMACA投票機がずらりと並べられる一方、

伝統的なマークカードを塗って現金で買う機械は減らされているのだろうか。

明日のジャパンカップ・京阪杯はそれぞれ12Rの重賞ということで、注意を促す掲示がされていた。

京阪杯はともかく、ジャパンカップは「GIカード」を使えばよいのだが……

GIカードはレース番号をマークしなくても指定されたGIレースが買えるマークカードである。

前日発売やイレギュラーなレース番号のときに効果的だが、

ジャパンカップウィークの競馬場でも全然見ないマークカードだった。

うーん、と思いながらライトカードを取って1点書いて馬券を買ってましたが。


明日のジャパンカップはテレビ観戦だろうけど、競馬場はすさまじい人だろう。

今日の入場券は100円と言ったが、明日は特別に高くて500円である。

あと、今は競馬場の椅子はほとんどがスマートシートという指定席で、

この入場券だとほぼ立ち見になってしまう。

スマートシートは今日なら300~600円(入場料込)でそう悪くないが、

明日は1000~1500円である。人が多い分だけ価値も高いが。

果たして誰がチャンピオンになるのか。

最近のジャパンカップはオークス馬が強い印象だが、どうだろう?

特急券無しで特急に乗るのもいろいろ

JRでは一部区間で特急に特急券を持たずに乗車することが認められている。

来年春から北海道で1区間増えることが決まっている。

これ、区間によって適用されるルールが違うらしい。


まず、宮崎~宮崎空港 と 早岐~佐世保 である。

比較的特急の割合が高い区間の短距離利用を認めているものである。

もっとも特急を使わないとどうにもならないほど普通列車が少ないわけでもない。

自由席を利用する場合はこの区間を特急料金の計算から除外するため、

博多~佐世保を自由席で利用する場合は、博多~早岐の自由席特急券を使う。

意外なところでは宮崎~都城を自由席で利用する場合は、南宮崎~都城の自由席特急券を使う。

宮崎~南宮崎も宮崎~宮崎空港に含まれているため除外されるという。


この区間については普通列車扱いでの運行になっていると説明される。

案内上は「特急」なんですけどね。

でも純然たる普通列車ではなく、指定席で乗車する場合は特急扱いになるという。

旅客営業規則にはこのような規定がある。

第57条9 急行列車と普通列車とが直通して運転する列車又は次の各号に掲げる一部区間を普通列車として運転する急行列車の指定席に、急行列車と普通列車を相互に連続して乗車する場合は、1個の列車とみなして、1枚の急行券を発売することがある。

(1)宮崎・宮崎空港間を普通列車として運転する特別急行列車にちりん号、にちりんシーガイア号、ひゅうが号、きりしま号及び海幸山幸号

(2)人吉・吉松間を普通列車として運転する特別急行列車いさぶろう号及びしんぺい号。

(4)早岐・佐世保間を普通列車として運転する特別急行列車みどり号。

    この規定は普通列車扱いになる区間でも、他の区間にまたがって指定席で乗車する場合は、全区間の指定席特急券を購入して乗車することを表している。

    先ほど博多~佐世保で自由席を利用する場合は博多~早岐の自由席特急券(1800円)で乗車すると書いたが、

    指定席だと博多~佐世保の指定席特急券(通常期2530円)になるんだよね。

    差額は730円、本来は指定席と自由席の差額は530円だが、早岐~佐世保の距離差によりさらに200円の差が生じている。

    なお、(2)は肥薩線の長期運休中の区間のため、現在は運行されていない。

    観光列車を特急扱いにする一方、沿線住民への配慮でわずかに自由席を設けて、乗車券のみで利用できる区間を設定したという事情がある。


    さっきの規定で(3)を飛ばしたが、これも九州だがちょっと事情が違う区間。

    (3)吉塚・博多間を普通列車として運転する特別急行列車かささぎ号。

    これは かささぎ104号 の博多→吉塚の片道1本だけが該当する。

    この区間には他の特急もあるが、そちらは対象にならない。

    明確に「普通」として博多駅に入ってくる。

    それならわざわざこんな規定要らないんじゃないの? と思うんだけど、

    一応は吉塚までの指定席特急券を購入することはできるらしい。


    次は大きく飛んで 青森~新青森 の区間である。

    これは新幹線乗り継ぎのために同区間を使う人への配慮である。

    九州と異なるのは特急券が不要になるのはこの区間だけ自由席に乗車する場合に限られることである。

    青森~弘前と乗車する場合は自由席・指定席とも全区間の特急券が必要である。

    北海道新幹線開通前は 新青森~函館 の特急を引くことも多かったらしいが、

    現在は対象となる特急は つがる号の3往復のみで、この特例を利用する機会は少ないという。


    そして最後に紹介する特例区間はかなりハードな区間である。

    普通列車が運行されていないので、特例で乗車券だけでの特急利用が認められている区間がある。

    それが、石勝線の新夕張~新得なのだが、この区間は特急のショートカット目的で作られたという経緯がある。

    石勝線自体、運行列車の大半が特急だけど、千歳~新夕張については、生活路線としての意義もあるということで普通列車がある。

    新夕張発着は朝に千歳行き1本、昼に1往復、夕方に1往復の計2.5往復となっている。(朝は車庫から回送されてくるらしい)

    これに対して新夕張~新得は開通以来、一貫して普通列車が設定されたことがないという、新幹線と同じく特急専用線なんですね。

    そこで、この区間だけならば乗車券のみ、あるいは青春18きっぷのような普通列車に限るというきっぷでも、特急券無しで自由席を利用できる特例がある。

    ただし、この区間から1駅でもはみ出ると全区間の特急券が必要(青春18きっぷの場合は乗車券部分も無効)というルールがあるので、

    この区間を特急料金を払わずに使うというのは、なかなか実用的ではないと思うんだけどね。

    というか、特急専用線ならば必ず特急券を買うことでもいいんじゃないの? という気はするんだけどね。

    (どうして特急形車両を使うんだ?)

    ここに書いた通り、石勝線の新夕張~新得間である。

    普通列車が全く無いがゆえの特例なのだが、実用性はほとんどない。

    なお、この区間については来年春から特急列車が全席指定になる都合、

    指定席の空席を乗車券のみで利用できるという規定に改められる。

    どのみち実用性は見いだせない規定である。


    さて、来年春から東室蘭~室蘭が特例区間に加わる。

    苫小牧~長万部間の本線にある東室蘭駅(室蘭市の代表駅)から分岐する支線区間である。

    同区間を運行する列車の一部は札幌~東室蘭の特急 すずらん号の延長運転となっている。

    現在は全席自由席の普通列車として扱われている。

    しかし来年春から すずらん号は全席指定席となることなども考慮して、札幌~室蘭の特急に改められることとなった。

    それでも東室蘭~室蘭に限れば従来通りの使い方ができる特例が設けられた。

    なおこの区間にはすずらん号以外の普通列車の運行もある。

    この区間のみであれば乗車券のみで普通車指定席の空席が利用できることにする。

    札幌~室蘭を乗車する場合、従来は札幌~東室蘭の特急券で利用していたが、

    来年春からは札幌~室蘭の特急券を購入することとなる。

    もっとも東室蘭と室蘭で特急券の料金が変わる区間は存在しないとのこと。


    最後に書いた東室蘭~室蘭のように特急が全席自由席の普通列車に化けるのは他にもあるらしい。

    この中には同じく来年春から全車指定になる わかしお号 との直通運転もある。

    ただ、夜間帯の勝浦行きの特急2本が、安房鴨川行きの普通に化けるというもので、

    指定席→自由席という変化なのでトラブルは少ないだろうとは言える。


    さて、来年春から北海道の多くの特急で全席指定化が行われることとなった。

    長距離特急の多い北海道で指定席拡大というのは基本的によい話だが、

    北海道ゆえの課題もあり、それが普通列車が少ない区間での短距離利用である。

    在来線特急の全席指定化については、JR東日本とJR西日本が積極的にやってきたが、アプローチは異なる。


    JR東日本は関東圏の全席指定特急(成田エクスプレスを除く)で通年定額の特別な特急料金を設定している。

    この料金は従来の指定席より安く、比較的長い距離では従来の自由席と大差ない。

    車内料金として事前料金より割り増しした料金が設定されていること。

    座席未指定特急券が指定席同額で発売され、これを購入すれば満席でも乗車できること。

    座席の使用を条件としない特急券

    特別な料金設定の背景には普通列車グリーン車との関係もあると思われる。

    全車指定になっても従来より割安ならそれはそれでと思いますが。

    なお、この全車指定特急ではチケットレス特急券が導入され、100円だけ割引がある。

    劇的に安いわけではないが、指定席券売機が混雑しやすいので有用である。


    JR西日本はチケットレス特急券の普及を背景として全車指定化を進めた。

    通勤で特急指定席って使えるんですか?

    チケットレス特急券はJ-WESTカード会員に対しては割安で提供されている。

    なんと自由席特急料金と同額以下である。

    本来、定期券では特急の指定席には乗車できないのだが、

    チケットレス特急券についてはその限りではない。

    このような事情からリピーターの多い通勤特急から普及していった。

    JR西日本は特急運行区間にICOCA導入を進め、チケットレス特急券の導入路線を広げていった。

    そして近畿圏完結の特急は順次全席指定化されていった。

    J-WEST会員以外でもチケットレス特急券は若干安く買えるが、

    紙のきっぷであれば従来の指定席特急料金と変わらない。

    全車指定で満席の場合は530円引きで立席特急券が購入できるそう。


    北海道のアプローチはこの2つと似ている部分と異なる部分がある。

    まず、料金体系は従来の指定席特急料金と同じ。これは西日本と同じ。

    座席未指定特急券を導入するのは東日本と同じ。満席でも料金は変わらない。

    一方でチケットレス特急券の導入区間は 札幌~苫小牧・岩見沢 に限られる。

    ICカード導入エリアが狭いという事情もあるのかもしれない。

    このため自由席から指定席の差額がそのままのしかかることとなる。

    その代わり「えきねっとトクだ値」の設定区間を拡大するとはあるが、

    これは前日までの購入が前提かつ、乗車券とセットである。


    そうなると「普通列車が少ない区間での短距離利用」が苦しいよねと。

    そもそも西日本も東日本もそういう区間は基本的には全車指定化していない。

    くろしお号や但馬方面では苦しい区間はあるが、チケットレスの割引が手厚い。

    北海道は長距離特急の本数が限られる中で全車指定化にはもちろん理由はあるが、

    なかなか救済策に乏しいのが実情である。なんとかならんもんか。

    同日開催の優勝パレード

    今日は大阪と神戸で阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードが行われていた。

    2チームの優勝パレードを2つの会場で時間帯を入れ替えながら行うという、たいへん珍しい形式になった。

    両チームともに大阪・神戸が特別な都市であるがゆえのことである。


    阪神タイガースの本拠地は西宮市、チーム名の「阪神」は兵庫県阪神地域のことを指している。

    もちろん親会社の阪神電鉄のことでもあるのだけど。

    一方でその昔は大阪タイガースという名前だったし、大阪がホームタウンと思われることもしばしば。

    ただ、本拠地の所在地はどう考えても兵庫県だし、

    野球協約で野球興行の独占権を持つ保護地域は兵庫県となっている。


    一方のオリックス・バファローズは2007年から大阪ドームを本拠地としている。

    合併前のオリックス・ブルーウェーブの本拠地はグリーンスタジアム神戸、

    歴史をたどればこのチームは1988年までは阪急ブレーブスであり、

    この時点での本拠地は阪急西宮球場(現:阪急西宮ガーデンズ)である。

    一貫して兵庫県内に本拠地を置いてきた。

    一方の近鉄バファローズの本拠地だったのが大阪ドームである。

    その昔は藤井寺球場が本拠地だから、こちらは一貫して大阪府が本拠地である。

    合併後、大阪ドームを保有する大阪シティドーム社を買収したこともあり、

    こちらが本拠地となり、合併時の経過措置が切れた2008年からは大阪府が保護地域である。


    というわけで両チームともホームタウンについては難しい事情がある。

    オリックスについてはホーム球場のある大阪が最優先ではあるが、

    神戸のファンがまとまっていることは確か。

    阪神にとっては大阪のファンは多いけど、本拠地は兵庫県だし、と微妙。

    ただ、もし叶うならば大阪・神戸の両都市でパレードをしたいという思いはあった。

    両チームのリーグ優勝に気を良くしたか、大阪府・兵庫県が手を組み、

    「2025年大阪・関西万博500日前」なんて副題を付けられたりしたけど、

    世にも珍しい同日に2都市で2チームの優勝パレードが開かれることとなった。

    同日開催の明確なメリットは交通規制の容易性である。

    御堂筋もフラワーロードも交通規制が行われることは比較的多いが、

    それでも交通規制をするとなればいろいろ大変である。

    これが2箇所でそれぞれ1日で済むのだから便利である。


    ちょっと気になったのはパレードのバスに掲げられたスポンサーの名前。

    3台のバスの前面には「阪神電車」「住友電工」「SUNTORY」とある。

    その他のスポンサーの名前は車体側面に張り出されているが、

    その中には「阪神タイガース」の名前もある。

    実はこれ両チームともにこのスポンサーが張り出されている。

    2つのパレードを一体のものとしてスポンサーを募ったので当たり前ではあるけど。

    阪神電鉄はタイガースの親会社でもあるが、両球場を沿線に持つ会社でもある。

    というのでこれはわかるのだが、バファローズの優勝パレードのスポンサーにタイガースがいるというのはちょっと変な感じである。

    一方のオリックス関係の企業はスポンサーとして名を連ねていないよう。

    それが悪いわけではないがちょっと気になってしまう。


    なかなかこういうことはできないんですよね。

    両チーム同日開催が気になってしまうファンがいたことも確かだと思うが、

    こうでなければなかなか実現できなかったとは思う。

    特に阪神タイガースのファンにとっては長年待ち望んだ日本一ですからね。

    バファローズはいいように使われてしまった感もあるが、

    単独では神戸でのパレードはまず実現しなかっただろうと思う。

    これはこれで念願といってもよいのではないでしょうか。

    特別会計の登録番号

    水道の検針票が入っていて、適格請求書対応でフォーマットが変わっていて、

    ふーん、と見ていたら登録番号が2つ書いてあることに気づいた。

    水道事業会計と下水道事業会計で異なる登録番号があるという。


    そもそも適格請求書発行事業者の登録番号の多くは法人番号と一致する。

    例えばイオンリテール(株)の法人番号は 2040001000456 だが、

    同社の登録番号は T2040001000456 なので、イオンで発行されるレシートにはこの番号が記載されている。

    個人事業主については法人番号がなくてマイナンバーはむやみに使えないので、消費税専用の登録番号が付与される。

    個人事業主に振られる登録番号は2桁目が「8」になっているようだ。

    (法人番号=登録番号の1桁目はチェックディジットである)


    地方公共団体も当然のことながら法人番号を持っている。

    地方公共団体の法人番号は2~7桁目が 000020 となっている。

    (財産区については2~7桁目が 000030)

    例えば、川崎市の法人番号は 7000020141305 である。

    川崎市が税務署に送信する源泉徴収票にはこの数字が書かれているはず。

    それならば川崎市の適格請求書発行事業者の登録番号も T7000020141305 となるはずである。

    確かにこの登録番号は存在する。でも、これ以外にも存在しているのである。


    というのも公法人の消費税の課税については、特別会計ごとに行うこととなっている。

    特別会計によって課税事業者か非課税事業者かわかれることもありうる。

    このため一般的な法人ではありえないことが発生してしまう。

    当初から特別会計ごとに法人番号を振っていればよかったとも言えるが、

    1つの法人の財布ごとに振るというのは法人番号として不適切と見たか。

    (もっとも国の機関には省庁や裁判所に1つずつ番号を振っているのだが)

    このため、個人事業主と同様に消費税専用の登録番号を振っている。


    消費税の登録番号は法人については列挙したデータがダウンロードできる。

    法人番号とは異なり法人名からの検索は出来ない。

    でも、ダウンロードしたデータを検索すればわかるのはその通り。

    公法人の特別会計の登録番号については、下記のようになっている。

    • 国の特別会計: 2~6桁目が80001 (ex.農林水産省 食料安定供給特別会計: T5800012000002)
    • 地方公共団体の特別会計: 2~6桁目が80002 (ex.川崎市病院事業: T3800020002124)
    • 財産区の特別会計: 2~6桁目が80003 (ex.芦原温泉上水道財産区水道事業: T3800030000002)
    • その他: 2~6桁目が80005 (ex.竹原市学校給食センター: T6800051000003)

    ちなみに国の一般会計については財務省がT8000012050001という登録番号を持っている。

    土地以外の国有財産の貸付などで課税取引が発生する場合に使うそう。


    地方公共団体の場合、上下水道や病院の特別会計が多く登録されている。

    保険診療は非課税取引だが、自費診療・選定療養費・文書料や物販などは課税対象である。

    診療所レベルだと免税事業者で済んでいるケースも多いとは思う。

    ただ、病院レベルになるとそこそこ課税取引が発生してしまうので、課税事業者になっているケースが多いのではないか。

    一般会計と特別会計の内部取引の存在を考えると、一般会計も課税事業者にならざるを得ないところもある。

    そもそも、ごみ処理手数料や公共施設(公民館、駐車場など)の使用料は課税取引である。

    ちなみに先ほど例に出した川崎市には11個の登録番号があるようだ。

    インボイス発行事業者の登録を行いました (川崎市)


    上水道と下水道が別々の特別会計で、1枚の検針票に2つの特別会計が絡むのはよくある。

    この場合、上水道と下水道でそれぞれ適格請求書を発行する方法がまず考えられ、

    冒頭に書いた登録番号を2つ書いた検針票はそれを意図したものである。

    1枚の検針票だが、2取引の適格請求書が含まれているということである。

    ただ、これが唯一の方法ではなく、媒介者交付特例を使う方法もある。

    媒介者交付特例は委託販売の場合に、受託者が適格請求書を発行する方法である。

    委託販売の場合、本来は委託者の名前で適格請求書を発行するべきだが、

    委託者ごとに請求書を作成するのは手間が大きい。

    (先ほどの上下水道の検針票のように1枚に複数併記することはできる)


    そこで、委託者と受託者がともに課税事業者であることを前提して、

    受託者の名前で適格請求書を発行できるのが媒介者交付特例である。

    委託者が課税事業者の分はすべて受託者の名前でまとめて発行できると。

    これを使うことと、例えば上水道特別会計の名前で下水道分もあわせた適格請求書を発行するということも可能だという。

    検針票のフォーマットを大きく変えずに済むので、こちらを採用しているところも多いんじゃないか。


    一般の法人ではあり得ないことなんですけどね。

    まさかこんな理由で法人にも消費税専用の登録番号が振られるとは思ってなかった。

    地方所属馬が芝を走る方法

    偶然気づいたのだが、地方所属馬がJRAのレースに出走できる条件が2022年秋に変わっていたらしい。

    地方所属馬のJRA出走ルールにはいろいろな歴史があり、

    「コスモバルクルール」「ハッピーグリンルール」など通称されるものがあり、

    そして2022年の芝実績馬を重視する制度変更と重なり、それなりに挑戦しやすくはなったのかも知れない。


    地方所属馬がJRAのレースに出走できる条件はレースによりいろいろある。

    1. ダートGII・GIII
    2. ダートGI
    3. 宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念
    4. 上記以外のGIレース
    5. GIステップレース(4.のレースに対応して設定)
    6. 巴賞・福島テレビオープン・札幌日経オープン・朱鷺ステークス・小倉日経オープン
    7. ひまわり賞(九州産馬限定・2歳)
    8. (特指)のレース (上記以外のOPクラスの全レース と 1~3勝クラスの一部)

    1~7のレースは丸囲みの(指定)と付いている。

    (指定)というのは地方所属馬が出走可能という意味だが、かなり出走ハードルが高いものもある。


    1.と2.はダートグレード競走のため、JRAのレースに地方所属馬が出走することも可能。

    条件はJRAのOPクラス(JRAの基準で計算した収得賞金が3歳戦では500万円超、古馬戦では1600万円超)であること。

    GII・GIIIは地方所属馬は優先出走権がある。

    2022年まではGII・GIIIに地方枠の規定があったが、2023年からは規定がなくなった。

    GIではJRA所属馬とあわせた賞金順で出走可否が決まる。

    賞金さえ稼いでいれば自由に出走できるが、地方開催のダートグレード競走が出走する方が容易なのであえて出走するものは少ない。


    地方所属馬がJRAのレースに出走するのは芝に挑戦したいからというのが主。

    そこで冒頭に出てきた新ルールの話が出てくる。

    いわゆる「コスモバルクルール」はGIで実績のある馬がGIに出走しやすくなるルールである。

    コスモバルクは門別所属にしてJRAのクラシック三冠を完走している。

    2004年当時はJRAのGIに地方所属馬が出走するにはGIステップレースで一定の成績を収めること(概ね2着以内)が必須だった。

    弥生賞優勝を経て皐月賞2着になったにもかかわらず、

    菊花賞に出走するには改めてステップレースを経る必要があり、

    コスモバルクはセントライト記念も勝って菊花賞へ向かっている。

    これは負担が重すぎるということで、GIで2着以内の実績があれば、直接GIに挑戦できるようにする制度が設けられた。

    とはいえ、この制度の恩恵を受けたのは未だにコスモバルクだけである。


    いわゆる「ハッピーグリンルール」は、2・3歳に加え4歳まで(特指)に出走できるようにしたことである。

    それに加えて2歳に地方競馬で行われる認定競走を勝つ以外に、

    賞金の条件を満たせば(特指)に出走できるルールを設けたことである。

    ハッピーグリンは門別所属で(特指)のレースに挑戦することで、3歳に500万下・1000万下とJRAで2勝した。

    が、4歳になると(特指)のレースには出走できなくなってしまい、

    出走レースに困り自腹で香港遠征したり……最終的にはJRAに移籍している。

    これを見たか4歳まで(特指)に出走できるようにしたようである。

    後者は4歳まで(特指)に出走できることに対応した補則だと思うが、

    こちらの活用例が多くて、結果につながった一例としてはシンボがいる。

    門別所属で認定競走は勝てなかったが、地方競馬で賞金を加算、

    3歳夏にJRA2勝クラス相当の収得賞金を持って2勝クラスの(特指)に挑戦、

    ここで勝って、菊花賞のステップレース、神戸新聞杯に参戦している。

    菊花賞挑戦はかなわなかったが、同年12月にはJRAに移籍している。


    2022年からの芝実績馬を重視するルールができる以前は、

    GIステップ競走への挑戦には地区代表馬に選出される必要があり、

    地区によりルールは異なるが、指定レースを勝つ必要のある地区が多かったという。

    指定レースはダートであることが普通で、実態には合っていない面もあった。

    「全日本的なダート競走の体系整備」も進む中で、芝のレースには芝での実績を重視すべきとなったのではないか。

    最近1年以内に芝のレースで一定の実績を挙げた馬はGIステップ競走に優先出走できる。

    1年以内にJRAの芝重賞1・2着、オープン(九州産以外)・3勝クラスの1着、外国の重賞1着、

    2歳・3歳春のGIステップは芝1勝クラスの1着でも芝実績馬となる。

    一方でその条件を満たさない馬がGIステップ競走に出走できないわけでなく、

    2歳戦では収得賞金150万円超、3歳戦では500万円超、古馬戦では1600万円超であれば、JRA所属馬とあわせて賞金順で出走可能である。

    今は地方競馬の賞金も高いから、芝実績馬でなくてもわりと出走できるかも。


    地方所属馬が賞金順で出走できると言う点では 宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念 もあてはまる。

    来週末のジャパンカップに兵庫所属のクリノメガミエースが登録している。

    びっくりしたんだけど、JRAの3勝クラス相当なんですよね。

    それでもジャパンカップには賞金順で出走可能となっているようだ。

    賞金順となると3勝クラスは相当不利で、本当に出走できるかは知らない。


    というわけで冒頭に書いたリストの3~8の出走条件はおおざっぱには下記の通り。

    3.宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念 → 賞金順で出走可能

    4.3.以外の芝GI →
     GIステップ競走で優先出走権を獲得
     1年以内の国内外の芝GIで2着以内(1着なら優先出走、2着なら賞金順)
     2歳GIではJRAの2歳芝重賞の1着、3歳春GIはJRAの3歳芝重賞1着でも優先出走

    5.GIステップレース → 芝実績馬は優先出走、OPクラスなら賞金順で出走可能

    6.巴賞・福島テレビオープン・札幌日経オープン・朱鷺ステークス・小倉日経オープン → 地方所属馬(未勝利馬以外)は優先出走

    7.ひまわり賞 → 地方所属の九州産馬(未勝利馬以外)は優先出走

    8.(特指)のレース → 認定競走勝ち or 収得賞金がJRA転入条件を満たす2~4歳馬が自己条件のレースに優先出走可能
    (3歳秋~4歳は2勝クラス以上の収得賞金が必須)


    レースの選択肢の広さという点では(特指)は有利ではある。

    この制度は地方デビュー後にJRA移籍するためのステップと考えられていたところはある。

    芝のレースにコンスタントに使うならJRA所属の方が有利なのは違いない。

    ある程度、芝のレースを試してから移籍できますよというのが当初の趣旨だった。

    4歳まで(特指)を走れるといっても根本的な考えは変わってないかも。

    ただ、ここに2022年からのルールが重なると、

    OPクラスに昇級後1年間は芝実績馬としてGIステップ競走に優先出走できる。

    芝実績馬の条件を失っても、賞金順でGIステップ競走に出走は可能である。


    もう1つ、地方所属馬が比較的挑戦しやすいのが 巴賞・福島テレビオープン・札幌日経オープン・朱鷺ステークス・小倉日経オープン の夏の5レースである。

    ハッピーグリンも4歳夏に札幌日経オープンを走って2着だったようで。

    ただ、難点は夏シーズンにしか設定されてないことなんですよね。

    (来年は阪神競馬場の工事の関係で小倉日経オープンは2月に行われるが対象から外されている)

    盛岡競馬が休みになる時期こそこういうレースが欲しいねという話を見たことがある。

    会田 裕一(ハッピーオーナーズクラブ)/地方競馬には盛岡しか芝がないため、盛岡開催が終わると芝馬が行き場に困ったりする。――(Twitter)

    地方競馬の視点で見れば、冬は走れる競馬場が減るので、せっかくならこの期間にJRAの芝レースにという考えはあると思う。

    4歳以下なら(特指)で可能だが、5歳以上はそうもいかない。


    というわけで、地方所属でも芝のレースを走る手段はそこそこあるが、

    本当はこういう走り方をしたいのにと思っても合わない部分はけっこうある。

    「コスモバルクルール」が適用されるレベルの馬であれば地方所属でも困らないだろうけど、GI 2着以内なんて普通ではないですからね。

    芝で走るならJRAに転入するのがよいが、その決断に至るまでに芝を走るチャンスはいろいろ用意してますよ。

    それぐらいの考え方がよさそうだ。