この週末にインテックス大阪でスルッとKANSAIバスまつりがあったらしい。
そういや市営地下鉄でも宣伝してたな。
そのことについて書いたBlogに興味深いことが書かれていた。
[バス]第13回スルッとKANSAIバスまつり (都京市バス)
今回は流入車規制というディーゼル車・トラック・バスの独自の乗り入れ規制がある大阪府内での開催ということで、例え1日だけでも事前に申請してステッカーを貼らないと乗り入れることが出来ない。普段大阪府内に乗り入れない事業者は、この日のためだけにわざわざ申請して車両の乗り入れ許可を取得している。写真の下電バスにも貼ってあるが、今後この車がまた大阪府内に来ることはあるのだろうか。
そういやこんな青色のステッカー、普段はあまり気にしてないけど、確かに貼ってあるなぁ。
あれ、大阪府の規制だったのか。
そもそも、国はトラック・バスとディーゼル乗用車のNOx・PMについて規制を設けていて、
条件を満たさない車両は大阪府・兵庫県の一部など指定された地域では車検が通らないことになっている。
ただし、条件を満たさないから即車検が通らなくなるのかというと、
登録から何年かは車検を通すことが出来るようになっている。
段階的に規制が厳しくなっているようで、この地域で使う対象車両は経過措置がなくなる度に新しい車両に変えないといけない状態らしい。
尼崎市バスや大阪市バスが早期に全車両のノンステップ化が実現できたのは、ノンステップ車の導入を積極的に進めてきたことが大きいけど、
それと共にNOx・PM規制のため、早いサイクルでの買い換えを迫られる環境にあったというのも理由だろうね。
それはそうとして、この規制で対象地域内の車両はどんどんクリーンになっていくわけだけど、
しかし、他府県からやってくる車両だって当然存在する。
そこで大阪府では補完的な制度として流入車規制を行っている。
大阪府内の対象地域で発着するトラック・バス・特種自動車について、NOx・PM規制の対象地域で登録できる車両であることを求めている。
通過する車両は対象外だが、大阪府内の対象地域内に仕事でやってくる車両はすべて対象になる。
だから、例えば京都府内の営業所にあるバス・トラックでも大阪府内に行くなら、NOx・PM規制を満たした車両を用意しなければならない。
そしてもう1つやらないといけないのが、ステッカーですね。
大阪府に車検証のコピーを添えて申請すると、ステッカーが送られてくる。これを貼っておく必要がある。
他府県のトラック・バスでもこのステッカーが貼られているのは、大阪府内に行くつもりがあるということを表しているわけだ。
下電バスは岡山県のバス会社だけど、岡山~大阪の高速バスを運行しているし、貸切バスでは大阪府内に行くこともあるだろう。
だから、このステッカーを貼った車両はあるはず。
とはいえ、どう考えても大阪府内に行かない一般路線用の車両にわざわざこのステッカーを貼る理由はない。
しかし、こうしてバスまつりに出張するとなれば、一般路線用の車両だろうがステッカーが必要になる。
そこで大阪府に申請してステッカーを取り寄せてペタっと。こうして、大阪に来れたわけだ。
まぁけどBlogにも書いてあるけど、基本的には地元で走るだけのバス、このステッカーが再び役に立つ日が来るかはわからない。
また大阪府内でバスまつりがあれば役に立つかも知れないけど。
似たような規制は東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県や兵庫県にもある。
兵庫県の規制は兵庫県内のNOx・PM規制エリアよりもさらに狭いエリアに限って流入規制が行われている。
東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県の規制はPMに限り、国よりも厳しい条件を課している。
しかしいずれもステッカーの貼り付けは要求していなくて、要求されたら車検証を見せるだけでいい。
そう考えると大阪府の規制は手間がかかるのが問題だ。
しかし、この手の規制は運行者とともに荷主も規制を満たした車両であることを確認する義務が課せられている。
そのたびに車検証見せろー、なんて言ってたらめんどくさいし、そのせいで確認がおざなりになっては意味が無い。
そういうことでステッカーを制度化してあるんだろう。
もっとも国もステッカーを用意しているようだけどね。
自動車NOx・PM法適合車ステッカーとは (国土交通省)
最初からなんしかのステッカーが貼られている車両も多いようだけど、貼ってない車両には申請によって貼ることができる。
任意ではあるのだけど、適合車であることが明確にできるのでステッカーを貼ることが推奨されている。
しかし、大阪府の規制ではこれらのステッカーを貼ることでは条件を満たすことが出来ない。
それもこれも地域を限ってNOx・PM規制を行ってるからこういうことになるんですけどね。
そういう仕組みであるのをよいことに、大阪府・兵庫県内で使えなくなった車両を京都府内だとか他府県の営業所に移して使ってる会社も多いとか。
もちろん大阪府内への乗り入れはできないのだけど、京都府内完結だとかそういう場合は問題ない。
特に一般路線バスですよね。ある程度、走るエリアが限られているから営業所を移せばほぼ問題なく使えてしまうと。
それってどうなんよと思うんだけど、全国で規制を行うには負担が重すぎるという自覚はあるんだろうな。
規制地域では使えなくなった車両でも他の地域からしてみればまだ新しいということで重宝されることも多いようだから。
NOx・PM規制の歴史の浅さがゆえということなのかな。
1992年に始まって今で20年、20年ぐらいは現役で走り続けるバスもあるようだからやっと規制初期の頃のバスが仕事を終えているころか。
将来的にはこの取り組みが全国に広がればと思うけど、まだ時間はかかりそうだ。規制の素地はできていってるのかもしれないけど。