週末の山梨行きの主目的はコンサートのためだった。(cf. 山梨県で日曜日だと不人気 )
BanG Dream! 8th☆LIVE 夏の野外3DAYS
1日目(金曜・Roselia出演)は自宅近くの映画館でライブビューイングで鑑賞し、
そこから土曜に山梨県入り、日曜に3日目(Poppin’Party・Morfonica・Pastel*Palettes出演)に現地で参加している。
この公演はアニメ・ゲーム関係のイベントとしては、緊急事態宣言後ではもっとも大規模なものと思われる。
数百人程度までならばあったと見られるが、1000人超ともなるとなかったんじゃないか。
そんなこともあって注目されたところはあって、ブシロードでデジタルコンテンツを担当している木谷取締役がインタビューに応じている。
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ブシロードは新日本プロレスを傘下に抱えており、デジタルコンテンツ関係では音楽ライブのみならず、演劇もある。
これを読む限りではプロレスは意外となんとかなっているようで、動員数を絞っても採算はなんとかなり、
その上で、配信での収入や選手のテレビ出演料などは従来と同程度だそうで、その点ではなんとかなっていると。
一方の音楽ライブは動員数を絞ると採算が非常に悪く、今回のライブも大赤字覚悟での決行だったと見られる。
とはいえ、バンドリについて言えば、もともとライブビューイングが定着しており、
会場への動員は絞った分の代替、あるいは広域移動を避けたいファンへの代替策にはなるだろうと考えていた。
この公演を決行する意味というのは、ライブビューイング、あるいはその後の映像商品といったところにつなげることにあって、
そういう意味では現地観覧でのチケット販売、あるいは現地でのグッズ販売といったところでは大赤字であったとしても、
ライブビューイング、通販でのグッズ販売、映像商品で埋め合わせできればよいという考えはあったと思われる。
そういう意味では壮大な公開収録のような一面もあったんですね。
まず、公演前の準備の話から。決行するが観客数を絞ることが発表されたのが6月末のこと。
これに伴いチケット料金が改定され、一般席で2割の値上げとなった。
他にもいくつか条件の変更があったが、その1つがチケットがコンビニ発券だったのが、電子チケットになったこと。
状況もいろいろ変わる中で機動的に対応できるようにするためか、あるいは入場前にチェックリストを表示できるからか。
あと初めて公式でのリセールなんてのも導入されてたようで。
ただ、チケット発行開始日にシステムが不調を来したり、チケット業者の練度があまり高くないことをうかがわせる面もあった。
まぁ入場においては問題はなかったので、その点では致命的ではなかったけど。
もう1つ、事前準備ということでは、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」をインストールすること。
これは来場者がすべきこととして挙げられていたもので、会場ではスマートフォンの電源を切らないこととあえて書かれていた。
COCOA については、僕は懐疑的ではあって、感染者が15分以上近くにいたことが判明しても、それが濃厚接触者にあたる可能性はそう高くない。
実際、このアプリで接触があったことをどうやって使うかというのはまだ確立されているとは言いがたい。
一方で、Androidであれば電池消費がことさら増えることもなく(iPhoneではやや電池消費が多いとの情報もある)、
役に立つかどうかはともかくとして、導入することによる不都合は少ないし、なにより来場者がすべきことなので導入しておいた。
当日のことは、日曜にも書いたが、密集しないように呼びかける人がいたのが印象的。(cf. 河口湖と野外ライブ)
座席の位置によって入場時刻を分散させることにはなっていたが、そこまで厳密ではなかった。あくまでも目安ですかね。
入口に COCOAをダウンロードしたか、Bluetoothは有効になっているか ということの確認を呼びかける看板があった。
その他、今回のためにいろいろ看板作ったみたいですね。概ね1m程度の間隔を空けるようにという看板はいろいろなところにあった。
入口では、まずサーモグラフィーによるスクリーニング、基本的には素通りである。気になる人は個別に呼び止めるのだろう。
その先に改札があって、手荷物のチェックはいつものこととして、非接触式の体温計での検温がある。
ちなみに検温でNGの場合はチケットは払戻になると書かれている。実際に該当した人がいるかは知らない。
そしてチケットの確認だが、ここでアプリに登録した顔写真との照合をするが、マスクを外せとは言われなかったのでザルである。
というか、そもそもこの顔写真というのもアプリに登録するにあたって、本人確認書類との整合を確認したりはしていない。
なので、本人確認としてはあまり意味を成していないと思う。
この先に消毒液が置かれていて、ここで消毒を促される。観劇するだけなら特に意味は無いと思うのだが、まぁ一応。
会場では、椅子が並べられているが、1つおきで使うようになっていた。間隔を空けて並べるよりも便利だったのだろう。
会場内ではマスクの着用と声出しを控えることが求められている。ガイドラインによるものだろうと思う。
あまりに換気のよい屋外であることを考えれば、声出しをしてもあまり問題はないような気もするのだが、一律に適用している。
マスクはともかく声出しというのは演出面にも影響があることである。
でも幸いなのはサイリウム文化圏だったということで、ペンライトを振って応援ができますから。ここは幸い。
出演者も手拍子を促したり、声出しができないなりのやり方をするということで、うまくやってたんじゃないか。
終演後の退場も密集しにくいよう普段に比べるとゆっくり出していく。人数の割には時間はかかったと言える。
会場を去る電車にしても、動員客数の総数を絞ったことで混雑緩和はできたんじゃないか。
さて、ここからは内容に関すること。
まず1日目、ライブビューイングで見たRoseliaの公演である。
なぜかD4DJのMerm4id(マーメイド)のオープニングアクトから始まっていた。
過去にもArgonavisが開演前にパフォーマンスしてたりあったので、ブシロードの常套手段ではあるんでしょうけど。
Roseliaはやっぱり安定してよく見せるなと思った。セットリストもよく考えられている。(メンバーで焼肉しながら決めるのが恒例とか)
Roseliaにとってはこの会場はちょうど1年ぶりぐらいなんですよね。その点でも練度が高いですね。
3日目、最初はここが演奏初披露になったMorfonicaから。
本来は5月のイベントでお披露目になるはずが、中止・延期になってしまい、ここまで引っ張ってしまった。
MVはあったけど、実際のパフォーマンスとしてはどうなるか未知数であったところである。
やって見せなければよさも伝わらないわけで、こういう形でお披露目できただけでも決行した価値はあったんじゃないか。
ちょっと意外なところもありつつ、初披露としてはなかなかの完成度だったんじゃないかと思う。今後にも期待が持てそうですね。
引き続き、Pastel*Palettes、ボーカルの丸山彩を演じる前島亜美さんに、バックバンドとしてRAISE A SUILEN(RAS)という、今までもおなじみの構成。
ちなみに2日目はRASの単独ライブだったが、直前に雷雨に見舞われたり、いろいろ大変だったらしい。少し遅れで無事にやりきったけど。
そして最後はPoppin’Party(ポピパ)、MorfonicaとPastel*Palettesで半分、ポピパで半分という感じでしたね。
本格的なライブは去年5月のNO GIRL NO CRY以来なので、かなり開いてしまった。
あまり飾らない感じがポピパらしいと、ここまでのRoselia、Morfonicaなどのパフォーマンスと見比べても思う。
4月まで放送していたTVアニメ 3rd Seasonでの新曲で初披露もあったが、すると印象が変わって、当初の印象よりずっといい曲だなというのも。
花火や炎といった野外らしい演出とも相性のよい曲を持ってきて、なかなかに見応えがあった。
アンコールで最後に披露したのは「夢を打ち抜く瞬間に!」だったが、これはTVアニメ 3rd Season最終話にちなんでRASとRoseliaのボーカルも呼んでの披露だった。
5月の西武ドームでの公演で予定していたものだったようだが、こういう形で実現できたと述べていてよかったねと。
最後に今回の公演の客入りについて。
6月末の時点では8月にはイベントの集客上限は撤廃されると思っていたが、実際には撤廃されず、
5000人超に売っていては無理なのでは? と思ったのだが、実際には5000人以下になるようにしていたという。
もしも撤廃されたら追加販売するつもりだったのかもしれない。
「BanG Dream! 8th☆LIVE」夏の野外3DAYS DAY3開催報告 (pdf) (ブシロード)
発表によれば18000人のキャパシティのある会場に4000~4300人程度の動員で行ったとのことである。
これに対してライブビューイングもあったわけだが、1日目(Roselia)が一番多くて国内で6000人、海外で2000人程度だったとのこと。
合計で1日目が12000人ほど、2~3日目が11000人ほどとなるので、そこそことは言えるが、
会場に当初動員する想定の人数には満たず、ライブビューイングで十分に埋め合わせできたとは言えなさそう。
満員になった上映館はあまりなかったんじゃないか。(僕が見たときには1日目だけ1~2館が完売だった程度)
映画館でも1席おきにする対応を取っていたが、一方で比較的大きなスクリーンが割り当てされていたと思われる。
映画館でさえ忌避されたのか、ライブビューイングでは代わりにならないということか。
僕がこの数字を見た感想としてはちょっと物足りない感じはあったが、主催者としての感想はどうなのだろう?
とはいえ、観客を入れて映像を撮れたことはやっぱり大きな上積みなのである。
早速、来月には有料配信で今回のライブ映像を見られるという。速報版としてライブビューイング映像を使うんじゃないか。
これでどれぐらい取り返せるかはよくわからないけど、これは来場できなかった人だけでなく、
来場できた人にとってもできるだけ早く見返したいというニーズはあると思われるので、そこでは売れると思う。
当日はあくまでも会場と映画館で、その後に遅れて配信というのは理にかなった話だと思う。
これもどれぐらい取り返せるかはわからないけどね。
バンドリの今後の計画だが、まず10月にMorfonicaとポピパの単独ライブが予定されている。ポピパは2日間ですね。
連日にわたって東京ガーデンシアターの会場を抑え、この後にはD4DJのライブまで組まれているという。
ここについては屋内で、座席数の半分ならば5000人は超過しないので、座席数の半分で計画しているんじゃないか。
ただ、そもそもの問題として平日なので、ここが動員にとっては厳しそうである。
ライブビューイングも実施予定とのこと。これも平日だってのがネックですね。
次に12月にRoseliaとRASの合同オンラインライブが予定されている。
これは来年初頭に計画されている合同ライブ「Rausch und/and Craziness Ⅱ」の前哨戦という位置づけ。
もともと来年初頭のライブは予告されていたが、このタイミングでオンラインライブを差し込んだことの真意はわからない。
現地・ライブビューイング・インターネット配信を組み合わせて、当初計画をうまく生かす形でできたからこそできたんであって、
そういう手は取りようもないとか、当初の興業規模が巨大すぎて減量できないとか、そういうのもあろうと思う。
今回の規模感は絶妙だったと思いますね。ライブビューイングの準備があったことも幸いだった。
ただ、秋になっていくにつれて、動員規模が制限される想定で組み直した興業は増えてくるんじゃないかな。
現状でもトークイベントは身軽なこともあって、インターネット配信を主として開催される傾向にある。
動員規模の制限が不要だという形になればいいんだけど、やはり難しいかなと思う面はあって、
1つは会場の中の問題ではなく、会場の周辺で人が多くなることや、広域の移動が増えることの懸念。
もう1つはオールスタンディングのライブハウスみたいな、過度な密集を前提とした施設は論外だということ。
とはいえ、今のガイドラインは厳しすぎる面があろうと思うので、そこは見直しに期待したいところ。