毎年、全従業員で受ける

全従業員が毎年1回は受ける研修というのがいくつかあるのだが、

多くの場合、E-learningだから、仕事の空き時間にちょこちょっとやればOKだ。

製造職場の人だとE-learning環境がないから別の方法でやるらしいんだけどね。詳細は知らんが。

そんな中で珍しくもE-learningではなくて全員対象の研修というのがあって、それがコンプライアンス研修だったと。


そういえば、会社に入って間もない頃、研修でコンプライアンスについての話をしてくれた人が、

「各地の事業所を回って毎年話しているのですが――」と言っていたのを思いだした。

そう、全従業員対象ということは人数だけではなく、事業所の数も問題だ。

この研修について、E-mailでこんな連絡が回ってきていた。

  • 同じ内容を何回もやるので、いずれかの回をシステムで受講予約するように
  • 受講申込みは本部ごとに分かれているので、自分の所属する本部の申込み画面でやる
  • 本社以外の大きな事業所では別途日程を連絡する
  • 小さな事業所では、事業所単位で実施される研修を受講するように
  • 外国語での受講を必要とする人には別途連絡する

なぜか本部ごとに日程が分かれていて、違う本部で申し込むなよと、ずいぶん念入りに書かれていた。

一方で小さな事業所では特にこだわらず、グループ会社の他社の人と混ざって受講してもよいと柔軟である。

あと外国語での受講も考慮しているようで、詳細は知らんが、やるのは確からしい。


本部ごとに日程が分かれていると書いたが、講師役はコンプライアンス研修などを専門的にやる部署の人で、

内容も全部署共通っぽかったので、各本部で実施という色は薄い。

なぜ本部ごとに分けたのかはよくわからないが、いろいろな事情があるのだろう。

いずれにしても専門の部署の人が、対面で説明するというのは、かなり異色の研修ではないかと思う。

それだけコンプライアンスというのは重要ですよという話なんだろうけど。


研修の中で、こういうことが問題になる。こういう問題にはこういう背景がある。

そして、それを防ぐためにはこういうことが重要だ。という話をいろいろ聞いたわけである。

いろんなタイプの問題があるわけだが、多くの場合「現実に即しないマネージメント」が問題となっているようだ。

部下、同僚、その他一緒に仕事する人の力量や気質を正しく評価しないがために、

できもしない仕事を無理強いすることになり、パワーハラスメンドだの問題になることがある。

プロジェクトのスケジュール、技術的な課題の現状を正しく把握しないがために、

帳尻合わせのために不正に手を出させることになって問題になったり。

確かにそれは一理あると思った。


そうやって自分の職場を省みてみると、それなりに現実は見えているのかなと。

納期必達だと言いながら、出来上がらないものは仕方ないと延期してしまったなんて話を聞いたことがある。

人の仕事のやり方も時代によって変化しつつあるが、古い人たちは違和感を覚えつつも受け入れているような気はする。

「昔はこうだったのに」という言葉を聞いたことはあるが、裏返せば今はそうではないということを認めているとも言える。

なににおいても万全だとは思わないし、いろいろ問題は潜んでいそうな気はするのだが、

研修を受けた結果、「ここの職場はひどい職場だったんだ!」と思うようなことはなかった。

ひどい職場だと思ってたらBlogのネタにしようにもネタにできないが……


社長が全従業員向けに話すとき、なにかにつけて「コンプライアンスはなににおいても優先する」ということを言うわけだけど、

トップがそういう思いを伝えたとしても、それが社内の業務の末端まで伝わっていくかはよくわからない。

だからこそこうやって毎年、全従業員に向けて研修をやっているんだろうけどね。

やった場合とやらなかった場合でどれぐらいの差があるのか。

やることが当たり前となっている会社の中にいてはさっぱりわからないけど。

政見放送は本当にうれしい?

朝にNHKでおはよう日本を見ようとしたら、政見放送をやっていて見れない。

しかも、千葉県選挙区など、他府県のも流れる。


今まで政見放送というのはなじみがなかったが、ポスター、選挙公報とあわせて候補者のアピール手段として用意されている。

対象の選挙は衆議院議員選挙、参議院議員選挙、都道府県知事選挙だそう。

参議院議員選挙の選挙区、都道府県知事選挙の政見放送は候補者が申し出れば流すことができる。

一方、参議院議員選挙の比例代表、衆議院議員選挙の選挙区・比例代表は政党単位で流すことになっている。

比例代表だと政党なのは道理だが、衆議院議員選挙の小選挙区は選挙区が多いからか、都道府県・政党単位になっているらしい。

ということは政党に属していないと政見放送を流す権利は行使できないということになる。

見たことも聞いたこともないから知らなかったけど。


政見放送はNHK総合テレビ、NHKラジオ第1、そして民放(通常はラジオ・テレビそれぞれ)で流すことが決まっている。

基本的に都道府県単位で流せばよいので、千葉県選挙区の千葉県だけで流せばよいように思える。

ただ、それができない、それをしない事情というのはある。

まず、NHK総合テレビは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県で全て同じ内容を流しているので、千葉県だけということはできない。

この4都県に限っては県域放送が不可能なので、4都県分の内容は全て同じ電波に乗せないといけない。

よりによって立候補者も多い選挙区ばかりなのでかさばって仕方ない。

ラジオについてはNHK-FMを使えばこれらの都県でも県域放送が可能なのだが、そういうことはやっていない。

そういう規定があるのかどうかは知らんが。ニュースみたいなもんだからそりゃラジオ第1でしょって感覚なんだろうかね。


技術的な事情は上記の通りだが、実際には有権者に広く届けるためにあえて広域放送を選んでる場合もある。

民放ラジオでの政見放送でもFMラジオ局が選ばれることはないようで、結果的に広域放送となっていることがある。

テレビは県域放送が優先ではあるのだろうが、広域放送が選ばれることもある。

東京都の県域テレビ局としては TOKYO MX があるのだが、最近まであえて避けられてきたらしい。

というのもアナログ時代は、他の広域放送はVHFなのに対して、MXはUHFだったから見られない世帯が多いと考えられてきた。

現在は広域放送の民放と同じアンテナを同じ方向に向ければ受信できるので、特に問題とは考えられていない。

ただし、今でも広域放送を選ぶこともあって、今回の参議院議員選挙の東京都分の政見放送はテレビ東京で行うことになっている。

大阪府でも同じようなことがありそうだが、テレビ大阪(県域)と関西テレビ(広域)の併用のようで。

NHKでは府県単位に切り分けて放送できる場合でも、あえて複数府県で同じ内容を流すことがあるよう。

大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県は全ての府県の内容を同時に流すなど。

奈良県だと今でも大阪放送局を見てる人多そうだしな。生駒山にも奈良放送局の生駒北中継局があるから選局だけの問題なのだが……


しかし、政見放送ってまじめに見聞きしてる人どれぐらいいるんだろうね。

1人あたり6分の割り当てがあるので、いろいろ伝えられるのは確かで、ポスターや選挙公報よりもずっと情報量が多そうだ。

ただ、それを裏返せば、全員分聞こうとするとけっこう時間がかかる場合も想定される。

立候補者3人なら20分ぐらいだから割に合いそうだけど、31人とかどれぐらいかかるんだか。

スケジュールが出てるので狙って見に行けば見たい候補者だけ見れるけど、実際は難しいよなぁ。

アーカイブ化してくれればよいのだが、それどころかインターネットでの同時配信(らじる★らじる、radiko)も封じられてるからな。なかなか。

選挙公報をWebから取りに行く

参議院議員選挙の投票所入場券が届いた。先週の話だが。

封筒に世帯分まとめて入れて届くが、1人世帯だから1枚しか入ってない。

投票所の場所を見てから気付いたのだが、そういや投票日は夏休みだから旅行に出かけてるわ。

というわけで期日前投票をする必要があるので、今週中には投票先を決めておかないと。

まだまだ投票日は先だと思ってたら納期が早まってしまった。


なにはともあれ選挙公報である。

新聞折り込みなどではなく、市の広報と同じく戸別配布らしいが、

なぜかこの社宅、1年以上住んでいて広報が投げ込まれたのは1回だけという有様で全く期待できない。

持ってきてくれないのならば、取りに行くかと思って、先週末に近くの公共施設(ちょうどそこが本来の投票所だ)に行ってきたのだが、

まだ選挙公報は届いていないのか棚に置かれてなかった。いくら急いで印刷しても間に合わんか。


というわけで紙の選挙公報を受け取るメドが立たないので、Webで見ることにした。

都道府県にもよるのだろうが、東京都については選挙公報をWebで公開している。

こうやって見れるのなら紙にこだわる必要はない。ちょっと重いけどね。


東京都選挙区の立候補者はなんと31人、選ぶのも一苦労だ。

今まで市議会議員選挙を別とすれば1人か2人を選ぶ選挙だったから、

そんなに選択肢が多かったわけではない。衆議院議員選挙の小選挙区とか2人~4人ぐらいしか立候補者いないし。

だから、あまり考えても仕方なかった。一応、選挙公報は一通り目を通した上で選んでたけど。

ただ、実際のところ、市議会議員選挙ほどは悩むことはなかった。

というか31人も立候補してるけど、まともとは思えない候補者があまりに多いので、それを除いて考えるとそうでも。

市議会と比べれば政党の色が見えやすいのでその点でも選びやすかった。というかそれでほぼ決まるんだけどね。


比例代表も投票する政党は決まってるから、あとは個人名を書くかどうかぐらいの話。

これは選挙公報を見るだけで決めにくいので、さらに調査が必要だが、政党名で投票するなら特に問題はない。

前の参議院選挙も個人名で投票するか悩んだのだが、結局めんどくさくて政党名で投票した覚えがある。

どっちにしても政党ごとの当選者数には差が出ないので。


というわけで一応は選挙に行くのに必要な情報はそろったかなと。

あとは市役所に行って投票してしてくればいい。

投票所入場券の裏面に期日前投票用の宣誓書があるので、ここに記入して持っていけばスムーズに投票できますよということらしい。

宣誓書を書くのもそんなに手間がかかるわけではないんだが、入場券の裏面に印刷するだけなら難しくないしね。

シャワーヘッドだけなら簡単に交換できる

最近、シャワーヘッドからの水の噴き出し方が妙に広がるようになったのが気になっていた。

狭い風呂場でシャワーが広がるのはあまりうれしくない。

いろいろ思うところもあったのでシャワーヘッドを交換することにした。


ホームセンターなんかではシャワーヘッドだけ普通に売っているわけだし。

シャワーヘッドの交換というのはわりと簡単らしい。

それならばということで交換することにしたわけだが、期待した効果は2つある。

1つは水流が広がりすぎないこと。もう1つは低い水圧でも水勢が出ること。

水勢は元々そこまで悪くはなかったのだが、簡単に交換して多少改善できるのならば悪い話ではない。


シャワーヘッドの交換で重要なのは、今のシャワーヘッドがホースから外れるかどうかである。

これがなにより肝心だ。これが外れないならホースごと交換することになりそう。

もう1つの注意点がシャワーヘッドの接続部、メーカーによって違いがある。

TOTOとLIXILがともに採用している形式があって、標準的にはこの形式が使われている。

この形式に合わないのが3種類あって、これは一般的にはアダプタで対応となっている。

だから、この形式に合わない場合はアダプタ同梱じゃないと困るが、基本的にアダプタ同梱だからまず問題ない。

で、調べたところ、今のシャワーヘッドには「KVK」の刻印があった。KVKはTOTO・LIXILとは違うらしい。

ということで店に行ったときにKVK用アダプタが入ってるか確認したが、普通に入ってたので問題なしと。


交換手順は、シャワーヘッドを外して、付けるだけ。

うまく外れれば手で回すだけでできる。

ちょっと堅かったけど、ちゃんと外れたので、じゃあシャワーヘッドだけで大丈夫だと確認してから買い物に行っている。

注意書きにも書かれているが、シャワーヘッドを付けるときはホース側の金具を回すのがポイントだ。

というのも無理に取り付けてしまうとねじ山を壊してしまうことがあるので。

シャワーヘッド側を回すのではなく、ホース側の金具を回すと安全に確実に取り付けられる。

実際、買い物に行く前にシャワーヘッドが外れることを確認して、再度付けようとしたときにシャワーヘッド側を回したらねじ山壊れたからな。

ここだけ注意すればそんなに難しい話ではない。外れさえすれば。


で、効果のほどは? という話だけど、多少は水の勢いが強くなったし、水の広がり方も前よりは素直になった。

ということで、それなりに効果は出ている。

シャワーヘッドの値段も思ったより安くて、1600円ぐらいでできている。

特別な道具がいらないので、手軽に挑戦できるのもよかった。

意外と簡単なのだ。あまり交換しようとは思わないところだけど。

旧麹町区を歩く

僕にとって東京というと千代田区と台東区の印象が強くて、特に千代田区はよく行くんだけど、

千代田区といってもほとんど秋葉原界隈を中心とした神田地区ばかりで、

意外と行ったことのないところは多いのだ。


今は東京の特別区は23区だが、1947年以前は35区あって、郊外の特別区以外はこの時に合併を経験している。

千代田区もそうで、1947年以前は神田区と麹町区の2つの区だったものを合併してできたという経緯がある。

このとき旧神田区の町名には神田を冠することにした。神田区田代町が千代田区神田田代町になったなど。

その後、町名整理が行われたときに神田を冠した町名がなくなったところもあるので、神田を冠した町名が全て残っているわけではない。

ただ、今でも神田と付いた町名が残っている部分はけっこうあって、旧神田区の名残は見えやすい。

町名整理後に神田が外れた町名のうち、猿楽町と三崎町は2018年から神田猿楽町、神田三崎町に再度変更されるとのこと。(cf.「神田」地名復活、千代田区長が議案 三崎町と猿楽町 (日本経済新聞))

住民の要望を受けてとのことで、未だに神田地区への愛着が強いことがうかがえる。


一方の麹町区、こちらの名残はさほどないが、日本に住んでいる多くの人にとって身近なところに残っている。

それが通帳である。「印紙税申告納付につき麹町税務署承認済」と書かれた通帳はとても多い。

というのも全国展開している大きな銀行は旧麹町区域に本店を置いていることが多く、通帳は本店の所在地を作成地として印紙税を納めることが一般的だ。

ゆうちょ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などが該当する。ゆうちょ銀行の通帳に書かれるようになったのですごく身近になった。

千代田区内には麹町税務署と神田税務署の2つがあり、そのまま旧麹町区域と旧神田区域を分けているので、税務署の名前に残ってるってわけ。

ちなみに りそな銀行は東税務署になってるらしい。ということは通帳作成地は大阪だな。昔は東税務署ってなってる通帳も多かったんだろうが。


と、前置きが長くなったが、今日は千代田区のうち、ほぼ行ったことがなかった旧麹町区域を歩いてきた。

というわけでスタート地点は九段下駅、地上に出るとちょうど坂の中腹あたりだった。

この坂は九段坂という。九段下というのは九段坂の下という意味で……って九段坂の中腹に出てきたらそれって九段下ではないな。

当初、東西線の駅ができたときには完全に九段下だったのだが、その後、九段坂の地下に新宿線・半蔵門線の駅ができたのでこうなったみたい。

ともあれ九段坂を上りきると北の丸公園の入口が見える。江戸城の北の丸に由来し、かつての江戸城の門が残っている。

旧江戸城のうち皇居として使われている部分はおいそれと入れないが、北の丸公園は国民公園として広く開かれている。

北の丸公園というと目立つのが日本武道館である。今日は柔道をやっているようだ。

そういえば日本武道館ってコンサートで使う時と武道で使う時では使用料が大きく違うらしいんだけど、

武道をやれば、あとは歌っても使用料は安いままらしい。そういうことをやらかした歌手がいるのかは知らないけど。

科学技術館もある。科学と技術だから今に生きる科学を学ぶことができそうだ。今日は入らなかったけど。


そしてもう1つ、北の丸公園の注目ポイントが東京国立近代美術館である。

って来るまで知らなかったんだけどね。

日本に5館ある国立美術館のうち初めて設立されて、京都国立近代美術館はここの分館として生まれたという経緯がある。

ということはコンセプトは一緒ですね。明治あたりから今に至るまでの美術品を集めた博物館ってことだ。

東京にあるということで東京ゆかりの作品が多く、東京の景色がモチーフになっている作品なんてのもけっこうあって、なるほどと思ったことも。

東京ゆかりという点で驚いたのは「一つのプロジェクト、七つの箱と行為、美術館にて」、舞台はなんと東京国立近代美術館である。

取得方法が「購入」ってなってたから国立美術館がお金を出したってことか。今に生きる美術館だからこそのことである。

説明文もなかなかユーモアがあっておもしろい。学芸員の工夫でもあるのだろうが、美術なんてそんなもんなんだと思って素直に見られるのはよい。

コレクション展は420円で見られる。大学生だと130円とかむちゃくちゃ安いのだが、それと比べれば少しする。

パスポートを買えば、1000円でコレクション展1年間見放題、コレクション展の展示替えは年5回だから毎度来れば1回200円か……今日は買わなかったけど。

初めて来たけどけっこう気に入った。ここだと竹橋駅からすぐという立地か。地下鉄で来る分には便利だな。


北の丸公園から出てきて、江戸城の堀に沿って歩いて行く。

途中、千代田区役所が見えたが、なんと国の役所と一緒のビルに入ってるようだ。

国の行政の中心である千代田区らしいことだが、区役所がそれでいいのか? 千代田区と国が共同で民間事業者に作らせたビルにそれぞれ入居しているそうで。

また九段坂を上がると、上がりきったあたりに大きな鳥居が見えてきた。靖国神社である。

なにかと話題になる靖国神社だが、コンセプトはわかりやすく、国のために命を落とした人ならば身分、職業、性別関係なく祀っているとのこと。

「希望に応じて誰でも」ではなく、「無条件に誰でも」なのは信仰の自由の観点から疑問はあるのだが、今でもそうらしい。

今は独立した宗教法人(神社本庁との包括関係はなし)なのだが、戦前は行政施設だったからそういうところには無頓着だったのだろう。

気になるところはいろいろあるが、参集殿に行けば誰でも昇殿参拝できるのはたいへん開かれた神社ということでさすがだなと思った。

説明を見てびっくりしたのだけど、どうも本当にそうらしい。


引き続き、掘にそって歩いて行く。ちょうどこのあたりは千鳥ヶ淵といい、無名戦没者の墓がある。

このあたりは堀に沿って走る人々が目立つ。そういう人がいるって話は聞いてたけど本当なんだな。

警察官が豪邸の周りをうろちょろしているように見えて、なにかと思ったらイギリス大使館だった。なにかとすごい。

さらに進むと「TOKYO FM JOAU 80.0MHz」と書いたビルが。TOKYO FMの本社・スタジオですね。

このあたりで走る人のために便宜を図る施設があるようで。FMラジオ局らしい?


この先は完全な官庁街になっていく。まずは最高裁判所が現れる。

次に現れるのは国立国会図書館、ものすごい地下に深いらしいのだが、今日は休館日なので体感はしてない。

国立国会図書館があればその隣は国会議事堂である。

このあたりから警察官の数がなお一層増えてくるのだが、T字路の3方向どちらにも警察の青と白のバスが停まっている姿は異様だった。

警備対象は何かって首相官邸ですね。こんなことに警察官がやたらと動員されているのも大変な話だ。警備員じゃないからな。

さらに進んで特許庁前交差点まで来ると港区という表記が現れる。

ここで千代田区も終わり、周りを見てみると整然とした官庁街から、雑然とした街に変わりつつあることを感じた。

溜池山王駅で銀座線に乗ってゴールということにした。


東京の繁華街ってちょっと行ったらすぐに住宅があったりして、生活感を感じるところも多いのだが、

今日歩いたあたりでは人々の生活を感じさせるものはほとんどないように感じた。

住宅がないわけではないのだが、オフィスの方が目立つんだよなぁ。

都心だが、意外にも緑が多くて静かな街というのは歩いたことで得られた発見だ。

人が集まるところはオフィスぐらいしかないから静かなんだよね。今日は休日というのもあってなおさら。

もともと大名屋敷が建ち並んでいたということで、明治以降に街が生まれ変わっていく中でもゆとりを確保できたのだろう。

オフィス街を歩いて何が楽しいのだという話もあろうかと思うが、意外とみどころはある。

と言ってもまたこうやって歩くことがあるかというとそれは別問題だが。大阪の船場だって散歩したのは一度ぐらいしかない。

北の丸公園に来ることはあるかもしれんが。

仕方なくラジオ越しの野球観戦

だいたい土曜日にはラジオで野球を聞いてる気がする。

別に野球が聞きたくて聞いているわけではなくて、

番組表通りにラジオを付けたら野球をやってて、それが終わるまで自分が聞こうと思った番組が始まらないと。

そこで仕方なく野球を聞くわけだ。


知っての通り、野球の試合時間は決まっていない。

試合の流れによって3アウト取るまでにかかる時間は明らかに違うからね。

ただし、だいたいこれぐらいという時間はあって、日本のプロ野球では平均3時間18分とのこと。

セ・パ公式戦 平均試合時間 (日本野球機構)

それに対して番組表で3時間しか割りあててないんだから、そりゃはみでるわなと。

文化放送の「エジソン」の前番組、「ホームランナイター」の話ですけど。

9回で終われば+30分までにはほぼ収まってる気がするので、その程度は織り込み済みなんだと思うけどね。

そのために次を生放送番組にしてるんでしょうし。実際、この程度なら番組に大きな影響は出ないようになっている。


ただし、野球というやつは9回で終わるとも限らない。

延長戦でもどれぐらい伸びるかは場合によりけりで、+70分ぐらいのときもあれば、+40分で普段と大差なしということもある。

ただ、運が悪いと2時間延長というのもあって……そう、今日がそうだったのだ。

本来の放送時間3時間と合わせると5時間も野球をやり続けてきたということである。

9回まででもえらい時間食ってた上に、延長戦に突っ込んだもんだから、こんなことになってしまった。


文化放送では土曜日のホームランナイターが1時間以上の延長となった場合は、

28時までの番組を30分単位で吹き飛ばして、そこまでの番組を30分単位で後ろに動かすという対応が取られる。

ということで今日はこうなった。

  • 23:00~24:00(21:00~23:00から2時間遅れ・1時間短縮) エジソン
  • 24:00~25:00(23:00~24:00を1時間シフト) こむちゃっとカウントダウン
  • 以後26:30放送開始予定まで1時間シフトして放送
  • 27:00~28:00に予定していた2番組は休止

地上波ではこのように遅い時間に放送される番組が犠牲になるだけで、あとはただ遅れるだけのことだが、

エジソン・こむちゃっとカウントダウンの超A&G+で同時放送は24時までしか枠がないので、24時以降にはみ出る分は放送されない。

24時以降の超A&G+への影響はないのはよいのだが、これらの番組を聞きたいのに、地上波で聞けないひとにとっては残念かもしれない。


さっき書いたようにエジソンは超A&G+との同時放送なのだが、地上波でエジソンが始まるまでは超A&G+でも始まらない。

そこで野球が伸びている間は超A&G+では音楽を流して穴埋めをしているそう。

こっちを聞きながら待ってもよいのだが、あえて地上波で野球を聞いている。

というのもいつまで遅れるかは野球次第なわけですから、放送開始までは野球がどうなってるかの方が気になるわけだ。

ラジオを聞けば「あとちょっとで終わるな」とか「これは長引きそうだな」とかそういうことがわかる。

試合終盤ばっかりだけど、毎週聞いてると野球の試合もいろいろあるんだなぁとわかってくる。


際限なく野球中継を延長し続けるのもいかがものかという意見もあろうとあろうと思う。

確かに定時番組に影響が出るのはうれしくないのだが、ラジオぐらいは仕方ないのかなというのが僕の見解だ。

昔は地上波テレビでも野球中継がけっこうあって、放送時間を延長することもあったから、父が「野球中継のせいでドラマの放送時間がずれた」とぼやくこともしばしば。

ローカルな放送局では今でも野球中継を多く放送しているところもありそうだが(サンテレビとか?)、

大手の放送局では地上波での野球中継がほぼやっていなくて、BSに移行している。

野球よりも人気のある番組があるというのは大きな理由なんだろうが、BSという選択肢ができたのも後押しになってるんだろうな。

そんな中でラジオの野球中継というのは重宝されてるんじゃないのかなぁ。

そうやって期待されているのだとすれば、ラジオぐらいはその期待に応えてもよいのではないかなと。

野球を楽しみにしている人も、その後の番組を楽しみにしている人も、世間の主流とは言えないかもしれないけど、

そういうニーズに応えられるのがラジオだろうと思うから。

シミュレーションをするのが仕事

最近、論理回路の修正をいろいろやっている。

ここまで修正内容はHDLをちょこっといじるだけなのだが、

それで正しく動作するか確認するシミュレーションを作らないといけない。

修正内容はちょっとだけど、シミュレーションを書くのは意外とめんどくさい。


例えば、既存の回路には入力Aと入力Bがあるタイミング関係で入力されると、異常な動作をしていたとする。

こういう問題はある信号の生成条件にANDで信号を1つ加えるだけとか、そういうちょっとした修正で直せるが、

これが確かに直ったか確認するためのシミュレーションではいろいろ考えないといけない。

まず事前条件があるならば、その条件を満たすように操作が必要かも知れない。

ある内部状態のときしか起きないのならば、その状態まで持っていく記述が必要になる。

その上で、入力Aと入力Bのタイミングを適切に設定しないといけない。

そして、出力を見るわけだが、どういう出力を見れれば直ったことを確認出来るか考えないといけない。

異常な動作をしていても、正常な動作をしていても出力が変わらないのでは役に立たない。

差が付くように事前条件を付ける必要があるかも知れない。

異常だと期待値がこれ、正常だと期待値がこれ、など考えて区別が付くようにしないといけないと。


「ここの行を修正して、このシミュレーション通ればOKだから」と渡されたことがあって、

ソースコード直して、シミュレーションを回すと確かにOKだったのだが、

修正前でもシミュレーションがOKになってしまうということがあった。

なんか事前条件が間違えていて、修正前でも正常に動くパターンになっていたようで。

修正部分がわかっていて、確認方法もわかってるから、中身知らなくてもとりあえず大丈夫だろ、

と今の仕事をし始めて間もない頃に渡されたのだが、思いの外難儀した。


少なくともそういうミスをしてはいかんなということで、修正後に通るのはもちろん、修正前に失敗することは確認している。

これで修正が利いていることは確認出来るシミュレーションになっていることは確実だ。

ただ、そのシミュレーションが網羅的に機能を確認出来るかどうかが別問題で、もれなく抜けなくやらないといけない。

異常検出機能を追加して、異常を検出できることは確認したけど、

よく考えたら異常から復帰できることは確認してない(仕様上は異常検出→中断→自動リセット→再開可能)ということに気づいて、

シミュレーションに追加したというエピソードがある。

再開は問題なくできたけど、別の問題を発見してしまい、追加で変更をするはめになってしまったが。

異常発生タイミングによって再開できたりできなかったりということがあっては困るということで、

異常発生方法を2つに場合分けしたら発見してしまったと。元のシミュレーションの異常発生タイミングがおかしかったのだ。


ソースを書いては、シミュレーションを書いてというのは論理回路設計に特有のことのような気がする。

実機で動いているときに多数の信号波形を見ることはなかなか難しいし、ましてや内部信号の波形なんて見ようが無い。

FPGAならともかくカスタムICだと作り直しが難しいとか、そういうところもシミュレーションに力を入れる理由にはあるんだろうが、

それを抜きにしても論理回路の挙動は実機で容易にわかるものではない。

ソフトウェアならばデバッガを使ってやれば、内部の値も見ることができる。

それで内部状態も見ながらデバッグできるならそれでいいわけだし。

網羅的にあれこれテストしようとするとソフトウェアでもテスト書いてあれこれというのはあるんだろうけどさ。

今までそういうことをやった経験はないんだが。

本部長は取締役でもある

職場に流れてきたある文書に「○○取締役」なんて書いてあって違和感があった。

だって、社内で通常、本部長の肩書きで言われることが多いから。


社長だとか会長だとか専務だとか、会社のえらい人の肩書きもいろいろだが、

会社法上はかなりシンプルである。

役員というのは取締役・会計参与・監査役の総称であるとだけ定義されている。

監査役と会計参与は取締役の仕事を監査したりする立場だから、

会社の組織でえらい人といえば取締役しか定義されていないということになる。

あとは代表権を持つ取締役を代表取締役として決めることができるぐらい。(代表取締役がいなければ全取締役が代表権を持つ)


ただ、多くの会社では取締役とは別に社長だとかの職位を与えていることがある。

それをくっつけて「代表取締役社長」とか「取締役専務」とかそういう言い方をすることが多い。

さらにいうと取締役以外の幹部に執行役員などの職位を与えることがあり、「執行役員常務」とかいう表記も見る。

執行役員というのは会社法上の定めはなくて、それらしい名前を付けているだけのことである。

というわけで会社のえらい人に付けられた肩書きのうち、会社法で意味があるのは「取締役」「代表取締役」だけで、

それ以外は各社勝手に決めているだけである。極端なことを言えば経営上の何の権限もない従業員に「社長」と付けてもいいのだ。


さすがに社内でも社長は社長なのだが、それ以外の取締役などの肩書きというのはほとんど無視されている。

専務だとしても専務という肩書きだけで社内に存在することはなくて、

本部長とかそういう肩書きが別にあって、どちらかというとそちらの方が組織的にはなじみがある。

本部長でも取締役になっている人、執行役員など取締役以外の役員として扱われている人が混在している。

けど社内では等しく本部長ですからね。本部によって規模も違うから本当に同じかはわからないけど。

一応、社内でも特に重要な本部の本部長が取締役にはなってそうだけど、関係あるかはよくわからない。


もう1つ違和感を覚えたのが「○○社長」じゃなくて「○○取締役」とか「○○執行役員」と書かれていたところだ。

社長といっても親会社の社長ではなく、子会社の社長である。

グループ会社にいくつも会社があるから社長も何人もいる。

そんな社長には親会社の役職を兼務している人も少なくない。

ただ、通常は子会社側の役職で呼ばれることが多いと思うんだけどね。そっちのリーダーという色の方が濃いから。

親会社だけを見れば取締役の一に過ぎないかもしれないが、グループ全体で見ればある会社の社長という方がしっくりくる。

ものすごく違和感がある表記だった。


こういう上層部の人には、外向きの顔と内向きの顔があるってことよね。

役員一覧を見ると 「取締役専務 ○○○○ (担当:○○本部長)」「取締役 ○○○○ (担当:XXXXX社長)」のような形で紹介されているので、

内部的にはどういう立ち位置であるかというのも紹介されている。

こういう形で対外的に出ることがあまりない人ならば 「○○センター長」 とか 「XXXXX(子会社)社長」 とか社内での呼び名だけが存在するだろうから、

そういう立ち位置にあれば相当にえらいということは確かかと思う。それがわかりやすいかはともかく。

東京都選挙区は広いが

市議会議員選挙のようなポスター掲示板には、退勤時にすでにポスターが貼られていた。

けど、スカスカ、市議会議員選挙なら当日夕方で7割ぐらいは貼ってそうなもんだが。

まぁ東京都選挙区も広いですからね。


そう、東京都選挙区は日本で一番、選挙区の端から端までの距離が長い。なんと1000kmほどある。

1000kmというと青森県から和歌山県が収まるぐらいの距離がある。すごく長い。

といってもこれは小笠原村が東京都であるからのことであり、

島しょ部を入れたとしても青ヶ島村までならば400kmほどで済むし、本州だけならば狭すぎるぐらいだ。

しかし、小笠原村のポスター掲示板とか30枠とか用意したとしても、貼りに来る候補者ってどれぐらいいるんだろうね?

選挙区のポスターは特に証紙を貼る必要もないから、1週間前ぐらいにおがさわら丸に積み込んでおけば、海が荒れ続けない限り大丈夫そうだけど。


伊豆諸島・小笠原諸島が東京都に属しているのは海路の都合という点が大きい。

特に伊豆諸島は静岡県だった時期があったのだが、メインの航路が東京との航路だったので東京都を選んだ経緯がある。

ただ、よりによって人口があまりに多い東京都に、わずかな人口しかいない伊豆諸島・小笠原諸島、ということで都議会議員選挙からして相当におかしい。

なにしろ127人の議会で島しょ部に議員定数1人しかいないのだから。

伊豆諸島も小笠原諸島も1つの選挙区、日本一長い都道府県議会の選挙区に違いない。

一般的には都道府県議員って生活圏ごとに選挙区があって、1人以上は議員がいるものだが、そういうわけにはいかないのだ。

これでも多摩地方だと10万人ほどの市で1議席なのに、26000人ほどしかいない島しょ部で1議席はかなり盛ってるんだけど、そうはいってもねぇ。

市町村議会議員ほどではなくとも、ある程度は身近であって欲しい都道府県議会議員ですらこの有様である。

現在、島しょ部で選出されている議員は大島町に本拠地を置いているようだけど。


現在、日本の国会議員の選挙では離島であるということを理由に特別扱いを受けている地域はない。

離島だけで1つの選挙区になっているところはなく、人口が最も多い離島、淡路島ですら明石市とあわせて1つの衆議院議員の選挙区になっている。

ただし、過去にはそういう特別扱いを受けた例もあるにはあって、それが1992年まで衆議院議員選挙であった奄美群島選挙区である。

当時の衆議院議員選挙は1選挙区3~5人の大選挙区制(これを中選挙区制と言っていた)でやっていたそうだが、

奄美群島については1953年の日本統治下への復帰時にとりあえず奄美で1つの選挙区として定数1人を割りあてた。

当時の衆議院議員選挙で唯一の小選挙区ということで熾烈な争いが繰り広げられたようだ。

ただ、1票の格差の観点では問題があったので、鹿児島市と同じ鹿児島県第1区に編入され、以来、奄美単独の選挙区は設けられたことはない。


日本ではすべての有人島がいずれかの市区町村に属し、全ての市町村はいずれかの都道府県に属しており、

選挙区割り振りの基本単位である都道府県で見ても、離島であるから極端に人口が少ないというところはない。

ゆえに特別扱いする理由はなしという判断なのだろう。実際、そこまで違和感がある話でもない。

ただ、もしも小笠原諸島がいずれの都道府県にも属していないとか、そういうことになっていたとすれば、

小笠原諸島で1議席というのもやむなしと判断されていたかも知れない。

明治政府の方針で全ての地域をいずれかの府県に所属させることにしたから、そういうことにはならなかったわけだけど。(明治初期は市町村が制度化されていなくて、府県が統治機構の中心だったという事情もあるのだが)


世界的に見ると海外領土なんてものがあったりして、特別扱いせざるを得ない地域を有する国というのはけっこうある。

ちょっと調べたらスペインは基本的に県単位で比例代表で議員を選ぶところ、

アフリカ大陸にあるセウタとメリリャが市相当でありながらそれぞれ単独の選挙区になっているなどあった。

逆に特別扱いされて議席がないのがアメリカのワシントンD.C.である。議員の議席の割り当てがない。(オブザーバーは送っている)、

連邦政府直轄なので連邦を構成するいずれの州にも含まれないのでこうなるらしいのだが、理屈に合わない話である。

日本にそういう特別扱いがないのはわかりやすいし、1票の格差の観点からも評価できるのだが、選挙区の広さばかりは気になる。

くっつけた選挙区、ポスターが多すぎる選挙区

そろそろ参議院議員選挙だそうで、ポスター掲示板ができてきている。

てっきり市議会議員の選挙かと思ったが……


ところで今回の参議院議員選挙から2つの県で1つの選挙区というのが新しくできる。

鳥取県・島根県と徳島県・高知県の2つの選挙区がこれにあてはまる。

鳥取県と島根県の人口の少なさはよく知られているが、一方でこの2県はつながりが深いことも知られている。

人口の少なさと繋がりの深さを考慮して、民放は鳥取県+島根県で1つの放送区域になっているのもユニークだ。NHKだけは県域なんだけど。


鳥取県・島根県の選挙区が合併することはうすうす感づいてたんだろうなと思うけど、

徳島県・高知県の選挙区が一緒になるというのは、初めて聞いたとき「えっ」と思った。

ただ、徳島県・高知県の人口の少なさも相当なもので、衆議院議員選挙の小選挙区の一票の格差ではこのあたりが話題になることもある。

ちょうど隣接しているし合併してしまえばよいと考えたのだろうが、残念ながらあまり往来が多いとは言えない地域だ。

ニュースでも高知県側では相当な戸惑いがあることが取り上げられていた。

というのも今回の参議院議員選挙での立候補予定者は徳島県を拠点としている人ばかりだそうで。

なにかと距離感を感じるのも無理はない。


以上の選挙区見直しが行われた背景には、毎度毎度、参議院議員選挙をするたびに裁判所に違憲だとかいわれてきたことがある。

この対策をすると5倍の格差が3倍の格差ぐらいになるそうで。

それでも3倍って相当だけど、参議院議員の性質を考えると選挙区選出でこれ以上の対策をするのはなかなか難しい。

参議院議員って任期6年だけど、半分ずつ交互に改選するということで3年おきに選挙を行っている。

なおかつ、比例代表で選ぶ議員の割合も衆議院に比べると多い。全国から票を集めて議員を選ぶというのは旧全国区制を踏襲している部分もある。

その結果、1回の選挙で選挙区で選出する議員は73人しかいない。この少なさがゆえに何もかも厳しい。

とりあえず現実的に取り得る対策はしたから、これで勘弁してよって主張なんでしょうね。同情できる部分はある。


一方で、人口の多い都道府県では改選数2以上ということで大選挙区制となる。

小選挙区制と大選挙区制では選挙の戦略が大きく異なる。

改選数1の選挙区はどこの政党が議席を取るか、なかなか読みにくい面もあるのだが、

改選数2の選挙区だと2つの大きな政党が取るんだろうという予測がしやすい。


その中でも東京都選挙区というのは戦略的にはかなり特異な選挙区だと言える。なにしろ改選数6議席である。

小選挙区制だと2人の候補者の争いに入れないなら立候補する意味は無いし、

改選数3でも3人目までに入れる政党というのはけっこう限られる。

けど、東京都選挙区なら6人目までに1人入れられればいいわけだ。これはけっこう易しそうである。

さらになにかと目のつきやすい選挙区ということもあって、飛沫候補なんて言われる当選するとは思えないような候補者が多いことが知られている。

定数が多いから手堅く当選できそうな候補者も多いし、真っ当に考えても当選に希望を持てそう候補者も多いし、飛沫候補も多い。

というわけで冒頭に「てっきり市議会議員選挙かと――」と書いたのは、立候補予定者の数があまりに多くて、

ポスター掲示板の枠の数が20人超を選ぶ市議会議員選挙のような状態になっていたということである。


片や、府県界を越えて1つの選挙区、片や市議会議員選挙のようなポスター掲示板、

都道府県単位の選挙区というところにこだわった結果なのだが、もはや限界と言わざるを得ない。

ただ、これを抜本的に解決できるうまい方法が思いつくか? と言われると難しい。

比例代表だけに集約するのが一番簡単だし、参議院ならばそれでもいいような気はする。

とはいえ、選挙区が全く無くなってしまっては、政党に属さない候補者が当選するのは難しい。

定数を増やせば分配しやすくはなるが、半分ずつ改選するという参議院の都合を考えると、それで解決するには必要な人数が多すぎる。

本当に難しい問題だ。


もっとも人口に対して平等に割り振るのが必須かというと、憲法はそんなことは言ってないんだけどね。

ただ、国会議員は全国民の代表だから、常識的に考えれば人口に対して平等に議員を割りあてるべきだろうという話が導かれるだけで。

これが全国民が最も平等に参議院議員を選べる方法だと主張できる方法なら、必ずしも一票の格差に神経質になることもない。

これ以上、選挙区が広くなると、もはや選挙がなり立たないとか、そういう主張はアリかもしれない。

そこら辺、まじめに考えた上で出された答えが今回の選挙区なら納得なんだけどね。

実情はとりあえず簡単に手を付けられるところからってことだとは思う。それで納得させるのは厳しいかな。