ウマ娘のゲームを遊んでいて、違和感を感じるのが距離区分である。
長い距離を走り抜いて勝つためには、どの能力をどのぐらい伸ばすかが難しい。
長い距離を走破するにはスタミナが必要。それをレースに適用するには賢さも必要。
ウマ娘の脚質にもよるが、差しなど終盤の瞬発力を生かすならパワーが必要。
もうちょっとで届きそうな時に助けてくれるのが根性、そしてもちろんスピードがなければ勝てない。
それが長距離レースだと思うのだが、ちょっとウマ娘のゲームの区分には違和感があると。
ウマ娘では距離を4区分、短距離・マイル・中距離・長距離 に分けている。
一方で現実の競馬ではSMILEというのが世界的に使われている。
これはS(Sprint)・M(Mile)・I(Intermediate)・L(Long)・E(Extended)の5区分で表す。
4区分と5区分という数が違えば、当然割付き方も違う。
重賞レースでよく見る距離を区分してみるとこうなる。
- 1200m : SMILE=S, ウマ娘=短距離
- 1400m : SMILE=M, ウマ娘=短距離
- 1600m : SMILE=M, ウマ娘=マイル
- 1800m : SMILE=M, ウマ娘=マイル
- 2000m : SMILE=I, ウマ娘=中距離
- 2200m : SMILE=L , ウマ娘=中距離
- 2400m : SMILE=L , ウマ娘=中距離
- 2500m : SMILE=L , ウマ娘=長距離
- 3000m~3600m : SMILE=E, ウマ娘=長距離
さて、これをどう見るかということである。
短い方から見ていくと、まず食い違うのが1400mで、SMILEではMileなのに、ウマ娘では短距離になっている。
これは日本では1400mは短距離の方が妥当な区分かなと。1200m以下だけだとレース数も限られるので。
最近、1400mのレースをいくつか見てたけど、マイルがギリギリみたいな馬が目立つような気がして、
そういう意味では1600mよりは1200mの方に近い区分なのかなという印象はある。
SMILE区分のMとI、ウマ娘のマイルと中距離の境界は大差ない。
次に差異が見えるのが2200mと2400m、SMILE区分ではLong、ウマ娘では中距離となっている。
2200mの代表的なレースは宝塚記念、2400mの代表的なレースは日本ダービー・ジャパンカップなど。
最初に書いた違和感というのは、この2400mが中距離扱いになっているということである。
2200mはIntermediateだと思い込んでたのだが、国際的にはLongということで長距離扱いになっている。
一方で中距離扱いされる2400mと100mしか違わない2500mは、ウマ娘では長距離扱いになる。
2500mの代表的なレースといえば有馬記念、あるいは目黒記念など。
確かに2400mで行われるレースよりタフなレースが多いような気がするが、それは100mの差なのか?
2400mと2500mの間にビシッと線が引かれてるのは、これもまた違和感である。
SMILE区分のExtendedに該当するレースはハイレベルなものは限られ、
世界のトップ100 G1レースに本当の意味で常連なのは日本の天皇賞(春)[3200m]ぐらいしかない。
年によって日本の菊花賞[3000m]、イギリスのセントレジャー[2900m]やゴールドカップ[4000m]が入ってくる。
世界的にはかなり軽視されている区分なのだが、ウマ娘のモチーフは日本競馬ですから、ここを軽視することはできない。
すなわちSMILE区分のExtendedだけを長距離としては、対象レースは非常に限られることになる。
かといって、Longを全て長距離扱いとすると、今度は長距離扱いになるレースが多すぎる。
そこで名物レースを多く含む2400mとそれより長い2500mの間にビシッと線を引くことにしたということではないか。
ただ、実際にプレイしていて思うのは2400mで安定して勝つためには、長距離を意識してスタミナを鍛えないと難しく、
逆にスピードを軽視すると、2000mでは勝てないということで、感覚的にはこの間にこそ境界線があるんじゃないかという気はする。
距離区分はあくまでも制度上のもので、ウマ娘の実力が発揮できるレースを選んでいけばよいとも言えるが、
現在遊べる育成シナリオ「新設! URAファイナルズ」では、多く走った距離区分に応じてファイナルズの距離区分が決まる。
すなわち2000~2400mのレースを多く走ると中距離のURAファイナルズに出場となってしまうのである。
ところがさっき書いたように2000mというのはスタミナ重視で勝つのは大変ということで、
スタミナ自慢ならば中距離よりは長距離に出走したいところであるが、大きな問題があって、
それが、ダービー・オークスまでで出走可能なレースで長距離区分のレースは皆無に近いこと。(未勝利で2600mはあるかも)
そこから1年半の間にいかに長距離の実績を積み、ダービーや皐月賞を含む中距離の実績を上回るかが問題である。
シンボリルドルフの育成ではダービー後はこのようにして長距離出走にした。
- 菊花賞(GI)[芝3000m] ★
- ステイヤーズステークス(GII) [芝3600m]
- 有馬記念(GI) [芝2500m] ★
- ダイヤモンドステークス(GIII) [芝3400m]
- 阪神大賞典(GII) [芝3000m]
- 天皇賞(春)(GI) [芝3200m] ★
- 目黒記念(GII) [芝2500m]
- 京都大賞典(GII) [芝2400m]
- ジャパンカップ(GI) [芝2400m] ★
- 有馬記念(GI) [芝2500m] ★
★はシナリオ上の目標レースなので必ず出走しなければならない。
とにかく長距離区分のレースを使うということで、指定レースのジャパンカップは仕方ないが、他はできるだけ長距離だけ走った。
ただし、京都大賞典は2400mだが、スキルPtを稼ぐ必要があり、同時期に2500m以上のレースの選択肢が少なく、やむを得ず出走した。
が、後でよく考えてみたら、ジャパンカップの直前にアルゼンチン共和国杯(芝2500m)があるから、これでもよかったのか。
このローテーションはいろいろとあり得ないと思ったが実際どうだろう?
まず、菊花賞~ステイヤーズS~有馬記念というのがタフである。
こんなことやる馬、現実でいるのか? と思って調べたらちらほらいるみたい。
結果を出した馬としては、フォゲッタブル(2009年:2着→1着→4着)や、テイエムオペラオー(1999年:2着→2着→3着)など。
ちなみにこのシンボリルドルフはこの3レース全勝、すごいなぁ。
次のダイヤモンドステークス、これはハンデ戦なんですよね。菊花賞・有馬記念優勝して出したらどんな負担重量になることやら。
ウマ娘の世界のハンデ戦ってどうなってるのかと思ったが、影響はないっぽい。なのでこのシンボリルドルフは楽勝していった。
さっき紹介したフォゲッタブルはダイヤモンドステークスにも出走していて、負担重量57kgで優勝している。すごいな。
阪神大賞典は1年以内のGI優勝馬も58kgで出走できるからいい。天皇賞(春)は大目標と。
ちなみに僕のシンボリルドルフは2着・3着とここはちょっと惜しい結果。
その次に目黒記念ってのも、これもハンデ戦なんですよね。平然と勝ってたけど。
で、調べたら、ダイヤモンドステークス~阪神大賞典~天皇賞(春)~目黒記念を2年繰り返した馬が見つかりましてね。
それが トウカイトリック で、4歳では3着(54kg)→2着→9着→7着(56kg)、5歳では1着(57kg)→3着→3着→10着(58kg)と。
ちなみに5歳のダイヤモンドステークス1着は同馬の重賞初勝利である。
その後8歳で阪神大賞典、10歳でステイヤーズステークスを勝利し、重賞3勝の成績を挙げている。
調べてみたらあり得ないとまでは言えないけど、菊花賞優勝馬がやるローテーションではないわ。
ウマ娘のハンデ戦のハンデが効かないシステムのおかげで救われてますね。
シンボリルドルフの場合、シニア級・秋のステイヤーズステークスは、
必ず出走するジャパンカップ・有馬記念に挟まれているため、これに出ると3連続出走になりパフォーマンス低下の可能性がある。
できるだけ高い格のレースを使いながらやるとだいたいこういう形になるんじゃないかなと。
余談ですが、このシンボリルドルフの育成シナリオで唯一マイルのレースを使わないといけないところがある。
それがサウジアラビアロイヤルカップ(GIII)[芝1600m]である。
サウジアラビアロイヤルカップを使うこと自体はそんなにおかしくない気もするが、わざわざ目標に書くようなレースか? という気もする。
これ、現実のシンボリルドルフの戦績を調べて気づいたんだけど、彼の2勝目に「いちょう特別(400万下)」って書いてあったんですよね。
そういえばサウジアラビアロイヤルカップって、以前は「いちょうステークス」って名前だったはず。
実はシンボリルドルフが勝った翌年1984年に いちょう特別 はオープンクラスに昇格、1988年から いちょうステークス に名称変更、
2014年に重賞に格上げ(当初は無格付)、2015年にサウジアラビアロイヤルカップに改称、2016年にGIIIの格付けが付いた。
重賞になる前から出世レースとして知られていたそうで、そこにはシンボリルドルフの名前が挙がることもあったという。
最近でもグランアレグリア(2018年優勝→桜花賞・阪神カップ・安田記念・スプリンターズステークス・マイルチャンピオンシップ優勝)を輩出している。
そんな功績も踏まえての目標レースだったのかもしれない。