親の意向で日本国籍を失った子の話

ニュースで見て、確かにこういうケースってあるよなぁと。

日本国籍を剝奪された2人の孫 元最高裁判事も知らなかった非寛容さ (朝日新聞デジタル)

母日本人、父アメリカ人でイギリス在住でイギリス出身の子がいて、

生まれながら日本国籍・アメリカ国籍があり、国籍留保の手続きをしたので、

日本の国籍法の規定により、20歳まで(成人から2年以内)に国籍選択をする必要があると思っていた。

ここで父がイギリス国籍を取得して、これにより子は届出によりイギリス国籍を取得できた。

イギリス在住なのでこの手続きをしたところ、「自己の志望によって外国の国籍を取得した」ことに該当し、日本国籍を喪失していたという話である。


このような規定は世界的に見てもそこまで珍しいものではない……と思うが。

生まれながらの重国籍の解消を求める国は数字では少数派である。

この記事によれば、そのような国は47ヶ国、中国・韓国・インドなど。

他に調べてみるとタイ・マレーシア・ベトナム・インドネシアも該当する。

アジアでは珍しくないんですよね。

さらに生まれながらの重国籍を解消しなくてよい国でも、自ら手続きをして他の国籍を取得すると国籍を喪失する規定を持っていることはある。

そこまで含めて少数派かはわからない。


とはいえ、「自己の志望によって」と言うものの、子はまだ未成年だろう。

実態としては親の都合によりイギリス国籍を取得したというのが正しい。

生まれながらの重国籍などは20歳まで留保できるのに、ひどいじゃないかと。

確かにそれはその通りで、なので日本人の子は日本国籍を失っても、いろいろなワークアラウンドが用意されている。


まず、日本人の子は「日本人の配偶者等」の在留資格が取得できる。

生まれたときに親が日本国籍を持っているという条件を満たせばよい。

この在留資格があれば、日本に住むことと無制限に働くことが出来る。

日本に住むとなればまずこの在留資格を取得することになる。


日本人の子なのに日本国籍がないという中には、国籍留保の手続きを怠ったケースが考えられる。

日本人の子でも、外国で生まれて日本以外の国籍がある場合は国籍留保の手続きをしないと日本国籍は得られない。

出生届に「日本国籍を留保する」と記載すればよくて、在外公館に置かれている出生届にはすでに刷り込まれているとのこと。

(外国で出生した後、日本で出生届を出す場合にはあえて書かないといけない)

しかし、それを忘れても18歳未満で日本に住んでいれば「国籍再取得の届出」が可能になる。

国籍留保した人や日本生まれの人には関係ない話だが。


それ以外の場合で日本国籍を回復する場合は、帰化の手続きによる。

日本人の子が帰化する場合の要件は大幅に緩和されている。

住所要件は日本に住んでいればよく、能力要件・生計要件が緩和される。

日本に定住して、親族に養ってもらってでも生活していけそうで、

なおかつ素行面で問題がなければ帰化できるということですね。

すでに持っている外国籍を放棄することが最大のハードルでしょうか。


一方、外国人として日本に滞在し続けることを希望する場合だが、

この場合は永住者として認められる条件が緩和される。

日本人・永住者・特別永住者の子は最低1年以上在留すればよい。

必ずしも1年で永住申請が可能になるとは限らないのだが、

素行面で問題が無くて、日本での生活に問題がなさそうならば、比較的早期に永住者になれる可能性がある。

日本人の配偶者等も日本での就労に制限はない在留資格ではあるが、

永住者は無期限で取り消されにくいのでより安定的である。

再入国許可が得られれば最大5年間、日本を離れても永住者として日本に戻れる。


このように日本国籍を失っても、日本人の子が日本との地縁を回復する手段はいろいろある。

ただ、日本国籍の回復や永住許可は日本に定住することが前提である。

冒頭に書いたケースでは失敗したが、外国在住のまま日本国籍を維持し続け、

重国籍だと20歳までに選択が必要だが、外国在住でも日本国籍は選択できる。

日本国籍だけを維持した場合と、日本人の子である外国人として暮らす場合の違いで、

最も大きいのはそのさらに子の地位ではないかと思う。


日本国籍を維持し続ければ、そのさらに子には生まれながら日本国籍がある。

日本国籍があれば、日本での滞在は自由で「帰国」が拒否されることはない。

重国籍だと20歳までに解消が求められるが、そこまでは重国籍でもよい。

一方、日本人の子である外国人の子(日本人の孫)には日本国籍はない。

親が元日本人としても子が生まれた時点で日本国籍がなければこうなる。

では、この日本人の孫が日本にやってくるとなるとどうなるか。

この場合は日系3世として定住者の在留資格が得られる場合がある。

定住者も日本で無制限の就労が可能な在留資格ではあるのだが、

日系3世で定住者の在留資格を得る場合は「素行が善良であること」という条件が付く。


なお、日本人の子である外国人として日本に滞在している場合、

最短1年で永住者の在留資格が取得できる可能性があるとかいた。

日本で生まれた永住者の子も永住者となるのが通常である。

外国で生まれた永住者の子は、未成年で未婚のうちは定住者の在留資格が得られる。

日本に定住すれば最短1年で永住者の在留資格が取得できる可能性がある。

いずれのケースでも日系3世よりはだいぶ有利である。


元日本人の本人にしても、ここまで書いたようなワークアラウンドはあるが、

必ずしもこのように日本との地縁を回復できるとは限らないことだよね。

そもそも特別永住者以外の外国人には上陸拒否事由というのがある。

国内外で1年以上の懲役刑が確定した場合、薬物犯罪で有罪になった場合など。

日本以外での生活が困難なら入国を認めざるを得ないけど、

国籍のある国などで生活が可能と判断されれば認められないだろう。

帰化や永住が認められれば、そこからの地位はかなり安定するが、

そのためには素行に問題が無いとか、生計面の問題が無いとか、税金や社会保険料を納めているかが問われる。

永住許可が出ても、親の素行不良が原因で子の永住許可が出ないケースがあるという。

(この場合も永住者の配偶者等として子の在留自体は可能である)

永住者といっても、その地位が全く脅かされないわけではない。


というわけでやはり日本国籍を失うことは面倒な話である。

いらない手間が増えるし、確実とは言えない部分も多々ある。

とはいえ多くの場合は元日本人自身は日本との地縁を回復できるだろう。

それでも重国籍を解消させるのは、その次の代まで重国籍が連鎖することは避けたいという考えがあるんじゃないかと思う。

日系3世までは「素行が善良」ならば定住者の在留資格が得られるが。

(それにより定住者として在留する日系3世の未婚で未成年の子までは定住者)


最近、特別永住者として日本に住んでいて韓国籍として登録されているのに、

韓国の住民登録を怠ってパスポートを発行に困る人がいると見た。

外国人でも日本で生まれてそのまま日本で居続けるならパスポートは必要ではない。

日本で生まれれば最初に日本の役所に出生届を出すことになる。

特別永住者だと市町村の窓口で在留資格の取得手続きまで完了する。

これで住民票も在留資格もあるので日本で暮らす分には困らない。

(朝鮮籍として登録されている人はそうして代々暮らしてきた人である)

親が韓国籍ならば出生届を出した後、本来は韓国の住民登録をしなければならない。

でも、これをしないままの人もいると。それが2代以上続いていることもあるらしい。


重国籍ではないが、これは国籍国を離れて何代も重ねることの難しさを表していると思う。

重国籍も1代ならばそこまで害はないのかなという気はする。

本国を離れて移住した人との関係を維持するために、重国籍を積極的に認めるように方針転換した国もあると見た。

日本にしても日本人の子は外国人になっても特別な扱いが多々ある。

そこまでするなら日本国籍を維持してもいいじゃないかと思う部分もある。

でも、そのまま外国で代を重ねるとそれはそれで大変なことである。

外国在住でも日本国籍しかない人は、何代でも認めざるを得ないけど、

日本以外の国籍を選べばそこまでと、この歯止めには意味があると思った。

金城ふ頭へはあおなみ線しかない

昨日、Twitterを見てたら「あおなみ線」がトレンドに入っていた。

どうも名古屋駅で改札止めをしていたらしい。

往路の時点で改札止めとかそれ大変だなと思ったのだが、

夜になって金城ふ頭駅の混雑の話が入り、1時間半も混雑が続いたという。


あおなみ線は名古屋駅~金城ふ頭を結ぶ路線である。

沿線住民以外だと 金城ふ頭 にある ポートメッセなごや、リニア・鉄道館、レゴランドへ向かう人が利用するのがほとんどだと思う。

特にポートメッセは長年にわたり愛知県周辺ではもっとも規模の大きな展示場だった。

今は常滑市セントレアにあるAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)の方が規模が大きいが。

あおなみ線の開通により名古屋駅と電車1本で結ばれ、大変便利になった。

これが一般的な理解だと思うのだが、大規模イベントでは混雑が問題だという。


それにしてもここまでひどいのかと思ったのだ。

金城ふ頭での大規模イベント時にどうしてここまで混雑するのか。

原因は大きく2つ、1つはあおなみ線が4両編成であること、もう1つはこれ以外の公共交通でのアクセス手段がほぼないこと。

あおなみ線は平時の利用者数はそこまで多い路線ではない。

基本的に愛知県というのは公共交通の利用者が少ないところである。

JR・名鉄・近鉄いずれも2両編成で名古屋駅にやってくる列車があるほど。

愛知県においては4両編成だって立派な方というのが実情である。


もう1つのこれ以外のアクセス手段がないということ。これは本当にない。

そもそも金城ふ頭駅は行き止まりなので両方向に分散はあり得ない。

あおなみ線開通以前は名古屋港駅からのバスがあったが廃止されている。

バスなしではとても歩ける距離ではない。

あれば名古屋港水族館などガーデンふ頭の施設との往来などに有用そうだし、

名古屋港駅から名港線・名城線で金山・栄に直行できるなどのメリットもありそうだが。

(一応、名古屋港駅からの幹築地1系統が金城橋まで来ているので、橋を渡れば金城ふ頭の各施設へ行くことは出来るが、便数は限られる)


ここまで分散手段がない大規模会場はなかなか珍しいと思われる。

そもそも公共交通が貧弱すぎる宮城県利府町のグランディ21にはかないませんが。

過酷な利府の思い出

ここまで来るとツアーバスしかないと開き直れますけどね。

特に帰りはツアーバスが頼りだが、ツアーバスずらりと並んだ姿は壮観だった。

同じく愛知県のAichi Sky Expoも事実上、名鉄以外しかないというのはある。

セントレア隣接地なので空港へのアクセス手段はなんでも使えますが、

リムジンバスの本数は淘汰された結果、どれもこれも少なくアテにならない。

ただし、名鉄の増発・増結対応が可能なため、まだマシとは言われている。


一方でこの会場は自家用車でのアクセスが有用なケースがある。

金城ふ頭は名古屋港のさきっぽだが、伊勢湾岸自動車道(名港トリトン)が通っている。

高速道路と公共駐車場が直結しており、駐車場も5000台駐車可能。

確かに駐車場にも限りはあるし、出口の混雑など問題もあるのだが、

高速道路を使う前提ならばそれなりに利便性は高いようである。

これで名港トリトンなかったら道路も大変でしたけどね。


結局のところ、あおなみ線がここまでひどいのは来場者が際立って多いこと、

その中でも遠方から鉄道で来場する人の割合が高いということが要因である。

THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 10thLIVE TOUR Act-2 5 TO SP@RKLE!!

アイドルマスター関連のイベントは遠征が多いですからね。

これに連動して「でらます×アイドルマスター ミリオンライブ!」という観光キャンペーンも行われており、

昼間は名古屋市内を回遊して時間が近づいたら金城ふ頭へ向かう流れもあったのだと思う。

金城ふ頭に早く行っても大したものはない。となれば直前移動がよい。

大規模イベントでも往路から改札止めレベルの混雑になるのは相当だが、

それだけ市内での回遊を楽しんでというのはあったのかもしれない。

それならなおさらガーデンふ頭からの直行手段がないのが辛いですが。

(一応、観光船はあるので、それを使う人もいたようだが)


帰りは終演から1時間半も引かないのは確かに過酷である。

この間に運行された電車は11本、4両編成の定員が580人ほど。

乗車率150%で9600人ほど運ぶ計算となり、ほぼ会場の規模と一致する。

分散手段がないのと4両編成がほぼ全てだなというのがよくわかりますね。

増発して1時間7本程度になってるならそこそこじゃないでしょうか。

所有している車両数も限られるし、貨物列車との兼ね合いもあるらしい。

(あおなみ線は名古屋貨物ターミナル駅への貨物線を一部利用して作られた)


この先、ポートメッセでは、ラブライブ!スーパースター!!のLiella、ウマ娘 のライブイベントが予定されている。

これらも遠征の人が多いとは思うのだが、この状況を見て戦々恐々としているところ。

確かに昔からポートメッセでの大規模イベントのときは大変だと言われていたけど、

実際どこまでひどいんだというのはあまり可視化されてなかったのはある。

ただ、公共交通を使うことを選んだ時点でほぼ選択肢はないんですよね。

遠方から自家用車で行くのはそれはそれで大変な話でもある。

205系の代わりの新型電車

横浜市(鶴見区)・川崎市(川崎区)の臨港地帯を走る鶴見線、

自動券売機と鶴見駅の乗換改札を撤去した話を書いたことがあるが、新車が入るという。

鶴見線の新型車両に違和感 「車体幅が狭い」ワケは? 実はけっこう独自仕様 JR東日本に聞く (乗りものニュース)

最近の通勤電車では車体の裾は絞ってそれ以外を広げた拡幅車体が一般的で、

これが混雑率の緩和にも寄与しているとされている。

しかし、鶴見線の新車はこれを採用しないという点で特異だという。

これは鶴見線の設備上の制約とされている。何か障害物があるということか。


とはいえ、この特別仕様の新車が入ることで、鶴見線と南武支線の車両の老朽化対策は一応目処が付く。

南武支線はすでに新潟で以前使われてきたE127系が2両2編成到着している。

中古なので「新がたの電車」とかネタにされていたが、

このE127系は新潟・長野県内で2両編成で走れる電車として作られた。

北陸新幹線の開通に伴い、信越本線(長野~直江津)が移管されることになった。

このとき妙高高原~直江津を継承する えちごトキメキ鉄道 がE127系を取得することなり、

JRはE129系を製造し、国鉄時代からの車両とE127系を代替することにした。

これで新潟県内のあらかたのE127系はえちごトキメキ鉄道に譲渡されたが、

2編成だけ中途半端にJRに残ってしまい、これが南武支線になってきたと。

なお、南武支線専用車は3編成あるが、普段は2編成で運行可能である。

点検時などの予備用に1編成は従来車が残るが、普段は走らないのでは。


鶴見線の新車導入、南武支線への車両転用により、両路線で走る205系はなくなるものとみられる。

(南武支線の予備車は当面残るが、鶴見線の3両編成から1両外せば対応可能なはず)

これらの車両はもともと山手線で走っていた車両である。

当時11両編成だった車両の中間車に運転台を取り付けて3両・2両編成にしている。

205系はJR東日本にとっては混雑路線に大量投入された車両である。

拡幅車体による混雑緩和を狙って当初の投入路線からは去って、改造された各地に散ったという。

ただ、それもそろそろ老朽化の問題があり代替が進んできたという。

東日本管内で残るのは鶴見線・南武支線、そして宮城県内を走る仙石線。

というわけで東日本管内で最後に残るのは仙石線になりそうだねと。


ちなみに205系はJR西日本でも走っている。

紆余曲折あり、現在はJR奈良線で各停用として使われている。

お下がりといえばそうだけど

さらに老朽化した車両の代替を急ぐ中でこのような対応が取られてる。

いかにもその場しのぎみたいな見た目なんですけどね。

あとはJR東日本の中古車が富士急でも走っているそう。


仙石線の車両がどうなるかはわからないが、故障が多いという話も。

4両編成なので他路線からの転用の選択肢も比較的ありそうだが。

ただ、205系が片付いたら、次は209系の代替も考えないとならんのではと。

209系もまた混雑路線に大量投入され、混雑対策のため追い出された車両である。

千葉県内と川越・八高線に改造車が走っているが、どちらも部分的に代替されている。

でも全部なくすほどではないというのも実情なんかなぁ。

なお、中央快速線にも2編成いるが、これはグリーン車導入のための改造のためとされている。

改造中は一時的に走行できる編成数が減るので、それを補充していると。

全て改造が終われば役目は終わりになるとみられる。

本来は混雑路線にはふさわしくないが、一時的ということで許容したとみられる。


JR他社に比べれば比較的新しい車両の代替を進めている感じはあるが、

大量投入された車両を改造して作ったという難しさもあるのかもしれない。

205系は大都市圏の幹線から各地に散っていったが、

その代替となる車両は新車だったり、元々ローカル線用の車両だったりする。

205系はギリギリ転用が効く車両だったと言うことなんかね。


そんなこんなで205系も残る車両は少なくなってきた。

2017年まで大阪環状線を走っていたことで知られる103系も、

今や加古川線・播但線と筑肥線(筑前前原~西唐津)で細々走るのみ。

大都市圏から各地に散っていった車両だが、もう貴重な存在である。

103系なんて車両の都合が付けばすぐにでも廃車にしたいんだろうけど、

なかなか都合が付かず細々残っているのが実情のようだ。

コーランと偶像崇拝

最近、ヨーロッパではコーランを焼却する行為が相次いでいるようだ。

イラク大使館前でコーラン焼却 関係悪化懸念も―デンマーク (JIJI.COM)

コーラン(クルアーン)はイスラム教の聖典である。

その下敷きには聖書があり、この聖書はユダヤ教とキリスト教とも同じはずだが、

歴史を経る中で宗派ごとに聖書の記載や考え方に差異があるようだ。

このような事情もあり、イスラム教では聖書は啓典だが、コーランの記載が優先されるという位置づけになっているよう。

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教が同根だって言っても容易に相容れないのは知っての通りですが。


ところでイスラム教では偶像崇拝が禁止されているという話がある。

ここの考え方はユダヤ教とキリスト教も同じとされている。

ただ、実態としてキリスト教はいろいろな像や絵を拝んでいるように見える。

布教上、見えるものがあったほうがよいという考えがあったようで、

像を置いたとしても、信仰対象は像そのものではなく、その背後にある神だから問題はないという理屈で許容したらしい。

そんなわけでキリスト教には信仰上のシンボルとなる像や絵がいろいろある。

実態としては信仰対象として扱われているのではないか。


それに比べればイスラム教の偶像崇拝禁止は徹底されているように見える。

それならコーランを焼くのは何も問題はないのでは? という話を見た。

すなわち、コーランそのものは信仰対象ではないのだから、

コーランを燃やしたことに抗議することは偶像崇拝を認めたことになるので、

そのことがコーランに反する行為じゃないかということである。


そもそもこの偶像崇拝の禁止というのは唯一神を信仰することから来ているという。

このために唯一神ではないものを崇拝することを禁止していると。

神像があったとしても、それは唯一神ではないので、崇拝してはいけないと。

これが偶像崇拝を禁止する根拠だという。

キリスト教がこのあたり緩いのは 父なる神 と 神の子(イエス) と 精霊 が一体となって唯一神として扱われている事情もあるかも。

唯一神といっても、3つの姿があることを前提としているわけだから、

ユダヤ教やイスラム教ほど神の唯一性には厳しくならないのかもしれない。


その観点ってコーランってどういう扱いなの? と。

イスラム教の唯一神をはアッラーって言いますね。

まず アッラー そのものの像や絵を作ることはコーランで禁止されている。

なのでこれは全く存在しないし、作ったら破壊されてしまう。

存在しない以上は崇拝対象になることはあり得ない。

預言者であるムハンマドを描くことは必ずしも禁止されていないので存在している。

ただ、それが崇拝対象になってはいけないので、あまり作らない。


一方で文字はいいんじゃないかという考えはあったようである。

神の啓示であるコーランの文字や、アッラーという文字自体を描いて、これを信仰上のシンボルにすると。

こういうことはかなり行われているようである。

キリスト教では像や絵があっても、背後にいる神を拝んでいるからよいと書いたが、

イスラム教では像や絵はダメと言われたが、文字なら問題ないという理屈で同じようなことをしてるんですね。

名目上はともかく、実態としては信仰対象になっているということである。


日本では多神教の考え方がとても根付いている。

同じ仏や神がいろいろな姿で信仰されることをなんとも思わないので、

仏像や神像はいくらでもあるし、それ自体も仏や神として扱われる。

大切にするべきものがいろいろあることは、それはそれでよいことだと思う。

他の宗派にもこの考えを適用してしまう人は多いだろうから、

日本だとコーランを焼却するなんてもってのほかと考えるのが一般的と思う。

ただ、それはイスラム教の考えとはまた違うのかなと。

イスラム教にとってみれば、アッラーの唯一性から像や絵を作れない中で、

信仰上のシンボルというのがコーランとか限られたものになってしまう。

それを燃やされることの意味は重いということだよね。


実態としてコーランへの偶像崇拝はあるという結論ですよね。

一方でなぜヨーロッパでコーランが燃やされるのかというと、イスラム教徒への反発だよね。

コーランを崇拝するのではなく、アッラーを崇拝しろという理屈ならともかく、

イスラム教徒が憎いのでアッラーの啓示が示されたコーランを燃やしてると。

これでは、コーランを焼却することは正当化できないよねと。

当たり前ではあるんですけどね。

限度額はこっちの方が多いから

僕はセゾンカードを2枚持っている。

1つはSoftBankカード(2015年新規発行停止)でこれがメイン。

もう1つはセゾンゴールドAMEX、これは元ウォルマートカードセゾンである。

西友のカードがゴールドカードになってた

あまり使い道はないが、セゾンAMEXキャッシュバック合わせで多少。


同じ会社で複数のカードがあっても限度額は一括管理されるものである。

限度額30万円のカードが2枚あっても、60万円使えるわけではなく、

2枚合計で30万円になるという具合である。

すでにカードを持っている会社で新しいカードを作る場合は手続きも少し楽で、

後で作ったウォルマートカード(当時)は本人確認書類の提出はいらなかった。


というわけでSoftBankカードの限度額というのは、2枚のカードの共通の限度額と思っていた。

そのSoftBankカードの限度額の削られた金額を見ると、

来月の請求予定額よりもちょっと少ないのでおかしいぞと思った。

その差額が来月のAMEXの請求額に近いので、AMEXの方の限度額を見たら……

SoftBankカードの限度額よりもAMEXの限度額が多いことに気づいた。

すなわち多い方のAMEXの限度額が2枚共通の限度額で、

かつSoftBankカードの方はこちら単独の限度額の制約を受けると。


SoftBankカードの限度額も相当な金額である。

だんだん膨れあがって支払い能力を考えればまず使い切れない金額になった。

しかし、それを上回るほどにAMEXの限度額が多いのである。

なんでこんなことに? と考えて見たが、そういえばこれゴールドカードだった。

元ウォルマートカードでもゴールドであることに違いはない。

それで特別な限度額が設定されてしまったらしい。

そしてこの限度額はSoftBankカードの限度額として認める上限を超えたか、

SoftBankカードに限りリミットされてしまったということなのかもしれない。


そんなことあるんだなぁって感じですね。

来月請求分は旅行関係の出費もありそこそこの金額なのだが、

再来月請求分は現時点では定期的な請求以外はほとんどないとみられる。

というのを確認したくて限度額の状況を見に行ったんだけどね。

締め日は来月10日なのでその間に状況が変わることはあり得ますが。


元々実店舗でセゾンカードを使うことは少なくなっていたのだが、

FamiPayとかd払いとかのキャンペーンも相まってWeb決済でも少なくなっている。

それでも定期的な決済がたくさんあるので請求自体はあるんだけど。

これは他のクレジットカードとの大きな違いである。

なのでこのまま再来月の請求が0というのはあり得ないのだが、

それでもあまり多くはならないだろうなとは確信できる。

手当のために1ヶ月に1日は

昨日は久々に在宅勤務をした。

通院のために中抜けするのに都合がいいという理由なのだが、

その通院というのは検診のための歯医者だったりする。

結局のところ、効果的な在宅勤務のために仕込んだネタだったと。


職場では半分以上在宅勤務という人も珍しくはないが、

僕はここのところはほぼすべて出勤しているところである。

去年4月中旬以降は特に在宅勤務の日数は少なくなっているが、

E-learningのために在宅勤務が必要だったのが何日かあったり、

昨年12月~1月は引越準備を効果的に出来るように在宅勤務が多かったり。

これらの期間を除けば在宅勤務は月1~2日程度となっている。


一方で月1日は在宅勤務をしようとも決めている。

これはある時期に導入された在宅勤務手当との兼ね合いがある。

この手当は1ヶ月何円という定額部と、1時間あたり何円という時間比例部分がある。

定額部はインターネット回線費用などを想定して決められ、

時間比例部分はPCや空調などの電気代を想定して決められていたはず。

定額の手当といっても在宅勤務を1時間以上した月のみ発生する。

常に在宅勤務できる環境を整えているのだから定額手当は受け取る権利があるはず。

月1日は在宅勤務をするというところにはこのような意味がある。


そしてだいたいは変則的な勤務をするところで在宅勤務をしている。

これは昔からそうだけど、通勤時間が消えるメリットが特に多いですから。

そういう用事を月1回ぐらいは発生させるようにしてるって感じですかね。

今月はそれが歯医者だったという話。


在宅勤務にさしたる制約がない中でほぼ出勤を選ぶ理由としては、

  • 必要な時に物を見て仕事をできること
  • 引越前後を通じて通勤にそこまで時間がかからないこと
  • 在宅勤務だと自宅の空調費がかかること
  • 弁当販売または食堂で昼食が確保できること

というところかなと。

仕事相手が出勤しているとも限らないので、そこは必ずしも期待していない。

もっとも空調費は夏・冬でも手当でほぼ埋め合わせ可能と見ているが。


一方、出勤すると時々困るのがテレビ会議の環境だったりする。

E-learningのために在宅勤務というのは、出勤のメリットがあまりないのにデメリットばかり積み重なるという一例である。

そういう仕事上の都合で在宅勤務を推奨されることもあるのだし、

在宅勤務をできる環境を整えていることへの手当は受け取るべきだよねと。

そのためには月1日は在宅勤務をしないといけないのだけど。


来月も何か考えないといかんなぁと。

半休との組み合わせかなぁとか考えますが。どうでしょうかね。

相互主義とは言えないビザ免除

日本のパスポートでビザ無しで渡航できる国・地域の数が多いと言われているが、

ビザ無しでの渡航を認める条件も国によっていろいろである。

そんな中で相互主義を求めてビザなしでの渡航を停止するという話が。

中国、シンガポール・ブルネイのビザ免除再開へ 停止は日本のみに (朝日新聞デジタル)

ブラジル観光のビザ必要に、日本人へ免除取りやめ「相互主義の原則」 (朝日新聞デジタル)

中国は新型コロナウイルス対策で停止中のビザ免除を再開しないという内容。

ブラジルについては今年10月以降に停止かという話。

もっともブラジルについては日本側がビザ免除を導入する方向で検討しているそうで、

これが実現すると日本人のブラジル入国時のビザ免除は継続するとみられる。

ブラジル人向け短期滞在ビザ、日本政府が10月撤廃へ調整 (朝日新聞デジタル)


各国、ビザ免除についての考えはいろいろだが、そもそも日本はどうなのかという話である。

日本は69の国・地域のパスポートを持つ人にビザ免除を認めている。

ビザ免除国・地域(短期滞在) (外務省)

観光・親族訪問・会合参加などを目的とした短期滞在の在留資格が与えられる。

短期滞在は最長90日が原則のため、ビザ免除でも90日を基本としている。

基本的には相互主義に基づき、日本人にビザ免除を行っている国・地域を対象としていて、

相互主義に基づき90日とは異なる期間を定めている国もある。

ブルネイの14日、カタール・アラブ首長国連邦の30日はお互い揃えた結果とみられる

タイとインドネシアについては15日に制限しているが、日本人の両国への渡航は30日が上限で異なる。

逆に長い方でドイツやイギリスなど一部の国では180日認めているケースがある。

原則90日が上限の短期滞在だが、これらの国の人に限っては入国管理局での手続きを踏めば180日まで延長できるという。

ただ、相互主義とは言いがたいものもいくつかある。


まず、明らかに日本が独自でビザ免除をしているのがオーストラリア。

オーストラリアはニュージーランド国籍を除き全ての外国人にビザの取得を求めているそう。

一方でETAと呼ばれる電子ビザの制度を1994年から導入しており、

日本はETA対象のためETAで容易にビザを取得できるというわけである。

手数料は20オーストラリアドル(約1900円)となっている。


オーストラリアとならんで相互主義からかけ離れているのがインドネシア。

2020年10月以降、インドネシアはビザ免除を停止している。

ただ、この停止前から観光ならビザ免除だが、商用だと到着ビザ(VOA)の取得が必要とかいろいろ複雑だったらしい。

VOAの運用すら停止していた時期もあったが、2022年3月から再開、

VOAは30日以内の観光・商用で指定の入出国港から入国する場合が対象だが、

手数料として500000ルピア(約4700円)かかるので、地味に高い。

購入の列に並ぶのが煩わしいということで、最近ではe-VOAが導入されたが、

決済手数料として3.9%上乗せされて519500ルピアかかるそう。

結局はVOAという形で集金したいだけでは? という気もする。

逆にインドネシア人の日本への渡航もちょっとあるけどそれは後で。


渡航目的の面で相互主義から離れているのがペルーですね。

ペルーについては日本側のビザ免除は「ビザ取得を勧奨する措置を導入しています」ということで実質停止状態なのだが、

それはさておき、日本人のペルーへの渡航は90日以内がビザ免除の対象だが、

観光目的ならよいが、商用の場合はビザ免除の対象にならないようである。

このことはペルー大使館のサイトにも明確に書かれている。

業務目的で渡航する場合でも、ビジネスビザ無しで渡航できるとする協定国の国籍以外の方は、ペルーで業務を行う場合、ビジネスビザを取得して下さい。契約を伴う全ての業務については、ビジネスビザの取得は義務となっています。

(ビザ (Ministerio de Relaciones Exteriores))

そこは相互主義じゃないのかと思うのだけどビザを取得しないといけないと。


最近はビザ免除での渡航前に事前登録を求める国がいくつか出ている。

アメリカ(ESTA)・カナダ(eTA)・ニュージーランド(NZeTA)がそう。

いずれも登録に当たっては手数料がかかる。

カナダのeTAは7カナダドル(約750円)で5年有効、空路での入国時のみ必要という。

(日本人でも陸路、めったにないだろうが船で入国する場合は不要らしい)

アメリカのESTAは当初無料だったが現在は21USドル(約3000円)で2年有効。

最近まで陸路は他のシステムが併用されていたが、現在はESTAに一本化された。

ニュージーランドのNZeTAは2年有効で52NZドル(約4600円)となっている。

期間内なら複数回使えるとはいえ、インドネシアのVOA並みに高いが、

これはビザ申請時に徴収される国際観光税35ドルがNZeTA申請時に徴収される都合らしい。

電子マルチビザでは? という気もするけど、“You must get an NZeTA if you are travelling without a visa…”とあるからビザではないらしい。


また、今後導入予定の国としては韓国(K-ETA)とドイツなどシェンゲン協定加盟国(ETIAS)がある。

韓国はすでにK-ETA導入済みなのだが、観光促進の名目でK-ETAの適用免除をしている。

K-ETAは1万ウォン、ETIASは7euroと1000円程度の手数料がかかる。

K-ETAについては取得しておくと専用レーンが利用できるらしいので、

それを目的にあえてお金を払ってK-ETAを申請するのも手ではあるらしい。


そして日本もインドネシア人とカタール人のビザ免除は事前登録制になっている。

事前登録の有効期間は3年となっている。そして登録手数料は無料と。

ただ、手数料は無料でも申請には在外公館にパスポートを持参して、

後日、登録証を貼り付けたパスポートを返却って言うんだから相当な手間である。

それを旅行会社などに代行依頼するとそれはそれで金がかかる。

そりゃ他のビザを取得するよりは楽で速くて安いだろうけど。

今年になってインドネシア人の事前登録はWebからできるようになったそう。

承認後に登録証を印刷すればそれでOKと。これでだいぶ楽になった。


日本がビザ免除を行っている国・地域は69、これに対して日本人がビザ免除で渡航できる国は少なく見積もっても120ヶ国以上はある。

これは日本人に対して一方的なビザ免除を行っている国・地域の多さを表している。

観光・ビジネス促進のために効果的という各国の判断があるのだと思う。

そのような判断をしていた国の1つが中国(中華人民共和国)だったと。

実際、観光・ビジネスの活性化に大きな効果を生んでいたと思うのだが……


一方、日本も中国からの渡航円滑化を進めたい考え自体はあるとみられる。

個人観光ビザでの来日歴のある人を対象にした数次観光ビザの導入がその一例である。

ただ、やはり観光なら旅行会社の保証や資力証明、商用なら企業の保証など、

中国大陸からの渡航にはいろいろな条件が付いているのが実情である。

近国ではフィリピンとベトナムも同様の状況である。


果たしてどうなるんでしょうね?

相互主義でない以上はなかなか強く言えないところはあるが、

日本人の中国渡航時のビザ免除は当然日本側にもメリットはあった。

中国大陸から日本渡航時のビザ免除も昨今の渡航円滑化の流れと整合的ではある。

ただ、やっぱりそれは難しいんじゃないかと思わせる部分も多々ある。

日本側としても検討はするんでしょうけど、どうでしょうね。


なお、ビジネス目的での渡航円滑化についてはAPECビジネストラベルカード(ABTC)という仕組みもある。

APEC加盟国間のビジネス渡航の円滑化のために発行されるカードで、

一定の条件を満たす貿易・海外投資を行う企業に所属する人に発行される。

各国の承認手続きもいるので発行まで6ヶ月ぐらいかかるのだが、

発行されると中国・ロシア・オーストラリア・インドネシアでもビザ免除になるし、

通常のビザ免除より滞在期間が長いとか、優先レーンが利用できるなどメリットがある。

商用目的でかつ、所属企業の条件がいろいろ付くが、ビザ免除の停止が続く中では期待度は高いのではないか。

日本にとっても短期商用目的では推奨したい仕組みだと思われる。

特定試合シード同士の対決

東京ドームでは都市対抗野球が行われていて、

明日の決勝戦は トヨタ自動車(豊田市) vs ヤマハ(浜松市) とのこと。

三河と遠州だからえらいご近所同士の対決である。


都市対抗野球の1回戦で トヨタ自動車 vs Honda(寄居町・小川町)という試合があったそう。

同業同士の対決ということで応援にも熱が入ったか。

ただ、実はこの組み合わせ、抽選で決まったわけではないらしい。


都市対抗野球の1回戦では「特定試合シード」という制度があるそう。

一定以上の動員ができるチームの試合日程を指定できるものである。

通常は観戦に便利な休日や平日ナイターを指定するという。

大会を盛り上げるための制度であるとともに、チケット収入を確保するための策であるとも言われている。

今年は1万人以上の動員ができる場合に特定試合シードを申請できることになっていたそう。


で、どうも今年は14チームが特定試合シードの申請を行ったと。

これは例年に比べて多かったらしい。

そしてこの多くが7/15~17の3連休に行われる9試合を指定したという。

この中には特定シードの2チームが同じ日程を指定するものもあった。

この場合は抽選するまでもなく、その2チーム同士の試合になると

実はトヨタ自動車とHondaは特定シードで同じ日程を指定したチーム同士だったのだ。

なので組み合わせ抽選の前には同業対決は決まっていたわけである。


これまでの都市対抗野球では特定試合シードを申請するチーム同士は1回戦で当たらないのが通説だった。

特定シードを申請できるチームは資金力があり、強豪であることが多い。

このため特定シードは1回戦で強豪同士がつぶしあいをするのを防ぐ効果があるとされていたそう。

ところが今年がこの逆が発生したというわけである。


特定シードを申請するチーム同士では事前調整を行っているそうだから、

同業対決というのは思っている以上に仕込まれたものだったのかもしれない。

一応はお互い都合のいい日程が被っただけとなってますが。


学生以外のアマチュア野球の大会で都市対抗野球ほど盛大に行われるのはなかなかないんじゃないかね。

そもそも社会人野球という概念が日本と台湾ぐらいしかなさそう。

アメリカはマイナーリーグの裾野が極めて広いし、韓国では実業野球は廃れたらしい。

高校野球もそうですけど、予選から勝ち上がった先に本大会、全国優勝があるのは大きいですよね。

Bリーグの練習生とNPBの育成選手

バスケットボールのプロリーグであるBリーグだが、こんな話が。

Bリーグがチームスタッフの選手登録切り替えを制限…練習生の規定も新設  (バスケットボールキング)

スタッフとして登録されている人を選手登録に切り替えること、練習生には実費以上の支払いを行ってはいけないという内容。

これだけ見るとなんのこっちゃという感じはあるのだけど……


Bリーグでは1チームで選手登録可能な人数は10~13名と定められている。

これに加えて特別指定選手として16~22歳の高校生・大学生を2名まで登録できる。

登録可能期間は最大3ヶ月ということでインターンシップだねと書かれていた。

それで登録可能な10~13名の中で外国籍選手(アジア特別枠を除く)は3名以内、帰化選手またはアジア特別枠の外国籍選手を1名以内登録できる。

(アジア特別枠はフィリピンなどアジアの近国出身者が対象)

さらに外国籍選手(アジア特別枠を除く)は同時に2名までの出場に限られる。

バスケットボールが5人でプレーするスポーツとはいえ、いろいろ狭き門だなというのはわかる。


というわけでこの枠外で有望な選手を抱える方法として「練習生」があると。

練習生の中から必要に応じて契約を結べば効果的だと。

ただし、練習生はあくまでも練習生なんだから実費以上の金銭を払ってはいけませんよと釘を刺したと。

また、チームスタッフならば当然報酬の支払いは発生するが、

そのチームスタッフを選手登録してはいけませんよと。

スタッフという名目で報酬を払って選手候補を囲い込んではいけませんよと。


この問題が特に顕著なのが外国籍選手だという話があるそう。

外国籍選手の登録枠は3人に限られるため、負傷などで離脱するときに十分補充できないと。

体格の問題もあり外国籍選手が戦力に大きく影響するのが実情である。

このため外国籍選手候補をスタッフや練習生として囲い込んでおいて、

それで必要時に選手登録をするということが横行していたらしい。

そこに対して最低限の制約を明文化したというのがこのことらしい。


かつて練習生というのはプロ野球(NPB)にもあったというが、現在は育成選手制度が創設されている。

育成選手にできるのは、ドラフト会議(育成ドラフト)で指名された選手か、

NPBで自由登録になった選手か外国人選手ということになっている。

育成選手は2軍戦に最大5人まで出場でき、必要によって1軍戦に出場できる支配下登録に移行することが出来る。

育成選手になる前にドラフト会議を経る代わりに、必要時に支配下登録に移行できるというのがポイントですかね。

報酬面では最低年俸は240万円で新人選手には支度金を支給するなど。


選手の育成には一定の効果を発揮しているところだが、育成目的か疑わしい使われ方もある。

1つが長期離脱となる選手が育成選手に移行するというもの。

自由契約にした後に育成選手としての契約を結ぶという手続きを踏む。

長期離脱なので1軍戦に出るわけはないので育成選手でもよいと。

この他にも支配下登録から自由契約を経て育成選手への移行はしばしば見られるという。

負傷者が相次いで2軍戦の出場選手が不足したため、スタッフを育成選手として契約するケースもあるという。


それにしても、支配下登録から自由契約を経て育成選手になることに意味はあるのか?

実はここに育成選手制度の穴がある。最低年俸の規定はあるが報酬の上限はない。

梶谷は2億円で育成契約、高梨は1億1千万円でサイン (産経新聞)

年俸2億円の育成選手!? となってしまうが、制度上は問題ない。

自由契約になれば他球団と自由に交渉できる。

ところが、所属球団からは高額報酬での育成選手契約を呈示されている状況では他球団は手出しできない。

そもそも育成のため育成選手を多く抱えること自体がお金がかかる取り組みだが、

実績のある選手を支配下登録の枠外で高額報酬でキープするのはなおさら。


さらにこの育成選手契約への移行には他のメリットもあるという。

これがフリーエージェントの人的補償の対象にならないことだという。

フリーエージェント宣言した選手をNPB球団が獲得する場合、

元所属チームは獲得したチームから金銭補償と同チームの選手を獲得すること(人的補償)が受けられる。

ただし、人的補償で選手を獲得せずに金銭補償の増額を選択することもできる。

なお、獲得した選手が元所属で年俸が上位11位以下ならば補償不要である。

で、人的補償で獲得できる選手は支配下登録の選手からプロテクトされた28名・外国人・新人選手を除くとなっている。

これは育成選手はプロテクトせずとも人的補償で取られる心配がないと。

このことが俗に「育成プロテクト」と呼ばれていると。


NPBが育成選手の制度化が必要で、Bリーグで練習生がはびこることの差を考えて見ると、

NPBにはドラフト会議があり、Bリーグはこれがないというのはあると思う。

(NPBで練習生が存在した頃はドラフト外入団が可能だった時代でもある)

3部制のBリーグにはドラフト会議での戦力均衡化がそぐわない事情もあるようだが。

とはいえ、さすがに練習生という立場はいろいろ問題があるのではないかという疑問はあるが。


あと、Bリーグの問題としては限られた外国籍選手への依存ですよね。

外国籍選手の離脱というのも限られた選手を酷使するがためという側面もあるようだ。

プロリーグとしての魅力を高めるという点では外国籍選手は役立っているが、

ナショナルチームの強化と考えると日本人選手の出場機会が確保できない問題があると。

外国籍選手の登録枠を拡大する話もあるみたいなんだけど、

一方で外国籍枠をギチギチに使えないことが日本人選手の出場機会確保になる面もあるかもしれない。

こんなこと書いているけど、Bリーグの試合を見ているわけでもないし、

あんまりあれこれ言うもんではないと思うんだけど、なかなか思うようにはいかないのかなと。

混雑に弱かった電車

今日から岡山県内のJR各線で新型電車の運行が始まった。

すでに広島県内で導入されている227系の色違いで「Urara」という愛称が付いているそう。

【お披露目レポ】岡山・備後エリア新型車両 ピンクの227系500番代「Urara うらら」 (鉄道新聞)

広島地区用に比べると座席が少し減っていて、その分立ち席を増やしたというのはあるようだが。

これに合わせて、昨日をもって117系の定期列車での運行がなくなり、

その見送りに行っている人がTwitterで何人か見られた。熱心なもんで。


117系は国鉄時代に新快速用として1979年から導入されたという。

関東圏では特急用の185系(踊り子号で2021年まで使用)がほぼ同仕様で、

同じ国鉄社内でかたや料金不要の新快速、かたや急行を格上げした特急用と用途が分かれたという。

さすがに特急用としてはどうよと後に座席は交換されたようだが。


まさに京阪や阪急で見るような無料特急のような車両だったのだが、

これが難点でドアが2つしかないので混雑に弱かった。

このため後継の車両はドアを3つにしたが、車内の座席配置は似たような形になった。

米原~姫路の新快速は1988年から221系で代替され、1991年にはほぼ代替。

その後は岡山~福山で快速「サンライナー」として活躍したものもいるが、それもだんだんとなくなっていった。

愛知県周辺の快速用にも導入されたためJR東海にも継承されたが、

こちらも1999年から導入された313系での代替が進み、一気に活躍の場を減らしたという。


僕がこの車両に乗ったのは、もう当初の活躍の場を追われて、

草津線・湖西線といった滋賀県内の支線 や 豊橋~浜松のシャトル電車 で活躍していた頃だった。

車内は豪華だが、通勤電車としては困ってしまうんだろうなと。

そんなわけで使い道をいろいろ選びながら使われてきたようだ。

JR東海所属の車両は2013年に全廃、滋賀県内からはこの前の3月に撤退、

定期列車で最後に残ったのが岡山県内だったが新車導入で真っ先に去ることになった。

他にも老朽化した車両がいろいろある中でこれが真っ先に消えるのは、混雑に弱いというのはあったんだろう。


一方で117系の後継の221系はJR西日本の通勤電車の新モデルを作り上げた。

大和路快速では環状線への直通運転もこなしている。

この実績から3ドアの車両に揃えて環状線各駅へのホーム柵設置が実現した。

大和路線ではかつて環状線でも使われていた201系が若干残っているが、

221系を大和路線に集約することで置き換えが完了する予定だという。

現在の新快速はさらにその後継の223系・225系が使われているが、

この派生で「北陸に初めてやってきた本格的な通勤電車」なんて書いた(cf. 全て同じ新型車両)521系が作られたり、

広島、そしてこのたび岡山で導入された227系が作られたりしたわけである。


これにより岡山県内で黄色一色で走っている旧型車両を一掃できる……わけではないらしい。

数量的にはおそらく足りないので、まだ残る分がありそうだという。

あとJR西日本全体を見ると山口県内が電車は国鉄時代の車両ばかりで、

実はその中には117系由来の車両が残っているという。

117系の余剰な中間車を型式変更して115系に挟んだものがあるらしい。

2ドアの115系(普通は3ドア)と2ドアの117系中間車をあわせたものという。

山口県内は車両の老朽化に対する具体的な方針が見えないところはある。

元荷物電車の123系なんていうすさまじいものも走っていたりするし。


なお、117系の定期列車としての運行は終了したが、

「WEST EXPRESS銀河」に改造された車両は観光列車として走る。

山口県内で115系に化けたものを別としても117系はしばらくは残るようだ。