そう使わないけど取っておきたいもの

今回の滞在で、両親から依頼されていたのは、家に残しっぱなしになっていた自分のものを整理してくれということ。

捨てる分は捨てて、置いておく分は置いておいてもよいとは言われたが、

この際、必要なものは自宅に送ることとして、そのつもりで整理を進めた。


もっとも、弟に比べれば残っているものはずっと少ないとも言っていたが。

引越時点で要不要はある程度は吟味していたからね。

それでも残していたものは何かというと、かつて使ってた雑多な道具であったり、景品類であったり、

本だと教科書の一部(重要性が高そうなものは運んでいた)と、そうそう読まない漫画など。

存在自体を忘れていたものか、捨てるには踏ん切りがつかなかったものというところか。


というわけで、大半は捨てるということにしたが、いくつかは自宅に送ることに。

教科書ではもしかしたらこれは困ったときに読み返すかもというものをいくつかピックアップした。

景品類も忘れてたぐらいのものなので大半は捨てたが、献血でもらったオリジナルグッズの一部は送ることにした。

他にすっかり忘れていた牛乳瓶のフタのコレクションも送ることにした。(小学生の給食はそうだったのだ)

ここら辺の線引きは難しいが、僕のこれまでの人生にとって重要性があるんじゃないかと、なんとなく判断をした。

なんでも置いておけるほど広い家ではないけど(というか現状でも押し入れのやりくりに困っているぐらい)、

使用頻度は低いなりに置いておきたいものはあるということですね。


これを機に掘り返しておきたいものもあったので、一緒に送ることにした。

それが小学校・中学校の卒業アルバムと卒業証書ですね。

高専以降のものは手元に運んでたし、小中学校でも成績表は手元にあったのだが、卒業証書はなかった。

単純に忘れていただけとも言えるし、現実問題として中学校の卒業証書をいまさら使うことはないという話である。

でも、一応は手元にあるべきものだよねということで、掘りだして送ることにした。

使用頻度が低いなりに置いておきたいものというのは、こういうものだと思う。


他にもいくつかもらい物があって、ここにあるもので欲しいものをどうぞという形で、

吟味して、これならもらったなりの意味があるかななんて考えてやってたんだけどね。

もらったらすごい使うというのもはあんまりないけど、使用頻度が低いなりにあったらどうかというものを選んだ。

ここら辺は信念が問われるところかなと思うけど、こんなもんかなって。

観光客が集まるところとそうでないところ

今日、午前中は京都市内で。

スタート地点は京都駅八条口、アバンティの横のバス停だった。

ここから乗るのはかつて山科急行線と呼んでいた「京都醍醐寺ライン」である。

といっても目的地は醍醐寺じゃないよ。


山科急行線というのは、阪神高速京都線ができたときに開設された路線だった。

稲荷山トンネル(新十条通)を通って、京都駅と山科・醍醐を結ぶバスとして生まれた。

新十条通区間は去年4月に無料化されたが、このときに名前と運賃体系が変わったんですね。

都市高速だった区間(現在も自動車専用道路)を走るということで、シートベルト付きの車両だった。

トンネルをズドンと抜けると山科区内、そこから山科・醍醐をくねくね走って行くわけだけど、

勧修寺北出町で降りて、そこから少し南に進むと勧修寺という寺にたどりついた。

看板を見ると「かじゅうじ」と読むようですね。でもバス停の名前や町名は「かんしゅうじ」らしい。


地図を見ててなんとなく発見したから来たようなところはあるけど、庭園ですね。

朝一番に来たからか、滞在中、他に誰も見なかったけど、団体バスの駐車場もあるので来るときは来るんだろう。

整ってるという感じではなかったけど、この庭園を結果的に独り占めというのは贅沢だったな。


バスで来たけど、小野駅から近いんで、地下鉄で来るのが便利だと思うんだよな。

ただ、京都駅からだと「京都醍醐寺ライン」が乗り換え無しで早いですから、そこは合理的だった。

じゃあ帰りは地下鉄かというと、これもまた次の目的地の都合、バスである。

今度は五条通経由で四条河原町まで行くバスに乗った。

小野でこのバスに乗ったときはガラガラだったが、そこから住宅地でどんどん乗ってくるが、細い道を走るから走りにくそう。

バスを使った理由は五条坂で降りるから。五条坂で降りるなら五条通を走るバスを使う理由はありますよね。

逆にそうでなく市内まで乗るなら(祇園とか四条河原町まで乗るなら)、地下鉄で行った方がいいですね。


五条坂で降りて行くところはどこだって、そりゃ清水寺でしょ。もう何年ぶりだ。

清水寺へ着くと人が多いが、割合として多いのは学校団体、修学旅行かな。

京都市内の観光客は多いときに比べれば明らかに少ないわけだが、観光客が集まるところには集まるんだね。

団体客がいると、その部分はどうしても密になる。個人客が少ないから全体的に密という感じはないが。

もともと京都に来るつもりだった団体もあるだろうし、計画変更で京都になった団体もあるだろうけど、

この時期になんとか都合がついたのは幸いだったかもしれない。

ちなみに清水寺は工事中だが、本堂の工事が終わって、舞台の工事が行われているが、そこまで気になるほどではない。

やはり眺めはいいですし、双眼鏡片手に境内をいろいろ観察していた。


そんなこんなでちょうど24時間ほどの京都滞在を終えて、近鉄電車に乗って奈良方面へ。

昨日、到着したときに近鉄京都駅で仕込んでおいたフリーきっぷを使う。

近鉄1dayおでかけきっぷ (近鉄)

大阪府・奈良県・京都府内乗り放題で1000円は安い。あんまり考えなくてもメリットが出る。

ちょっと寄り道もしつつ、今日の奈良散策のスタートは平城駅から。


なんで平城駅なんて不思議なところからスタートするのかというと、近くに神功皇后陵があるから。

平城・相楽ニュータウン(高の原駅周辺の住宅地)に住んでいる人が、神功というニュータウンらしからぬ町名に住んでいて、

その神功というのは、ニュータウン近くにある神功皇后陵から取られた名前らしい。なんてことで知ってたんだけど。

えらく立派な古墳で、神功皇后とは言うんだけど、長く摂政の地位にあったこともあって、天皇に準ずるような扱いだった? とのこと。

この神功皇后陵の周りをぐるりと歩いたのだが、壕を農業用水用のため池、あるいは養魚場として使ってるらしい。

池に石柱が経っていて「御陵兆域」と書いてあり、そういう線引きはあるが、皇后陵の一部を地元の人々が使っているという事実は変わらない。


他にもこのあたりはいろいろ古墳があって散策していたが、きれいに整備されてるなと思ったら「垂仁天皇皇后日葉酢媛命 狭木之寺間陵」とあった。

垂仁天皇陵というと、尼ヶ辻駅の近くにあるけど(電車からもよく見える)、その妃が埋葬されてるらしいということか。

垂仁天皇陵は今までもきれいに整備されてるなと思ってたので、それですぐ気づいたんだけど。

どうも盗掘の被害に遭ったのを修復する工事をしたという経緯があったそうで、きれいに整備されてたのもそのためかも。

大和の遺跡/佐紀陵山古墳[奈良市山稜町](橿原考古学研究所)


ここまで来ると ならファミリー が見えてきて西大寺駅近く、そして平城宮跡も近い。

そんなわけで平城宮跡資料館を見学してきた。ここは奈良文化財研究所のPR施設のような面もあるのか無料である。

平城宮跡の発掘調査は今も続いているが、そういう調査で平城宮の実像というのが少しずつ浮かんでくる。

それを復原して紹介しているわけだが、机だとか具体的な道具の形みたいなのは、なかなかわからないもので、

そういうのは正倉院宝物を参考に復原していて、本当にそうだったのかな? と疑ってみてしまうところはあるが、

1200年以上も前のことが正確にわかるわけなんてなくて、そんな中では資料は揃ってるほうなのかもしれない。

ちょうど「地下の正倉院展」という企画展示をやっていて、どうも毎年秋の特集展示はいつもこの名前らしい。

今年のテーマは長屋王家木簡ということで、今年に重要文化財に指定された木簡について紹介していた。

食料に関係する木簡が多くて、それだけ大切だったってことだなって。


そうこうしてるうちにちょうどいい時間と電車で奈良公園へ移動して、奈良国立博物館へ。

指定の時刻より少し遅く行けばすぐ入れるかと思ったが行列を成していて、少しずつ入れているようだ。

普段の正倉院展に比べればはるかに空いているのはいうまでもない。

人の肩越しにしか見られない宝物が、そこまでせずとも見られるぐらいには。それでも展示物の前には人が集まるけど。

一体何人ぐらい入れたんだろうかというのは気になったけど、本来これぐらいでも盛況だなという感じ。

このご時世ということで、展示物に薬関係のものが多かったり、あと布物が多かったですね。

正倉院宝物の布物ってボロボロのものも多いわけだけど、今回は比較的整ったものが多かった気がする。


そんなこんなで正倉院展を出ると、外は暗い。

鹿たちももう寝床に行ってしまったようで、奈良公園は人も鹿もいなくて寂しい。

今まで夜間開館狙いで奈良博に来たことはなかったけど、奈良公園という立地で夜間開館は厳しいと思う。

ただ、正倉院展ではいかに奈良公園が寂しくても、夜間開館で観覧のチャンスが増えるメリットだけで十分だと。

そこで満足して良いのかというのはありますけどね。

京都の博物館を行く

今日から旅行ということで、まずは東京駅へ向かい、新幹線に乗り込む。

こだま号なのだが、普通車指定席は半分ぐらいは埋まっていて、思ったより乗ってるなぁと。

自由席が多いというのもあるのですが。指定席は16両中4両(だったはず)なので、少ないといえば少ない。

こだま号を乗り通すのはEXグリーン早特で何度かあったけど、普通席は初めてなのだが。

旅行商品で利用する人は多いのかも知れない。こだま号でも京都まで3時間半で走るならそう遅くはないわな。


そんなこんなで京都駅に到着。宿が近いので荷物を預かってもらってスタートと。

今回の滞在は今日の昼から、明日の昼頃まで、というわけで「バス・地下鉄2日券」を購入した。

昔は「京都観光2日乗車券」って言ってたやつですが、値下がりして、山科・醍醐の京阪バスも使えるようになった。

お値段は1700円である。(京都観光2日乗車券のときは2000円だったはず)

ただ、そんなにお得じゃなかったかもなぁと後になって気づいたんだよな。元は取れると思うけど。

今日はバスでの移動がほとんどで地下鉄の出番がほぼなくて(実際は1回使ったけど、バスでもいい区間だった)、バス1日券(600円)でよかったと後で思った。

明日の利用区間は思ってたよりは運賃が安かったので、明日だけだと850円超えないぐらいかもなぁとか。

基本的にはオススメなんですけどね。ただ、市営地下鉄以外の電車は使えないので意外と難しい面もある。

特に嵐山方面に行く場合はバスしか使えないので、電車メインならフリーきっぷは使わないのがよい気がする。


昼食を食べて、ちょうどいい時間だなとバスに乗って東山七条へ。

到着すると予約時間のスロットになって3分後に到着した。これなら待たずに入れる、と思ったら入口に列が。

どうも検温のところで滞ってたらしい。そこからはスイスイ入れたが、平日でも結構人来るのねと。

あんまり考えてなかったのだが、展示品の多くは東京の三の丸尚蔵館から持ってきてるから、東京から京都に来て東京から運ばれたものを見るというよくわからない状態だったが。

京都伝来のものも展示されてたし、無意味ではないと思うんですけど。


東山通のバスは多少の減便はあるが、観光客がガンガンきていたときと時刻表上はほぼ同じ本数のバスが走っている。

観光客が多く利用する路線でも、生活色が強いバス路線はいくらでもあるが、東山通のバスは生活色が薄い傾向があり、

すなわちは東山通のバスはガラガラということである。うーんって感じですね。

空いてるのはありがたいし、バスもすいすい走るので、すぐに岡崎公園に着いてしまった。しばらくバスが時間調整するほど早かった。

まずは京都国立近代美術館へ。ここはどうせ混まないだろうと日時予約制にする気もないらしい。おおらかである。


ちょうど美術館を出る頃に15時を超えていて、地域共通クーポンが使えるようになったはずと確認してみた。

それで気にしていたのが有効期限だが、新幹線で帰る日まで有効期限があるようでホッとした。

というのも、今回の旅行って4泊5日のうち、宿泊を手配したのは最初の1泊だけなんですよね。

その場合でも旅行日程の最終日までは地域共通クーポンの有効期限があるようで。(日本旅行の場合)


これなら急がず使えばいいけど、使えるところでは順調に使った方がよい。

というわけでやってきたのは、お向かいの 京都市京セラ美術館 である。

京都市美術館が京セラからもらった金でリニューアルして今年オープン、外観もちょっと変わったが、中はもっと変わってた。

開館記念ということで「京都の美術 250年の夢」という特別展が行われていた。

このチケット代に地域共通クーポンが使えるので、早速使おうということである。

リニューアルして、今まで屋外だった部分の外側に壁や屋根を付けて屋内にしたところがあって違和感はあるが、

機能的に今まで使いにくかったところを埋めるようにやったんだろうなと思った。後付けなんで変な導線はありますが。

展示室もいろいろ作り替えたんだろうが、既存の廊下だけは古風だった。手を加える必要が無いから残したのか。

展示内容は今も昔も京都は芸術の都であるということで、やっぱりそうだよねということですね。


そこから四条河原町までバスでやってきたが、四条通の人通りはけっこう多かった。

地元の人か、観光客なのか。確かに帰宅時間帯ではありましたけど。

そういえば、京都に来たことは何度もあるけど、京都に泊まるのはすごい久しぶりのはず。

夜になる前にさっさと去ってしまうことが多かったなと。

今日だってそんなに深い時間まで外に出てたわけでもないんだけどさ。


もともと国内外から観光客が押し寄せ、とりわけ外国人が多かったのが京都ではあり、影響は大きいわけですよね。

今、GoToトラベルキャンペーンで日本人客がある程度は来るようになって、

少なくとも7月の土曜よりはずっと人通りは多いなとは思った。

これだって恩恵を受けるところ、あまり恩恵のないところはあるんでしょうけど、

京都滞在は明日まで、帰りの新幹線も京都からだが、ほぼ通過するだけになるでしょう。

明日はいかにもな観光地に行く予定なので、そこでも様子を見てみましょう。

予約制の博物館は難しい

明日から休暇を含めて6連休で、ここで秋恒例の関西行きである。

これは奈良国立博物館での正倉院展の時期に合わせていて、

今年も例年通り、曝涼にあわせて正倉院展は行われることになった。

曝涼はやっても正倉院展はできないんじゃないかと思ったときもあったが、ちゃんとやりましたね。


ただ、ここ最近の正倉院展の混雑はすさまじいものがあり「密集」の極みである。

そのため完全日時指定制ということになった。(すでにチケットは全日程完売済み)

僕が購入したのは発売開始から1週間後だったのだが、平日でもけっこう埋まっていた。

もともと狙い目は夜間開館日の金曜だと思っていて、それなら遅い時間を中心に選択肢はあったが。

ちなみに国立博物館メンバーズパスなどで割引料金が適用になる人もそれ用の前売券がある。

あと、奈良博だと普段なら特別展の入場券で、平常展も観覧できるものなんだけど、

正倉院展の人が全員来ると収まらないということか、平常展を観覧する場合は追加料金がかかるそうだ。

といっても追加料金は200円なんで大したことはないけど。


他の博物館でも特別展を中心に日時指定制になっていることがあって、

京都国立博物館の特別展「皇室の名宝」もそうで、30分スロットでの予約制になっている。

前日までに購入しなければならないので、今日に購入しておいた。

平日ということもあって、予約が埋まっている時間帯はほぼなかったので、そこは問題はないのだが、

その指定の30分内に到着しなければならないので、そこが課題だなと。

周辺で時間をつぶせればよいのだが、京博のある東山七条での時間調整はちょっと難しい気が。

当日飛び入りでも可能なようだが「当日券も30分ごとの時間枠入館につき、入館までお待ちいただく場合があります」とのこと。

飛び入りはあまりよくなさそうなので、ここらへんかなと時間を読んでチケットを購入しておいた。


正倉院展は時間毎に厳密にコントロールしないと、もともと無理な展覧会だと思う。

一方で、ここは奈良公園の中にあるので時間調整にはあまり困らない。

敷地内のオープンスペースも広いので、待機列が密になることもあまり考えなくて良い。

これだと受け入れやすいと思いますね。


日時指定制といいつつ、おおらかなのが大阪・中之島の国立国際美術館の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」である。

これは今回の旅行期間にはかからないので、また行く機会があれば、そのときにと思ってるんだけど。

僕は友の会会員なので、この特別展を1回観覧できるのだが、友の会会員は予約ができない。

そのため必ず飛び込みでやってきて、混んでいたら待たされるという運用になっているそう。

ということは、空いている日時を選んでいけばいいわけですね。平日とか、土曜(夜間開館日)の遅い時間ですかね。

空いていることが予想される日時ならば完全予約制にこだわらなくてもいいんじゃないかと思うんですがね。

(ここでは館内での特別展の観覧券発売はないと書いてある)


そんなわけで、ちょっと旅程を組む難しさもありつつも、GoToトラベルキャンペーンのおかげで旅費は割安ではある。

制限は多いけどやりよう次第かなという感じですね。

とりあえず今年も正倉院展を観覧できるのはありがたいですね。

受取機だけどそれだけじゃない

昨日、新大阪駅のことを書いたときに、

中央口改札左にJR東海管理の受取機(というかクレジットカード専用券売機)が4台ぐらいあって、そっちの方がわかりやすいし。

という話を書いたけど、そういえばJR東海の駅で純粋な受取機ってほとんど見なくなりましたね。


ここでいう受取機というのはMV-60形という券売機で、各社カスタマイズして使用しているようだ。

スタンドアロンタイプ顧客操作型端末 – MV-60形端末 – (鉄道情報システム)

色とかは実際にあるものとは違うかもしれないけど、確かにこんな形の見たことあるなと思った人はいるはず。

JR西日本はこれを使った受取機を「みどりの受取機」と呼んで、新幹線・在来線の主要駅に置いている。

(変わったところでは四国の高松駅にJR西日本扱いの「みどりの受取機」があって、JR西日本扱いなのでEX予約の引取も可能)

設置駅の数で言えば多いと思いますね。


JR西日本はこれを専ら受取機として使っているわけだけど、JR他社ではその限りではない。

JR東海は当初、この機械を新幹線駅でのEX予約の引取専用に使っていたのだが、

現在は大半はクレジットカード専用券売機として、他の指定席券売機とほぼ同じ機能を持たせている。

(現在も受取専用機はあるとのことだが)

JR東日本はこの機械の設置駅はごく少ないので、この型の機械はあまり見ないかも。(確かにあまり覚えがない)

ただし、JR東日本はこの機械には指定席券売機と同じ機能を持たせているそう。(クレジットカード専用だけど)

JR九州・JR北海道でも指定席券売機と同じ機能を持たせたものを設置しているようだ。


ということはこの機械を専ら受取機として使ってるのはJR西日本だけかい。

もっとも、その「みどりの受取機」も予約なしでのきっぷ購入が限定的に可能となっている。

それが当日・当駅発の乗車券購入である。

EX予約のe特急券は乗車券を別途手配する必要があるので、それだけは受取機でそのまま購入できるようにしてあると。

e5489とかだと乗車券と特急券は一括予約するから、受取機で乗車券を買える必然性はないのだけど。


JR東海がこの装置をクレジットカード専用券売機にしたのは、

東海道新幹線ほど本数が多いと飛び乗りが多いというのがあるんでしょうね。

新大阪駅では見なかった気がするけど、名古屋駅だと当日乗車に特化した券売機があった気がする。

当日乗車に特化させることで操作数が減らせるってことですね。

受取機は現金の取扱がないこともあって、設置しやすく、改札の真横とかにも設置されている。

その割には活用されていなかったので、それならばクレジットカード専用券売機にして多くの人に使ってもらおうと。

それじゃあ急いで受け取りたい人が困るんじゃないの? と思ったかも知れないけど、たいていガラガラなので問題ない。


在来線の近距離利用だともはやきっぷを買うことは少なくなったけど……

新幹線もチケットレスサービスが導入されつつあるけど、なんやかんや紙のきっぷを出す利用者は多いよね。

在来線特急もそうかな。水戸駅とか指定席券売機が盛況だった覚えがあるな。

チケットレス化が進めば、受取機みたいなのは無用の長物になるなと思うのだが。

一方で、カードが読み取れて、指定席特急券を出せる機械というのは、クレジットカード専用券売機として機能して、

いまどきキャッシュレスできっぷを購入する人は多いですから、現状にはマッチしてるわけですね。


機能的にはしょぼいが、JR西日本の「みどりの受取機」という命名は気に入っている。

「みどりの窓口」「みどりの券売機」「みどりの券売機プラス」とシリーズであることが一目瞭然。

それだけに受取機から脱することができないのかもしれないけど。

山陽新幹線の駅でもあるはずなのだけど

ちょっと前の話なんだけど、新大阪駅を使うことがあった。

新大阪駅から新幹線を乗車することはこれまでもそれなりにあったが(降車はあまり覚えがない)、

今回は都合により新大阪駅の滞在時間が長くて、食事などで駅構内を歩き回って、

この駅はよくできた駅だけど、難しいところはあるなと思った。


新大阪駅は1964年、東海道新幹線開通に合わせてできた駅である。

主要都市の新幹線駅というと、既存の中心駅に併設されるようなことが多い気がするが、

新大阪駅については、将来的な新幹線延伸を考慮して、淀川の北側に作ったと言われている。

そもそも、大阪駅だって、当初は堂島あたりに行き止まり式の駅を作ろうなんて構想があったところ、

市街地からは遠くなるけど、将来的な延伸も考慮して梅田に作ったとされている。

淀川の北側にある新大阪駅はその考えをさらに推し進めたものとも言える。土地にも余裕があったしね。


そんな経緯で作られた駅なので広くて、乗換などで詰まるところがあまりないのはよい。

京都駅や名古屋駅も、伝統的な市街地からは外れたところにある分、広い駅だとは思うけど、新幹線は後付けだしね。

ただ、買い物や食事と言われると、百貨店や地下街を併設しているようなところにはかなわなくて、

そこはあくまでも新幹線の乗換駅ということなのかなとも思う。

もっとも新大阪といえば、周辺はオフィスも多くて、今や大阪の副都心でもあるのだけど。


そんな新大阪駅、難しいのはJR西日本とJR東海の窓口がそれぞれあること。

在来線と山陽新幹線がJR西日本、東海道新幹線がJR東海の管轄なのでこういうことが起きる。

同一駅にJRの異なる会社の窓口があると言えば、東京駅や京都駅などにも言えることなのだが。

ただ、これらと違うのは新幹線の駅はJR東海(東海道新幹線)の駅でもあり、JR西日本(山陽新幹線)の駅でもあるということ。

歴史的経緯から新幹線構内はJR東海が代表して管理していて、それは仕方ないと思うんだけど……


在来線で新大阪駅に到着した場合、新幹線乗換口の左側と右側、それぞれに窓口や券売機がある。

左側の窓口はJR西日本の窓口、改札口すぐ右側の窓口はJR東海の窓口になっている。目立つのは左側の方ですが。

御堂筋線で新大阪駅に到着した場合、2階から3階にあがる場所によって改札・窓口が違うんだけど、

一番メインの改札・窓口は中央口だけど、ここの窓口は全てJR東海の窓口になっている。

(ただし、トラベルサービスカウンターの脇にひっそりとJR西日本管理の「みどりの受取機」が1台ぽつんとある)

南口に併設された窓口も同様にJR東海管理になっている。

そこから東に少し進んである在来線の改札、東口に併設された窓口はJR西日本管理となっている。


新幹線改札に併設された窓口はJR東海、在来線改札に併設された窓口はJR西日本って言うと、

そりゃそうじゃないのと思うかも知れないが、新幹線利用者も場合によってはこの在来線改札の横の窓口に来る必要がある。

新幹線関係のサービスで両社窓口ともに取扱が可能なものを考えてみる。

まず普通に乗車券・特急券を購入するのはどちらの窓口でもOK。

両社共同運営のEX予約についても、どちらの窓口でもOK。東京・名古屋方面でも岡山・広島・福岡方面でも問題なし。

東海道新幹線のお得なきっぷ(といっても新幹線回数券ぐらいかな)も両社で取扱がある。

なので、総じて言えば東海道新幹線を利用する場合はどちらの窓口でもよい。


一方で、JR西日本の窓口でしか取り扱いできないサービスがある。

それがe5489とJR九州ネット予約の引取、あるいは山陽新幹線関係のお得なきっぷ である。

e5489はJR西日本の予約システムで、基本的にはJR西日本・四国・九州管内の窓口で受け取る。

JR東海は無関係だから、と思ったかも知れないけど、実はJR東海もe5489を導入している。

在来線特急の予約のために導入したと思い込んでいたが、東海道新幹線も予約できる。

しかし、JR東海は自社関係ではないe5489の予約の引取には対応していないのである。

このルールは新大阪駅でも容赦なく適用され、岡山・広島あるいは九州方面のe5489の引取はできない。(名古屋・東京方面は可能)

お得なきっぷについては、山陰・四国方面から大阪まで新幹線と在来線特急をセットにしたタイプのきっぷがいろいろあって、

復路の指定を受ける場合はJR西日本の窓口に限るとなっているので、JR東海の窓口ではダメっていうこと。

これも仕方ない面はあるが、山陽新幹線に乗る改札の手前で指定が受けられないのは不便である。


この問題を緩和する策として、中央口のトラベルサービスカウンター脇に「みどりの受取機」がぽつんと置かれてたんですね。

ただ、わかりにくいですけどね。確かにJR西日本のWebサイトの構内図には「e5489」ってマークがありますけど。

新大阪駅/構内図 (JRおでかけネット)

EX予約の人が使ってもいいけど、わざわざこんなわかりにくいところにある機械を使う必要はないわな。

中央口改札左にJR東海管理の受取機(というかクレジットカード専用券売機)が4台ぐらいあって、そっちの方がわかりやすいし。


JR西日本とJR東海はEX予約で共同戦線を組んでるんだし、e5489自体はJR東海も導入してるんだし、

新大阪駅に限っては融通が利かないもんかなと思ってしまいましたけどね。

JR東海窓口には他にもJR西日本窓口でないとできないこととして、ICOCAの取扱と、株主優待での乗車券類購入が書かれていたが、

ICOCAは新幹線関係ないから当然だと思ったし、株主優待もそれは仕方ないでしょうと。

山陽新幹線を利用する人にとって、在来線改札のきっぷ売り場に回るのはやっぱり不便ですから。


同様の問題は山陽新幹線(JR西日本)と九州新幹線(JR九州)の境界駅になっている博多駅にもありそうだが、

e5489・JR九州ネット予約は両社ともに基本的なところは受取が可能なので、そこはとりあえずよい。

あとはそこまで新幹線・在来線が遠くないので、そこは融通が利くのかなと。

実際に使ってる人にとってどうかはわからないけど。

新大阪駅だって慣れればそんなもんかもしれないし。

三冠最終決戦とは

今日は京都競馬場で菊花賞が行われた。

JRAでは先週の秋華賞と今週の菊花賞について「三冠最終決戦」と宣伝していた。

ニュースで報じられたとおり、先週はデアリングタクトが牝馬三冠を達成し、

今日はコントレイルがクラシック三冠(あるいは牡馬三冠とも言う)を達成したということで、

いずれもデビュー以来無敗での三冠達成というのはとても珍しいことである。

無敗の牝馬三冠は初めて、無敗のクラシック三冠はシンボリルドルフ(1984年)、ディープインパクト(2005年)以来の3頭目とのこと。

ディープインパクトってコントレイルのお父さんだな。


クラシック三冠とは、日本では通常は 皐月賞・日本ダービー・菊花賞 の3つで勝利することを指す。

この3つのレースについては「一番速い馬が勝つ」「一番運のいい馬が勝つ」「一番強い馬が勝つ」という格言がある。

これはモデルとなったイギリスの 2000ギニーステークス・ダービーステークス・セントレジャーステークス に言われていた言葉で、

それがそのまま日本競馬に当てはまるか? という話がある一方で、わりと当たっているという話がある。

ダービーの「運のいい馬が勝つ」というのは、ダービーのために仕上げてきた意外な馬が勝ってしまうということがしばしばあって、

去年の優勝馬、ロジャーバローズは12番人気からの1着、しかし屈腱炎のためダービーを最後に引退となってしまった。

菊花賞の「強い馬が勝つ」というのは、3000mという長距離戦というのもあるけど、3歳秋のレースというのも理由なのでは?と。

3歳馬はまだ成長途中、夏を越して成長できた馬こそが勝てるというのが、春の皐月賞・ダービーとの違いではないかと。


菊花賞の英語表記は「Kikuka Sho (Japanese St. Leger)」ということで、日本セントレジャーだってことだね。

(「きっかしょう」って読むんじゃないの? と思うけど、JRA公式のローマ字表記はこれみたい)

皐月賞が「Satsuki Sho (Japanese 2000 Guineas)」で日本ダービーが「Tokyo Yushun (Japanese Derby)」なのと同じか。

世界各地に2000ギニー、ダービーとついたレースはけっこうあるが、セントレジャーとなるとあんまりない。

セントレジャーと名前がついていても、アイリッシュセントレジャー のように3歳以上の長距離チャンピオン決定戦であることもしばしば。

3歳限定で本家2900mに近い距離でセントレジャーをやってるのは、本家のイギリスと日本ぐらいしかないんじゃないかなぁ。

なぜかというと、ヨーロッパでは3歳秋になると、有力馬は4歳以上馬と混ざって大レース(例えば凱旋門賞)を走ることが多くなり、

2900mというのはたいていの馬にとっては長すぎて実力が発揮できないから、やめておこうとなりがちらしい。

なのでヨーロッパ競馬では、各国2000ギニー、各国ダービーとあるけど、セントレジャーはイギリスに1つあれば十分となるようだ。


日本のレース体系では、菊花賞まで走っても、その先にジャパンカップや有馬記念といった大レースがあること、

さらに春には天皇賞(春)という3200mの名物レースがあり、3000mの菊花賞もそこにつながるレースと思われているからではないか。

実はこの天皇賞(春)というのは、2700m超の超長距離のG1では世界唯一の「世界のトップ100 G1レース」常連になっている。

菊花賞も年によっては入りますね。本家セントレジャーも年によっては入るが、菊花賞の方が頻度は多そう。

天皇賞(春)という世界一ハイレベルな超長距離G1があって、菊花賞という世界一ハイレベルなセントレジャーがあるというのは、日本競馬の特色なんじゃないか。

菊花賞に挑戦する馬には3000mは実力を発揮するには長すぎるというのはよくあって、コントレイルもそう。

でも、3歳限定ということでなんとかごまかせる面はあって、コントレイルがクビ差でなんとか優勝できたのもそういうこと。

2着のアリストテレスとの追い比べはヒヤヒヤしたけど、ああこれは追っつかないなという感じだった。

もう彼が3000m級のレースに出ることはないだろうけど、三冠の名誉のための挑戦であり、世代限定戦だからこその優勝である。(多分)


ちょっと話は戻って、もう1つの三冠、牝馬三冠、こちらは桜花賞・オークス・秋華賞の3つで勝利することを指している。

桜花賞とオークスはイギリスの 1000ギニーステークス・オークスステークスに由来するクラシック競走で、

クラシック三冠というのは 桜花賞・オークス・菊花賞 でもよいのだが、現在の日本競馬でそれをする牝馬はいないだろう。

なぜならば菊花賞の3000mというのは牝馬にとっては長すぎるから。オークスの2400mでも長いと言われるのに。

じゃあ、3歳秋を迎えた牝馬はどうすればいいんだよということで、1970年に生まれたのが「ビクトリアカップ」だった。

このレースはフランスのヴァルメイユ賞をモデルに作られたレースで、距離は同じく2400mだったという。

こうして 桜花賞・オークス・ビクトリアカップ の牝馬三冠という概念が生まれた。

1975年には「エリザベス女王杯」に改名されたのだが……1996年には2200mの3歳以上牝馬(当時は数え年だったので4歳以上)のレースに変わってしまった。

以後、エリザベス女王杯は日本競馬の牝馬チャンピオン決定戦になった。(4歳以上馬が出られる牝馬限定GIはなかったので画期的だったらしい)

ちなみに本家、ヴェルメイユ賞も2004年からは3・4歳牝馬、2006年からは3歳以上牝馬のレースになっている。

(こちらは代替の3歳牝馬限定戦なし。ちなみにセントレジャーに相当するロワイヤルオーク賞は1979年から3歳以上)


その代わりに、エリザベス女王杯の1ヶ月前ぐらいに、3歳牝馬限定GIの秋華賞が生まれた。

それ以来、桜花賞・オークス・秋華賞 の3つを勝利することを牝馬三冠と呼ぶようになった。

距離は2000mなんで、桜花賞とオークスの中間の距離だね。牡馬のクラシック三冠よりは達成しやすそう。

おそらく、秋華賞というのも強い馬が勝つレースなんだと思う。

菊花賞と同じく夏を越して成長した馬が勝つレースだと。実際、最近の秋華賞優勝馬のその後の活躍はすさまじいものがある。

秋華賞自体はそう歴史のあるレースではないが、菊花賞との対比、牝馬三冠では50年の歴史ということでそこそこ、

なによりこれだけ活躍馬を出してれば注目されますよね。


世界各地に3歳馬の三冠というのはあって、こんなのも話題になりましたが。

【加・ブリーダーズS】福元大輔騎手騎乗のマイティハートはカナダ三冠ならず/海外競馬レース結果 (netkeiba.com)

カナダ三冠は オールウェザー(人工的な馬場)、ダート、芝 という3種類のレースで構成され、そこが難しいみたいね。

これが日本で報じられたのは、日本の競馬学校を不合格になった後にカナダで騎手を目指した福元騎手が騎乗で、

なおかつMighty Heart号は片眼がないというハンデを背負っていて、それでクイーンズプレートを優勝したことが話題となった。

このレースはカナダ産3歳馬限定の三冠第1戦で、カナダでもっとも長い歴史を持つレースである。

その後、ダートの第2戦も勝ったが、芝は合わないらしく第3戦は敗れ、三冠ならずという話ですね。


世界的に見れば、アメリカのクラシック三冠も有名だという。

ケンタッキーダービー・プリークネスステークス・ベルモントステークスの3レースで勝利することで、

期間は5~6月で中1~2週と詰まっていて、距離のバリエーションは約2000m、約1900m、約2400mで、全部ダート。

ダート競馬の国ではこういう形式で三冠を賭けたレースが行われることがあって、

日本の地方競馬もダート競馬だからか、3歳馬の三冠はこのスタイルに近いのかなと。さすがにここまでの短期決戦ではないが。

南関東公営競馬では羽田盃(4月開催・1800m)・東京ダービー(5月開催・2000m)・ジャパンダートダービー(7月開催・2000m)と。

ジャパンダートダービーは、JRAや他地域の地方競馬からの参戦もあり、特にJRA勢が強いですから、三冠はとても難しい。

同様に、牝馬三冠もあって、(浦和競馬の)桜花賞(3月開催・1600m)・東京プリンセス賞(4月開催・2000m)・関東オークス(6月開催・2100m)と。

こちらも関東オークスではJRA勢が強くて難しいけど、2006年にチャームアスリープが達成している。


なんて、三冠の意味であったり、三冠馬の評価というのは、それぞれ異なるところはあると思うけど、

日本の芝競馬の三冠というのは、牡馬・牝馬ともに大変な名誉であり、今後の活躍への期待も大きい。

さっきも書いたが、イギリスではセントレジャーに有力馬が挑戦しないので、三冠挑戦がめったにない。

果たして、外国の競馬ファンは日本でクラシック三冠・牝馬三冠を達成する馬が出たことをどう見るか。

今年は三冠を賭けたレースがありましたから、日本国内で行くということは確からしい。

でも、来年には外国遠征という話も出てくるかもしれないし、外国の競馬ファンも楽しみにしてるかもね。

注文してた飛行機が来ないんだが

ちょっとかわいそうだなと思ったニュースなんですが。

ANA国際線、羽田に集約へ…大型機売却30機検討 (読売新聞)

三菱重工、国産ジェット旅客機の量産化を凍結…早期の収益困難と判断 (読売新聞)

後者はいろいろ報じられたけど、航空会社が飛行機を買うには現金がいるが、今は現金がないということで、

むしろ本格的な量産に着手する前に止められたのはよかったんじゃないかという話もある。

お蔵入りになる可能性もあるが、この先につなげられる可能性を残すものかもしれない。

では、誰にとってかわいそうなのか、それはANAである。


最初のニュースで報じられたようにANAは大型機の数を減らすと言っている。

すなわち、飛行機を小型化していく方向であろうと思う。

ところが困ったことがあって、ANAの小型機は老朽化に対して、新型機が補充できていない状況がある。

そういえばこんな話もありましたね。

バニラエアのA320にもすがる思い

そのANAが期待していた小型機こそが三菱スペースジェットM90だったのだが、これが来そうにないということで、

機材の小型化というところに暗雲が立ちこめているということである。


というかM90が来ないという問題は今に始まったことではなく、

すでにつなぎとしてDHC-8-Q400というプロペラ機を購入している。

おそらく今後もその方向で行くのかも知れないが、今どきQ400なのかという話はある。

というか、もともと老朽化したQ400をM90で置き換えようという魂胆もあったはずなのに、

Q400をQ400で置き換えるということも考えないといけないのかという話である。ここら辺どうなんでしょうね。

一応、DHC-8シリーズでは、Q400だけは継続して生産されているので買えるはずだけど。


もう1つ、ANAが購入予定だった小型機、ボーイング737MAXの納入も遅れている。

M90の納入遅延に比べれば待てるかも知れないが、M90が来ない分、737-700/800やA320も多く使うことになろうわけで、

多く飛ばせばそれだけ早く置き換えないといけませんからね。

M90が来れば737MAXは多少待てたかもしれないし、737MAXが来ればM90は多少待てたかも知れないが、

どっちも来ないって過酷な話だなと思う。


ただし、よい面もあって、次には大型機の置き換えを考えないといけないところだったが、

次に購入する予定だったボーイング777Xのスケジュールも遅れている。こっちもさらに遅れるのは必至だろう。

なので、大型機を減らすというのは、老朽化した大型機の代替機を当面買わないとも言い換えられる。

トラブルで一時運航できないこともあったが、それを乗り越えて国内外を飛び回っている ボーイング787 が、

現在、大型機が活躍している路線に多く入り込んでいくということで、それはそれでやりやすいんじゃないだろうか。

他の機材が買えない分、ボーイング787は順調に買うというのが答えだと思う。


実は、これがANAの小型機不足の打開策ではないかなんて指摘があったんだけど。

ANA、構造改革でLCC強化 全日空のマイルで利用可能に=関係筋 (ロイター)

ANA自身が、老朽化した小型機をこき使って、そう儲からない路線を飛ばし続けるよりは、

Peach(A320を運用)をANA路線網に取り込めば、ANA自身はより儲かる路線に注力することができる。

こうして、航空需要の減退と小型機の老朽化を乗りきろうという作戦ではないかということである。

なるほど、これは一理ある話だ。


ただし、ANAの利用者がこれを受け入れるかは難しい。

よりによって「空飛ぶ電車」なんてフルサービスキャリアとの差別化を意識してきたPeachである。

JALやカンタス航空がJetstarを使うのと同じように考えてよいわけではないんじゃないか。

(JALとカンタスは、Jetstarの関西~ケアンズ線や、国際線接続便として成田・関空発着の日本国内線をコードシェアしている)

どういう使い方を考えているのかわからないのでなんとも言えないが、

JALとJetstarができているから、ANAとPeachができると考えてはいけない話だと思う。


これに対してJALグループの機材調達は絶妙だったねと言われる。

まず、三菱スペースジェットが来ないことについては、すでに必要数のエンブラエル E-Jetシリーズを持っているので問題ない。

ボーイング737については、JTAは737-800ですでに置き換えが完了しているので、737MAXの納入遅延は問題ない。

JALにとっての大型機の代替先である、A350 XWBはすでに納入が開始されている。

これはJALにとっては大きな挑戦だったのだが、国内線で導入して練度を高めてから、

国際線に導入するという作戦で、すでに国内線では幹線の主力になっており、国際線はあと数年先のこと。

A350 XWBはデカイ中型機という感じで、置き換え元のボーイング777より席数が少し減ることは覚悟しての採用である。

今になってANAは大型機を減らそうかなと言ってるけど、JALはもうすでに減らす方向で決断してたんですね。

1便で運べる人数は減っても運航コストが安いので、Point-to-Pointの路線網にも合っている。


最初のニュースにも書かれているけど、ANA国際線を羽田空港発着に集約していくというのは、

ANAが成田空港発着の国際線を充実させるのは、伸び続けるアジア各地~アメリカの航空需要を取り込むためだと言っていたが、

こういう状況では、アジア各地~アメリカの航空需要を集約して大型機で効率よく輸送するというのは厳しい。

こういうときに頼りになる日本発着の需要は、もともと羽田空港発着を中心に考えていたので、理屈には合ってるんだよね。

なお、関東圏以外の空港に発着するANA国際線はもともと少なく、ユニークな路線は皆無なので、こちらの影響はあまりないと思う。

関西・中部発着の中国路線がいくつかあるけど、中国の航空会社の路線が多く乗り入れてるので、そちらでどうぞと。


もちろんANAがここで苦しいのは、風呂敷を広げすぎたせいという面はあるんだけど、

正直、これほどまでに機材に苦しめられるのは運が悪すぎるとしか言えない。

確かに新機材に果敢に飛びついて痛い目を見ているという面はあるのだけど、買う機材全部で外れを引いているレベルである。

M90が来なければQ400に頼るしかないかと書いたけど、そのQ400もいろいろな不具合に当初は苦しめられたという。

さすがにここまでくるとANAはかわいそうだなと思っちゃうよね。


あと、M90が来ないせいで、DHC-8シリーズから手を引けなくなっちゃったのでは?

という指摘があったのが、長崎の航空会社、オリエンタルエアブリッジ(ORC)である。

長崎の離島に飛ぶのは何か

ORCはDHC-8-Q200を使っていたが老朽化が問題となっており、中古機を購入して当分はしのぐ予定という。

問題はQ200という飛行機はもう買えないということ。なので何らか移行先の飛行機を考えなければならない。

天草エアライン・日本エアコミューター・北海道エアシステムの3社が導入したATR42が本命だろうと言われて久しいが、

乗員の訓練や重整備の委託先なんかを考えるとなかなか踏ん切りがつかず、中古機に手を出してまで時間稼ぎをしているのだが、

どうしてそんなどん詰まりの選択肢をとるのかというと、ORCはQ200が足りない分、ANAからQ400を借りてるんですよね。

Q400は滑走路が短い壱岐空港発着の便には使えないが、操縦資格はQ200と共通なので、乗員の都合という点ではよい。

ORCはANAからQ400が借りられなくなれば、そこですっぱりDHC-8シリーズから手を引くしかないが、

そこまではQ200と借り物のQ400の2本立てで行く方が負担が少ない。確かにそれはその通りである。

でも、本当にそれで長崎の離島への足は続くんですか?

輸送に緩衝材は付きもの

出張先に宅配便で出荷していた荷物が社内に戻ってきた。

出張先で作業を終えて、使い終わった機器を箱詰めして、1週間ぐらいして戻ってきた。

一部の荷物は出荷が遅れるかもなんて話はあったけど、結果的には全部まとめて戻ってきた。

そう考えると思ってたより早かったねという感じ。

その荷物を開封して、データを吸い出したり、組み立てた機器を解体したり、借り物を返したりとかしていた。


箱の隙間には緩衝材を詰めてあるわけだけど、割合として多いのは袋入りのバラ緩衝材である。

バラ緩衝材 (STOROpack)

こんなやつ。メーカーや品種はいろいろだけど。

箱に空いた隙間を埋めるには都合がいいですからね。


こうして入っている緩衝材を見てみると、一部には生分解性があることがアピールされている。

生分解性があるって言ってもなぁと思ったら、生ゴミとして処分するための方法が書かれていた。

外袋を破いて、中身のスポンジ状の部分だけを生ゴミとして処分できるらしい。

そんなことする? でも、生分解性を生かすとすればそういうことになるらしい。

基本的には焼却処分でしょうね。


なかなかタフな輸送だったのか、段ボール箱の一部は潰れたり、詰めた緩衝材の一部はすっかり潰れてしまったり。

緩衝材のうち再利用できる分は、次回以降の輸送のために取っておこうとしたけど、

潰れた分はもうお役目を果たしたということで廃棄した。

段ボール箱も、工場からの輸送で一回使われた箱の再利用だったんだけど、

さすがにそこから往復輸送すると、もうお役目という感じだな。

中身は完全に無事だったので、それで問題ないですね。


今回の輸送がタフだったのは、往復輸送だったのと、荷物が比較的重かったのはあるかもね。

うちの工場から出荷される荷物って、中身に対して箱が大きい傾向があって、

もちろん輸送費の観点からすれば、梱包は小さくしたいし、改善も進んでいるのだが、それでも過剰梱包という感はある。

話によると国内輸送と国際輸送で梱包の基準が違って、国内輸送ならかなり簡素な梱包が可能なのだが、

国際輸送となると、かなり頑丈な梱包になるみたいですね。簡素化してもこんな梱包になるのかという感じだったし。

それだけ輸送環境が悪いことも考慮しなければならないってことなんでしょう。

工場からまっすぐ日本国内に輸送される分には、ここまでの梱包はいらないんだと思うけどね。

輸送してる物自体もそんなに壊れやすい物ではないし。


ともあれ、無事に返ってきてなにより。

これで出張の後処理は一通り終わりかな。

世界一の新作映画

アメリカで報じられたニュースらしいんだけど。

映画『鬼滅の刃』先週末の興行収入46.2億円が“日本以外の国の興行収入合計を上回っていた”とニューヨークタイムズが報じる (ファミ通.com)

新作映画「鬼滅の刃 無限列車編」が、全国各地の映画館で尋常でない回数上映されていたわけだが、

それに伴った客入りと興行収入があり、大変な大ヒット映画として記録されるんじゃないかと言われている。

これは日本で公開された映画としてという話だったのだが、世界的に見ても画期的な数字だったという話。

ただし、これはライバルとなるハリウッド映画がなかったからだろうとも書いてあるが。


一時期は休業要請が出たり、新作映画の公開がさっぱりなかったりと苦しんだ映画館だったが、

少しずつ新作映画も出てきて、日本映画に限ればそれなりなのかもしれない。

こんな状況で客は来るのかと思ったかも知れないが、意外に順調だというのは以前も紹介しましたね。

3年がかりの3部作の第3章

「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」Ⅲ.spring song」について、前作よりやや早いペースで興行収入10億円を突破したという話。

映画館すら忌避されるのでは? という不安もあったかもしれないが、この作品のファンにはそんなことはなかったようだ。

やはり、観るべき作品があれば映画館には足を運んでくれるということである。(略)

苦しいながらに踏ん張れるのが映画だということで、勇気づけられた関係者も多かったかもね。

この映画が公開された8月だとまだライバルとなる映画が少ないってのはあったかなとも思ったけど。


ここら辺からすると、日本では映画鑑賞というのは心配事とは思われていないということなんだろうな。

映画館には十分な換気装置があること、マスク着用を徹底させていることや、これまでの実績でも問題となっていないこと。

あとは映画館であればそんなに遠出せずに済む(作品や地域にもよるが)ということで、

安全なレジャーの1つとして受け入れられているという面はあるんじゃないかと思う。


ただ、世界的にはそうもいかないのかなと思うのが、アメリカやヨーロッパのこと。

日本では飲食店は比較的リスクはあるが、実績として夜間に酒を伴う場合のリスクは高いが、

比較的短時間で、1人あるいは小グループで食事するならば、そこまでのリスクはないと思われている。(手洗いなどするのは前提)

なので、映画館に出かけては、食事して、買い物してなんていうのは、どうってことない話だが、

アメリカやヨーロッパに目を向けてみれば、飲食店の営業制限が非常に厳しい地域は多い。

アメリカ・ニューヨーク市では最近まで飲食店の室内での営業が禁止されていた。最近、制限付きで解禁されたが、

足下の感染拡大状況が悪く、また逆戻りすることも想定されるような状態だと言う。

フランスではパリなどで最近になって夜間外出禁止令が出たなんてニュースもあった。

だから映画館に行くということ自体がもはや無理があると。そんな状況では新作映画を公開するどころじゃないですよね。


日本だってずっとくすぶり続けていて、とても無防備でいい状態ではないし、

業種によってはもう客が寄りつかないという状況に陥っているわけですよね。

ただ、逆にこれは安心そうだ、ここを用心すればよいというのがわかっていて、深刻な問題は回避出来ている。

それだけでもかなり救われてるって話ですよね。


日本でも新型コロナウイルス対策についてはいろいろ意見はあるところだが、

映画館で平和に映画鑑賞ができる。それだけでもいかに幸せなことかということですよね。

一時、映画館は旧作映画で食いつないでいたが、それでも楽しみに映画鑑賞をした人はいたわけである。

ここから、新作映画が出てきて、演劇やコンサートなども条件付きながらに再開してきてと、それで救われている人は多いわけですよね。

このニュースを見て、改めてありがたいと思った。