有楽町線支線のはずなのに

そっち? と思った話ですが。

有楽町線延伸区間(豊洲・住吉間)の、半蔵門線(住吉・押上間)を経由した東武スカイツリーライン・伊勢崎線・日光線との相互直通運転について基本合意いたしました (pdf) (東京メトロ)

現在、建設中の有楽町線支線だが、東武伊勢崎線方面との直通運転を行うとのこと。

有楽町線の支線のはずなのに、半蔵門線側からの直通運転が発表されるという。


とはいえ、元々そうではないかと予期していた人はいた。

豊洲~住吉間の地下鉄は昔から計画にはあったので、豊洲駅・住吉駅ともに仕込みがあった。

豊洲駅は有楽町線のホームの間に2本の線路がある。

ただし、現在は混雑対策のために中央の線路部にはフタをかけられている。

住吉駅は2層構造の駅で、ホームの両側に線路が引かれている。

使わない方の線路は昼間に車両の留置などに使われているそう。

この間をつなげばよいので、実際そういう計画になっている。

この場合、2層構造の住吉駅での折り返しが難しい一方で、

本線との分岐駅である豊洲駅は、支線側からの折り返しが容易になっている。


すなわち有楽町線支線というイメージからすると、

池袋方面~豊洲~住吉 という列車が走りそうな気はするが、

実際には住吉というよりは半蔵門線に入って押上まで走るのではないか。

他方、春日部方面~押上~豊洲 という列車は容易に走らせることができる。

このような運行形態には東京メトロ・東武双方にとってメリットがあるので、

このたび合意にいたったということのようである。

豊洲を越えて有楽町線本線への直通を想定しているのかは明確ではないが、

この資料に記載されている「直通運転効果の例」はすべて豊洲までの区間である。


有楽町線本線と支線の直通運転が多くなると、豊洲~新木場の本数確保が問題になりかねない。

豊洲駅での折り返しが容易なので、支線のみの列車も多いとは思われていた。

ということで直通運転により、効率的に支線のみの列車が運行できると。

時間帯によるのだろうけど、新木場方面の本数は従来通り確保することも可能である。


一方の東武なのだが、豊洲発着便をどう使いたいかというのはわからない。

そもそも東武伊勢崎線の運行形態というのは複雑である。

あまり速い列車は来ない浅草駅

  1. 浅草~北千住・東武動物公園・館林・南栗橋
  2. 半蔵門線~押上~南栗橋・久喜
  3. 日比谷線~北千住~東武動物公園・南栗橋

2.は急行・準急のみの運行、3.は普通のみの運行となっている。

1.は特急を含む上記以外で、朝夕は区間急行・区間準急の運行があるが、

昼間は浅草~北千住・竹ノ塚のみの普通が運行されている。


急行・準急が半蔵門線直通なのは歴史的な経緯があり、

浅草駅が手狭で10両編成の乗り入れができず、業平橋駅(現:とうきょうスカイツリー駅)に専用ホームがあったそう。

この代替として押上駅が作られ、半蔵門線との直通を行うことになった。

それでも一部は区間急行・区間準急として浅草発着になっている。

もしかすると、それを豊洲発着にするのかもしれない。


実際のところ、浅草発着よりも何らか地下鉄直通の方がメリットは多いのだろう。

浅草は特急と北千住・竹ノ塚発着の各停のみが発着する駅になるのは、

むしろ沿線利用者にとっては歓迎なのかもしれない。

ただ、東武からみれば 渋谷方面と豊洲発着の本数をどう割り振るのかとか、

半蔵門線にとってみれば、住吉~押上に有楽町線支線が入ってくるなら、

その分だけこの区間の本数を減らす必要があるかもしれない。

その場合、1つ都心側の清澄白河駅での折り返しが可能である。

ただ、そうすると渋谷~押上で利用できる本数が減る可能性がある。


時間帯によりいろいろな方法を組み合わせるのかな? とか想像はしますけど、

なかなかこの区間だけ純増とはいかないので難しいところ。

とはいえ、これ本当に有楽町線支線なのかという直感は正しそうである。


余談ですが、豊洲駅にはもともと東武東上線からの列車が入っているが、

これが実現すると豊洲駅には東武伊勢崎線からの列車も入ることになる。

東上線は東武の他路線と直接つながっていない飛び地路線である。

ただ、秩父鉄道を介して線路がつながってはいるので、両路線間で車両の融通はやってるらしいんだけどね。

豊洲駅で両路線からの列車が顔を揃えるからといって何か起きるわけでもなく、

そこでもつながるんだなぁというだけの話である。

消去したフラッシュは1が読めると思ってた

どのマイコンもいろいろ癖のある動作はあるけれど、

フラッシュROM周りの動作が思ったのとちょっと違っていろいろ戸惑っていた。


以前、マイコンのROMに起動回数を記録するという話を言われて、

そんな頻繁にマイコンの内蔵ROMは書き換えられませんよという話をした。

で、一般的にフラッシュROMの寿命というのはイレース回数で規定される。

通常は一定範囲のビットを全て1にすることをイレースという。

イレース後、必要なビットを0にすることをプログラムという。

1回起動するごとに1ビットを0にするとすれば、

1回のイレースで数百回以上のカウントをすることができるので、

マイコンの内蔵ROMに起動回数を記録することが出来ますねと言っていた。


で、実際どうなんだよということで試していた。

ROMのあるページ(イレースの最小単位)をイレースして、リードするとハードフォールトになってしまった。

うーん、と思って適当なデータをプログラムするとちゃんと読めた。

一体何が起きてるのかと調べてみると、どうもECCでビット誤りを検出しているらしい。

冗長ビットを付加することでメモリが化けても訂正できる機能をECC(Error Checking and Correcting)という。

正確に言えば訂正だけでなく誤り検出機能も持っているものをECCといい、

1ビット誤りを訂正し、2ビット誤りを検出できるものが一般的である。

信頼性向上のためROMにECCを付けてるんですね。

で、全ビットイレースした状態ではビット誤りがある状態になってしまうと。


データを書き込む操作をすると、冗長ビットも含めてプログラムされるため、

そうするとリードしても異常にならなくなる。

で、特殊な方法で読み出すとECC機能を切って読み出すことができて、

こうすると冗長ビットは使わず、誤り訂正・検出せずにデータを出してくれる。

これならばイレース直後のメモリを読み出すこともできて、読んでみるとオール0……

あれ? なんか間違ったかな。

この状態で 0x0F を書き込んで、同じ方法でリードすると 0x0F が読み出せた。

次いで 0xAA をプログラムからリードすると 0xAF となったので、

一度1となったビットはプログラムでは0で戻せないことはわかった。

なお、この状態で通常のリードをするとハードフォールトになる。

冗長ビットも一度1にしたものは戻らないので、2度書きすると誤りになってしまうようだ。


というわけで、まさかのイレースで0になるフラッシュROMだったわけである。

イレースした状態を1と定義するか、0と定義するかの差なのは見ての通り。

でも、そもそもなんでフラッシュROMはイレース後に1になるのだろうか?

この謎を探るために世の中のフラッシュROMの構造を調べてみた。


世の中のフラッシュROMはNOR型とNAND型がある。

高密度化にはNAND型が適しているが、小容量で信頼性が要求される用途はNOR型が使われる。

マイコンの内蔵ROMもNOR型だろうということで、NOR型を代表例で説明する。

ただいま超絶進化中! 『フラッシュメモリ』の仕組み、教えます (KDDI)

この真ん中あたりにメモリセルの図がある。

MOSFETのゲート部にフローティングゲートがあり、ここに電荷を蓄えることができる。

「フローティングゲートに電子があれば電流が流れにくくなり」と書かれているが、

電子がある分、MOSFETのゲート電圧がONになる閾値電圧が高くなることを指している。

フローティングゲートに電荷を注入する操作を「プログラム」といい、電荷を抜き取る操作を「イレース」と呼んでいる。

この電子を抜き取る操作は通常とは逆方向に高い電圧を掛けなければならず、

その都合で一定範囲のメモリに一括して実施する仕組みになっている。

この一定範囲をまとめて消去する操作が「フラッシュ」の語源である。


なぜ電荷がなくて閾値が高い状態を1と呼ぶのか。

これは明確なことはよくわからないのだが、大昔のEPROMのときにそう決めたからというのが理由っぽい。

EPROMって紫外線を当てて消去できたというやつですね。

(窓があって紫外線で消去できるものはUV-EPROMとも呼ばれた)


もしかすると今のNOR型フラッシュの実態には合っていないのかもしれない。

小容量で信頼性が要求される用途で使用されるのがNOR型フラッシュで、

マイコン内蔵のROMもNOR型であろうと思う。

NOR型フラッシュはメモリセルをGNDとビットラインの間に並列に並べたもので、

ゲート電圧をかけなければOFF、電圧を少しかけると、電荷のないセルはO、電荷のあるセルはOFFとなる。

NOR型と呼ばれるのは論理回路のNORゲートと回路構造が似ているからで、

そうであれば、1つ以上のMOSFETがONとなれば0、全てOFFなら1となる。

読み出したいメモリセルに少し電圧を印加することでデータを読み出すので、

電荷がない=ONになる=0、電荷がない=OFFのまま=1 となるのが自然に思える。


別にどっちでもいい話ではあるんですけどね。

いろいろ戸惑ったが、やりたいことはできそうなのがわかったので、

あとはうまいことコーディングしていけばよいと。

他にもいろいろ想定と違うところはあるけど、アイデアが実現できないものはないかな。

6000人収容の会議室の正体

夢洲での国際博覧会が開幕したのと、時をほぼ同じくして隣接地でのIR(統合リゾート)の工事が始まるという。

万博関係の工事を邪魔しないようにIRの工事は遅らせていたということで、

万博と入れ替わりにIRの工事がスタート、2030年開業に向けて動き出すこととなる。


そんなIRなのだが、ちょっと気になる記述があった。

IR、法令上の用語で言えば「特定複合観光施設」というが、

この認定の条件としては、会議場と展示場の規模が重要である。

大阪・夢洲でのIRは会議場の最大会議室が6000人、展示場が2万m2

という会議場と展示場が中ぐらいのパターンで認定を受けている。

これは概ねパシフィコ横浜と同程度の規模ですね。

会議場と展示場は隣接しており、おそらく展示会のセミナーや商談にも会議場の会議室が使用されるのではないか。


気になったのは会議場の最大会議室についての記述である。

大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画 (大阪府)

ここにある計画で会議室についてこのように書かれている。

主要なボールルームは平土間タイプとし、可動間仕切りの導入並びに照明・空調設備、天井吊物機構等の充実によって、フレキシブルなレイアウトが可能で、多彩なイベントや複数イベントの同時開催に対応できる仕様とする。

平土間タイプ、すなわち平面なんですね。

最大会議室は収容人数6821人とは書かれているが、その数の座席が常設されているわけではなく、

平面にそれだけの数の椅子を並べることが出来るという意味である。

てっきりパシフィコ横浜の国立大ホールのような劇場タイプだと思っていたのだがそうではないと。


他のIRでもこういう形式は一般的とのことで、シンガポールのMarina Bay Sandsを調べてみると……

ボールルーム & ミーティングルーム (マリーナベイサンズ)

これの「サンズボールルーム」ってやつが最大会議室ですが、

ホテルの宴会場みたいなところだなというのがまず見た感想ですね。

実際、このような形式にすることでパーティーに使えるというメリットもある。

夢洲のIRの最大会議室はレセプション形式ならば、立席4629人、着席3503人と、

そんなに入るパーティー会場は魅力的かもしれない。

あとは分割して利用することも可能なので、実際にはそのような使い方も多いかもしれない。


とはいえ、思ってたのとは違うなぁという感じはする。

確かにこういう施設は日本に他にないので唯一無二ではある。

もっともただただ平面という話ならば展示場でもよいといえばよい。

大阪でもG20はインテックス大阪(6号館)にいろいろ仮設してやったわけだし。

付帯施設などが充実しているのですぐに会議に使えるというのはあるだろうけど。


ところでIRにはこれ以外に2つの劇場が計画に入っている。

魅力増進施設の「ガーデンシアター」と来訪及び滞在寄与施設の「夢洲シアター」である。

IRの構成要素といえば、会議場・展示場・ホテルだと思っていたのだが、

それ以外に魅力増進施設と送客施設というのもなければならない。

これらが揃うことでカジノ設置を認められるということになる。

送客施設は「関西ツーリズムセンター」のような観光案内施設でよいが、

魅力増進施設というのは何かというと法律の記述ではこうなっている。

我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演その他の活動を行うことにより、我が国の観光の魅力の増進に資する施設であって、政令で定めるもの

具体的には劇場・博物館・美術館・レストランなどとなっている。

「ジャパン・フードパビリオン」というレストラン街はこの要件を満たす。

「関西アート&カルチャーミュージアム」という美術館も設けられる。

「ガーデンシアター」については劇場ということで使い道はいろいろあるが、

伝統芸能を身近に体験できるプログラムの開催や、伝統的な太鼓芸能集団と世界的に人気を博すパフォーマーによるコラボレーション・ショー等の公演を企画する。

という記述もあり、伝統芸能に触れる用途で多く使いたいよう。

規模としては400人程度、演劇などでも多目的に使われそうですね。


もう一方の夢洲シアターは来訪及び滞在寄与施設に分類される。

このグループはIRに付帯して任意で設置してもよいという施設である。

これは3500人ぐらい入る劇場ということで、大阪では最大規模になりそう。

現状はグランキューブ大阪、オリックス劇場(旧:大阪厚生年金会館)、フェスティバルホールがそれぞれ2000人程度、

これに対して3500人だと飛び抜けて大きいこととなる。

夢洲シアターがなぜ魅力増進施設になっていないのかはよくわからないが、

世界的なアーティストによるコンサートや映画・音楽の授賞式に加えて、グローバルなコンテンツ展開を行うエンターテイメント企業、世界で活躍するクリエイティブなアーティスト・パフォーマー等とのコラボレーションにより、新しいエンターテイメントを世界に向けて発信する。

ということで必ずしも「我が国の伝統、文化、芸術」に関わらないので外したのかもしれない。


ということで夢洲には6000人入る劇場形の会議室ができることはないが、

3500人入る劇場はできるとのことで活用が期待される。

そういうことだったんですね。

単元未満株式を買う

先日、イオンディライトの公開買付の話を書いたが、

あわせてイオンモールの株式交換のことも話題にしていて、こう書いた。

イオンモールの100株はイオンの100株に満たないわけである。

単純にイオンの株式に交換されると、交換後の取引に困ってしまうわけである。

こうなると継続保有は難しいので、株式分割などで打開してほしいものだが。

(イオンが公開買付するという)

これについて、イオンモール1株にイオン0.65株を割り当てるということで、

イオンモールの株主総会に諮られることになったという。

そして特にイオン側では株式分割などは行われないとのことである。うーん。


交換比率についてはそんなもんかなという感じはある。

当初は0.57株という提案がイオンからあったが、イオンモール側のアドバイザーが、

もうちょっといけるのではと交渉した結果0.65株になったということが書かれている。

イオン株式会社によるイオンモール株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結(簡易株式交換)のお知らせ (pdf)

後で書くような事情もあり、若干盛った方が納得感があるのではという判断があったのだろう。


単元未満では議決権も株主優待もないので不便な話である。

とりうる選択肢としてはこんなところが考えられる。

  1. 株式交換前にイオンモール株を売却する
  2. イオンモール株を買い増して、株式交換後もイオン株が1単元以上になるようにする
  3. イオン株を35株買い増して、イオン株が100株になるようにする

正直なところ、短期的な金儲けだけ言えば 1.で別の投資先を見つけたほうがよいような気がするが。

しかし、イオンの株主として今後も関与していくべきだろうという考えはあり、

将来にわたって考えたとき、端数が残らない方がよいとすれば3.が最適である。


35株だけ買う方法としては、単元未満株式売渡請求による方法と単元未満株取引による方法がある。

単元未満株式売渡請求は証券会社経由で会社に申し出て、端数の株を買い増す方法である。

単元未満株式買取請求は全ての上場会社で応じてくれるが、買増請求はない会社もありうる。

ただ、イオンの資料には明確に記載があるので可能なはずである。

しかし、現在イオンモール株を保有しているGMOクリック証券は買増請求の取次はやってくれないという。

あと、買取請求・買増請求は取次手数料がかかるのが通常である。


一方の単元未満株取引だが、こちらは一部の証券会社で扱っている。

SBI証券では「S株」という商品名で扱っている。

普通に考えれば取引手数料は割高になりそうなものなのだけど、

SBI証券は一定の条件を満たす場合、現物株の取引手数料が0円になる。

なんとS株もこの対象だったようで、無手数料で売買できてしまう。

通常の取引との違いは、指値を指定できず、約定するタイミングも限られていることである。

朝9時以前に注文すると前場の寄付(最初の取引)で取引が行われる。

その価格は指定できないので「成行」となっている。

売却はともかく、買付時はかなり余裕を持って買付余力を抑えられることになる。


単元未満なので、35株一気に買うことも1株ずつ買うことも可能である。

細切れにしても手数料無料であることに変わりは無い。

SBI証券には株式積立というのがあって、毎週○株ずつ買うということが可能である。

毎週2株ずつ買うと8月末の権利確定日までには35株買えるはずで、

そのときには株式交換でイオンモール株はイオン株65株に交換されていて、

8月末には100株のイオン株が揃って、1人前の株主になっているはずだと。

こうすると9月頃にはイオンの株主優待が受けられるんじゃないか。


しかし、イオンの株価は指標上はとても割高である。

PER(1株あたり純利益/株価)は100倍近く、こんなにPERが高い会社っていうのもどうなんでしょうね。

イオンモールはPER 25倍程度、株価に対する稼ぎが全然違うのである。

短期的な金儲けだけ考えれば売って別の投資先を探した方がよいと言ったのはこのことによる。

イオンの利益の少なさには、上場子会社の少数株主が利益を持って行ってしまうというのもある。

イオンモールもそのような上場子会社の1つである。

イオングループとしての評価の割に、親会社に残らないので、イオンのPERを見ると異様に高くなってしまう。

他の要因としては株主優待目当ての株主が多いからというのもあるそう。


正直なところ、こんな割高な株を買うのかと悩んだのは事実である。

イオンは1株4000円ほど、35株でも14万円の投資である。

株主優待はイオンでの購入額の3%還元ってのはそこそこだが。

しかし、イオンほどしぶとい小売業はないのではないかとも思うのである。

一定の利益を出しながら地域の買い物を支えていることの意義は大きい。

赤字では持たないですから、利益が出ていることは重要である。

その中で付加価値を高めるための努力をしているわけである。

そういうところも評価した上での株価なんじゃないかなと思う。

夢洲の混雑ポイント

大阪・関西万博、開幕日はひどい混雑なのは目に見えてるけど、

来場時刻を予約する方式にもかかわらず、ひどい混雑だったよう。

まぁ来場者側の錯誤というのもあったのだが。


万博開幕日は大混雑の予測 予約満杯シャトルバスも乗れない「バス難民」懸念で臨時措置 (産経新聞)

これが来場者側の錯誤である。

桜島駅~夢洲のバスは予約必須ではない。しかし、朝の夢洲行きは時間帯を決めての予約が推奨されている。

基本的には予約が必要だという解釈していたが、予約なしで桜島駅に突撃する人が多そうだと、

バスの予約がないにもかかわらず西ゲート入場で予約してしまった人は、

中央線で夢洲駅まで行って東ゲート入場するようにという指示を出したと。

当たり前だろと思うのだが、この予約必須ではないが予約できるというのが誤解を生みやすかったようである。


中央線の混雑はもともと織り込み済みで、東ゲートの来場時刻予約というのは、

当然そこを見越したものであると思っていたのだが、

実際にはゲートの手荷物検査で詰まってしまう問題の方が大きかった。

警備強化というのは今回の万博を苦しめている要因の1つである。

大阪万博の入場料、大人7500円で調整…運営費膨らみ異例の高額に (読売新聞)

建設費の増加もそうだが、警備費というのも入場料に大きく影響している。

これ以上は上げられないと、警備強化には国費も投入されているが、

手荷物検査の強化もあったんだろうし、それが混雑の原因でもあるのだろう。


一方の西ゲートは比較的混雑はマシだったよう。

西ゲートは桜島駅やその他の駅からのバス、P&R駐車場、団体バス、船、タクシーの来場者ということで、

全体としてわずかであろうタクシー以外は実質的に予約制である。

(桜島駅からのバスは先ほど書いたように朝は実質的に完全予約制である)

ちなみにP&R駐車場は比較的余力はあったみたいですね。

逆に東ゲートは中央線、駐輪場(自転車・特定原付)、障害者用駐車場、

あとめったにいないと思うが徒歩での来場者もこちらになる。

バスを使わずに来る人はほぼここなんですよね。厳密な来場時刻のコントロールができない。

テストランで手荷物検査の混雑が報じられたこともあってか、前倒しでの来場者も多かったのではないか。

そもそも手荷物検査が間に合ってないのがダメなのだが。


退路も問題である。中央線と桜島駅までのバスは予約という概念がないので。

中央線は混雑時には1時間待ちなんて状況も起きていたよう。

帰りの時間も分散できれば良いけど、なかなか難しいのかなぁ。

一方の桜島駅までのバスは特に大きな問題はなかったよう。

このあたりは流動的なところだろうと思う。

夏休み以外の平日はそこまでじゃないかなと思うけど、休日は大変だろうな。


混雑という点でもう1つ苦しかったのが通信回線である。

チケットも地図も予約も基本的にはスマートフォンなどを利用する想定だが、

これが間に合っていないのだという。

これも夏休み以外の平日はそこまでじゃないだろうけど、休日は大変だろう。

あらかじめチケットのQRコードや地図は印刷したり、

オフラインで読めるように準備しておくのがよいだろうとのことだった。

もっともこの問題は入場待ちがやたら長くなってしまい、

待機客が暇つぶしに携帯電話を使うのが問題の1つだったのだが。


ここまで見てもわかるようにいかに来場者を分散させるかが博覧会成功の課題である。

これもなかなか思うようにいっていない部分がある。

「万博の成否は前半戦」幹部の皮算用 孤島がはらむ混雑と気象リスク (朝日新聞デジタル)

前売券の売上目標1400万枚というのはかなり高い目標だが、

11日時点で934万枚、団体分で200万枚ぐらい決済される予定とのことで、

駆け込みでどれぐらい売れたかしらないけど1200万枚近くなのかなと。

これ自体は悪くないと思うのだが問題は内訳である。

9日時点では906万枚のうち会期中いつでも入場できる「早割一日券」が751万枚と大半だ。4月下旬までに入場できる「開幕券」、7月までに入場できる「前期券」といった早期来場につながるものは、それぞれ37万枚、71万枚にとどまる。

開幕券は4月の連休前まで、前期券は7月の夏休み前までに使えるものだが、

この割合が少なくて、夏休み以降も使える券が大半を占めてしまっていると。

予定を決めるのが難しいのでとりあえず早割券でという考えもあるのだろうが、

夏休み以降、ましてや閉幕間際の利用が多くなると、直前購入の余地がなくなる。


4月連休前にスタートダッシュを決めた人が口コミで広げて、

そこからまだ空いている夏休み前にできるだけ来てもらって、

夏休み期間はまんべんなく分散して……というのがいいですけど、

そううまくいくかというのは難しい問題である。

ここに書いたような状況だが、普段の土日もけっこう危ういんじゃないか。

しかし、手荷物検査がここまで大変とは思わなかったなぁ。

慣れていく中でスムーズになって行くことが期待できるところはあるが、

それも限りはあるでしょうからね。テロ対策が恨めしい。

近年の新型コロナとインフルエンザ

「withコロナ」と言われるようになって久しいが、

外出時に着用している布マスクもそろそろボロいというので、

前に新しいのを買ったので順次置き換えていく方向だが、

果たして現在、マスクを着用する意義がどれぐらいあるかというのを考えて見た。


元々布マスクは感染源側に付ける場合は効果的だが、

逆にウイルスを吸い込むのを防ぐという点では微妙である。

ユニバーサルマスクの手段として続けやすい布マスクを選んできたが、

そもそも世間的にもマスクを着用する人が減る中でこの効果には疑問もある。

で、当然のことながら当初は新型コロナウイルス対策という意味合いが強かったが、

もう1つの懸念としてはインフルエンザというのもあった。

新型コロナウイルスで医療機関が逼迫する中でインフルエンザを罹患しようものなら、

ろくな医療体制にありつけないのではないかという懸念があったのである。


では、新型コロナウイルスとインフルエンザの近年の状況はどうか。

新型コロナ・季節性インフルエンザ・RSウイルス リアルタイム流行・疫学情報

まず、新型コロナウイルスだが、こちらは少しずつ報告数は落ち着いている。

2023年夏・2023~2024年冬、2024年夏と比較すると、直近の冬はピークが低い。

夏に大流行を起こしてきた経緯もあり、この先の動向は注意が必要だが、

このまま大きく盛り上がらなければいいのかなとは思う。

次にインフルエンザだが、2024年12月~2025年1月にはここ数年では最もひどい大流行を起こしている。

ただ、すでに3月以降は収束しており、インフルエンザへの警戒は落ち着いている。

近年は早い時期から流行したり不規則な状況も続いたが、今年はピークが高いが流行期は通常程度か。


コロナは直近では夏にぶり返さないかという懸念はあるが、今は大きな問題はない。

インフルエンザはやはり冬はいつもリスクが高いが、今はそうではない。

冬については別途対応が必要だが、それ以外の時期に警戒する必要はなさそうだ。

手洗いの励行など基本的な対策は継続して行えばよいだろう。


ただ、ここ最近まではインフルエンザの流行期やコロナの流行期が入れ替わり立ち替わり来て、

そんな中で継続的にリスク軽減は必要だったことは改めて確認出来た。

2023年以前に比べれば2024年以降、コロナの流行の程度が落ち着きつつあるのは事実で、

このまま収束してくれればよいのだけど、なんとも言えないところはある。

だいたいこの傾向を見守って、昨冬のインフルエンザ流行の収束を持って、

一旦はよしとするというのは自分としては納得感のある結論である。

ガイドウェイバスをやめたい

日本唯一のガイドウェイバス、名古屋のゆとりーとライン が、

ガイドウェイバスをやめて自動運転バスに転換する方向で実験をするそうだ。

ガイドウェイバスへの自動運転技術導入に向けた大型自動運転バスによる実証実験を実施します (名古屋市)

前々から言われてたけど、実際にその方向で動くんですね。


そもそも ゆとりーとライン とはどのようなものかという話だが、

大曽根駅を起点として守山区の小幡緑地駅まで、これを高架区間というが、

ここはバスの前後に案内輪を付けてハンドル操作なしで走る。

道路上に敷設されるモノレール同様に軌道法により整備されている。

小幡緑地駅から高架区間を出て市バスとして一般道を走り志段味方面に向かうのがメインだが、

ラッシュ時には小幡緑地発着便も設定され、高架区間の需要の高さがうかがえる。

近年は当初想定していた需要を超える利用があるという。


この路線でガイドウェイバスが採用されたのは、

都心近くは渋滞を避けて走れて、郊外では一般道を走れるからということである。

実際には高架区間の利用にかなり偏っているのだが、

小幡緑地から一般道を走って向かう志段味には大学の移転も計画されていた。

ただ、基本的に輸送力はバスと同等ですからね。

この区間だけ見れば低コストなのかもしれないけど……


ところが問題はバスなのである。

今どきバスといえばノンステップバスばかり走るようになったけど、

ゆとりーとラインのバスは全てツーステップバスである。

案内輪を付けたりガイドウェイバス特有の設備を付けるためである。

そんな中でとりうるバリアフリー化の手法はリフトバスの採用である。

昔は車いす対応のバスでリフトバスってあったんですけどね。

逆に乗り場ごと上げてしまえばよいのでは? と思ったけど、

一般道区間では歩道から乗り込むのだから、そうもいかないわけだ。


そこで現状のガイドウェイバスを前提とした狭い高架道を、

ガイドを使わずに走れるバスを作れないかという話が出てきたわけである。

専用道区間さえ走れればよいので、実現性はかなり高いのだろう。

これによりノンステップバス導入により幅広いバリアフリー化が図れること、

バスを増車して主に高架区間の利用者増に対応できることなどメリットがある。


ところでゆとりーとラインの高架区間だが、

「モノレール専用道等」の特殊街路として整備されたものである。

すでに道路なんですよね。一般的な車が利用する道路ではないけど。

ガイドウェイバスから自動運転バス専用道になってもこの位置づけは特に変わらない。

ただ、現状は軌道法が適用されているので鉄道に類似したルールが適用される部分が多い。

乗務員も大型自動車二種免許とは別にトロリーバスの免許が必要である。

自動運転バス専用道になると、軌道法の適用が外れることになり、

おそらくは 通行止「路線バスを除く」のような道路の規制標識が付くんじゃないか。

日本とアメリカは何を貿易している

アメリカの謎の「相互関税」だが、そもそもアメリカは日本から何を輸入しているのか。

自動車と自動車部品ってのは大きいのは確かだけど。


このあたりの統計データは財務省の普通貿易統計を調べるとわかる。

普通貿易統計

概況品というのが大まかな分類を知るのによさそうである。

概況品は1桁、3桁、5桁……と細かく分類すると桁数が増えていく。

3桁である程度想像できるものもあるが701「一般機械」では何かよくわからない。

というわけでそこら辺は5桁で分解してだいたい理解できそうな単位で見てみた。

なお、2024年(暦年)の日本からアメリカへの輸出総額は21.3兆円である。


やはり多いのが70503「自動車」が6.0兆円、70505「自動車の部分品」1.2兆円で、

その次の 70101「原動機」の1.1兆円も車両用(70101032)が0.63兆円で大半。

それ以外の原動機としては船外機などがあるらしい。

70119「建設用・鉱山用機械」というのも0.90兆円と多い。

走る機械という点では自動車とも共通的だが。

巨大なので現地生産も多いが日本メーカーが世界的に強い分野である。

このほか、自動車や走る機械という観点では

  • 603「ゴム製品」0.31兆円 (うちタイヤ・チューブが0.21兆円)
  • 70127「荷役機械」0.25兆円
  • 70325「自動車用等の電気製品」0.21兆円
  • 70507「二輪自動車類」0.13兆円
  • 70103「農業用機械」0.12兆円

と、ここまで列挙したものを合計すると10.3兆円と輸出全体のほぼ半分。


その次に出てくるのが、このような工場や研究などで使用される機器である。

  • 811「精密機器類」0.60兆円 (光学機器など)
  • 70131「半導体等製造装置」 0.53兆円
  • 70301「重電機器」0.49兆円
  • 70327「電気計測機器」0.42兆円
  • 70125「ポンプ及び遠心分離機」0.40兆円
  • 70303「電気回路等の機器」0.27兆円
  • 70107「金属加工機械」0.25兆円

精密機器類には時計、メガネ、カメラのレンズなどもあるが、製造装置や研究関係が大半かと。

事務用機器って名前からはピンとこないがコンピュータのことですね。

3.0兆円ということで、自動車ほどではないが大きなグループである。


製造に不可欠な材料というのも多く見られる。

501「元素及び化合物」0.48兆円、なんのことかよくわからないが、

どうも電池に使われる原料の輸出が多いらしいですね。

70105「事務用機器」0.45兆円、名前からするとピンと来ないがコンピュータで、

日本からの輸出はその部分品が多くを占めているようである。

70319「電池」0.34兆円、リチウムイオン電池でしょうかね。

611「鉄鋼」0.30兆円、615「金属製品」0.30兆円、

このあたりは「トランプ関税」の初期に話題となった鉄鋼の関税の対象だが、

自動車向けを中心に高付加価値の鋼材のニーズがあり、重い鉄をわざわざ輸出しているようだ。

515「プラスチック」0.29兆円、こういうのもアメリカに輸出してるのか。

70323「半導体等電子部品」0.27兆円、昔ほどではないが電子部品もそこそこある。

このような材料類が3.2兆円ぐらいありそうで、けっこう大きいんだな。


このほか特徴的な輸出品としては、

507「医薬品」0.41兆円、どっちかというとアメリカからの輸入が多いが、

日本には世界的な製薬会社もあるので、アメリカへの輸出もそこそこある。

70511「航空機類」0.24兆円、といっても日本から飛行機を輸出しているわけではない。

日本には飛行機の部品を作るメーカーが多数あり、エンジンの部品などその範囲は多岐にわたる。

ある程度の大きさがあるものとしては、ギャレーなどの内装品や、飛行機の主翼などがある。

そう、セントレアにドリームリフターが主翼を運ぶために来てますよね。


ここを見てもわかるのだけど、日本からアメリカへの輸出品というのは、

アメリカでのものづくりを広範囲にわたり支えるものである。

確かに完成車が6.0兆円というのは目立つけれど、それだけではない。

自動車部品にしても日本メーカーに限らず、国内メーカー、その他の外国メーカーと、

日本産の自動車部品は広範囲にわたり使用されていると聞いている。

建設機械などはアメリカでの建設業、鉱業などを広く支えるものだし、

製造装置というのは言うまでも工場を作るために必要なものである。

アメリカ生産の拡大には日本からの輸入品は重要が果たす役割は大きいはずである。


ところで逆にアメリカから日本に輸入されているものって何が多いんでしょうね。

これも同様の方法で調べられる。こちら総額で12.7兆円である。

筆頭は 507「医薬品」で1.1兆円、やっぱり医薬品は輸入が多いですよね。

次いで工業製品として多いのが 70101「原動機」1.1兆円 なのだが、

日本からアメリカへ輸出されるエンジンは多くが自動車用だが、

逆にアメリカから輸入されるエンジンは多くが航空機用である。

70505「航空機類」0.48兆円と合わせれば1.6兆円が航空機関係である。

501「元素及び化合物」0.60兆円、811「精密機器類」0.55兆円、

これは日本からの輸出とどっこいどっこいのようだ。


実はアメリカからの輸入品として多いのが資源である。

305「天然ガス及び製造ガス」1.1兆円に驚いた。

303「石油及び同製品」0.47兆円もそうだが、シェールガス・シェールオイルってやつですね。

日本としては天然ガス・石油調達先の多角化ということでアメリカからも輸入している。

石油製品としては石油化学工業用のナフサを輸入する分もあるでしょうが。

日本では原油で輸入して精製するのが石油製品の主な供給方法だが、

余剰な軽油を輸出して、石油化学工業用のナフサを輸入する構造がある。

515「プラスチック」0.21兆円もガスとの関係が深くて、

天然ガス内に含まれるエチレンを集めてプラスチックを作れるんですよ。

301「石炭、コークス及び練炭」0.36兆円、意外とアメリカからも輸入してるんですね。

このような資源関係で2.6兆円ぐらいはあろうかと思う。


そしてやはり農畜産品ですよね。

009「穀物及び同調製品」0.63兆円、とうもろこし、小麦などが多い。

203「採油用の種・ナット及び核」0.20兆円、名前からするとわかりにくいが大豆である。

アメリカ産品の依存度が高いのが とうもろこし と 大豆 ですね。

003「肉類及び同調整品」0.50兆円で牛肉・豚肉ということで、

消費者にとっても 国産かアメリカ産かオーストラリア産か……と牛肉を買うのに悩むことは多い。

001「果実及び野菜」0.24兆円というのもけっこう多いですよね。

ブロッコリー、加工用のじゃがいも、柑橘類などのようですね。

これらの合計が1.9兆円、全部合わせれば航空関係よりは多いけど。


アメリカからの輸入品として大きい航空関係だが、

さっきも書いたように日本からの輸出品が支えている部分も多い。

というか日本メーカーがボーイングのサプライヤーになる理由って、

日本で多く使われているからという側面も大きいわけだし。

農畜産品だが、とうもろこし と 大豆 は圧倒的にアメリカ産だし、

小麦は用途により産地がだいたい決まっているので代替性は乏しい。

資源は調達先の多角化という観点でアメリカへの期待がある。メインではないかな。


日本がアメリカからの輸入に報復関税を掛けることの無意味さは見てわかる通りで、

金額として大きい品目の大半が代替性がないとか、輸入先の多角化という意図がある。

関税が高くなったから他国から輸入しようとはならんわけですよ。

むしろ恐れるべきは「トランプ関税」によりアメリカでの生産体制が脆弱化することである。


このようなことは石破総理大臣も言っていて、

アメリカによる広範な貿易制限措置は日米両国の経済関係だけではなく世界経済あるいは多角的な貿易体制全体に大きな影響を及ぼすものであり、WTO協定や日米貿易協定との整合性について深刻な懸念を有している

(石破首相 “極めて残念で不本意 企業に万全の支援”相互関税で (NHK))

自由貿易の盟主としてはこう言うしかないというのもあるけど、

日本企業もアメリカで多くの事業を行っているわけですよ。

特に ものづくり の分野では日本企業が果たす役割は大きいわけだが、

そこには日本を含めた外国から円滑に輸入できることは重要なわけですよ。

そこはトランプさんもよく理解してもらわないと困るわけである。

9bitのUARTが必要なわけ

あるシステムで9bitのRS-485通信という記載があり、

よくわからんし、マイコンでそういう設定できるんだっけ?

と思っていたが、サンプルプログラムを見てなるほどとなった。


RS-485は調歩同期式のシリアル通信の伝送方式の1つで、マイコンにとってはUARTってことですね。

RS-485の特色として2線のバスに複数の機器をぶら下げることができるというのがある。

どうもそこと関係がある話のようである。

というのも通信の先頭ではMSB=1にしてアドレスを伝達、

それ以降の通常のデータはMSB=0としてデータを伝達することで、

アドレスとデータ本体の識別を容易にするための方式だからである。

RS-232のような1対1通信の場合はそもそもこういう方法が必要ないと。


マイコンの開発ツールでUARTの設定をするときに9bitって設定がなくて、

あれ? と思ったのだが、ちゃんとマニュアルを見たら9bitってのはあった。

この9bit通信というのは8bit+パリティのパリティに相当する部分をアドレス識別用に使うというものである。

というのもUARTは通常LSBファーストで伝送され、最終ビット=MSBの次にパリティを付ける場合がある。

ということは9bit通信のMSBは8bit通信にパリティを付けた場合のパリティの位置である。

このあたりの言い方はマイコンにより差があるかもしれない。

RS-485通信をモニタリングする機器を取り付けていたのだが、

こちらでは8bit通信でパリティビットを任意設定できる設定にすることで、9bit通信に対応できるようだ。


さらにこのMSB=1でアドレスを伝達することに特化した機能をハードウェアレベルで備えていて、

というのも、指定のアドレスデータのみを受信するという設定が可能なためである。

これは今まで使ったことがなかったので全然知らなかったのだが、

他のマイコンでもこういう機能はわりと備えているようである。

アドレス0x5Aの機器は普段は 0x15A の9bitデータ以外は無視する設定にしておく。

こうすると{0x123,0x030,0x04A,0x05A,0xFF} のような通信には一切反応しない。

データ本体に0x5Aを含んでいても、MSB=0なのでアドレスではないと容易に識別できる。


その上で {0x15A,0x020,0x043,0x091,0x070}という通信が来た場合、

0x15Aというデータを受信した時点で割り込みが入るようにしておけば、

ここでアドレスデータのみ受信する設定を一旦解除する。

すると後続の{0x020,0x043,0x091,0x070}を受信できるようになる。

所望のデータを受信できたら元の設定に戻して、自分のアドレス以外の通信を無視するようにする。

こうすれば無駄な受信処理が発生しないというわけである。

そんなことできるのか。


というわけでわりと理にかなった機能だったらしい。

なんでマイコンの開発ツールで9bit設定が見えなかったのかわからないけど、

レジスタに適切な設定をすればちゃんとそのように動作していた。

さっきも書いたように1対1通信ではそもそもいらない機能なので、

代表的な設定ではないということで除けられたのかもしれない。

実際の製品では直接レジスタ操作で設定するので特に問題ないですが。

パトカーで犯罪率が下がるゲーム

1ヶ月ぶりぐらいにCities:Skylines2で遊んでいたら、

アップデートでいろいろ変わっていたが、特に変化が大きかったのが警察。

従来は全く問題なかったはずの治安の指標が「高犯罪率」になってしまった。


理由は警察がパトロールで巡回することで治安が改善する仕組みになったため。

従来は警察の車というのは事件があったときに出て行くだけだった。

なので車の台数が足りないということはあまりなかった。

アップデートにより車の台数や道路での往来のしやすさが治安に影響するということで、

車両数が多い警察署を道路の便がよいところに建て直した。

これにより治安は急激に改善していった。


日本の警察では交番・駐在所が定期的に各戸を巡回している。

その交番の管轄だったのか

郊外だとパトカーでの巡回かもしれないが、市街地では徒歩・自転車だろう。

警察が定期的に顔を見せておけば、犯罪率が下がるという発想は同じだな。

現在は交番・駐在所の体制強化のために集約が進む傾向がある。

どうしても常時人を貼り付けるというのは大変なことなので。

集約した分は警察署のパトロールとの組み合わせで対応しているとのことで、

実態としてはパトカーが巡回することで犯罪率が下がる仕組みに近いのかもしれない。


この結果、市内を警察車両がうろちょろする状態になった。

ゴミ収集車も大概多いが、感覚的にはそれより多いんじゃないかというほど。

よく確認してないけど、警察車両が街中にたくさんいると、

犯罪が行われたときに逮捕できる確率が上がるかもしれない。

他にも逮捕周りの仕様変更があり、従来より拘置施設の稼働率が上がるという話も。

とはいえ、パトカーのカバーエリアの方が重要だと思うけど。


Cities:Skyline2は各種の施設のカバーエリアの決まり方はいろいろある。

医療・消防・公園といったところは、道路での距離と沿線人口で決まるようである。

人口密度が低い地域ならば同じ施設でも広くカバーできるし、

人口密度が高い地域は大規模な施設でも狭い範囲しかカバーできない。

医療機関のカバー範囲では健康度が改善し、消防のカバー範囲では火災発生率が下がり、

そもそも救急車・消防車の出動が減るという仕組みである。

(この手のゲームでは当たり前だが、救急車の出動元は医療機関である)

従来は警察もこの手の施設で、カバー範囲の犯罪率を下げて、パトカーの出動自体が減っていたと。


ゴミ処理、郵便といったところは実際に車両が巡回することで改善する。

ゴミや郵便が貯まって処理されなくなると企業活動の効率が下がったり幸福度が下がると。

各種施設から遠くても処理さえ間に合えばよいとも言えるし、車両数がカバー範囲として重要になってくる。

現在の警察はこちらの考えになったわけですね。


あと死亡率も下がったみたいですね。

なんか異様に死者数が多くて、霊柩車が街中を駆け巡っていて異様だったけど、

それも落ち着いたようで今はそこまででもないみたい。

けっこうこのあたりは仕様変更の影響は大きいんですよね。