ゲーム開発は衣装デザインを含む

昨日、東京に出かけていて、これを観に行っていた。

THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 10th ANNIVERSARY M@GICALCOLLECTION!!! (東京アニメセンター)

昨年から今年にかけてアイドルマスターシンデレラガールズは10周年ライブツアーということで、5会場を回ってきた。

その衣装やらステージのことを展示をもって振り返るということである。

シンデレラガールズとしては昨年11月~今年1月にそれ以前の衣装を振り返る展示を行っていて、

さらに言えば2020年1~2月には同じくアイドルマスターシリーズで、ミリオンライブの衣装展が行われている。

この当時の東京アニメセンターは市谷のDNPプラザ内にあったのだが。


今の東京アニメセンターは渋谷MODI内にある。

マルイなんですけど、マルイの中では専門店主体の店舗という位置づけらしい。

マルイってアニメ・ゲーム関係の特設店舗をやったり、エポスカードで特別デザインのカードを出したり、どうもこの分野に興味があると。

そういう背景があっての東京アニメセンターの招致だったのかもしれないが、

問題は狭いこと。展示スペースの狭さは異常である。

市谷のときも広いとは思わんかったが、まだここよりはマシ。

ただ、この施設は展示だけではなく、グッズ販売を行うアンテナショップの一面もあり、それを考えると渋谷の方がいいんかなとも思う。


今回のライブ用の衣装、基本的にはシンデレラガールズのゲーム開発を委託されているCygamesがデザインしたものらしい。

なぜかというとゲーム内で使う予定があったからである。

そのためゲーム内の3Dモデルを意識して衣装のデザインは決めているようだ。

もっともゲーム内で使うと言っても絵だけの場合もあるけど。

一方で実際に人が着る衣装としたときにどうなるかということも考えてあって、そこの違いも図示されていた。

実際にこれを布で作るにあたっては多少アレンジは入るらしいが、

しかしそれ以前の段階でここまで出来ていれば最小限で済みそうな感じはする。


それにしてもそこまでCygamesに委ねられてるんですね。

確かにシンデレラガールズが始まった2011年当時、バンダイナムコにはソーシャルゲームのノウハウがなく、それで頼ったのがCygamesだったのだけど。

ただ、その当時のCygamesのヒット作といえば神撃のバハムートである。

アイドルゲームとはだいぶ違うわけで、そこにはバンダイナムコのノウハウがあると思っていたが。

しかも当時は絵だけの世界で、人が着るステージ衣装との関係はなかったはず。

だから、この当時はゲーム内の衣装と人が着る衣装を同時に作るという発想はなかったと思うのだけど、果たしてどうなのか。

明確に結びついたのは2018年にアイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(デレステ)の1周年衣装「アクロス・ザ・スターズ」を同年ステージで着たことのような気がする。

ただ、ゲーム内の衣装と人が着る衣装を同時にデザインしたかは不明である。


アイドルマスターのステージ衣装では当たり前になっているが、

ゲーム内の衣装を布で作る上で重要な技術がプリント生地である。

絵が先にあるので、世の中にある布の柄から選んで作ると同じものにならないので、

絵にある柄の布を少量だけ印刷で作ると。こういうことがよく行われている。

今回の新衣装「シンデレラ・コレクション」は完全にこれをあてにしている。

1人1人全く違う柄の布を使っていて、これはゲームに登場する全員分についてデザインしていて、これだけなら絵だけの問題だが、

この一部は実際に人が着るのが決まっているので、プリント生地は前提条件である。

なかなか手が込んでいるが、そのアイドルらしさを表す柄になっていて面白い。


Cygamesにとってはシンデレラガールズのコンテンツ作りから学ぶことは多かったとみられ、

それが「グランブルーファンタジー」「プリンセスコネクト!Re:Dive」のヒットにつながったんだろうし、

なにより最近では「ウマ娘 プリティーダービー」である。

これもステージ衣装とゲーム内衣装を連動させて作っている部分はあると思う。

そうか、自社製品でこんなことやってる会社なんだから、シンデレラガールズでできないわけはないんですよね。


2016年のシンデレラガールズ4thライブで度肝を抜いた個別衣装は、

だいたいモチーフとなるゲームの衣装があったが、そのまま作れたものはほとんどなかったと思う。

いろいろな手が加わっていて、中にはほぼオリジナルというものもあった。

この衣装のこの要素とか、そういうのを拾い集めた結果なんですけどね。

こういうのはやはり衣装作りのプロの腕の見せ所だったんじゃないかなと思う。

あれは本当に大変だったと思うけどね。

実は厳しい期日前投票の要件

こんなニュースがあったのですが。

選択肢に「介護」なく 選管職員が期日前投票拒む 名古屋市 (産経新聞)

宣誓書の選択肢が選べなくて、期日前投票できなかったという話。

どれを選べばよいかは、投票の背景を説明すれば教えてくれると思うのだが、

職員が積極的に聞き取ることはなく、どれか選ばないと投票できないとしたことが問題である。

投票に来た有権者にも落ち度はあるような気はするが、職員の対応に問題があったということである。


でも在宅での家族の介護ってどの選択肢になるんだろう?

最初に思ったのは「病気等」の選択肢だが、家族の介護って自分の病気ではないよなぁと。

そこで公職選挙法の期日前投票の規定を確認したら、厳密なことをいうと期日前投票の条件はかなり限られていることがわかった。


第四十八条の二 選挙の当日に次の各号に掲げる事由のいずれかに該当すると見込まれる選挙人の投票については(略)期日前投票所において、行わせることができる。

一 職務若しくは業務又は総務省令で定める用務に従事すること。

二 用務(前号の総務省令で定めるものを除く。)又は事故のためその属する投票区の区域外に旅行又は滞在をすること。

三 疾病、負傷、妊娠、老衰若しくは身体の障害のため若しくは産褥じよくにあるため歩行が困難であること又は刑事施設、労役場、監置場、少年院、少年鑑別所若しくは婦人補導院に収容されていること。

四 交通至難の島その他の地で総務省令で定める地域に居住していること又は当該地域に滞在をすること。

五 その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。

六 天災又は悪天候により投票所に到達することが困難であること。

1~6の理由が見込まれることが条件となっている。

実際には状況が変わってこれらの条件を満たさなくなってもよいが、投票時点ではいずれかの見込みが必要である。


さて、それでそれぞれの理由を詳しく見てみると、

1.は総務省令という言葉が出てくるが、これは公職選挙法施行規則ですね。

これを見るといろいろ書いてあるのだが簡潔に言えば冠婚葬祭ですね。

このためうちの市の宣誓書には「仕事等」というくくりで「仕事、学業、地域行事の役員の仕事、本人又は親族の冠婚葬祭、その他」と書かれている。

2.は投票区外に外出することである。外出の理由は問わないが、自宅近くだと条件を満たさないし、ましてや在宅では該当しない。

1.も外出という点では同じような気はするが、在宅での仕事や、自宅近くでの葬式や地域の仕事も対象になるので、これが1.と2.の要因を区別する理由である。

3.は完結に書けば「歩行困難または刑事施設に収容」ということになる。

これはうちの市の宣誓書では「病気等」というくくりになるのだが、

条文上は、病気などの理由で歩行困難でなければ期日前投票できないように読める。

おそらくそこまで厳しく捉えられてはいないと思うのだが……

5.は他市町村での不在者投票の対象としてよく知られている。

6.は台風による悪天候が見込まれるときや、災害からの避難中に使われる。

新型コロナウイルス対策で混雑を忌避して期日前投票する場合もここに該当するという。


4.はほとんど該当する人はいないので、宣誓書の選択肢に書かれていないこともある。

無人島なのに期日前投票? 投票所入場券の謎、記者がたどった (朝日新聞デジタル)

総務省令(公職選挙法施行規則)で定める地域というのは相当限られた地域である。

しかも、そこに挙げられた地域には無人地帯も多い。

東京都では小笠原村の硫黄島・南鳥島・母島が該当する。

硫黄島は自衛隊、南鳥島は気象庁関係など、仕事か他市町村居住を理由とした不在者投票が行われる。

母島は普通に投票所があるが繰り上げ投票になる。(期日前投票所もある)

輪島市の舳倉島(投票箱が運べなくなる懸念から島内には当日の投票所がなく、臨時の期日前投票所が設けられる)のような例外はあるが、ほとんど機能していない。


冒頭に出てきた人の場合、どこに該当するのか。この条文からはわかりにくい。

普通に歩けて、在宅の理由が一般的な家事ならば、対象にはならなさそうだ。

ただ、おそらくは在宅での介護は「職務又は業務」に該当するとみられる。

このため「仕事」を選べばよかったわけである。


最近は当日の投票所設置が人員配置の面で難しいということで、

投票所を集約して、期日前投票所の巡回で対応するケースが増えている。

巡回の期日前投票所は選択肢の1つで、常設の期日前投票所の近くに行くときに投票することもあるし、むしろそっちの方が多そう。

あるいは従来より遠くなるとしても、当日に投票できる投票所もある。

しかし、よくよく考えてみると当日在宅の人は、さっき書いた舳倉島のような例外を除けば、投票所が遠いというだけで期日前投票はできないのである。

実際、どういう理由を選んでいるのか。

巡回投票所を使うのは高齢者が多いだろうから「病気等」を選んでいるのか、

外出する可能性もあると汎用的な「レジャー・用事等」を選んでいるのか。


なかなか実態に即しているとは言いがたいが、期日前投票制度が始まってからはあまりあれこれ言われることもなくなった。

不在者投票できる条件について、詳しく解説することもない。

宣誓書の「病気等」という選択肢は、条文上は「歩行困難」なのが条件だが、そこまで厳しいと思わせない記載になっている。

これは意図的に誤解を狙っているのだと思う。

実際には「レジャー・用事等」を選ぶべき、歩行困難とまで言えない人の通院・入院でも「病気等」を選んでいることは多いと思う。

でも、それを問いただすことはないので判明することはない。


そもそも期日前投票の宣誓書っているの? という話もある。

今住んでいる市では投票所入場券の裏面に宣誓書が刷り込まれている。

これに記載すると期日前投票所で渡すだけで投票できると。

期日前投票の場合、投票所入場券を持たずに来る人の割合は当日よりは多いとみられる。

このため投票所にある宣誓書に必要事項を書いてもらった方が好都合というのはあるかもしれない。

とはいえ、大半の人は投票所入場券を持参して、期日前投票に来るんですよね。

宣誓書にはなんとなく記載されていることを確認して、あとは入場券のバーコードを読み取って、氏名を確認して投票用紙を渡して、書類を回収するだけである。

回収した宣誓書の集計は別途行うかも知れないが、その程度である。


このあたりは不在者投票の制度をそのまま引き継いだことが問題なのかも。

もともと不在者投票の条件はそこそこ厳格だったし、投票用紙の郵送先などの情報が必要なので、何らか書類の提出が必要なのは確かである。

しかし期日前投票になって、投票所入場券を持参して、その場で投票して帰るだけの人に追加で得るべき情報は、期日前投票を行う理由程度である。

そもそもその理由だってだいぶいい加減な運用がされているのだから、

それってそもそも必要なの? というのはもっともな指摘である。


郵便での不在者投票とか、職員以外による代筆とかは、不正投票の原因にならないかとか、選挙の秘密への懸念などの心配があり、難しい面がある。

ただ、期日前投票についてはそういう懸念はあまりなくて、やりたければどうぞという感じの制度である。

なので、あれこれ細かい事を言わんでいいような気はする。

ほとんどはかつての不在者投票の名残だと思うのだが……

もうちょっと広く「当日に投票所に到達することが困難と見込まれる」とすればよくて、それが事実であることを宣誓させるほどでもない気がする。

投票所入場券のない人は、宣誓書のような紙に書いてもらったほうがよいが、それはまた別の問題でしょう。

段差解消はされているが実用的ではない?

新築移転を予定している愛知県体育館についてバリアフリーの観点で問題が指摘されているというニュースを見て、

障害者団体が騒いでるからと言って真に受けて良いものかと思いつつ、

詳しい事情を見てみると、確かにこれはかなりキツイぞと思った。

【独自】隈研吾氏デザインの愛知県新体育館にバリアフリーの大問題 26年アジア大会に影響も (Yahoo!ニュース)


問題となっているのが、体育館のメインの入口が2階で、

そこへ至るルートは基本的に大階段となっているということである。

とはいえ、階段以外のルートがないわけではない。階段の右側にエレベータ1基ある。

ただ、エレベータが比較的小型のもので、なおかつ多くの来場者が見込まれる体育館なので、これは厳しいのではないかということだった。

その後、エスカレータの追加、スロープの追加、エレベータの大型化という方針が出てきたが、

もともと大階段をメインルートとしてきた都合、無理のある導線が多く、

後付けで仕方なく付けるのならこれもやむを得ないけど、公共施設のバリアフリー化が当たり前になった新築される施設とは思えない状況になっている。


どうしてこんな計画が出来てしまったのか。

まず、このような体育館では来場者と関係者の導線を分けることが好ましい。

また名古屋城跡に立地する都合、埋蔵文化財の保護の観点で地下に掘るのは難しい。

このため、関係者は1階・来場者は2階から入ることを基本としたわけである。

このような構造は珍しいものではないが、2階への導線が大階段に集中することが問題である。

大階段の構造上、エレベータは少し離れた場所に置かざるを得ない。


そこで使えるエレベータが1基のみというのは貧弱に見えるが、実は建物内には4基のエレベータがあるのだそう。

ただ、そのためには1階から体育館に入る必要があるが、

さっき「関係者は1階・来場者は2階から入ることを基本」と書いた通りで、

イベントの運営上の都合で1階からの出入りは限定的にしかできない可能性がある。

車いすでの来場者に対して特別扱いすることは可能だと思うが、

足が使えても大階段を上るのはきついと思う人も多そうである。

そういう人の迂回ルートは当初計画では離れた場所にあるエレベータ1基しかなく、

この1基でOKとしてのには、無理をして階段を上らせるからというのもあったのかもしれない。


これを見て思いだしたのが、大阪駅の北側、アトリウム広場に設置された仮設エレベータのことである。

大阪駅の北側にはJR高速バスターミナルがあるが、ここは横断禁止である。

梅田地区は安全面から横断禁止箇所が多く、地上を歩くのはなかなか大変である。

アトリウム広場は高速バスターミナルを乗り越え、駅北側を結ぶ役割を果たしている。

ただ、この広場は本来ならばグランフロント大阪につながるはずだったが、開業が遅れていた。

このため、北側へのアクセスを確保するために広場に穴を開けて仮設階段を付けた。

階段を利用できない場合、ノースゲートビルディング内のエレベータが利用できるとはなっていたのだが、このエレベータはひどく混み合う。

どれぐらい混むかというと11階の映画館にエスカレータでの来場を推奨する掲示があるほど。

これは問題だということで、仮設階段脇に仮設エレベータを設置することになった。

現在はグランフロントへの通路に階段・エレベータが取り付けられ、仮設階段・エレベータは撤去されている。

また、道路を挟んで向かいなのにどうにも往来しにくいヨドバシ梅田との間に数本の歩道橋が架けられ、デッキレベルでの回遊性が上がった。


理屈上は段差なしでの移動ができるように作ってあっても、

エレベータの目的・大きさ・混雑などによって目的を達成できないことはあるということ。

大阪駅のアトリウム広場については、グランフロントと開業時期がずれたことによるもので、最低限の段差解消はできているから、当面はこれで乗りきるのは理解できる面はある。

迂回を促すなどの方法もあるが、高速バスターミナルのために歩行者通路を分断した経緯もあるので、仮設エレベータの設置をせざるを得なかったとも言える。


愛知県体育館の件も理屈上はこれで段差解消はできているのだが、

実際の利用者の導線を考えるとどうにも無理がある。

1階から来場者が自由に入れるのなら、確かに問題はないのだが、

それだと関係者の導線と錯綜するから、一般の来場者は2階から入る導線をメインにしたんじゃないかと問われると苦しい。

打開策はいろいろあると思うのだが、根本的な構造を見直さないと、本質的な解決にはならないような気がする。

ただ、それをするとアジア大会をターゲットした開業予定が変わってしまいかねない。


ちなみにこの新体育館のプロジェクトはPFIということで、

民間事業者(前田建設工業・NTTドコモ他)が建設・運営をするという形で、

この仕組みゆえに多目的利用で稼げることが求められた面はあると思う。

そのことと、無理のある来場者導線ができたことを結びつけることは適切ではないかもしれないが、

ただ、愛知県が当初思い描いていた施設配置とはかなり違ったのは確かで、

このため愛知県は「車いす以外の利用者もエレベーターが利用できるよう配慮すること」などの要望を出していた。

それを考慮した結果がこれなのか? という話である。

保険料払っているの半分だぞ

驚いたけど、まぁそうかもなと。

国民年金保険料 未納者+免除・猶予者で5割超 低年金に陥る恐れも (朝日新聞デジタル)

国民年金保険料を納めるべき人のうち、実際に保険料を納めているのは半分もおらず、

全額免除が382万人、納付猶予が230万人と多い。未納者は106万人だが減少している。

納付猶予については追って納付しなければ、未納と同じ扱いになるが、今納めなくてもよいことには違いない。


これでも年金給付への影響はそこまでない。

そもそも公的年金加入者が6725万人いる中で、厚生年金に加入しているのが4531万人、その配偶者で国民年金第3号被保険者が763万人。

すなわち8割近くは厚生年金から基礎年金勘定に繰り入れられている。

残り2割程度が国民年金保険料で賄う部分だが、

そもそも基礎年金の半分は税金で賄われており、免除でも半額は入ってくる。

納付猶予については追って納付されることが前提なので少し違う気がするけど、

基礎年金全体としては9割以上は確保できているので、大きな問題はないわけである。


こういうことになっている要因の1つには厚生年金の加入範囲拡大というのもありそうですが。

すなわち安定的な収入があり、国民年金保険料を納めていたような人は、厚生年金に移行していったということである。

納付猶予の割合が高いのも学生納付特例によるところが大きい。

年齢階級別で見ると20~24歳が24%を占めているのは日本に人口分布にしては異常であるが、その理由はそこにあると。

もっともこの場合は追納しなければならないが。


厚生年金のおかげでそれなりに基礎年金は安定しているが、

ただ、それだけに国民年金保険料が負担能力に見合っているのか見逃されてきたのかなと。

保険料免除の場合、年金が目減りするので、免除期間が長期間に及ぶと低年金の懸念がある。

また、納付猶予の場合は、後に追納できないと、それで目減りしてしまう。

免除・猶予の先に厚生年金への加入、あるいは安定して国民年金保険料が納められる所得が得られれば、そうである保証はない。

国民年金第1号被保険者の半分が保険料を払っていないということは、

免除・猶予が続き、当然追納も難しい人が相当いるということである。

そういう人が年金によらず生活できる備えがあるとも思えず、となれば……

なかなか公的年金もままならないものである。

ポスター掲示板を増設する理由

今日は参議院議員選挙の公示日、ということで各地で立候補受付があったわけだが、

先週、東京都ではポスター掲示板の増設工事がせっせと行われていた。

参院選東京選挙区 候補者ポスター掲示板の枠を増やす作業進む (NHK)

ただ、結果的に言えばこの増設部分の出番はないようだ。


東京都も市区町村によるとは思うが、だいたい同じタイプの掲示板を使っている。

今回の場合、当初貼られていた掲示板は 縦3枠×横12枠の36枠が切られ、

右上から2枠は掲示板の説明書きが記載されている。

そして、右から2列目から、右から左に向けて1,2,3…11と番号が振られ、

次の行には右から左に向けて12,13…22と振られている。

そして最も下の列は注意書きの下に34、続いて右から左に23,24…33となっている。

34番の掲示場所が変則的だが、最大34番までポスターを貼れるように見える。

でも実は35番・36番枠も存在する。それは説明書きが書かれた2枠にも35・36番が振られているためである。

実は一番右の列は下から34,35,36となっているのである。

なお、市区町村によっては同じような掲示板でも34番も説明書きに使っていることがある。(34番枠の内容はたいてい重要度は低いので潰れてもほぼ問題はないが)


実際には34~36番枠は予備として考えているのだと思う。

ここに貼られてしまうと説明書きが消えてしまうなどの問題もありますから。

でも、注意書きがつぶされたとしても、貼れないよりはずっとよい。

もし一部の候補者がポスターを貼れないとなれば、公平性を欠くことになり問題である。

だから、よく考えられた仕組みだなとは思っていた。


さて、冒頭に書いた通り、東京都は各市区町村にポスター掲示板の増設を指示した。

ニュースによればトリガーとなったのは、書類の事前審査に来た人が30人を超えたあたりだとみられる。

公示まであと1週間ぐらいあるので、まだ立候補を考える人が増える可能性はある。

増設には増設分の板を準備して、作業者を確保してと、どうしても時間がかかる。

もっとも恐れるべきことはポスターの貼れない候補者が出ることである。


増設された掲示板は、従来の掲示板の左か上に3枠分足され、

その3枠は7・38番枠、そして39番枠に掲示板の説明が記載されている。

3枠増やしたわけだが、35・36番枠に貼られると掲示板の説明が潰れることを考えれば、35番枠以降にポスターが貼られれば増設部分の意味はありそうだ。


そして告示日、東京都選挙区の立候補者は34人で締め切られたようだ。

結果としては掲示板の説明書きが潰れない34番までで足りたので、

増設部分の意味は特になく、転ばぬ先の杖ということだったと思う。

一応、補充立候補という制度があって、立候補者が亡くなった場合、追加の立候補者を立てられる制度がある。

近年で話題となったのは2007年の長崎市長選挙で、現職の市長が再選を目指して立候補するも選挙期間中に暴力団に射殺されるという事件が起きた。

2名補充立候補し、市職員から補充立候補した田上富久さんが当選、再選して現在も長崎市長である。

もしも補充立候補があれば、実際に増設枠の意味も出てくるのかも知れないが、稀なことではある。


それにしても東京都選挙区の立候補者数の多さは異常である。

当然、改選数6と多いことは背景の1つとしてある。

確かに国政政党だけでも14人立候補者を立ててますからね。

ただ、国政政党の候補者でも半分ぐらいはほぼ勝ち目はないような気はするんですけどね。

国政政党というのは比例代表の得票率2%以上などの要件を満たした政党を言うが、

政党要件ギリギリの党勢で当選者を出すのはいくら東京都選挙区でも厳しい。

よっぽど他党支持者を巻き込める自信があるならよいが……


それにも増して無所属・国政政党以外の政治団体を名乗る候補者が多すぎる。

もちろんこれらの候補者の中に有力候補がないという話でもない。

国政政党との関係性や地方議会での活動など、軽視できない候補者もいるから。

ただ、大半は本当に怪しいものである。活動体制も脆弱とみられる。

ゆえに39番枠まで用意したポスター掲示板も1/3程度しか埋まらないのが実情である。

東京都選挙区にこのような候補者が集中するのは改選数6だからというのもあるかもしれないが、東京の選挙区だからというのはあると思う。

特に参議院の選挙区立候補者は必ず政見放送を流すことが出来る。

衆議院の政見放送は大変

こういうところも狙っているのではないかなと思う。


正直なところ、巨大なポスター掲示板を用意して、ましてそれを増設するなんて、

それは東京都選挙区の選挙の実態に見合った内容なのかなと思うんですけどね。

ただ、今の供託金でも高いと言われる状況で、なにがよいのかは難題である。

選挙は我々の生活によい影響も悪い影響もあると思うが、

当選可能性が低い候補者が乱立することは騒音など生活にとって悪い影響があると思う。

民主主義のコストとしてある程度は受け入れるべきものだが、

参議院の東京都選挙区ほどになるとさすがに度が過ぎている。どうにかならんものか。


あと、ポスター増設の引き金を引いたのは、おそらくはとある政党の立候補者擁立方針によるものだと思う。

兵庫県選挙区でもポスター増設が行われたニュースがあったが、

実は東京都だけのことではないんですね。全国的に多いんですよ。

全国の選挙区の立候補者数をみると、異様なまでに立候補者の多い政党がある。

よりによって政党要件を満たしている政党だからタチが悪い。

もちろん1つの政党だけに原因があるわけではないけど、最後のトリガーを引いたのはここなんだろうなと思いますね。

元々、ある程度余裕があると思って準備していたはずですから。

ヨーロピアンスタイルの3歳ダート三冠

昨日から話題になっているのですが。

3歳ダート三冠競走を中心とした2・3歳馬競走の体系整備について (地方競馬全国協会)

従来、南関東所属3歳馬で争われていた羽田盃・東京ダービーをJRA所属馬を含む全国の馬に開放し、JpnI格付けを取得、

現在のジャパンダートダービーについては名称変更の上、10月上旬の開催とする。

これにより日本の3歳ダート三冠が大井競馬場に揃うことになるというもの。

あわせて、園田競馬場で3歳限定で行われている兵庫チャンピオンシップ(JpnII)について、

1400m戦に変更し、ダートの3歳短距離チャンピオン決定戦にするとのこと。

園田競馬場は日本一コンパクトな競馬場で、大半が1400m戦を占めるという特徴もあり、これにより園田で開催される中央・地方交流重賞は全て1400mになる。


以前こんな話を書いたことがある。

世界的に見れば、アメリカのクラシック三冠も有名だという。

ケンタッキーダービー・プリークネスステークス・ベルモントステークスの3レースで勝利することで、

期間は5~6月で中1~2週と詰まっていて、距離のバリエーションは約2000m、約1900m、約2400mで、全部ダート。

日本の地方競馬もダート競馬だからか、3歳馬の三冠はこのスタイルに近いのかなと。さすがにここまでの短期決戦ではないが。

(三冠最終決戦とは)

芝ではイギリスのクラシック競走に準ずる5レースがあり、このタイプのクラシック三冠がまともに成立しているのは日本ぐらいと言われている。

日本では牝馬三冠最終戦の秋華賞も加わり、牝馬ではこちらの三冠が目標になる。

このタイプの特徴の1つが春2戦・秋1戦という構成であるが、秋になると4歳以上馬と混ざってレースに出られるため、ヨーロッパでの三冠の形骸化につながったとも。

これに対してアメリカの三冠は春に短期集中で3戦行うということである。


日本のダート競馬もこれを参考にしてきたところが多く、各地の地方競馬にあるご当地の三冠シリーズもアメリカンスタイルが主流と思っていた。

ただ、実際にアメリカンスタイルなのは南関東と兵庫(園田)の2つぐらい。

南関東は下記3レースで三冠、

  • 羽田盃(4月下旬~5月上旬・大井1800m)
  • 東京ダービー(6月上旬・大井2000m)
  • ジャパンダートダービー(7月上旬・大井2000m) JpnI(中央・地方全国交流)

あと、ここは牝馬三冠もある。

  • 桜花賞(3月下旬・浦和1600m→来年から1500m) 地方全国交流
  • 東京プリンセス賞(4月下旬~5月上旬・大井1800m)
  • 関東オークス(6月中旬・川崎2100m) JpnII(中央・地方全国交流)

兵庫は下記3レースで三冠である。

  • 菊水賞(4月上旬・1700m)
  • 兵庫チャンピオンシップ(5月上旬・1800m) JpnII(中央・地方全国交流)
  • 兵庫ダービー(6月上旬・1800m)

問題はJRA勢が来る交流重賞で、地元馬限定のレースがあるから三冠挑戦権は地元馬しかないが、地元勢が交流重賞で勝つことは難しい。


地方競馬ではダービーシリーズとして6月に各地のご当地ダービーを固めている。

高知優駿(黒潮ダービー)と門別の北海優駿は地方全国交流、他は地元馬のみである。

同時期にJRAではユニコーンステークス(GIII)が行われ、

これらの上位馬がジャパンダートダービーに集い、3歳ダート王を争う――

というのは建前で、実際にはジャパンダートダービーにはJRA勢と南関東勢以外はあまりいないという。

これは勝ち目がないという判断もあるのだろう。

実際には各地の3歳チャンピオンが集まるという性格が強いのは、

10月上旬に盛岡で行われるダービーグランプリ(地方全国交流)だという。

この前哨戦を「3歳秋のチャンピオンシップ」としてシリーズ化している。


アメリカンスタイルと書いた南関東と兵庫の三冠シリーズだが、

このうち一冠は現実には難しく、一方で秋にはダービーグランプリの前哨戦がある。

北海道・岩手・高知・佐賀では、ダービーの前哨戦・ダービー(ダービーシリーズ)・ダービーグランプリの前哨戦(3歳秋のチャンピオンシップ)で三冠である。

南関東・兵庫も実際にはこれに近い実情もあったんだと思う。


新しい3歳ダート三冠では春2戦・秋1戦だから、完全にヨーロピアンスタイルである。

ジャパンダートダービーが10月上旬に移るが、これは現在のダービーグランプリの位置である。

現在のジャパンダートダービーは各地の3歳チャンピオンが集まるのは難しい。

現在のダービーグランプリの時期にJRAを含め夏を越えて強くなった馬が集まるのが適しているというのはなるほどと思った。

ダービーグランプリを交流重賞にせずに、ジャパンダートダービーの移設という形を取ったのは、すぐにG1級のレースにできるからだろう。

大井競馬が主催者であることで高額賞金のアテがあるのも好都合である。


新しい3歳ダート三冠は立場によって異なるメリット・デメリットがある。

わかりやすいのがJRA所属馬にとってのメリット。

ジャパンダートダービー(1着賞金6000万円)に代えて、新しい三冠(羽田盃5000万円・東京ダービー1億円・新ジャパンダートダービー7000万円)が目標となる。

JRAでは年間レース数の兼ね合いもあり、ダートまで手が回らなかったので、大井でやってもらえることはありがたいことである。

おそらくJRAにもこれにふさわしい前哨戦も整備されるのだと思う。

2歳・3歳のダートOPクラスのレースはいずれも重賞(GIII)やリステッドになれる実績はあるので、ダート三冠を念頭に再配置するのだろう。

課題は国際的な格付けがないこと。

いきなりG1級のJpnIの格付けが付くのは日本ローカル格付けだからこそである。

将来的には国際競走にという構想はあるだろうが、格下げは受け入れたくないだろう。

今のジャパンダートダービーはG2になれるかどうかというレベル。国際G1への道は遠い。

最近はダートも外国遠征が行われることが増えたが、せっかくのダービーでの戦績も国際的にはリステッド扱いでは……というのはある。


大井競馬にとっての明確なメリットは馬券売上である。

やはりJRA所属馬もやってきてハイレベルな争いとなれば注目度は高い。

新しいダート三冠の賞金はJRA所属馬に持って行かれる分もあるが、

そこで得た馬券売上で前哨戦の充実、あるいは条件戦の賞金引き上げなど、地元馬に還元できる分も増えると読んでいるのだと思う。

ただ、大きな課題があって、それはご当地ダービーを失うことである。

従来は東京ダービーがあるから、南関東所属を選ぶ馬も少なくなかったとみられる。

2016年の東京ダービーを優勝したバルダッサーレは、JRAからの移籍初戦が東京ダービーで明らかな東京ダービー目当ての移籍だった。

これは物議を醸し、東京ダービーの出走順は地方競馬の賞金で決めるルールになった。

そこまでした地元馬のダービーをJRA含め全国開放するなんてと思う人は多いのだろう。

ただ、昨年は船橋所属のミューチャリーとカジノフォンテンが、JRA勢を破りG1級のレースで2勝するなど、地方勢も強くなっている。

もしJRA勢を打破できれば、新しい三冠レースは従来より高額賞金である。

日本ダート競馬の主役は大井をはじめとする南関東だということで、強い馬が集まることに期待しているのではないか。


他の地方競馬主催者ですが、各地のダービーあるいは前哨戦の位置づけが変わることは間違いないと思う。

このためどのようになるかは見通せない部分は多い。

例えば、兵庫ダービーは地元馬のみで1着賞金2000万円を争うということで、

地元馬だけのレースでこの賞金の高さは魅力的だと言われており、今後も続けるのではないか。

もちろん兵庫から大井のダート三冠へ向かう選択肢もあるし、

兵庫チャンピオンシップを頂点とした3歳短距離王の道もできるが、

地元勢で争う兵庫ダービーが目標という馬は揃うでしょう。


門別はもともと門別デビューから移籍して東京ダービーを目指す馬を送り出してきた。

今後は門別所属でも東京ダービーは目指せることになる。

また門別で行われる北海優駿を含む三冠シリーズは地方全国交流競走である。

このため大井の三冠は厳しいけど、という馬の受け皿になる可能性がある。

同じようなことは同じく地方全国交流の高知優駿(黒潮ダービー)にもあると思う。


各主催者とも課題はいろいろあるが、日本ダート競馬の課題の1つを打開するために大井競馬が手を挙げたことは大きいのでは。

これと同じような形でダートの牝馬三冠も整備されるといいですけどね。

すでに関東オークス(JpnII)はありますが、同じく川崎では秋にロジータ記念がある。

関東オークスの前哨戦には大井の東京プリンセス賞がある。

また、2歳牝馬チャンピオン決定戦として年末に東京2歳優駿牝馬がある。

現状、JRAの前哨戦が散々(2歳・3歳という以前にダートでOPクラスの牝馬限定戦がない)なので、そこが整えられるかが課題である。

健康診断のデジタルトランスフォーメーション

今日は定期健康診断だったのだが、例年とはいろいろ変わっていた。

といっても項目は同じで、やり方が変わってたんですけど。


予兆は問診票を受け取ったときからあった。

これまではやや厚いOCR用紙が配布されていた。

そこに問診のマークをして、健康診断中に数字が記載されていくと。

ただ、今年届いたのはペラペラのコピー用紙に必要事項を印字したもの。

問診の記載事項は機械読み取りを想定したような感じだったが、

そのまま読み取ろうとすると機械に詰まったりしそうだなと思っていた。


ともあれ、検尿、検便(便潜血検査)を準備して、健康診断に向かった。

ちなみに検尿は就職から数年は健康診断会場で採取して、その場で試験紙で判定していた。

そのためにトイレの横に健康診断のときしか出番がなさそうな検尿ブースがあった。

それが2年前からだったか、家で採取する方法に変わった。

小学校の時からずっとそうだったので、こっちの方が慣れてるけど。

その後、会場となっていた建物の工事で検尿ブースは廃止された。

そこを見越しての自宅での採取への移行だったのかはよくわからないけど。


すると受付にはタブレットPCとラベルプリンターが置かれていて、

タブレットPCのカメラで問診票のQRコードを読み取り、ラベルシールを貼り、

検尿・検便にもラベルシールを貼り、という具合で。

以前はここでナンバリングスタンプ(指定回数押すと1カウントアップするスタンプ)を何枚かのシールに押して、このシールを検尿・検便・採血で貼っていた。

この先でも検査の度にQRコードを読み取り、ラベルシールをペタペタ貼っていた。

血圧計など、測定値が自動的にタブレットPCに転送される機器もあるようだ。

測定値を書いたラベルシールを記録紙に貼るのは、最後の診察の参考のためかね。


今まで唯一、デジタルデータで記録していたのがX線だった。

ここは以前からQRコードを使ってデータと紐付けを行っていた。

でもそれ以外は手書きだったり、心電図は記録紙をビローンと貼り付けていたほどである。

ナンバリングスタンプなんて、もう今どき見ないよね。

という状況からすれば本当に大きな変化である。

健康診断のことで別の話題を書こうと思ったけど、今日はとりあえずこれで。

夏休みはキャンペーンはあまり頼れない

夏休みの旅行の計画を今さら立てている。

今さらというのは7月早々に夏休みだから。もう2週間前だぞ。

しかし、これが案外難しい。


この夏の主な目的地は北海道の東部である。

高専の卒業旅行で札幌・小樽・旭川といったところへ行き、

2018年に札幌・洞爺湖(これは直前の土砂災害で変更した結果)・函館に行っている。

そういうところで行ったことがなくて面白そうだったのが、

網走・釧路・帯広といったあたりだったというわけである。

こういう構想は前々からあったのだが、計画は遅々として進まなかった。

サボってただけといえばそうだが、こういう話もあったので。

新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」導入を発表 観光庁 (NHK)

結果的には新しい補助制度を使うことは難しいことが判明した。

7月14日までは現在の県民割が続くためである。

もちろん東京都または近隣県が目的ならばそちらの適用を受けられるが、

今夏のターゲットとは考えてなかったので、これは仕方ない。


ただ、北海道は居住地によらず利用できる補助制度がいくつかある。

HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス (JR北海道)

なんと6日間にわたりJR北海道全線、特急含めて利用できて12000円である。

これは半額が北海道の補助により軽減されたものである。

汽車旅を前提とすればお得であることは間違えない。

ただしJR北海道の窓口で前日までの購入が必要で、補助金が切れると販売停止になる。

販売停止は起きないことを祈るしかないが、前日までの購入は可能な旅程になっている。


他に札幌市の「サッポロ割」など地域独自の補助制度もあるが、

こちらはサッポロ割は調べた限りでは完売してたり、他は旅程に合わなかったり。

元々札幌は行かないつもりだったのだが、サッポロ割抜きにしても安く、

列車は乗り放題ならそれでもいいかなという感じで入っている。

でも、札幌市内ではほとんど泊まるだけになりそうだが。


北海道は広いのでいろいろ制約は大きくて、

その上、夏休み期間でもないのに宿が枯れていて思ったように旅程が引けないとかあり、

正直これは厳しいなという旅程も出てきたが、全体としてはゆったりした日程になっている。

その分、滞在期間がかさむのに、補助がなくて、宿代もそんなに安くはないから、

正直どうかと思うところはあるけど、これは仕方ない。


2019年は夏は福岡県・熊本県へ行き、

2020年は静岡県に行ったり、GoToトラベルで広島県へ行き、京都旅行に北陸旅行を挟み込み、

2021年は和歌山県・兵庫県に足は伸ばしたが近畿圏の旅行ばかり。

東日本で泊まりがけの旅行が2018年以来で久しぶりなんじゃないかなぁ。河口湖は別として。

近畿圏はみどころが多い割に、親元を頼れたり、楽だから目的地になりがちだけど、

それだけでは面白くないとも思うので、いろいろ考えるんだけどね。

衆議院の政見放送は大変

昨日、衆議院の新しい区割りについて、

鳥取県に2選挙区あることが1票の格差是正の制約となっているということを書いた。

見た目では1票の格差はあまり変わらないが

この問題は鳥取県と他県、例えば島根県とまたがる選挙区を作れば打開でき、

鳥取・島根にまたがる生活圏があり、民放の放送区域も被っているなどの特徴もあり、

ここで県をまたぐ選挙区を作ることは現実的ではないかということを書いた。

ただ、政見放送に課題がありそうですねとも書いた。

衆議院議員選挙の政見放送ってけっこう大変なんですよね。


政見放送って見たり聞いたりしますかね? 僕はあまり見ないけど。

政見放送の対象となるのは衆議院議員・参議院議員・都道府県知事の選挙である。

これらは選挙区の範囲が広く、離島などの地理的断絶も問題になりやすい。

そんな中で候補者の主張を知る上では一定の価値を認めているのだと思う。

NHKと民放で分担して放送する仕組みだが、NHKの分担割合は高めである。

政見放送とともに経歴のみの読み上げでコンパクトに収めた経歴放送もあり、これはNHKでやっている。


それぞれの選挙での政見放送の方式だが、わかりやすいのが参議院の選挙区と都道府県知事である。

これは単純に立候補者それぞれについて、NHKのテレビ2回・ラジオ2回、民放で4回放送する。

民放はテレビ・ラジオの割合は都道府県ごとの事情に応じて決められ、

東京都知事選挙ではTOKYO MX(テレビ)で3回・ニッポン放送(ラジオ)で1回だが、

2019年の参議院議員選挙 東京都選挙区ではフジテレビで1回・ニッポン放送で3回となっている。

なお、ラジオはAMラジオを指すようで、埼玉県(県内のラジオ局はFMのみ)でも東京のAMラジオ局が放送している。

テレビの複数回の放送を複数の民放で分担するような場合もあり、

鳥取県・島根県選挙区では両県を放送区域とするテレビ3局・ラジオ1局が各1回ずつ分担している。


次に理解しやすいのが参議院の比例代表だが、これは全国1区なのでNHKで全国同時放送される。

立候補した人数によって放送回数が変わるが、最大でテレビ8回・ラジオ4回とのこと。

2019年の参議院議員選挙ではテレビ52回・ラジオ26回の放送枠が設けられ、

この中で立候補者数に応じた回数をくじ引きで決めた順番で埋めているというわけ。


難しいのが衆議院で、小選挙区は選挙区の数が多いので政党単位なんですね。

都道府県ごとに政党ごとの立候補者数に応じた放送回数が割りあてられる。

このため選挙区の数が多い都道府県では全体の放送回数も多めになる。

これは選挙区に無所属で立候補する場合は政見放送ができないことを表しているが、

政党要件を満たした政党、あるいは一定の条件を満たす政治団体であれば、

都道府県に1人でも立候補していれば、最低でもNHKテレビ1回・ラジオ1回・民放2回の政見放送ができる。

共産党が供託金没収レベルで勝ち目がないのに、県内で1選挙区だけ立候補しているのを見るが、これは政見放送のためという面もあるらしい。

比例代表の票の掘り起こしのために、選挙区の政見放送の機会を獲得したいと。


もう1つ厄介なのが比例代表のブロック制である。

だから参議院と違って全国一律というわけにいかないんですね。

放送回数がブロックごとの立候補者数により決まるのは参議院と同じだが、

北関東ブロック・東京ブロックではNHKテレビ・ラジオと民放で分担するようになっている。

ここだけ民放が出てくる理由はまさにブロック制のためである。


というのもNHKは関東地方ではテレビ・AMラジオの広域放送を行っている。

テレビは東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県、ラジオ第1は1都6県が1つの放送区域である。

この範囲内に衆議院比例代表は南関東(神奈川・千葉・山梨)・北関東(埼玉・茨城・群馬・栃木)・東京の3ブロックがあるため、比例代表だけでものすごい回数になる。

これに加えて1都6県それぞれの衆議院小選挙区の政見放送がある。

テレビで県域放送があっても東京からの電波を受信している地域もあることを考慮して、結局は1都6県全ての政見放送を流している。

(このような配慮は近畿2府4県、福岡県・佐賀県でも見られる)

このため、関東圏は政見放送を収めるのが大変なのである。


ただ、これだけの回数放送する割には内容は似たり寄ったりである。

というのも衆議院の政見放送は比例代表も小選挙区も政党単位である。

小選挙区の政見放送は全国共通部分+選挙区の候補者紹介という構成になっていることが多い。

比例代表についてはブロックごとに放送局で収録をするので全く同じことにはならないが、そもそも投票対象の政党はブロックごとの差はあまりない。

ブロックごとにアピールポイントがそんなに変わるとも思えないけど。

かなり冗長ではないかなと思う。


さて、冒頭に書いた話だが、都道府県・政党単位の政見放送であるならば、

県をまたぐ選挙区の候補者はどちらの政見放送に参加するべきなのかという話である。

1つは両県の政見放送に参加するという話で、一見すると面倒そうだが、

ほとんどの政党は共通部分+候補者紹介のビデオを自作しているので対応は容易そう。

もう1つは鳥取・島根ならではの方法で、2県合同で政見放送を作るというもの。

2県あわせた立候補者数によって放送回数が決まるようにすると。

鳥取・島根の場合、民放で放送されるのは鳥取県分も島根県分も両県で見ることができる。NHKはそれぞれの分しかやらないけどね。

それならば合同で政見放送を作った方が理にかなっているかもしれない。


しかし、政見放送ももうちょっと合理化できないものかね。

少なくとも関東圏の比例代表3ブロックを全部流すのは無駄だと思うが。

比例代表のブロック制って何のためにあるか意識してない人もいるかもしれないが、

小党乱立を防ぐための足切りが目的ということだと思う。

一番定数が多い近畿ブロックでも定数28だから、およそ3.5%の得票を得なければ1人も当選できないと。

逆に四国ブロックは6議席なので、15%ぐらいないと当選者を送り込めない。

地域差が多いことが問題である。中国と四国は1ブロックでいいと思うが。

こういう目的を実現するならば、全国1区でも得票率5%以下の政党は当選者なしとか、そういう制度にしてもいいはずなんだよね。

地域政党にはブロック制も意味があるかもしれないが、それで議員を送り込めた政党って新党大地(2005年・2009年・2012年に北海道ブロックで1議席)ぐらいでは?

得票率10%を超える都道府県があれば、当選を認めるとかそういう緩和策はあるかもしれませんが。

足切りに対して真っ向から向き合っていないという話なんですが。


なんで参議院議員選挙の直前に衆議院議員選挙の政見放送の難しさを説いてるのかという話だが、ちょっと気になったので書いた。

参議院はそこまで極端なことはないが、ただ関東圏のNHKでは1都6県の選挙区立候補者全員の政見放送を流す必要があり、

その中には改選数6ゆえに候補者が乱立する東京都選挙区がある。

巨大なポスター掲示板が準備されているけど、あれはどうにかならんのかね。

東京都なら小笠原村にも巨大な掲示板が用意されるが、ほとんど貼られないらしい。仕方ないね。

見た目では1票の格差はあまり変わらないが

ニュースになっていたのですが、衆議院議員選挙の選挙区について、アダムズ方式による区割りが審議会で決定されたようである。

小選挙区「10増10減」など区割り案 首相に勧告 見直し過去最多 (NHK)

これにより、1票の格差は2.096倍から1.999倍に縮小するとのこと。

って言うほど変わらんような。


ここには2つの原因があって、1つは従来よりも市町村が分断される選挙区を減らしたこと。

アダムズ方式で○○県に○選挙区など決まっても、ピッタリ等分できるわけではない。

ここ10年ぐらいは人口の多い都道府県でこのばらつきが小さくなるように、市町村を分断したりして調整していた。

ただ、ここには実務的な難しさも多いことは明らかだった。

アダムズ方式により都道府県に配分することで、そこまで無理しなくてよくなった。

分断が解消されるのは75市区町に及ぶ。(区は指定都市の行政区、東京都の特別区の両方)


もう1つの要因が、1票の格差を決める上で重要な人口最小の選挙区が変わっていないこと。

人口最小の選挙区は鳥取県第2区(米子市ほか)、これは変わっていない。

その原因は鳥取県に2選挙区というのが人口に比して異様に多いことにある。

都道府県への配分時点で1.7倍(鳥取県と岡山県)の格差が付いてるんですね。

従来は都道府県に配分する時点で2.0倍の格差があったので改善はしているのだが。

鳥取県を除けば1.5倍(香川県と岡山県)の格差に縮小するので、鳥取県がだいぶ足を引っ張っていることは確かである。


そもそもアダムズ方式による都道府県ごとの選挙区配分はどういう仕組みなのか。

第18回衆議院議員選挙区画定審議会 (総務省)

ここに「令和2年国勢調査人口(確定値)に基づく計算結果の概要」というのがある。

この配分にあたっては各都道府県の人口をある数字Xで割って、小数点以下を切り上げた数字を選挙区数とする。

Xは選挙区数の合計が289となるように定めていて、今回はX=466600である。

この人口/Xの数値がもっとも小さいのが鳥取県でその数字は1.178である。

鳥取県の人口は1選挙区には少し多いが、2選挙区に切り上げると1選挙区の人口が少なくなりすぎるのである。


この問題はとりあえずは鳥取県だけの問題である。

人口/Xが2.001のようにギリギリ2を超えて3選挙区割り振られた都道府県と、切り上げ幅がほとんどない都道府県の間での格差は1.5倍(=3/2.001)となる。

鳥取県の次に人口/Xが小さいのは島根県の1.423だが、これで切り上げがほとんどない選挙区との格差は1.4倍(=2/1.423)に留まる。

すなわち3選挙区割りあてるには人口が少ない都道府県の方が支配的になると。


この問題を打開する方法は2つ考えられる。

1つは鳥取県に安定的に2議席割り振れるようにXの値を小さくすること。

鳥取県の人口/X>1.333 とすれば都道府県間の格差は1.5倍までとなり、

この場合、選挙区数が30ぐらい増えるとみられ、比例代表に割りあてる議席数にもよるが、単純に30議席ぐらい増えるのだろう。

その程度なら許容できると思うが、将来の鳥取県の人口減少率は全国より高い水準になるので、将来にわたって議席数が増え続けることになる。

そうなるとちょっと厳しいんではないかと思う。


もう1つは鳥取県の選挙区の一部を他県とまたがって設定するということで、

これは現実的な気がしていて、鳥取県・島根県は中海周辺で両県にまたがる生活圏があって、鳥取・島根の放送局はNHK以外は両県を放送エリアとしている。

鳥取県・島根県を1グループとしてアダムズ方式で選挙区を割り振ると、

X=462000として、鳥取・島根で3選挙区、岡山県+1選挙区となり、都道府県間の格差は1.5倍までに収まる。

あとは鳥取・島根をむりなく3選挙区に分けられるかが問題だが、

例えば、米子市・松江市周辺で1選挙区、それ以外の鳥取県・島根県で各1選挙区、

というのはというのは可能なんじゃないかという気はする。


都道府県をまたぐ選挙区といえば、参議院の鳥取県・島根県選挙区、徳島県・高知県選挙区という先例がある。

国会議員選挙において選挙区の運営は都道府県の選挙管理委員会で行われるが、

両県にまたがるということで特殊な体制がいろいろあって面倒そうではある。

一部の選挙区が2県にまたがることで運営上の不都合があるかもしれない。

衆議院の場合、政見放送が特殊になりそうな気がするけど。

(衆議院の政見放送は県単位・政党単位なので、単純に両県で放送して済む話でもない)

でもやってやれないことはないと思うけどね。特に鳥取・島根は。


都道府県あるいはグループ(鳥取・島根)で2議席以上の配分にする場合は、

都道府県あるいはグループへの配分時点での格差は最大で1.5倍になると書いたが、

これを縮小するには都道府県またはグループへの配分を3議席以上になるようにすればよく、

人口/X=3.001のようなところに4議席割りあてたときの1.3倍が最大となる。

それを実現するには人口/X<2.250となるようにグループ化する必要があり、

秋田県・山形県・富山県・福井県・山梨県・和歌山県・鳥取県・島根県・徳島県・香川県・高知県・佐賀県・宮崎県について隣接府県でのグループ化を考える必要がある。

これらについて都道府県またぎの選挙区を許容すれば、配分時点での格差は1.3倍に収まる。

あとは具体的な区割りで多少格差は増えるが、2倍より許容幅を狭めても組めそうな気はする。


1票の格差があることがどうしてもダメとは言えないと思うが、

衆議院についてはどうしても是正できない理由が説明できるところはないと思う。

こういうのが気にならないわけではないけど。

移動に3時間の高野山と本州最南端・串本が一緒に 和歌山、新区割り案に広がる困惑 (産経新聞)

衆院選区割り改定案、川西市西部が兵庫5区に 分割解消見送りに市長「遺憾」 (神戸新聞)

前者は和歌山県を2選挙区に分ける場合、紀北から紀南まで含む選挙区を作らざるを得ず、橋本市から串本町までものすごく南北に長い選挙区になると。

ただ、南北に長いといえば、東京都第3区(品川区と小笠原村を含む島しょ部)の方がよっぽど長いんですよね。

それでも政見放送などの選挙運動手段も用意されていますからね。

後者は兵庫県の各選挙区の人口を、鳥取県第2区の人口の2倍に抑えるためには、

人口16万人ほどの川西市を2分割しなければどうしても合わないという話。


1票の格差で選挙結果が歪められてきたかというと、衆議院も多少あると思うが、

参議院の方がひどくて、そもそも人口あたりの定数でも3倍近くの差があるが、

それ以上に問題なのが改選数1の選挙区、2の選挙区、3以上の選挙区で選挙の意味が全く違うということである。

改選数1の選挙区は総取りなので差が付きやすい。

改選数2の選挙区はかつては2つの大きな政党で分け合うのがほとんどで差がつかない。

現在は二大政党制と言いがたい面もあるが、その傾向は続いている。

改選数3以上の場合、公明党や共産党のような政党が議席を狙いやすくなる。

選挙区によるので一概に言えない面もあるが、改選数1の選挙区では自民党が強い傾向にあり、1票の格差と相まって極めて有利になっている。

ただ、参議院特有の半数改選の都合もあり、都道府県をまたぐ選挙区を許容したとしても、今の制度でこの差を埋めるのは困難だと思う。

これは抜本的な見直しが必要だが、自民党にとって積極的に動く理由は乏しいからか、全く動きが見えない。


鳥取県が足を引っ張っている状況をどう見るかという話はあるものの、

それを除けば衆議院はこんなもんだろうという感じはありますね。

やはり現実的な区分けを考えるとこうならざるを得ないのかなと。

従来に比べれば全体的に格差は縮小したのは確かだし、配分方法にも一定の合理性はある。

鳥取県と他県(おそらく島根県)にまたがる選挙区を許容することで、

もう少し許容幅を狭めて1.9倍とか1.8倍の格差も実現できるようになりそうだが、

やはり人口最大・最小同士の比較で格差を出すとこれぐらいになっちゃいますね。


よく「地方の声が届きにくくなる」(岸田首相)というようなことを言うけど、

そもそも国会議員はどのように選出されても全ての国民の代表である。

確かに選挙のことを考えると議員の政治活動の中心は選挙区内ということになるが、

本来はそういうわけではなく、もっと広く国民を代表して活動しなければならない。

人口の希薄な地域のニーズをくみ上げてもらうには、当該地域の選挙区選出の議員だけではどうにもならないのは今に始まったことではない。

自民党はそういうことができる政党のはずだから、不平を言うより役目を果たすべきではないか。


区割り変更で大変なのは選挙区が減るところだけではなく、増えるところもそうで、

東京都は従来よりシンプルな区割りにはなるが、ほとんど全部が変わってしまう。

これにより同じ政党の複数の現職議員の本拠地が同じ選挙区になるケースもあるかもしれない。

選挙区が増える方向なので、立候補断念というケースは少ないと思うが。

区割り変更以外にもいろいろな要素はあると思いますけどね。

お前はいつまで議員を続けるつもりなのかって人もまぁいますから。