廃棄物の埋立地ってこんなの

今年3月28日に海の森公園がオープンする。

海の森というと2021年の東京オリンピックで馬術競技(総合馬術クロスカントリー)の舞台となったのが印象的である。

昔から海の森とは言われていたけど、ここが正式に海の森という町名になったのは2020年、

中央防波堤埋立地一帯の境界争いが決着してからのことである。

ちなみに大田区に属することになった一角は令和島という町名が付いている。


埋立地にもいろいろなタイプがある。

埋立地ってゴミを埋めてるんじゃないの? と思うかも知れないが、

実のところ、割合として多いのは浚渫土の埋立地である。

東京港の埋立地というと、13号地(台場・青海・東八潮)や10号地(有明)がよく知られているが、

あれは全部浚渫土を中心とした土の埋立地なんですね。

埋まっているのは土なので、その後は多様な使い方ができて、

オフィス・住宅・倉庫・港湾施設といった建物が多く建ち並んでいる。


中央防波堤一帯の埋立地でさえ、西半分は浚渫土を中心とした埋立地で、

廃棄物主体の埋立地というのは東半分に限られている状況である。

このうちすでに埋立が完了した中央防波堤内側埋立地の東に作られた公園が海の森公園で、

一般向けの開園前にオリンピック会場として使われたという経緯がある。

西側の江東区海の森1~2丁目と大田区令和島の区域は港湾施設や倉庫として利用されている。


廃棄物の埋立地というのはその後の用途が相当限られてしまう。

中央防波堤一帯の前に使っていた廃棄物の埋立地は15号地(若洲)である。

ここも西半分は浚渫土系で、東半分が廃棄物系となっている。

ここは若洲海浜公園として大半がゴルフ場になっている。

そのさらにその前に使われていた埋立地が14号地のうち夢の島の区域である。

夢の島という名前は聞いたことがあったのだが、実は14号地にはもう1つ町名があって、

それが新木場である。文字通り貯木場を中心とした木材業者の町である。

14号地の浚渫土系の埋立地は新木場、廃棄物系の埋立地が夢の島となっているわけである。

夢の島は埋立後に夢の島公園として整備され、当初は交通の便もあまりよくなかったが、

後に新木場駅(有楽町線・京葉線)が開業し、駅至近の公園となっている。


では、そのさらに前の埋立地は? というと、8号地(潮見)の一角である。

あれ? でもここって埋立地跡らしい公園もないよなぁ。

そこには廃棄物処分の在り方が移り変わってきたことがある。

限りある処分場(ごみ埋立ての歴史)(東京都)

潮見一帯で埋立を行っていた1955年頃までは、ゴミを積んでは火を付ける野焼きが行われていた。

なかなか信じられないことだが、そんな処分方法が存在したのである。

ところがこれは煙や粉じんなど周辺への影響が大きく取りやめになった。

とはいえ、このような方式だったので、跡地は比較的普通に使えたらしく、

当時の埋立地とみられるあたりにオフィスなどが建ち並んでいる。


続いて夢の島一帯での埋立だが、これは生ごみ含めてそのまま積んでいた。

減容できないことも問題だったが、ハエやネズミが大量発生し大変な問題となった。

地図を見てもわかるが既存の市街地にもわりと近いので大きな問題だったと。

これではどうにもならないと重油を撒いて火を付ける「焦土作戦」が行われたり……

減容もできないので短命で1957~1967年と10年ほどで埋立が終わってしまったという。

仕方ない事情はあったにせよ、散々な埋立地である。

その代替の埋立地が若洲一帯で、当初は新海の森と呼ばれていたらしい。

ここもかなり短命で1965年~1974年の10年ほどで終わってしまった。


実のところ、その次の埋立地である中央防波堤内側埋立地、

現在の海の森公園の埋立の頃もまだそんな状況が続いていたらしい。

ただ、焼却施設の整備もだんだん進んでいき、生ごみを直接埋めることは減っていった。

現在の中央防波堤外側埋立地・新海面処分場は焼却灰中心の埋立地になり、

今後50年ぐらいは使えるんじゃないかと言われている。


埋立地を長く使うための工夫だと思うが、海の森公園は山のようになっている。

海の森リーフレット (pdf) (東京都)

海風を和らげるように斜面に植樹し、その中に昆虫・鳥など多様な生き物が暮らせるようにと考えられている。

当然、人のレクリエーションの場としても有用である。

この一帯の埋立終了は1987年、しばらくはメタンガスが発生したり安定しないが、

将来的な公園化に向けて、建設発生土や堆肥などを積み上げて、

2007~2015年に植樹が行われ、オリンピックにも振り回された感はあるが、

やっと都市公園としてオープンするに至ったという状況のようである。


ところで海の森一帯へ向かう道路には、歩行者・軽車両・一般原付通行止めの規制がかかっている。

そもそも海の森公園は開園していないので公園に行くというニーズはないが、

港湾施設や倉庫へ行くというニーズはないとは言えない。

現在は自動車でなければいけないが、東京テレポート駅からのバスは存在する。

ただ、実は有明との間にある海の森トンネル、若洲との間にある東京ゲートブリッジには歩道が存在する。

すでに東京ゲートブリッジの歩道部は見学施設として昼間に限り開放されていて、

若洲側から出て若洲側に戻ることだけはできるようになっている。


海の森公園のオープン後はこれらのルートも開放されるのでは? と思うけど、まだ定かでない部分が多い。

東京都港湾局の資料を見ると、自転車走行環境整備の計画がある区間にはなっている。

港湾局自転車通行空間整備計画 (東京都)

なんとなくトンネル・長大橋区間は押し歩きになりそうな気はしますね。

ただ、一般原付まで押し歩きなのか? というとここはよくわからなくて、

一般原付の本線通行止めの規制が外れるということもありうる話である。

まだいろいろ時間はかかりそうですけど、将来的には有明-海の森-若洲-海の森と公園同士を結ぶ回遊ルートに発展するんじゃないかと。

最恵国待遇とはなにか

アメリカのトランプ大統領、基本的に言うことがおかしいのだが……

トランプ大統領 カナダ メキシコ 中国に関税 報復措置や反発も (NHK)

トランプ大統領 輸入の鉄鋼製品とアルミに25%関税 日本も対象 (NHK)

実はこれどちらもWTOのルールにとって大きな問題がある話なのだ。

というわけで自由貿易に関わる世界のルールを勉強してみた。


関税及び貿易に関する一般協定、略称のGATTなら聞いたことがあるかもしれない。

WTOより長い歴史のある協定で、GATTが発展してWTOという組織になったという経緯があるよう。

関税及び貿易に関する一般協定 (外務省)

日本語版だってとても読めたような協定ではないけど、いくつか重要なルールをかいつまんで説明する。

第1条のタイトルが「一般的最恵国待遇」となっているが、

これはWTO加盟国はWTO加盟国との貿易に対して最恵国待遇を与えないといけないというルールである。

いずれかの締約国が他国の原産の産品又は他国に仕向けられる産品に対して許与する利益、特典、特権又は免除は、他のすべての締約国の領域の原産の同種の産品又はそれらの領域に仕向けられる同種の産品に対して、即時かつ無条件に許与しなければならない

全てのWTO加盟国に最も有利な条件を与えること(最恵国待遇)というのは、

全てのWTO加盟国に同じ条件を適用するということである。

条文を読んだらまさにそういうことが書かれていますね。


あれ? でも特定国からの輸入に対して安い関税率が適用されることってあるよね。

確かにこの考えで言えば、WTO加盟国からの関税率と、非加盟国の関税率の2つしか存在しないはず。

でも、実際には他にもいくつかの関税率が存在するんですね。

GATTの36条にはこんな文言が書かれている。

多くの低開発締約国が限られた範囲の一次産品の輸出に引き続き依存しているので、これらの産品の世界市場への進出のための一層有利な条件であつて受諾可能なものを可能な最大限度において設けることが必要であり

発展途上国に対して優遇措置が必要であるというようなことを言っていると。

この目的のため、発展途上国に有利な税率を適用すると、それ以外の国に対する最恵国待遇を満たせなくなるので、

1979年にGATTの会合で「異なるかつ一層有利な待遇並びに相互主義及び. 開発途上国のより十分な参加に関する決定」が行われ、

発展途上国に有利な税率を適用する制度(GSP)が公認されるに至った。

ちなみに2019年まで中国・メキシコ・タイ・ブラジル・マレーシアなんて国もGSPの適用対象だった。

日本の制度上、GSPからの卒業要件が意外と厳しく、ここまでかかってしまったらしい。


で、もう1つ重要な例外措置があって、それが自由貿易地域(FTA)ですね。

これはGATT 24条に定められているのだが、

自由貿易地域とは、関税その他の制限的通商規則(略)がその構成地域の原産の産品の構成地域間における実質上のすべての貿易について廃止されている二以上の関税地域の集団をいう。

最恵国待遇の枠組みの外で、関税が「事実上のすべての貿易について廃止」することは認められているということである。

この「事実上のすべての貿易について廃止」というのはいろいろ論点があるようだが、

分野の偏りなく85%以上の関税をせいぜい10年ぐらいで撤廃することを指すものだと言われている。

ちなみに最近は貿易に限定しない経済連携に関わる協定だということで経済連携協定(EPA)と書かれることも多い。


日本にとってはCPTPPとRCEPが代表的なものである。

CPTPPはアメリカ抜きのTPPということで、2018年に発効している。

RCEPはASEAN+5(日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド)医で締結された協定で2020年に発効している。

日本とASEANとは2008年にEPAが締結されており、中国・韓国とのEPAという意義が大きい。

あと、日本とEU・スイス・イギリスの間でもEPAが結ばれている。

この結果、日本の貿易額のうち79%が関税が「事実上のすべての貿易について」廃止された状態になっている。

原産地規則もあるのでこれらの国からの輸入品全てが無税に近いかというと、

なかなかそうもいかないが、RCEPやCPTPPのような多国間の協定になったことで、

国を超えたサプライチェーンをカバーしやすくなり、FTAの活用はより進んでいるとのこと。


で、冒頭の話に戻るのだけど、

まず特定の国に対して高い関税を掛けるというのは、最恵国待遇に真っ向から反する行為である。

セーフガード措置やアンチダンピング措置というのはあるけど、

トランプ大統領の言っていることはこういう話ではないので、WTO加盟国としてはあり得ないことである。

これはわかりやすい話だと思う。


もう1つ、日本を含む全世界からの鉄鋼・アルミに高い関税を課すというもの。

全ての国に等しく高い関税を課すのは最恵国待遇に反しない気もするが、

これは逆にFTAとの兼ね合いで問題になってくる。

実は日本とアメリカの間では日米貿易協定というFTAが結ばれているのだ。

まぁこの協定がFTAなのかというのは議論がある話なのだが、

さっきも書いたように特定の国への関税を引き下げる手段というのはGSPとFTAの2つで、

日本とアメリカの間で選びうるのは当然FTAしかないわけである。

で、関税が「事実上のすべての貿易について廃止」されているはずなのに、

そこに例外なく関税を掛けるというのは当然FTAからの逸脱であり、

こうなってくると最恵国待遇の例外にあたらないという話になってくるのである。


もちろんこれらはWTO加盟国に課しているルールであって、

アメリカがWTOから脱退すればその限りではなく、実際そういう検討もなされているようである。

ただ、こうなってくるとアメリカはWTO加盟国からの最恵国待遇が受けられなくなる。

一応、WTO非加盟国というのは存在して、そのための税率も存在していて、

日本では赤道ギニア、エリトリア、アンドラ、北朝鮮、南スーダンからの輸入品に適用されている。


日本とアメリカに限った話を言えば、アメリカがWTOから脱退したとしても、

WTO非加盟国の関税が適用されることはとりあえずはない。

なぜならば日米貿易協定が存在するからである。

WTO非加盟国でも協定などで最恵国待遇を適用するとなっている国があり、

ブータン、バチカン、ナウル、イラク、イランなどが該当する。

すでに日本に最恵国待遇を適用されている場合は、日本も最恵国待遇を適用するというポリシーのようだ。

で、WTOとは別に協定が結ばれているというのもありまして、

日本としてはアメリカに対してWTO加盟国に対する約束に加えて、

協定で約束した関税撤廃などを行うと約束しているわけである。

なので、アメリカがWTOから脱退しただけならば、日本はアメリカに最恵国待遇を適用しなければならない。

逆もしかりでアメリカは日本に対して最恵国待遇を適用しなければならないのですが。


実のところ、GATTの最恵国待遇に関わるルールは本当にそうなのか?

というところに様々疑問符が付くところはあるのが実情である。

さっき日米貿易協定はFTAなのかというのは議論がある話と書いたが、

実はアメリカ側の関税撤廃率は実質6割程度だと言われている。

日米貿易協定、関税撤廃率低く 米のTPP復帰につなげるか (産経新聞)

そもそも日本とアメリカの間ではTPPがすでに存在している。

TPPはかなり高い水準のFTAであり、お互いこのレベルならよいと考えていたわけである。

ところが前のトランプ政権のときにTPPは凍結され、とりあえずはアメリカ抜きのCPTPPが発効することとなった。

日本としてはアメリカにTPPに戻ってきなさいという立場でいるわけだが、

当のアメリカにその気がないので、じゃあ二国間で可能なところからやりましょうと。

そのために結ばれた協定が日米貿易協定で、将来的にはTPPレベルの関税撤廃を実現しましょうという建前はある。

ただ、実態として自動車関係の関税撤廃の見込みが立っていないので、

これが実現しないままだと関税撤廃率は6割ぐらいになってしまいますよと。

この件については日本の国会でもかなり問題となったそうなのだが、

どうしてもアメリカをTPPにつなぎ止めておきたい意向もあり、成立した経緯がある。


実態はどうなのかと突き止めるといろいろあるんですけど、

こんな具合にいろいろな言い訳を活用しているのが実情である。

そんな中、GATTに反することを公然と言う大統領の国ってどうなのよと。

日米貿易協定のFTAとしての趣旨を踏まえれば、日本からの輸入品に関税を掛けるのはおかしいでしょと反論するのは当然のことである。


日本で暮らしていると自由貿易の恩恵は様々感じるところである。

日本のメーカーが外国で生産し、日本を含む全世界の輸出しているのはその典型で、

そこで使われる部品というのは日本産の部品というのもけっこうある。

日本はどうしてもエネルギーや農畜産品など外国からの輸入に頼る部分が多く、

円滑に輸入するために様々な措置がとられているところである。

小麦、砂糖、乳製品など国産農家の保護も必要だけど、国内では需要が賄えない品目はいろいろあって、

そこはいろいろ調整をしているわけだが、それでも自由貿易には叶わんわけである。

経済版「2プラス2」新設へ 米保護主義対抗で連携―日英 (JIJI.COM)

今や、世界の自由貿易の盟主は日本とイギリスだってよ。


もちろんアメリカにしても国内産業のバランスというのは重要な話で、

その観点で関税などで外国からの輸入品の制約がかかることは仕方ない部分はあるけど、

それに見合った国内産業の振興策があるのかというと、ここは疑問はある。

鉄鋼の関税が上がったところで、USスチールは老朽化する製鉄所の生産性を高める体力がなく、

そこで日本製鉄が買収して投資をしようとしたのはよい方である。

いろいろ現実が見えてない気はしますけどね。

volatileを忘れたら

マイコンの割り込み機能のデバッグをどうやってやろうかと相談を受けて、

こういうコードを書けば、正しく入っているか確認出来るんじゃないの、

なんてアドバイスをして、実際にやり始めたら、割り込みが止まらなくなって、

しかもデバッグコードの挿入の仕方によって変わると言う。


で、どうにも不可解だというので、ビルド結果を比較してみると、

割り込み要因を消すためのレジスタ書き込みが消えていた。

コンパイラの最適化でコードが消されてしまったわけである。

ん? ということはもしかしてと、ヘッダファイルを確認すると、

レジスタの定義にvolatileを付け忘れていたのだった。

#define FOO_REGS (*((volatile FOO_REGS_T*)FOO_REGS_BASE))

このvolatileが抜けていたというわけ。わりと初歩的なミスである。


ただ、もしかするとレジスタの仕様によってはこの問題は露呈しなかったかもしれない。

この割り込み要因レジスタは’1’が書き込まれたら’0’にクリアするという仕様である。

すなわち、割り込みが入ってきてレジスタをリードして、

その値が0x18であれば、bit3とbit4に対応する割り込み要因があるということで、

それに応じた処理を行うわけだが、処理が完了したら要因を消す必要がある。

その消去方法はbit3とbit4に1を書き込む、すなわち0x18をライトするということになる。

そんな処理をCで書くとこんなことになる。

void INT_FOO_Handler(void){
   unsigned int intr_read;
   intr_read = FOO_REGS.INTR;
   if(intr_read == 0){ return; }
   FOO_REGS.INTR = intr_read;
   if(intr_read & 0x00000001){
     ....

割り込みコントローラの仕様ですでにレジスタの値が0なのに、

割り込みが入る可能性があるので、それを避ける処理が最初に入っているが、

レジスタから読んだ値を書くという処理が存在するのは見ての通りである。


で、読んだ値を同じところに書き込むという操作は一般的なメモリであれば冗長な操作である。

このため最適化で消されてしまったというわけである。

もしも、これが0を書けば割り込み要因がクリアされるという仕様ならば、

intr_read = FOO_REGS.INTR;
if(intr_read == 0){ return; }
FOO_REGS.INTR = 0;

というわけで、一般的なメモリであっても意味のある操作ということで、

最適化で消去されることなく残ったのではないかと思う。


volatile修飾子の意味はvolatileの付いた処理同士の順番を入れ換えないことで、

上の例の場合は intr_read = FOO_REGS.INTR; をした後で、

必ず FOO_REGS.INTR = intr_read; を実施するということになる。

もしも FOO_REGS.INTR = intr_read; が冗長と考えても消してはいけないと。

それ以外の処理との順序関係は定かではないところがあるが、

だいたいは書いた通りに実行されるのではないかと思う。


ハードウェアのレジスタはだいたいvolatileを付けないとまずいが、

処理中に書き換わってしまう可能性がある変数をポーリングする場合にも使われますね。

その書き換わる可能性のある変数を厳密に考えると、あれもこれもvolatileとなって、

1行にvolatileの付いた変数が複数出てくることも生じて、

順序関係が不定になるけど、それでよいのかとコンパイラの警告が出てくると。

それはそれでどうなのかと思うけど。


レジスタは’1’が書き込まれたら’0’にクリアするという仕様は僕がリクエストしたものである。

既存レジスタでも一部にこんな仕様のレジスタが存在して、

それを持ち出して、こんな風にしてくれるとありがたいと伝えたわけである。

0を書いてクリアする例を見て気付いたかも知れないが、

万が一、リードしてから0をライトするまでの間に別の割り込み要因が立つと、

それまでまとめて消してしまう可能性もなしとは言えない。

なので、確認した割り込み要因だけ狙って消せた方がよくて、

‘1’をライトすると’0’にクリアするという操作は読んだ値を書くということでコード的にもわかりやすい。

というわけでこの方法を採用したのだが、コンパイラには無意味な操作に見えてしまったようだ。


こんな教科書的なミスをしてしまうことがあるんだなと。

この部分をコーディングしたのは他の人で、あまり細かくは見てなかったのだが、

言われてみれば確かに……という内容だった。

人の振り見て我が振り直せ、というわけで自分が書いた同様のコードを点検してみたが、

さすがにちゃんとvolatile付けてましたね。さすがにそんなミスはしない。

芝2400mの未勝利戦

先日、アーモンドアイの初子、アロンズロッドが4戦目にして初勝利を挙げたということで話題になっていた。

たかが未勝利戦という人もいるけど、JRAで未勝利突破するのは大変なことですからね。

というわけで関係者一同ほっとしたのではないかと思う。


ただ、初勝利を挙げた未勝利戦の条件を聞いて驚いた。

東京芝2400m……お母さんが勝ったオークスとジャパンカップと同条件ですけど、

未勝利戦で2400mってそうそうない条件だったような……

確かに昨年実績で芝2400mの未勝利戦は年間15レース、そんな片手で数えられるほどではないけどさ。


そもそも芝2400mの新馬戦というのは存在しない。

なぜか? それは距離設定を馬の成長に応じて変えているためである。

JRAでは2歳6月から新馬戦が始まる。

しばらくは2歳戦は長くても1800mまでのレースが設定されている。

7月になると2000mのレースもちらほら見られるが、2歳戦では2000mが最長距離である。

年を越して3歳になると2100mとか2200mのレースが行われるようになるが、

近年は新馬戦の条件としては見られないようだ。


で、3歳2月になると2400mの未勝利戦がちらほら設定されるようになる。

実はアロンズロッドが勝った2400mの未勝利戦はこの世代最初の2400m戦でもある。

翌日のゆりかもめ賞(1勝クラス)が2レース目といった具合である。

レース設定に合わせてだんだん距離を伸ばして初勝利に届いたのが2400m戦だったと言われると、

この馬はけっこうなステイヤーなのかもしれないなと想像できる。


実際、2400mの未勝利戦を勝った馬を見てみると、長距離戦でよく見る名前がちらほら見られる。

2021年4月の阪神芝2400mで初勝利して、昨年の天皇賞(春)を優勝したテーオーロイヤルとか、

2022年4月の東京芝2400mで初勝利して、メルボルンカップ2着だったワープスピードとか、

2023年4月の京都芝2400mで初勝利して、今年の万葉ステークスを優勝したゴールデンスナップとか、

3000m級のレースでの活躍馬が多いですよね。


果たしてアロンズロッドがこの先どのような活躍をするかはわかりませんが。

当然、ダービーと同条件ということでダービーは目標に考えるだろうが、

このタイミングで未勝利突破からだと、ダービーの出走枠を得るのはなかなか厳しい。

チャンスがないわけじゃないので、手は考えているようだが。

一方で、3歳で3000m級と言えば、そりゃ菊花賞でしょうよ。

秋に向けて余裕を持ってレースが選べるので、その点でもよさそうである。


ところで、さっき芝2400mの未勝利戦を勝った活躍馬を紹介したが、

実はもっとすごい活躍をしている馬がいるんですよ。

それが東京大賞典2勝、ドバイワールドカップ制覇のウシュバテソーロである。

実はウシュバテソーロは2勝クラスまでは芝で勝ち上がっている。

3勝クラスでダートのレースに出てみたら勝ち上がって、

そこからダートに転向してOP 2勝して、東京大賞典に出て勝って……・

それが5歳シーズンの話である。けっこうダート転向は遅かったんですね。

これはレアケースですけど、スタミナがあるとそういうこともできるのかも。

多摩湖周辺の自動車通行止め標識

昨日、多摩湖に行ったら 二輪通行止め と 自転車歩行者専用道路 の標識を見た話を書いた。

ブレーキパッドを交換して散歩

特定原付はどっちも走行できるけど、わかりにくいねという話を書いたが、

実は多摩湖周辺を散歩してると他にも変な道路標識がちらほらあったのである。


西武ドームの裏あたり、二輪以外の自動車通行止めの標識があった。

少し前に踏切以外で組み合わせでないこの標識を見るのは珍しいと書いたが、

まさかこんなところで遭遇するとは。

で、東から見ると[0-4]と書いてあるのだが、西から見ると[22-4]と書かれている。

なんで表と裏で違うんだと気になったのだが、ここを境に規制内容が変わっていて、

西武ドームの裏より東側は22時から翌4時まで、西側は日付が変わってから4時までとなっていると。


二輪以外の自動車通行止めではあるのだが、ここはそもそも終日二輪通行止めである。

なので、深夜は自動車・一般原付が通行止め、それ以外は二輪が通行止めという意味である。

なので、二輪は通ってよしという意味で使われているものではない。なるほどね。

で、どうも夜な夜な走り回る車の対策に付けられたものだったらしい。

西武ドームの裏で規制内容が切り替わっている理由だが、

万が一、西武ドームでの試合が22時以降まで延びてしまったとしても、

西向きであれば駐車場から出られるようにという意図があるらしい。

住宅地に近い東側は22時から規制が始まるが、駐車場から西に出る場合は0時まで緩和されていると。


こちらは所沢市側の話だが、東大和市側にも住宅地の環境対策で規制があって、

多摩湖通りから分岐する道路に軒並み車とバイクに斜線を引いた標識がある。

自動車・一般原付が通行止めということだが、全て通行止めではない。

補助標識に「居住者用車両を除く」と付いているからである。

どうも多摩湖通りと都道(東村山東大和線と新宿青梅線(青梅街道))に囲まれた一帯にこの規制がかかってるようですね。

多摩湖周辺と往来する車両が生活道路に入らないようにということみたい。


たびたび書いているが、東京都では歩行者専用+「自転車を除く」という規制が多く見られる。

普通自転車以外の自転車が通行できないことを明確化するという目的と、

歩行者最優先であることを示す目的があるとされている。

とはいえ、基本的には自動車・一般原付の通行を防ぐことが目的である。

この点では車とバイクに斜線を引いた自動車・一般原付通行止めの標識も似たような効果があり、

東京都ではこの2つを何らかの意図を持って使い分けているようである。


自動車・一般原付通行止めだと普通自転車以外の軽車両も通行可能である。

具体的にはトレーラー付きの自転車、荷車、三輪以上の原付の押し歩きなどが該当する。

でも、おそらくそこはあまり重要ではない。

どうも除外される車両が多い場合は自動車・一般原付通行止めの標識を使っているようだ。

その典型例が「居住者用車両を除く」と「路線バスを除く」である。

自転車以外の車もそこそこ走るので歩行者は端によって歩きなさいよと。

通行止め標識だと歩行者最優先の意味もなくなりますからね。


こういう趣旨の規制は東京都以外でもわりとみられるようだ。

ところがそこで自動車・一般原付通行止めの標識を使うのは珍しいと。

なぜかというと、自転車歩行者専用の標識でもほぼ同じ効果があるからである。

自転車歩行者専用+「居住者用車両を除く」でもほぼ同じ効果があるし、

実際そういう使い方をしている地域が多いようである。

こっちの方が沿線住民以外の車が締め出されてる感は強そうだし。

ちなみに自転車歩行者専用の標識には歩行者最優先という意味はない。


なお「居住者用車両」は沿線に用事がある車という意味なので、

居住者が使用する車両に限らず、タクシーや配送用のトラックなども対象になりうる。

もっとも郵便局などはこの手の通行止め規制の除外許可を得ていることが多く、

歩行者専用+「自転車を除く」も自動車通行止め+「居住者用車両を除く」だろうが通行を認められていることが多い。

そういう許可を得なくても沿線に目的があればタクシーや配送用のトラックが入ってもいいですよと。

そういう意味合いのある規制のようである。

「居住者用車両を除く」と書かずとも、沿線住民の使用する車両や沿線に用事がある車両は除外許可が認められるはずで、

住民が使用する車のように恒常的に出入りする車ならともかく、

一時的に出入りする車がいちいち警察署で許可を得て……とするとお互い手間ですからね。


というわけで周辺住民への配慮でいろいろあるんだなぁという話だった。

基本的には自転車と歩行者以外は締め出されるという構図なんですけどね。

そこをどう表現するかは地域ごとの事情もあるということで。

ブレーキパッドを交換して散歩

昨年末からバイクのブレーキがどうも調子が悪いということで、

あれこれといじっていたのだが、どうやってもキーキー鳴るなどの問題があり、

これはブレーキパッドが不均一に削れてしまったせいではと思い、

ブレーキパッドを交換することにした。それでYahoo!ショッピングで買ったと。


一般的な自転車では前輪がリムブレーキ、後輪がドラムブレーキになっているが、

このバイクは前後輪にディスクブレーキが付いているが……

どうもバイク用のディスクブレーキというよりは、自転車用のディスクブレーキっぽい。

というのも一般的なバイク用のディスクブレーキは油圧式なんだそうだけど、

これは自転車のブレーキでよく見るワイヤーで引っ張るタイプである。

マウンテンバイクみたいな上等な自転車で使われるものを使っているのかなと。


というわけでこれまでの自転車のブレーキとはいろいろ違う部分があり、

説明書もないのでブレーキ調整のやり方とかもわからんので困っていた時期があった。

で、バイクのブレーキ交換方法とかいろいろ見て勉強したのだが、

典型的なバイクは油圧式でいろいろ説明が食い違うので、混乱もあった。

まず、そもそもディスクブレーキというのはブレーキパッドをディスクに押しつけてブレーキ力を得るわけだが、

ブレーキパッドがすり減るとディスクに当たらなくなってしまう。

油圧式ブレーキだとそこは自動調整されるのだが、機械式だと手で調整が必要で、

それはブレーキの内側にあるネジを締めるとパッドが内側に入ると。

このような形でブレーキを引かないときのパッドの位置をよきところにする必要がある。

これが通常のメンテナンスである。というのは説明書に書くべき事だと思うが。


で、ブレーキパッドがすり減っていくと、十分なブレーキ力が得られなくなるので交換が必要である。

本来は0.5mmまで使えて、減り具合は横から除けば見える……わかりにくいが。

薄い部分でもそこまで減ってはなさそうだったが、不均一に減っていると、

うまく当たり具合を調整できないので、これは交換せざるを得ない。

で、交換方法なのだが、まずブレーキキャリパーを取り外す。

これだけならネジ2つで容易に外すことができる。

で、ブレーキパッドを固定しているネジを外すと、パッドが外れるようになる。

調整ネジをゆるめた状態でパッドを付けて、ブレーキディスクとブレーキパッドの中心が合うようにキャリパーを取り付け、

その後にブレーキパッドとディスクの隙間がよきところになるように調整ネジを回せば完成と。

慣れればそんなにかからないと思うが、まず慣れていないのが問題である。


で、前に将来ブレーキパッドの交換をする場合に備えて、ブレーキ部の分解調査をしてたんですよ。

まさにここで書いたような作業をブレーキパッドの交換をせずにやってみたと。

もちろん、それはディスクブレーキの構造を理解し切れてなかったのはあるんだけど、

他にも重要な目的があって、それは交換用のブレーキパッドの型名を調べるということである。

刻印などでわかるかと思ったが、そういう形では結局判明しなかった。

ただ、わかったのはSHIMANO M06と同形状であるということだった。

SHIMANO製のブレーキではないんですけど、よくあるやつに乗っかったのでは?

この調べが付いていたので、今回ブレーキパッドの交換をするにしても、スムーズだったわけである。


というわけでサクッと交換して調整したら、キーキー鳴くこともなくなり、ブレーキもよく効くようになった。

取り外したブレーキを見たら、だいぶ偏ったすり減り方をしていたし、

あとパッドとディスクの間に石でも挟んだような傷が入っていて、これではダメなわけだと。

偏った減り方になった根本原因だが、おそらくブレーキキャリバーの位置がおかしくなってたんだよね。

ある時期に気づいて直したのだが、そこまでに偏った減り方になり、

偏りがあるままではディスクとパッドの位置関係は正しくならないわけで。

結局は整備不良が原因だったと。


で、ブレーキ交換して気分がよくなってひなたぼっこでもするかとお出かけ。

やってきたのは多摩湖である。新青梅街道を走ってやってきた。

多摩湖というと多摩湖自転車歩行者道がぐるっと回ってゴールになるところなので、

自転車で来るにはよいところだが、平面部は歩行者が多すぎて走りにくいし、

特定原付は走行可能とはいえ立場もわきまえて新青梅街道で。

で、坂を上がって狭山公園の入口に着いて驚いたんだけど、

多摩湖周辺の道路って二輪通行止めなんですね。時間制限も車種の限定もなく、バイクマークに通行止めとあって驚く。

騒音対策ですかね。山道ではしばしば見ますけど、多摩湖周辺もそうなのか。

特定原付はここでいう二輪に含まれないので走行可能である。

でも、あまり知られていないだろうし、トラブルになりそうだなとも思う。


で、その横には自転車歩行者道があって、中央線も引かれているが一方で歩行者優先とあるように、

歩行者が歩くことも想定された道である。というかけっこう歩いてる。

ここには自転車歩行者専用の標識が付いているのだが……さて、これはどういう意味か。

一見すると歩道に付いている標識に見えて、とすると自転車歩道通行可の意味で、

普通自転車ではない自転車は走れないし、特定原付は歩道モードにしなければならない。

でも、おそらくこの標識は車道とは別の道路に付けられた自転車歩行者専用道路の標識である。

すなわち特定原付はそのまま走行できるし、普通自転車にあたらない自転車も自転車道を通行できるものは走れる。


公安委員会設置の真新しい標識とは別に、時々古ぼけた「自転車・歩行者専用道路」という標識が付けられている。

この標識は道路法の規定による自転車歩行者専用道路を示す標識ですよね。

公安委員会の標識はこれと同様の規制を行うために付けていると考えるべきで、

標識令で言うところの「交通法第八条第一項の道路標識により、特定小型原動機付自転車及び自転車以外の車両の通行を禁止すること。」にあたる。

(この前の条文で「自転車」は自転車道を通行できないものを除くとなっている)

というわけでOKなはずなのだが、歩道に付いた標識にしか見えないものあり、わりと謎である。


実は多摩湖周辺のこの標識には一時「タンデム車を除く」という補助標識が付いていた。

自転車に大人が2人乗りするのは都道府県の規則で大概において禁止されているのだが、

一時期の東京都では「タンデム車を除く」とある自転車(歩行者)専用道路に限り、

タンデム車の2人乗りを認めるというルールだったことがあり、

それに対応した道路の1つが多摩湖周辺の自転車歩行者道だったのである。

この当時は道路交通法に基づく自転車歩行者専用の標識がある道路では、

普通自転車以外の車は走行できないのが原則で「○○を除く」で除外されれば通れるルールだった。

なので「タンデム車を除く」で普通自転車+タンデム車が通行できるようにする必要があった。

(東京都ではあまり見ないが「軽車両を除く」でも全ての自転車が通行できるので同様の効果がある)


ただ、この事情は2023年7月の道路交通法改正により一気に変化する。

この改正は特定原付の制度導入に伴うもので、特定原付は大概において自転車同様の扱いを受けるようになった。

このときに道路交通法に基づく自転車歩行者専用の標識の意味がさっき書いたように変わり、

普通自転車に加え、2輪・3輪の自転車、普通自転車サイズの自転車、特定原付も走行できるようになった。

ハンドル幅が60cmを超えるマウンテンバイク、あるいは2人乗りのタンデム車も当然走行できるようになると。

あわせて東京都の規則も変更になり、タンデム車の2人乗りは全面的に認められることになった。

その後、東京都内の「タンデム車を除く」の補助標識は撤去された。もはや意味がないからである。


話は戻るのだが、自転車歩道通行可と自転車歩行者専用道路の標識が同じというのは、

紛らわしいのは確かだが、以前はあまり問題なかったのだと思う。

なぜならばどちらも普通自転車が走行できるという点では同じだったから。

ところが2023年7月以降はそれ以外の自転車の一部と特定原付にとっては事情が違い、

歩道であれば普通自転車以外の自転車は走行できず(従来通りのルール)、特定原付は歩道モードにする必要がある。

道路全体に対する標識か歩道に付けられた標識か区別に困ることはそうそうないが、

多摩湖周辺はかなり紛らわしい。背景を知らなかったら歩道に付いたものしか見えないからね。


で、二輪通行止めの車道をバイクで走ったのか、自転車歩行者専用道路をバイクで走ったのかという話だが、

どのどちらでもなく自転車歩行者専用道路を歩いて村山下貯水池をぐるっと一周してきた。

いや、電池残量が心許なかったんですよ。で、なんとなく歩き始めたら、

けっこうなところまで来てしまったので、一周してしまうかとなったと。

ひなたぼっこのつもりだったが、とにかく寒い。

それでもバイクでも徒歩でもいい散歩になったかな。

必要なのは名目上の独立

石破総理大臣がアメリカを訪問してトランプ大統領と会談して、

最近のアメリカと諸外国の関係を考えればかなり融和的な会談だったのでは?

と言われていますが、それも両国政府関係者の尽力によるものではとかなんとか。


で、その中で日本製鉄がUSスチールを買収しようとしていることについて、こういう話があったようである。

また、日本製鉄が買収することで合意している大手鉄鋼メーカー「USスチール」について「われわれにとってとても重要な会社だ。私たちは、その会社がなくなってしまうのを見たくなかった。買収は印象的によくない」と述べました。
そのうえでトランプ氏は「買収ではなく、多額の投資を行うことで合意した。来週、経営トップと会う予定だが、とても素晴らしい会社だ」と述べました。

(【詳しく】日米首脳会談 石破首相「対米投資額1兆ドル規模に」 (NHK))

けっこう言っていることはまともな気がするな。


大統領選挙の公約で日本製鉄によるUSスチールの買収を破棄させると言う一方、

アメリカに投資を呼び込むのだというのは矛盾した話だが、

買収ではなく投資でなければ歓迎だという形で整合を取ったわけである。

で、後に「買収ではなく」ということの意味は、USスチールの株式の過半数を保有しないことだという話があった。

トランプ大統領 “日本製鉄はUSスチール株 過半数保有できず” (NHK)

なるほどね。


日本製鉄はUSスチールの株式の100%を現金で買うことを考えていた。

よくあるやり方ではあるけど、なぜこの方法が選ばれることが多いのか。

そこには既存株主への配慮という側面が大いにある。


会社に投資する方法としてもっとも素直なのは増資を引き受けることである。

投資額に見合った株式を得て、議決権と配当を得るわけである。

ただ、この方法は投資先の会社の株主にとっては好まれない話で、

なぜかというと株式の希薄化が起きるからである。

例えば、元々6000万株発行していた会社が、増資を行って新規に3000万株を発行したとする。

会社の利益が変わらないとすると、1株あたりの利益は2/3に減少してしまう。

結果として1株の価値が下がってしまうというのが定説である。

もちろん増資によって得た資金で投資することで将来的にはそれ以上稼ぐ会社になる可能性はあるし、

当然それを目指しているのだが、短期的にはこのような評価になってしまう。


そこで一旦現金で精算してしまうという手法が一般的なのである。

現時点の企業価値に対して、将来的な見込みを踏まえて上乗せした金額を現在の株主に一旦払ってしまう。

100%の株式を取得すれば、全ての株主が等しく恩恵を受けられる。

その上で新しい親会社は議決権と配当を100%独占することになるので、

新たな投資により得た利益は100%回収できるというわけである。

この方法は既存株主に払う現金が多く必要なのが欠点なのだが、

既存株主への配慮としては理にかなった方法だとされている。


既存株主に払う現金を節約する方法としては、自社株式を対価に株式を取得する方法もあるが、

こちらは新しい親会社の株式で希薄化が起きるのが問題なのだろう。

あと国を越えた企業再編には使いにくいですよね。

ただ、買収される会社の議決権と利益を100%独占して投資を回収できるという点では同じ効果はある。

なので、この方法もそれなりに活用されている方法ではある。


ところで日本では親子上場というのがしばしばみられる。

ソフトバンクグループとかイオンは上場子会社が多いことで知られている。

ソフトバンクグループは金策でしょうかね。

ソフトバンク(2015年までのソフトバンクモバイル)が2018年に上場したのはいかにもそんな話。

イオンは昔は過半数に至らない出資が多かったらしいのだが、

近年はいろいろな手法で出資比率を過半数まで引き上げている。

100%子会社にするには既存株主に払う現金が多くなるが、過半数得るだけなら幾分節約できることや、

ある程度は各子会社の自主性を求めているとか事情があるよう。


ただ、親子上場というのはアメリカではあまりみられない形態である。

世界的に稀とまでは言えなくて、フランスやドイツでは一定あるらしいが。

どうしてかと考えて見ると、子会社の少数株主(親会社以外の株主)の利益が損なわれる懸念があるからで、

基本的に親会社は子会社の議決権の過半数を持っているわけで、

こうなると子会社は自律的に経営方針を決めることができないわけである。

親会社の利益を優先して、子会社の少数株主の利益が損なわれる選択をする可能性があると。

そこは承知の上で株主になってるんだろうという話はあるけど。

親会社の視点にしても子会社の経営方針を決めるのに少数株主への配慮が必要なわけだし、

何らかの方法で100%子会社にした方が自由度が高まるという考えもあり、

以前に比べれば日本の親子上場は減っているようである。


トランプ氏の言う「買収ではなく、多額の投資を行う」具体的な方法は不明だが、

既存株主から100%の株式を現金で買うというのは、

特に既存株主の保護という観点では理にかなった方法である。

日本製鉄が株式の100%を取得せずに投資するということが、

既存株主が新生USスチールの株主として残るということかは一概に言えないが、

そうなったとき一番不利なのはUSスチールの既存株主ですからね。

でも、もうそれしか復活への道はないのだとなれば納得するのかもしれない。


経済的な合理性はともかくとして、形式上の独立が必要なことはあって、

思い起こされるのが2012年のソフトバンクによるイーアクセスの買収である。

当時のソフトバンクモバイルはFDD-LTEのネットワークが狭く、

当時のiPhoneはLTEではFDD-LTEしか対応しておらず、通信網の逼迫が課題だった。

そんな中でEMOBILEのFDD-LTE網を借りることで打開しようとしたわけである。

で、これに伴ってソフトバンクは会社ごと買収することになったわけである。


文字通り電波を買うような買収だったので、買収後も独立した会社を装う必要があった。

で、どうしたかというとイーアクセスの株式の大半を議決権なしの株式にして、

議決権付きの株式の67%を通信機器メーカーなどに売却したわけである。

結果としてソフトバンク(現:ソフトバンクグループ)がイーアクセスの株式の99%以上を保有しながら、

議決権ベースでは33%しか保有していないという状況になった。

まさに名目上の独立である。(この期間も連結会計上はソフトバンクの子会社だったようだが)

独立した会社を装い続けるためにワイモバイルという社名にしてヤフー傘下に移管する話もあったが、

その後、状況の変化により独立した会社を装う必要が無くなり、

2015年にソフトバンクモバイル(現:ソフトバンク)に合併されたのだった。

Y!mobileというブランドで旧EMOBILEの事業は存続しているが、

ネットワークについては完全に一体化して区別の付かない状態になっている。


勤務先でもお国の事情により子会社ではなく関連会社に留まる会社がある。

実態としては子会社とほぼ同じ扱いではあるのだけど、子会社であってはいけないのである。

従来の買収計画でもUSスチールに特殊な事情があることは理解していて、

買収後もUSスチールという社名は維持することや、取締役の過半数はアメリカ国籍にするなどの一定の配慮があった。

そうはいっても議決権の100%を日本製鉄がもっていることに変わりは無い。

これよりも名目上の独立が保てる方法を何か考えるのだろう。

既存株主の納得が得られて、投資に見合った効果が得られる方法というのは難題だが、

トランプ氏としては日本製鉄の「投資」に期待しているわけですから、

なにか折りあいが付く案はありそうだなとは思う。


トランプ大統領の発言にしては意外とまともな気はした。

商売としてはもっともな話だが、アメリカ国民の心情に配慮しなさいと。

そういう話って世の中しばしばあるんですよ。

そこを打開する策が株主に受けいられるかという課題はあるものの、

日本製鉄とUSスチールの統合というのは競争法上の問題は少ないので、

この点ではかなり有利な案という側面はある。

日本製鉄の手腕も含めて、トランプ大統領はかなり評価しているのでは?

PayPayポイントを今すぐ利用する意味

Yahoo!ショッピングでバイクの部品を注文しようとしたのだが、

そこでPayPayポイントを「今すぐ利用」を初めて使った。


背景には今月からYahoo!ショッピングのキャンペーンで付与されるPayPayポイントが

「PayPayポイント(期間限定)」になるという事情がある。

この名前だけだとわからないかもしれないけど、これYahoo!サービスでしか使えないんですよ。

その昔、期間固定Tポイントってのがありましたけど、あれとまるっきり同じ。

2019年にPayPayボーナスライトとなって、利用期限付きだったがPayPay加盟店ではどこでも使えるようになった。

この背景には実店舗まで含めたPayPay経済圏拡大の意図があったという。

その後、2021年にPayPayボーナスライトはPayPayボーナスに集約、期限なしになった。

この背景にはポイント運用の導入があって、さらに言えばその先にはPayPay証券によるポイント投資ってのもあるわけだが。


というわけで2019年以前に逆戻りだと思ってたんですよ。

Yahoo!ショッピングでの付与するポイントはYahoo!ショッピングでのリピーター獲得に使いたいのはそうでしょうし。

ところが当時と違うのは「今すぐ利用」という機能があることで、

これを使うと将来付与予定のPayPayボーナスの大半がその場で使えてしまう。

もちろん全てとはいかないんだけど、今回だと13.5%付与のうち12%相当分はその場で使えていて、

残り1.5%分が後日付与だが、うち0.5%は通常のPayPayポイントである。

わずかに1%分だけがPayPayポイント(期間限定)ということで、無視できるほど小さい。


「今すぐ利用する」の場合、ポイント計算の基準額にも影響する部分があるが、

今回見た限りでは影響を受けるのは利用額に対する通常のPayPayポイントだけのようで、

ほぼペナルティなしと言ってもよさそうだ。

それで多額のポイントを失う心配もないなら、もうそれでいいよねと。


さっきも書いたように昔はそうだったという話なんですよ。

だからこそPayPayボーナスライトへの移行というのは衝撃的な話だったけど、

最近はキャンペーンで付与されるのがYahoo!ショッピング商品券になるケースもあり、

これはYahoo!ショッピングでしか使えないポイントと考えると理解しやすい。

意図はPayPayボーナス(期間限定)と全く同じだが、利用できない店もあるなど相当に不便だった。

それよりはだいぶマシなので、Yahoo!サービス限定にすることでいろいろキャンペーンが打てるならそれでいいかという感じ。


今後は「今すぐ利用」がメインになるんかね。

コンスタントにYahoo!ショッピングで買い物する人ならその必要は全くないけど、

どうしてもムラがあるわけで、確実な方法がよいのはそうなんだよね。

期間固定Tポイントの時代からそうだけど、付与タイミングが複雑な上、

そこから1ヶ月ぐらいで失効するというのはずいぶん期間が短い。

毎月買い物してれば大丈夫なんですけどね。

名神・新名神・名阪の巻き添え

昨晩は西日本で大雪ということで、事前に広範囲で道路の通行止めが行われた。

日本海と太平洋の間が狭いところはどうしても雪から逃れるのは難しい。

名神高速道路や東海道新幹線の関ヶ原周辺はその最たるものだが、

新名神も鈴鹿山脈周辺は雪に見舞われやすく、

名阪国道ルートも重なる部分はあるし、加太越区間など氷雪の影響を受けるところはある。


いずれのルートでも立ち往生が起きては除雪もままならないということで、

3ルートとも岐阜県・滋賀県・三重県・奈良県東部の広範囲で同時刻から通行止めが行われた。

高速道路だけ見れば名古屋~京都・大阪が全滅という状況になった。

で、そうなれば一般道に迂回すればいいじゃないかとなるが、

一般道も山越え区間、府県界などで通行止めが行われたのである。

これもすごく範囲が広かったのだが……


当然、これらの道路に並行する道路は軒並み通行止めがあり、

名神(中山道ルート)は国道8号線・21号線が通行止めになり、

新名神(東海道ルート)は国道1号線の鈴鹿越と甲賀エリアが通行止め、

名阪国道は国道25号線の一般道(通称:非名阪)もそうだけど、

現実的な迂回路は国道163号線で長野峠と三重県・京都府境が通行止めに。

このあたりまではなんとなくわかるのだけど……


Google Mapsで国道369号線が渋滞表示になっている画像を上げている人がいて、

なんでこんなところが? と思ったのだけど、

実は163号線の通行止めにあわせて、165号線と166号線も通行止め区間が出ていた。

この3路線はいずれも伊勢神宮への参拝道に由来する国道である。

163号線は伊賀街道とか大和街道とか呼ばれたルートである。

165号線は初瀬街道、青山越を除けば比較的緩やかなルートで、近鉄はこのルートに沿って走っている。

166号線は和歌山街道とか伊勢南街道と呼ばれ、高見峠を越える終始険しいルートである。

で、奈良県方面からのルートとしてはもう1つ主要ルートがあって、

それが伊勢本街道、険しいが最短ルートというやつで、現在の国道369号線(三重県内は368号線と重複)である。

ここは特に通行止めにならなかったので車両が集中したらしい。


なんで369号線を通行止めにしなかったのかはわからないけど、

そもそも厳密に伊勢本街道ルートに沿って走ろうとすると、

桜井市~宇陀市榛原の間は165号線を走る必要があるが、この区間は通行止めなので、

そこは別ルートに迂回しなければならない。

さらに大きな難所が仁柿峠で、現在バイパス工事中だが、1990年に着手して2033年完成予定という工事である。

険しい地形、長期の工事に理解を 県が仁柿峠バイパス見学会 三重・松阪 (夕刊三重)

現状は1車線区間が大半を占めるという状況になっている。

三重県としても重要ルートとは考えているのだが、大変厳しい区間である。

ようは実用性が皆無であるとみたわけだが、それでも突撃する車はいたと。


同様の事象は国道307号線でも起きていたそう。

新名神の大津~城陽がこのルートに並行して現在建設中ですが。

甲賀や湖東に向かうためにこのルートに突撃したんかね。

これも険しいルートで立ち往生する車が出ていたという。


近畿圏の高速道路というのはメッシュ状のネットワークになっており、

迂回路という点では様々選択肢があるものの、通行止めが生じると、

通行止めになっていない限られたルートに車が殺到するという側面もある。

名神・新名神・名阪と3ルートもあれば、1つダメでも2つ残ってるので、

なんとかなるケースも多いが、今回は全滅という想定で、全部一斉に通行止めにしたわけである。

この作戦自体は概ね当たりで、並行する道路もだいたい封じて実効性は高められた。


ただ、課題もなかったわけではない。

先ほど、滋賀県と三重県は高速道路はほぼ全て通行止めになったと書いたが、

大津・草津などの湖南地域については京都方面とは国道1号線で、

四日市・津などの伊勢地域については名古屋方面とは国道23号線で往来できた。

このルートに車が殺到して渋滞するという問題があったそう。

生活道路として確保したものの、高速道路がないのはやはり大変である。

さらに三重県でも伊賀地域は最重要ルートである名阪国道はおろか、

上記の国道通行止めにより、他地域との道路がほぼ全て通行止めに。

名阪国道の通行止め影響 伊賀市のスーパーに商品届かず (NHK)

迂回もできないなら諦めるしかないということなのだけど。


各ルートの除雪作業は順調に推移し、高速道路の通行止めは全て解除、

名古屋~京都・大阪間のルートは全て平穏な状況に戻った。

いろいろ犠牲はありましたけど、これが何よりの成果ということで。

通行止めではなく一方通行では?

旅行で沖縄に行っている人が、那覇の国際通りの写真をアップロードしていて、

で、これから一方通行になるというようなことを書いてあり、

ただ、そこにある標識は 二輪以外の自動車通行止め だった。

車のマークに赤の斜線が入った標識ね。


一体これは何なのか? と気になって調べてみた。

最近はゆいレールなんてありますけど、沖縄にとってバスというのは重要な交通手段である。

そのバスのスムーズな運行のため、那覇周辺にはバスレーンが設定されている。

バスレーン規制について (沖縄県警察)

朝は那覇市街へ向かう向き、夕方は那覇市街から離れる向きに規制が行われ、

第1通行帯をバス・タクシー・二輪の専用通行帯にするということである。

バスレーン規制もいろいろで、バスの中でも路線バス、通学・通園バス、通勤送迎バスと限るケースもあるが、

沖縄ではバスなら貸切バスでもよいし、タクシーも含めている。

二輪も全部バスレーンを走行できるんですね。これはわりとあるらしい。

そもそも第1通行帯に設定されたバス専用通行帯は、第1通行帯を走行する義務のある軽車両(自転車含む)・原付(特定原付・一般原付)・小特は当然走行できる。

で、一般原付がよいなら、バイク全部いいだろうという発想である。


ところが国際通りと県道222号線は片側1車線の道路にバスレーンを設定するわけで、

これはもはや専用通行帯ではなく、バス専用道路であると。

一定向きに通行できる車両は バス・タクシーと軽車両・二輪となる。

裏返せば二輪以外の自動車からバス・タクシーを除いたものが規制対象なので、

二輪以外の自動車通行止め に「バス・タクシーを除く」という標識が付くと。


なるほど、沖縄県警察の意図は理解できたと。

しかし、時間帯により一方の向きだけに規制を行うのだから、

反対向きには全ての自動車が走行できるわけですよね。

で、道路標識には車両進入禁止というのがあって、天下一品のマークに似ているやつである。

あれも車両が走行できないという点では通行止め標識に似ているのだが、

車が出てくる可能性のある一方通行の出口に付けるものだと言われている。

国際通りの通行止め標識はそこから一般車が出てくるわけですから、進入禁止を適用するべきところではと。


バス・タクシーなどは双方向で通行できる道を一方通行と言うのは変では?

というのも理解はできるのだが、厳密に一方通行という道路は少ない。

自転車レーンと中央線

一方通行(自転車を除く)の道路に中央線を引くと逆走する自転車の専用レーンになるという話を書いている。

自転車でも軽車両でも二輪でも何らか除かれている車両がある一方通行には対面通行のルールが適用される。

なので、バス・タクシー・二輪・軽車両を除く一方通行というのはルール上全く問題が無い。

ただ、そのような規制はあまり一般的ではないのも事実だが。


ところで一方通行規制というのはけっこう地域性がある規制だと言われている。

さっきも書いたが全ての車両が規制対象になることは稀である。

全国的には「軽車両を除く」「自動車・原付」の地域が多いのかな。

ちなみにこれは同じ意味である。(cf. 自動車・原付って記号で書けば)

それに次いで見られるのが「自転車を除く」で、東京都・大阪府・京都府などの都市部に多い。

なお、この自転車というのは普通自転車+特定原付という意味なので、

配送用のトレーラー付きの自転車は逆走できないことになる。

で、少数派ではあるが一定みられるのは二輪以外の自動車のみを対象とするもので、

この場合は「自動車(二輪を除く)」と書くか、車のシルエットのマークを付けることになる。

山梨県だと「二輪・軽車両を除く」なんて表記もみられるようだ。

これはこれでわかりやすいかもしれない。


規制の実質的な意味でも地域性があるが、標識の付け方にも地域性がある。

東京都の一方通行規制に関わる標識はいろいろおかしいのである。

さっき東京都では一方通行規制は「自転車を除く」であるのが普通だと書いたが、

青矢印の一方通行標識と「自転車を除く」のセットは東京都ではまず見ない。

というのも東京都では一方通行標識は規制の入口にしか付いていないことが多いのだ。

当然、一方通行の途中で交差する道路というのは存在するのだが、

その場合、交差する道路に指定方向外進行禁止、青丸に進める方向の矢印を書いた標識が付けられ、

一方通行規制にかからない向きだけ進めることを示して「自転車を除く」と書く。

で、この規制の理由が一方通行であることを示すため、その下に「一方通行」と書いて、

交差する道路の一方通行の向きを黒色の矢印で書いているのである。

一方通行の出口には進入禁止標識があり、それには当然「自転車を除く」と書かれている。

途中の交差点については指定方向外進行禁止で抑えているものの、

見落とした場合の対策か、一部には進入禁止標識がある。これも当然「自転車を除く」である。

一方通行の入口で一方通行標識を見ても、全車両が進めることに変わりは無い。

なので、ここの「自転車を除く」は省略されることが常であると。変だと思うんだけどなぁ。


ちなみに那覇の国際通りでも交差する道路にはバスレーン規制の向きに曲がれないことを示すため、

規制時間帯ごとに2つ標識を立てて「バス・タクシー・二輪・許可車を除く」としている。

(これだと軽車両まで曲がれなくなってしまうけど、二輪に含まれると解釈してほしいのか)

国際通りの場合、さらに日曜の昼にトランジットモールとして歩行者専用道路の規制が行われる。

歩行者専用道路というが許可されたバスは通行するので歩行者天国ではない。

このため交差する道路が歩行者専用であることを示すために

歩行者専用の標識に規制時間帯と「国際通り」と付けたものも存在する。

この道路自体が歩行者専用なのではなく、交差する国際通りが歩行者専用なのですよということである。


というわけでそんな変な交通規制もあるんだなという話だった。

そもそも 二輪以外の自動車通行止めの標識が単独であるのも珍しい。

この標識って踏切で使われることが多い標識で単独でも使うし、

「小特を除く」とか「軽・小特を除く」と付加されていることも多い。

ただ、それ以外となると車とバイクの両方を赤斜線の中に入れた標識が一般的で、

それは軽車両(特定原付を含む)だけが通行できることを示すためである。

(自転車歩行者専用+「軽車両を除く」でも同義なのだけど)

国際通りの規制にしても、沖縄のバスレーンは二輪が走行できるから、

それにあわせてこうなってるんだろうけど、珍しい気はしますね