命名権がないときの名前でもない

またサッカーの話で恐縮なのだけど、日本vsオランダの会場になったのは「ダラススタジアム」とされているが、

平時は「AT&T Stadium」と呼ばれている。

基本的にアメフト用のスタジアムで、サッカー用に天然芝を設置して対応している。

このスタジアムは屋内なので育成用のライトも持って来て対応している。

今大会はこのような方法で対応しているスタジアムが多い。


それはそうとして、AT&T Stadium という名前がそのまま使えないのは、

国際大会ではしばしばあるクリーンスタジアム規定によるものである。

簡単に言えば普段にスタジアム内に設置されている広告を撤去する必要があるというもので、

この中にはスタジアム名も含まれているので、名前を変える必要があった。

身近なところでは調布市の 味の素スタジアム、開業間もない頃からずっと使われているため定着しているが、

一部の国際大会では正式名称の「東京スタジアム」として呼ばれて、そのたびに困惑する人が出るのは恒例である。


ところがこのAT&T Stadium は命名権がないときの名前というのがない。

AT&Tの名前が付いたのは2013年からなのだけど、

開業した2009年から2013年までは Cowboys Stadium という名前だった。

これは当地を本拠地とするアメフトチーム、ダラス・カウボーイズから取られた名前である。

これってカウボーイズの私有スタジアムなの? と気になって調べたのだが、

立地するアーリントン市の施設で、多額の建設費は市の資金や貸付でまかなわれた部分が多いようだ。

カウボーイズのオーナーも相当負担したようですけどね。


で、調べて知ったのだが、世界的には国際大会のときだけ使う名前を都度決めることも多いようで、

今回もその考えで 都市名+Stadium あるいは Estadio+都市名 というシンプルな命名になっている。

アーリントン市にあるのに、近くの大都市、ダラスの名前から拾われるのはどうかと思うけど。

あと、名前だけの話でもなく、冒頭書いたように広告を取り除くのが本来の意味。

本来はスタジアムの外壁にデカデカと描かれたAT&Tの社章もカバーがかけられているようだ。


ところで施設名に企業名が付くのは命名権によるものとも限らない。

有名な話では神戸・ポートアイランドのワールド記念ホールだが、

これは近所に本社を構える衣料品メーカー、ワールドの寄付金により作られたことに由来している。

すなわち神戸市が寄付者のワールドをたたえてこういう名前にしたわけである。

特にこの名前が問題になったという話は聞いたことがないが、

クリーンスタジアム規定の意義からするとスポンサー以外の企業名が目立つのは問題になるかもしれない。


そんな中であれ? と思う話もあって、それが柏レイソルの本拠地である。

普段は「三協フロンテア柏スタジアム」という名前で呼ばれている。

このスタジアムはJリーグでは珍しいチーム所有のスタジアムである。

Jリーグの成績上位のチームはAFCチャンピオンズリーグに参加する資格をえるが、

AFC主催大会ということで、クリーンスタジアム規定が適用される。

そこで命名権を外されるのだが、そうすると「日立柏サッカー場」という名前になる。

柏レイソルは日立製作所のサッカー部に由来し、現在も日立製作所の子会社である。

このサッカー場も日立が作ったもので、後にレイソルに移管された経緯があるそう。


なのでこの日立というのは実質的には親会社の名前そのものである。

にもかかわらず特に問題にはならなかったという。

実はこのスタジアムがあるのは日立台と呼ばれる地域である。

ファンも日立台と呼んでいることが多いそうである。

日立台の由来は日立製作所の工場があったことにあるのだけど。

なのでこの「日立柏サッカー場」というのは地名を付けただけですよというので許されたのだろう。

他にこういう説明が付きそうなのは 阪神甲子園球場 ですかね。

阪神というのは所有者の阪神電鉄の名前にも見えるが、この地域の広域地名でもある。

ただ、これが問題になる可能性のあるシチュエーションも考えられないのだけど。

(WBSC主催大会では特に命名権が問題となることはない)


市立吹田サッカースタジアム は開業まもなく命名権により パナソニックスタジアム吹田 の名前が付いたが、

当初よりワールドカップ予選などの国際大会の会場になることがしばしばあり、

吹田サッカースタジアムの名前も案外知られているようである。

親善試合だと命名権が問題とならないので、むしろここに困惑する人もいるようだ。

今どきのスタジアムとしてはむしろ珍しいのかもしれないが。


ちなみにこのクリーンスタジアム規定はスポンサー以外の広告を排除することが目的なので、

スポンサーの命名権は使えることがあり、2028年のロサンゼルスオリンピックではこの考えが広く適用される予定である。

これまでオリンピックではスポンサーの命名権でも外される慣例があったが、

ロサンゼルスでは金策もあり、スタジアムの命名権を持っている会社にスポンサーになってほしいとか、

あるいは仮設施設の命名権を買って欲しいとか、そういう意図があるよう。

果たしてこれが今後の標準になるのかはよくわかりませんが。

この考えが東京のときにあれば、味の素スタジアムの名前はそのままだったのかも。

得点者オウンゴールとは何か

サッカーというのは観戦していても退屈な時間が長いように思う。

かといって野球や相撲のように試合が動かない間があるわけでもない。

プレイしてる方はずっと必死なんだろうけど……

という中で起こるのがオウンゴールですね。


サッカーでは相手選手が自陣のゴールにボールを入れてしまっても得点になる。

この手のルールはサッカー以外でもゴールにボールなどが入ることで得点するスポーツには大体ある。

ただ、発生頻度や記録など考えると、サッカーは目立ちやすいんだろうな。

アイスホッケーは相手選手がパックを押し込んだ場合は、最後にパックを触った味方選手のゴールと記録されるようですね。


オウンゴールといっても、自陣のゴールにボールを蹴り込もうとして発生するわけでもない。

相手選手の身体に当たってボールがゴールに飛び込んだり、

ゴールとは別の方向に蹴ろうとしたら想定外の飛び方でゴールに飛び込んだり。

ゴールの向きにボールを蹴るバックパスという手法があり、

この場合は自陣ゴールに蹴り込んでいるように見えるが、ゴールキーパーなどがクリアしてくれるのが前提である。

想定外の飛び方をしたり、連携ミスでオウンゴールになってしまうのだろう。


よく「オウンゴールを誘発」みたいな言い方をされることがありますが、

自陣ゴール近くでのプレーが続くと、想定外の形でボールを押し込んでしまうことがあるんですよね。

そういう状況を作れるというのが強いということなんでしょうね。


ところで日本ではオウンゴールの得点者は「オウンゴール」と記録することになっている。

FIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)[10/15] / スタメン・試合結果

日本vsオーストラリア、1-1の引き分けはともかく、双方オウンゴールの得点という珍事だった。

日本の記録を見ると、いずれも得点者は「オウンゴール」となっている。

オウンゴールの得点者をオウンゴールとしか記録しないのは日本特有の慣例だそうで、

外国のサイトで見ると日本の1点は Cameron Burgess (OG)、オーストラリアの1点はShogo Taniguchi (OG) と得点者が記録されている。


「オウンゴール」としか記録せず隠蔽してしまうのはよくないという意見もあるが……

そもそもゴール前まで攻め込まれた状況で防ぎきれなかったという点では、

誰が押し込んだというのは重要ではなく、チーム全体の責任として受け止めるべき得点なのだろう。

この点では日本の記録方法は理にかなっているのではないかと。


ところで昨日の日本vsオランダの試合、日本が2-2の同点に追いついたゴール、

小川選手がヘディングシュートを放ったら、近くに居た鎌田選手の頭にぶつかってゴールに飛び込んだのだが、

この場合はただぶつかっただけの鎌田選手が得点者となるようだ。

ぶつかって想定外の軌道となり、オランダは防げなかったという点では得点に寄与したのだが、直感には反する。


もしこれがぶつかったのがオランダ選手だったとすれば、

それによってオウンゴールと記録されることはないようだ。

というのもゴールに入る前に触れた選手というのを厳密に考えれば、

ゴールキーパーが触るも防ぎきれなかったボールはオウンゴールになってしまうからである。

明らかにゴールに向かって蹴り込んでいないのに、相手選手が押し込んだ場合はオウンゴールと記録するが、

ゴールに向かって蹴り込んでいれば、相手選手が寄与してもオウンゴールとは記録しないようである。

でも、味方選手だったら、偶然でもゴールに寄与すれば得点者になるようである。

得点者になったからといって何かあるわけでもないですけど。


昔は「オウンゴールを誘発」の意味がわかってなかったんだけど、

錯誤で蹴り込んだとかそういう話でもないんですよね。

(錯誤によりオウンゴールが発生するケースも皆無ではないだろうけど)

だいたいは何らかの想定外の事象が発生しているわけですよね。

そういうことが発生しにくい動き方をするべきというのはありますが、

サッカーの得点の難しさを考えれば、どんな形であれ弾き飛ばせれば儲けものなわけですよね。

このあたりはどうかと思うところはあるのだけどね。

H3ロケットの水素の使い方

おととい、固体ロケットブースターなしのH3ロケットの話を書いた。

固体燃料ロケットのいらないH3ロケット

H3ロケットのキーパーツが1段目エンジンのLE-9である。

H-IIロケット以来2段目につかっていたLE-5A, LE-5Bをベースに開発され、

シンプルで安全性が高く、2基・3基と載せても安上がりということだが、

詳しく調べるとなんでこれがいいんだろ? と首をかしげる部分もあった。


LE-5Aは世界初のエキスパンダーブリードサイクルエンジンだという。

そもそもロケットエンジンというのは燃料と酸化剤を加圧して送り込む必要がある。

この送り込むためのエネルギーをどうやって確保するかという問題がある。

こういう話は飛行機のジェットエンジンにもある。

飛行機のエンジンでは排気でタービンを回し、これで空気を圧縮して燃焼している。

エンジン始動時は圧縮空気をもらって起動するのだという。

ただ、ロケットでは推進に使う排気で駆動する タップオフサイクル はほとんど活用されていない。

ロケットの推進に使われる高温の排ガスに耐えるタービンを作るのは大変だからである。


そこで推進剤の圧縮を行うエネルギーを別の燃焼ガスで確保する方法が考えられ、

主燃焼室とは全く別系統の副燃焼室を設けたものがガスジェネレータサイクルである。

H-Iロケットのときに使っていたLE-5がそうだったようですね。

ヨーロッパの アリアン5・6 の1段目に使われている Vulcain もそうだという。

もう1つは副燃焼室では燃料を部分的に燃焼させてエネルギを確保し、

燃え残りの燃料を含む排ガスを主燃焼室に持って行く二段燃焼サイクルである。

理屈の上では高効率な方式で、スペースシャトルでも使われていた。

これを採用したのがH-IIシリーズの1段目エンジンLE-7, LE-7Aだったという。


ところでH-Iロケットのときに2段目用にガスジェネレータサイクルを採用したLE-5を開発したのだが、

このときの始動方法として水素ガスが膨張するエネルギを活用することになった。

専用のスターターが不要なので簡単な構造になるメリットがあった。

このときの実績より、そもそも副燃焼器自体いらないのでは? という話が出てきたそう。

すなわち水素ガスが膨張するエネルギで推進剤を圧縮して主燃焼室に送り込めばよいと。

駆動用に使った水素ガスはなんとそのまま捨ててしまう。

これがエキスパンダーブリードサイクルである。

H-IIロケット2段目用のLE-5Aで初めて採用されたわけだが、

命名がLE-5の改良版みたいな名前で、それは元々LE-5も始動時はこの方式だったことに由来するのだろう。


水素ガスを捨ててしまうのはもったいないように思うけど、

エンジンの効率を測る指標である比推力はLE-5で450秒、LE-5Aで453秒だからむしろよい。

ガスジェネレータサイクルは推進剤の一部を圧縮機のために使われてしまう欠点がある。

一方のエキスパンダーブリードサイクルは燃焼すらさせずに捨ててしまうが、

燃焼させるには酸素が必要だが、膨張させるだけなら水素だけしか使わない。

圧縮機を駆動させるのに使ったガスを主燃焼器に持って行くエキスパンダーサイクルというのもあるが、

それはそれでいろいろ制約があるらしく、必ずしも効率の良いエンジンにはならないようだ。


で、LE-5A, LE-5Bでエキスパンダーブリードサイクルの実績を積んだJAXAは、

これを1段目エンジンにも活用できるのではと考えたわけである。

課題は水素ガスを膨張させるための熱量確保である。

エキスパンダーサイクルは2段目以降で使われることはけっこうあるが、1段目では使われてこなかった。

ただ、H3ロケットではコストダウンが重要なテーマだったこともあり、

これまでの実績も考慮し1段目も同様の方式にすることを選んだという。

ただ、やはりいろいろ難しくて、当初想定していなかった追加工が発生したり、

当初想定されたコストやパフォーマンスは現状未達ではないかと言われている。

LE-9 タイプ2と呼ばれる恒久対策版はまだしばらくかかるようだが、

それでも一応はエキスパンダーブリードサイクルの1段目エンジンは実現したという。


ところで水素ガスを捨ててしまうなんてもったいないと思ったかも知れないが、

この捨ててしまう水素ガスにも大切な役割というのがあるそう。

それがノズルを冷やすという役割である。

ロケットエンジンの排ガスは高温なのでそのままでは周りの金属も溶かしてしまう。

それでは困るので冷却していて、それはLE-7のときからそうだった。

この冷却用のガスに水素を使っていたんですね。


というわけでH3ロケットに積まれている水素は燃焼以外の目的にも多く使われているという話だった。

そもそも燃焼させるにしても混合比は5.9で、水素がかなり燃え残る比率である。

飛行機のエンジンと違って、ロケットでは酸化剤も積まないといけない。

そういう事情を考えたときに水素を燃やし尽くすより効率がよいという話なのだろう。

だから、H3ロケットが噴き出している排ガスというのは、

水素と酸素が燃えた水蒸気というよりは、水素そのものもかなりあるということのようだ。

それは推進剤を圧縮するエネルギを確保し、フィルム冷却に供される水素もそうである。

固体燃料ロケットのいらないH3ロケット

H3ロケット6号機が打ち上げられ、無事に目的を達したようである。

主な積載物は重りである。小型人工衛星は載せてるんですけど。

というのもこのロケットは日本初の液体燃料だけで飛ぶ大型ロケットだからである。

初めての要素が多く、このような実験的な打ち上げが行われたようだ。


H-IIロケット以来、1段目・2段目は液体水素・液体酸素のエンジンを主として、

打ち上げ直後は固体ロケットブースター(SRB)を併用していた。

液体水素・液体酸素の組み合わせはもっとも効率のよい推進剤の組み合わせであることが知られている。

ただ、液体水素も液体酸素も極低温であることや、液体水素の密度が低いことなど課題もある。

そこで最初だけ構造が簡単な固体燃料ロケットを使うというアイデアがあると。

H-IIロケット以来、ブースターの数を変えて打ち上げ能力を調整できるようになっている。


これまでは最低でも2本のSRBを取り付けていたのだが、そんなにいらないミッションもあったらしい。

そこで考えられたのが1段目の液体燃料エンジンを3基にして、SRBを省略するというもの。

そういえばH3ロケットは基本的に1段目の液体燃料エンジンは2基なんですね。

H3ロケットは1段目のエンジンを抜本的に作り替えたそう。

そのベースになったのはH-II以来使っている2段目のエンジンである。

それを1段目に使える大型のものに作り替えたらしい。

従来よりシンプルで安全性が高く、2基・3基と積んでも安上がりということのようだ。


1段目が液体燃料ロケット3基のみのタイプを H3-30S と呼ぶよう。

H3ロケットの中ではもっとも安価なものなのだが、用途としては主に官需ミッション」となっている。

太陽同期軌道への投入を想定したロケットらしい。

太陽同期軌道というのは地球観測衛星に使われることが多い軌道で、

JAXAが所有している衛星では だいちシリーズなどがこれにあたる。


官需ミッション というのは国から依頼されて打ち上げる衛星なのだが、

一般的に思いつくのは気象衛星(ひまわり)とか測位衛星(みちびき)とかだけど、

どちらもロケットで運ぶ先は静止トランスファー軌道である。

なので官需といってもこういう衛星ではない。

実はH-IIAロケット、50回の打ち上げのうち19回は情報収集衛星の打ち上げに使われている。

この情報収集衛星というのは詳しい情報は明かされていないのだが、

用途からすると太陽同期軌道への打ち上げになる。

というわけで、官需とは情報収集衛星だったんですね。

JAXAや外国の研究機関の科学観測目的の衛星も想定してるだろうけど。


情報収集衛星というのは内閣官房が運用しているのだけど、

一体何をしているのかはほとんど明かされることはない。

JAXAが運用している だいち が防災目的で活用されているのはよくアピールされているが、

情報収集衛星もそういう用途に使われていてもよさそうなものだが、具体的な情報はほとんどない。

実際のところ、この衛星が導入されたのは北朝鮮のミサイル開発がきっかけで、

外国の軍事施設などを観察することを目的に導入されたと言われている。

災害対策というのも目的にはあるんですけど、具体的なところはよくわかっていない。


SRBのないロケットというのは不思議な感じがしますね。

ただ、液体燃料エンジンだけのロケットというのはけっこうあって、

ロシアのソユーズロケットはケロシン(灯油)と液体酸素のエンジンで全て構成されている。

液体水素に比べて灯油の方が密度が高いのもメリットである。

結局、日本では見慣れてないというだけの話かなと。

液体水素・液体酸素の組み合わせとなれば珍しいのだろうけど。

架橋離島とは

日本でもっとも人口が多い離島は淡路島だが、

淡路島って橋で本州・四国と結ばれているじゃないのと。でも離島なんですよね。

本土5島(北海道・本州・四国・九州・沖縄本島)と架橋された離島は架橋離島と呼ばれることがある。

なお、中洲や埋立地はそもそも離島には含まれない。


架橋離島のリストというのが自賠責保険の保険料を決めるためにある。

実は自賠責保険は車両の本拠によって保険料に差がある。

離島を使用の本拠とする場合は安い保険料が適用される。

さらに沖縄県は本土・離島とも割安な保険料が適用される。

しかし架橋されて本土と往来できる離島は本土と同じ料率が適用される。

自賠責保険で本土の保険料を適用する離島

なお、この中では唯一、淡路島は高速道路を走れない車は離島扱いになる。

淡路島は唯一高速道路だけで本土と結ばれた離島だったんですね。

瀬戸大橋が通る与島などもこれにあたるように思うが、島民用ランプしかないから対象外なんですかね。


架橋離島の数というのは地域ごとにかなり差がある。

広島県は架橋離島がすごく多いことが知られている。19島もある。(うち2島は無人島)

広島県の有人離島は33島なので、架橋されてない有人離島は16島となる。

それでも多いとは思うが、相当割合が架橋されていることがわかる。


長崎県の18島、熊本県の15島も多いですね。

長崎県はそもそも離島が多いんですよね。

離島振興法対象の離島が51島、これは架橋されると通常は除かれる。

広島県と比べると架橋どころではない島が多いが、それでも多い。

ちなみにこの中には大村市の箕島があるが、これは世界初の海上空港とされる長崎空港の島である。

(現在は無人島だが、ただの無人島で語れる島ではない)


熊本県は15島もあるが、戸馳島以外は天草諸島の島々である。

間違えなく架橋はされているのだが、すべて宇土半島を経る必要があるので、

なかなか遠い道のりだなという印象はある。

この不便さゆえに天草エアラインという航空会社があるんじゃないか。

なお、鹿児島県の3島はいずれも長島町に属しているが、

これも天草諸島にあたる。ただし架橋先が鹿児島県である。

どうも歴史的には同一地域だったが、だいぶ昔に薩摩国になって、架橋もそちらにされたということらしい。


特徴的な架橋離島としては三重県志摩市の賢島がある。

ここは賢島駅があるが、日本で唯一の離島にある鉄道駅である。

歴史をたどれば淡路交通が洲本~福良を結ぶ鉄道を経営していたが、

現在の淡路交通は橋を渡って神戸と淡路島を結ぶバスを運行する会社である。

あまり離島っぽくはないのだが、リゾート施設が多くあるのは特徴的な島である。

なお、賢島には旅客船ターミナルがあり、間崎島を経て、和具に至る航路がある。

形式上は離島~離島~本土 ということになるが、実際には賢島が本土側で、和具は陸の孤島のようなところである。


ちなみに東京都には架橋離島はなく……というか伊豆諸島・小笠原諸島以外に離島はないからな。

東日本は少なくて、宮城県の3島と神奈川県の2島である。

なので架橋離島という概念になじみがない人も多いのかもしれない。

架橋離島もいろいろで、架橋されても船で往来する人が多い尾道市の向島みたいなのもある。

架橋されて海況によらず往来できるのはよいが、必ずしも人の流れにあっているとは言えない面もある。

でも、だいたいは橋をできるだけ活用する方向になってますね。

豆腐と肉の組み合わせはある

最近、家で麻婆豆腐を作った。

こだわり手作り!麻婆豆腐 (味の素パーク)

味の素KKにとってみれば、CookDoを使えば簡単だよって話なんだけど、

ちゃんとそういうのを使わないレシピも掲載してるんですよね。

一応、調味料には味の素製品の名前が書かれてはいるけど、実際は……


きっかけはあって、イオンの精肉大容量パックの売場にこれが置かれていたから。

肉肉麻婆豆腐の素 (モランボン)

着想は得たものの、この段階では踏ん切りが付かず、ひき肉だけ買って帰り、

後でやっぱり麻婆豆腐だ、ということで味の素パークに行って、

必要な材料を見て、甜麺醤さえあれば足りるなということで、

それだけ仕事帰りに買って、所定量よりはるかに多い肉をぶち込んで作ったわけですね。

モランボン製品も味の素製品も使わず、アイデアとレシピだけもらうという。


それはそうとして、豆腐というのは世界的にも知られた食材である。

いろいろ要因はあるんだろうが、昔に比べると豆腐の流通はずいぶん楽になった。

かつて豆腐というのは日持ちしない食材の代表例だった。

ところが充填豆腐が作られるようになり、長期間常温保存でも流通できるようになった。

日本以外ではこういう形態で流通しているところが多いようである。

ただ、日本ではかつて日持ちしない食材だったことに起因する特殊な事情があり、

それは分野調整法、中小企業の分野とした製品に大企業が参入することを事実上禁止する法律である。

豆腐は日持ちしないので各地の中小企業が作ってきた歴史があるのだろう。

現在の技術だと大企業が集中生産するのも現実的だが、それはやってはいけないと考えられていると。


話は戻って、豆腐が世界の広域で流通するようになり、

特に喜ばれたのが菜食主義者である。ベジタリアンとかヴィーガンとか。

これにより世界で知られる食材になったのは喜ばしいことだが、

ベジタリアンとかヴィーガンの食べるものという理解になってしまい、

大衆が食べる食材とはなかなか考えられていない部分もあるそう。


日本や中国ではそんなことはないのですが……

なんなら肉豆腐とか麻婆豆腐とか、肉と豆腐をあわせた料理もけっこうある。

もちろん日本でも精進料理の食材に豆腐が多用されるように、

肉・魚の代用品として、タンパク源としての機能に着目した用途もあるが、

実際のところそこまで考えてないわけだよな。

むしろ味がよくしみるというところが好まれているだけでは?


外国の食材を使いこなしているかという必ずしもそうではないので、

こういうのはよくあることのような気もするけど。

兵庫優駿から東京ダービー

大井競馬場で東京ダービーがあると聞いて、どうせ有力なのはJRA勢なんだろうけど、

ダートグレード競走というなら地方の他地区所属馬も気になるが……

というので出馬表を見ていたら「兵庫優駿」という文字が見えて、えっ!? と思った。

しかも1着馬、それってすでにダービー馬ってことじゃないの。


兵庫優駿は2023年までは兵庫ダービーと言われていたレースである。

同年までダービーシリーズとしてご当地ダービーを集中開催していた。

2024年から羽田盃・東京ダービーがダートグレード競走(JpnI)に、

ジャパンダートダービーあらためジャパンダートクラシックが秋に移設された。

春2冠・秋1冠のヨーロピアンスタイルに改められたわけである。

この中で芝の日本ダービーに対して、ダートは東京ダービーであることを明確にするためか、

各地の地方競馬のご当地ダービーも表向き廃止になったわけである。

(年末の ばんえいダービー だけは残っているけど)


ただ、実際のところはほとんどは名前を変えただけで残っている。

東京ダービーの前後では各地の元ダービーが盛大に開催されている。

そんな中で今のところ唯一手が入ったのが兵庫ダービーあらため兵庫優駿である。

2024年・2025年は兵庫優駿は東京ダービーの3週後ぐらいに設定された。

東京ダービー→兵庫優駿の転戦も可能な体裁を作ったが、そんなことするのはおらず。

これが今年は一転、5月の連休期間に兵庫優駿が行われた。

あれ? ここって東京ダービーの西日本予選にあたる 西日本クラシック が行われていたのでは?

それで気になって調べたら、今年は4月中旬に前倒しになっていた。


この結果、兵庫からは2頭が東京ダービーに参戦してきた。

ゴッドフェンサー(菊水賞・兵庫優駿 優勝) と ミルトイブニング(西日本クラシック優勝) である。

地元馬相手にしか走ってないのはあるが、ゴッドフェンサーの戦績は立派である。

ここだけ見ると、ご当地ダービーの優勝馬がケンタッキーダービーに集まる姿が重なりますが……

兵庫優駿はダービーって言わないんですけどね。


結果は羽田盃を優勝したJRA所属のフィンガーが連勝、二冠達成となった。

上位4頭はJRA勢が占め、地方勢からすれば面白くない結果。

ただ、それに次ぐ5着はゴッドフェンサーだったんですよね。

実力差は相当あるにせよ、5着賞金に加え、地方馬最先着賞ということで得たものは大きかったようだ。

とりあえずの目標は地元の園田オータムトロフィーだろうけど、

その先はダートグレード競走も視野に入れるんですかね。


この流れを見ると兵庫優駿を連休期間に行うのはよさそうなのだが、

欠点もあってそれが兵庫チャンピオンシップとの関係である。

2024年から兵庫チャンピオンシップは3歳短距離チャンピオンを決めるレースに位置づけられ1400m戦になった。

芝で言うところのNHKマイルカップのようなものである。

JRA勢にとっては待ちに待ったダート短距離の重賞なのだが、

地元勢にとっては1870mの兵庫優駿が同週にあるんですよね。

兵庫ダービーからの歴史や相手関係も考えれば、地元馬はこちらを選びがちである。

距離は違うけど、1400mと1870mどちらも走れるのは多いだろう。


地方馬が地元勢相手のレースを選びがちなのはここに限った話でもない。

羽田盃は前哨戦がすべて南関東で行われるなどの事情もあり、

ほぼJRAと南関東しかいないが、この南関東勢も揃いが悪い。

というのも同時期に船橋で行われる東京湾カップを選ぶものがいるから。

東京ダービーへの出走を確実にするには東京湾カップを使った方がよいという理屈もあるが、

それで羽田盃のメンバーが充実しないのでは問題である。

この状況がどうにもならないなら素直にJRA枠を広げた方がよいと思うが。


JRA勢にしても、UAEダービーやケンタッキーダービーに遠征すれば、

羽田盃と東京ダービーには出られないわけですけどね。

(UAEダービー→東京ダービーは日程的には可能だが、東京ダービーの優先出走権を得る手段がない)

この点では秋にあるジャパンダートクラシックが全国チャンピオン決定戦になっている側面はあるが。

しかしこれも地方所属馬にとってはまた違う観点もあるでしょうしね。

なぜナッシュビルなのか

北アメリカ開催のサッカーワールドカップ、

日本代表はグループリーグ期間中の拠点となるナッシュビルに入ったという。

事前に暑熱順化のためのメキシコ・モンテレイでの合宿では悪天候で芝の状態が悪いなどの課題もあったが、

ナッシュビルの施設はかなり立派なようで……

森保Jの“W杯基地”を大公開 全米トップクラス…64億円の豪華施設「特に優れている」 (FOOTBALL ZONE)

むちゃくちゃ豪華ですね。


驚くべきことにこの施設はFIFAが提示したキャンプ地リストには掲載されてなかったらしい。

リストに載っている中で条件の良い施設はFIFAランク上位の国が使ってしまうであろう。

そんなことも考えて見つけ出してきたのがナッシュビルだったらしい。

こんな施設が目に付かないところにあったなんて……と思いますが。


もっとも欠点もある。それが移動距離である。

グループリーグ2試合が行われるダラスには比較的近いが1000km、飛行機で2時間半かかるという。

グループリーグ期間の移動距離では、参加チーム中トップクラスの長さだという。

地球6周の広域開催 移動に明暗、日本はF組最長―W杯サッカー (JIJI.COM)

都度移動は必要ではあるが、許容可能とみたようだが、実際どうかはよくわからない。


直前まで良好な環境で練習できることは大切だよね。

という話を言えば、先のオリンピックのフィギュアスケートが思い浮かぶ。

先のミラノ開催のとき、日本チームはヴァレーゼのスケートリンクを拠点としていた。

事前の強化合宿から使っていたようで、公開練習には地元の人が大挙して訪れ、

オリンピックでは地元選手のように日本選手を応援していたとか。

ソチオリンピックのときは用意した練習拠点の環境が悪く、その反省から時間をかけて拠点探しを行ったという。


ふと、2002年の日韓開催のときはキャンプ地ってどんな施設を使っていたのか気になった。

町おこしの意図もあってか、キャンプ地に手を挙げた地域は多く、

韓国側のグループリーグに割り当てられた国も開幕前に日本でキャンプを行ったところは多い。

調べてみると都道府県レベルの競技場を中心にキャンプを行ったところが多いようだ。

当時は国際大会に使えるレベルの施設は少なかったが、アマチュアチームが試合をするような施設はけっこうあったんですね。

今だとどうなるんでしょうね? プロチームの施設も選択肢に入りそうですが。

でも案外似たような感じになるのかもしれない。


しかし、何を考えても大変なのが今回から参加チームが48となること。

当初は3チームのグループリーグをやった後、

各上位2チーム、計32チームのトーナメントを行うとなっていた。

しかし、3チームのグループリーグはいろいろ問題があるだろうと、

4チームのグループリーグを経て、1・2位と3位の中で成績上位のチームが計32チーム選ばれトーナメントを行うとなった。

お国柄、サッカー用の大規模スタジアムが少ないこともあり、会場は広域に分散して確保するしかなかった。

(普段はアメフト用のスタジアムに仮設の天然芝を貼って行うところもある)

日本もワールドカップ誘致を考えていたりするけど、

スタジアム自体は増えたけど、観客席数の要件を満たすものは限られている。

単独開催は難しいが、日韓でも足りるとは思えない。

これを超えるとどこを巻き込んでも遠いですよね。男子サッカーのワールドカップ開催なんて夢のまた夢……

ソーラー頼みの腕時計

前に新しい腕時計を注文した話を書いたが、

前まで使ってたのもそうなのだが、ソーラーで充電するようになっている。

なので電池交換不要で長持ちするということである。


届いた時点では残量はH, M, Lの3段階のMで、使用前にはHまで充電して使ってねとなっていた。

ただ、室内の照明ではあまり充電効率がよくない。

そこで窓際に置いて仕事に行って、帰ってきたのだけど、まだMのまま。

曇天ではなかなか充電が進まないようである。

それでも確実に充電は進むはずと翌日も置いていたのだが、まだMのまま。曇りではあったけど。


晴天でカンカン照りの下に置いておけばすぐ充電は進むはずと、

晴天の下に1時間ぐらい置いておくと、Hまで充電が進んでやれやれと。

M→Hに充電が進むには時間がかかるけど、逆にH→Mには容易に下がらないような判定だろう……

と思ったら、晩にはMに戻っていた。別に電池消費著しい使い方はしていないのだが。

どうもギリギリHのラインを超えたところだったらしい。


今日は曇天だったが、それでも窓際に置いておけば充電は進むようで、

一旦はHに戻り、でも夜になるとMになっていた。

今までよりは意識的に窓際に置いておかないと維持するのは難しいのかもしれない。

晴天下で稼いでおけば、ある程度蓄えにはなるんだろうけど。


ソーラーで充電できると言うが、ソーラーしか充電する手段がないとも言える。

カンカン照りなら早いけど、それは天気次第である。

今後、特に意識せずともHのレベルを保てるようになるのかもしれないが、

しばらくは注意が必要そうである。

飛鳥・藤原の宮都が世界遺産になる

4月に吉野に行くとき、橿原市内で乗換などしているが、

このときに「飛鳥・藤原の宮都 世界遺産国内推薦決定」というような掲示がデカデカとされていて、

まだ登録されると決まったわけではないのにな……

と思っていたが、「登録勧告」が出たとのことで、登録は確定的な状況になった。

「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産へ ユネスコの諮問機関が「登録」勧告 (朝日新聞デジタル)


これで奈良県では4つ目の世界遺産が登録されることになる。

  • 法隆寺地域の仏教建造物(1993年)
  • 古都奈良の文化財(1998年)
  • 紀伊山地の霊場と参詣道(吉野・大峯と大峯奥駈道) (2004年)
  • 飛鳥・藤原の宮都 (2026年登録見込)

どこいっても世界遺産だなという感じですね。

飛鳥・藤原は世界遺産暫定リストに記載されたのは2007年のこと。

推薦まで相当な年数を要しているのだが、いろいろ事情がある。

もっとも大きな理由と言われているのが藤原宮跡の特別史跡指定範囲である。

史跡に指定されると利用に大きな制限がかかるため、地権者の同意を得て指定する慣例がある。

(史跡に指定されたからといって住宅などに使えなくなるわけではないが、建替などに制限がかかる)

暫定リストに記載された頃はカバー率は8割程度だったという話もあるが、

これが98%ほどになるのを待って推薦したという事情がある。


僕は飛鳥・藤原の宮都の構成資産の多くに足を運んでいるが、

その上で思うのは、ここから往時の姿を想像するのはまだ難しいということである。

これは平城宮跡との比較で言っているのだが、発掘調査の歴史やそれを補強する資料が圧倒的に少ない。

まだこれから掘って調べて行かないといけない部分がたくさんある。

それも平城京と比べても短期間で放棄された宮都ばかりなので情報が限られている。

一方で、飛鳥・藤原→奈良(平城京)→京都(平安京)の3つの世界遺産がシリーズになるということで、

それらがまとめて継承されることへの期待もあるのかなと思う。


ところで今回の世界遺産推薦にあたっては、暫定リストに記載されていた大和三山が落とされている。

大和三山は藤原京を囲むようにあった香久山・畝傍山・耳成山である。

2005年に名勝に指定されているが、世界遺産登録の前提となる国内法での保護対象とするためだったのかも。

これ自体は考古遺跡ではないという理由で外されたようだ。

説明がしにくいという理由で外される資産もけっこうあるんですよね。

地元では世界遺産と同じように紹介されてたりするんですけど。

実際、藤原京を理解しようとすれば外せないものだとは思うのだけど。


基本的に日本は世界遺産に推薦するというのは相当な確度があるからこそである。

ICOMOSの審査結果には 登録勧告・情報照会・登録延期・不登録の4つがある。

登録勧告は文句なしで登録に値するということで、今回はこれにあたる。

情報照会は何らかの修正など必要だが、それなりに絞り込まれているもので、

このパターンはすぐ修正して同年に登録されるケースも多い。

登録延期は出直してこいということなのだが、同年登録というケースもある。


近年のものでいうと、まず一発で登録勧告になったのは、

  • 北海道・北東北の縄文遺跡群 (2021年登録)
  • 百舌鳥・古市古墳群 (2019年登録)
  • 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 (2018年登録)
  • 宗像・沖ノ島と関連遺産群 (2017年登録)
    • 宗像大社辺津宮・中津宮は除外を勧告されていたが、世界遺産委員会ではすべて登録することが認められた
  • 明治日本の産業革命遺産 (2015年登録)
  • 富岡製糸場と絹産業遺産群 (2014年登録)
  • 富士山 (2013年登録)
    • 三保の松原は除外を勧告されていたが、世界遺産委員会では登録が認められた
  • 小笠原諸島 (2011年登録)

ここ最近はかなり確度が良いので一発登録となることが多い。

ただ、一部除外を勧告されたことはけっこうあって、でも全体的には登録すべきと認められている。


次に情報照会だが、近年では 佐渡島の金山(2024年登録)がそうで、

すぐに対応できるとみた日本政府は、遺産範囲の見直しなどして勧告された年の世界遺産委員会で登録されている。

ただ、これは特殊なケースのような気はしますね。

翌年以降に申請するのが基本的なフローのようである。


登録延期、これはけっこうあって、けっこうな年数かけて出直しているケースが多い。

  • 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 (2018年延期勧告・2021年登録)
  • 平泉 (2008年延期勧告・2011年登録)
  • ル・コルビュジエの建築作品 (国立西洋美術館 含む)
    (2009年延期勧告・2011年不登録・2014年登録)
  • 石見銀山遺跡 (2007年延期勧告・同年登録)

石見銀山は延期勧告から逆転して同年登録というのはよくわからん話だが。

奄美・沖縄では保護範囲の拡大、平泉とル・コルビュジエでは構成資産の絞り込みで登録に至っている。

今のところ、延期勧告で出直し準備中という案件は日本にはないよう。

平泉は登録勧告を得るために落とした資産を拡張する計画はあるようだけど。


最後に不登録なのだが、これは 武家の古都・鎌倉 で2012年に不登録勧告を受けている。

この後、世界遺産委員会で不登録決議を得ると今後推薦できなくなるので、

勧告の段階で取り下げ、現在も世界遺産暫定リストに含まれている。

ただ、登録に向けた動きはほぼ止まった状況にある。

彦根城とともに世界遺産暫定リストに長いこと居座っているが、

一旦、不登録勧告を受けたこともあり、永遠の暫定リストなのかもしれない。


世界遺産というのは日本の文化財・自然保護制度とはだいぶ違うものである。

とはいえ、普通は国内でも重要度が高いとみなされているはずである。

文化遺産の場合、遺跡や建造物をキーとして登録されることになるが、

奈良県は国宝(建造物)が64件、特別史跡が10件と都道府県別ではいずれももっとも多い。

今回の飛鳥・藤原の登録が実現すれば、10件の特別史跡のうち8件が世界遺産の構成資産となる。

国宝建造物も法隆寺・法起寺の19件を筆頭に相当数が世界遺産の構成資産となっている。

世界遺産に登録されるには何らかの保護制度の対象になっていればよいし、

百舌鳥・古市古墳群にいたっては史跡指定すらしなかった資産もある。

(現役の王族である皇室の陵墓であることは考慮されたとみられる)

でも、普通は国内制度でもトップクラスの保護体制にあると考えるのが自然で、

奈良県所在の世界遺産はいずれもそのようなものである。