大学ファンドの恩恵を受けるには

こんなニュースがあったのですが。

東工大と医科歯科大 近く統合に向けた協議開始へ (NHK)

東京工業大学と東京医科歯科大学が法人または大学の統合に向けて動くか? とのこと。

もともと関係の深い大学ではあり、大学ファンドの助成を受けられる国際卓越研究大学の認定を狙ったものではないかとのこと。


この大学ファンドと国際卓越研究大学というのはどういうものかという話ですが。

大学ファンドの創設について(pdf) (文部科学省)

大学の教育・研究活動の充実のためには金が必要だが、社会保障関連費で火の車の日本政府が出せる金は限られる。

そこで、10兆円の大学ファンドを科学技術振興機構に作り、このファンドの運用益から大学に助成することで教育・研究活動の充実を図ろうという話が出てきた。

安定した資金が確保できることで、長期にわたる人材確保や設備投資ができるということである。

従来はプロジェクトベースの研究資金に頼るところが多く、研究者の身分の不安定化を招いてきたことへの反省もあるんだと思う。


ただ、このファンドの助成を受けられる大学は5校程度になるのではないかとのこと。

さらに国際卓越研究大学の認定を受けるためには、年3%の事業成長が求められるという。

というのもこのファンドの原資となる10兆円は財政投融資、すなわち借入金なんですね。

事業期間は50年と長く、できるだけ元本に手を付けず、運用益を大学への助成に回すという想定だが、借入金なので返さないといけない。

この大学ファンドの図には大学からファンドに向けて「資金拠出」という矢印があるが、

ファンドからの助成金で教育・研究活動を充実させた先には、集めた資金を積み立てて、

自ら積み上げた基金の運用益で教育・研究活動をさらに充実させることが求められるというわけである。

ファンドから助成された資金には返済義務はないが、事業成長により将来的には自力でファンドを充実させられる大学でなければならないということが問題である。


このことから、単純に研究活動の充実度が上位の大学が認定される形にはならなさそう。

10兆円ファンドの「稼げる大学」に5大学検討 選択と集中へ不安も (朝日新聞デジタル)

大学にアンケートを行ったところ、この時点で前向きな大学は5つあったそう。

名古屋大学・東北大学・早稲田大学・大阪大学・東京農工大学 である。

やはり認定のハードルの高さが課題で、規模や内容面でそもそも見合わない大学も多い。

3%の事業成長が求められるということで、これがかえって制約となり「毒まんじゅう」を食わされることにならないかという警戒もあるようだ。

教育・研究活動の充実には金は欲しいが、なかなか難しいと。


そんな中で実は東京工業大学と東京医科歯科大学は前向きに考えていたのではないかということである。

東京工業大学は理学と工学ということで自然科学の基礎から応用まで扱い、

また東京医科歯科大学もまた自然科学の応用分野の1つである医学を扱う。

医工連携という言葉もよく聞かれるように、自然科学の応用という点では親和性が高い。

もともと関係は深いと書いたが、両大学が1つの組織となることで、

国際卓越研究大学の認定条件である3%の事業成長に向けたストーリーを描きやすくなる。

それを抜きにしても研究基盤の強化という点ではメリットがあるんじゃないかということである。


ところで、かつては国立大学法人が合併する場合、大学も合併することになっていた。

2007年に大阪外国語大学が大阪大学と合併し、大阪大学の外国語学部と言語文化研究科の一部に継承されたのがその一例である。

ただ、2019年以降は1つの国立大学法人が複数の大学を設置できることとなり、

現在は3つの国立大学法人で複数の大学を設置している。

  • 東海国立大学機構 : 名古屋大学・岐阜大学
  • 北海道国立大学機構 : 帯広畜産大学・小樽商科大学・北見工業大学
  • 奈良国立大学機構 : 奈良女子大学・奈良教育大学

大学自体は統合せず法人だけ統合するのは、地域性や専門性という観点だろう。

東海国立大学機構の2大学はそれぞれが総合大学で、注力分野は似ているが、名古屋・岐阜と立地が異なるので、その地域性を重視したとみられる。


奈良国立大学機構の2大学はいずれも奈良市で近接していて、教育系の大学同士、

これだけ見るとなぜ2つある? と思うけど、一方が女子大学ということが大きい。

国立の女子大学ということで、女性リーダーの育成に果たす役割が多く、理学部と工学部(2022年新設)もあり、女性研究者・技術者の育成という役割もあると。

このため奈良女子大学の看板を下ろすという選択は取れなかった。

逆に奈良教育大学を集約するという選択肢もとれない。こちらは男女共学だし。

一方でいずれも比較的規模の小さい大学で、共通点も多いので、法人統合による効果も大きいと考えられたのだろう。

ということでこちらは女子大学という専門性が重視された結果ですね。


東京工業大学と東京医科歯科大学については、大学統合・法人統合どちらの可能性もあるようだ。

国際卓越研究大学の認定がどういう仕組みなのかよくわからないけど。

1つの大学になれば、その大学で認定を取りに行けばよいわけだが、

法人統合の場合、2つの大学が連名で認定を取りに行くのか、

あるいは一方の大学が認定を受けて、他方の大学と連帯するという形になるのか。

そういえばさっき認定に前向きな大学に名古屋大学ってのがあったけど、

同一法人の岐阜大学との関係はどうなんだろ?

大学が認定を受けると国立大学法人の全体の経営に影響するのは確からしいが。


東京工業大学と東京医科歯科大学の統合説はさておいても、

大学ファンドは恩恵を受けられればありがたいけど、難しいというのが現在の各大学の認識なのかなと。

借入金でファンドを作って50年は面倒見るから、その間に自力で基金を積み立てられる大学だけ寄ってこいというのは厳しい。

認定を受けなければ「3%の事業成長」など求められることはないが、金がなくては教育・研究活動の充実もままならない。

というわけで行くも地獄、行かぬも地獄ということになりかねないと。

もっともこういう選択肢があるのは研究活動が極めて充実した一部の大学のみで、

「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」という、特定分野あるいは地域に特化した大学向けの制度に期待している大学の方がはるかに多い。

事務局対応で一部返金はアリ

最近、メルカリでいくつか本を買ったわけだが、

その中の1つで検品していたら、店舗特典のブロマイドが見あたらない……

特に欲しかったわけではないのだが、商品説明に書いてあったよな。

カバーを剥がしたり、いろいろ確認したが、どうもないので質問してみた。

すると、どうも誤記だったらしい。なんでそんな誤記をしたのかわからないけど。

(複数出品していて、そのうち1つだけに書くべき説明を書いたのかと思ったが、そういうわけでもなさそうだった)


で、誤記ではあったのだが、当該ブロマイド自体は手元にあるとのこと。

なので追加で送ることはできるとのことだった。

本来ならそれが真っ当な解決法なのだが、正直なところブロマイドをもらってもなぁと。

それならばその送料分を還元してくれた方がよいのだが。

しかし、以前も書いたがメルカリでは取引相手と金銭のやりとりが禁止されている。

メルカリでページが切り取られた雑誌

1つは不備のある商品の交換対応で、返送送料のやりとりで色々あった話。

結局はこちらは切手でゆうパケットを送り、相手から同額の切手を返してもらうことで打開した。

もう1つは不備のある商品を返送無しでキャンセルということで、こちらはシステム上で返金されている。

この方法で返金する場合、システム使用料と発送時の送料はメルカリ持ちになる。


そこでちょっと調べてみたのだが、メルカリでは一部返金という対応も可能らしい。

「ブロマイド送ってもらうよりは送料分返金の方がありがたい。メルカリでは一部返金という対応も可能らしい。」ということで提案をした。

もしこの提案が受け入れられなかったらどうしよう。でも、誤記だっていうのなら、ブロマイドの欠品は不問にしてもいいかなぁ。

なんてしばらく待っていたが、まもなく相手から○○円に値引きして対応したいとの話が飛んできた。

提案された返金額が思いのほか多かったので、申し訳ないなと思ったけど、別にこっちから強要した話でもないし。

というわけで、これでメルカリの事務局に連絡してもらって完了と。

しばらくしてメルペイ残高に返金された。


一部返金の注意点は、重要なのは「返金額」であるということだ。

メルカリから飛んできた返金対応の説明にもこう書かれているのだが。

1.返金に対する双方の合意を確認後、「出品者から購入者への返金額」を決め、取引メッセージに明記する

だから「本件の不備について200円の返金を提案します。」「承諾します」というようなやりとりが最初から行われているとスムーズなわけですね。

ただ、このときもそうだったのだが、「○○円への値引きを提案します」というような記載だと困ってしまうんですよね。

詳しくは書かないけど、これでトラブルが起きてしまったんだよね。こちらが損する話ではなかったんだけど。


というわけで一応はメルカリでも一部返金という対応は可能だと言うことですね。

不備の内容にもよるけど、全部返品してキャンセルか、返送送料分の値引きかどっちがよいか? というのは問うてもいいかもね。

なお、ヤフオク・PayPayフリマでは商品発送後の返金はシステム上で対応しないので、このあたりは元々柔軟に対応できる。

もっともヤフオク・PayPayフリマで不備を引いたのは、BOOKOFFのオークションストアで購入した本に切り取りがあったときぐらいのものだが。

(このときはBOOKOFFとメールでやりとりして振込で返金されている)


それにしても最近、メルカリで不備を引くことが多いですね。

先月も返品対応になったのが1件あったしなぁ。

これについては記載された商品内容に対して安すぎることを疑うべきだったという話もあるのだが。

あっさりと送料着払いで返送してくれたらキャンセルするという話になったのはよかったのだが。

出演者の欠けたラジオ番組対抗戦

今日は渋谷公会堂に行っていた。

改築後の建物を外から見ることはあったけど、中に入るのは改築前後を通じて初めて。

改築後は「LINE CUBE SHIBUYA」と命名されているが、

そういえば少し前までLINE社の本社は渋谷にあったんですよね。

改築中にJR新宿ミライナタワー(所在地は新宿区となっているが、実際は渋谷区にまたがっている)に移転して、だから命名権を取得したときにはすでに半分転出してた。

ただ、その後にZホールディングスとの経営統合もあり、2021年に再移転して新宿区四谷にあるそう。


これというのは、トークイベントを観に行ったからなんだが。

SECONDSHOT FES -Girls Members- 2022 <SUMMER>

セカンドショットというと、かつては文化放送 超!A&G+で番組を多数持っている印象だったが、現在はほとんどがニコニコ・YouTubeでの配信になっている。

ラジオ番組(といっても大半は映像付き)の制作会社の番組合同イベントである。

かつてはメルパルクホール東京(文化放送から近い芝公園にある)を使うことが多かったが、それが渋谷公会堂になったのも文化放送との関係の変化か?

いや、特に関係ないような気もするけど。

というか他のイベントでは相変わらずメルパルクホール東京の出番は多いし。


このSECONDSHOT FESというと、2020年には無観客での開催になっている。

もともとインターネット配信との併用は考えていたのだが、

当時はイベントを開催するだけでも大変な時期で、

渋谷公会堂の会場はそのまま使って、出演者の間隔を確保するために、客席に出演者を座らせるという異例の対応もあった。

これ自体は新型コロナウイルス騒動の以前から動いていたものだから仕方ないが、

以後はイベント開催に慎重な時期が続き、例年やっていたSECONDSHOT FESは2021年はスキップ、2022年に夏秋2日開催とすることとなったそう。


ただ、今回困ったのは直前で出演者の新型コロナウイルス感染あるいは濃厚接触者が相次いだこと。

濃厚接触者ってどうしてもダメなのか? と思ったが、かなり直前だったのと家族が感染という事情を考えればNGでしょうね。

これにより、まず司会者2人が揃って出演できなくなり、代役を確保する必要に迫られた。

あと、後で書くようにこのイベントは番組対抗戦をやるわけだけど、欠席者の兼ね合いで合同チームが作られるという影響もあった。

いろいろあったけど、なんとか決行と相成ったのだった。


昨日思い立ってチケット買って夜の部に参加。

会場に入って2階席に行こうと、まずエスカレータに乗ったら1階席の入口、

そこから2階席へはどうして行くのかとわかりにくかったが、ここは階段なんですね。

エスカレータから階段が見えてればわかりやすいんだけど、構造上そうなってはいないんですね。

直前に買って2階席だったことからもわかるように3階席は全く未使用である。

もっとも昼の部は3階席まで使ってたから一見無意味ではなさそうだが。

ただ、座席が埋まっていく中で気づいたけど、1席おきに使ってるんですよね。

グループ間を1席空けるですらなさそうで本当に1席おき。

特に1席おきにする理由もなさそうなのだが……


なんて考えると渋谷公会堂という会場が見合っているのかというのはあるけど。

とはいえ、2019年以前の感覚でもトークイベントにしては広すぎる会場なのは確か。

その上にインターネット配信まであるのでは……

1席おきでも3階席まで全部埋まれば900人ぐらいは入っているわけだし、そうなればむしろ健闘している方かも。


このイベントはとにかく番組・出演者にとって大盤振る舞いである。

夜の部の番組対抗戦の優勝チームには番組の特別予算100万円が与えられ、

これは特別予算なのでロケでも行けば、その映像商品とか売って回収するのはあるんだろうけど。

(例えば「Pyxisのキラキラ大作戦!FANDISK 6」はその特別予算で制作されたものである)

これとは別に番組対抗戦の優勝チームには金券3万円、2位には2万円が与えられ、

さらにイベントで活躍した出演者(社長が決める)にはMVP賞として家電量販店で買えるもの15万円分がプレゼントされるという。

こちらは特に回収見込みのあるものでもないから、単に大盤振る舞い。


それだけ儲かるイベントなのか? と思うかも知れないけど、そんなことないと思うがね。

基本的にトークイベントなので、コンサートなどに比べればお金はかからないだろうが、集客力もそれなりである。

グッズも飛ぶように売れるというものでもないだろうし。


往路は代々木公園を散歩して行ったのだが、帰りは渋谷の繁華街を歩いて電車に乗って帰ってきたんだけど、

夜の渋谷はなんやかんや人は多いのだが、飲食店を覗いてみると客はさっぱり。

路上や店の軒先で酒を飲んでいるような人もいるけど。

グループで街を行く人もけっこう見たけど、飲食店に長居したりする気はあまりなくて、そう長居せずに帰ろうという流れなのか?

長居してどんちゃん騒ぎしては、新型コロナウイルスを拾っては、医者にもかからずうっかり死んでは困りますからね。

渋谷界隈で遊ぶ人たち自体は多いにしても、そこら辺のリスクはシビアに見ているんじゃ無いか。

クリックポストは速い

先月中旬から今週ぐらいまで、PayPayフリマ・ラクマでくすぶっていた商品をメルカリに出品していた。

今回から配送方法をクリックポストに切り替えていた。

メルカリの送料負担が増え、逆にクリックポストは値下げされ、ギャップが広がったからである。

クリックポストは安くて便利か


何個か送って思ったのは、速いということである。

クリックポストもゆうパケットの一種なので基本的には同じはずじゃないかと。

そうなんですが、従来の匿名配送ではこういうところでロスがあったんじゃないかと。

  1. スマリボックスから発送した場合、集荷した郵便局での登録作業
  2. ゆうパケットポストの場合、集荷した郵便局でのラベル貼り付け作業
  3. 到着した郵便局でのあて名変換作業

1.はスマリボックスからの回収は1日2便あるっぽいが、午後便で回収された場合、郵便局での登録が18時台とかになっていることが時々ある。

こうするととりまとめを行う郵便局に向けて出荷できていないのでは? と。

2.はゆうパケットポストのラベル貼付作業に時間を要することがあるということ。

これも1.同様に午後の集荷後に作業して遅い時間になっていることもあるが、

さらに遅れて翌日になることも稀にある。

3.は到着した郵便局で1日留め置かれることがけっこうある。


クリックポストの場合、こういうところで詰まることはない印象である。

このため、感覚的には今までより1日早く到着するケースが多い。

その上、ラベルを印刷してポストに投函するだけだから、発送もそこそこ楽。

まぁその代わり匿名配送にはならんわけですがね。

ここが購入者にとってどう映るかという話である。


ただ、面倒なこともある。それは追跡番号を取引メッセージで通知する必要があることである。

実はクリックポストで発送する人もめんどくさがって追跡番号を連絡しないことがあって、ヤフオクではけっこう経験している。

でも、それは不誠実だろうと思うわけだよね。

配送情報の転記もそうだけど、やはり細かい部分の手間はいろいろかかる。


なお、うちの地域ではポスト投函のレターパック・ゆうパケット(クリックポスト含む)はとりまとめを行う郵便局で登録作業が行われる。

ある程度運んでから登録されると言うことで、追跡番号を通知するときには「輸送上の都合で追跡情報の登録は夜になることが多い」と伝えている。

それでもポストで回収された日のうちに登録されるから全然心配は無いけどね。

ゆうパケットポストで登録が翌日になるときとか不安も不安になるけどね。

軽症者なら受診するなというが

最近こういう話が報じられたところだが。

「65歳未満で軽症、基礎疾患なし」なら受診避けて 厚労相呼びかけ (朝日新聞デジタル)

「症状が軽く65歳未満で基礎疾患がなければ、慌てて医療機関を受診することは避けること」という話である。

すでに発熱外来は受診困難な状態になっており、できるだけ中等症以上あるいは重症化リスクの高い人の受診につなげたいという意図があるのだが、果たしてこの意図が正しく伝わっているか。


そもそも新型コロナウイルスの診断・療養体制はどうなっているかという話である。

療養者・濃厚接触者の方へ (東京都福祉保健局)

この下に「新型コロナウイルス感染症に対する保健・医療提供体制」という図がある。

ここに記載されたフローによればこんな感じである。

  1. 発熱相談センターから紹介を受けて、診察・検査医療機関を受診
  2. 陽性の場合、医療機関が継続して観察する場合と保健所に引き継ぐ場合がある
  3. 保健所で入院要否を判断する
  4. 入院が必要な場合は医療機関、酸素・医療提供ステーションへ
  5. 宿泊療養が必要な場合は宿泊療養施設・感染拡大時療養施設へ
  6. 自宅療養の場合は、入院に移行する可能性が高い場合は保健所で対応
  7. それ以外はフォローアップセンター(50歳以上・基礎疾患)、自宅療養さポートセンター(自身で健康観察)

という形で極めて階層化されているわけですね。


このような体制を取る理由は入院が適するが入院が難しい患者が多いことに尽きる。

新型コロナウイルスの患者は軽症・中等症I・中等症II・重症の3区分であるが、

酸素吸入を要する中等症IIの患者でも入院が難しい状態になっている。

このため酸素・医療提供ステーションがあるのだが、まぁ野戦病院だね。

ということは肺炎のある中等症Iや、あるいは軽症でも他の病気との関係で危険と判断されても、これで入院は難しいわけである。

というわけで、宿泊療養か自宅療養(往診が前提だろう)が選ばれるわけだが、急変のリスクが常に伴うので大変である。


だから宿泊療養というのもなかなかありつけないんですよね。

・コロナの症状がある方で、50歳以上の方や心疾患、呼吸器疾患又は糖尿病等、重症化リスクの高い基礎疾患のある方(なお、宿泊療養施設では対応困難な慢性肺疾患、心血管疾患を有する方、内服等でコントロール不能な糖尿病の方等は除きます。)
・同居の家族に重症化リスクの高い基礎疾患のある方や妊婦がいて、早期に隔離が必要な方

宿泊療養施設では中和抗体薬の点滴での投与に対応できる体制があることも、宿泊療養を重症化リスクの高い患者に割りあてている理由の1つである。

このことから本人が無症状またはごく軽症で、専ら同居者への感染拡大を防ぐためには感染拡大時療養施設が使われているようである。

かつての宿泊療養というのはこの点が重視されていた気もするが。


これらに当てはまらない場合、自宅療養以外の選択肢はないのだが、

そもそも新型コロナウイルスの軽症というのが肺炎がないという程度の意味で、高熱などで大変苦しい患者も多いわけである。

そんな中で発熱外来が逼迫しているから、受診するなというのは、

理屈としては正しくてもなかなか厳しいことではないかなと思う。


ところで新型コロナウイルスについて、宿泊療養や自宅療養であっても、生命保険では入院として扱われることが一般的だという。

これは本来入院を要すると判断されたにもかかわらず、入院できず待機施設・宿泊療養・自宅療養となるケースが多いことなどから決められたルールという。

しかし、入院した場合は医療機関から入院期間を表す書類が発行されるが、

入院していない場合は医療機関は書類を発行できない。

そこで入院証明書に代わるものとして、保健所や宿泊療養施設を管轄する行政機関で療養証明書を発行しているようである。

療養証明書が必要な方へ (東京都保健福祉局)

ただ、これが患者数の激増でものすごく逼迫しているらしい。


あと、ごく軽症であっても保険金目当てで医療機関を受診する人が出てくるという問題もあって、これが冒頭の呼びかけの要因の1つでもある。

そもそも現在、新型コロナウイルスということで特効薬が使えるのはかなり限られている。

これは重症化リスクの高い軽症患者に対象にしていることと、併用薬の制限や催奇性などの課題が多いことがある。

塩野義製薬が一般的な軽症患者を対象にした薬の承認を求めているが、有効性を示すデータに疑問符が付いており承認の見込みが立っていない状態である。

このことから基本的に重症化リスクのない軽症患者は対処療法しかない。

服薬でリスクに見合った効果が得られることが確認できている条件は限られているということである。


というわけで大変難しい状況である。

新型コロナウイルスはいつか普通の風邪になるのではないかと言われていたが、

そもそも夏のこの時期にマスク着用の励行や会食を控えるなどの対応が行われていても、これほどの大流行をすることがまず異常である。

その上、軽症と言われる中でもひどい高熱に見舞われる患者が少なくないのに、

まず軽症だと思っても症状が急変して重症化することもまぁあるわけだ。

このあたりはインフルエンザのような対応が難しい要因の1つである。


そうはいってもこの患者数激増に対して回らないのは問題であり、

このことから「陽性者登録センター」という新しいシステムが動き始めた。

東京都「陽性者登録センター」開設 自主検査しオンライン登録 (NHK)

これは抗原定性検査や行政の無料検査で陽性となった人が、医師の診察によらず患者と登録できる仕組み。

登録されると自宅療養さポートセンターによる支援が行われる。

対象は当面は20歳以下で重症化リスクが低いことである。対象者は限られるが。

ただ、課題もあって、それは検査キットが必要なことで、最近は薬局での入手も困難になっているようである。

この制度が始まるに当たって、東京都では依頼すればキットを翌日に届けてくれるシステムを作ったそうだが。

家庭内に感染者がいる場合など、検査によらず症状のみで「みなし陽性」として診断することができるルールがあるが、これは医師による診断に限られるようだ。

月初に中1日で買い物

おととい・今日と中1日でイトーヨーカドーに買い物に行くのは珍しいが、

冷蔵庫の中身や週末の予定と相談してというのはあるけど、クーポン目当てというのもある。

イトーヨーカドー/1・2・3日の限定企画 #アプリクーポン で #お得 にお買い物 をしよう ―― (Twitter)

2000円以上の買い物で200円引きということでうまくやると1割引だなと。

しかもこのクーポン、期間中毎日、当日限り1回有効のクーポンが配布される。


ということで、累計6000円の買い物を行うとして、

この期間の1日でまとめ買いすると200円引きにしかならないが、

3回に分けて3日間で2000円ずつ買えば計600円引きになるということ。

そううまくいくかというのはともかくとして。


週末は他の予定を考えて買い物にいかず、その分を月曜日に買いに行き、

週の中間である水曜に追加で買い物に行くということに合理性はあり、

それを各2000円程度になるように前後の買い物の量を調整すれば、

計400円の値引きが受けられると言うことである。

普段なら日曜と木曜とかで買い物に行くことが多いんですがね。


しかし、最近買い物してて思うのは安く買える食材がなかなかない。

先月の食費を見てびっくりしたけど、おそらく月単位では過去最高記録では?

最も大きな理由は北海道に旅行していた期間の外食費である。

その上、旅行から帰ってくるとほぼ空っぽの冷蔵庫を補充しなければならない。

このため旅行中~直後の食費はかさむことが多い傾向はある。

しかし、それを考慮しても食費がかさんでいることは確か。


最近は連日出勤で昼食は弁当なのだが、そもそも弁当は食堂(現在は閉鎖中)より割高だったのだが、その上最近に値上げがあった。

1食あたりにすると数十円の話だが、積み重ねると軽視できないだろう。

それでも昼食のことを考えなくて良いのは楽なのだけど。

あとはスーパーで購入する食材の値上がりですかね。

今日はカレー用豚肉が見切り販売で安かったので、酢豚を作ろうと思った。

そういえば油の残りが少なかったなと買い足したのだが、これがだいぶ高いなと。

食用油の値上がりは報じられていたけどこういうことかと。

この値段を見ると酢豚を作るという決断を後悔しそうになったが。


ただ、予算ありきで買い物をする人たちも多いでしょうから、

そうすると単価が上がった分だけ購入量を減らしたり、

あるいは安価に買える食材に代替したりということになるでしょう。

そうすると値上げしても売上は上がらないことが多いでしょう。

値上げにより出荷しても赤字という状況は打破できるかもしれないが、

なかなか生活必需品に関わる業界は厳しいんじゃないですかね。


まぁこういう話はあるんですけど。

この10年ほどの間でみた物価は、生活必需品が1割以上値上がりしているのに対し、ぜいたく品はほぼ横ばいだ。

(物価上昇、中低所得層の生活直撃 「スクリューフレーション」が深刻化 (朝日新聞デジタル))

ただ、ぜいたく品が割安なのかというとそう単純な話でもなくて、

それは長納期化とかで買うに買えないという事情もあるんじゃないかと思う。

結局は誰も彼も思うように買い物が出来ていないんじゃないかね。

最低賃金が上がっても働けないとな

これ自体はまぁこういう結論にしかならないと思うんだけど。

最低賃金 過去最大“全国平均31円引き上げ”答申 厚労省審議会 (NHK)

ただ、比較的低賃金の労働者にこの恩恵が及ぶかというと、一概には言えない気もする。

どうしても雇用によらざるを得ないところは、最低賃金に連動すると思うが、

やはり脱雇用というのが今のトレンドではないか。


1つはギグワーカーとか、業務委託で働く人が増えているということ。

効率よく働ける人であったり、制度上の工夫で手取りを増やせる可能性はあるし、

発注側にとってみれば、最低賃金で人を雇うより低コストにできる可能性があり、

そういう状況だと最低賃金引き上げの恩恵も乏しいということになる。

もう1つはコンビニや飲食店などでアルバイトなど雇うにも高いので、人を雇うのを減らす動きがあると。

その分は経営者が働いて穴埋めしたり、営業時間の短縮などで対応することになろうが。

従来そうして働いていた人にとっては働き口自体がなくなる方向である。


ところで一定時間以上働くサラリーマンであれば、労使折半で健康保険・厚生年金・雇用保険に加入することになる。

これは大変心強いという話をこれまでも書いている。

サラリーマンの社会保険にはある下記のようなものはないから。

  • 健康保険の傷病手当金
  • 障害厚生年金 (障害基礎年金より支給対象が広く、給付水準も高い)
  • 雇用保険の失業給付・育児休業給付金

こういうものを自営業者が備えようとすると、とても大変である。

(税収は増えるが……)

社会保険の適用範囲拡大によってパートタイムで働く人もだいぶ対象になった。

労使折半でも保険料負担はあるが、いざというときにはかなり役立つ。

雇用が安定していることにはそれ以上のメリットがあるということである。


ただ、雇う側にとっては困った話でもあって、労使折半の保険料の負担は重いし、解雇規制も厳しいので、人を雇うことのハードルが高い。

それでも必要な人は雇うわけですが、業務委託の活用ということも考えるわけである。

業務委託が安上がりであるかというと一概には言えないところもあるだろうが、

ただ、業務量に応じて柔軟に変更できたりするメリットもあるでしょう。


そういう働き方よりは最低賃金を割ってもサラリーマンの方がよいという人は少なくないだろうでしょうけどね。

従来通りの働き方で最低賃金に連動して給与が増えれば、それが一番よいが、

それが実現できないとなったときにどうなるのがよいかは難しい。

最低賃金が上がると、それより安い時給で雇用するということはできなくなる。

これに対して実質的に最低賃金以下の単価で業務委託するというのは、それは最低賃金規制に対して本末転倒ではないかという話はある。

しかし、例えば副業としてやるならば、本業で社会保険に加入していれば、副業で新たな社会保険料負担が発生しないので、それでもメリットはあるかもしれない。


いずれにせよ、雇用に対する最低賃金だけでは追いつかず、

業務委託に対する最低工賃とかも考えないといけないのかもしれないが、しかしこれは業務内容や契約によっても様々だから難しい。

今でも家内労働法の規定で内職の最低工賃というのを定めているのだが、最低工賃の定めのない業務だと無力である。

ましてやコンビニや飲食店の経営者ともなれば、これは経営者自身の働いた時間に見合った収益が出るかというのはまたまた別の話である。


というわけで大変難しい問題である。

最初にも書いた通り、最低賃金の決め方としてはこの引き上げ幅にならざるを得ないわけである。

それに応じて物やサービスの価格を引き上げて対応して欲しいということで、

確かに価格には最低賃金に連動する部分はあるので、ここは無意味ではない。

でも企業間の競争の中で全てが全て価格転嫁できるわけではない。

それができないなら事業を畳んでしまえとなれば、単純に雇用は失われるし、

ギグワーカーの活用などで、実質的に最低賃金より安くても働きたい人を集めて対応することもある。

そうすると結局は最低賃金引き上げの恩恵がないことになる。

こういう話は今に始まったことではないけど、段々厳しくなっているのではないか。

限度額が厳しかった理由か

今の勤務先から内定をもらってから作ったビックカメラSuicaカード、

長らく限度額が20万円だったのだが、先日大幅に増額された。

他のカードがガンガン限度額が上がっていく中で、

学生時代から限度額が変わらないというカードだった。(当然勤務先は届けている)

最初から20万円あったから困ることもなかったのだが。


これと関係あるか知らないけど、支払いサイクルが変わるそうで。

毎月のお支払いサイクルの変更について (ビューカード)

現在は月末締め翌々月4日引落となっている。

これが5日締め翌月4日引落に変更になる。

締め日が5日後ろに動くわけで、一部支払いが早まると。

実はこれ、法規制対応という意味合いが強いらしい。今さらなんだが。


この変更は何を意味しているかというと、締め日~引き落とし日が1ヶ月以内になるということ。

割賦販売法の変更により2010年以降、クレジットカードの限度額設定にあたって支払可能見込額の調査が必要となった。

年収・住居・家族構成と既存の債務を調査して、そこから求まる金額の範囲で限度額を決めないといけないと。

ただ、このルールには例外があって、それが翌月1回払いである。

カード会社によって運用もいろいろだが、少なくとも一時的な増枠はこのルールで処理されるのが普通である。

あるいは限度額の中に「割賦枠」ということでリボ・分割・ボーナス一括払いの枠を別に設定する場合もある。


ところが従来のビューカードは締め日~引き落とし日が1ヶ月を超えてしまい、

この結果として支払可能見込額の調査対象外となる翌月一括払いがなかったのだという。

これが限度額設定が厳しい原因の1つであったのではないかという話である。

まぁそういう問題でもないような気はするんだけど。


ビューカードとしても限度額の厳しさが利用拡大の妨げになっていると思っていたのかも知れないが、

一方でどこまでリスクを取れるかという話もあるわけだ。

特に乗車券類購入・Suicaチャージといった換金性の高い用途とも結びつきやすく、それだけに慎重になっていた面はあると思う。

このあたりの考え方を改める中で支払いサイクルの変更という話が出てきたのかも。


特にビューカードの利用拡大の意向はないのだけど。

ただ、今までの限度額の低さは気になっていたし、

これでビックカメラで大きな買い物するのにも使えるなと。

いや、元々それなら一時増枠を依頼していただろうけどね。そういう機会がなかっただけで。

会場はライブレストランですからね

今日はコンサートで横浜に出かけていた。

もう慣れた感じもあるけど、中区が目的地というのは久しぶりな気がする。

(横浜駅周辺・みなとみらい地区は西区、新横浜駅周辺は港北区)

でも、地図をよく見ると桜木町駅下車でいいんですか。


前日、あわや中止かもという話が飛んできた。

【お知らせ】当社所属の大橋彩香の経過と、明日7/31(日)開催のアコースティックライブに関しまして

知っての通り、全国的に新型コロナウイルスの感染者が増えているが、

その中で濃厚接触者に該当すると通知を受けたそうである。

今は濃厚接触者の自宅待機期間は5日まで短縮されているのだが、

わざわざこういう話が出るのは、この範囲に入ってしまったからなのだろう。

濃厚接触者というのもなかなか条件が厳しいもので、その点では心配だが、

だから必ず感染するというものでもなく、ましてそれで即NGともならなかった。

おそらくは接触から2・3日目に抗原定性検査を行って陰性を確認するという方法で打開できないかと考えたのだろう。

結果的にはこれで問題なしとなり、開催にこぎつけたのだった。やれやれ。


さて、今日の会場は「Billboard Live YOKOHAMA」というライブハウスである。

横浜市役所の真向かいなのだが、レトロな見た目の建物である。

まぁさっきの見てもわかるだろうtが、ここで行われたのが大橋彩香さんのアコースティックライブである。

これまでのライブでもアコースティックコーナーとして2曲程度、アコースティックな表現を取り入れていたところである。

いつか全編アコースティックライブをやりたいねという話は前からあったのだが、

アコースティックアレンジのCDが出ることになったのをきっかけとして実現したのがこれ。


それにしても会場である。写真を見て食事用のテーブルが並んだ姿に戸惑ったが。

見ての通りレストランであって、音楽を楽しみながら飲食できるという店である。

確かにライブハウスの原義はそういうところにあるとは聞いていたが。

今まで全く縁がなかったので、どうにも敷居が高いというのが正直なところ。

チケットを買うにも座席の区分がいろいろあって困ったのだが、

大きく分けてステージがあるのと同じフロアをサービスエリアといい、上の階に設けられた座席をカジュアルエリアという。

その中でも座席位置によっていろいろあるのだが、もうシンプルに一番安い「カジュアルエリア サイドシート」を選んだ。

ファンクラブ先行販売というのはあったがあっさり買えてしまった。


正直なところ、アコースティックライブというコンセプトはあっても、こういう会場を選ぶのはとても意外だった。

それこそすぐ近くのパシフィコ横浜国立大ホールを満席にしたりするような人である。

そんな人が300人も入らないレストランで、今日の2公演のみとなれば、それは大変な争奪戦になりそうなものである。

ただ、それが実現してしまったことには新型コロナウイルス騒動もあるのだと思う。

そもそも従来のように集客できない中で、2公演目はインターネット配信を併用、

狭い会場ではあるが、遠征を躊躇するもの含めて、多くのファンの期待に応えられるように工夫したわけである。

Billboard Liveとしても従来の客に逃げられた面もあったかもしれないし、

そういう中で集客が見込める公演ができることはありがたいことだったのだろう。


正直なところ来てみるまでよくわかってなかったのだが、カジュアルエリアの仕組みは一般的なライブハウスに幾分近い。

バーカウンターに行き注文すると。飲み物だけでなく、食べ物も買えるのはなかなかだが。

ドリンクチケットが付いていたのだが、定価だと700~900円ぐらいなんですね。

それだけのものではあるんだろうけど。お金を付け足して特製カクテルを注文した。

サイド席というのはセンター席より格下扱いだったが、そもそも2階から眺めがよい中で、むしろステージに近いならば同格かよいぐらいではないか。

ともあれ、これはよいチョイスだったということで。

席から下のサービスエリアを見ていたが、ウエイターが回って注文を取ったりしていた。

これがサービスエリアの意味だったんですね。ゆったり音楽鑑賞・飲食を楽しむにはそれがいいんでしょうが。

あとなんやかんや言ってもステージと同じ平面で楽しめるのはいいでしょ。


ところで新型コロナウイルスの感染拡大期にあって、

このような飲食が伴うイベントというのは心配事なのはその通りである。

でも、さほどグループで来る人がいないからか、開演前含めてみんな黙ってたし、

映画館と同じく、飲食があってもしゃべらないなら……というやつですかね。

マスク着用の励行、声出しの禁止は徹底されていたし、行儀の良いファンが多いのは助かる。


内容は素晴らしかった。これを現地で見られたのは幸せなことである。

2部制なので公演時間はコンパクトだったが、それでも満足感は高かった。

ここまでアコースティックコーナーとかCD発売とかで磨いてきたものが存分に表れていたのではないかと思う。

これは本人の趣味だなとも思うんだけど、それでしっかり歌いこなすのだから。


帰ってきて夕食作ってやっていたら、ちょうど第2部の時間だったようで、

インターネット配信で鑑賞している人があれこれ感想を言っているのが見えた。

(第2部をインターネット配信でおかわりというのも考えたが、満足したのでそれはやらなかった)

アコースティックだけに現地が一番いいだろうけど、

それだけに留まらない形で楽しんでもらえているのはとてもよいことだ。

というわけでよかったんじゃないですかね。

地表面沈下が怖くてトンネル工事が難航か?

先日こんなニュースを見た。

5号線「二葉山トンネル」工期延長 追加工事費用はJV負担を (NHK)

公共工事にまつわるニュースでは時々みる話だが、

しかしいろいろ調べてみると工期の遅れの要因は住民団体にあるかもしれない。

別に工事を妨害したとかそういう話ではないんですけどね。


そもそも広島高速5号線とはどのような路線かという話だが、

広島駅の北側から広島高速1号線と接続する温品JCTに至る道路である。

広島高速1号線の先には山陽自動車道と接続する広島東JCTがある。

広島といえば広島空港が広島市街からかなり離れた三原市にあるのだが、

都心から空港へのアクセスに使われるルートこそが広島高速1号線~山陽自動車道のルートである。

このルートを都心直結化するためのルートこそが広島高速5号線である。

その広島高速5号線のルートには山があるので、これを抜けるトンネルが必要である。

そのトンネルこそ二葉山トンネルである。


実はこのトンネル、当初は山岳トンネルでは最も無難なNATM工法が想定されていた。

ところが実際には大半の区間でシールド工法が採用された。

シールド工法というと地下鉄や海底トンネルのような軟弱地盤で使われることが多い。

最近は市街地を地下トンネルで通り抜ける都市高速も多いので、都市高速ではそれなりに見る方法ではあるが。(首都高速中央環状線の山手トンネルなど)

それにしても山岳トンネルではあまり聞かんけどね。


どうしてシールド工法が選択されたか? それはトンネル周辺が都市化しているからである。

冒頭に出てきた市民団体はこのトンネルの計画時から行政に働きかけを行っていた。

その1つが地盤沈下への懸念である。

実はさきほど紹介した広島高速1号線の中に福木トンネルというのがあるのだが、

山肌に住宅が立ち並ぶを突き抜けるトンネルなのだが、最大18cmの地表面沈下が起きて、住宅に被害が出ている。

二葉山トンネルも似たような性質があり、何らかの対策が迫られたわけである。


日本ではNATM工法は都市部でもけっこう使われており、ノウハウはある。

このため、NATM工法でも地上に影響を与えず工事できるという主張はある。

ただ、時にこういう大惨事も起こしているわけですが。

NATM工法は期待されていた

七隈線の博多駅周辺の工事で道路が陥没した事故がありましたよね。

固い岩盤があるので駅部分を効率よく作るにはNATM工法が最善と選ばれたが、

実際には岩盤と砂と境目が複雑で、そこに触れて陥没事故を起こしたと。

その後、復旧に努め、工事も立て直し、来年3月に開業予定である。


検討の結果、広島市・広島高速道路公社はシールド工法を選択した。

NATM工法でも一応問題はないが、シールド工法の方がより影響が少ないのは確かで、

これまでの経緯を考えれば、これが最善の選択であろうとの決断だったようだ。

工事費用がかさむのは課題だが、住民の理解なくして工事はできない。

こうしてシールド工法が選択され、2018年に掘削開始、2020年度末の完成予定だった。

建設費はかさんだが無事に完成してくれればよかったのだが、

掘削開始からまもなくシールドマシンが損傷して工事中断となってしまった。

原因は想定より堅い岩盤にあったようだが、未だに効果的な対策ができておらず、

工事は進んでは止まるという状況を繰り返し、当初計画を過ぎた現在でも全体の半分ほどだという。


工期が延びれば工費も増えるということで、これにどう対応するかが問題で、

建設会社は増額を求めているが、合意に至っておらず、建設工事紛争審査会による調停が行われることになっている。

発注者側の事情、あるいはやむを得ない理由での費用増であれば、これは受け入れる必要があるが、

そもそもこの工事は当初の見積もりにも問題があり、200億円で契約した後、契約金額を287億円に増額するという問題を起こしている。

そのような経緯も工費増額に対して合意できない要因になっているとみられる。


シールド工法を選択したことに全ての理由があるとも言えないのだが、

特注のシールドマシンを作って、それでトンネルを掘り上げるシールド工法では地質の変化に対応しにくかったのはあるんじゃないかと思う。

NATM工法はいろいろな補助工法との組み合わせで、難しいトンネルの工事にも広く活用されるようになっている。

都市部のトンネルにも対応できる柔軟性はそういうところにも生きたのではないか。

そこまでのことを当初予期できたかというと、これも難しいのですが。


というわけでこれが冒頭に「工期の遅れの要因は住民団体にあるかも」と書いた経緯である。

住民団体が地表面沈下への懸念を強く示したことを受けて、

このような条件では一般的ではなく高価なシールド工法を選択することとなり、

想定と異なる地質に工事が難航し、工期を大幅オーバー、費用も?という状況である。

とはいえ、シールド工法を最終的に選択したのは広島市・広島高速道路公社であり、

適切な条件を見積もれなかったことに建設会社の非がないわけはないだろう。


果たしてどうなるんでしょうね?

しかもこのトンネルが完成しても暫定2車線、完成にはもう1本トンネルが必要になる。

1本目のトンネルを掘ったときのデータを元に2本目のトンネルの計画を立てるので、

基本的に見積もりの精度はよいと思うのだが、これがどうなるか。

1本目が完成しないとそれどころじゃないですけどね。