今日、研究室にとある人が訪ねてきた。
その人と大学院での授業や研究のことについて話す機会があったのでその話でも。
4月頭に時間割を組んでいるとき、こんなことを書いた。
時間割を組むと言うけど、そこまで選択肢が広いわけではない。
特に、コースの中心的な科目は8科目中6科目を選ばないといけないということで、ここは自由度が低い。
残りはほとんど自由に選べるのだが、コースの科目は偏りがひどくて、バリエーションが多いわけでもない。
( 日によって起きる時間を変えたい )
この中心的な科目というのは基幹講座の研究室に対応して設けられている。
実は8科目のうち1つはうちの研究室の教授が担当する科目なんだよな。僕は履修する予定だ。
これが大きな問題で、その研究室の学生ぐらいしか使わないんじゃないかということを扱う科目も多いんだよな。
うちの研究室の教授が担当する科目もうちの研究室以外の学生にとっては使い道はあまりないんじゃないじゃないのかな?
そんな科目も8科目中6科目を選んで履修しなければならない、だから必修に近い、だから困っていたんだ。
やはり中心的な科目はこの分野の技術者・研究者として知っておいて欲しいことを取り上げる科目であるべきだろう。
電子系のコースなのだが、僕はこのコースは 電子物性・集積回路・光エレクトロニクス の3本柱で成り立っていると思っている。
だからこの3本柱をきっちり固める科目を設定して欲しいなと思うんだ。
光エレクトロニクスの分野では科目が乱立して学生も混乱しているので、基本的な内容を集約してくれればなと。
その上で、個別の研究分野の科目を用意して、それは自由選択という形で履修するようにすればよいのではないかと。
あと他コースの中心的な科目をカリキュラムの中に組み込むのもよいかなと。
一部のコースでは他コース科目をカリキュラムの中に入れているけど、うちのコースでは特にカリキュラムには入っていない。
他コース科目も自由に履修できるから、僕は興味に応じて時間割で問題が無いものをいくつか取り入れている。
電気電子工学の世界はつながっているのに、自分のコースばかりで完結すると広がりが感じにくいだろう。
他コース科目の中心科目もいくつか取ってこいとカリキュラムを設定するのもいいんじゃないかと。
それに応じて時間割の調整をしてくれれば、他コース科目も履修しやすくなるのだから。難しいか?
教える方も大学院の講義の位置づけがよくわかっていないのかな、と授業などで感じる。
自分の好きなように教えればいいんだろと考えて、自分の研究分野のことを延々と授業する人もいるが、
他の研究室の学生にとってはどんなことに役立つか、さっぱりわからないまま終わってしまう。
その分野について意味のある授業をしようと考えたとき、学部の授業を前提としてその続きをやろうと考える人もいる。
ところが、大学院には外部生もいるのだし内部生でも履修によってはその学部の授業を受けていないことがある。
学部の授業と同じことをやっても仕方ない。どんな授業をするのが大学院の授業にふさわしいのか。これは難しい問題だなと思う。
現実的には復習をふんだんに取り入れながら、学部の授業の発展的な部分をする科目は多いかな。
しかし、その一方で講義について学生の負担になるばかりで意味がないと言う人もいる。
大学院によって講義への力の入れようにも違いがあるのは間違いないことだ。
他分野からの学生が多いところだと、講義でしっかり基礎的なことを身につけてもらわんとならんので気合いを入れた構成になるだろう。
ただ、うちの専攻はそうでもないから、講義にそこまで力を入れる必然性はない。
一応、他分野からの学生のフォローとして、学部の講義を取りに行くことができるようになっているようだがその程度だから。
じゃあ講義って何のためにあるのかな? という話だけど、僕は研究に広がりを持たせるためのものなんじゃないかなと思っている。
自分の研究分野に近いところの講義なら、その発展的なところを学んで、自らの研究の発展につなげられる、
離れたところの講義なら、自分の研究の応用や周辺技術を知ることが出来るかもしれない。
僕としてはそういうところに希望を見いだして授業を受けている。ただし、各種の制約でなかなか思うように行かずというのはあるが。
とにかく、この大学院は個々の研究室の取り組みはともかく、専攻・コース全体としての繋がりが薄いのが残念だ。
そのことは話していた人も憂慮していたが。
何もかも各研究室に任せすぎなんだよな。専攻・コースが研究室をまとめたものだとしか思われていないのなら、それはあまりに残念だ。