「ベルギーとオランダ 領土交換」というニュースがでていて、
何かあったっけ? と思ったら川の付け替えで発生した飛び地の一部を解消させるって話らしい。
ベルギーとオランダが領土交換へ、河川工事で生じた不合理解消 (Yahoo!ニュース)
川の付け替えで境界がズレるというのはわりとよくある話で、
なんか川を挟んで変な飛び地があるなぁと思ったら、川の付け替えが原因であることは多い。
例えば、大和川、もともとは河内を縦断して、淀川(今の大川)に合流していたのだが、
度重なる洪水被害の抜本的対策として、現在の柏原市から直線的に堺に向けて川を付け替えることにした。
これは江戸時代の話なのだが、この頃の名残が未だに残っていて、地図で見ると柏原市より下流の大和川を挟んでの市境がギザギザしている。
大阪市は律儀に川の向こうまで市バスを走らせていて、しかもできるだけ市内に収めようとするので、
長吉川辺四丁目行きとか、けっこう不思議なルートを走っている。(松原市内にもバス停はあるけど)
境界はきれいになってても川を挟んで同じ地名があることもあって、
遠里小野(おりおの)は堺市と大阪市の両方にあって、2つの遠里小野の間には遠里小野橋がかかっている。
一方でこういう川の付け替えに伴って発生した飛び地は無人の狭い飛び地であることも多く解消しやすい。
ベルギーとオランダの境界変更は対象となるところは無人なので、お互いさほど揉めることなく変更できたのだろうと。
これで人が住んでるとめんどくさいんだけどね。
日本国内でもそういう話はあって、特に相模原市と町田市は何度も境界変更を行っているのだが、
無人のところの境界変更は比較的進みやすいが、人が住んでるところの境界変更は限定的なようで。
平成25年12月1日から町田市との行政境界の一部が変わりました (相模原市)
今年の12月にもまた別のところで境界変更があるみたいだけど。
全く無人地帯ばかりでもないのだが、何戸も並んでいるところは残される傾向があることは容易に読み取れる。
もちろん住んでいれば生活の不便もあるからぜひともという世帯もあるのだろうけど、一定の区域でまとまってとなるとなかなか大変かなと。
なお、ベルギーとオランダの境界変更の理由は、ベルギーの飛び地で犯罪があっても対応できないというのが理由だったよう。
なにしろ反対側の国とは陸つながりなので、比較的簡単に入れるのだが、
だからといって他の国の警察が対応するというのはできないのだろう。
同じ国ならば警察同士の管轄を調整するだけで済むが、さすがに国が違うとそういうわけにもいかない。
生活上の不便というよりは、領土をもってるがばかりにリスクを背負わされるのを防ぐためという意味合いが強いようだ。
市町村の境界が実際にあってないぐらいだとあまり問題にならないことだが、国レベルではこういう問題もあるんだね。