昨日から「ウマ娘 プリティーダービー」のゲームの配信が始まった。
2016年にプロジェクトが発表されて、本来は2018年冬リリースの予定が遅れに遅れ、
それでも2018年4月から放送のTVアニメは評判となったし、なにかと期待は大きいタイトルだった。
あまりに延期されて長いもんだから、本当にゲームがリリースされるのか疑われつつも、
本当にリリースされて、これだけ待たせただけあって、出来はなかなかよくて、評判となっている。
さすがCygamesである。(というかこれだけリリース延期しながら開発費を投じられるのは、他の複数のヒット作のおかげだろう)
ところで、このゲームには、現実の競馬の重賞レースが収録されることがあらかじめ発表されていた。
そこで例示されていたレースに「オークス」もあったのだが……
ウマ娘の世界では実在の競走馬をモチーフにしているが、牡馬・牝馬ともにウマ娘になっている。
ダービーとオークスはいずれも同時期同コースのレースだが、オークスは牝馬限定戦というところだけが違う。
でも、ウマ娘の世界には牡馬・牝馬の区別がないはずなので、何が違うんだろうと。
もしかしてモチーフになった馬の性別により出られるレースが異なるのか?
答えは、牡馬がモチーフのウマ娘でも牝馬限定戦に出走することができるのだが、
育成モードではいくつかの制約により出走できるレースが決まってしまう。
例えば、エアグルーヴ(1993年生まれの牝馬がモチーフ)の場合、育成シナリオ「新設! URAファイナルズ」では、
目標として阪神ジュブナイルフィリーズ・桜花賞・オークス・秋華賞で一定以上の順位を取らないといけないことになっている。
育成モードでは半月を1ターンとして、そこで トレーニング または レース出走 を1つ選んで進行する。
そして目標レースのあるターンでは必ずそのレースに出走する必要がある。
ダービー・オークス・葵ステークス他は同じターンに割りあてられているので、エアグルーヴはダービーや葵ステークスには出走できないわけである。
このような形でモチーフとなった馬の特徴により、出られるレースが実質的に制限される仕組みになっている。
ただ、目標レースと関係ないところは自由に選べるので、オグリキャップ(1985年生まれの牡馬がモチーフ)を、
チューリップ賞(3歳牝馬限定のGIIがモチーフ)に出走させることはできた。知ってる人には違和感はあるが特に問題はない。
JRAの重賞については全て網羅されているし、その他の特別レースもいくつか収録されている。
条件クラスの特別レースも「Pre-OP」という区分であって、Pre-OPといいつつ、Pre-OPで勝ってPre-OPに出走することはできそうだった。
あと、地方競馬での交流重賞も、大井レース場で開催される6つのGI級レースが実装されている。
ジャパンダートダービー・帝王賞・JBC競走(3レース)(現実は持ち回り制だがウマ娘では大井固定)・東京大賞典 ですね。
これらはダート適正のあるウマ娘の大目標となるレースとして用意されたものだと思う。
(ただ、初期に実装されたウマ娘でこれらのレースを目標としているものはいないと思う)
現実のJRAではダートの上級クラスのレースが少なく、勝ち上がるとJRAで出るレースがないという状況に陥りがちだが、
ウマ娘もダートのレースは選択肢が少ないけど、Pre-OPに何度も出られたり、
ファン数を稼いだ状態でOP・GIIIなど出ても、おそらく不利はないのでいけるのだと思う。
レース結果によってファンを獲得でき、メイクデビューの1着が700人、桜花賞の1着が10500人……ってそれ賞金じゃないか。
ただ、JRAでは1着または重賞の2着を取らないとクラス分けに使われる収得賞金が加算されないところ、
ウマ娘では1~5着でファンが加算され、一定のファン数を取得するとレースへの出走権が与えられる仕組みなので、
どちらかというと地方競馬のクラス分けシステムに似てる気がする。
ただし、メイクデビューか未勝利で1着を取らないと、上級クラスのレースには出られないようになっている。
(ちなみに現実のJRAでは、限定的な条件で未勝利馬がオープンクラスのレースに出走することは可能だが、ウマ娘ではそういう仕組みはないし、現実にもそういうことをする馬はそうそういない)
この「新設! URAファイナルズ」のシナリオでは必ず早期デビューしてくれるし、そうそう故障もしないし、
条件を満たしていれば必ずレースに出られるし、1着取れなくてもファン数加算できるし、現実の競馬よりはだいぶ易しいところはある。
ただ、目標を達成出来ないとそこで育成が打ち切りになってしまうので、そこが難しい。
育成モードは何度も失敗を繰り返す、いわゆる死にゲーになっているので、ここが合うか合わないかというのはある。
(目標未達でも)育成が終わったウマ娘は殿堂入りし、殿堂入りしたウマ娘の能力を継承させて、再度育成する……
というのを繰り返すことで、強いウマ娘を育てることができるということで、なかなか大変。
どうも、リリース当初だと、短距離に特化したサクラバクシンオーの育成が難易度が低くて、
逆に長距離に強いウマ娘は、中距離やマイルのレースでも上位入着する目標があって、難易度が高い傾向にあるらしい。
モチーフとなった馬の戦歴と見比べてみると、目標の内容はけっこう違うものもあるけど、
現在のレース体系ならこういうレース選定をするんじゃないかと言うのも多少はあると思う。
まぁそれにしても不可解な目標を掲げているウマ娘はいるみたいだけど。
なんてわけで、けっこういろいろ考えられてるんだなと思うところは多い。
ウマ娘をレースでどうやって見せるかというところもよく作り込まれていて、大変だったんだろうなとは思った。
(日常パートは同社のゲームでもいろいろ実績はあったと思うけどね)
まだ始まったばかりで、この先予定されているイベントや、あと商売の要となるであろうガチャとか、
こういうのがどうなっていくかはまだわからないけど、今のところは好感触ですね。