自動車には使用の本拠を決めなければならない。
ナンバープレートに書かれる地名はこの使用の本拠の場所で決まる。
個人の場合は、基本的には住所が使用の本拠になるが、別荘に常置しているとかいう場合はその限りではない。
法人の場合は、その自動車を使う事業所の場所が使用の本拠になる。
ここでバス会社だと営業所の場所が自動車の使用場所になるというわけだけど、
バス会社によっては営業所以外の場所に車庫を持っている場合もある。
というのも、奈良交通は廃止した営業所を車庫として残している例がけっこうあるらしい。
特に葛城市にある葛城営業所は中南部の大半の路線を担当する営業所だ。
一般道のみを走行する路線バスとして最も長いとして知られる八木新宮線も担当している。
十津川村には十津川営業所があるのだが、担当しているのは五條~十津川のバスと十津川村営バスに限られる。
長距離走るバスも多いし、そもそも営業所から離れた地域で発着するバスもあるわけで、
朝に営業所を出て、夜に帰ってくるという方法では対応できないことがある。
一方で葛城営業所の管轄エリアが広いのは営業所を統合したからという経緯もある。
調べてみるとかつての営業所が車庫として残っているらしく、
- 五條バスセンター (旧五條営業所)
- 大淀バスセンター (旧吉野営業所)
- 新宮車庫 (旧南紀営業所)
それぞれどういう位置づけなんだろうね?
五條バスセンターも大淀バスセンターはバスターミナルであるとともに、車庫として機能している。
五條バスセンターは降りたことあるけど、けっこうな台数のバスが停まっていた覚えがある。
どこかでここに出勤する乗務員もいるらしいというのを見たんだが、真相はわからない。
新宮車庫は八木新宮線の折り返し拠点として残っているのだが、南紀営業所は八木新宮線の担当営業所というわけではなかった。
昔から八木新宮線の専用車は「奈良」ナンバーを付けて走ってますからね。南紀営業所があった頃から葛城営業所所属だったことを表している。
最後の担当路線は 新宮駅~熊野市駅~下北山村~上北山村~川上村 の路線で、ここでは「和歌山」ナンバーのバスが走っていたらしい。
この当時、川上村~下北山村の区間便の運行のために、下北山村にあった旧北山営業所を車庫として使っていたようだが、
ここには「和歌山」ナンバーのバスがいたらしく、奈良県内の車庫にも関わらず、担当営業所の場所を本拠とするバスが出入りしていたと。
2006年にこの路線の奈良県外区間が廃止となり、川上村~下北山村の区間は当時は存在した吉野営業所に移管された。
この地域で「和歌山」ナンバーで走るバスもなくなり、南紀営業所も担当路線がなくなったことで廃止となった。
それでも八木新宮線の運行には必要という理由で車庫自体は未だに残っているのだという。それどころか乗務員は新宮車庫に出勤しているとか。
単なる折り返し拠点ならば自動車の使用の本拠ではないのは納得なのだが、
営業所以外の場所に常置されるようであれば、それは使用の本拠なのでは? という話にもなる。
実際には常置されている車両なんてなくて、営業所の車両と常に交換され続けているのかもしれないし、
こういう懸念はまったくあたらないのかもしれないけどね。
ただ、バス会社の解釈次第で自動車の使用の本拠が変わる例もあるのかなという気はしたが。
なんでこんなことを書いたのかというと、「飛鳥」ナンバーが導入される予定だが、
この地域には奈良交通の営業所がないので、「飛鳥」ナンバーの路線バスは存在しない見込みとなっている。
橿原市コミュニティバス の専用車すら葛城営業所所属のはずだから「飛鳥」ナンバーにはならないだろう。
コミュニティバスもいろいろだが、白ナンバーだと市町村所有でなければならないが、営業用の緑ナンバーの場合はバス会社所有なので。
一方でこれらの地域に車庫があれば、そこが使用の本拠だと言える可能性がある。
車庫飛ばしのチャンスがあるか? という話だが、それすらこれらの地域にはなさそう。
そんなナンバープレートのためだけに営業所新設はありえないでしょうけどね。
でも、せっかく導入するんなら、飛鳥エリアを訪れる観光客の足にもなる路線バスでは付けて欲しいという思いはある。
かといって実態が伴わない車庫飛ばしはコンプライアンス上も問題のあることなのは言うまでもない。