東京駅から新豊洲・有明方面に行くのに晴海通りのバス、都05-2系統が便利である。
すさまじい混雑なので、有明まで乗るなら東16系統の方が結局早いのだが。
この都05-2系統は「グリーンアローズ」という愛称があり放送でも流れる。
グリーンアローズは晴海通りのバスに都市新バスシステムを導入した際に命名されたもので、
都03, 都04, 都05の3系統があることから、この命名は 三本の矢の故事から来たという定説がある。
都05は従来からの晴海発着便が都05-1、東京ビッグサイト発着が都05-2と枝番で分かれた。
都04は東京駅~豊海水産埠頭と通勤バスっぽい目的地だが、1日を通じて本数は多い。
問題は都03である。四谷駅~晴海五丁目だが、1時間1本程度と本数は少なく、単独区間の利用は多くないという。
三本の矢の1本は折れかけだとか言われているが、元は都03がメイン系統である。
その歴史は路面電車の時代にさかのぼり、新宿駅~月島(現:勝どき駅付近)を結ぶ電車だった。
これを継承したバスが銀71系統で当時はたいへん利用者が多かったという。
そのため都市新バスシステムの名目でバスサービスの高度化が図られた。
このオマケで2系統くっついてきたというのが実情だという。これが1988年のこと。
当時は大江戸線の建設途上だったが、2000年に環状部が完成した際、
都営バスの路線にも大きく手が入り、都03は新宿駅~四谷駅を短縮した。
(この区間の地下鉄が出来たわけではないが、勝どき駅の開業などの影響も考えたのだろう)
ところがこれにより利用者が激減、本数も減っていって今はこの有様。
ここまでが前置きである。今回、この都03系統のルートをなぞって四谷から晴海通りを走り、
そのまま直進、新豊洲駅・有明周辺にバイクで走ってみたわけである。
このエリアは観劇を中心に用事があるが、特に帰りの往来に困っている。
さっきも書いたように都05-2系統は便利なルートだが、混雑が激しい。
夜はこの系統に限らないがバスの本数が減るので、そもそも不便な上にそもそも乗れないリスクがある。
電車を使えばよいが、利便性が高い豊洲駅や国際展示場駅まで歩くと遠く、そこからも乗換など不便である。
そこで四谷からズドンとバイクで行けばいいじゃないかと考えたわけである。
四谷なのは家との往来が便利で、東京駅のような巨大駅ではないからである。
というわけで最寄り駅でバイクを畳んで電車に乗って四ツ谷駅で下車。
(なぜかJRの駅名には「ツ」が入るが、バス停は四谷駅、周辺の町名も四谷である)
エレベーターはあるが妙に遅い。人数も乗れないので混雑する。
エレベータを上がって改札を出て、麹町口の方を見るとエレベータがないので、
じゃあ反対かと見てみるとタクシーが見える。なんと改札と同じ平面に車寄せがある。
というわけでここでバイクを組み立てて出発である。
駅の目の前は国道20号線「新宿通り」で、自転車専用通行帯もあり上々の滑り出し。
半蔵門交差点で内堀通りにぶつかるが、文字通り皇居のお堀に沿った道路である。
左矢印・右矢印の信号を分けて出すので、どうやって二段階右折するのかと思ったら、
ちゃんと歩行者用信号機に「歩行者・自転車専用」と付いていた。これに従えばいいですね。
この先も左矢印信号を使う交差点にいくつか遭遇したが、だいたいは歩行者用の信号に「歩行者・自転車専用」を付けていた。
このあたりは絶景で、というのもお堀がすごく深いのである。歩行者も多かったが花見かな。
往路は概ね道なりに進めばよいが、しばらくは難しい道が続く。
三宅坂交差点は急カーブ注意とあり、下り坂とカーブの組み合わせなので事故が多いのだろう。
特定原付じゃそんな速度は出ませんけど、注意しながら走っていた。
国会前交差点、往路はどうってことなかったが、帰りが大変だった。
この交差点は銀座方面から来ると一番左が左折可の左折レーンになっている。
四谷に向かうにはここで右折するが、左折レーンから直進して右折する。
左折可なのであまり減速せずに車が突っ込んでくるので、大変難しい。
大阪の梅新東交差点の左折レーン2本よりはマシだけど、ここもけっこうハードである。
JRを越えると銀座の繁華街に突入するが、ここは第一通行帯を走るのが大変。
なぜかというとタクシーが多いからである。タクシーは乗降のために車線変更をしますからね。
築地あたりに来るとこのあたり落ち着いてきて、
少し古めかしい勝鬨橋を渡ると、埋立地にビルが乱立するようになってくる。
晴海大橋はかなり高いところを通るので歩くと大変である。
都05-2系統の本数の少なさと混雑の懸念から、晴海大橋を渡って晴海三丁目まで歩いて、都05-1系統を拾うことがあるが、
そこで大変なのが晴海大橋で、そこさえ乗りきれば楽なんだけどね。
そこをバイクだと20km/hは保って走っているのでそこは楽ですね。
渡りきると新豊洲変電所の円筒形のビルが見える。
今回、バイクでこのあたりに走ってきたのはバイクを停められそうな場所を探すという目的もあった。
まず、新豊洲周辺だが、歩道にバイクや自転車を停めているものの多いこと。
そんな中で駐輪場を備えているのが「チームラボプラネッツ TOKYO」である。
敷地の一角にラックを並べて自転車の駐輪場としている。
うちのバイクは入るけど、一般的なバイクは停められないでしょうね。
新豊洲一帯はバイクは全然ダメだなぁと思って見ていた。
木遣り橋を渡って、有明アリーナ、中にはジムや店舗利用者用の駐輪場はあるらしいが、
とても冷やかしでは近づけないような警備員配置である。
そのまま直進して かえつ学園西交差点で左折して都橋住宅前バス停付近の有明親水海浜公園の入口へ。
入口付近に駐輪場とかあるのかなと思ったが特にないよう。
公園の注意書きにはオートバイ乗り入れ禁止とある一方、園路に自転車に向けた歩行者優先の標示がある。
ということは園路は自転車が自走することは想定しているのか?
ただ、園路に駐輪スペースっぽいのは見えないんだよなぁ。
この辺は一時的に自転車を停めるだけでも難しそうですね。
引き返して有明ガーデン、自転車で来る人も多く、通路を押し歩きして駐輪場へ行くものは多い。
5時間無料と書いてあるが、休日はゲート開放されていて完全に無料みたい。
ただ、注意書きに明確に「バイクについては、バイク駐車場をご利用ください」とある。
このバイク駐車場というのが厄介である。
確かに有明ガーデンにはバイクの駐車場がある。しかし、料金体系が四輪と全く同じなのである。
大型のバイクであれば四輪と同じ料金で駐車できるだけよいかもしれないが、
原付でもこうなんですよね。というわけで困った話である。
とはいえクレジットカード持ちなら4時間無料など、定価に興味がない人なら気にせず使うんだろうが。
さらに先に直進すると、有明テニスの森公園があるが、バイクが停まっている一角が。
自転車の駐輪場に「原付・小型車はこちらをご利用ください」なんてある。
有明テニスの森公園の駐車場はテニスをする人向けのものである。
テニスを観戦する人や、有明コロシアムの観戦・観劇者の利用は想定していない。
四輪は有料だが、バイクは出入口のゲートをすり抜けて利用するようで、無料みたいですね。
自転車は歩道から押し歩きで入る想定だが、どっちから入っても原付は自転車のところに停められるようだ。
有明テニスの森駅の下には自転車の駐輪場はあるが、自転車だけである。
橋の前で左折すると有明アーバンスポーツパークがある。
ここは駐輪場が線で区切っただけで、一部は明確に「バイク駐輪場」とある。
有明アーバンスポーツパークはオリンピック時の施設を移設集約したもので、
例えば、地元の堀米雄斗選手が滑って金メダルを獲得したスケートボード場が利用できるわけである。
「livedoor URBAN SPORTS PARK」と書いてあって、livedoor!? と驚いたが、
間違えなくポータルサイトのlivedoorである。2022年にLINEから譲渡されて別会社になってたらしい。
周辺を散策してみると、運河沿いの有明親水海浜公園が有明アリーナ付近まで通じていることに気づく。
テニスの森駅からアリーナへ向かう人を公園経由で向かうように誘導しているようで、そのような人の流れもみられた。
もしかするとアリーナからの帰り道の運用も変わってるのかも。
有明親水海浜公園としては有明GYM-EX隣接地の広場を整備しているようだった。
何かオブジェがあるなと思ったら、パラリンピックのマークで、
このあたりはオリンピック・パラリンピックのシンボルエリアとして整備されるのだろう。
有明北橋を渡ると豊洲市場、市場隣接地には「千客万来」という施設がある。
千客万来には歩道に隣接した自転車の駐輪場があったが、歩道に放置されてる自転車も多い。
新豊洲駅周辺しかり、このあたりもあまりバイクは想定していないようだ。
この一帯は住宅・オフィスとして利用されている土地が多い。
有明アリーナが冷やかしでは近づけないような物々しい状態なのも、
隣接地がマンションということで、来場者がそちらに向かわないように誘導する必要があるためである。
公共駐輪場はバイクを停められるものはない。新豊洲駅・市場前駅に至っては公共駐輪場自体がない。
基本的には徒歩圏の駅を使う想定で、自転車はともかく、バイクで遠方から来る想定はないのだろう。
そんな中では珍しくも有明ガーデンは規模の大きな商業施設である。
ただ、原付クラスのバイクにとってはあまりに見合ってないんだよなぁ。
このあたりの結果を踏まえて今後のことも考えようと思う。
バイクを運ぶのは大変だが、バイクでズドンと走れるのは気分がよい。
土地柄、帰り道にふらっと車を停めて食事や買い物は難しいのは残念ですけどね。