もう半年以上前の話だが、コンプガチャの問題が大きく取り上げられるようになった。
まもなく、コンプガチャは行われなくなったのだが、その代替として新しいガチャの開発が行われることとなった。
そこで開発された方法の1つにボックスガチャと呼ばれる物があったのだが……
そんなことを思い出して、実際どんなもんなのよとシミュレーションしてみた。
ボックスガチャとはなんやねんと。
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ガンダムカードコレクション、ガンコレと呼ばれているようだが、これのボックスガシャを例に考えてみる。
このガンコレのボックスガシャ、説明がおかしいのでは、ということで話題になったが、
各プレイヤごとにレアリティごとに決まった枚数のカードが入ったボックスが与えられる。
ガンコレの場合は、UR(ウルトラレア)1枚・特攻SR(スーパーレア)40枚・SR100枚・R(レア)200枚となっている。
初期状態で1枚引くとき、URを引く確率は 1/341 だが、
10枚減らしてもなおURが残っているとき、URを引く確率は 1/331、100枚減らしてもURが残っているときは 1/241 と、
カードを引けば引くほど、残っている高レアリティのカードが出る確率が上がるという話である。
ただ、これとは別にC(コモン)・UC(アンコモン)は無限に入っていると書かれていて、おかしいのではと批判されてたのよね。
でも有料ガチャではR以上のレアリティのカードしか出ないから、C・UCが無限に入ってても問題ないのよね。
C・UCが関係あるのは無料ガチャの話なんですね。
というか、無料ガチャでも最高レアリティのURまで引ける可能性があるのね。
C・UCはボックス外にあって、無料ガチャでは先にボックス内から引くか、ボックス外のC・UCを引くか抽選する、
というのがわかりやすい説明だろうか。ボックス内にC・UCが無限にあるという説明はわかりにくい。
無料ガチャは置いておいて、有料ガチャのことを考える。
3000円で回せる10連ガシャでは、先ほど書いたようにR以上のカードしか出ないが、
10枚のうち1枚は特攻SR・URから選ばれることになっている。
何セット引けばボックス内に1枚しかないURが入手できるか。シミュレーションしてみた。
1000回試行しての結果だが、平均して11.4セットで引けているようだ。
50%の人が11セット目までで、90%の人が21セット目までで、99%の人が26セット目までで引けている。
ボックス内の全カードを引き出せば1枚しかないURも当然出てくるわけで、どれだけ運が悪い人も34セット引けば手に入る。
実際には1セットあたり1枚は特攻SR・URの中から選ばれるわけだから、そこまでひどくなることもないだろう。
1000回試行して最も運が悪かった人でも28セット引けばURにたどり着けているわけだから。
コンプガチャ時代はどうだったかなー、と思ってシミュレーションをやって比較してみた。
5枚のコンプ対象カードがそれぞれ5%,4%,3%,2%,1%の確率で出る時を考える。
確率が低いカードがいわゆる門番というやつですね。
シミュレーションしてみると平均回数こそ125回とあまり差は無いのだが、
99%の人がコンプ達成できるまでには475回引く必要があると出てきた。運が悪いととにかく回数がかかる。
コンプガチャはコンプ対象カードの残り枚数が見えているから先が見えるように思えるが、
残り1枚になってからが大変で、ましてやその残ったカードが門番だとするとまさに泥沼であった。(参考 : コンプガチャがあたるまで )
ただ、ボックスガチャの場合は、いくら運が悪くても全部引き切れば目当てのカードは出てくる仕組みになっており、
どれだけ投じても目当てのカードにたどり着けないコンプガチャに比べると、ずっと先が見通しやすい。
ただ、この方式の難点は目当てのカードにたどり着くまで撤退しにくいことだよな。
コンプガチャでは最後の1枚になってからコンプするまでが長いこと、門番が存在することを踏まえて、
最後の1枚になるまで引いて、残り1枚が門番なら撤退するという方法もあったようだ。
泥沼に陥る可能性があれば撤退し、先が見通せる状態なら進むという判断もできたんですね。
運がいいか運が悪いか判断する機会があったんだよね。
ところがボックスガチャでは目当てのカードにたどり着くまで引き切らないと減らしてきた意味が無くなる。
最悪回数がわかっているからそこまではなんとしても引き切る覚悟がなければ参加するのはやめた方がいいだろう。
なんでこんな仕組みが導入されたのか、さらに言えばなぜかつてコンプガチャというものが重用されていたか、
というのはおそらく引き続けないとこれまで引いたものが無駄になるという仕組みがあったからなんだろうな。
もっともコンプガチャの場合はコンプするということは実際には門番を引くのに近いものがあったわけだけど。
ボックスガチャは実際に先が見える仕組みで、そういう性格がよく見えるなと思った。
いろいろコンプガチャの代替となるものの開発が行われたようだが、このボックスガチャを取り入れているゲームは多いそうだから、
それなりに合理的な仕組みではあるんだろうな。事業者にとってもプレイヤ側にとっても。