ダメ文字問題を探す

以前、Shift_JISのダメ文字問題を紹介した。

コメントにあったダメ文字

この問題がまた再燃してきた。

というのも当時、UTF-8への移行などの根本的な対策をせずに、

2byte目が0x5C(\相当)になる文字と改行コードの間に適当な文字を加える方法で対策としてしまった。

あくまでも暫定対策のつもりだったが、結局そのまま放置されてしまったのである。


で、いろいろコードを書き換えて、あまり考えずにコメントを入れると、

//コメントの末尾が\相当になってしまい、次の行がコメントの継続行になり消えてしまうと。

だからUTF-8に変換しようぜと言ってたんだけど、

当座の問題はさっきの方法で回避できてしまうから直されなかったと。


で、この話をしていたところで、実は気づいていないだけで他のところでも問題が生じているかもねとなった。

どうやって網羅的に確かめられるかなぁと考えて見たのだが、

テキストエディタのgrep機能をうまく使えばできるかもしれないと。

それでいろいろ模索していたのだがうまくいく方法が見つかった。


今回考えないといけないのはShift_JISの2byte目が\相当で、その次が改行コードである場合である。

普通にASCIIコードの範囲で文字を並べて \+改行コードと並ぶものは意図通りであろうと。

(マクロの継続行でこういう記述は多く存在する)

Shift_JISの1byte目はASCIIの範囲外であることを考えれば、

ASCIIの範囲外1byte→’\’→改行コード(CRまたはLF) の順で並ぶものを探せばよい。

正規表現で’\’は \\ となり、CRまたはLFは[\r\n] と書けばよい。

問題はASCII以外の文字だが、果たしてこれをどう書くか。


普通に考えてもうまく書けないが、\x21 のように書くと文字コード0x21の文字という意味になる。

これを使うことで[\x21-\x7e]でASCIIの図形文字と表現できる。

これと空白を表す文字(スペース, タブ, CR, LF)の集合である\sをあわせると、

ASCIIコードの範囲内で通常使われる文字を全て網羅できる。

これ以外の文字というのは [^\x21-\x7e\s] という表記が出来る。

あとはこれを並べて [^\x21-\x7e\s]\\[\r\n] というパターンになる。

(ただしサクラエディタでは\x21は\x{21}のように書かないと受け付けないので、  [^\x{21}-\x{7e}\s]\\[\r\n] となる)

あとはエンコードを自動判別とかなっているところをLatin1に固定してgrepすれば問題の並びが発見される。

当然、Latin1で解析させてるのでgrep結果の表示は文字化けになるけど。


結果は他にも何箇所かあったが、後ろが空行とか消えても問題が無い行で、

ダメ文字による問題が特に問題にならない場所ばかりだった。

ただ、こういう状況は当然問題なわけで、文字コード変換をするか、

改行前に何か文字を足すか、悪くても後者の対応は早々するのだろう。


ところでコンパイラ側での対策はできないもんなのだろうか。

実は前に使っていたコンパイラではShift_JISであると指定していたようだ。

別件で今使っているコンパイラの説明書を読んでいたのだが、

明確にShift_JISを指定する方法はなさそうだった。

(もしかするとShift_JISが設定できそうな項目はあったけど)

ただし、ASCII範囲外の文字がコメント等に入ること自体はいずれの設定でも問題なく、

UTF-8やEUC-JPのようにASCII範囲外の文字が全てASCII範囲外のコードになる場合は問題なくビルドできる。

このためShift_JISを使わなければ問題ないという結論に至るわけである。


ちなみにUTF-8は文字コードとして明確に指定する機能が存在する。

この機能が必要なのはASCII範囲外の文字・文字列リテラルを使う時だろう。

ワイド文字リテラルというのがあって L’あ’ のように書くと、

wchar_t形に格納できる、’あ’の文字コード(通常はUnicode)を表すことができる。

なお、wchar_tが16byteか32byteかは環境による。

L”表示” のようにワイド文字列リテラルをプログラムの中に書きたい場合は、

UTF-8で記述してUTF-8指定でビルドすれば取り込めるはず。

一方で、それに相当する記述はASCIIの範囲内でも L”\x8868\x793a” のように文字コードを使えば表現できる。


当然そんな使い方はしないわけだし、コメントだけならコンパイラが文字コードを意識する必要性は乏しい。

コメントで問題になるのは行末の\だけと考えてよいと思うので、

Shift_JISでは問題だけど、他は問題なしと言い切ってよさそう。

それも古典的な /*~*/コメントであれば問題なしと言えそうだ。

(Shift_JISの2byteが ‘*’ に相当するコードになることはない)

かといって /*~*/コメントばかり使えというのも現実的ではないわけで、

現代的にはUTF-8を使うのがやっぱり最善の選択肢だと思いますがね。

イオン銀行ATMでお金を移動

先日、かなり久々にお金を動かすためだけにATMに向かった。

みずほ銀行からスルガ銀行へのお金の移動で、

両方同時にできそうなATMとしてイオン銀行が思い浮かんだ。

確かに両方とも使えてATM手数料は条件を満たしているので無料と。

そんなわけでみずほ銀行から出金して、スルガ銀行に入金した。


普段はあまりないんだけど、それはスルガ銀行の残高が不足すれば証券口座から出金して対応することが多いのはある。

ただ、今は1月のNISA枠での投資の影響などもあってか、

証券口座にまとまった金額がないのでそうもいかなかった。

で、必要額を計算するとみずほ銀行から動かすのがよいとなったのである。


ただ、最初はそれもATMに行く気はなくて、ことら送金を使おうと考えていた。

J-Coin Payの入金・出金を組み合わせて みずほ銀行 と ろうきん の間のお金の移動をして、

COIN+の入金・出金を組み合わせて 三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、住信SBIネット銀行 の間のお金の移動をするのは時々やっていた。

(最近は ろうきん も 三菱UFJ も出番がなく、ゆうちょ銀行と住信SBIの間で使うことが時々ある程度)

一方でJ-Coin Payのアプリでは ことら送金 という機能があって、

条件付きで個人間の送金を手数料無料で行うことが出来る。

これを使えば上の枠組みによらずお金の移動がアプリで出来てしまうと。


ところが ことら送金 というのは全ての金融機関が受け取れるわけではない。

J-Coin Payにチャージして送金しようとしたらスルガ銀行が見つからない……

と思ってしまい、ATMでのお金の移動を選んだわけである。

ただ、これを書くに当たって調べたらスルガ銀行がリストにあるので、

あれ? と思ったら今月19日に追加されたようで。

うーん、確か19日より後だったはずなんだけどなと解せないところはあるが、

今後は問題ないということでアプリでも確認している。


昔は容易な条件でみずほ銀行から他行への無料振込が付与されていたけど、

今はそうもいかなくて、みずほ銀行からダイレクトに動かすのは難しい。

まとまったお金が生じるとSBI証券やGMOクリック証券に入金して投資する一方、

これらの証券会社からの出金先はスルガ銀行に設定しているので、

ここで全体としては みずほ銀行→スルガ銀行 というお金の流れが生じている。

これでだいたい問題なかったんだけど、時々うまくいかないことがある。


ところで、2枚発行されたATMの利用明細なのだが、

みずほ銀行の取引で発行されたものは右上に「みずほ銀行」と書かれていて、

スルガ銀行の取引で発行されたものは右上に「イオン銀行」と書かれていることに気付いた。

イオン銀行ATMは イオン銀行・みずほ銀行の共同ATMと位置づけられている。

みずほ銀行利用時に他のコンビニATMより条件がよいのは自社ATMだからである。

ただ、これはみずほ銀行ATMとして機能するのはこのケースだけのようで、

それ以外の提携先は イオン銀行としての提携先と扱われるようである。

見た目からするとスルガ銀行の取引であることは全くわからない。

判別できるとすれば印字された銀行コードだけである。

現金が必要なとき、みずほ銀行ATM、イオン銀行ATMがあればそこでみずほ銀行から出金し、

そうでない場合は セブン銀行、E-netでスルガ銀行から出金となることが多い。

イオン銀行でみずほ銀行以外の銀行取引を行うのがかなりレアである。

だから気づいてなかったんだよな。

Dieを付けて政党名

昨日、東ドイツでAfDが支持を受けている話を書いたが、

CDU/CSUとかSPDとかAfDとか3文字の略称の政党がある中に、

GrüneとLinkeという1語だけの政党があった。

Grüneって緑って意味で、緑色がシンボルカラーなので緑の党だろうと。

じゃあ、Linkeってなんだ? 調べると「左翼党」とか出てくる。


緑の党はいかにもヨーロッパでありがちな名前の政党だが、

ヨーロッパにおける元祖が西ドイツの Die Grünen だという。

ドイツ語で形容詞を大文字で書き出すと○○な人という意味になって、

人の集まりなので複数形にして、定冠詞を付けて Die Grünen になるみたいですね。

ただ、投票用紙などに記載される略称は Grüne みたいですね。この差はなんだ?

なお、正式な名称は Bündnis 90/Die Grünen だそう。

これは東西統一後に東ドイツの緑の党(こちらは Grüne Partei で緑の政党という意味)と同盟90(Bündnis 90)を統合した経緯によるそう。

まぁ正式名称はともかく Die Grünen で通じるんでしょう。


Linkeというのも Die Linke という名前の政党の略称である。

こちらは link で「左の」という意味で、政治の世界では「左翼の」ということになる。

で、政党を表す Partei は女性名詞なので、そこに引きずられて、

女性名詞の定冠詞 die を付けて Die Linke となっていると。


ちなみにDie LinkeもAfDと同様に東ドイツ中心の政党である。

ルーツが旧東ドイツの独裁政党にあるという事情もあるようだ。

AfDは極右と言われ、Linkeは直球で左翼というのも極端な話である。

さすがにLinkeは東ドイツ地域だけ見ても第2党ではないですけどね。

ただ、この背景にはLinkeから一部メンバーが独立したBSW(Bündnis Sahra Wagenknecht: ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟)の存在もある。

ザーラ・ワーゲンクネヒトというのは党設立の中心メンバーの名前で、

日本で言えば「生活の党と山本太郎となかまたち」みたいな命名センスである。

このBSWこそ極左政党だと言われ、先の選挙では5%ラインをギリギリ超えられず議席獲得はならなかったという。

そう考えると東ドイツ地域は右に左に極端というのもあながち間違いではないのかもしれない。


というわけで政党を表すドイツ語の話だった。

他にも議席獲得に至らない政党にはそういう命名のものがあるようで、

Die Freiheit(自由党)なんてまさにそういう命名だし、

“Feministische Partei Die Frauen” はFeministische Parteiでフェミニスト党となるが、

略称はDie Frauenなので、ここだけ見れば女性党みたいな意味になる。そんな変わらんか。

さらにすさまじい名前の政党が Die PARTEI で、Parteiは政党という意味である。

一応PARTEIはいくつかのキーワードの頭文字を集めたものだとなっているが、

あいうえお作文みたいな話でWikipediaには「風刺政党」と書かれていた。

まぁ日本にもふざけた名前の政党は時々ありますからねということで。

東ドイツに偏ってる

ドイツの議会選挙で極右政党と言われるAfD(Alternative für Deutschland: ドイツのための選択肢)が第2党になったと報じられた。

ドイツでは1つの政党が単独で過半数を取るのが難しいので、

複数の政党での連立が普通で、第1党のCDU/CSUを中心に模索しているとのことだが、

AfDとは組まないという方針らしく、政権与党にはならない見込みである。

ドイツ総選挙、最大野党の中道右派が勝利 極右AfDは第2党に (BBC NEWS)


AfDが支持を集めたことには違いないが、地域的な偏りがかなりあるらしい。

Diesen Ausgang sagt die Wahlkreisprognose voraus (ntv)

「分析」のところに地図が貼られているのだが、

左の地図で青く塗られたところがAfDが第1党だった地域である。

見事にかつての東ドイツ地域なんですね。

一方で黒く塗られたところがUnion(CDU/CSU)が第1党の地域である。

こちらは旧西ドイツ地域をほぼ塗りつぶしている。

ところでこの地図、南東部のバイエルン州の色が濃いと思ったかも知れないが、

CSU(Christlich-Soziale Union: キリスト教社会同盟)はバイエルン州の地域政党で、

CDU/CSUは議会では実質的に1つの政党として活動しているが、

CSUはバイエルン州の地域政党で、CDUはバイエルン州では活動しないという形で棲み分けている。

それだけバイエルン州で強いということなんだけど。


別にAfDは東ドイツの地域政党ではないし、西ドイツ地域でも得票は集めている。

ただ、ここまで偏っているのを見ると頭によぎるのが、

大阪府における日本維新の会(大阪維新の会)である。

先の衆議院選挙では大阪府内の小選挙区を独占なんて話もあった。

一方でそれ以外の地域ではなかなか苦戦しているのが実情で、

隣接する兵庫県阪神地域ですらなかなか容易ではないようだ。

逆に大阪府における自民党はガタガタだと言われており、

与党でない自民党にはそんなに価値はないという実情を表しているか。


もっともCDU/CSUとAfDは組まないぞと言っている一方、

自民党と日本維新の会は比較的組める相手だと思われているので、

そんなに地域を分断しているという感じはないが。

AfDを支持する人が多い東ドイツ地域はどうなるんでしょうね?

他社の乗務員にお任せの区間

阪神なんば線の難波~桜川は阪神の営業区間だが必ず近鉄の乗務員が担当するとか、

北陸新幹線の長野~上越妙高はJR東日本の営業区間だが、JR西日本の乗務員が担当するとか、

会社の境界と乗務員交代地点が少しズレていることがある。

難波~桜川は回送列車の都合で近鉄のシステムで作られていること、

北陸新幹線は乗務員交代を全列車停車の長野に統一したことが理由である。

珍しいといえば珍しいのだが、他にもちょこちょこあるらしい。


そんな中で変わり種が神戸市営地下鉄北神線(新神戸~谷上)である。

この区間は神戸電鉄の乗務員が担当している。

市営地下鉄と神鉄は直通運転してるわけではないのだが、ここは神鉄の乗務員が来るのである。

一見意味不明だが、ここには北神線の歴史的な経緯がある。


そもそも北神線は北神急行電鉄という別会社の路線だった。

神鉄の谷上~神戸都心の短絡ルートとして作られたのだが、運賃が高いのが課題だった。

神鉄とその大株主である阪急電鉄が出資して作った会社で、

民間企業の事業として六甲山地をぶち抜くトンネルを作ったわけで、

建設費が高くて、それに見合った運賃を徴収すると相当高かったのである。

とはいえ、これでは債務負担が重すぎるということで神戸市は支援に乗り出し、

神戸市が出資する神戸高速鉄道に鉄道施設を移管、補助金を活用して負担軽減を図った。

ただ、運賃が高いという問題は相変わらずで、神戸市は北神線を市営地下鉄の路線に組み込むことにした。

元々、新神戸から先は西神・山手線と直通運転をしていたのである。

北区の住宅団地の活性化などを目論んだものだと言われている。

かくして北神急行電鉄はなくなり、市営地下鉄に組み込まれたのだった。


で、こうなると元々北神急行電鉄で働いていた人をどうするかというのがあったが、

これは設立母体である神戸電鉄に移籍することとなった。

その上で、神戸市は北神線区間の乗務を神戸電鉄に委託することになったわけである。

結局のところ、交代相手が北神の制服から神鉄の制服に変わっただけで、従来と同じことをすればよいと。

ちなみに谷上駅はもともと北神の管理駅だったそうだが、神鉄に移管されている。

元々神鉄の駅に近かったけど、北神急行の本社が谷上駅にあるのでその都合だったらしい。


実は神戸市内にはもう1つ、他の会社にお任せの区間がある。

それが阪神神戸高速線の高速神戸~西代である。厳密には新開地~西代というべきか。

かつての神戸高速は阪急・阪神・山陽・神鉄の4社がともに乗り入れ、

共通の運賃表を使い、駅業務はトンネル会社と言われた神戸高速鉄道に委託するという形態をとっていた。

4社の境界はきわめて曖昧で、阪急・阪神は乗務員ごと山陽に乗り入れ、山陽は乗務員ごと阪急・阪神に乗り入れることもあった。

この形態が2010年に見直され、山陽はこの区間の鉄道事業から撤退、

阪神三宮~西代は阪神、阪急三宮~新開地は阪急、湊川~新開地は神鉄の営業区間となった。

境界駅以外の駅業務は阪神が来ない花隈駅を除いて阪神に移管している。

ただし共通の運賃表を使う部分は変わっておらず、実態としてそんなに変わった気はしないが。


そんなほぼ阪神になった神戸高速なのだが、阪神と山陽の間では直通特急の運行が行われ、

会社を超えても終点まで乗務員が乗り通すというのはさすがに見合わないと、

直通特急の乗務員交代は高速神戸で行うと取り決められた。

当初は須磨浦公園発着の阪神特急などは従来通りに阪神乗務員が担当していたが、

こちらも高速神戸での乗務員交代を行うようになった。

このため高速神戸~西代は阪神の営業区間でありながら、山陽の乗務員が担当するのが基本となっている。

わずかに新開地発着の阪神電車があって、これは全区間阪神の乗務員が担当するが1駅の差である。

逆に山陽からの阪神三宮・阪急三宮発着便は全部山陽の乗務員が担当する。

(阪神三宮発着便は阪神線内の回送が必要だが、これも山陽の乗務員がやっているそう)


「ほぼ」自社の乗務員が担当しないということでは、

あいの風とやま鉄道の泊~市振みたいなのもありますけどね。

ここは大半がえちごトキめき鉄道のディーゼルカーによる運行で、

1日1往復、あいの風とやま鉄道の電車が乗務員ごと糸魚川まで乗り入れているので、

これだけ自社の車両・乗務員がやってくると、そういうのはある。

ただわずかでも乗り入れるとなると、それに応じた訓練が必要なわけで、

全く乗り入れないということのメリットはそこそこあるのも事実。

阪神・山陽が原則として高速神戸での乗務員交代を行うようにしたのもそんな話じゃないんかな。

北神線の運行委託は神鉄への経営支援という説もありますけどね。

アーモンドアイがウマ娘になるまで

「ウマ娘 プリティーダービー」は「ぱかライブTV」として定期的にインターネット配信番組をやっているけど、

そこに「???役」という出演者がいて、これは誰だと。

この中で発表されるウマ娘と関係があるんだろうけど……


答えは「アーモンドアイ」「ラッキーライラック」「グランアレグリア」だった。

とうとうアーモンドアイが……なんだけど、実は前から結構匂わせていたところはあって、

知る限りでは、その起点はデアリングタクトがウマ娘に登場したあたりから始まる。


ウマ娘にとってデアリングタクトはTVアニメで主人公にもなったスペシャルウィークのひ孫という縁がある。

スペシャルウィークのひ孫だから

当時はまだ現役だったんですよね。

なんでわざわざスペシャルウィークのひ孫でデアリングタクト……というのはこう推測していた。

これは子に2頭ぐらいいるんですよ。ブエナビスタシーザリオですね。

特にブエナビスタはそれらしいウマ娘の絵がゲームリリース前に出たことがある。

ただ、おそらくこの2頭についてはオーナーの承諾が得られなかったとみられる。

今にしてみればどっちもウマ娘になってるんですけどね。

そこまで織り込み済みだったのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。


2024年からスタートしたメインストーリー第2部では、

2005年の牝馬三冠を分け合ったラインクラフト、シーザリオ、エアメサイアや、同世代のデアリングハートが登場した。

デアリングタクトの祖母代にあたる2頭(父の母がシーザリオ、母の母がデアリングハート)がともにモチーフになっている。

この中で三冠馬3頭そろい踏みの2020年のジャパンカップを思わせる話があった。

見ての通り、この世代にはデアリングタクトの祖母が2頭ともいたわけだが、

他にもいて、それが後に発表されたフサイチパンドラである。

これ、知ってる人ならすぐわかるけど、アーモンドアイのお母さんですよ。


ところで当初、ブエナビスタとシーザリオが難しいのでは?

と言われていたのはどちらもクラブの馬だからというのはある。

まぁデアリングタクトもそうなんだけど、ノルマンディーだし……みたいな反応だった。

ただ、最近ではクラブ所有馬がモチーフになることも増えている。

これもウマ娘の開発チームが丁寧にやってきたからというのもあるのだろう。

そんな中で、昨年11月にブラストワンピースがウマ娘になることが発表された。

シルクレーシングといえば、アーモンドアイだよなと。

あと、ブラストワンピースはアーモンドアイと同じ世代なんですよね。


そんなわけで包囲網は敷かれていたわけで、満を持しての登場なのだが、

それと同時に発表されたのが同世代でラッキーライラック、

その1年後の牝馬三冠を分け合ったグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスとカレンブーケドールである。

まさかこれ全部揃うとは思ってなかったなぁ。すごいことですよ。

4周年のキービジュアルにはアーモンドアイを中心にこのあたり中心に描かれている。

(なぜかラッキーライラックだけは描かれてないんだけど)


戦績を見てみるとわかるのだが、

ラッキーライラックというのは2歳チャンピオンとして挑んだ牝馬三冠でアーモンドアイにかなわなかった馬である。

その後はエリザベス女王杯2勝、大阪杯と活躍しているが、牝馬三冠以来はアーモンドアイと走ることがなかった。

では、アーモンドアイは敵なしだったのかというとそんなことはなく、

安田記念を2度走って敗れているが、2020年に2着に敗れたときの勝ち馬こそがグランアレグリアである。

あと、2019年に香港遠征を断念した後に出た有馬記念はボロ負けである。


今回発表されたウマ娘のモチーフになった馬が活躍した時代というのは、

さっき挙げた牝馬がいろんな路線に散らばって活躍していたので、涙を呑んだ牡馬も多かったわけである。

そんな牡馬の1頭がブラストワンピースなんでしょうけど。

それがゆえに同じレースで大激突ということもなかなかなかった。

牝馬三冠を分け合ったグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスが3頭揃ったことはない。

グランアレグリアは桜花賞を勝った後にNHKマイルカップに向かい、

ラヴズオンリーユーは忘れな草賞からのオークス制覇のためである。

ちなみに桜花賞→NHKマイルカップの転戦はラインクラフトもやっており、

この意味でラインクラフトのストーリーは後につながるものだったんですね。


レース選びに苦心したのがラヴズオンリーユーで、

オークス後なかなか勝てない中で5歳に京都記念を勝ってから、

ドバイ→香港→札幌→デルマー→香港と転戦してG1 3勝という快挙である。

勝てなかったけど……というのがカレンブーケドールで、

牝馬三冠でいずれも2着に敗れてから重賞をいろいろ走ったが、

牝馬ながらに挑んだ2021年の天皇賞(春)で3着は印象深い結果である。

異例づくめの天皇賞(春)

このあたりの苦悩も順次描かれるのかな。


ここまで揃うのもモチーフとなった馬の馬主などの理解もあってのことだが、

よくよく考えて見ればカレンブーケドール以外は全部クラブ馬じゃないか。

やっぱりそういう時代なんですかね。

スペシャルウィークの時代とは全然違うか。

ほぼ村民がいない村立定時制高校の謎

けっこう衝撃的なニュースだったんだけど。

村の生徒は1人だけ、大半の高校生が越境通学の「奈良県立山辺高校山添分校」存廃決断のリミット迫る (読売新聞)

山添村立の昼間定時制高校「奈良県立山辺高校山添分校」だが、今年3月末に存廃を決めなければならない状況にあるという。

そもそも村立の昼間定時制高校ってなんだよって話はともかくとして、

衝撃的だったのは全校生徒32人のうち村内出身者は1人だけということである。

ちなみに32人というのは4学年合計の数字である。うーん。


いろいろ意味不明な言葉が並んでいたと思う。

定時制高校というと仕事終わりに通う想定の夜間定時制がよく知られているが、

昼間に通う定時制高校もあって、これは農繁期休暇を長く取ることが目的である。

家業の農業をやりながら学校に通うことを目的としているものの、

必ずしも農家とも限らないので、インターンシップ期間と考えるべきかもしれない。

このため全日制高校に比べると授業時間が少なく、4年制が基本となっている。

(山添分校はどうか知らないけど通信教育と組み合わせて3年で卒業するコースがある学校もある)


この学校の生徒は三重県の伊賀地域(伊賀市・名張市)からの通学者が多くを占めている。

分校のWebサイトに出身中学校リストが載っていたが、

県内が4人、うち1人が山添中学校出身、大和高原地域の出身者はあと1人かな、

これに対して伊賀地域出身が27人と圧倒的な割合である。

村外との往来のための運行しているコミュニティバスの利用者のうち相当割合が伊賀地域からの通学者だという。

果たしてこれは村立高校としてどうなんだという話は当然あるわけである。


そしてこの学校のおかしな点が「奈良県立」の山辺高校に「山添村立」の山添分校があることで、

これがまさに存廃が問題になっている大きな要因である。

2016年に文部科学省と奈良県教育委員会が是正を求めたわけである。

この問題に対する解は簡単で山辺高校の分校であることをやめてしまえばよいことである。

実は奈良県には同様の形態の分校が存在して、それが五條高校賀名生分校である。

五條市立(元は西吉野村立)の分校だったが、2021年に五條市立西吉野農業高校という独立した高校になった

この再編に向けてか従来存在した家庭科を廃止して、農業科のみの高校となっている。

西吉野地区は全国的に知られる柿の産地で、果樹農業の後継者育成に果たす役割が大きいということで、

独立に向けて寄宿舎の整備、全国募集の開始などの投資を行っている。

全校生徒60人なのでやっぱり小さい学校なんですけどね。


正直なところ山添分校はそこまでの特色のある学校でもない。

確かに山添村周辺の大和高原地域では山辺高校ぐらいしか高校はないので、

この点では貴重な学校とは言えるのだが、それでも村民が全然いないのである。

なぜかというと奈良県と三重県の取り決めにより伊賀地域の県立高校に進学できるためである。

奈良県と三重県は長く県境を接するが、だいたい奈良県側は辺境の地である。

奈良市月ヶ瀬・山添村・曽爾村・御杖村からは伊賀地域の指定された高校

下北山村からは熊野市内の高校に進学することが可能となっている。

実際、山添村の高校生の多くは名張市内の高校に通っているという。

一方で三重県側から奈良県の高校に進学することができる取り決めもあり、

その1つが伊賀地域から山添分校への進学である。

もう1つは二次募集に限り名張市から奈良県立の指定された高校を受験できるものだが、

二次募集限りと考えれば、山添分校への進学が奈良県側の譲歩のほとんどである。


山添分校がなくなったとしても、奈良県から三重県立の高校への進学を拒むのは現実的ではないでしょう。

山添分校がなくなっても奈良県側が二次募集限り受け入れる部分は一応は残ってるわけだし。

ただ、この協定がスムーズに締結された背景に山添分校の存在は一定あったんだろうと想像する部分はある。

というのも最近、京都府南山城村・笠置町から伊賀市内の県立高校に進学できる協定が拡充されたそうなのだが、

これは三重県側が一方的に受け入れる協定なので府県同士の協定ではなく、

三重県と相楽東部広域連合(笠置中学校の設置者)との協定になっている。

なので、山添分校は広い意味で村民の学びの機会を拡大しているのは必ずしも間違えてないのではないかと。


小さな村立高校が存続している背景には、市町村立の定時制高校の教員の給与は都道府県が負担するルールもある。

県費負担教職員制度 (文部科学省)

指定都市を除き、市町村立の小中学校の教員は都道府県から雇われている。

この制度は本来は全日制高校には適用されないが、定時制高校には適用される。

すなわち山添分校の教員は奈良県職員ということである。

県立の山辺高校に村立の分校が付いているのはおかしいと書いたが、

教員はどっちも奈良県から雇われているのである。この点ではそこまで変な組織とも言えない。

このことは独立した高校になっても何ら変わらないわけである。

ただ、山添分校には校長室もないし、独立した高校になると従来かからなかった費用がいろいろかかる。

山添村は人口3000人弱の小さな村である。実態として村民がほとんど通わない高校に見合う投資なのか。

ここに大きな悩みがあるようで、結論を引き延ばしてきたのが実情のようだ。


さっきも書いたようにこの学校は広い意味で村民の学びの機会を拡大していると言えるし、

主に伊賀地域ということにはなるが、実際に学びの選択肢を増やしていると言える。

村外からの進学は僅かながらに村の交流人口を増やすものでもあると言える。

ただ、一方でこの学校が重要かと言われるととても難しい。

奈良県にとってみれば全日制高校の充実は問題が無いという立場だろうし、

三重県にとってみれば山添分校に進学できることはそもそも重要ではない。

伊賀地域にとっても地域内に一通りの高校はある状態で山添分校をバックアップする必要性には乏しい。

山添村が必要と考えるなら、奈良県は教員を雇うし、伊賀地域からも通うけど、

山添村がいらないと判断すれば、それでもかまわないということである。


長期的に考えれば校舎の改修とかも考えないといけないんでしょうけどね。

そこを乗り越えてまで存続できる学校かというとかなり疑問はある。

そもそも山添村というのは名阪国道が貫通する村であり、

村内・村外(多くは伊賀地域)の工場などで働く人が多いのである。

奈良県の辺境の山村というイメージよりは都市的ではないかと思う。

そこに農業科と家政科の昼間定時制高校なんて時代錯誤も甚だしい。

でも、それが村のアイデンティティなんだと言われれば否定はしませんよ。

自転車の見た目で歩道は決して走れない

ドコモバイクシェア、各地にある赤い自転車ですが、

特定原付のレンタルの実証実験を開始するらしい。

ドコモ・バイクシェアの新型モビリティ、歩道禁止と免許必須にするねらいとは (ケータイWatch)

かなり自転車っぽい見た目だな。


特定小型原動機付自転車はサイズ規定が普通自転車と同じ。

ということは自転車にモーターを積めばよいとは誰もが考えること。

もちろん電動キックボードを想定してできた制度なのでキックボード形が多いが、

もう1つ多いタイプが自転車形であり、僕が使っているのもそんな車である。

とはいえ、自転車にしてはちょっと不思議な見た目であるのも事実。

ドコモバイクシェアが導入すると言っている車両はそれよりかなり自転車っぽい。

車を置くポートを従来の自転車と共通化するために寸法を合わせたのかな。

異質な要素はハンドルの両側に付けられた最高速度表示灯 兼 ウインカーぐらいか。

後ろから見れば尾灯・ナンバープレートもありますけど。


で、実はこの車は歩道モードがないんですよ。

わざわざ6km/hでちんたら歩道を走るメリットはほとんどないので、それでもいいかなとは思いますが。

YADEAは最初は電動キックボード形の特定原付を作っていて、

このときは歩道モードがあったようである。

ところが、後に発売したオフロードバイク形のものと、発売予定の自転車形のものは歩道モードを積んでいない。

やっぱりいらんなと思ったのかも知れない。押し歩きでもいいからな。


ただ、車道自転車通行不可というのも一部にはあって、

そうすると歩道を走らざるを得ないということがあるので、ないよりはあったほうがよい機能でもある。

あとなぜか夢洲の万博会場に乗り付けられるのは特例特定原付となっていて、

歩道モードのない車は駐車できないらしい。(なんで?)

メーカーの説明には「なお、歩行者の方の安全を考慮し、歩道走行が可能となる特例モード(時速6km/h)を搭載する予定はございません。」となっているが、

本来は歩道モードは歩行者と共存した場合の安全を考えての機能なのでおかしな説明ではある。


ただ、一方でこの車が歩道を走っていてはおかしいという説明はしやすく、

発表会で展示されていた車には「STOP歩道ライダー」「この車両は歩道走行できません」というシールが貼られている。

とはいえ、そもそもがかなり自転車っぽい見た目の車なので、

電動キックボードより見分けが付きにくいという見方もあるかもしれない。

結局使えない機能だと思うので歩道モードがないのがそんなに悪いとは思わないけど、ちょっと変な説明だなとは思いますね。


あと利用者には当面は自動車運転免許の所持を求めるとのことで、

少なくとも一般原付のルールは知っていることが担保されているわけである。

ところで小型特殊自動車だけの運転免許でもいいんですかね。そんな人ほぼおらんやろというのはさておき。

運転免許があっても自転車に正しく乗らない大人はなんぼでもいるわけで、

運転免許だけあっても仕方ないとは思うんだけど。

一般原付に近いと思われるのもそれはそれで問題だし……

利用者への教育が1つ重要な課題として認識されているのはよいことでしょうが。


あと課題はこの車を何と呼ぶかということである。

シェアサイクルの大手にはHELLO CYCLINGもいて、

この会社も一部エリアで特定原付のレンタルを行っている。

ここも自転車形なのだが、これを「電動サイクル」という呼び方をしている。

製造元のglafitも特定原付タイプは電動サイクルって言ってますね。

一般原付と自転車をモビチェンできる車は電動バイクって言ってるので、

それよりは自転車に近いという意図でこう言ってるんだろうかね。

ドコモバイクシェアの車を製造するYADEAでも通販サイトの区分は

「電動キックボード」「電動サイクル(自転車型特定原付)」となっているので、

電動サイクルって言い方が一般的になるのかなという気配はある。


どうやって社会の理解を得るかというところを熟慮しているのは見えるが、

本質的な効果があるかはなんとも言いがたいところはある。

LUUPの電動キックボードがあれこれ言われるのも、

同社のステーション配置を含む営業戦略によるところがありそうで、

電動キックボードだから悪いというより、自転車で起こることが電動キックボードで起きているというだけに思える。

自転車形という形状の違いも含めて、そことは決別してやっていきたい思いは感じつつも果たしてどうなるだろうか。


電動キックボードのための制度という側面の強かった特定原付だが、

大手のプラットフォーマーが自転車形の車両を採用したり、

高齢者講習に嫌気が差した人向けか三輪・四輪タイプの車も発表されつつある。

それでも意外に出ないのがスクーター形の車なんだよなぁ。

以前も書いたのだが、制度的に似ている台湾の微型電動二輪車(旧:電動自行車)はスクーター形が多いんですよね。

確かにスクーターというのはエンジンの上に座るからあの構造なので、電動であればあの形である必要はないのだが。

元ドコモ払いのd払いの罠

d払いのネット決済でdポイントとクレジットカードを併用しようと思ったら、

どうにも選べなくて、なんでだ、なんでだと悩むハメに。


答えは元ドコモ払いの加盟店だったというものだった。

「ドコモ払い」のサービスを「d払い」に統合 (NTTドコモ)

この注釈にこんな記載がある。

「ドコモ払い」加盟店につきましては「d払い」統合後も、従来通り「d払い」のお支払い方法として「dカード®払い」「クレジットカード払い」をご利用いただけません。

すなわち、電話料金合算かd払い残高ということになる。

もっとも全額dポイントで払うことも多く、この場合はd払い残高で0円決済するという扱いで、

このケースが多かったのが実情ではあるが。


問題はこのことは特にd払いという表記からわからないことである。

そんな話Blogに書いたことあったような気もするけど、

確認したら書いていたのはAmazonのd払いのことだけだった。

d払いというよりドコモ払いでは?

d払いなのに電話番号がない人は使えなくて、電話料金合算払いしかできないということで、

それもはやドコモ払いじゃないかと書いた話である。

昔からこれは「d払い」と書いてあったのでひどい話なのだが。

現在もこの状況は変わっていない。


いろいろ経緯はあるのだろうけど、d払い周りの表記の複雑さはいろいろ言われている話で、

こういうのもどうにかならんのかね。

いろいろ考えたのだが、大半はdポイント充当できることも考えて、

不足分はd払い残高で払うことにしてd払いを使ったのだった。

不足額は僅かだがd払いに1000円チャージしなければならないのが煩わしい。

まぁなにがしか使う機会はあるだろうということで。

グラフィックボードの電源コネクタが融ける

NVIDIAの新しいグラフィックボードが発売されて秋葉原では一騒動、

なんて話はあったが、そんな最新鋭のグラフィックボードで問題となっているのが、

補助電源コネクタが融けるという話である。

NVIDIA RTX 5090の電源コネクターに溶損報告、設計上の課題が浮上  (Reinforz Insight)


高性能GPUは電力消費が著しい。

FeForce RTX 5090の消費電力575Wとなっている。

当たり前なのだが、これはPCI Expressのコネクタからは供給できなくて、

別途補助電源を引く必要がある。(これはある程度以上のグラフィックボードでは普通のこと)

そこで12V-2×6という規格の補助電源が使われているのだが、

これの上限が600Wなのでほぼフルに使う状況になっている。

というか、この規格自体がNVIDIAのハイエンド機に合わせているのが実情では?

大電力を供給する中で、コネクタの溶融などの問題が生じているらしい。


なぜこういうことが起こるかというと、複数の端子に電流を分散させることで容量を稼いでいる中、

特定の端子に電流が集中するということが起こっているからだとみられる。

前身となった12VHPWRと比べると偏りが起きにくくなるよう改善されているらしいのだが、

複数端子に分けて流すという構造自体は根本的には同じである。

端子当たりの電流が大きいと、端子の偏りが致命傷になりやすいのはその通りだろう。


ケーブルや端子の抵抗値の差に起因する問題なのか、

電源装置側の問題なのか、グラフィックボードの問題なのか。

ただ、単純に束ねただけだと電流は均等に流れないのはその通り。

大概の場合は不均等でもそれなりに分散できれば問題ないのだろうが、

均等に流れても1本あたり8Aぐらいの大電流が流れるわけで、

そんなに余裕があるわけではないのだろう。

均等に流れるように調整を行う機構が他にもあるかもしれないが、うまくいかないケースがあるのも実情らしい。


太い1対のケーブルを古典的なネジ端子で取り付けるようにすればよいのでは?

なんて考えてしまうけど、それはいろいろ難しいのだろうし、

ネジ端子も緩みなどの問題があるので、やはり容易な話ではない。

れでも不十分な接触のまま動かしてしまう可能性は減るだろうし、

端子間の不均衡が生じるという根本的な問題は回避できるから意味はありそうだが。

こういうのはコンピュータの内部では現実的な話ではないんでしょうけど。


現状、一番効き目がありそうなのは外部からコネクタの過熱を検出する方法である。

ASRockらしいこだわりを盛り込んだ電源ユニットが国内初披露。一部の製品は12月13日に販売開始 (4gamer.net)

ASRockが電源ユニットを発売するのは初めてなのかな。

今まで電源ユニットの接続先のマザーボード、グラフィックボードを作ってきたメーカーとして、

供給元の信頼性向上が必要と考えての参入のようだ。

その中で12V-2×6コネクタの信頼性向上策として、

ASRockは,この12V-2×6コネクタを用いたケーブルも汎用品を使うのではなく,新たに設計したという。ケーブルとコネクタ部分の色を変えることで,正しく接続できているか分かりやすくなった。加えて,ケーブル内に温度センサーを組み込むことで,ケーブルが加熱しすぎたときに電源ユニットの動作を止めて大きな事故を防ぐ機能も備えている。ケーブルの素材にも高耐久なものを使用したそうだ。

とのことで、致命傷は避けられるのではないかとのこと。


しかしさっきネジ端子の話を書いたけど、

600Wを12V×50Aで供給するってなると、ケーブルは8sqぐらい必要で、

ネジ端子だとM5ネジの端子台を使うような世界らしい。

電気工事の世界ではこれぐらいのサイズを使うところもあるだろうけど、

PCの中ではおおよそ見ないようなサイズのケーブルと端子になる。

このレベルになると12Vでの電源供給が見合っていないのは?

という指摘もなるほどと思うが、じゃあAC電源を受けられるようにすると、

これはもはやグラフィックボードとは言えないサイズになってしまいそう。

もっとも近年はグラフィックボードのためにPCのサイズが大きくなる事情もある。

それならもはやグラフィックユニットという筐体が別置きになっても……

とも考えてしまうが、マザーボードとPCI Expressで接続する必要があるので、

いくら巨大になってもグラフィックボードはその上に乗っかる子ボードであることは変わらないんだよね。