電動バイクの航続距離が気になる

前も書いたのだが、電動バイクの航続距離はおよそ30kmほど。

条件にもよるだろうけど、初めて乗ったときはそこで切れた。

実際、原付1種クラスの電動バイクの航続距離ってそんなもんらしい。

それでも用途を考えればあまり問題ないのかもしれないが、

30kmって平均時速15kmで走れば2時間の距離なんですよね。

自転車なら体力的にはまだ走れそうな距離だが、バイクは電池切れである。


それで折りたたんで運ぶとバッテリー含めてずっしり重いわけである。

こういうのは電気自動車に共通的な問題ではある。

最も身近な電気自動車といえば郵便局の集配バン、ぽすくま が描かれたやつだ。

日本郵便、配送用EV「ミニキャブ・ミーブ バン」を1200台導入。「ぽすくま」を描いた新デザイン公開 (Car Watch)

担当エリアが狭くて、充電は夜間に普通充電でOKという、郵便局の特徴によくあった車である。

で、こいつのカタログ上の航続距離は150kmらしい。郵便局では1日50km程度走ってるそう。

これも条件によるだろうが、時速40kmで3時間ぐらい走れば電池切れ。


では、ガソリン車だとどんなもんか。原付だと5L×40kmで200kmぐらい、

軽自動車だと30L×20kmで600kmぐらいと見つかった。

やはりかなり走るし、ガソリンスタンドで補給すればすぐに回復もできる。

ただし、ガソリンスタンドに縛られるのもガソリン車のデメリットではある。

行動範囲が狭い場合、電動ならその中でガソリンスタンドに行かなくても成立するのだ。

電動バイクにしても郵便局の集配車にしてもそのメリットは受けてるんですよ。


あとは今回の電動バイクの特徴として折りたたみ自転車形で、

折りたたんで運べるというのがあるが、これは電動じゃないと難しい。

特定原付の用途として、車などで出先に運んで使う用途も想定されている。

様々な要因があると思うが、その要因の1つには電動ということもあるはず。

エンジンが付いていたらそのままトラックに乗せるぐらいしかないが、

電動ならモーターはホイールに組み込んでしまえば折りたたみには困らない。


運転免許としては一般原付でも困らないんだけど、

それでガソリン車だと折りたたんで運べないので結局行動範囲が縛られる。

充電だけが支障なわけで、適宜充電してやれば問題ないとは言える。

重いけど予備バッテリーを運んで交換すればもっと走れるのはその通り。

色々考えるとこんなもんかなと思う。


ところで一般原付だが、排気量50cc以下のエンジン車が排ガス規制のため製造が困難になる。

この対策として排気量125cc以下で最大出力4kW以下に制限した車を一般原付として扱うルールができる予定である。

ちなみに排ガス規制は国際的な規制との整合によるものである。

電動だと原付一種・特定原付は定格0.6kW以下を指すのだが、最大出力だとまた話は違うか。

バイクの電動化も進むとは思うが、やはり航続距離の問題がある。

運転免許では排気量50ccまではペーパーテスト+講習で取得できたり、四輪の免許に付帯したりするが、

50cc超125cc以下だと普通自動二輪免許(小型限定)などが必要でハードルが一気に上がる。

このため道路交通法上の一般原付に該当する車両がガソリン車では作れないのは大問題と、

このような対策が導入されるそうである。いろいろあったがここに落ち着いた。


どうせ電動なら特定原付でいいのでは? という話もあるので、

今後はスクーター形の特定原付も増えてくるかもしれない。

電動アシスト自転車からの発展で自転車形になるか、

従来型のオートバイからの発展でスクーター形になるかはなんとも言えないが、

先行事例というのがあって、それが台湾の「微型電動二輪車」である。

昔は「電動自行車」ということで自転車(自行車)とほぼ同じ扱いで合格標章があればナンバープレートも不要だったが、

いろいろ問題があったようで、届出・保険加入・ナンバープレート取り付けが必要となった。

微型電動二輪車新法來囉~ (111年) (交通安全入口網)

14歳以上なら免許不要というのは特定原付の制度に似てるが、

ヘルメット必須(電動自行車のときはそうでなかった)のはちょっと違う。

それはそうとして、微型電動二輪車の典型例はこういうスクーター形である。

自転車形もあるんですけど少数派のよう。キックボード形は公道走行できないと考えられているよう。

台湾と日本で類似する点も多いので、根拠はあるような気もしますが。

バイクを畳んでおでかけ

夏休みの旅行で折りたたみ自転車形の特定原付を運んで使おうと思っているが、

やはりそのためには事前に練習をしておいたほうがいいなと。

なにかバイクを持って行くと効果的な目的地があるか。

ということを考えたときに向かった先は浦和美園駅だった。


なぜ浦和美園駅だったのかという話だが、

東京都・埼玉県でまだ乗ったことがない鉄道路線というのはわりと限られる。

その中には埼玉高速鉄道と日暮里・舎人ライナーがある。

サッカー観戦をすることもなく、舎人に用事があることもなく。

で、浦和美園駅~見沼代親水公園駅って地図で見てみると12kmぐらいなんですよ。

バイクを利用するにも適した距離なので、実験にはよかろうと。


そんなわけでまずは家から最寄り駅まで走る。

普段は歩くが、自転車での走行に適したルートは違うように思ったのでそちらを走る。

最寄り駅に到着後、バイクを畳んで折りたたみ自転車用の袋に入れる。

サイズ的にはそこそこコンパクトになるのだが、とにかく重い。

袋に入れるときも重さに振り回される感じがしてちょっと大変。

袋に入れてからも勢いを付けて持ち上げないと持ち上がらない。

コンパクトとは言っても電車に持ち込む荷物としてはトップクラスの大きさ。

自動改札機も車いす用の幅広通路じゃないと通れない。

エレベータが利用できるのが救いである。この重さの荷物で階段を持ち歩くのはけっこう怖い。


乗換もエレベータがあって助かったという感じで南北線に乗り込む。

埼玉高速鉄道は東京メトロ南北線とほぼ一体化した運行になっている。

都県界で会社が切り替わっているという感じだね。

埼玉高速鉄道はほぼ全区間が地下鉄で車窓も何もあったもんではないが、

南北線はフルスクリーンタイプのホームドアなのだが、埼玉高速鉄道は近年は一般的な可動式ホーム柵である。

どちらも開業時から取り付けられていて、開業時期の違いで方針が違ったらしい。

新交通システムにならってフルスクリーンタイプを付けたのが南北線(1991~2000年開業)で、

この後により経済的なホーム柵タイプが出てきて、2001年開業の埼玉高速鉄道ではこちらが採用されたとのこと。

駅により色を変えてるんだなとかそんな発見もありつつ、地上に出たら浦和美園駅だった。

終点で車庫があるこの駅の付近だけ地上で、他は全部地下だったんですね。


広い駅だなと思うがサッカーがなければただ広々してるだけである。

エレベータで外に出てバイクを組み立てる。

それで走り出したが、国道との交差点付近が複雑だったので電源切って押し歩き。

それで準備が出来たのでイオンモールを見るように南下していく。

この道路、植え込みで区切られた自転車走行空間があるのだが、

自転車道標識がないので、歩道かもなと思ったら、自転車歩道通行可の標識があった。

だから制度上は自転車道ではなく歩道の自転車通行指定部分だったと。

実は歩道の自転車通行指定部分だった

どうせそうだろうなと思っていたのでずっと車道の端を走っていたが。

あえて車道を走る自転車はそういないが、やはり速い自転車には車道で抜かれる。

そんなのが長く続いたが、東京外環道と交差するあたりで歩道の自転車通行部分が途切れる。

歩道走行自体はできるみたいなので歩道を走る自転車は相変わらず多かったが。

そしてさらに進むと歩道が片側だけになり、車道の左側が路側帯になる。

歩道がある場合は車道外側線の外側は車が走ってもかまわないが、

路側帯となると特定原付は入れないので、おっとと思いながら走る。


そんなこんなで都県界の手前まで来て、マクドナルドがあるので昼食を食べる。

ものすごい数の自転車が止まっていたが、そんなに客おったか?

ちなみに今回の走行区間、浦和美園駅付近はさいたま市で、見沼代親水公園駅付近は足立区なのは当然だが、

それ以外のほとんどは川口市である。でも、このマクドナルドのある一角だけ草加市になっている。


戻ってきて、都県界をまたぐとすぐにゴールが見えてきた。

道路のど真ん中にある日暮里・舎人ライナーの終着駅、見沼代親水公園駅である。

終着駅なのだし舎人駅になるに違いないと思っていたら、こんな駅名に。

(舎人駅は隣の駅名になったが、ここは隣接する町名から足立入谷駅を推す声が多かったらしい)

ここも町名では舎人だし、見沼代親水公園というのも旧用水路を使った細長い公園だから地味である。

ともあれ、バイクをまた畳んで袋に入れてエレベータで上がって上がって乗り込む。

日暮里・舎人ライナーはゴムタイヤで走るAGT、尾久橋通りの上をずっと走る。

神戸のポートライナーと並んでAGTでは混雑する路線で、数値上は圧倒的である。

軽量化して乗車人数を増やした新車を導入しており、各車両に車いす・ベビーカー用のスペースがあるので、

ここを半分ぐらい使って置かせてもらった。

ベビーカー押した人は乗ってきたが、自分が立つのが嫌だからかそのスペースは使ってなかった。


他路線との接続駅は西日暮里駅と日暮里駅だけ、というので人が増えるばかりである。

西日暮里駅でやっと人がまとまって降りてそのことを実感した。

日暮里駅に到着したらエレベータを乗り継いで地上に出て、バイクを組み立て。

当初はこのまま電車で帰ろうかと思ったのだが、寄り道をすることに。

日暮里駅から上野公園がそう遠くないことに気づいたので、寄り道しようと。

ただ、考えないといけないのが駐輪場である。それで事前に調べていた。

使えそうなのは「上野公園通り原動機付自転車駐車場」ぐらいしかなかった。

その名の通り原付(125cc以下)専用の駐車場で、上野公園通りの歩道橋の下にある。

料金は30分あたり50円、1日最大500円……1時間なら100円ならいいか。

ただ、歩道橋の下にあることもあり、駐車場を出ると車道を歩かされるのである。

なんか追いやられた感じがすごい駐車場である。都心までバイクで走ると大変だね。


そんなわけで東京国立博物館、久しぶりな気がするが2ヶ月開くことを久しぶりと言っているのである。

特集展示で「吉野と熊野―山岳霊場の遺宝―」というのがあって、

何かと思ったら吉野・熊野一帯のいろいろな出土品を東博が保管・所蔵しているようで、

それを集めて展示していたのである。儀式の後に埋納されたものが多くあるようで、

当時の儀式の姿が想像できる品ということになる。そんなのが東京にあったのか。


あと平成館のスペースを使って国立印刷局が新紙幣にちなんだ展示をしていた。

何を展示しているのかと思ったら、凹版印刷 や すかし の練習作品を多く並べていた。

新紙幣を作るのは20年に1度とかだけど、そのためのスキルは維持し続けなければならない。

すかし については具体的な手法を紹介する展示はなかったが、

これは法令で黒すかし(他の部分より紙を厚くして黒く見せる)を国立印刷局以外が行うことが厳しく制限されているため。

「門外不出」と紹介されていた。なお、紙幣は薄くして白く見せる 白すかし と黒すかしが双方使われている。


さて、1時間以内に駐車場に戻ってきて100円払って、

ちょっと走ると電車賃が1段下がるので、それで駐車場代を回収だ。

というわけでしばらく走る。この間に電動キックボードに遭遇する。

路上駐車の車両を避けるために後方の安全確認をしていたら、

その間に電動キックボードに抜かれた。細いから通れると見たか。

その後は追いかける形になったのだが、追いついてしまって、

他の車両との関係も問題なさそうなので追い越しを試みたらあまりにあっさり抜けてしまった。

もしかすると速度リミッタが15km/hなのかもしれない。

というのも、これLUUP社の電動キックボードなんだけど、

特定原付の制度が出来る前に特例で小型特殊自動車として扱われていた時があった。

15km/h以上出ないということを根拠にして小型特殊自動車扱いにしていて、

その経緯もあり15km/hリミッタなのかもしれないと思った。


そんなこんなで駅に到着してまた畳んで袋に入れて、電車に乗ってと。

担いで運ぶのは駅の中だけだが、それでもじわっと汗をかくぐらい。

全体としては漕がなくていいのは楽だし、走ってるときは気持ちいいけど、

この重さは本当に大変である。でも運べるからこそできることもあるし。

電車を降りたらまた出して、自宅まで走って帰宅と。

家で保管するときも畳んで玄関に置くのでよっこいしょっと。

家に置くときは袋には入れないですけどね。


そんなわけでいろいろなところで走ってみた。

走りやすさもいろいろだが、サイズも制度も自転車に似てるのはやりやすい。

これまで自転車以外の車を運転することはほとんどなかったのでね。

ひたすら車道走行で20km/h制限は気になるが、遅いなら遅いなりに抜かしてもらえばよいし、

一定速度で安定して走れるので自転車より追い抜き時も安心な気がする。

駅前など駐車場の問題はありますけどね。それでも原付1種ならなんとかなると思ったが、

上野公園周辺は思ったより厳しかった。なんとか収まったけどさ。

キャッシュ領域が最強だった

以前、こんなことを紹介した。

予約してメモリを書き換える

Load-Link/Store-Conditional(LL/SC)方式というのがあって、

メモリ上のあるアドレスを予約して、他のコアが触っていないことを確認してからライトする。

このような形で排他制御を実現しようとしているのだが、この方式には制約があり、

この方式は予約したアドレスへの他のコアのアクセス有無がわかればよいが、

この仕組みが働く領域と働かない領域があるようで、

その都合でcmpxchg関数でプログラムが停止する問題が起きていた。

というわけでどの領域でも使えるわけではなかったという話。


で、いろいろ資料を見ていて判明したのは、この仕組みはキャッシュが働く領域だけ働くということだった。

これはCPUによっても違うんだろうけど、典型的にはそうらしい。

一見するとキャッシュがある方が排他制御はやりにくそうなのだが、

キャッシュを使う場合、キャッシュコヒーレンシが求められる。

複数のコアで各々キャッシュを持っていて、あるコアがキャッシュ上のデータを更新したとき、

他のコアはその領域のキャッシュデータを無効化したり更新しなければならない。

元々そういう仕組みを持っているキャッシュ領域ではLL/SCはやりやすいと。


LL/SCはあるアドレスを予約してから、そのアドレスを他のコアが触っていないことを把握できればよいので、

キャッシュコヒーレンシの仕組みに頼らずに実現する方法もありそうだが、

もっとも典型的なのはキャッシュコヒーレンシの仕組みに乗っかる方法らしい。


同じような排他制御が求められる処理にアトミック操作というのがあって、

例えばメモリスワップを1命令で排他的に行う仕組みを持っている場合がある。

メモリのデータをリードしてr0に格納して、r1の値に書き換える

というのを排他的に一息でやってしまうような命令である。


こういう命令はシングルコアでも価値があって、

なぜかというとリード・ライトを2命令でやると、その間に割り込まれる可能性があるから。

(これを防ぐためにはこの間を割り込み禁止にする必要がある)

ところが、1命令でやればその間に割り込まれることはなくなる。

なのでシングルコアの時代からこういう命令は活用されてきたらしい。

ここにマルチコアの時代が来て「排他的に」実現することが必要になったと。


これもキャッシュコヒーレンシが働く領域だと対応しやすいようだ。

キャッシュ上でスワップして、他のコアのキャッシュを無効化・更新すればよいから。

これも他の実現方法はありそうだが、典型的にはこうやるらしい。


というわけでキャッシュ領域が最強なわけですね。

キャッシュを介することで実メモリとの整合は取りにくくなるが、

コア間の整合はもともと意識されているので排他制御はやりやすいと。

そういう意味だったのかといまさら理解した。

手のひらでスロットルを押す

先週末に特定原付のバイクを試走していたとき、スロットルの操作が難しいなと。

手が疲れるなとか、中途半端な速度で走るにも調整が難しいなとか。

そういえば街中に置いてある電動キックボードのスロットル部にヘラ状のものが付いてたなと。

あれってスロットルを操作しやすくするための仕組みだったのか。


というわけで調べてみると、スロットルアシストというものがあるそうだ。

スロットルを補助する道具という点ではいろいろなタイプがあるが、

もっともシンプルなものは、手のひらでスロットルを押せるようにするもので、

高速道路など一定速度で長距離走行する場合にオススメだとある。

一方でスロットルを細かく調整するのは向いていないという記載もある。

これだけ見ると街中で細々走る特定原付には向いてなさそうだが、

自動的に20km/hに制限される特定原付はスロットルを細かく調整する必要が無いケースが多い。


このタイプのスロットルアシストは安いのも特徴である。

Yahoo!ショッピングで調べたら送料込みで160円という異様に安いのがひっかかった。

こんなに安いならと買ってみて、届いたので早速試走してみた。

手が疲れないという効果は予想通りである。

ブレーキに指を掛けながら、手のひらでスロットルが押せるのだから、やりやすい。

あと、意外にもスロットルの調整はやりやすくなった気がする。

これは今までがスロットル回しすぎだったのかもしれんな。

こんな簡単な道具だが、あるとないではかなり変わるなと思って乗っていた。


今回はとあるところまで予行演習がてら走っていた。

あまり考えずに走ってたら「自転車を除く」の一方通行を逆走することに。

「自転車」に特定原付は含まれるので制度的には問題ない。

対向車には注意が必要だが、自転車サイズなので支障はない。

(ただし、自転車と違って路側帯には入れないので走行場所は注意)

なぜ一方通行なのか気になったが、並行して走る2本の道を逆向きの一方通行にして束ねてたらしい。

これ知ってたら順方向に走ったかな。


もう1つの発見としては、市内でも場所によっては電動キックボードがけっこう走っているということである。

緑色のランプを付けながら走っていた。レンタルでしょうね。

そのうち1台は緑ランプ点滅させながら歩道を走っていた。

それ実用してるの初めて見たな。どう思って使ってたのかわからないけど。

同じ市内で近所にもレンタルのステーションあるけど全然見ないからな。

かなり地域により偏りがあるのは間違いない。

新しい郵便料金に連動しないもの

だいぶ前だけど、10月からの新しい郵便料金が発表されていた。

2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります (日本郵便)

定形郵便(50g以下)が110円(現在84~94円)、はがきが85円(現在63円)となるのは話題になっていたが。


それ以外の区分だと定形外が50g以下140円(現在120円)、100g以下180円(140円)など。

このあたりまでで値上げ幅が大きいのは はがき(+31%)と定形外50g超100g以下(+29%)あたりか。

けっこう使用頻度が高いところが上がるなという印象はある。

特殊取扱は書留は従来通り、速達が値上がりして速達は250g以下300円(現在260円)となる。

速達といえば2021年に土曜の普通郵便などの配達を休止したときに少し値下げされた。

250g以下では290円→260円になったが、逆戻りという感じである。


基本的なところは上記の通りだが、気になったのがレターパックである。

レターパックも第一種郵便物(封書)の一種であり、改定対象となる。

従来370円のレターパックライトは430円、520円のレターパックプラスは600円となる。

いずれも値上げ幅は15%程度なので他の定形外郵便よりはマイルドな印象。

土日祝日の配達もあることや追跡できることを考えればメリットは大きい。


レターパックライトの前身のレターパック350が出た当時、

ポスパケット(現:ゆうパケット)の料金を400円→350円と下げている。

これ以前のポスパケットは定価ではなかなかメリットが感じにくいと言われていた。

ゆうパケットへのリニューアル時に厚さ別料金の導入など、定価でも利用しやすくなった。

ゆうパケットは厚さ別、ゆうメールは重さ別の料金設定だが、

現在は最大の寸法・重量は揃えられていることもあり、ゆうパケット(3cm厚)とゆうメール(1kg)はともに360円に揃えられている。

消費税率変更時の丸めの都合でレターパックライトは370円となったが、

この3つのサービスは必然的にほぼ同じ価格に揃えられていたのである。


となれば、ゆうパケット・ゆうメールの定価も変わるのでは?

と思ったのだがQ&Aでこれは否定されている。

レターパックライトは430円、ゆうパケット(3cm厚)は360円と差が付く。

全体的にはレターパックライトの方が高機能であることは確かで、

郵便であるので信書を送れること、重量制限が郵便法の規定いっぱいの4kgであること、

必要によって航空輸送が利用されることなどはレターパックの強みである。

なのでこの価格差は相応の物とは言える。


あと意外だったのは郵便書簡(ミニレター)の扱いである。

元々封書と同額だったのが、いつの間にか はがきと同額になってしまっていたというもので、

これらの経緯を考えれば封書と同じ値段になっても不思議はないと以前書いた。

ただ、実際には はがき の新料金と同じ85円への改定となるようだ。

それどころか注釈にこんな記載がある。

厚さの制限(1 ㎝)を設けた上で、その範囲内であれば、郵便書簡に封入できる物の制限を撤廃するための約款変更認可申請を行っています。

どういうことなんだろ?

調べてみると内国郵便約款にはこういう規定があるんですね。

3 郵便書簡は、次に掲げる場合を除き、これに他の物を封入し、その外部に他の物を添付して差し出すことはできません。

(1) 全体の重量が25グラムを超えない範囲内において、写真、紙片等で薄い物を封入する場合

(2) 全体の重量が25グラムを超えない範囲内において、その外部に薄い紙又はこれに類する物を容易にはがれないよう全面を密着させて添付する場合(料金支払のための郵便切手以外の郵便切手(記念のため通信日付印の押印を受けたものを除きます。)又はこれに類する物は裏面に添付する場合に限ります。)

「写真、紙片等」という規定を変更するという意味なのかな。

ちなみにこの規定に違反した場合は定形外郵便として扱われることになっている。

一般的には25gを超過した場合に適用されると考えられている。

実態としてはあまり意味のない変更なのかもしれない。

でも、85円なら比較的安いな。63円に20円+2円と貼り足さないといけないが。

ポスター掲示板はやはり公平では

東京都知事選挙の選挙公報が投函されていて、

知事選挙の公報にしてはえらい重いなと思って見ていた。

で、この候補者数の多さゆえか問題となっているのがポスター掲示板である。

主要な候補者には掲示板も回りますが


今回、ポスター掲示板の枠数を超えて立候補者が出るという異例の事態となっている。

48枠用意しても超過するということは事前にわかっていたが、

増設が間に合わないため、49番以降の候補者はクリアファイルで増設する対応となっている。

これは不公平ではないかという指摘もあるが、東京都の見解は下記の通り。

今回、立候補届け出の事前審査終了者は告示前の段階で50人を超えていた。対応が告示当日になったことについて、都選管の担当者は「最後まで立候補者が48人以下になるかどうか見極めた。手間がかかるかもしれないが、増設で候補者間の公平性は担保されている」との見解を示した。

(ポスター掲示板が足りない クリアファイルで自ら「増設」 都知事選 (毎日新聞))


今回、ポスター掲示板に貼られるポスターについて、いくつかの候補者で問題が起きている。

都知事選 選挙ポスターに苦情や疑問など1000件以上 異例の事態 (NHK)

そもそも今回48人以上の立候補者が立った原因として大きいのが、

「NHKから国民を守る党」の候補者大量擁立であり、

そもそも定数1の知事選挙に1つの団体から大勢立候補することには大義はない。

東京都が掲示板の枠を超過する立候補者数が立つ可能性があると知りながら、

市町村に増設を進めるよう指示しなかったのはいたちごっこになりかねないと考えたのもあるのだろう。

他の候補者でもポスターの内容に疑問があったり、公職選挙法以外の法令で警察から警告を受けたりしている。


ポスター掲示板というのは必ずしも設けなければならないわけではない。

町村レベルの選挙ではポスター掲示板のルールを持たないところもある。

今回、ポスター掲示板の枠数不足により公平性は保たれていないし、

掲示板に貼られるポスターが様々な問題を引き起こしている。

とすれば、ポスター掲示板を廃止する方が公平でよいのではないか。

という指摘もあるし、それはそれで理屈には合っているのだが……


ただ、そうはなって欲しくないなと思うのは、主に市町村議会選挙のことである。

ポスター掲示板が用意されなければ、おそらくそれ以外の場所にポスターを掲示する方法が考えられる。

ポスター掲示板のない参議院比例代表では全国7万枚のポスターを掲示できる。

ただ、そうして貼れる場所を確保するのはかなり大変なことである。

そこには組織力の差がかなり大きく出ることは容易に想定される。

確かに今回のようにポスター掲示板を利用するのが難しくなるケースはあるが、

それは稀なケースであり、例えはみ出た候補でも掲示手段自体は確保できている。

それなら多少の不公平は受け入れても、全体的には公平なのではないか。


特に市町村議会というのは候補者1人1人の組織力はたかが知れているわけで、

そこでかなり公平に利用できるポスター掲示板や選挙公報は重要である。

ただ、町村レベルの選挙では選挙期間が5日間と短い。

このため期間内に選挙公報を作って配布するのは難しいと町村の48%では選挙公報の制度がないそうである。
(cf. 選挙公報、自治体3割が発行条例設けず…「候補者のことを知らせる重要な媒体」 (読売新聞)

こうなるとポスター掲示板はなおさら重要な手段と言える。


選挙公報はともかく、政見放送も考え物な制度である。

東京都知事選挙や参議院議員選挙東京都選挙区に大勢の候補者が沸くのは、

これらが候補者単位での政見放送が認められた選挙だからという事情もある。

今回、政見放送の短縮もありうるのではと言われていたが、

規定通り、希望者全員が政見を述べられる枠を用意できたとのこと。

これもどうかと思う制度ではあるが、ことにおいて東京都というのは遠く離れた離島がいくつかあり、

これらに対してタイムリーに情報提供できる手段がテレビ・ラジオであることは確かである。

この点では合理性があるので、政見放送もそれはそれで必要なのだと思う。


ポスターの内容に一定の制約を設けることも考えられるのでは、

という指摘もあり、というのも選挙公報には顔写真にルールがあるらしい。

そういうルールをポスターにも適用するべきではという考えである。

確かにそれで今回の問題は多少解決する部分もある。

基本的に自由であるべき選挙運動だけど、常識的な制約なら受け入れられるのではないか。


選挙公報を見ていて思ったのは、いろいろな鬱憤があるんだなということである。

確かにそれ知事選挙で言うことか? というものは多いのだが、

何らかの主張があって立候補しているとは言えそうである。

そりゃ供託金300万円も普通は出せませんからね。

そういう閉塞感は東京都に限った話でもないのだろうと思う。

ただ、実際に国会議員を目指そうとかしても、これはおおよそ困難である。

巨大政党に所属すれば手はあるが、そうすると自らの主張を貫くのは困難である。

それなら目立つところで叫ぶのがせいぜいだとなれば東京都知事とか参議院東京都選挙区が狙われるのは必然なのだろう。


立候補者数で言えば圧倒的に男が多いわけだが、

有力候補は女性ばかりかというのは参議院東京都選挙区を思い出す光景である。

さて、果たしてどうするべきか。

よく考えたら夏休みで不在の期間に投票日が被っているので、期日前投票を検討しなければならない。

来週に仕事終わりにサクッと投票しますかね。そこまでに決めないと。

自動車・原付って記号で書けば

金沢市街を歩いていたとき、道路標識に「自動車・原付」と書かれたものが多くあった。

「自車・原付」と見間違えて、なんだこれ? と思ったのだが、

「自動車・原付」という組み合わせも一瞬悩んでしまった。


結論から言えば「軽車両を除く」と同じ意味である。

道路交通法の規定では車両は 自動車・原動機付自転車・軽車両・トロリーバスの総称である。

公道を走るトロリーバスは存在しないので、自動車・原付・軽車両 の3分類と言ってよい。

補助標識の「原付」は一般原付(排気量50cc以下で特定原付以外)である。

なので「自動車・原付」に含まれない車両は軽車両と特定原付となるが、

特に記載がなければ「自転車」(普通自転車)と「軽車両」は特定原付を含む規定なので、

「軽車両を除く」と「自動車・原付」は同じ意味ということになる。


しかし、冒頭に書いたような見間違いもあるし「自動車・原付」はイマイチな表記のような気がする。

「軽車両を除く」は見間違いはないかもしれないが、これも直感的ではない。

もっといい表記ないの? と考えて見ると、自動車とバイクの記号を書けば同じ意味になる。

一方通行に付ける補助標識として一部地域では「自動車(二輪を除く)」というのがある。

文字で書いていることもあるが、これを自動車の記号で書く場合がある。


補助標識に記号を使う場合はこのような意味になる。

  • 自動車の記号 : 二輪の自動車以外の自動車
  • バイクの記号 : 二輪の自動車・一般原付
  • 荷車の記号 : 自転車以外の軽車両
  • 自転車の記号 : 特定原付・自転車
  • バスの記号 : 大型乗用自動車・特定中型乗用自動車(=バス)
  • トラックの記号 : 大型貨物自動車・特定中型貨物自動車・大型特殊自動車(=大貨等)
    • 「積○t」とある場合は、最大積載量○t以上の普通貨物自動車・準中型貨物自動車・中型貨物自動車も対象

上4つで車両は全て網羅されていると言えて、

自動車とバイクの記号を合わせたものは「自動車・原付」であり、

荷車と自転車の記号を合わせたものは「軽車両」に等しい。

ゆえに自動車とバイクの記号を合わせたものは「軽車両を除く」とも等しい。


でもこの組み合わせの補助標識はあまり見ませんね。世の中にはあるらしいけど。

文字で書くより標識が大きくなるのがイマイチなんじゃないか。

バスとトラックの記号はそれぞれ見ることは多いし、この組み合わせもちらほら見る。

バスとトラックの記号の組み合わせは文字で書けば「大型等」となる。

「大貨等」と紛らわしいのはその通りだと思いますけど。


それで、調べてみるとトラックの記号には特別な意味があるのだ。

「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」を見てみると、

トラックの記号に斜線を引いた標識に下記の2つの意味が設定されている。

  • 大型貨物自動車等通行止め(305)
  • 特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め(305の2)

何これ? という感じだが、この使い分けはこのように規定されている。

「特定の最大積載量以上の貨物自動車等通行止め」を表示する本標識には「車両の種類(503―C)」を表示する補助標識を(中略)附置するものとする。

この「車両の種類(503―C)」こそが、トラックの記号+積○t である。

一般的に補助標識というのは規制範囲を制限するために使われる。

「二輪の自動車以外の自動車通行止め」に「小特を除く」とすれば、

「二輪の自動車以外の自動車」に該当しない二輪・軽車両・歩行者と、

除外された小特が通行できるということを表す。

ただ、トラックの記号+積○tは、トラックの記号より範囲が広いんですね。

規制範囲を拡張する珍しい意味を持った補助標識である。


なので、トラック+積○tに相当する表記を文字で行う場合、

トラックに斜線の標識との組み合わせだとうまくいかないんですよ。

トラックに斜線の標識と「最大積載量2t以上の貨物/居住者用車両を除く」の組み合わせは、

最大積載量2t以上の大貨等で居住者用車両を除くの意味になるが、

大貨等は車両総重量8t以上または最大積載量5t以上の貨物自動車なので、

普通に考えれば「最大積載量2t以上」が意味を持たなくなってしまう。

トラックの記号に積2tと書いてから「居住者用車両を除く」とするか、

記号無しの車両通行止め標識に「最大積載量2t以上の貨物/居住者用車両を除く」と書けば意図通りになるはず。

最大積載量の補助標識を文字で書いたものは東京都でわりと見るのだが、

上記の解釈によればおおかた誤用である。果たして意図通りなのか。


けっこう道路標識の記号ってうまくできてるんですよね。

荷車の記号とか単独で使われることはほぼないけど、

自転車だけか、自転車+荷車=軽車両全てか という区別には役立つ。

補助標識では自転車と荷車の記号は見ませんけどね。

通行止め以外で軽車両だけが規制対象になることがほぼないからだけど。

特大荷物スペース付き座席を予約する

昨日、特定原付を買った話を書いたが、直近のターゲットがあって、

それが夏休みの旅行で、目的地は山陰である。

基本的には列車での移動だが、その先で活用していきたいと。

天気がどうかなという心配はあるが、比較的ゆったりした計画である。


列車で折りたたみ自転車を運ぶというと気になるのがこのこと。

東海道・山陽・九州・西九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて (JR東海)

3辺合計160~250cmに該当する荷物を持ち込む場合は特大荷物スペース付き座席/特大荷物コーナー付き座席の予約が必要である。

ただ、このサイズでもスポーツ用品・楽器などは必須ではないとされている。

折りたたみ自転車はスポーツ用品に該当する。なので何もせず持ち込んでよい。

ただ、それでは面倒なのは目に見えているので予約しておこうと。

特大荷物対応の座席を予約すること自体は間違いではない。

事前に予約さえしておけば値段は変わりませんからね。

他の特急についても進行方向一番後ろの座席を確保しておくことにした。


それで東海道新幹線の予約をどこでするか?

普通に考えればスマートEXなのだが、今回の旅程を考えると乗車券込みというのが不都合である。

割引商品が使えればその限りではないのだが、今回は該当しない。

それなら特急券だけスマートEXで買えばいいと思いがちだが、

EX会員はEX予約でe特急券を買えるが、スマートEXは乗車券込みの商品しかない。

となれば e5489 か えきねっと ということになる。

ただ、えきねっとは特大荷物対応の座席は予約できないようである。

というわけでe5489で予約することに。


e5489といえば、きっぷを受け取るまで何回でも変更可能なのがウリだが、

JR東海管内(東海道新幹線を含む)にかかるきっぷは特典対象外である。

すなわち紙のきっぷ同様に変更は1回限りである。

この点ではスマートEXに分があるのだが、それ以上のメリットはあるだろうと。

事前に受取が必要だが、JR東海の窓口・券売機というのはEX予約と大差はない。

おそらく東京駅の乗換口か八重洲側で受け取ることになるのでは。


スマートEXを使ってきっぷを買うと、接続駅からの在来線特急券が割引価格で買えて、

これが有用なのではと思ったのだが、それでも上記の判断になった。

J-WEST会員であれば西日本管内の指定席特急料金が割り引かれるからである。

本来は半額程度まで割り引かれるかなりお得な商品なのだが、

J-WEST会員にとってはそこまで差は大きくなく、乗車券・特急券分けるメリットが全体的に勝るという判断である。


特急以外で移動する区間もあるのだが、旅先では大丈夫かなと。

一番心配なのは出発時の東京駅までの区間ですね。

昼間でもかなり混む区間なので、あんなに大きな荷物持って乗れるかどうか。

追い抜かれる電車を使うなどの対策は考えられるが、それでもどうだろう。

時間に余裕を持って行かないといけないなと。

他はなんとかなるんじゃないかと見ていますが。


というわけでまさかe5489で東海道新幹線を予約するとはなという話だった。

でも明らかにJ-WESTカード(エクスプレス)の年会費は割に合いませんからね。致し方なし。

特定原付デビュー

実は先週、通販で折りたたみ自転車形の特定原付を買っていた。

特定小型原動機付自転車 MySmart-16 (SunSun)

まだ特定原付自体があまり選択肢がないが、その中でもキックボード形はともかく、

自転車形というのはかなり限られた存在で、その中の1つである。

キャンペーン価格で118800円となっている。

はいえ組立費用・大容量バッテリー化・送料など加算して、実際は15万円ほどである。


どうしてこの車を買ったのか。近所の移動に使うことも考えてはいるが、

どちらかというと旅行先で使うことを意図して買ったところが大きい。

というのも特定原付は車などで運んでその先で使うような用途もかなり想定されている。

これまで列車やバスで移動できるところに縛られがちだったが、

折りたたみ自転車のように運んで使えれば目的地の幅も広がるのではないか。


というわけで通販で注文したら翌々日に届いた。

一般的な宅配便のサイズではないので、西濃運輸で運ばれてきた。

で、これは驚いたんだけど、説明書がないんだよな。説明用の動画はあるんだけど。

これはちょっと……あまりオススメできないメーカーだと思った。

ちなみにこのメーカー、元々電動アシスト自転車や公道走行できない電動自転車を作っている会社である。

今まで普通自転車は作っていたが、原動機付自転車を作るのは初めてのようだ。

輸送上の都合で自分で取り付ける部品がいくつかあるので取り付けて完成と。


保管場所だが、アパートの玄関である。床や壁など養生して、スノコなど置いて保管する。

折りたたんでおけばそれでもなんとかなるサイズである。

このバイクを使えるようにするにはやるべきことがいくつかある。

まず最初にやらなければならないのはナンバープレートの取得である。

これは公道を走るために必要なのではなく、原付を所有すれば必ず必要になる。

というわけで翌日、市役所に行って届出をすることにした。


バイクに同梱されていた書類の中には「軽自動車税申告(報告)書兼標識交付証明書」があって、

すでに販売者記入欄は記載されているので、自分の住所氏名など書けばよい。

これで市役所の税務窓口に持っていく。これで届出ができる。

待っている間「これ小さいナンバープレートだった」という声が聞こえたが、

特定原付のナンバープレートは他より小さな四角いナンバープレートである。

ともあれ作業が終わって、標識交付証明書とナンバープレートとネジが渡された。

ナンバープレートを固定するネジが同梱されてなくてあれ? と思ったが、ナンバープレートと一緒に支給されるんですね。

その足で軽自動車税の口座振替の手続きもしておいた。

年2000円の軽自動車税、いちいち払うのは面倒なのでこれで楽チンと。

最近はキャッシュカードと暗証番号で口座振替の手続きができるんですね。


次にやらなければならないのは保険である。

最低限必要なのが自賠責保険、それとは別に対人・対物の賠償責任保険が欲しい。

個人賠償責任保険では原動機の付いた車両の所有・使用に関する賠償責任はカバーされないからである。

で、この2つについてはいずれも こくみん共済coop に依頼することにした。

自賠責共済とマイカー共済でカバーできて、だいたいの掛金は事前に把握できて、

なおかつ労働組合の組合員なので、割引もあり手続きの都合もよいだろうと。

そんなわけでメールで問い合わせると、標識交付証明書のスキャンを送ってくれたら、

見積もりを作るので、申込書を会社に持っていくとのこと。

自賠責共済については現金引換でその場でステッカーを渡すとのこと。


そんなんでいろいろやりとりがあって、組合の事務所に来てもらって、

手続きを行い、自賠責共済の掛金を払ってステッカーを受け取った。

自賠責って5年契約だと年当たりの単価が1年契約の36%なんですよね。

えらい安いので5年契約にしておいた。そんなに長いと手続きも忘れそうだが、

マイカー共済とあわせて同じ生協でやっておけば手続きは抜けにくいだろうと。

5年後に自賠責更新するときは口座振替なんですか? と聞くと必ず現金引換とのこと。

なのでそのときは組合の事務所で手続きがいるようだ。そこはちょっと面倒そう。

帰ってきてナンバープレートにステッカーを貼って、これで公道を走っても大丈夫になった。


そうして迎えた週末、まずは隣町まで試走である。

自転車同様にヘルメットの着用が努力義務なので、いつも自転車乗るときにしているヘルメットを被って、

車を道路に出して走ってみるが、グリップをひねると急加速するので慣れるまで大変だった。

特定原付の操縦方法もいろいろだが、一般的にはグリップをひねると加速して、レバーを引くとブレーキがかかるという形である。

特定原付は20km/h以上の速度が出ないように制限する機能が付いている。

なので、フルスロットルでグンと加速しても20km/hになれば定速を保つ。

この20km/hまでの加速はけっこう強い。つんのめるようになることも。

キックボード形だとなおさらバランス感が難しそうだなと思う。

あと、20km/hまでの中途半端な速度に保つのはけっこう難しい。


折りたたみ自転車ということも相まって構成要素も自転車っぽいが、

バイクらしい構成要素もいくつかある。

ライト常時点灯や、尾灯・制動灯というのはバイクそのものである。

そしてウインカー、ハンドルの両端がピカピカ光るのだが、これがなかなか慣れない。

バイクのウインカーは手でボタンをポチポチ操作するからである。

あと、これは原付講習を受けた人なら覚えていると思うが、いや忘れてるかもしれないが。

二段階右折のときは右ウインカーを出して直進して、止まってウインカーを消すルールになっている。

一般原付の二段階右折は片側3車線以上のときだけなので限られているが、

特定原付は自転車同様、全てが二段階右折である。

右折する度に右ウインカーを出して直進するということになる。

これ警察の資料でもあまり言及されていなかったので要注意ポイントだ。


ひたすら車道の左端を走って行く。

自転車道っぽいものはあるが歩道の自転車走行指定部分なので。(cf. 実は歩道の自転車通行指定部分だった)

20km/hってこんな速度かと思いながら走って行く。

平均的な自転車よりは少し速いと思う。漕がないのでスピード感はないが。

ただ、車道を走る車としては一番遅いと言ってもよい。

一般的な自転車は歩道の自転車走行指定部分を走っているのもある。

けっこう速い自転車にも抜かれた。こんなにロードバイク走ってんのかと。

上り坂でも20km/hで走れるのだから電動ってのはいいなと思うが、

その上り坂で20km/hで走るのを自転車に追い抜かれることもあった。


隣町まで自転車で走るとけっこう大変なので特定原付の出番はあるかも、とバイク用の駐輪場を確認しておいた。

自転車と同じサイズなのだが、有料の駐輪場だと原付1種(50cc以下)の駐輪場を使うルールになっていることが多い。

普段使っている駐輪場からは少し離れているが、そこまで悪くない立地である。

料金も自転車よりは高いが許容範囲、ただ1時間無料ルールは適用されないらしい。

こういうところが特定原付とはいえバイクの欠点である。まだ原付1種はマシな方だが。

走っているときは「自転車」(普通自転車)のルールに従うんですけどね。


そんなこんなで試走を終えて帰宅。昼食を食べて、再度出発である。

というのも衣替えだ! と引き出しを見たら、夏物が足りなかったからである。

そんなわけでイオンモールまで買い物。これも自転車でよく行ってたがちょっと遠い。

キックボード形の特定原付は荷物を載せるにも困るという話があるが、

この点では自転車形はいろいろやりようがある。

1つは付属していた前カゴ代わりの袋である。ハンドルにひっかけて使う。

少量の買い物ならばこの袋を外して持っていけば足りる。

もう1つが後ろの荷台、ここに荷物を紐でくくりつければよい。


イオンモールまでの道もひたすら車道の左端を走って行くが、

途中、自転車専用通行帯が設けられた区間が多く、そこを走ることになる。

イオンモールでは自転車用の駐輪場に停めたが、サイズ的に入ればいいだろうという考えである。

あれこれと買い物をしたが、そこで布製の箱を購入した。これを後ろの荷台に付ける箱にしようと。

紐で付けると変形してしまい、これはイマイチだったかなと思ったが、

買い物したものを荷台で安定させて持ち帰れたのでこれはこれでいいか。


帰宅して荷物を降ろして、あと一体どれだけ走れるんだろうと、

走ってみたらちょっと走ってすぐ電池切れになってしまった。

今日の走行距離は30kmほど、大容量バッテリーだと最大40kmとあるが、

実勢としてはそんなもんらしい。

使い方によっては物足らないかもなと思ったが、持ち運びできる電動バイクとしてはこれぐらいが限界なのだろう。

これ以上を求めるなら予備バッテリーを持ち歩くしかないが、それはそれで重い。

というか折りたたんで運べるといってもそもそもが重いのである。


いろいろ思うところはあるが、それなりに使い道はありそうな車だと思う。

折りたたみに限らず自転車形というのはけっこう有用なんじゃないかなと思う。

20km/h制限というのも時に自転車に抜かれるほどで遅いとは思ったが、

一般原付も30km/h制限だしなぁと。(実際はそれを越える速度で走っていることも多いのだが)

それを越えるなら実技試験を経て普通自動二輪免許(小型限定でもよいが)が必要になる。

なら、この速度でもいいかと。漕がなくても平均的な自転車ぐらいは出るし。

購入費・共済掛金・税金といろいろお金がかかってしまうが、

キックボード形の特定原付はレンタルもあるが、こういうタイプはないし、使える地域も限られている。

それなら自分で買って所有するしかないと。メンテナンスも自力でやる覚悟である。


駐輪場の問題もあるので市内の日常的な移動は従来通り自転車だが、

それ以外の場面では多々活用できるのではないかと期待している。

不思議な乗り物なので、これ何? と声をかけられることもあった。

自転車に比べると柔軟性を欠く部分は多いのだが、

現在の自転車の用途をある程度置き換えるものになるのではないか。

そういう期待もある車である。先導して活用していきたいと思う。

_Generic文の罠

互換性の問題で、変数の値に応じて異なる形の構造体を使いたいという話がある。

イメージとしてはこんな感じ。

ftype==1 ? ((X1*)ptr)->id : ((X2*)ptr)->id

X1型とX2型で同じidというメンバでもオフセットが異なるんですね。


こういうのを簡略化するマクロを作れないかということで考えていた。

見ての通り、キャストが入っているので、上の書き方はptrの型によらず合法になってしまう。

それはちょっと怖いなと思って、なにかいい手はないかと調べていた。

そしたらC11から_Genericという型に応じて式を選択する構文が導入されていて、

それが使用予定のコンパイラでも使えることが判明した。

C11って2011年版のC言語って意味で、なんとC言語は近年もエンハンスメントされているのである。


_Genericの例題として、型に応じて関数を使い分けるというのがある。

#define XFUNC(VAL) _Generic((VAL), int: xfunc_int, short: xfunc_short )(VAL)

とすると、マクロ引数の型によって xfunc_int, xfunc_short を選択して、その関数に対して引数を渡すという内容になる。

なお_Genericの入力は型名の判定を静的に行うので、VALの中身に関数など書いたとしても、

VALの中身が評価されるのは_Genericで選択された関数の引数に渡されるときの1回のみである。

こういうのはいいんですけどね。


そんなわけで冒頭に書いたような処理を2つの型について書いてみた。

#define ATTR(OBJ, ATTR) *_Generic((OBJ), \
     X : (ftype==1 ? &(((X1*)&(OBJ))->ATTR) : &(((X2*)&(OBJ))->ATTR)), \
     Y : (ftype==1 ? &(((Y1*)&(OBJ))->ATTR) : &(((Y2*)&(OBJ))->ATTR))  \
   )

そしたらうまくいかないんですよね。

ATTR(xval, id) と書く。xvalはX型の変数である。

そうすると X:… として書いた部分だけが使われると思いきや、

実際には選ばれない他の型の式も合法でなければならない。

Y1型にidというメンバがいない場合、((Y1*)&xval)->id という表記は認められない。

この結果、コンパイルエラーになってしまうのである。


なんでそうなるのかという感じはあるが、そういうもんらしい。

関数名を選択するケースでもそういう問題はあって、

_Genericに書かれる関数名は全て存在する関数名でなければならない。

#define FUNC1(FUNC, OBJ) _Generic((OBJ), \
     X : __X1_##FUNC, Y : __Y1_##FUNC)(OBJ)

として、FUNC1(add, xval) とすると __X1_add関数が選択されることを期待しているが、

Y型のときに選択される __Y1_add関数も存在しないとコンパイルエラーになる。

上の問題から逃れるのにインライン関数が使えないかと模索したが、この問題でダメだった。


今のところ解決したのは入力の型によらず合法になってしまう部分の打開ぐらいで、

#define ATTR_X(OBJ, ATTR) *_Generic((OBJ), \
    X : (ftype==1 ? &(((X1*)&(OBJ))->ATTR) : &(((X2*)&(OBJ))->ATTR)))

と定義しておけば、ATTR_XマクロのOBJ引数の型がXでなければコンパイルエラーになる。

不適正なキャストを回避できるのでこれだけでも一応価値はある。

ただ、型により自動的に関数などが選択されるのが本来の_Genericの役目なので、

こういう書き方に留まるのは中途半端だなという気がする。

あと、こういう用途なら_Generic以外の方法もないんかな? とも思う。


というわけで、どうにも納得がいかない話だった。

実はC++のテンプレートだとこういう問題は回避できそうな気はするが、

C++を導入するとなるとそれはそれで面倒な話だと思う。

_Generic文というのもどうにも中途半端だという指摘はあって、

でもそれでもCという枠組みの中でこういう機能が導入されたこと自体は大きいと、

そういう考えられているようである。確かにそれなりには役立つ。