県境というより系列を超えた統合

あいち銀行(2025年に愛知銀行・中京銀行が合併)の親会社、あいちフィナンシャルグループと、

三十三銀行(2021年に三重銀行・第三銀行が合併)の親会社、三十三フィナンシャルグループが経営統合に向けて動くという。

あいちFGと三十三FGが経営統合 総資産11兆円超、県境越え再編加速 (日本経済新聞)

隣接府県の地方銀行が経営統合するのはもうそんなに珍しいこととも思わないが。


あいち銀行の前身となった2行はいずれも三菱UFJ銀行と関連が深かった。

愛知銀行は旧三菱銀行、中京銀行は旧東海銀行との関係が深かったという。

そういうので同じ系列にあったことが合併の背景なのかなと。

ちなみに東海銀行は名古屋に本店があったため、三菱UFJ銀行にとっても愛知県は重要な事業拠点である。


一方の三十三銀行なのだが、合併の背景には県内で圧倒的な存在感を誇る百五銀行の存在がある。

長らく三重県を本店を置く銀行は3つあって、津に本店のある百五銀行、四日市に本店のある三重銀行、松阪に本店のある第三銀行があった。

県内まんべんなく店舗があり行政との関わりも深いのが百五銀行である。

三重銀行は北勢地域、第三銀行は松阪より南の地域で比較的存在感があった。

この特徴から店舗網の重複が少ないので、統合に向かったという。

かつての三重銀行の大株主に三井住友銀行がいたので、現在も三十三FGの株主には三井住友銀行とその関連会社が多い。


で、ここで名前が出てきた百五銀行なのだが、実はかつての三菱銀行との関連が深かったという。

なので歴史的にみれば あいち銀行 と 百五銀行 は同じ系列にあった銀行同士である。

この関係から、三菱UFJ銀行・あいち銀行・百五銀行などはお互いのATMを自行扱いの手数料で利用できる。

この枠組みには合併前の愛知銀行・中京銀行がともに参加していた。


あいち銀行も三十三銀行も他行との関係でこのままでは手詰まりという感はあったのだろう。

先ほど書いたのだが、三十三銀行の前身の1つ、三重銀行は四日市を中心として店舗網を広げていた。

これは三重県内に留まるものではなく、愛知県内にもそれなりに店舗があるということ。

これらのエリアできちんと足場を固めていかないといけないという考えは共有しやすかったのだろう。

そこは三重県内で盤石の百五銀行では話が合わないわけですね。


系列を超えた地方銀行の統合といえば、関西みらいフィナンシャルグループ が思い浮かぶ。

関西みらい銀行 と みなと銀行 を傘下に持ち、関西みらい銀行 は 近畿大阪銀行と関西アーバン銀行が合併したものである。

関西アーバン銀行はその前に びわこ銀行 を合併している。

関西みらいフィナンシャルグループ は現在はりそな銀行の完全子会社である。

一方で歴史的にみれば近畿大阪銀行はりそな傘下、他は三井住友銀行の傘下にあった。

特にみなと銀行は兵庫県における三井住友銀行の別働隊の印象も強かった。

それが系列を超えて統合された挙げ句に、三井住友銀行の傘下から外れたわけである。


調べたところ、三井住友銀行はこれらの地方銀行を手放したかったらしい。

一方でりそな銀行は地方銀行が担うような役割もやるべきだと考えていたそう。

そこに利害関係が一致して、経営統合後はりそなに委ねることとして、

三井住友銀行は段階的に株式を手放すという形をとったそう。

だから系列を超えた統合が行われたわけですね。


さっき、愛知銀行・中京銀行・百五銀行は三菱UFJ銀行の前身となった銀行との関係が深かったと書いた。

その関係は東京三菱UFJ銀行の成立後も続いていたが、いずれもある段階で株式を売却している。

昔からの付き合いというのはあるのだろうが、希薄化しつつあるのだろう。

かつての 中京銀行 と 第三銀行 ではATM利用で提携関係にあった。

(中京銀行は三重県内で創業しており、三重県内の顧客対応のためだったのかも)

これはさっきの三菱UFJ銀行を中心とする枠組みとは別のものである。

それを引き継ぐ形であいち銀行 と 三十三銀行 もATMの提携を行っている。

こういう形で結ばれていた個別的な提携関係がきっかけになったのかもしれない。


府県界も系列もどうでもよくて、地域経済に貢献してこそ地方銀行でしょう。

ただ、あいち銀行 も 三十三銀行 も他行に追われる中でというのは気になりますけどね。

足場固めをするんだといっても、本当にできるのかと。

数字上の事業規模は相当に大きいが、そう容易なことではないのだろう。

株主優待の返金通知

夕方から近鉄と こだま号を乗り継いで帰宅。

東京駅に到着するとちょうど静岡行きの最終列車が出るところだった。

その次の三島行きが本当の最終列車である。

空いていたのでのんびりできたのはよかったかな。


帰ってきたらイオンから封書が届いていて、何かと思ったらオーナーズカードの返金通知だった。

もっともiAEONアプリに登録している場合はWAON POINTに自動加算されるので、

計算していくらになりましたよという情報でしかない。

見た目はイオンカードの明細書のような感じで、店の名前と金額・返金額が列挙されている。

iAEONアプリに登録していない人はここに返金引換証が入っていて、

イオン店舗に持参すると返金されるという仕組みである。


もっともこれが届くのは次回までになりそうである。

iAEONアプリのオーナーズクラブ機能に各種書類の電子交付機能が入り、

その中にはオーナーズカード関係書類というのもある。

これは2026年8月末基準の株主から適用と記載がある。

今は2026年2月末基準の株主として優待を受けているのでその次ですね。


WAON POINTでの受け取りがありがたいかというのは人によるが、

ウエルシアで毎月20日に使えば1.5倍になるので、それがあれば大きい。

ただ、株主優待の還元も入ると金額として大きいので果たしてそんなにウエルシアで使えるかな? というのはある。

余ればWAONにチャージすれば、現金とそう変わらないので。

わざわざ店でジャラジャラ小銭含めて受け取るよりは、WAONにチャージしてもらった方がありがたい、

というような発想でWAON POINTでの還元が始まったんじゃないだろうかと。


この後日返金方式というのは株主優待の方法としては珍しいのかな。

店側ではコードを登録するだけなので楽ではあるけど、

その後に集計して返金引換証を送って、店のレジから払い出してと。

そういう手間を考えれば、購入時に割引の方が楽にも思えるが。

今となってみれば、iAEONアプリで自動的に株主情報と連携できて、

WAON POINTで自動的に還元という仕組みなので、そう手間でもないが。

しかし、株主優待のためにそこまで投資するのもイオンだからこそだよな。

すさまじい人数の株主いますからね。

紙の申告書とクレジットカード納付

職場の書道部の人が「確定申告しないとなぁ」と言っていて、

それは確定申告なのか? と思ったら、なんと納付が発生するらしい。

株式の譲渡所得の影響らしいのだが、特定口座じゃないのか?


所得税の確定申告を行った後、還付ならば還付金が戻ってくるまで待つだけだが、

納付側の場合は、何らかの方法で納付手続を行う必要がある。

確定申告は例年3月15日までだが、納期限も3月15日で同時である。

自分で申告書に書いた金額を税務署の指示を待たずに納めるのが基本である。

古典的には金融機関にある納付書に必要事項を記載して支払う形になる。

納付書は税務署でもらうこともできるが、日本銀行歳入(復)代理店には置いてあることになっている。

通常はどうしているんでしょうね? 例年申告している人には送られてくるみたいな話も見たが。


で、e-Taxで申告する場合は、インターネットで納付出来るんだよなと思ったのだが、

紙の申告書を印刷して提出して、クレジットカードで払っている、

というからそんな方法あるの? と思ったらあるらしい。

というわけで普段なじみがない国税の納付方法の話。


国税庁のサイトによれば、国税の納付方法には下記があるとなっている。

  • 振替納税
  • ダイレクト納付
  • インターネットバンキング等(ATM含む)
  • クレジットカード納付
  • スマホアプリ納付
  • コンビニ納付
  • 現金納付(上記で書いた納付書で金融機関・税務署で支払う方法)

わりとたくさんあるんだな。

ダイレクト納付


振替納付は口座から自動的に税額が引き落とされる仕組みである。

地方税ではおなじみで、僕も軽自動車税は自動振替で払っている。

振替納付は予定納税の対象者には特に便利なシステムだろうと思う。

予定納税というのはあまりなじみがないかもしれないが、

前年の所得税納付額が15万円以上の場合は、当年の所得税として1/3を7月、1/3を11月に支払う。

最終的な所得税の金額は翌3月15日までに行う確定申告で決定するが、

その前に「予定」で納税するから予定納税と言われている。

現金納付で納めている場合は予定納税の納付書は税務署から送られてくる。

それを金融機関に持って行って払ってもよいが、自動振替ならその手間がない。

これは多くの地方税同様だが、面白いのは確定申告後の納付である。

振替納付の場合は、申告書に書いた金額が自動的に引き落とされるが、

3月15日に提出して3月15日に銀行から自動引落は当然不可能。

調べてみると4月下旬の振替日に引き落とされるらしい。

実質的に納期限が1ヶ月ぐらい伸びるんですね。そんなこともある。


ダイレクト納付も口座振替という点では同じだが、

振替納付は個人所得税・消費税のみで、ダイレクト納付はe-Taxで手続き出来るすべての税目で、

e-Taxを利用出来るプロ向けの納付方法ということになろう。

で、もう1つ、e-Tax特有の納付方法としてインターネットバンキング等というのがある。

これはPayeasyのシステムを利用していて、e-Taxでの申告からそのまま納付に進める。

PayeasyはATMでも使えるので、だから「インターネットバンキング等」という書き方になっている。

e-Taxといえばこれとセットで使うものと思っている人もいそうだが、どうなんだろ?


ところが、これに新しい方式が近年加わって、

クレジットカード納付、スマホアプリ納付、コンビニ納付である。

クレジットカード納付は手数料がかかるがクレジットカードで納付できる。

スマホアプリ納付は5つのアプリで30万円までの納付ができる。

ちなみにPayPayの場合は銀行口座などでチャージしたPayPayマネーでしか納付できない。

コンビニ納付はQRコードを発行し、これをLoppi・Famiポートで読ませてレジで支払う方法。

いずれもe-Taxでの申告が前提だと思っていたし、通常は納付後にそのまま進むことが想定されている。


しかし、これらの方式はいずれも現金納付で納付書に記載する情報に相当するものを入力して進めることもできる。

すなわち紙の申告書で提出して、これらの方法を利用することもできるのである。

これは知りませんでしたね。

納付後の処理は現金納付と全く一緒ということなんだろう。

インターネットバンキングがe-Taxで申告した場合しか使えないという記憶から、

他のインターネットからの手続きもできないと思い込んでいたが、そうでもなかったと。


いまどきe-Taxで申告書の提出をせずに、Webの申告書作成コーナーで入力して刷って提出する理由もよくわからんが。

カードリーダーがない? でもスマートフォンでもいけるらしいし。

昔、マイナンバーカードの発行前には僕もこの方法でやってたが。

良くも悪くもほぼ同じという印象しかないんだよな。

そしたら送付不要なe-Taxの方が楽じゃないと。

不正利用ではなくFamiPay

昨晩、Blogのネタもないなとふて寝して起きたら、

新生銀行から「振込依頼を受け付けました」というメールが届いていた。

フィッシング詐欺? 不正利用? と思ったのだが、どちらでもなかった。

実はこれFamiPay翌月払いの決済だった。


FamiPay翌月払いというのはクレジットカードのような動きをするが、

金融機関との決済の仕組みはスマートフォン決済の銀行チャージそのものである。

通常の口座振替では休日と引落日が被る場合は次営業日にシフトされる。

ところがFamiPay翌月払いって27日が土日でも平気でそこで決済されるんですよね。

早朝に決済処理を流しているようで、決済日の朝に起きると見えていると。


基本的には口座振替・銀行チャージはスルガ銀行に集中させているが、

FamiPayについてはスルガ銀行が登録できず、今まではみずほ銀行を登録していた。

新生銀行の口座開設後に選べることに気づいて、乗り換えた次第である。

なんでスルガ銀行が選べなくて、新生銀行が選べるのかはよくわからんが。

この分はSBIハイパー預金でなく普通預金に置いておく必要はある。


というわけでフィッシング詐欺でも不正利用でもなかったのだが、

知らないとなんのこっちゃという感じである。

実はこういう話はスルガ銀行にもある。

毎月20日頃にあまり身に覚えのない振込通知が届くのである。

で、銀行アプリを開くと「スルガギンコウ スマコウザトクテン」という数十円の入金がある。

Dバンク支店 の口座では口座振替・スマートフォン決済の銀行チャージの実績に応じて特典が付与される。

それがシステム上は振込入金として扱われるわけですね。もう慣れたけど。


あまり有意義ではない通知なら切ってしまえばいいのだけど、

一応は有意義ではあるのかなと。

ログインすればすぐわかる話だからね。

段階取得に係る差益の謎

ウエルシアが株式交換でツルハの完全子会社となって、

イオンがツルハの株を50%強まで追加取得して子会社化する話、

公開買付の上限には満たない応募だったものの、一応は子会社化できたよう。

当初予定分に足りない分は市場から取得するとのことだが、50%は一応達成出来たのでよかったのかな。


ツルハにとってのウエルシア子会社化、イオンにとってのツルハ子会社化、

どちらでも会計処理の中で「段階取得に係る差益」が生じるとのこと。

「益」とあるように特別利益に計上される項目なのだが、

特に日本会計基準の場合、利益と言えるかは疑わしいものである。


ツルハは元々ウエルシア株を1.60%保有していた。

ツルハは株式交換を通じ、自社株を対価に残る98.4%のウエルシア株を取得する。

その上でウエルシアの資産・債務の買収時点の価値を連結会計に反映させていく。

このような企業買収の場合、株式取得に要した費用と買収した会社の価値は一致しないことが通常で、

この差額を「のれん」と呼ぶ。ブランド力など資産計上できない価値を表すものである。

日本会計基準では買収時に生じた のれんは20年以内に償却しなければならない。

のれん はいつしか消えるものか

国際会計基準などはこのようなルールはないので定期的な償却は不要だが、

回収見込みがないと認識した時点で減損する必要がある。

イオンもツルハも日本会計基準なので のれん は償却する必要がある。


で、この のれん計算 の基準となるのが子会社化した際の株式購入価格なんですよね。

ツルハにとっては株式交換時点のツルハ株の株価でウエルシア子会社化の のれん を計算することになる。

ところがツルハは元々ウエルシア株を1.60%持っていたわけである。

この分は株式交換時の価格より安く買っていたのである。

のれん計算時の基準とした価格との差をどこかで吸収する必要があり、

これを「段階取得に係る差益」と呼び、子会社化時に計上するわけですね。


段階取得差益が多く計上されると、それだけ のれん が増加することになる。

日本会計基準では のれん は償却しなければならず、後々の利益を削ることになる。

ツルハの2025年度決算では、第4四半期だけウエルシアの売上が加わることになる。

この第4四半期では段階取得差益が106億円計上される一方、

のれんの償却費が55億円計上されることになる。

この四半期に限れば段階取得差益の方が大きいので買収により増益に見えるが、

今後続く のれんの償却費 にはこの段階取得差益分も含まれているわけである。


イオンにとってはより大きな話ではないかと思う。

イオンはウエルシア株を50%強、ツルハ株を27%ほど持っていた。

ツルハ株の一部はオアシスから高値で買っているのだが、

全体的に見れば現在の株価より相当安く買っているわけである。

これと今回の公開買付価格との差が段階取得差益となる。

相当大きな話なんじゃないかと想像するがどうだろう?


なお、一旦子会社化した後に株式を追加取得する場合は、

その分は自己株式取得のような感じで、資本の部の数字が動くだけのよう。

イオンモールの完全子会社化とかはまさにそういうことですね。

段階取得差益が生じるのは子会社ではなかった会社が子会社になった瞬間だけ発生する。

それは のれんが生じるタイミングと同じで、日本会計基準においては償却のスタートでもある。


変な仕組みだなと思ったよね。

調べてみると昔の日本会計基準では取得価格の累計と現在の価値の差を のれん とするルールだったので、

この場合は段階取得差益というのはなかったんですよね。

これが会計基準の国際調和の流れで、のれんの計算ルールが変わり、

それにより段階取得差益が発生するようになったわけである。

一方で日本会計基準の のれんの償却ルールは現在も変わっていない。

これは前に書いたが一長一短ある話で……

巨額の のれん が持続し続けるということは、いつ巨額の減損損失を出すかわからないということ。

それならば日本基準で導入されている のれん の償却というのは理にかなった話ではないかと。

償却費というのはそれ自体は出費ではない。

このため企業買収後、のれんの償却費で利益が押し下げられるのはおかしいという話はある。

一方、収益性が低下したと認識すれば減損しなければならない。

のれんを償却しない場合、突如巨額損失が現れる可能性がある。

日本会計基準では償却により のれん は順次減少していくので、減損リスクはだんだん減っていく。

どちらが実態をよく表すかは正直難しいところである。

ただ、のれん は永遠には存続しないという立場に立つなら、

段階取得差益なんて計上しない方がいいんじゃない? とは思う。どうでしょうか?

イオン銀行ATMがみずほ銀行である意味

有明ガーデンに みずほ銀行ATMとイオン銀行ATMが並んでいて、

なんでこの2つを並べたんだろう? と気になった。

というのも、イオン銀行ATMは みずほ銀行と共同利用しているので、

ATM手数料などすべてみずほ銀行ATMと同等なんですよね。

みずほ銀行自身のATMは通帳対応しているなど多少の機能差はあるが、

どうしてもみずほ銀行ATMでなければならない理由もなさそうだが。


以前、こんな話を書いている。

みずほ銀行の取引で発行されたものは右上に「みずほ銀行」と書かれていて、

スルガ銀行の取引で発行されたものは右上に「イオン銀行」と書かれていることに気付いた。

イオン銀行ATMは イオン銀行・みずほ銀行の共同ATMと位置づけられている。

みずほ銀行利用時に他のコンビニATMより条件がよいのは自社ATMだからである。

ただ、これはみずほ銀行ATMとして機能するのはこのケースだけのようで、

それ以外の提携先は イオン銀行としての提携先と扱われるようである。

(イオン銀行ATMでお金を移動)

これ、厳密には間違いでイオン銀行と提携していなくて、みずほ銀行と提携している銀行はみずほ銀行扱いになるのだという。


イオン銀行は2007年から営業を開始した。

当初は都市銀行・地方銀行を中心に個別的に提携を結んでいき、

2008年に信用金庫・信用組合・労働金庫と包括的な提携関係を結んだ。

提携先は順次増えて行ったが、個別的な提携関係には穴もある。

2013年、イオン銀行とみずほ銀行は「戦略的提携」を結ぶ。

みずほ銀行にとってみれば、イオン銀行ATMを自社ATMと同等と扱うことで、サービス向上が図れる。

一方、イオン銀行と提携関係がない金融機関でも、みずほ銀行扱いでATMが利用できることで、

個別的な提携関係の穴を埋めて、ATMの価値を高められるわけである。

もっともイオン銀行の提携先が少なかったわけではない。

この時点でも銀行95行と提携を結んでおり、相当なカバレッジである。


イオン銀行と提携関係なくて、みずほ銀行扱いなら利用できる金融機関ってどこだ?

というので、そもそも みずほ銀行扱いで使える金融機関を考える。

日本では元々業種別のATMネットワークがあり、これらを相互接続したMICSというネットワークが作られた。

都市銀行・地方銀行・信託銀行・第二地方銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農協・漁協、

これらはすべて相互に接続されている。

長期信用銀行と商工中金は都市銀行・信託銀行とだけ接続されている。

長期信用銀行は後に普通銀行となり、現在の SBI新生銀行・あおぞら銀行 である。

みずほ銀行は、いずれの業種ともMICSネットワークで結ばれている。


ただ、MICSに参加していない銀行ってのもあるんですよね。

筆頭はゆうちょ銀行、元々MICSは郵便貯金への対抗策だったらしい。

新たな形態の銀行もそうで、セブン銀行・イオン銀行・ローソン銀行はいずれもそう。

ATMを持たない銀行に目を向ければ楽天銀行、住信SBIネット銀行もそうである。

これらはいずれも個別的な提携関係を結ぶ必要があるわけですね。


とはいえ、さすがにセブン銀行・イオン銀行・ローソン銀行のATMを利用できる銀行は多い。

どこに穴があるのだろうと調べてみると、イオン銀行には明確な穴があった。

それがJAバンク・JFマリンバンクである。実はイオン銀行とは提携関係を結んでいない。

しかし、MICSでみずほ銀行との提携関係はあるので、みずほ銀行扱いでイオン銀行ATMが利用できる。

これは確かに正しいようで、なるほどこういうときは使えるのかと。

他にもちらほら(第二)地方銀行では抜けがあるようだが実際は使えるということである。


イーネットATMはイーネットと提携していない銀行は、

そのATMの設置主体となっている銀行の扱いで利用できることがある。

そういえば、昔のローソンATM、これも設置主体の銀行はまちまちだったが、

ローソンATMと提携関係のないスルガ銀行のキャッシュカードを入れると、

その設置主体の銀行の扱いで利用できたんだよな。

現在はローソンATMの設置主体はローソン銀行となったが、

ローソン銀行と提携関係のない銀行は三菱UFJ銀行扱いとして利用できるそう。

(あまり明示的には書かれていないが、どうもそうらしい)

セブン銀行もそういう仕組みがあったようだが、セブン銀行こそ提携先が多いので使われているのかは不明。


イオン銀行ATMはイオングループの店舗に設置されているのが多いが、

それ以外の設置場所のバリエーションも多く、有明ガーデンもその一例である。

イオンカードが住友不動産との提携カードを出している関係かもしれないが。

コンビニ主体のセブン銀行(ファミリーマートも導入予定)、ローソン銀行とはまた違う設置のされ方で、

昔だったらいろいろな銀行のATMがずらりと並んでいたようなところろに、

イオン銀行ATMがぽつぽつと置かれているそんなイメージがある。

これはこれで有用と認められているからこそ提携先が多いのだろう。

家計簿の想像通りの部分と想像と違う部分

今年の家計簿を整理していて、想像通りだった部分、想像と違った部分、いろいろあった。

時々整理するというのは重要なことだなと思った。


想像と違った部分、なんと家計の10%近くが立替金だったということである。

今年6月にヨーロッパに出張したのだが、このときの立替金がすさまじい金額になっていた。

本当は会社払いにしてもらうべきだったのだが、急を要する事情もあり立替払いになった。

年間支出先の1位が会社(というか給与天引きのこと)、2位が家賃だが、3位が出張先のホテルである。

というわけでこれで家計簿が狂ってしまった面は否めない。


消費支出という点では前年比111%ほど、食費もそれぐらい伸びている。

耐久財は昨年はバイク・スマートフォンが大きかったが、

今年は大きいのはPCだけなのでそこは大きく縮小している。

一方で伸びが大きかったのが旅行の交通費、趣味・娯楽費で昨年比145%程度である。

趣味・娯楽費は昨年が若干少なかったのと、電子書籍の伸びかなと。

交通費はこれは新幹線を利用することが増えたからで、

これはバイク担いでの移動とか、宿泊日数を切り詰められるとかそんな理由かなと。


支払手段という観点ではみずほ銀行(給与天引きが大半)が31%(昨年33%)、

スルガ銀行(家賃が大半)が15%(昨年20%)、セゾンカードが25%(昨年16%)、

Suica・ビューカードが9%(昨年5%)、イオンカードが6%(昨年3%)、

PayPayが4%(昨年7%)、FamiPay・ポケットカードは4%(昨年10%)といったところ。

セゾンカードの割合が高いのはさっきの立替金の影響である。

SuicaはモバイルSuicaを積極活用した結果でしょうかね。

イオンカードはイオンでの買い物がメインになった結果である。

今年5月頃まではイトーヨーカドーでの買い物もあったが、最近は専らイオンである。

支出額としても実質1位である。(出張先のホテルよりは少ないのだが)

今年11月はセゾンカードよりイオンカードの利用の方が多かった。

イオンカードはほぼ全てイオングループである。大きいですよね。


今年の反省点としては、余剰資金をうまく投資に回せていないことがある。

SBI債の償還、イオンディライト株の公開買付などで現金が入ってきて、

ある程度は株式の購入に回したのだが、実は間に合っていない分がある。

NISA枠を中心とした計画的な積立は進んでいるので悪くはないのだが、

本来ならもうちょっと積み上げられたよなという気はする。

一方、時価で見るとそれでもすさまじい伸びで、株高の影響が大きい。

来年の年始から本腰入れて考えていかないとなと思う。

あとは金融資産以外でもよい買い物があればと思うが……

ちょっとはアイデアあるが、そこまで大きな買い物でもない。

基礎控除は申告すると不利?

源泉徴収票を受け取って、年末調整の結果と手元の概算を比較すると、

どうもけっこうな乖離があるような……

なんでだ? と調べた結果、概算としては正しかったことがわかった。

実はこの差分、今年12月に決定された基礎控除の見直しの結果だったからだ。


タックスアンサー/基礎控除 (国税庁)

従来は48万円の基礎控除になる人が多かったが、

今年分の所得税では基礎控除は95~58万円となる人が多くなる。

合計所得金額132万円以下では95万円、これは2027年以降も継続の予定だが、

132~655万円では2年限定で88~63万円、以後は58万円、

これ以上で2350万円までは今年から2027年以降も58万円である。

合計所得金額次第ではあるが、従来の48万円より上乗せされた人がほとんどのはず。


これが土壇場で実施されたので概算と不一致になったわけだ。

年明けから来年3月15日までの所得税の申告や、年末調整には間に合ったが、

死亡・出国(居住者→非居住者の切り替わり)に伴う準確定申告には間に合っていないので、

もしも該当する人は更生を行うことで差額が戻ってくることになる。

こういうのはあまり聞かない話ではありますが。


ただ、これは誤算だったなぁというのは合計所得金額である。

合計所得金額というのは給与所得控除後の給与所得をはじめとする、

様々な所得を合計した金額を指し、そこには申告分離課税の譲渡・配当所得も含むとある。

ただ、申告分離課税は含まれるが、申告不要制度による分は含まれていないとみられる。

どういうことかというと、特定口座での株式取引では所得税・住民税の源泉徴収が行われる。

この取引は所得税・住民税で申告することもできるが、しなくてもよい。

申告されなかった場合、所得税や住民税の所得としてはカウントされない。


申告したとしても、所得税・住民税という観点では源泉徴収された税額が相殺されるので、

全体としての納税額はほとんど変わらないか、

あるいは人的控除との兼ね合いで還付となる場合もある。

ただ、有名な話としては、住民税の総所得金額は国民健康保険料の計算に使われる。

このため申告不要制度で済ませると国民健康保険料に影響しないが、

申告すると国民健康保険料が上がってしまうという話がある。

サラリーマンなので、健康保険料は会社から支払われる報酬だけで決まるので、

特に不利益はないのだが、国民健康保険の加入者にとっては大きな影響がある。


一方で、住民税所得割の金額に譲渡・配当所得分もカウントすることで、

寄附金控除特例分の上限が上がるので、これを目的に申告している。

ようはふるさと納税のうち寄附金控除で相殺できる上限が増えると。

あまりペナルティはないと思っていたのだが、今回所得税の基礎控除に影響が出ることがわかった。

1ランク変わるらしく、それにより若干負担が増すことになる。

うーん、という感じですね。これは想定外。


実は所得税の申告を行うことによる不利益は他にもあって、

それが雑所得、少額なので確定申告の義務はないが、

寄附金控除のために所得税の申告をする限りは書かないといけない。

もっとも少額の雑所得でも給与所得の金額が十分大きい人は、住民税の申告義務はある。

所得税の申告を行えば、住民税の申告も兼ねるので、どちらかで申告すればよく、

所得税の申告を行わなければ、所得税には反映されないので有利といえば有利だが、

当然今回はこれよりはるかに大きい寄附金控除を狙っているのでやむを得ないということになる。

ふるさと納税だけならワンストップ制度はあるけど、それ以外の寄附金もありますからね。


雑所得の話は気づいてたけど、まさかそういう罠があったとは。

来年の作戦には反映したいが、今年には反映できないのは当たり前。

ちゃんと税金は払いますよ。すでに源泉徴収されてるんですが。

電子マネーWAONポイントを受け取る

昨日、ウエルシアでWAON POINTを消化した話を書いたが、

そういえばと思い出したのがリサイクルポイントの受取だった。


めんどくさい話なのだが「WAON POINT」と「電子マネーWAONポイント」という2つのポイントが併存している。

前者はサーバー管理のポイントで、僕はほぼイオンカード利用で積算されている。

この観点ではかつての ときめきポイント と同じような位置づけである。

イオングループの店舗でWAON払い、カード呈示しての現金払いでも積算される。

一方の電子マネーWAONポイントはカード自身に積算されるポイントで、

イオングループ以外のWAON加盟店で積算されるのが基本である。


といってもイオングループ以外でWAONなんて使わんよと。

昔なら吉野家で使ってたかも知れないけど……いつの時代だ。

そう思っていたのだが、イオンにあるペットボトル回収機、

イオンカードをWAONとしてタッチしてボトルを投入すると、

これが10ポイントまとまった時点で「電子マネーWAONポイント」としてセンター預かりポイントとして付与される。

さっき「電子マネーWAONポイントはカード自身に積算される」と書いたが、

実はこういうフローも存在するんですね。


WAONステーションでセンター預かりのポイントを見ると、

センター預かりポイントの一項目として「WAON POINT」が見える。

どちらのポイントも最終的にWAONチャージして使うなら、これで一気にダウンロードして使えばよく、

それをWAON残高にチャージするところまで1つの流れでできる。

僕はもともとこれでイオンカードで積算されたポイントなども一括してWAONチャージしていた。

こういう典型的な使い方には便利なのだが……


WAON POINTを店舗で使う場合はWAON POINTの状態で存在しなければならない。

といっても普通はWAONチャージして使ってもほぼ同じなのだが……

ウエルシアで毎月20日に使う場合に1.5倍になるのはWAON POINTを使った場合に限られるので、

WAON POINTをWAONチャージしてしまうとこの特典は消失してしまう。

「ウエル活」を決意したことで安易にダウンロードできなくなったのである。


さらに困った事情もあって、リサイクルポイントには受取期限がある。

これが来年3月だったのだが、来年2月に切れるWAON POINTも存在した。

2月切れのWAON POINT→3月切れのリサイクルポイント という優先順位のため、

WAON POINTを残しながらリサイクルポイントをダウンロードするのは困難だった。

かといって放置するとリサイクルポイントが消失してしまう。


これが昨日にWAON POINTをかなり消化したことで解消した。

3月切れのリサイクルポイント→9月切れのリサイクルポイント→再来年2月切れのWAON POINT

の順番になりリサイクルポイントを優先してダウンロードできるようになった。

ポイント数指定の場合100ポイントが最小単位なので、若干WAON POINTも巻き添えになったが、

リサイクルポイントをWAON残高にすることができた。


意味不明と言われることも多かった「WAON POINT」と「電子マネーWAONポイント」の併存だが、

来年3月以降、WAON POINTの方に一本化されるとのことである。

電子マネーWAONポイントは基本的にはカード上で管理されていたが、

これを廃して後日にサーバー上で付与する仕組みにするのだろう。

といってもすでにイオングループ店舗ではこうなっているわけである。

リサイクルポイントもWAON POINTとしての付与になるということだろう。


リサイクルポイントはあくまでもサーバーでの預かり期限が来年3月なのであって、

ポイント自体の有効期限はまだ先だったかもしれない。

そうすると統合されれば勝手にWAON POINTに移って、新たな有効期限まで持ったのかも知れない。

ただ、よくわからないところもあるので安全策として受け取ってしまうかと。

といっても最近はWAON自体を使うこともあまりないけど。

イオンカード使うにもタッチできない オリジン弁当あたりで使いますかね。

ドコモ「SMTB」ネット銀行の思惑

SBIの持分がNTTドコモに譲渡された住信SBIネット銀行、

社名が「ドコモSMTBネット銀行」に変わるらしい。

住信SBIネット銀行の商号の「ドコモSMTBネット銀行」への変更、資本再編および各社間における協業施策の開始について

驚いたのは “SMTB” の部分である。


SMTB、これは三井住友信託銀行(Sumitomo Mitsui Trust Bank)のことである。

元々「住信」と付いていたのは設立時点では住友信託銀行の子会社だったから。

その後、中央三井信託銀行と合併して三井住友信託銀行となっている。

にもかかわらず、住信SBIネット銀行の名前は今日まで変わっていなかった。

このたび SBI→ドコモ、住信→SMTB という置き換えが行われると。


この発表は社名変更だけのことではない。

三井住友信託銀行にとっても増資引き受け・NTTドコモからの株式購入という新たな投資が伴うものである。

どうもかなり三井住友信託銀行にとっても期待度が大きいようである。

元々、三井住友信託銀行の顧客に「三井住友信託NEOBANK」を提供していたが、

その逆にネット銀行側から三井住友信託銀行への誘客も目論んでいるようで、

信託銀行ならではの専門性が高い資産運用を提供することを考えているという。


どうして三井住友信託銀行の持分はそのままなのか?

ずっと気になっていたが、この会社に興味があったのはNTTドコモだけじゃなかったんですね。

どうしてもこれまでは資産運用という点ではSBI証券が主だった。

今後もSBI証券との提携関係は続くが、証券という観点ではマネックス証券との提携が加わる。

「スイープ機能を提供予定」とあるから マネックスハイブリッド預金みたいなのができるのかね。

そして信託という観点も出てくるわけですね。


ただ、「SMTB」と言われて三井住友信託銀行がすぐ思い浮かぶかという問題はある。

三井住友銀行と三井住友信託銀行って名前は似ているけど、資本的に関係のない全く別の銀行なんですよね。

(名前は似てるし同根だけど無関係)

これがわかりにくい原因の1つである。

三井住友銀行以外の都市銀行が信託銀行をグループ内に取り込む中、

取り残された住友信託銀行と中央三井信託銀行が生き残りを賭けて合併した結果、

資本的に関係のない似た銀行が並ぶことになってしまったのである。

三井住友信託銀行は信託銀行であるが、一般的な都市銀行としての性質もある。


この問題がさらに複雑になってきたのが「SMBC信託銀行」と「三井住友トラストクラブ」である。

元々グループ内で信託銀行を持たない選択をした三井住友銀行だが、

信託は必要という結論に至り、ソシエテジェネラル信託銀行を買収した。

三井住友信託銀行と紛らわしい名前を付けるわけにもいかず「SMBC信託銀行」と命名、

買収からまもなくシティバンク銀行の個人部門が移管され「PRESTIA」ブランドになった。

一方の三井住友信託銀行は富裕層へのアプローチを考え、

日本国内のダイナーズクラブを扱うシティカードの買収に乗り出した。

これを継承する会社が「三井住友トラストクラブ」である。

対外的には「TRUST CLUBカード」という言い方をしているよう。

三井住友銀行の傘下には三井住友カードという会社があり、これと紛らわしくない名前として考えたのだろう。


「三井住友信託銀行」って名前で損していると思うところはある。

それだけに「SMTB」という形でネット銀行の名前に入るのは、

名前で損するぞと思う一方、同社の意欲の高さを感じるところはあった。

果たして思惑通りに行くのか懐疑的なところはあるが。


というのはやはりSBI側の都合ですよね。

もともとSBI証券の銀行部門という色が濃かった会社である。

銀行部門としては新生銀行に軸足を動かしてるわけですよね。

あと、実はSBIは三井住友銀行とも提携関係にあるんですよ。

SBIグループとSMBCグループとの合弁による新会社設立について

昔から三井住友カードとは積立投資信託で提携関係にあったが、

より広い資産運用を両グループでカバーすることを目的に「Oliveコンサルティング」を設立している。

こんなところまで三井住友信託銀行と三井住友銀行は似てるんですよ。

客がどちらに付いていくかは客の判断なのでなんとも言えないのですが。