イオンが公開買付するという

めずらしくもポストに大きな封書が投げ込まれていた。

「イオンディライト株式会社 公開買付関係資料在中」

全部紙で印刷された資料で、やっぱり送ってくるんだな。


イオンは2つの上場子会社を完全子会社することを発表していた。

その1つがイオンディライトで、僕はその株主である。

そもそもこの会社はビルメンテナンスの会社である。

歴史をたどるとマイカル傘下のジャパンメンテナンスという会社だった。

マイカル傘下の時代に上場しており、これが現在まで続いている。

マイカルは2003年にイオンの子会社となり、イオングループ内のビルメンてナンス会社を吸収、

その際にイオンディライトという社名になっている。


なぜジャパンメンテナンスは上場したのかというと、専門性の高い人材を確保するという意図が大きかったようだ。

イオンの子会社ではあるが、売上の概ね半分はグループ外によるもので、

そもそもビルメンテナンス業界のガリバーで、業界1位の売上を誇るという。

(確かに大手とは聞いてたが、業界1位なのは今初めて知った)

となればなぜイオンはこの会社を完全子会社にしようとしたのかというと、

イオン社内のファシリティマネジメント機能を移管することを考えているのだという。

上場子会社との取引となれば結局は社外との取引とあまり変わらないのである。

維持・修繕の計画を立てて、それを発注する機能をイオンリテールなど各社が持つ必要がある。

この機能ごとイオンディライトに移管するには社内に取り込む必要があると。


この先にはイオンディライトはBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)でグループ外にも商売できる会社になると書かれている。

なのでグループ外との商売は引き続き重要だという話である。

公開買付が成立してしまえば、株主としては手離れしてしまうので関係ない話だが、

社内向けのメッセージとしては重要なことだろう。


この趣旨には賛同するところなので公開買付に応募しようと思うわけだが、

公開買付ってのは代理人である証券会社にある株式でしか応募できない。

(復代理人として複数の証券会社が指定されることもある)

しかし、今回の場合は野村證券が唯一の代理人である。

そして、僕は現在、野村證券には口座自体ない。

というわけでどうしようかと考えるわけである。


選択肢は3つある。1つは野村證券の口座を作って、そこに移管して応募する。

2つ目は応募せずに持ち続ける。

おそらく今回の公開買付は成功して、イオンは90%とか67%の株式を取得できるだろう。

こうなると少数株主を締め出すための手続きが行われ、公開買付と同額で買い取られる。

この方法は以前ある会社で経験している。

お前の株式は買い取ったというはずだが

3つ目は市場で売却する。現在の株価は公開買付額(5400円)に近い5380円である。


2番目の方法はこれはこれで面倒である。

スクイーズアウトの手続きには時間がかかり、交付金銭領収書で受け取るにはいろいろ手間がかかる。

前は金額が比較的小さかったからこれでよかったが、今回はけっこうな金額である。

3番目の方法はすぐに現金化できるという点では悪くないが、正攻法ではないなと。

というわけで結局は1番目の方法、野村證券に口座開設する方法にした。

説明書には「売却代金を振込で受け取る場合、送金手数料がかかる場合があります」とあるが、

銀行口座への通常の出金には手数料はかからないから、一応書いているだけである。


これ、思ったよりも楽だった。マイナンバーカードがあるのが前提ですけどね。

Androidアプリで入力補助APの暗証番号と署名用電子証明書のパスワードを入れて、

これでほとんどのデータは自動入力されて、あとは電話番号など入れる程度。

しかも、朝に申し込んだら昼休みには口座開設が完了していた。

ただ、これだけでは申し込めなくて株式を移管する必要がある。

GMOクリック証券からの移管はWebフォームに必要事項を記入すればできる。

(SBI証券からの移管は印刷したフォームを郵送する必要があった)

ちなみにGMOクリック証券はそもそも移管手数料を取らない証券会社だが、

多くの証券会社で自社が(複)代理人でない公開買付への応募は移管手数料を取らないという。

明確なところは電話などで確認する必要はあるが、概ねそう考えてよい。


ここから移管までは2週間ぐらいかかるが、特にトラブルなければ間に合うはずで、

公開買付が成立すれば5月には現金化されることになる。

その先の投資先はまた考えておかないとな。


ところでイオンがもう1つ完全子会社化することを発表したのがイオンモールで、

実はこちらも株主なんですよね。

イオンモールはイオングループの中核会社の1つだが、

上場子会社ということで意志決定が統一されていなかったわけである。

イオンタウンのような小規模なショッピングモールは社内でも様々経営しており、

ここもイオンモールの領分にしてはどうかと考えているようだ。

こちらは株式交換での子会社化ということで、今後はイオンの株主として関わることになる。

基本的には賛同するところだが、気になるのは株式交換後の取引である。

現在のイオンモールの株価は2400円ほど(子会社化発表前は2000円ほど)、

これに対してイオンの株価は3900円ほどということで、

イオンモールの100株はイオンの100株に満たないわけである。

単純にイオンの株式に交換されると、交換後の取引に困ってしまうわけである。

こうなると継続保有は難しいので、株式分割などで打開してほしいものだが。


株主優待としては残念なところもあるんですけどね。

両社はいずれもイオンギフトカードをけっこうな金額くれる会社だったので。

イオンの株主優待はイオンでの購入額の一定割合を返金する仕組みなのでかなり違う。

でもやはり本業がうまく回ってこその会社ですから。

イオンディライトにイオンが期待を寄せていることは確かにわかるし、

イオンモールにイオングループ内に雑多に散らばるショッピングモールを集約できることの意義もわかる。

イオンモールの事業としては郊外型のモールが多いことは事実だが、意外に幅が広いのである。

イオン銀行ATMでお金を移動

先日、かなり久々にお金を動かすためだけにATMに向かった。

みずほ銀行からスルガ銀行へのお金の移動で、

両方同時にできそうなATMとしてイオン銀行が思い浮かんだ。

確かに両方とも使えてATM手数料は条件を満たしているので無料と。

そんなわけでみずほ銀行から出金して、スルガ銀行に入金した。


普段はあまりないんだけど、それはスルガ銀行の残高が不足すれば証券口座から出金して対応することが多いのはある。

ただ、今は1月のNISA枠での投資の影響などもあってか、

証券口座にまとまった金額がないのでそうもいかなかった。

で、必要額を計算するとみずほ銀行から動かすのがよいとなったのである。


ただ、最初はそれもATMに行く気はなくて、ことら送金を使おうと考えていた。

J-Coin Payの入金・出金を組み合わせて みずほ銀行 と ろうきん の間のお金の移動をして、

COIN+の入金・出金を組み合わせて 三菱UFJ銀行、ゆうちょ銀行、住信SBIネット銀行 の間のお金の移動をするのは時々やっていた。

(最近は ろうきん も 三菱UFJ も出番がなく、ゆうちょ銀行と住信SBIの間で使うことが時々ある程度)

一方でJ-Coin Payのアプリでは ことら送金 という機能があって、

条件付きで個人間の送金を手数料無料で行うことが出来る。

これを使えば上の枠組みによらずお金の移動がアプリで出来てしまうと。


ところが ことら送金 というのは全ての金融機関が受け取れるわけではない。

J-Coin Payにチャージして送金しようとしたらスルガ銀行が見つからない……

と思ってしまい、ATMでのお金の移動を選んだわけである。

ただ、これを書くに当たって調べたらスルガ銀行がリストにあるので、

あれ? と思ったら今月19日に追加されたようで。

うーん、確か19日より後だったはずなんだけどなと解せないところはあるが、

今後は問題ないということでアプリでも確認している。


昔は容易な条件でみずほ銀行から他行への無料振込が付与されていたけど、

今はそうもいかなくて、みずほ銀行からダイレクトに動かすのは難しい。

まとまったお金が生じるとSBI証券やGMOクリック証券に入金して投資する一方、

これらの証券会社からの出金先はスルガ銀行に設定しているので、

ここで全体としては みずほ銀行→スルガ銀行 というお金の流れが生じている。

これでだいたい問題なかったんだけど、時々うまくいかないことがある。


ところで、2枚発行されたATMの利用明細なのだが、

みずほ銀行の取引で発行されたものは右上に「みずほ銀行」と書かれていて、

スルガ銀行の取引で発行されたものは右上に「イオン銀行」と書かれていることに気付いた。

イオン銀行ATMは イオン銀行・みずほ銀行の共同ATMと位置づけられている。

みずほ銀行利用時に他のコンビニATMより条件がよいのは自社ATMだからである。

ただ、これはみずほ銀行ATMとして機能するのはこのケースだけのようで、

それ以外の提携先は イオン銀行としての提携先と扱われるようである。

見た目からするとスルガ銀行の取引であることは全くわからない。

判別できるとすれば印字された銀行コードだけである。

現金が必要なとき、みずほ銀行ATM、イオン銀行ATMがあればそこでみずほ銀行から出金し、

そうでない場合は セブン銀行、E-netでスルガ銀行から出金となることが多い。

イオン銀行でみずほ銀行以外の銀行取引を行うのがかなりレアである。

だから気づいてなかったんだよな。

行動支付ってなんだ?

昨日、上野公園から秋葉原界隈まで歩いて来て、

ソフマップに行くと中国語だらけのポスターが貼られていた。

表題に「台湾行動支付優恵活動一覧表」とあった。


なんのこっちゃという感じなのだが小さく日本語で「コード決済キャンペーン一覧」と書かれている。

どうも台湾のコード決済サービスの名前がいろいろ並んでいて、

それぞれこういうキャンペーンがありますよと書いてあるわけだ。

で、その下にはPayPayのマークも書かれている。

PayPayのプラットフォームに乗り入れる形で利用しているということらしい。

日本語で「日本のPayPayはキャンペーン対象外となります」と書いてあるとおり、

あくまでも台湾の決済サービスのキャンペーンである。


「優恵活動」は割引キャンペーンという意味で、これもよいと思う。

「支付」は支払ということで決済サービスを表す言葉によく付いている。

Alipayも中国語表記だと「支付宝」ですよね。

気になるのは「行動支付」という組み合わせで何でこれがコード決済なのかという話である。

翻訳にかけてみるとこれで「モバイル決済」という訳が出てきた。


うーんと考えてしまったが、おそらく行動=mobileなのだろう。

いろいろ調べてみると移動支付という表記もあり、同じような意味なのだろう。

mobile=移動というのは日本語でも理解しやすいが、行動とも書けるのだろう。

なるほどねーという感じである。

日本で言えばコード決済とかスマホ決済という言い方になるので、

着眼点からしてだいぶ違うなとは思った。


それにしてもPayPayの提携先ってこんなに多いんだなと驚いた。

外国人旅行者が当地のコード決済サービスを利用するのは容易ではないが、

こうしてプラットフォーム間の乗り入れが行われていれば利用できると。

日本の提携先をどうするかと考えればPayPayが一番よい。

クレジットカードの使えない店にも多く導入されているからである。

ソフマップは別にクレジットカードでも構わないわけだけどね。

昔からPayPayとともにAlipayを導入する話は合ったけど、それだけでもないんだなと。

2024年の家計簿を振り返る

おとといの買い物で年内は終わりだと書いたけど、

1つ買い忘れがあることを思い出してのそのそと買い物に行っていた。

で、家計簿を集計していたのだった。


昨年比で支出は116%だが、消費という点ではバイクとスマートフォンの購入が金額として大きい。

去年も引越前後の買い物などあったけど、バイクはやはり金額として大きい。

でも一般的な自動車に比べれば微々たる金額だし、維持費もタダ同然ですからね。

比較的金がかかるのは保険(共済)ですけど。確かに去年の1.5倍ぐらいになっている。自賠責5年分も含んでますけど。

あとは公租公課、といっても比率として増えているのは税控除対象の寄付金が多いのだけど。

これ以外の支出はほぼ横ばいとなっている。

増減が大きいのが旅行の+38%と、趣味・娯楽費の-15%といったところ。

旅行は夏休みの山陰行きが日程の長さから費用がかさんだのは大きく、

大都市圏のホテル代高騰とはまた違った話のように思う。

趣味・娯楽費の減少ってのは意外だったが、細々と減ってたみたいですね。

食費が+5%とこのあたりは物価高が顕著に表れているところだが、

買い控えもあるだろうから正味の物価上昇はより大きいかもしれない。


今年からNISAの制度変更があり、課税口座からNISAへの移し替えが進み、

これにより年間の投資額がかさんだり、売却益が多く出たりというのがある。

収入全体に占める譲渡・配当所得は16%にも達しているが、

NISAへの移し替えのために課税口座で一旦精算したという側面もある。

来年も引き続き、このような形で売却益が見えるのではないかと思う。

大半は国内株式への投資だが、堅調といってよい内容である。


支出先なのだが、昨年と比べるとイオンでの購入額が増えている。

バイクを購入した6月以降、イオンモールまで買い物に行くことが増えている。

イトーヨーカドーでの買い物は依然として多いのだが、来年には逆転もあるかもしれない。

以前からイオンは食料品以外を中心に様々買っていたので金額としては大きかったが、最近は食料品を買うことも増えている。


決済手段別の支払手段を見てみると、

みずほ銀行(給与天引きが大半)が33%(昨年33%)、スルガ銀行(家賃が大半)が20%(昨年22%)、

次いでセゾンカードが16%(昨年12%)、これはバイク代などが大きい。

FamiPay・ポケットカードが10%(昨年9%)、キャンペーンでいろいろ使ってた。

で、次いでPayPayが7%(昨年3%)で、これはスマートフォンが大きいかな。

逆にSuica・ビューカードは5%(昨年9%)で、こちらは引越の一時費用を多く払った反動。

イオンカードが2.7%(昨年1.6%)で倍増近いのは先に書いたとおり。


譲渡・配当所得のこともあって、家計のゆとりはかなりあるので、

ケチケチしなくてもいいとは思うんだけど、

何にお金を使うかというのはいろいろ考えるべきところがあるのかなと。

何に使うかと考えた新しい支出が今年の家計簿にあるんだけど、

そのことはBlogで後日取り上げたい話なので、今日はここでは取り上げない。

読売333はなぜ必要か

こんなニュースが流れてきた。

日本企業への投資を後押し、経済の好循環図る…読売333「等ウェート型」で特定企業の値動きに偏らず (読売新聞)

新しい株価指数として読売株価指数ができるとのこと。

通称「読売333」で、日本の上場企業を333社選定して指数を計算する。

読売新聞のブランドが付いているが、実務は野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングが行うとのこと。


特徴は「等ウェート型」の株式指数であること。

算出開始時点の株価がA社:100円、B社20000円、C社4000円で、このときの指数を300とする。

等ウェートなので300をA社, B社, C社に100ずつ割りあてればよい。

すなわち 指数=A社株価×1+B社株価×0.005+C社株価×0.025 となる。

3ヶ月後の株価がA社:110円、B社19600円、C社5000円になったとする。

このときの指数は 110+98+125=333 となる。

読売333 では3ヶ月ごとにウェート調整を行うとのことだから、

これを3社に再配分すると各社に111ずつ割りあてて、

A社株価×1.01+B社株価×0.0057+C社株価×0.022 となる。


指数を計算するだけなら「経済の『体温計』」というだけにすぎないが、

指数があればそれに連動する投資信託が出てくるだろう。

読売333に連動する投資信託を買った場合には、上で書いたようなことが行われる。

すなわち資金は333社に等分に配分され、3ヶ月ごとにウェート調整される。

株価が大きく上がったC社は株価に掛ける係数が0.025→0.022と下がっているが、

これはC社の株式を売却することに相当する。その分は他の銘柄に再配分される。

あと333社は年1回入れ替えが行われるが、除外される銘柄を売って、新規採用銘柄を買うことになる。


日本の株式指数といえば、TOPIXと日経平均株価(「日経225」とも)が古くからある。

TOPIXは日本の上場企業の時価総額の合計を表す指標といってよい。

元は東京証券取引所第一部に上場する全企業の時価総額(株価×発行済株式数)を表す指数だった。

これ以外の市場だけに上場する企業は計算に入っていないものの、時価総額としてはごく小さい。

このため、TOPIXは日本株全てを表す指標といっても差し支えない。


2005年~2006年に浮動株の時価総額を基準とするようになった。

他の会社や役員・創業家などが固定的に保有する株は指数の計算対象から外すということである。

上場会社同士の株式持ち合いでダブルカウントされているのを除く意味もあるか。

さらに2021年~2025年で時価総額の低い439銘柄が順次除外されていった。

元々2168銘柄で計算していたのが2割ぐらい減ったわけだが、時価総額では99%以上カバーできている。

このため現在においても、TOPIXは日本株全てを表す指標と言える。


日経平均株価は上場企業の中から厳選された225社の株価の平均……というほど単純ではない。

現在は 225社の株価に会社別の換算係数を掛けたものの合計 を表す指標となっている。

この換算係数というのもあまり一貫性のあるものではなくて、

ファーストリテイリングだけで日経平均株価のウェートの10%超にも達することが知られている。

歴史ある指数なのはいいんだけど、投資対象としては考え物である。


TOPIXは日本株全体を代表する指数という点ではよくできているが、

投資対象として考えたとき、必ずしも優良企業ばかりではない点が欠点である。

2025年に2割減ったとは言え構成銘柄数が多すぎるという欠点もある。

日経平均株価は225社に厳選しているとはいえ、その比率はあまりに不規則。

そこで作られたのが JPX日経インデックス400 である。

TOPIXを算出してきたJPX(日本取引所グループ)と、日経平均株価を算出してきた日本経済新聞社がタッグを組んだわけだ。

まず、一定の基準で東京証券取引所に上場する優良企業を400社を選定する。

その400社の浮動株時価総額の合計に応じた指数がJPX日経400である。

この400社は年1回入れ替えが行われている。


話は戻って読売333の話である。

TOPIXの欠点と日経平均株価の欠点を踏まえた指数であることは明確である。

これに対して等ウェートの読売333ってのはどうなんだろうね。

時価総額の大きな会社の株価変動の影響を受けにくいことがまず書かれている。

後で書くのだが、実はJPX日経400もこの点は対策がされている。

もう1つの特徴が定期的なウェート調整でしょうかね。

相対的に株価が上がった銘柄から他の銘柄に配分されるという性質から、

「将来的な成長の余力がある企業の動きを取り込める特徴があり、中長期的に高いパフォーマンスも期待される。」

と言っているのではないかと思う。


JPX日経400にも時価総額の大きな会社の影響が大きいことへの対策が入っていると書いたが、

実は「400社の浮動株時価総額の合計」と書いたのは正しくなくて、

1社で1.5%以上のウェートになってしまう場合はキャップ調整比率を掛けるルールになっている。

このキャップ調整比率は年1回の入れ替え時に調整されるよう。

この結果としてTOPIXでのウェートが3.7%に達するトヨタ自動車も1.5%程度に抑えられている。

この調整が行われているのは400社中15社程度ではないかと思う。


もっともJPX日経400は様々工夫を凝らしてはいるものの、

全体的にはTOPIXの計算方法に似ているので、TOPIXとほぼ同じ値動きとなる。

さすがに厳選している分、若干よいリターンが得られているようだが。

TOPIXより少しよい というのがこの指標の最大の長所なんだろうな。

日本株全体の動きに対して悪い方向に乖離するリスクは低い。


読売333は時価総額が低い企業への投資が相対的に大きくなるのがどうかね。

「まず、売買のしやすさ(流動性)という観点から「売買代金」で絞り込み、その中から「浮動株時価総額」の上位333銘柄を採用する。」

とのことだから、ある程度は時価総額のある企業が選ばれるのだろうが……

TOPIXのウェート(=浮動株時価総額)が大きい順に並べると、

167位(中央値)が0.11%程度、333位は0.04%程度だった。

これらを全て0.3%ずつのウェートで投資するわけだから、

時価総額の大きな企業への投資をぐっと抑えて、広く配分することがよくわかる。

それが「将来的な成長の余力がある企業」への投資なのかはなんとも言えませんが。


本質的なことではないが、読売333の単位は「円」だそう。

とはいえ、この手の株価指数は基準日の数字をいくつと決めて算出を開始するもの。

JPX日経400では2013年8月30日の指数を10000(無単位)と決めている。

これを10000円と呼んでも、100ドルと呼んでも、10000kgと呼んでも、本質的な意味は変わらない。

日本企業の株価なんだから円単位の方が直感的だろうという程度か。

円単位なら小数点を使わないとうまく表せないような数字にはしないかなと。


あと、これこそどうでもいい話だけど「読売333」と聞いて、

読売ジャイアンツの長嶋茂雄終身名誉監督の名前を挙げている人がいた。

長嶋さんの背番号が3(現役時代)あるいは33(監督時代)というわけで、

読売と3と言えば長嶋さんだという話である。

特に関係ないと思うが、ジャイアンツにとって特別な数字であることは確かである。

SBI証券NEOBANKの謎

以前から気になっていたことがあって、それは「SBI証券NEOBANK」のことである。

NEOBANKというのは住信SBIネット銀行のサービスでこのように説明されている。

パートナー企業の事業に必要となる銀行機能を組み込むことで、より快適な顧客体験を生み出していく。それが私たちの「NEOBANK」です。

パートナー企業に必要な銀行機能というのはいろいろですが。


NEOBANKの第一号は「JAL NEOBANK」で、JALマイレージバンク会員が開設でき、

取引に応じてマイルが貯まること、JAL Payが使えることあたりが特徴か。

JAL Payにデビットカードの「JAL Global WALLETカード」も含まれる。

「高島屋NEOBANK」だと友の会の積立サービス「スゴ積み」が特色だし、

あと不動産関係のNEOBANKもいろいろあるな。機能はよくわからないけど。


その中にSBI証券NEOBANKってのもあるんだけど、

そもそも住信SBIネット銀行自体がSBI証券の提携のためにできた銀行である。

従来からの口座、支店名が果物の名前なので「フルーツ支店」と通称されているが、

これにしてもSBI証券経由で開設して、SBIハイブリッド預金で証券口座と連携している人は多いはず。

果たして何が違うのか?


SBI証券NEOBANKは店名が イルカ支店 または クジラ支店 になるようだが、

機能的にはフルーツ支店と同じとみられる。

NEOBANKの銀行口座はすでに住信SBIネット銀行で口座がある場合でも、

提携先ごとに1つずつ新規開設することはできるのだけど、

フルーツ支店とSBI証券NEOBANKは同時開設できないルールになっている。

今、SBI証券から銀行口座の開設を申し込むと イルカ支店・クジラ支店 となる程度のことである。


ちなみに他のNEOBANKの銀行口座であってもSBIハイブリッド預金は使えるので、

SBI証券と組み合わせて使うのに フルーツ支店またはSBI証券NEOBANK が必要なわけではない。

証券口座だけ開設して「預り金自動スィープサービス」の設定をすればよい。

一応、住信SBIネット銀行の方からSBI証券への仲介もやっているので、

その流れでNEOBANKからSBI証券という流れは考えられる。


というわけで本質的な意味はあまりないという話だった。

住信SBIネット銀行も上場企業となり、三井住友信託銀行とSBIホールディングスの持株比率はいずれも50%を切っている。

銀行業としても幅を広げていきたいということでNEOBANKとやっているのだろうが、

果たして手応えはどんなもんなんだろうか? というのは正直気になる。

元々は銀行全体が「SBI証券NEOBANK」みたいなところだったんですよね。

今、フルーツ支店を直接開設する人ってどんなもんなんでしょうね?

ビューカード更新のあれこれ

今日は朝からまっすぐ家に帰るだけ、と往路同様に吉田~大月をバイクで走る。

下り坂で速度が出てしまうので適宜スピードを下げる。

ちなみに特定原付は20km/hのリミッタはあるが、法定速度は原付の30km/hである。

この範囲内では下り坂で速度が上がってしまっても許容される。

自転車形の車で25km/hを超えると相当怖いのでそのあたりで下げますが。

1時間少しで大月駅に到着、移動時間と距離で割ると平均速度は20km/hぐらい。速いな。


午前中には自宅に到着して天気もよいので、洗濯をして、家計簿を付けていた。

というのも今日、やっておきたいことがあったのだ。

それはビューカード更新に伴う作業である。

ビックカメラSuicaカードはSuicaが内蔵されていて、更新時には残高は現金で払い戻される。

残高0円に保っていれば特にやることはなかったのだが、少しだけ残高があった。

引き続き残高の使い切りを図っている ビューカード内蔵のSuica、

まだ残高がかなりあるのでどうなるかはわからないのだけど……

こちらはクレジットカードの有効期限満了時に残高が現金で返却される。

このため10円未満の端数は将来払い戻されるということで、

10円未満の端数は残した状態でいったん使い切りとしてもいいかなと思っている。

(Suica使い切りのための端数調整)

で、少しだけ残高を残した状態なので払戻が必要なのは確定していた。

せっかく払い戻すならチャージしてポイントを稼いでから払い戻す方がお得と、

最近は再び残高が増えていたが、更新カードが届いたので払い戻すことに。


もう1つやることがあって、それがSuicaオートチャージの再設定である。

どうもMySuicaとビューカードを紐付けてオートチャージしている場合、

有効期限更新に伴って再設定が必要になるらしい。

そんなの前の更新時にやったっけ?

ただ、これをしないと今後、改札で困ることになるので忘れずやっとかないと。


そんなわけでVIEW ALTTEのある駅へ向かった。

まず、古いカードの払戻、これは「Suica付きビューカードの更新/退会」を選ぶ。

それでカードを挿入して暗証番号を入力すると金額が出て現金が戻ってくる。

ちゃんと小銭も出てきますね。あのサイズのATMで小銭も扱えるのか。

注意事項にも記載されているのだが、有効期限目前あるいは過ぎたカードでなくても払戻は出来てしまう。

すなわち更新カードとして届いたカードをいきなり払い戻してしまうこともできる。

そうすると届いたカードのSuicaがいきなり無効になってしまうので困る。

この観点でも新しいカードのSuicaを使い始める前に払い戻す方がいいでしょうね。

残高0円なら払戻に進む前におかしいと気づけますから。


次にオートチャージの再設定、これはリンク済みのSuicaのオートチャージ設定の変更のフローと同じである。

この機会に設定変更をするわけでなければ、何も変更せずに確定とすればよい。

「は?」という感じはするのだが、ATMの画面でもそういう説明が書かれている。

結局のところ、Suicaと更新カードをセットでATMにぶち込むということが重要なようだ。

オートチャージの設定変更にはSuicaとビューカードが両方必要ですからね


というわけでビューカード更新に伴う作業は完了。

今回でビューカードの更新は2回目、有効期限が5年ということは発行から10年ですか。

今の勤務先から内定が出て、生活にはSuicaを使うだろうと、

年会費無料のビックカメラSuicaカードを申し込んだのが2014年10月のこと。

ビックカメラSuicaカードを作ろうかと

千日前のビックカメラでビックカメラの会員番号を教えてもらって申し込んでるな。

11月に東京に行く用事があり、このときにSuica購入・チャージ設定を行っている。

このとき貯め込んだ残高は関西でチマチマと使っていた覚えがある。

もうだいぶ長いなと改めて思った。最近は職場の食堂での利用がほとんどを占め、

昔より値上がりして、残高の減り方が急で、時々オートチャージが間に合わずに困る。

そんなときはモバイルSuicaで補完してますけどね。


今回の河口湖行き、いろいろ間接的なコストはあるだろうけど、

直接的な交通費はえらく安くて2000円強である。

大月から先が全部バイクで、そこからの電車代もバス代もかかってないため。

それがええのか悪いのかという話はありますけど。

ポストにエンボスレスのクレジットカード

少し前にファミマTカードの更新カードが届いた。

ファミマTカードは今はFamiPayチャージに使うこともあるという程度で、

引き出しの中に保管しているクレジットカードの1つである。

先月下旬にFamiPayのクレジットカード設定が吹き飛んでいた(端末変更すると消える仕様らしい)ので、

久々に引き出しからカードを出して番号入力したのだが、その更新カードである。


確か1ヶ月前に予告があって、更新カードは普通郵便で送るとはがきが届いた。

最近はそういうカード会社も出ているとは聞いていたが、ポケットカードがそうだったのか。

おそらく、これが返送されてきたら送らないのだろうけど。

それで今月になって封書でポストに投函されていたわけである。

これといった話はなくて、普通にカードが入っているわけだが。

特に有効化などの処理はないようだ。


日本の郵便事情はいいので、これでも特に問題ないですよね。

懸念は表札を見ずに投函してしまうことぐらいかも。

今のアパートではないけど、昔の社宅では昔の住人の保険料控除の書類が届いたりというのがあった。

書留にしても確認せずに配達してしまえば同じことではあるし、

持ち戻りになれば、窓口で本人確認の上、引き渡すというフローも発生する。

そういう部分も含めて、郵便局に期待している部分は多々あるのは確かであるが、

一応は書留でなくてもこのあたりの事情は変わらないというところである。

ポストに投函したのが盗難される可能性が生じるかもしれないが、これもそう簡単には狙えないだろう。


受け取ったカードを見て驚いたのはエンボスレスだということである。

エンボスレスのクレジットカードと言えばビューカードが歴史的にも古い。

これはSuica一体型のカードでは凹凸が許容できなかったのが理由である。

インタプリタを使う加盟店は2003年の発行開始時点でも日本国内では限定的で、

VISAなのに国内限定という時代が少しあって、”ELECTRONIC USE ONLY”と書かれて外国でも使えるようになった。

国際ブランドのデビットカードもエンボスレスで作られている。

これはインタプリタを使わせないため。デビットカードは残高から即時引落なので、

インタプリタでカード情報を写して伝票を送付というフローだと対応できないためである。

(もっとも金額により電話での与信が必要など取り決めがあり、エンボスがあっても使いにくいのが実情だが)


今回のファミマTカードはそのような理由は特にないと思われる。

ただ、よくよく考えて見ると最近はカード番号が裏面記載、あるいはナンバーレスのカードが増えている。

ファミマTカードは従来通りの表面に番号を書くデザインでエンボスレスだから、

ビューカードとデビットカードのような特別な事情があるところで見ることが多かった形式ではある。


タッチ決済対応に合わせてエンボスレスにしたのかな? と思ったのだけど、

調べてみるとタッチ決済のマークはないけどエンボスレスというタイプもあり、直接的な関係はないようだ。

ファミリーマートはタッチ決済なので、その点でも便利ではあるが、

今どきはFamiPay1つでポイントカード・クーポン・決済手段を兼ねられるわけで、

ファミマTカードを直接ファミリーマートで使う必要はないと思う。

チャージとか管理するのが面倒というのはあるかもしれないけど、

そもそもFamiPay翌月払いならファミマTカード自体が不要になっちゃいますからね。

冒頭に書いた「FamiPayチャージに使うこと『も』ある」と書いたのはこのことで、

FamiPay翌月払いを使えば、ファミマTカードを使わないのである。

ただ、FamiPay翌月払いの限度額は比較的低いので、まとまった金額を使う時はファミマTカードからチャージするようにしてる。

いや、限度額が低いといっても10万円なら絶対収まりますけどね。

郵便局のいろいろな送金手段

先日、ゆうちょ銀行では古い送金サービスがまだいろいろあると紹介した。

紙を使う送金手段

とはいえ、昔に比べると絞り込まれているのも事実ではある。

というわけで今はなくなった郵便振替・郵便為替サービスの話。


送り側と受取側、それぞれの手段が現金と口座の組み合わせを並べると、

(1)口座→口座、(2)現金→口座、(3)口座→現金、(4)現金→現金 の4つの組み合わせが考えられる。

(1)は一般的な口座間の銀行振込でネットバンキングで24時間365日できる。

郵便局での払込みと言えば(2)のイメージが強いと思う。

(3)は送られてきた振替払出証書を郵便局で現金に引き換えるやつ。

(4)にあたるものは為替ですね。

ゆうちょ銀行はこの全てのサービスを現在も提供しているんですね。


ただ、昔に比べるとバリエーションが減っていることは事実ではある。

まず、(1)の口座→口座の送金、ゆうちょ銀行では「振替」と呼んでいる。

現在提供されているのは電信振替と呼ばれるサービスのみである。

ゆうちょダイレクトとかATMで手続きすると即座に相手口座に入金される。

ただ、公社時代までは「通常振替」というサービスが存在していた。

手数料はなんと15円、公社時代の電信振替料金は130円だったはず。


ただ、このサービスが使えたのは振替口座同士の送金に限られる。

振替口座は送金を多く扱う団体や個人が使うもので、一般向けではない。

振替口座同士の送金はそもそもニーズに乏しく廃止されたのだった。

「郵便振替払出票」という伝票に自分と相手の口座番号を書いて押印して、

それを窓口に提出するか郵送すると、貯金事務センターで処理されて、

1週間とか経って相手に入金・通知(郵送)されるという仕組みだった。

貯金事務センターでの伝票整理で完結する仕組みなので安かったのかもしれない。


次に(2)の現金→口座、これはゆうちょ銀行では「払込」と呼んでいる。

これは廃止になったサービスはなく「通常払込み」「電信払込み」「本人払込み」と健在である。

通常払込みはよくある払込票で払うやつで、受取側は振替口座が必要である。

入金が反映されるまで数日かかる。昔は郵送でやってたが、現在は画像データのやりとりになっている。

現金→口座とは言うが、口座から出金して払込みをする方法もあり手数料が安い。

今回調べていて初めて知ったのだが、ゆうちょ通帳アプリで払込票の画像データを読み取って処理できる仕組みがあるんですね。

口座間で送金する点では電信振替と同じような結果になりそうだが、

払込票の画像データを送付できる点では昔ながらの通常払込みの特徴も兼ね備えている。


一方の電信払込みはわりとマイナーである。でも一般の人でも使うサービスだ。

通常払込みと比較すると即時に入金される特徴もあるが、受取側が総合口座でもよいという特徴もあり、

窓口から現金で総合口座への送金を行うと電信払込みになる。(ATM非対応)

最後の本人払込み、これは振替口座を持っている人しか使わない。

振替口座には通帳が無いので、一般的な方法で入金することができない。

そこで本人が指定した郵便局で「払込」を行う場合は手数料を無料にする措置があって、

それを本人払込みと呼んでいるそう。手数料無料の電信払込みという位置づけのよう。

ただ、振替口座は送金を受ける目的で使われることが圧倒的に多いので、

本人払込みってどれぐらい使われてるんだろうなという疑問はある。


次に口座→現金、これはゆうちょ銀行では「払出」と呼んでいる。

現在提供されているサービスとしては「通常現金払」「本人払出し」「小切手払」「簡易払」とある。

通常現金払ってのが振替払出証書を郵送するという方法ですね。

受けとった人は振替払出証書を郵便局に持参すると現金に引き換えられる。

そもそも振替口座が必要だが、大口向けに事前申し込みの上でしか発行されない。

ハードルは高いものの住所宛の送金手段としては貴重なものである。

簡易払は配当金領収書などを窓口に持参すると現金に引き換えられる仕組みで、

通常現金払は ゆうちょ銀行が証書を作るのに対して、簡易払は送金主が配当金領収書など作る点が異なる。


本人払出し は振替口座から本人が出金する手段である。

振替口座は通帳が無いので一般的な出金方法が取れないので、

名目上、自分宛に送金する「払出」の一種として扱われるそう。

あらかじめ指定した郵便局に金額を書いて押印した「振替払出書」を提出すると出金できて手数料無料。

予め指定した郵便局には印鑑票があるので、その場で照合できるという理屈。

この方法を即時払といい、これが一般的な使い方だとは思うのだけど、

実は振替払出書を提出して証書を送ってもらい、その証書を郵便局に持参して現金に引き換える方法(証書払)もある。

明らかに面倒な方法なのだが、証書払は指定した郵便局以外でも出金できるんですね。

印鑑の照合などは貯金事務センターでやってOKなら証書を送るからである。


実はこれに似た仕組みが「小切手払」である。

振替口座を持っていて、かつ審査を通った人は小切手帳の発行を受けることができる。

小切手に金額を書いて押印して渡すと、受けとった人は小切手払店(基本的にはゆうちょ銀行直営店)で換金できる。

印鑑の照合をして現金を渡すという点では 本人払出し(即時払) と同じことである。

それ以外の店舗(他行を含む)でも小切手を預入すると、後日入金という形で換金できる。

この場合は印鑑との照合は後日行われるという点で 本人払出し(証書払)と似ている。


そして、昔は「電信現金払」というサービスがあった。2019年まで一部継続していた。

このサービスは振替口座・総合口座から他人に送金する仕組みなのだが、

証書払・居宅払・窓口払の3タイプがあって、2019年まで残ってたのは窓口払である。

証書払は受取人の最寄りの郵便局で払出証書を発行して速達で送る方法。

遠方でも即日届くのはよいが、換金に郵便局に行く必要があるのは中途半端。

そこで最寄りの郵便局で現金にして速達で送る 居宅払 という方法があって、

それだと即時に家で現金を受け取れると。住所宛の送金として速くて手間が少ない。

最後まで残った窓口払は指定した郵便局の窓口に出頭した人が現金を受け取れる仕組みである。

本人払出し(即時払) は 同じ郵便局で本人が受け取る 電信現金払(窓口払) という言い方もできる。

だから、最後まで残ったのかもしれない。ただ、一般的な送金のイメージとはかなり違うが。


最後に現金→現金、このサービスをゆうちょ銀行では「為替」と呼んでいる。

現在提供されているのは通常為替・定額小為替の2つのサービスで、

いずれも現金と手数料を払って為替を受け取ったら、

これを相手に送って、受取人は為替を郵便局に持参すると現金に換金できると。

ただ、為替の手数料も昔に比べるとだいぶ高いので、現金書留の方が安いケースが増えている。

為替で届くよりも現金で届いた方が換金の手間がかからないのはよい。

ただ、それでも事務処理の都合か、戸籍証明書の請求などは為替(定額小為替)で手数料を送るようにと書いてあることが多い。


これも昔は「電信為替」というのが存在した。

さっきの電信現金払と同じで受取方法のバリエーションで証書払・居宅払・窓口払とあった。

窓口で現金と手数料を添えて申し込むと、証書が送られたり、現金が届いたり、

あるいは受取人が窓口に出頭すると現金が受け取れたりしたわけである。

居宅払のニーズはわからんこともないが、他はどうにも微妙である。


貯金商品のサービス見直しおよび料金の改定・新設等のお知らせ (ゆうちょ銀行)

来年5月末をもって小切手帳・通常現金払の新規利用申し込みを終了し、

継続して利用できるとしても小切手帳・通常現金払・簡易払の手数料が引き上げられる。

これは他の銀行と同じく小切手・手形の廃止の方針によるものである。

先ほど書いた、口座→現金の「払出」のうち本人払出しはともかく、

他の3つのサービスのうち小切手払・通常現金払の将来的な廃止は確実か。

簡易払は新規申込みの停止は書かれていないが、これもどうでしょうね。

普通に考えれば同様だろうが、配当金領収書は完全に代替出来ないとみているのかどうか。

実質的に払出というものがなくなる日は来るのかも知れない。

紙を使う送金手段

銀行での送金手段と言われれば、そりゃ銀行振込だろと思うわけだが、

実はいろいろあって、小切手もその1つではある。

当座預金を持っている人が小切手を発行して、小切手を送付した上で、

受け取った人は小切手を取引先の銀行に預けたり、支払地の銀行に提出して現金化できる。

これも送金手段ですよね。


決済統計年報を見てみると件数が極端に少ない項目がいくつかある。

「送金」「代金取立」である。

「送金」というのは送金小切手を発行する送金方式で、公金のみで使用されていた。

ただ、それも今年に廃止されたようですね。

送金小切手が一般的な小切手と違うのは、遠方の指定された店舗ですぐ現金化できることで、

この目的のため地方税の還付金で使われることがしばしばあったらしい。

(銀行口座を指定して振り込んでもらう方法が第一選択とは思うが)

「代金取立」は手形交換所を介さずに小切手・手形の取立を行った場合に発生する取引で、

元々そんなに多くはないが、それでも2021年度は330万件あった。

ところが、2023年度には2.7万件まで激減している。

理由は2022年に電子交換所の運用が始まり、全国の金融機関の小切手・手形が手形交換所を介して行われるようになったため。


極端に少ないとまで言えないが少ないのが「文書為替・メール振込」で2023年度で271万件である。

銀行振込には電信扱いと文書扱いというのがあり、現在はほぼ電信扱である。

文書扱いは振込用紙自体を送付するもので電信扱いより時間がかかる。

昔は電信扱いの方が早いというので手数料が高い場合もあったのだが、

現在は郵送が発生するという理由で文書扱いの方が高額であることが多い。

(専用の振込用紙を使う場合でも「電信扱」と記載され、振込用紙そのものは送付しない方が一般的なようだ)


ちなみに電子交換所で2023年度に取り扱った小切手は1171万枚、手形1123万枚、その他(配当金領収書など)714万件となっている。

なんやかんやいってけっこう件数あるんだなと思う。

振込(給与振込は別勘定)が16億件とかいうのに比べれば少ないけど。


ただ、これらの仕組みがまだわりと残っている金融機関が1つある。

それがゆうちょ銀行である。

為替や振替払出証書というのは送金小切手そのものである。

ゆうちょ銀行のシステム上の情報と照合して窓口ですぐに現金化できる。

口座振込が使えない場合の還付金の支払手段として振替払出証書を使っているところもあるようだ。

文書扱いの振込だが、これは通常払込みがそうである。

通信欄に記載すると、その内容が受取人に確認出来るのは文書扱いそのもの。

実際には窓口でデータ化されて伝達されているのだが。

これらはゆうちょ銀行の中で閉じる話なので特に問題ないのだろう。


さっきちらっと出てきた配当金領収書も基本的にはゆうちょ銀行扱いだよね。

ゆうちょ銀行の為替・払出証書・配当金領収書を他行に持参して、

それを預けると、手形交換所を介して交換されるそうで、それの件数かな。

事務処理の一元化という点では効果があるかもしれないが、あまり効率はよくない。

郵便局自体は全国にあるわけだから、この方法も封じられる日がくるのかも。


昔は公金の支払いは窓口でしかできないことが多かったけど、

そもそも口座振替が推奨されているとか、払込用紙がPay-easy対応したとか、

コンビニ支払いができるとか、最近はeL-QRでスマートフォンで決済できたり。

ほとんどの送金が電子化されているのが実情ではあるわな。


送金小切手が廃止されたことは初めて知ったが、民間企業や個人はとうに使えなくなっていたサービスで、

銀行口座が確認出来ず住所宛に送金せざるを得ない役所特有のサービスだった。

それももうなくなってしまったわけだが。

銀行によっては送金通知書を送り、換金する手段を提供していることはあるけど。

(国税の還付金を指定した郵便局で受け取れる方法は送金通知書である)

だから実態はそんなに変わってなかったりするんですけどね。