あいち銀行(2025年に愛知銀行・中京銀行が合併)の親会社、あいちフィナンシャルグループと、
三十三銀行(2021年に三重銀行・第三銀行が合併)の親会社、三十三フィナンシャルグループが経営統合に向けて動くという。
あいちFGと三十三FGが経営統合 総資産11兆円超、県境越え再編加速 (日本経済新聞)
隣接府県の地方銀行が経営統合するのはもうそんなに珍しいこととも思わないが。
あいち銀行の前身となった2行はいずれも三菱UFJ銀行と関連が深かった。
愛知銀行は旧三菱銀行、中京銀行は旧東海銀行との関係が深かったという。
そういうので同じ系列にあったことが合併の背景なのかなと。
ちなみに東海銀行は名古屋に本店があったため、三菱UFJ銀行にとっても愛知県は重要な事業拠点である。
一方の三十三銀行なのだが、合併の背景には県内で圧倒的な存在感を誇る百五銀行の存在がある。
長らく三重県を本店を置く銀行は3つあって、津に本店のある百五銀行、四日市に本店のある三重銀行、松阪に本店のある第三銀行があった。
県内まんべんなく店舗があり行政との関わりも深いのが百五銀行である。
三重銀行は北勢地域、第三銀行は松阪より南の地域で比較的存在感があった。
この特徴から店舗網の重複が少ないので、統合に向かったという。
かつての三重銀行の大株主に三井住友銀行がいたので、現在も三十三FGの株主には三井住友銀行とその関連会社が多い。
で、ここで名前が出てきた百五銀行なのだが、実はかつての三菱銀行との関連が深かったという。
なので歴史的にみれば あいち銀行 と 百五銀行 は同じ系列にあった銀行同士である。
この関係から、三菱UFJ銀行・あいち銀行・百五銀行などはお互いのATMを自行扱いの手数料で利用できる。
この枠組みには合併前の愛知銀行・中京銀行がともに参加していた。
あいち銀行も三十三銀行も他行との関係でこのままでは手詰まりという感はあったのだろう。
先ほど書いたのだが、三十三銀行の前身の1つ、三重銀行は四日市を中心として店舗網を広げていた。
これは三重県内に留まるものではなく、愛知県内にもそれなりに店舗があるということ。
これらのエリアできちんと足場を固めていかないといけないという考えは共有しやすかったのだろう。
そこは三重県内で盤石の百五銀行では話が合わないわけですね。
系列を超えた地方銀行の統合といえば、関西みらいフィナンシャルグループ が思い浮かぶ。
関西みらい銀行 と みなと銀行 を傘下に持ち、関西みらい銀行 は 近畿大阪銀行と関西アーバン銀行が合併したものである。
関西アーバン銀行はその前に びわこ銀行 を合併している。
関西みらいフィナンシャルグループ は現在はりそな銀行の完全子会社である。
一方で歴史的にみれば近畿大阪銀行はりそな傘下、他は三井住友銀行の傘下にあった。
特にみなと銀行は兵庫県における三井住友銀行の別働隊の印象も強かった。
それが系列を超えて統合された挙げ句に、三井住友銀行の傘下から外れたわけである。
調べたところ、三井住友銀行はこれらの地方銀行を手放したかったらしい。
一方でりそな銀行は地方銀行が担うような役割もやるべきだと考えていたそう。
そこに利害関係が一致して、経営統合後はりそなに委ねることとして、
三井住友銀行は段階的に株式を手放すという形をとったそう。
だから系列を超えた統合が行われたわけですね。
さっき、愛知銀行・中京銀行・百五銀行は三菱UFJ銀行の前身となった銀行との関係が深かったと書いた。
その関係は東京三菱UFJ銀行の成立後も続いていたが、いずれもある段階で株式を売却している。
昔からの付き合いというのはあるのだろうが、希薄化しつつあるのだろう。
かつての 中京銀行 と 第三銀行 ではATM利用で提携関係にあった。
(中京銀行は三重県内で創業しており、三重県内の顧客対応のためだったのかも)
これはさっきの三菱UFJ銀行を中心とする枠組みとは別のものである。
それを引き継ぐ形であいち銀行 と 三十三銀行 もATMの提携を行っている。
こういう形で結ばれていた個別的な提携関係がきっかけになったのかもしれない。
府県界も系列もどうでもよくて、地域経済に貢献してこそ地方銀行でしょう。
ただ、あいち銀行 も 三十三銀行 も他行に追われる中でというのは気になりますけどね。
足場固めをするんだといっても、本当にできるのかと。
数字上の事業規模は相当に大きいが、そう容易なことではないのだろう。