ヨーロッパ某国に出張することになり、いろいろ準備をしている。
言うても出張先は社内なんですけどね。
で、準備しないとなぁというところで電源プラグのことを思い出した。
ヨーロッパ大陸といえば Cタイプと思ったが、
どうもCタイプだと緩いかもみたいな話が書かれていて、
SEタイプの方がしっかりはまるかもねとあった。
よくわからん話だが、ほとんどの場合は日本で言うSEタイプがより適しているという。
世界を見渡すと商用電源は100V付近・60Hzのアメリカ系と、200V付近・50Hzのヨーロッパ系に大別される。
日本の東日本は世界的には珍しい100V系の50Hzである。
(そもそも国内の同じ島で2つの商用周波数が混在しているのが珍しいが)
で、アメリカ系のコンセントはほぼ全て日本と同じタイプである。
もっとも日本は3極コンセントがほぼないのが世界的には特異だが。
一方の200V系のコンセントはいくつかのタイプがある。
大きく異なるのがイギリス式のBFタイプ(あるいは旧規格のBタイプ)と、オセアニア式のOタイプである。
一方で、ヨーロッパに限れば、島国のイギリス・アイルランド以外をカバーできるのがCタイプ、
これは当地ではEuroplugと呼ばれている形式らしい。
携帯用機器ではしばしば利用されているのだが、最大電流2.5Aという制限がある。
そう、電流制限付きなのである。
ヨーロッパ大陸のコンセントはドイツ式とフランス式が多くを占める。
Europe current mains electricity plug types (Wikimedia Commons)
青のドイツ式(CEE7/3: Schuko)が面積としては広くて、赤のフランス式(CEE7/5)もそこそこある。
ただ、この2つは接地極を別とすれば完全に共通と言ってよい。
具体的には直径4.8mmの棒が19mm間隔で2本突き出た形である。
コンセント部分は円形のくぼみがあり、そこにはまるプラグでなければ刺さらない。
さらに言えば接地極も両方に対応したプラグというのも存在する。
具体的にはCEE7/7がそうで、ヨーロッパ向け製品のプラグとしてはもっとも無難な形式である。
接地極が要らない場合はCEE7/17という形式もある。
日本の電気機器では3極コンセントはほぼないことを考えれば、
この形式に変換できれば十分であり、SEタイプはこれを意識している。
もっとも円形ではなく、薄い形状であることが多いが。
では、なぜEuroplugというものがあるのか。
それはドイツ式でもフランス式でもないのがわずかにあるからで、
具体的にはスイスとイタリアで問題となる。
デンマークも独自形式のコンセントが主流だが、接地極を除けばフランス式・ドイツ式と互換性があり、
なので当地でもCEE7/7形式などのプラグを接続しているらしい。
ところが接地極がつながらず、電気安全上の問題があるということで、
フランス式のコンセント設置が認められたが、まだ普及度は低いとか。
具体的にはスイス式(SN 441011)はピンの直径が4mmで間隔は19mmである。
この中間の下にオフセットされた位置に接地極がある。
あと、くぼみが丸ではなく、六角形になっておりコンパクト。
イタリア式(CEI 23-50)は10A仕様と16A仕様の2つが規定されており、
10A仕様は直径4mmのピンが19mm間隔、16A仕様は直径5mmのピンが26mm間隔であり、
この中央に接地極のピンが同様の太さであるという形である。
2つのプラグに互換性がないため”presa bipasso”という穴を2つ重ねて開けたものが一般的だという。
Europlugはスイス・イタリアに対応するように直径4mmのピンを並べていると。
少し内側に曲げてハの字にすることで直径4.8mmのピンのプラグを使う地域でも、
緩くならないように考えられているとはいうが、基本的には妥協の産物である。
このため、スイス・イタリア以外であれば日本で言うSEタイプが推奨で、
両国を含めて確実に対応したければCタイプの一考に値すると。
もっともイタリアについては、”presa bipasso”をドイツ式のSchukoの中に入れたコンセントも普及しており、
そうなると結局は日本で言うSEタイプでも問題ないということになる。
スイスこそ近隣諸国との往来が盛んなわけで困りそうなんだけど、
あくまでもこの独自形状らしいですね。
ちなみに日本の近国では韓国もドイツ式のコンセントである。
もっとも韓国は日本・台湾・アメリカとAタイプのコンセントを使う国との往来が多く、
ホテルでは110VにしたAタイプのコンセントがあることも多いという。
なので旅行先であまり気にしたことがない人もいるのかも。
というわけでEuroplugの趣旨からしてみればCタイプでよいが、
より適するのはそちらではないことも多いという話だった。
このあたり加味して出張の準備をしているところである。