H3ロケット6号機が打ち上げられ、無事に目的を達したようである。
主な積載物は重りである。小型人工衛星は載せてるんですけど。
というのもこのロケットは日本初の液体燃料だけで飛ぶ大型ロケットだからである。
初めての要素が多く、このような実験的な打ち上げが行われたようだ。
H-IIロケット以来、1段目・2段目は液体水素・液体酸素のエンジンを主として、
打ち上げ直後は固体ロケットブースター(SRB)を併用していた。
液体水素・液体酸素の組み合わせはもっとも効率のよい推進剤の組み合わせであることが知られている。
ただ、液体水素も液体酸素も極低温であることや、液体水素の密度が低いことなど課題もある。
そこで最初だけ構造が簡単な固体燃料ロケットを使うというアイデアがあると。
H-IIロケット以来、ブースターの数を変えて打ち上げ能力を調整できるようになっている。
これまでは最低でも2本のSRBを取り付けていたのだが、そんなにいらないミッションもあったらしい。
そこで考えられたのが1段目の液体燃料エンジンを3基にして、SRBを省略するというもの。
そういえばH3ロケットは基本的に1段目の液体燃料エンジンは2基なんですね。
H3ロケットは1段目のエンジンを抜本的に作り替えたそう。
そのベースになったのはH-II以来使っている2段目のエンジンである。
それを1段目に使える大型のものに作り替えたらしい。
従来よりシンプルで安全性が高く、2基・3基と積んでも安上がりということのようだ。
1段目が液体燃料ロケット3基のみのタイプを H3-30S と呼ぶよう。
H3ロケットの中ではもっとも安価なものなのだが、用途としては主に官需ミッション」となっている。
太陽同期軌道への投入を想定したロケットらしい。
太陽同期軌道というのは地球観測衛星に使われることが多い軌道で、
JAXAが所有している衛星では だいちシリーズなどがこれにあたる。
官需ミッション というのは国から依頼されて打ち上げる衛星なのだが、
一般的に思いつくのは気象衛星(ひまわり)とか測位衛星(みちびき)とかだけど、
どちらもロケットで運ぶ先は静止トランスファー軌道である。
なので官需といってもこういう衛星ではない。
実はH-IIAロケット、50回の打ち上げのうち19回は情報収集衛星の打ち上げに使われている。
この情報収集衛星というのは詳しい情報は明かされていないのだが、
用途からすると太陽同期軌道への打ち上げになる。
というわけで、官需とは情報収集衛星だったんですね。
JAXAや外国の研究機関の科学観測目的の衛星も想定してるだろうけど。
情報収集衛星というのは内閣官房が運用しているのだけど、
一体何をしているのかはほとんど明かされることはない。
JAXAが運用している だいち が防災目的で活用されているのはよくアピールされているが、
情報収集衛星もそういう用途に使われていてもよさそうなものだが、具体的な情報はほとんどない。
実際のところ、この衛星が導入されたのは北朝鮮のミサイル開発がきっかけで、
外国の軍事施設などを観察することを目的に導入されたと言われている。
災害対策というのも目的にはあるんですけど、具体的なところはよくわかっていない。
SRBのないロケットというのは不思議な感じがしますね。
ただ、液体燃料エンジンだけのロケットというのはけっこうあって、
ロシアのソユーズロケットはケロシン(灯油)と液体酸素のエンジンで全て構成されている。
液体水素に比べて灯油の方が密度が高いのもメリットである。
結局、日本では見慣れてないというだけの話かなと。
液体水素・液体酸素の組み合わせとなれば珍しいのだろうけど。