先日、東京・市谷にあるDNPプラザに出かけていた。
DNPとは大日本印刷、市ヶ谷駅を降りて、少し見渡すと神田川の向こうにDNPと書いたビルが見えた。
同社にとって市谷は創業の地らしく、当初は印刷工場があったが、今は軒並みオフィスになっているようね。
なんのために行ったのかというと、これですね。
THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 6thLIVE Memories of UNI-ON@IR!!!! (東京アニメセンター in DNPプラザ)
DNPプラザは1階だけ見れば喫茶店に小さな書店がくっついたようなところだが、
地下に東京アニメセンターという施設があって、主には展示ですね。あとグッズ販売とか。
実はそこでアイドルマスター ミリオンライブの6thライブの衣装・小道具・舞台セットを使った展示があって、
こういうのは珍しいなと思い、出かけていたわけである。
DNPとアニメの関係性はよくわからない話である。
FUN’S PROJECTというイラスト・漫画・アニメ・ゲームに関わるサイトを運営しているのはその通りだが。
僕にとってDNPといえば丸善ジュンク堂書店の親会社という印象が強い。
印刷により作られるものの1つが本で、その本の出版・販売に関わる会社を抱えているということである。
余談だけど、丸善CHIホールディングスの株主優待の商品券の印刷はDNPがやっている。証書類の印刷もお手の物である。
印刷会社が出版社を抱えること自体はよく聞く話だし、紙の本がデジタルコンテンツに移り変わっていくのもわかる話だ。
そういうストーリーには理解できる面はあるが、DNP自身がこういうところに手を出すのはちょっとよくわからない話。
FUN’S PROJECT立ち上げ時のDNPの決意など知れるものはないかと調べたが、全く見つからないので真意は不明である。
東京アニメセンター自体はアニメの業界団体の1つである 日本動画協会 とDNPの共同運営の施設である。
概ね1ヶ月程度の企画展を代わる代わるやっているようである。
ノートが置いてあったので過去の企画展の来場者の感想をちらっと見てたが、わりとバラエティ豊かである。
ただ、展示エリアもグッズ売り場もそう広くはなくて、地下階に押し込められた窮屈な施設という印象だった。
これでも貴重な施設ではあるんだろうが。駅からも近いし便利な立地ではあるんですけど。
今回の展示の最大の見所はイベントで実際に使用した衣装の展示でしょうと。
これはミリオンライブのゲーム内でユニットそれぞれの世界観から衣装までよく作り込まれていたので、
これを現実のイベントでもできるだけ再現したということで、衣装や小道具に大変力が入っていたことが背景にある。
アイドルマスターシリーズの作中では光る衣装というのが当初からあったが、これを実際に再現することはなかった。
ところが今回、LEDが埋め込まれた、実際に光る衣装を作ったというのも、けっこうな衝撃だった。
技術的に可能だったというのもあるだろうし、なによりゲーム内の世界観ともマッチするというのも大きな要因だったのだろう。
これまでもイベントで使われた衣装を展示することは行われていた。
それというのは、アイドルマスターショップで数着並べたり、ついでに公開しているような具合で、無料公開だった。
今回はユニット単位で全員分並べたり、小道具の展示もしたり、展示を充実させて有料でやっているのが特徴的である。
あと、アソビストア専売でコスチュームブックという、衣装の写真や制作上のポイントなどを書いた本を作っているという。
イベントで使って終わるのではなく、せっかく作ったんだからということで、その先にもつなげているのは印象的である。
衣装にかかった費用は相当だろうが、こういうのでどれぐらい回収できたんだろう。(イベントの実施自体で回収しただろうが)
美術館もいろいろなテーマの芸術を扱っているなとは常々感じているところだが、
現実の舞台でキャラクタを表現すること をテーマにした展示をやるべき時期が来てるんじゃないか、なんてことは思っていた。
ここ10年ぐらいで大きく発展した表現手法だと思いますから、美術館が扱うにもふさわしいテーマでは? とも思う。
ただ、どういうものを展示すれば理解が深まるんだろうかというのがわからなかった。
今回、ミリオンライブで展示した衣装・小道具というのはアプローチの1つだなと思った。