SL列車と走る砕石輸送車の頭

以前、JR旅客各社が機関車の代替の牽引車など買っている話を書いた。

機関車はやめて牽引車を買う

このときこんな話を書いている。

蒸気機関車の回送あるいは代役としての牽引車というのも出てくるかも知れない。

これ、群馬県内で今年秋以降に行われるようになるそうである。

高崎エリア管内のEL・DLが老朽化で運転終了へ SL列車の補助車両は「電気式気動車」に (鉄道コム)


現在はぐんま車両センター(高崎市)に所属する電気機関車・ディーゼル機関車が、

蒸気機関車・客車の回送、蒸気機関車の補助、蒸気機関車用の客車を引くことがあった。

これが同所所属の機関車が引退することにより、GV-E197系に代替されるという。

GV-E197系は砕石輸送用ディーゼルカーだが、牽引車部分だけ外して使うことができる。

最近、客車をけん引する試運転が行われていたらしい。

GV-E197系が12系客車をけん引 (railf.jp)

本来は牽引車+ホッパー車4両+牽引車の6両編成だが、このホッパー車部分を抜いて2両にして、

その2両セットで客車5両を引くという形で試運転を行っている。

牽引車2両はセットで使わないといけない仕組みがあるのかもしれない。

ちなみにホッパー車抜きの牽引車だけの2両編成も製造しているとか。


ただし、GV-E197系単独で客車を引く列車は営業運転にはならないそうである。

あくまでも事業用の牽引車だからということなのだろう。

そのため電気機関車・ディーゼル機関車が客車を引く「ELぐんま」「DLぐんま」シリーズは今年秋で廃止となる。

一方で、蒸気機関車の補助として営業運転に入ることはあるようだ。

そのときも2両セットなのかはよくわかりませんけどね。


機能的には機関車みたいなもんなのだが、見た目が浮くという指摘が。

頭が黄色なのは工事車両のイメージなんだろうし、車体もステンレスだし。

SL列車にこいつが付くとどうにも雰囲気に合わないんじゃないか。

回送だけならともかく、営業運転でも補助には入るわけだしね。

あくまでも本来の役目は砕石輸送と車両回送である。

その本来の役目ならそんなに悪くないデザインなのだが。


JR西日本の除雪用ディーゼルカー キヤ143形はわりと機関車っぽい見た目なので、

そういう用途で使われてもあまり浮かないかもしれない。

除雪車の夏の仕事としてSL関係の用途で使われることはありそうな気もするが……

今のところはまだディーゼル機関車が使えているので出番は無い。

ただ、老朽化問題は当然あるわけで、代替として考えているのはほぼ確かである。


電気機関車が引く客車列車って、もうこれでほぼなくなるんじゃないかな。

これが鉄道の原点!今乗れる「客車列車」10選 (東洋経済ONLINE)

現在のELぐんまシリーズを除けば、黒部峡谷鉄道と大井川鐵道井川線のアプト式区間しかない。

黒部峡谷鉄道は発電所関係の資材運搬を目的とした路線に観光客も乗れるというもの、

大井川鐵道のアプト式区間は急勾配対応の特殊な機関車を使うためである。

なお、井川線のこれ以外の区間はディーゼル機関車で引いているわけだが、

これも元は発電所の資材輸送のための路線であり、おおよそ生活路線とは言えない代物である。


JR旅客各社の中ではJR九州だけは近年もJR貨物と同仕様のディーゼル機関車を購入している。

クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の牽引、SL人吉の回送など、

このほかの車両回送目的でも使用されるとみられる。

ただ、それ以外の各社は新造となれば砕石輸送用ディーゼルカー、除雪用ディーゼルカー、牽引用電車など、

機関車と似たような性質はありつつ、操作方法は電車・ディーゼルカーに揃えている。


JR以外に目を向けても貨物輸送をやらないのに機関車を新造する会社はなかなかないよね。

さっきの客車列車の記事で津軽鉄道のストーブ列車が紹介されていたが、

ディーゼル機関車の老朽化により、故障時などは一般的なディーゼルカーで引かせているらしい。

というのも、ストーブ列車は特別料金がかかるため、生活利用のためにディーゼルカーを連結しているんですね。

で、それで客車を引かせればディーゼル機関車の役目を代替出来ると。

トロッコ列車はこういう形が今後増えそうな気はするな。

ディーゼルカーを改造したトロッコ列車ってのもありますからね。

TJライナーと川越特急

テレビを見ていたら埼玉県小川町の話が出ていて、

東京(池袋)まで電車で1時間ほどというので東京に通うために住む人も多いんだとか。

案外かかるんだなという気はしたが多くが始発なので好都合という面もあるよう。


小川町といえば、こんな話を以前に書いた。

帰りは森林公園駅から「川越特急」に乗換。

運賃のみで利用できる列車だがTJライナー用の車両を使っている。

川越特急という名前だが、池袋~川越の停車駅は快速急行より1駅少ないだけ。

どちらかというと停車駅の差が大きいのは川越~東松山なんですよね。

快速急行は副都心線直通がメイン、川越特急は池袋発着という違いはあるが。

(東武と他社が同居する駅たち)

「川越特急」とはいうが、停車駅の少なさが生きるのは川越より先、東松山や小川町まで利用した場合。

そして、この川越特急はTJライナーと密接な関係があるという話である。

そのTJライナーは小川町まで長く利用する人を想定した列車である。


TJライナーは2008年に東上線でかなり久々の有料列車として誕生した。

東武鉄道という会社にとっては日光方面、太田・赤城方面を中心に有料特急を多く走らせている。

観光・ビジネス目的というのもあるが、通勤目的での利用も想定している。

そのような会社だから東上線の通勤客向けの特急を作れないかと考えたのだろうが、

特急専用車は割に合わないという判断か、通勤電車兼用の車両を用意した。

クロスシート・ロングシートを切り替えられる座席を取り付けて、

有料のTJライナーでは枕木方向に座席が並ぶクロスシート、

それ以外では線路方向に座席が並び、立ち客にも利用しやすいロングシートと。

近鉄のL/Cカーで導入されていたものに似ているが、そのものではないらしい。


TJライナーは好評だったようで、現在は朝に森林公園→池袋で5本、

夕方以降に池袋→小川町で15本が運行されている。

休日も本数は減るが同様に運行されており、東京方面へのレジャーにも活用されているのでは?

なお、小川町方面行きは最初の停車駅のふじみ野からは料金不要で、一般列車を補完する部分もあるらしい。


で、そのTJライナーと密接に関係するのが川越特急なのである。

午前中の川越特急は池袋に到着したTJライナーの折り返し、

午後の川越特急は池袋到着後にTJライナーとなる列車であり、

これらはTJライナーと同様にクロスシートモードで走っている。

通勤客の動きの逆で川越などへの観光客が動くという話ですね。

停車駅が少ないのもTJライナー前後の回送の役目があるからである。

これを「川越特急」というのは西武の特急 小江戸に対する戦略だろう。


このTJライナーのスタイルは他の関東圏の鉄道会社でも導入され、

西武では有楽町線直通のS-TRAIN、新宿~拝島の拝島ライナー、

京王では京王ライナーとMt.TAKAO、こちらは休日の折り返しも有料列車としてやっている。

東武伊勢崎線でもTHライナーという日比谷線直通の有料列車は同様の方式である。

S-TRAINもそうだけど地下鉄対応の車体に乗せてしまえるのは便利なのだろう。

地下鉄線内で一般列車とすぐに化けられる点もよさそうだが、実際には前後回送で対応しているとのこと。


関東圏では有料列車として使われてることが多いが、

近鉄では一般列車で時間帯によって使い分けるためにL/Cカーを導入していた。

近鉄の場合は有料特急が充実していますからね。

でも、その近鉄にも団体列車というニーズがあるんですね。

修学旅行の利用がまとまってある近鉄らしい使い方である。

ナンバープレートのアルファベットの仕込み

以前、希望ナンバーでもないのに、ナンバープレートの分類番号にアルファベットが入ることがある話を書いた。

希望ナンバーかそうでないか

「名古屋」の乗用の軽自動車で58Aが使われている。東京都でもけっこう見る。

どうも調べると、この58Aの半分ぐらい埋まっているらしい。

ということはこの次というのもありそうだが……


で、その場合どうなるのかと考えて見ると、おそらくAの次に使えるアルファベットのCを使い58Cなんじゃないかと。

抽選対象外の数字については自動的に付与されるナンバーと、希望ナンバー用で分類番号を分けている。

乗用の軽自動車では 580~582が希望ナンバー以外、583~599, 780~799が希望ナンバー用である。

もともと軽自動車は小型自動車と同じ5□□を分け合う都合から、

希望ナンバー以外の枠はかなり狭く、「名古屋」では580~582が埋まってしまったと。


軽自動車以外では □0□ を希望ナンバー以外とするのが基本である。

(4□□, 5□□の続きにあたる 6□□, 7□□は全て希望ナンバー用)

すなわち乗用の普通自動車では 300~309が希望ナンバー以外、310~399が希望ナンバー用である。

このルールはアルファベットが分類番号に入っても変わっていないので、

希望ナンバー以外用の50□の□はアルファベットも含むようである。


軽自動車は48□, 58□も希望ナンバーと分け合う形にはなったのだが、

アルファベットについては希望ナンバー以外用に全て取られているようで、

58A, 58C, 58F, 58H, 58K, 58L, 58M, 58P, 58X, 58Y は全て希望ナンバー以外用である。

実際、抽選対象外のナンバーでは 799まで使い切ったら59Aになっていて、

すなわち58□はスキップしているということを表している。


あと2桁目のアルファベットも最初の1つは希望ナンバー以外に留保されている。

軽自動車以外では □A□ が該当する。

軽自動車の場合は2桁目のアルファベットは P・X・Y を使うので、

5P□は乗用の軽自動車の希望ナンバー以外用に使うことが想定されていると。

実際、59Yまで使い切ったら5X0になっているという。

(7□□の3桁目がアルファベットよりは5□□の2桁目アルファベットが優先らしい)

すなわち5P□はスキップしているということである。


というわけで実はそういう仕込みがあるんですよという話だった。

希望ナンバー以外で3A□(乗用の普通自動車)、5A□(乗用の小型自動車)、5P□(乗用の軽自動車)とか出ることは本当にあるんだろうか。

同じ標識でも大違い

「自動車歩行者専用」の標識のある歩道で走行できるのは普通自転車と特例特定原付だけで、

それ以外の自転車や歩道モードではない特定原付には効果が無いという話をしばしば書いている。

自転車道の場合はそれ以外の自転車のほとんど、特定原付も走行できるのだが。


一方で「自動車歩行者専用」の標識を道路自体に付けた場合、

自転車道を走行できる自転車全てと特定原付も走行可能となる。

「自転車歩道通行可」と同じ標識を使うのだが、その対象は同じではないと。

さらにこの標識には厄介な事情がある。

この命令ではこの標識の意味を3つ規定している。

  1. 道路法第四十八条の十四第二項に規定する自転車歩行者専用道路であること。
  2. 道路交通法第八条第一項の道路標識により、特定小型原動機付自転車及び自転車以外の車両の通行を禁止すること。
  3. 道路交通法第十七条の二第一項及び第六十三条の四第一項第一号の道路標識により、特例特定小型原動機付自転車及び普通自転車が歩道を通行することができることとすること。

(歩行者専用+自転車を除くの意味)

1.の道路法の規定により設置された標識はさらに意味が違うのだ。


道路法の自転車専用道路・自転車歩行者専用道路の規定では、

何人もみだりに自転車専用道路を自転車(自転車以外の軽車両(道路交通法第二条第一項第十一号に規定する軽車両をいう。)その他の車両で国土交通省令で定めるものを含む。以下同じ。)による以外の方法により通行してはならない。

ということで自転車以外の軽車両と省令で定める車両の走行を認めている。

その省令で定める車両とは特定原付と農耕作業用自動車である。

なお、ここでいう自転車は特定原付を含まず、普通自転車以外の自転車も含む。

標識で「軽車両」と言えば 全ての自転車+特定原付+自転車以外の軽車両 であり、

これと農耕作業用自動車が通行可能というのは道路交通法の規定による標識で言えば、

  • 自動車通行止め+「農耕作業用自動車を除く」
  • 自転車歩行者専用+「軽車両・農耕作業用自動車を除く」

というような表記と同等ということになりそうである。


なんで農耕作業用自動車が通行できるのかというと、

農地の中を走るサイクリングロードが多い実情も踏まえたのかもしれない。

とはいえ、一律認めなければならないのか? というのは謎である。

また、道路交通法の標識と差が大きすぎるというのも気になるところ。

河川区域を利用したサイクリングロードの場合、「河川管理用車両を除く」のように書き加えるわけだし、

必要性によって「農耕作業用自動車を除く」と足せばよさそうなものだが。


道路交通法の規定で標識を取り付ける場合、標識の裏に公安委員会のシールが貼られている。

これが目印ではあるのだが、標識の裏面なんて見るかという話である。

それで調べていたらJARTICが交通規制情報オープンデータというのを提供していて、

これを地図上に表示できるサービスが存在するようである。

交通規制情報オープンデータマップ

これは道路交通法の規定による規制が登録されている。

規制データと厳密に整合しているかは疑問はあるが、道路交通法の規制があるかないかという参考にはなりそう。


都道府県によって規制の仕方も違うが、東京都の例をいくつか。

まず、多摩湖自転車歩行者道、ここはデータベース上は何らかの通行止め規制になっている。

実際には「自動車歩行者専用」の標識だが、通行止め標識の一種として付けているということか。

道路交通法の規定による「自動車歩行者専用」の標識なのかな。

東京都にはもう1つ都道の自転車道があり、それが芝川自転車道で、

都道としては足立区都市農業公園付近のわずかな区間が該当するが、ここは規制が見えない。

なのでここは道路法による自転車歩行者専用道路の標識になっているとみられる。


というわけで紛らわしい標識の話だった。

このデータベースは 自転車歩道通行可 の情報も登録されている。

これが登録されていれば見た目が自転車道っぽくても歩道だとわかる。

逆に自転車歩道通行可の登録がなくて、車道と区切られた部分に「自動車歩行者専用」の標識がある場合、

その部分は歩道ではなく、車道とは別の自転車歩行者道の可能性がある。


鳥飼仁和寺大橋は軽車両通行止め・歩行者通行止めの規制は見つかる一方、

自転車歩行者通行可の規制は見つからないので、歩行者・自転車の走行部分は歩道ではない可能性がある。

とすると、本線を通行できない特定原付の走行も可能かもしれない。

同じく淀川にかかる菅原城北大橋(今は無料開放されたが元有料道路)は、

軽車両通行止めと自転車歩道通行可の規制が見つかるので、

これは普通自転車は歩道走行できるが、特定原付は車道も歩道も走行できず、

歩道モードにできなければ歩道の押し歩きしかできないとみられる。

あくまでもデータベースからの推定だが、そんなことも読み取れる。

自転車あるいは特定原付の有料道路の走り方

日本で有料道路といえばほとんどが高速道路であり自動車専用道路である。

しかし、高速道路ネットワークから外れている道路の中には自動車専用道路ではないところもある。

排気量125cc以下のバイク、ミニカー、自転車、歩行者と。

生活道路としての意義からこれらの一部または全てを認める道路はいろいろある。


排気量50cc超125cc以下のバイクとミニカーの通行を認めている例として新神戸トンネルを紹介したことがある。

新神戸トンネルは 歩行者通行止め、自転車・軽車両通行止め、二輪車通行止め+「原付」の3枚の標識が付けられている。

(小型特殊自動車は自動車だが)

あるいは排気量50cc以下のバイクも認める場合もある。

その場合は歩行者通行止め + 自転車・軽車両通行止め の標識でよい。

これは高架橋やアンダーパスによく付けられている組み合わせだが。

と、バイクの場合は車道を通行できるようにするのが通常である。


一方の自転車だが、特段の規制なく車道通行できる有料道路もけっこうある。

ただ、自転車が通行できる有料道路の場合、歩行者も通行可能であり、

その場合は歩道に「自転車歩道通行可」を付けていることがほとんどで、

こうなると普通自転車は車道も歩道も選択可能ということになる。

このような道路としては、さいたま市の新見沼大橋有料道路や、滋賀県の琵琶湖大橋有料道路がある。

新見沼大橋は自転車も原付と同じ通行料(20円)がかかるので、

車道通行ならば料金所ブースに、歩道通行ならば歩道に設けられた料金箱に投入することになる。

琵琶湖大橋は自転車は通行料がかからないので、歩道通行の場合は何もなく、

車道通行の場合は料金所ブースを通るが料金は払わず通れるはず。


とはいえ、安全面の問題もあり、自動車と自転車の走行場所を分けている有料道路もいくつかある。

調べた限りではこんなところが該当しそう。

  • 京奈和自動車道 城陽~田辺北(新木津川橋) : 原付道・自転車道・歩道
  • しまなみ海道の新尾道大橋以外の架橋部※: 原付道・自転車歩行者道など
  • 関門国道トンネル : 歩道(50cc以下の原付・自転車は押し歩き)
  • 猿投グリーンロード(愛知県)※ : 歩道(自転車走行可)
  • 衣浦トンネル(愛知県)※ : 歩道(自転車は押し歩き)
  • 鳥飼仁和寺大橋(大阪府)※ : 自転車歩行者道?
  • 女神大橋(長崎県)※ : 歩道(自転車走行可)
  • 一ツ葉有料道路(宮崎県): 歩道(自転車走行可)

※を付けたのは自転車の通行料が現在無料の道路である。

逆に言うと他は10円とか20円とか徴収する料金箱が置いてあるんだが。


上2つは高速道路ネットワークに組み込まれていることもあり、

排気量125cc以下のバイクは車道とは別のところを走行する。

しまなみ海道は区間によるのだが専用の「原付道」を備えている場合もある。

しまなみ海道では歩行者・自転車混在が多いが、新木津川橋は原付・自転車・歩行者が全部分離されている。

もっとも新木津川橋は2017年の城陽IC改築まではバイクは本線を通行していたのだが。


他はストリートビューで見た限りは自転車の歩道走行ですね。

自転車歩行者専用の標識に「自転車通行可」など付けてあるからね。

鳥飼仁和寺大橋は「自転車歩行者専用」の標識のみなので、

しまなみ海道の自転車歩行者道と同じような扱いかもしれない。

あと、地下トンネルの関門国道トンネルと衣浦トンネルは押し歩きですね。

押し歩きなら直感的には歩行者と同じ扱いで無料になりそうだが、

関門国道トンネルは押し歩きのために20円徴収されるという。


さて、今回、自転車が走行できる有料道路の話を書いたのは、特定原付の扱いが気になったから。

特定原付は通行規制においては自転車と同じ扱いを受ける部分が多い。

自転車・軽車両通行止め とあれば特定原付も走行できないわけである。

ただ、まるっきり同じでない部分があり、それが歩道通行である。

普通自転車の歩道通行が認められていても、特定原付は原則歩道通行できず、

6km/h以下に制限した歩道モード(特例特定原付)でしか走行できない。


その観点でここまで挙げてきた例を考えて見ると。

新見沼大橋や琵琶湖大橋のように車道の自転車通行が可能な道路では、

特定原付は車道通行すればよい。原動機付自転車としての料金になるだろう。

新木津川橋やしまなみ海道については自転車の走行場所を走行することになる。

特定原付は自転車道を走行可能なので、自転車道のある新木津川橋は全く問題ないし、

しまなみ海道は歩行者と自転車が混在する区間が多いが、歩道という扱いではない。

自転車歩行者道 (本四高速)

自転車の走行場所を原付の料金で利用するようにと記載されている。


しかし、歩道の自転車通行を前提として車道の自転車通行を禁止している場合、

特定原付はどこも走行できないことになる。

歩道モードにできるなら6km/hでちんたら走る手はあるが、それもできなければ押し歩きしか手段がない。

そんな歩行者との交錯が問題になるとは思えない道路なのだけど。

元々押し歩きで利用するトンネルなら他の自転車と同じで、これはよいが。


なぜかこの車両は走行できないということはしばしば発生する。

例えば新木津川橋、城陽ICの改築時に車道を自動車専用化する代わりに原付道を整備したが、

元々は車道を通行できていたミニカーが渡れなくなってしまった。

自転車・軽車両以外の車で自動車専用道路を通行できないのは排気量125cc以下のバイクだけではないのだ。

そういう車はあまり多くないので問題にはならないが。


特定原付もそういう話で、従来から普通自転車以外の自転車は網羅できていなかった。

ただ、普通自転車以外の自転車というのは限定的な存在である。

特定原付もまだ稀な存在だが、今後は自転車・一般原付並みに使われる可能性もある。

歩道と自転車道を分けられれば、それが好ましいとは思う。

自転車道は特定原付や普通自転車に該当しない自転車の多くも利用できる。

自転車道を走れる自転車って?

あとは一般原付同様に車道通行でよいとするなら、自転車・軽車両通行止め に「特定原付を除く」とする方法も考えられる。

こういうのも今後増えてくるかもしれない。


ちなみに しまなみ海道 では普通自転車以外を少し意識した標識があり、

  • 原付・自転車・歩行者混在 : 車両通行止め+「125cc以下の二輪・自転車・タンデム車を除く」
  • 原付道 : 通行止 + 「125cc以下の二輪を除く」
  • 自転車歩行者道 : 車両通行止め+「自転車・タンデム車を除く」

「自転車・タンデム車」は普通自転車と特定原付、そして普通自転車に該当しない自転車のうちタンデム車となる。

2010年にタンデム車の走行を認めてから、タンデム車の表記を加えたっぽい。

自転車道を走行できて普通自転車に当てはまらない自転車としては、

タンデム車と幅60cm超のマウンテンバイクがだいたいだと思うが、

このうちタンデム車の方はカバーしている形である。


有料道路を例に出したものの、それ以外でもこういう問題は多々あるんじゃないか。

どういう形になるんだろうな。

自転車道ができれば一番うれしいが、現実には難しいだろう。

下関北九州道路の気になるところ

本州・九州の間を隔てる関門海峡を渡る道路はすでに2つある。

関門国道トンネルと関門橋、どちらも早鞆の瀬戸を通っている。

この2つはお互いの通行止めのときに補完し合う関係にはあるものの、

ルートはほぼ同じだし、関門国道トンネルは1958年開通と古く、片側1車線である。

関門橋が通行止めになると関門国道トンネル周辺は大渋滞となる。

そんなこともあって別ルートで関門海峡を渡る道路構想があり、それが「下関北九州道路」である。

「下関北九州道路」つり橋方式に…国土交通省がルート素案、山口県と北九州市が住民に提示へ (読売新聞)


下関北九州道路の特徴は下関・小倉の市街地の近くを結ぶことである。

早鞆の瀬戸は関門海峡が最も狭くなるところという点で合理性はあるが、

特に小倉からするとぐるっと回り込む形で遠回りである。

広域移動は従来通り関門橋がメインルートになっていて、

現在は主に関門国道トンネルを使っているローカルな移動を分担することが想定されている。

周辺に断層が走っているため架橋により両岸を渡ることになっていて、

このルートは2011年まで存在した関門海峡フェリーのルートに近い。


ただ、この構想について地元の反応は意外にも冷ややかなようだ。

九州側は北九州都市高速に直結する構想である。

現在、北九州都市高速では環状化が進められており、環状ルート上に接続される形になる。

こちらはよいのだが、問題は本州側である。

こちらは彦島という下関市街と少し隔てられた島から架橋されることになる。

彦島は人口25000人ほどと多くの人が住んでいて、大きな工場もいくつかある。

本州~彦島のメインルートの関彦橋は渋滞がひどかったため、

彦島道路(2005年まで有料道路)が存在し、下関北九州道路もそちらに接続する想定だが、

片側1車線のためか、こちらも現状でも渋滞が起きている状況である。

また、関門橋や関門国道トンネルの代替を考えると高速道路や国道2号線との接続が気になるが、

あまり接続がよくなくて、現状でも渋滞を起こしている地点が多々ある。


架橋自体は2km強ということで、そこまで長い感じはしないし、

前後では彦島道路と北九州都市高速という既存の道路を活用できることから、

割と効率が良さそうな気もするのだが、その彦島道路が課題の1つなんですね。

下関北九州道路の事業主体が誰になるかはまだ明らかではない。

ただ、有料道路事業が活用されることはほぼ間違いないところである。

有料道路となれば関門国道トンネルと関門橋の料金を意識せざるを得ないが、

関門国道トンネルは普通車160円、関門橋区間(下関~門司)の高速道路はETCの基本料金が420円である。

いくら、小倉~下関をショートカットできるとはいえどこまで徴収できるものか。


高速道路各社では高速道路料金をターミナルチャージ150円、1kmあたり24.6円を基本に統一している。

架橋部や長大トンネルは割高な料金を徴収していることもあり、

関門橋はかつては割高な料金があったがETC車では基本料率まで下げられている。

本州四国連絡橋などは基本料率とはいかないが108.1円/kmまで下げられた。

下関北九州道路は総延長およそ8km、架橋部が2.5kmほどとして、

全区間が基本料率だと380円、架橋部に割高な料率を適用すると610円ほど。

高速道路と同じ料金体系になるとは限らないが、これぐらいのレンジである。

基本料率だとしても関門国道トンネルの倍以上で、それでいいのかという話はあると思う。


採算性というところは必ずしも気にしなくていいと思う。

なぜならば最近の有料道路は合併施行方式として公共事業と有料道路事業を組み合わせてやることが多いから。

国の公共事業なのか、県・市の公共事業なのかは明らかではないし、

有料道路事業の主体もNEXCOなのか、都市高速なのか、県の有料道路なのか明らかではないが、

有料道路事業として採算が取れる形で税金が投入されることになるはず。

事業の加速という点では有料道路事業の割合が高い方がいいでしょうけど、

上に書いたような事情もあるのであまり高い料金が設定できない。

すると公共事業の割合が高くならざるを得ないのかなとは思う。


事業費2900~3500億円とはいうけど、彦島道路など周辺道路の改良も含めればもっとかかるだろう。

有料道路事業でまかなう部分もあるけど、どうしても税金の投入が多くならざるを得ない。

もちろん関門国道トンネルの老朽化という大きな課題がある中で、

多額の税金を投じてでもやるべきという考えは成り立つのだが、

結局は彦島周辺の渋滞により使い物にならないとなっては困るわけで、果たしてどうするか。


そんなわけでまだほとんど具体化していない構想ではあるのだが、

面白そうな話としては自転車歩行者道を併設してはという提案がある。

関門国道トンネルの人道は歩行者の通行と自転車・原付の押し歩きに対応しているが、

どちらかというとしまなみ海道のイメージで言っているらしい。

生活道路としての意義もないとは言えないところではある。船もなくなったし。

ただ、関門海峡の架橋なのでかなり高いところを通るはずで、実用性はどんなもんかというのはあるが。

でもうまくいけば自転車・原付でも走って本州・九州間を往来できるし、

徒歩でも眺望という点ではかなりいいだろうなと思う。

そこまでする意味があるのかはよくわからないけど。

ETC専用料金所をヤクザが使う方法

朝からイトーヨーカドーでクーポン使って調味料とおにぎりを購入。

帰宅して、荷物に買ったおにぎりを入れて、家を出て東京駅へ。

いつものように東名ハイウェイバスに乗って名古屋へ向かった。

この路線ではかなり久しぶりの夜行仕様の3列車だった。

別に昼行バスで3列である必要はないと思うんだが……実態としては夜行バスの回送ですけどね。


最近は高速道路で元々現金も使えていた出入口がETC専用になることが増えている。

東京駅発着の東名ハイウェイバスが利用する霞が関入口もそうだよね。

都市高速は現金での利用が不利な料金制度なのでETCなしは元々不便だが、

出入口ともに料金所がある一般的な高速道路ではETCなしでも、条件次第ではさほど悪くないのだが、

料金所のETC専用化というのは郊外の高速道路でも導入されつつある。


そんな中で物議を醸した話がこれ。

高速6社「暴力団員もETC使わず走行可に」 憲法違反の訴えに反論 (朝日新聞デジタル)

一般的にETCの利用にはクレジットカードが必要だが、

何らかの事情でクレジットカードが作れない場合でも担保を差し入れてETCパーソナルカードを作ることができる。

ところが暴力団員となるとその手段すらないので、そんな状況で料金所のETC専用化が進んだら、

実質的にヤクザは高速道路が使えないということになりかねないという話である。

このことについての高速道路各社の主張はこの通りだという。

誤進入車を誘導するサポートレーンを使えば、パソカのない暴力団員でもETC専用の出入り口を通れる


今のところサポートレーンには従来使っていた通行券発行機や料金収受機が残っていることもあるが、

今後はそういうのもなくなると思われるので、後払いということになる。

ETCレーンに誤進入してしまった場合、インターホンで指示を受けて通してもらうことになるが、

料金の支払いができていないので、後で料金所事務所などで支払い手続きをすることになる。

サポートレーンもそれと同じで後で料金所事務所に行ったり、振込などで払うという形になる。


果たしてヤクザがサポートレーンで後払いにした料金を払いに来るのか?

という疑問はあるが、そこで警察に捕まっては面倒なのでそこは払うのでは?

ただ、この仕組みは高速道路会社にとっても事務負担が重いんですよね。

ナンバープレートなどで自動判別して、請求書を送るような仕組みも検討されているようだが、

まだ決定的な方法がないということで、料金所のETC専用化はゆっくり進められているのが実情である。


別にヤクザだけが理由ではないんですけどね。

でも、そういう使い方も高速道路の正しい使い方であると高速道路会社が言っていることは大きいですよね。

果たしてどうなることやら。

神戸高速線にバリアフリー料金

明日からしばらく出かけるので冷蔵庫の中身を調整しながら料理。

缶詰とか冷凍食品で調整する部分もありつつなんとかなんとか。


神戸高速線の運賃に鉄道駅バリアフリー料金が加算されるようになるらしい。

【当社・阪急電鉄(株)・神戸電鉄(株)】鉄道駅バリアフリー料金制度を活用することで神戸高速線各駅へのホームドア等の整備を推進します (阪神電気鉄道)

阪神三宮~西代、阪急三宮~新開地、湊川~新開地で適用される運賃表に10円加算するというもの。

この区間は歴史的経緯から阪神・阪急・神鉄が共同の運賃表を適用している。

湊川~阪急三宮の場合、神鉄と阪急にまたがる利用だが、まとめて130円である。

このような神戸高速線区間のみの運賃は比較的安いし、会社の境界を意識しなくてよい。

しかし、神戸高速線は境界駅を貫通して運転する列車が大半であり、神戸高速線の運賃だけで利用する人は少ない。


すでに神戸高速線と直通運転する阪神・阪急・神鉄・山陽の各社は鉄道駅バリアフリー料金を導入している。

そんな中で神戸高速線の運賃表にも10円の加算が導入されるわけである。

例えば、御影~高速神戸の利用は御影~三宮を阪神の運賃表、三宮~高速神戸を神戸高速の運賃表に当てはめる。

しかし、制度上は全区間が阪神電鉄の営業区間である。

そこで御影~三宮で10円、三宮~高速神戸で10円だと、阪神だけで20円のバリアフリー料金が徴収されることになる。

そういうのって許されるものなのかなと思ってしまう。


これに似たようなケースとして京成電鉄の鉄道駅バリアフリー料金がある。

京成電鉄は千原線・それ以外の京成電鉄線・成田空港線と3つの運賃体系を持っている。

千原線は1998年に合併するまで千葉急行電鉄という別会社であったこと。

成田空港線は北総線との共用区間があり運賃体系を合わせる必要があったため。

2025年に新京成電鉄を合併することが決まっているが運賃体系は維持する方針のため、新京成線の運賃体系も加わることになりそう。

京成の5枚目の運賃表

で、鉄道駅バリアフリー料金については成田空港線以外が対象である。

(成田空港線は北総線と歩調を合わせる必要があるため対象外)

千原線とそれ以外の運賃表にそれぞれ10円加算ということなのだが、

千原線の利用者の多くは千葉中央駅をまたいで利用すると考えられる。

これはどうなるのかというと、普通運賃はあわせて10円、定期券は両方で1ヶ月600円ずつ加算となっているよう。

鉄道駅バリアフリー料金について (京成電鉄)

定期券で1ヶ月1200円加算ってのはわりと重いな。60回×20円ですか。

なぜ普通運賃と定期運賃で方針が分かれたのかはよくわからないけど。


あと、これは同じ会社で2回徴収されるというので話題になっていたのが、

JR常磐線とJR他線を東京メトロ千代田線の綾瀬~西日暮里を経由して乗り継ぐ場合。

階段歩ければ高くはならないし

金町・亀有など常磐線各停のみの停車駅から山手線などに乗り継ぐ場合、

北千住駅で快速に乗り換えて日暮里・上野で乗り継げばJRだけで済むが、

いろいろ手間がかかるので直通運転をしている千代田線の西日暮里駅での乗換も使われる。

このような利用には一定の配慮があり、東京メトロは割安な運賃を設定、

JRは東京メトロ区間の前後のJRの距離を通算して運賃を計算する通過連絡運輸を行っている。

JR東日本(電車特定区間)と東京メトロはともにバリアフリー料金を導入。

田端~西日暮里~亀有のきっぷを買うと両社のバリアフリー料金が加算され+20円となる。


これも問題だが、さらに問題視されているのはICカード利用時である。

ICカード利用時はシステム上の都合か前後の距離を通算するのではなく、

バラバラに分けた運賃から100円引く方法で代替していた。

この場合、田端~西日暮里、西日暮里~北千住、北千住~亀有と分けた3区間、

すべてに10円加算され、計30円の加算になってしまうのである。

意図してこうしたわけではないが、結果としてJRだけで20円加算になっている。

紙のきっぷを買えばこの問題はないが、今どき流行らないし、それが安いとも単純には言えない。


神戸高速線は実態としてすでにバリアフリー料金を導入している会社とのまたぎ利用が多いので、

実態としては1乗車20円とか30円になってしまう点は問題に思える。

ただ、神戸高速線ってそれ自体の運賃は安いんですよね。

そこに10円加算しても、それ自体は十分に納得感があるように思える。

会社またぎでの利用も一概に割高とは言えないところはあるが、

神戸市内完結でありながら境界駅をまたぐような利用は全体的に不利である。

こういう利用の乗継割引が手厚ければよいが、だいぶ手薄なんですよね。

そんな中で鉄道駅バリアフリー料金がのしかかるのは残念だよねと思う。

乗継割引さえ手厚ければそこまでのことは言いませんが。

歩行者になれる電動アシスト自転車

押し歩きもアシストが働く電動アシスト自転車があるというのを見た。

ギュット・アニーズ・DX・押し歩き (Panasonic)

自転車で走行中、歩道橋のスロープなどで押し歩きが必要になる場所がある。

この電動アシスト自転車は幼児を乗車させて使うことが想定されているが、

そうするとけっこう重いので、非力な人には大変というのは想像できる。

元々電動アシスト自転車なので、押し歩きのときもアシストすることは可能だが、

そのためには法令上の要件がいくつかある。


電動アシスト自転車は動力があるが、条件を満たすことで自転車として扱われる。

さらに言えば、普通自転車の枠内で作られているので、歩道走行が認められている場合に歩道を走行でき、

そうでなくても押し歩きにより歩行者として歩道を利用することはできる。

では、押し歩きのときに動力を使うとどうなるか?

これは歩行補助車等に該当するはずである。


「歩行補助車等」ってなんやねんという感じもするが、

歩行者扱いされる車で、身近なもので言えばキャリーバッグもそうなんですよね。

基本的には人力で動かす荷車は軽車両となり、車道を走行することとなる。

ただ、その中でも小型のものは歩行補助車等の枠組みに入る可能性がある。

道路交通法施行令では歩行補助車等について、「歩行補助車、乳母車及びショッピング・カート」と、

長さ190cm・幅60cm以内で、通行させる者が乗車できない車を指すという。

長さ190cm・幅60cmというのは普通自転車のサイズ規定と同じである。

すなわち、サドルを外した普通自転車を歩行補助車等にすることができる。

これだけならば特にメリットはなさそうだが。


実は歩行補助車等には電動のものも認められている。

文字通りの歩行補助車の中には電動のものがあり、それをつかみながら歩くことで歩くのを補助してくれると。

電動の歩行補助車の規定としては、時速6km以下で、通行させている者が車から離れたら停止すること、

そして「歩行補助車、乳母車及びショッピング・カート」では長さ120cm・幅70cm・高さ120cm以内であること。

後で紹介するがサイズ・速度制限は「身体障害者用の車」の基準と同じである。

それ以外の歩行補助車等は長さ190cm・幅60cm以内で、通行させる者が乗車できないこと。


冒頭に紹介した電動アシスト自転車では、サドルを引き上げて、運転者が乗車できなくする。

こうするとこの車は普通自転車から歩行補助車等に形態が変わる。

そして、押し歩きスイッチを押し続けると、その間は電動で動くこととなる。

人間が押し歩きするのが前提なので出せるスピードは当然限られるが、時速6kmを超えることはない。


サイズ要件を満たせば電動台車も歩行補助車等に該当するということで、

世の中にはそういうものも存在するようだ。

実態としても普通自転車サイズであれば、押し歩きの自転車と同じわけで、

その範囲内で手を離せばすぐに止まる電動台車というのはあってもよい。

「歩行補助車、乳母車及びショッピング・カート」の基準だと幅が若干広いが、

押し歩きをする人が横に付く自転車よりは実態としての幅は狭いか。


ちなみに道路交通法上の歩行者は下記のものが含まれる。

  • 移動用小型車
  • 身体障害者用の車
  • 遠隔操作型小型車
  • 小児用の車
  • 歩行補助車等を通行させている者
  • 大型自動二輪車, 普通自動二輪車, 2輪の一般原付, 特定小型原付, 2輪・3輪の自転車, 普通自転車サイズの4輪以上の自転車 の押し歩き(側車付き・他の車を牽引している場合を除く)

身体障害者用の車というのは、動力によらず車いすがそうなんですよね。

手で動力を得る車というのは基本的には自転車なんだけど、身体障害者用の車は歩行者扱いになると。

さらには電動車いす、そしてシニアカーもここに含まれることとなる。

電動の場合は長さ120cm・幅70cm・高さ120cm以内で時速6km/h以下となっている。

移動用小型車というのも電動の身体障害者用の車と基準は同じである。

おおよそ身体障害者用の車とは思えない立ち乗りの車が該当するようだ。

C+walk T (トヨタ自動車)

遠隔操作型小型車は自動配送ロボットなどでこんなやつである。

ロボットが公道を走行できるように 4月1日から 交通ルールは歩行者同様 (ITmedia)

これもサイズ・速度制限は電動の身体障害者用の車と同じである。

小児用の車は明確ではないが、昔はベビーカーもここの含まれていたらしい。

現在は歩行補助車等の1つとして例示されており、その中で電動ベビーカーを作れる。

それでも残る小児用の車って自転車そのものでは? (三輪車も自転車に含まれる)

と思うのだが、こういう規定があって歩行者扱いされるらしい。

最後に書いた押し歩きルールは3輪の一般原付が除外されていて、

3輪の一般原付を押し歩きすると軽車両として車道を押していくしかない。

トレーラーの付いた自転車に車道の押し歩きが求められるのは仕方ないけど……

実は歩道の自転車通行指定部分だった

先日、自転車の走行空間の話をしたとき、こんな疑問を書いた。

新しい方の道路は自転車道がかなり連続して設けられている。

一部は歩道に線を引いて区切っているので、自転車道ではなく、歩道の自転車走行にあたるかもしれないが……

それも含めて自転車の走行区間と歩行者の歩行空間は概ね分離出来ていると言える。

(自転車の走行空間いろいろ)

これ書いたときにちょっと変だなと思ったのだが、どうも自転車道ではなかったらしい。


というのも、生垣などで区切られた自転車道があると思っていた区間に、

自転車歩道通行可の標識が付いているところがあったのである。

自転車道標識がないとは思っていたのだが、自転車歩道通行可? と思ってしまうが、

あえてこの標識を付けるということは、生垣で区切られた部分は歩道の自転車通行指定部分にあたることを示している。

一般的には歩道に線を引いて自転車通行指定部分を示すが、生垣や柵などで区切って表示することは可能である。

この道路では主な部分は生垣で区切るが、交差点・施設出入口・バス停付近は線で区切るという形態を取っている。

歩道の自転車通行が認められるのは普通自転車のみである。

特定原付と普通自転車以外の自転車は走行できないということになる。


全体が歩道ということでは「生垣で区切られた自転車道を走るシニアカー」も完全な違反とまでは言えない。

もっとも道路交通法では「普通自転車通行指定部分をできるだけ避けて通行するように努めなければならない」とあり、

シニアカー(歩行者)が自転車通行指定部分を走行するのは好ましくないのは言うまでもない。


逆に自転車に対してはこのような規定が設けられている。

普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。

基本的に歩道が自転車を走行する場合は車道寄りを徐行することになっている。

自転車通行指定部分がある場合は、必ず指定部分を走行しなければならないが、

そこに歩行者がいない場合は徐行は求められず、安全な速度で走行できるとある。

生垣で区切られたような自転車通行指定部分であれば、歩行者との交錯はおおよそ考えられず、

その場合は特に徐行は求められず、自転車道同様に走行できると考えてよさそうだ。


歩道の自転車通行指定部分に該当するか、自転車道に該当するかは、標識で判断するしかない。

東京都自転車走行空間整備推進計画(pdf) (東京都)

自転車走行空間の整備手法として下記の記載がある。

  1. 自転車道
  2. 自転車レーン(普通自転車専用通行帯)
  3. 自転車歩行者道の構造的分離(自転車道)
  4. 自転車歩行者道の視覚的分離
  5. 自転車歩行者専用道路
  6. 自転車専用道路

今回言っているのはこの3.のパターンである。

「自転車歩行者道」というのは道路整備の観点の話で、道路交通法の適用は別である。

で、ここにはこのような注釈が付けられている。

植樹帯等により構造的に分離し、切下げ部なども縁石等で区画したものをここでは自転車道と呼んでいる。なお、道路交通法第2条第1項第3号の3に規定する自転車道とするには、交通管理者との協議が必要である。

歩道の自転車通行指定部分とするか、自転車道とするかは警察(=交通管理者)との協議で決定されるということになる。

歩道の自転車通行指定部分とする場合は「自転車歩道通行可」の標識を、

自転車道とする場合は「自転車道」の標識を付けるという運用になっていると。


さっきの整備手法の1.で書かれている自転車道というのは、

車道の一部を柵で区切って自転車道にするような方法を想定している。

ただ、このような自転車道を作るのは実務的に難しい面が多々ある。

デメリットとして「車道での荷卸等が困難になる。 」とあるが、

車両の駐停車との相性が悪く、バス停では車道と自転車道の間に島を作る対応が必要になる。

交差点付近で歩行者・自動車との分離を図るというのも至難の業である。

これらの問題を乗り越えて自転車道とするメリットはあるのだけど……


現実的には「自転車歩行者道の構造的分離」なのかなという気はした。

歩道の幅に余裕がある道路であれば、その一部を自転車用に捻出するのはやりやすい。

可能な部分では生垣や柵で区切っておけば、自動車・歩行者との分離は問題ない。

交差点・バス停付近は歩行者と錯綜するが、そこは注意して走行してもらう。

バス停については、車道の停車帯を削って、車道側に張り出した形にすることが多く、

こうすればバス停を利用する歩行者と自転車の交錯を緩和することはできる。


自転車道や自転車専用通行帯に比べて見劣りするような気はするけど、

結局は交差点付近は右左折レーンとの関係で打ち切りになってしまったり、

バス停付近の自転車道整備が難しかったり、駐停車車両に自転車専用通行帯をつぶされたり。

結局は他の手法もうまくいかない部分なんですよね。

歩道の中で歩行者との交錯を許容するのは、現実的な解ではないかなと思う。

これを自転車道とするか歩道の自転車通行指定部分とするかは警察の判断だが、

歩行者との交錯が起きると考えれば、普通自転車に限る方がよい可能性がある。

とすれば、歩道の自転車通行指定部分が最適という判断はあると思った。


ところで基本的には自転車道・歩道の自転車走行というのは、

一般的には車道左側に限らず、右側を走行することも認められている。

なので、自転車道や歩道の自転車通行指定部分は行き違いを想定した幅が必要である。

が、行き違いを想定した幅を取らずに一方通行に制限するという方法もある。

それが「特定小型原動機付自転車・自転車一方通行」という標識である。

見たこと無いけど、これを取り付ける場所としては下記の通り規定されている。

一定の方向にする特定小型原動機付自転車及び自転車の通行を禁止する歩道又は自転車道の区間の入口及び歩道又は自転車道の区間内の必要な地点における路端

左右に自転車道がある道路で、この標識を左側通行の向きに付けると、右側の自転車道を利用が禁止される。

歩道に付けることも出来て、左側通行の向きに付けると、右側の歩道を自転車で走行することが禁止される。

あくまでも幅に余裕がない場合の策という位置づけではあるのだが、

自転車道・歩道でも自転車は左側通行が基本ではないかと思うので、

両側とも安全に走行できるならもっと適用箇所が増えてもいいんじゃないかと思う。