ホーム柵対応で車番を上に書くか

最近気づいたことがあって、それは駅の可動式ホーム柵対応にあわせて、

車両番号を車体上部に書き直すのは必ずしも一般的ではないということ。


これ、地域によってピンと来る人とそうでない人がいるかも。

大阪市営地下鉄(現OsakaMetro)今里筋線は開通時からホーム柵が導入され、

それに伴って導入された新車は車両番号が窓上に書かれていた。

従来は窓の下に番号を書いていたのでちょっと異様な見た目だけど、

これは柵で番号が隠れてしまうのを防ぐという明確な理由があった。

以後、大阪市→OsakaMetroでは各線に可動式ホーム柵の導入を進めていく。

御堂筋線天王寺駅(2015年)など車両側の改造なしで導入した駅もあったが、

停止位置を手で細かく合わせるのを何駅もやるのはとても大変ということか、

全駅導入にあたっては停止位置を制御できるように車両を改造している。

このとき改造された車両も車両番号を窓上に移している。


ただ、ここまでくっきりしてるのはOsakaMetroぐらいかもしれない。

東京メトロでは副都心線開業時の新車からは窓の横に車番を書くようにしている。

それ以前の車両にはわりと近年になって窓横に車番が貼り足されているそう。

ところで東京メトロでは南北線でフルスクリーンタイプのホームドアを導入している。

こうなるとどこに書いても見えないので同じという考えだったと思うのだが、

実は直通先の埼玉高速鉄道では可動式ホーム柵が導入されているので、

ここでは意味があるということで近年は窓横に車番が貼り足されているそう。

ただ、その埼玉高速鉄道の車両は窓の下に車番が書いてあるんですよね。

開通当時からホーム柵があるが、車番を上に書くという発想がなかったか。


新車からというのは1つの考えとしてあって、

京都市も烏丸線の一部駅でホーム柵を導入したが、それ以降に導入された新車は窓上に番号を書いている。

烏丸線は車両改造なしで導入したので付替のタイミングがないのはあるけど。

直近で予定がなくてもとりあえず上に書いておけばよいという考えはあり、

ドア位置が揃う見込みが全く立たない近鉄も新車の8A系は連結部の上に番号を書いてあるよう。

(あべの橋駅と阪神三宮駅ではロープ式のホーム柵があるが、車番が隠れることはない)

一方で近鉄けいはんな線の車両はOsakaMetro中央線のホーム柵導入に合わせて改造されているが、

この改造を経ても車番は窓下にしか書かれていないそう。そこはやらんのかい。


対照的にJR各社はホーム柵導入路線の新車でも窓下に番号を書いている。

現在の山手線の車両はホーム柵導入後に入った車両だし、

大阪環状線の323系はホーム柵導入に向けてドア位置を揃えることを目的とした新車である。

それならホーム柵に隠れない場所に番号を書いておけばよさそうだが、そうはしていない。

特に不要という判断なのだろうか。

大手の私鉄では京阪と名鉄が直近の新車でも車番を窓下に書いているよう。

(南海は子会社で今年4月合併予定の泉北線用の新車で窓上に書いたものがある)

名鉄はともかく、京阪は京橋駅などにホーム柵を付けているのだが、それでも上には書いてないみたいね。


OsakaMetroの感覚では窓上に車番が書いてあるのがホーム柵対応の印とおもってたが、

世間的には必ずしもそうとは言えないということである。

もちろん車両側の改造なしにホーム柵を導入している駅もあるので、

こうすると車番を上に動かしているとは限らないのはあるでしょうけど、

JRの例を見てもわかるようにそんなの関係ないという会社もある。

そういうもんらしい。

織り込み区間との戦い

Cities:Skylines IIで渋滞を実感する最たるものが救急車待ちマークが並ぶことで、

渋滞で現場にたどり着けない救急車が何台もいるという状況である。

当然これでは都市機能の維持に問題があるわけで、渋滞対策をやるわけだが、

ものすごく手を焼いた交差点があって、渋滞が全くなくなったわけではないが、

とりあえずこれぐらい流れていればなんとかなるんじゃないかというところまで来た。


高速道路のインターチェンジ近くに病院・消防署・火葬場・郵便仕分施設と並べたエリアがある。

高速道路が使えれば広域のニーズに応えられるという発想である。

高速道路に接続する幹線道路(高速道路・細い歩道(側道)・高架の地下鉄を並べたもの)は、

右折による混雑を避けるために中央帯を挟んでの往来はできないのだが、

これらの公共施設から出る車両は往来できないと困るので、高架の歩道を通している。

歩道という名前だが、バスなどの公共車両は通行できるためである。

一般車は幹線道路中に設けられたUターン路で対応することになる。


まず問題となったのは高架の歩道との出入りで右折が発生して混雑すること。

そこまで通行量は多くないからいけると思っていたが、なかなかそうもいかない。

というわけで高架の歩道の代わりに高架の車道を作り、

できるだけ右折無しで済むよう幹線道路とのインターチェンジを作ることにした。

最初は不完全クローバー型にしてみたが、これだと高架の両側で右折が発生する。

主要なルートは右折にならないようにしたつもりだったが、少しでも右折車がいると大変みたい。

このゲームは本当に右折に弱いな。


それで追加のルートを足そうとしたが、高速道路のインターチェンジが近いことが障壁となった。

インターチェンジが連続すると合流・分岐が近接してスムーズに走れないだろうと。

案の定、車線変更の車両で交錯して大変なことになってしまった。

それでも右折が多かった頃に比べれば多少はマシだったが……

現実世界なら右折の方がマシな気がするけど。


短い距離で合流・分岐が連続する区間は織り込み区間と呼ばれ、渋滞の原因になりやすい。

合流して直進する車両は右に車線変更し、本線から分岐する車両は左に車線変更する。

ある程度距離があれば問題ないのだが、短い距離でこの交錯が発生すると車がスムーズに流れなくなる。

インターチェンジが短い距離で連続すると発生しがちな問題である。

特にスペースに制約が大きい都市高速では避けられないが、信号待ちよりはマシと考えるしかない。


東名高速道路と圏央道を結ぶ海老名JCTは織り込み区間の対策で特徴的な構造をとっている。

相模川を挟んだ対岸には厚木ICが存在するため、何も考えずにJCTを作ると、

厚木IC合流→海老名JCT分岐あるいは、海老名JCT合流→厚木IC分岐が連続してしまう。

まさに織り込み区間になってしまうので、対策として集散路を作った。

本線から海老名JCTへの分岐を厚木ICの分岐と同じところでやってしまい、

厚木IC→圏央道と走る車が合流して、本線と並行して相模川を渡る。

そして川を渡ったら圏央道に合流するという形である。

逆も圏央道→名古屋方面の車は相模川を本線と並行した別の橋で渡り、

厚木ICで出る車が分岐して、厚木ICからの車が合流してから本線に合流する。


無対策の場合は 分岐→合流→分岐→合流となってしまうところ、

集散路を作ること本線にとっては 分岐→合流→合流 という形になる。

これにより本線の渋滞を回避しようとしたわけである。

それでさえひどい混雑だが、これは圏央道八王子方面との車両が海老名JCTに集中するためで、

将来的には新東名と接続する海老名南JCTが名古屋方面との往来の主流になる。

新東名の伊勢原JCT~海老名南JCTだけ神奈川県内の他区間に先だって開通したのも、

東名名古屋方面~伊勢原JCT~海老名南JCT~圏央道と走ることで海老名JCTの混雑が多少軽減できるとみたためである。


当初は高速道路とのインターチェンジを含めて 合流→分岐→合流→分岐→合流→分岐→合流 となるケースもあった。

さすがにこれではスムーズに流れるわけはない。

接続点同士が近接していると対策もままならないので、本線との接続点を集約する。

これにより本線と並行する集散路のようなものができることもあった。

さっきの例で言えば、後ろの3回合流を1回の合流にできた。

合流→分岐→分岐→分岐→合流 でも多少よくはなったが、

高速道路のインターチェンジでの合流と、その次の分岐が近接するのが厳しい。


というわけで高速道路のインターチェンジ内に分岐点を動かすことに。

合流する前に分岐を加えるのである。地下を駆使してなんとか。

これで 分岐→合流→合流 となり織り込み区間は解消した。

反対側は 分岐→合流→合流→分岐 のまま残っているが、

合流点を遠ざける対策もできたので、こちらはなんとかなっているよう。

インターチェンジ周辺の交差点の渋滞が伸びたり、流れが悪い点もあるが、

本線が詰まってありとあらゆる車両が身動きがとれない状況は打開できたかな。


あと場当たり的な解決ではあるが車線数を増やすのも効く。

その分余裕を持って車線変更できるためである。

これも神奈川県内の東名高速道路の話になるのだけど、

基本的に片側3車線の道路だが、付加車線を付けて4車線になっている区間がある。

特に海老名JCT→横浜町田ICではかなりの区間に付加車線が付いている。

海老名JCTの合流部、綾瀬BS(スマートIC)付近、大和トンネル付近と、

渋滞しやすい場所に手当たり次第に付加車線を付けた結果、改善はしている。

渋滞の先頭が付加車線が途切れるところになっただけというのも実情だが、

それでも余裕をもって車線変更ができる効果は軽視できないものである。


人口12万人ぐらいまで来たけど、都市が広がると公共サービスの提供がだんだん大変になる。

ごみ処理ってのがけっこう大変で、なぜかというと処理施設周辺の汚染がひどいからである。

風下のほうに置けば、そこから風上への汚染の広がりは限定的だが、

それはごみ収集のために市内で大きな移動が発生するということでもある。

リサイクルセンターという大気汚染が少ない処理施設があり、

都市が広がるにつれて、リサイクルセンターを分散配置するのが定石みたいですね。

ただ、高密度住宅のゴミの排出量がえげつないらしく、

これに対応するにはかなりこまめにリサイクルセンターを置かなければならない。


そんなの無理だろというわけで、高密度住宅は全く設定していない。

10万人でもけっこう難易度高いと思いますよ。

公共サービスはことごとく道路を介して提供されるわけで、道路がダメになると容易に破滅してしまう。

そして道路は右折車と横断歩行者で容易に破滅してしまう。

横断歩行者は歩道橋を通し、幹線道路同士の交差点は立体化して右折が生じないようにして……

それでも車線変更に起因する渋滞がきついのだが、これは姑息な対策もある程度効くので。

サークリングアプローチは続く

伊丹空港と神戸空港の着陸時にサークリングアプローチが使われている話を紹介した。

ILSと目視とGPS

ILSの電波に従って着陸する方法は悪天候に強いが、片側にしか付いていない(付けられない)ことも多い。

最近は人工衛星の位置情報に従って着陸するRNPでILSが使えないパターンをカバーしていることが多いが、

伊丹空港では北側から着陸するレアケースでは必ずサークリングアプローチ、

神戸空港でも東側から着陸する場合は必ずサークリングアプローチとなる。

また、伊丹空港では南側から短い方の滑走路に着陸する場合、

ILSに従って長い方の滑走路に降下してきて、短い方に方向転換するサークリングアプローチもみられる。


で、神戸空港だが発着枠拡大に伴い、3月から離着陸経路が変更される。

従来は離着陸ともに明石海峡上空を通っていた。

離着陸の経路が重なるといろいろ制約が大きいため、淡路島上空を通る離陸経路を導入する。

新しい神戸空港の離陸ルートでは淡路島上空を3000ft以上で通過するとなっている。

淡路島の中では人口の少ない夢舞台上空を通る配慮はあるし、低騒音の小型機が多いというのはある。


これにより神戸空港の離着陸経路が分離されるわけだが、

てっきりこれで東側から着陸する場合のサークリングアプローチを使わなくなると思っていたが、

そんなことなくて今後も東側から着陸する場合はサークリングアプローチである。

AIS JAPANで3月20日からのチャートを見ると計器着陸用のものは、

ILS Z or LOC Z RWY09、ILS Z or LOC Z RWY09、RNP RWY09と、

いずれもRWY09=滑走路に東向きに着陸するものしかない。

このため風向きにより西向きからの着陸になる場合には、

これらの方法で明石海峡から空港西側に接近してからサークリングアプローチとなる。

今までとほとんど変わらないってことですね。


なんでかなと思ったのだけど、他の空港との関係で神戸空港は明石海峡上空を通って着陸するルートしか使えないので、

西向きに着陸するにも空港に近づいたところで南側にぐるっと回る以外の方法がない。

それならILSに従って接近してから、空港近くで滑走路を目視しながらぐるっと回ればよい。

これは他の空港の都合とは関係なく自由にやって問題ないわけだし。

伊丹も地形や他空港との関係から南側から出入りするしかないんですよ。


伊丹空港は短い方の滑走路へのサークリングアプローチはよくあるが、ぐるっと回るというわけではない。

本当にぐるっと回って北側から着陸するのは極めてレアケースである。

いろいろ調べたんだけどジェット機が発着するような空港で計器進入が一方向きしか設定されてないのは、

伊丹・神戸以外だと岩国と高松かね。(高松は地形の問題があるらしい)

ただ、サークリングアプローチというよりばビジュアルアプローチじゃないかな。

空港の横辺りに誘導されて、そこから目視で着陸するということである。

悪天候かつ風向きが合わなければサークリングアプローチもあるかもしれないが。

と考えると、神戸空港ほどサークリングアプローチを行う空港は日本に他にないんじゃないかと思う。

そしてそれは今後も変わらないということである。


神戸空港は今年4月から国際線チャーター便の受け入れを開始する。

神戸市内や播磨などを目的地とするツアーでの利用を期待しているんじゃないかね。

神戸空港 国際チャーター便就航の意向表明相次ぐ (NHK)

思っていたより人気っぽいが、時間帯によっては関空が忙しい中で、都合のいい時間に飛ばせる可能性があるのかも。

伊丹の国内線が忙しい時、関空の国際線が忙しい時をカバーしつつ、

神戸周辺を発着地とする需要を掘り起こしていくのが3空港の中での役目なのかな。

それ地方管理空港の役割か? と思うけど、神戸空港はそういう空港である。

作りやすい立体交差

Cities:Skyline IIは渋滞でダメになるゲームだと脅されまくって、

実際、平面での右折処理にはかなり難があるので立体交差を作るのだが、

立体交差を手で作るのはけっこう大変である。

ジャンクションのパーツもあるが、既存の高速道路に取り付けられるわけではない。


市内の幹線道路は一方通行高速道路を2つ組み合わせて作っているが、

これだと歩行者が歩けないし、電気・上水・下水が供給できない。

そこで側道として「狭い歩道」というのを作る。

歩道という名前なのだが、バス専用道路と考えた方がよくて、バスや公共車両は走れる。

一般車両も入ってくることがあり、特に沿線の建物に関わる車は使わざるを得ない。

あと路面電車の設定も可能らしい。これでは歩道とは言えませんね。

一般的なイメージに合う歩道は「舗装路」という名前ですね。

狭い歩道は道路としては一方通行の扱いになる。(歩行者は双方通行可能)

これには電気・上水・下水も通っているので、高速道路とセットで引けば途切れない。


その高速道路同士を平面交差にしてはどうしょうもないわけで、

立体交差を考えるわけだけど、結構大変である。

なぜならば道路の立体交差に加え、歩道の立体交差も考えなければならないからである。

高速道路を歩行者に横断させてはいけませんから。無謀にも高速道路を歩くのも出てきますからね。

そこでいろいろ試していたが、やりやすいのはトランペット型のジャンクションだなと。

3方向の接続ならばこれが楽で、なぜならば道路同士の立体交差が1箇所で済むからである。

平面・地下の2階層で道路の交差は処理できる。高架レベルは歩道橋だけに注力すればよい。

ただし、トランペット型は270度曲がる部分がどうしてもかさばる。

市街地に作るには不向きである。


となるとY型ジャンクションがコンパクトだが、これはランプ同士の交差も考えなければならない。

ランプ1つを地下・1つを高架とすれば作りやすくはなる。

ただ、こうするとランプ1つと歩道橋の干渉が発生するので、そこは考えなくてはならないところ。


で、もっと面倒なのが4方向の接続だが、これはやめた方がいいなと思った。

碁盤の目だと破綻するみたいな話を見たが、各方面の右折車同士の処理がダメだからである。

で、立体交差にすればよいのだが、4方向のジャンクションはどれも作るのが大変。

3方向の接続を2つに分けた方がよっぽどよいと後で気付いたけど。

市街地に4方向の立体交差を容易に作るにはどうしたものかと考えたが、

クローバー型のジャンクションを変形させたものを作ってみた。

クローバー型というと面積が大きくて渋滞が起きやすいといいことはないが、

ランプ同士の交差が発生しないので作りやすいというメリットはある。

かさばる原因はクローバーの葉っぱの部分の270度向きを変える部分である。

ここを一般道を通すようにするのである。

すなわち右折したい場合は、JCTを一旦通り過ぎて、左折・左折・左折で合流、再度JCTを通って目的地に向かうわけである。

一方通行道路との交差点は左折しか発生しないので比較的渋滞に強い。


初期にあったインターチェンジの先の十字路が最大の渋滞ポイントになっているが、

代替のインターチェンジも確保したし壊してしまおうかなと考えている。

こういうのもありがちな話なのかなと。

地上で使う運賃箱

今日・明日と東京ビッグサイトではコミックマーケット、

大変な盛況だが、往来する交通機関の混雑も激しく……

輸送力という面で言えば、りんかい線が最強ではあるけど、

東京テレポート駅を利用する台場・青海地区への客もいるわけだし。

これ以外にも都営バス(東京駅への臨時便など)や ゆりかもめ もありますが。

それに加えて東京BRT(虎ノ門・新橋駅~国際展示場駅)は大増発を行っているが、

これがわりとスムーズだと評判である。


東京BRTがコミックマーケットにあわせての増発をするようになって、

課題になっていたのが運賃収受だったそうで、今回から国際展示場駅に運賃箱を持って来て対応していたよう。

バスから一式剥がしてもってきたので、なぜか案内表示器まで付いてたようだが。

帰宅客の集中に対して、乗車前に改札を行い、そのまま全扉から乗車させると。

特に東京BRTでは連接車も持っているので、全扉から乗車できるメリットは大きい。


こういう運賃箱を地上に置いて使う事例というのは全国いろいろみられる。

イベント時ということで思い浮かぶのは三重交通の外宮前バス停である。

正月や行楽シーズンには、外宮内宮線で大増発を行うのだが、

このときには運賃箱の付いていない観光バスもやってくる。

このため地上で運賃収受しなければ対応できないのである。

逆に内宮側がどうなってるのかはあまり見たこと無いけど、どうなんだろ?

三重交通にとってみれば観光バスを動員しての多客対応というのは鈴鹿サーキットでもみられる。

白子駅から乗車する場合は降車時に払い、サーキットから乗車するときは乗車時に払う、スペースの都合を考えればそうでしょうね。

もっともこの区間のバスは増発してもひどい混雑なんですけどね。

平田町駅と歩いて往来するのも選択肢ではあるが、それですら遠い。


これとは違ったタイプが京都市バスの四条河原町でみられる。

地上に運賃箱を置いて、出口付近を区切っておいて、

バスが到着したら、そのまま降りるように呼びかける。

外国人客も多いのでプラカードのようなものも見せていた。

それで降りてきた乗客から地上で待っている係員が運賃を集めると。

この方式は京都市バスの中でも四条河原町(西行)・四条高倉(東行)でしかみられないが、

乗客の混雑というよりば車の混雑を気にしての取り組みだと思われる。

というのも四条通(烏丸~川端)は2015年に2車線化され、

バスが停車すると片側1車線をつぶしてしまうこととなる。

(実際には中央に緊急車両用にゼブラゾーンが確保されていて、そこを使って一般車が追い越す姿もよくみられるが)

従来よりバスがスムーズに発車できるようになったが、停車時間も節約が必要である。

逆に言えば四条以外は利用者の多いバス停でも地上収受はやってないんですね。


路面電車スタイルの電車では駅舎に備え付けられているのが運賃箱というのがあり、

東急世田谷線の三軒茶屋駅など(乗車時)、嵐電の四条大宮駅など(降車時)でみられる。

嵐電の場合、四条大宮でも台車に乗せて改札口に置いているみたいなのだが、

必要な駅に機動的に運んで使われているようで、日によりいろいろらしい。

こういう形で運べるというのはメリットなのだろう。

逆に世田谷線は乗車時かつ駅固定なんだし、一般的な鉄道駅用の改札機でいいんじゃない? という気がしますけど。

現金だと直接運賃箱に投げ込むので、きっぷ売場がいらないのはメリットだが。


で、思い出したんだけど、東京BRTって完全キャッシュレスバスの実証運行路線なんですよね。

ICカード利用者の多い東京でかつ新設路線とあってほぼICカードでの利用なので、

これで問題ないということで国土交通省のリストに掲載されている。

これならもはや鉄道用のICカード線用改札機でもよいのでは?

そんなのバス会社が運用できないよというのが正直なところだろうが。

でも、将来的にはそんな話もあるかもしれない。

特にBRTというからには鉄道駅のように集約されたバス停も想定しているだろうから、

利用者の多くが集中する新橋とか、住民の利用が多く見込まれるHARUMI FLAGとかあるかもしれない。

エキスポライナーの停車駅

来年の夢洲での国際博覧会へのアクセス手段として、新大阪~桜島の臨時列車が走るという話はかねてから言われていたが、

先日、その具体的なところが発表されていた。

2025年春のダイヤ改正について (JR西日本)

京阪神地区のところに掲載されているが「エキスポライナー」という列車で、

新大阪→桜島で14本、桜島→新大阪で12本、概ね1時間間隔である。


この列車は主に新幹線との乗り継ぎを意図しているので、

これに合わせて新幹線を取って乗るというのが一般的な使い方になるのかなと。

車両は環状線と同じ車両を使うみたいですね。

途中停車駅は 大阪(地下)・ユニバーサルシティ となっている。

うめきた地下ホームを経由する はるか号のルートを使うわけで、大阪駅が地下ホーム停車なのは当然だけど、

西九条は通過なんだなと意外に思って調べると、ちゃんと理由があった。


昔のニュースリリースに西九条駅の配線や はるかルートを描いた絵があった。

JRゆめ咲線(桜島線)の輸送力強化・混雑緩和 (JR西日本)

「改良内容の詳細」というところに西九条駅の構造が書かれている。

新大阪方面と往来する列車は西九条駅まで環状線とは別の単線の線路を走る。

現在はうめきた地下ホームの少し先で単線になっている。

地上に出て福島駅付近では踏切も見られるが、大半は環状線の高架に並んで走っている。


で、西九条駅の手前で はるか・くろしお は環状線に合流するわけである。

西九条駅は3本の線路に2つのホームがあり、間を挟む線路に西九条~桜島のシャトル電車が入ると乗り継ぎに便利である。

ところが、従来の構造ではこの中央の線路を通らないと 新大阪→天王寺方面の往来ができなかった。

これは不便なので改良工事により中央の線路を通らずに済むようになったと。

で、この配線図を見るとわかるのだけど、ホームのない2本の線路(1#,2#)があって、

これを通ると西九条駅のホームを通らずに桜島線に行けるわけである。

このルートは安治川口駅を発着する貨物列車が使っているもので、

どうもエキスポライナーはこのルートを通って新大阪~桜島を運行するようである。


エキスポライナーというけど、ユニバーサルシティにも停車するわけで、

USJ目当てでエキスポライナーを使う人も多いんじゃないという指摘があったが、

実のところ、これまでもたびたびこのルートでの臨時列車は運行されている。

うめきた地下ホームがなかった時代は、新大阪~ユニバーサルシティはノンストップだった。

ここまでまとまった本数が設定されるのは万博だからこそだけど。


今後、夢洲では統合リゾート(IR)の開発が行われることが決まっている。

夢洲への主ルートは中央線だろうけど、桜島駅からのバスも使われるだろう。

新大阪~桜島の直通列車はIR開業後こそ期待されるわけだけど、

現状は はるか・くろしお との兼ね合いもあり1時間1本程度が限度である。

うめきた~西九条のおよそ3kmの単線区間が最大の課題である。


ただ、この状況が打開される見込みもあって、それが なにわ筋線である。

2031年開業に向け、大阪市内で工事を進めているところである。

うめきた地下ホーム と JR難波駅・南海新今宮駅を結ぶルートとなっている。

JRにとっては大和路線のJR難波~天王寺を組み合わせることで、新大阪~天王寺~関空・和歌山方面を結ぶ予定である。

なにわ筋線の開業後、少なくとも はるか・くろしお はこちらに移行するはずである。

おそらく関空・紀州路快速も なにわ筋線経由での運行になるのではないか。

こうすると、うめきた~西九条の線路が空くので、新大阪~桜島の直通列車を増やせるのではないかと。

なにわ筋線開業後はうめきた地下ホームでの折り返しはやりにくくなるだろうから、

現在はうめきた発着の おおさか東線 が桜島発着になると収まりがよさそうである。

明言はされていないのだが、可能性はそれなりにあるように思う。


ただ、そうして本数が増えてくると西九条通過というのは混乱の元である。

先ほどの配線図を見てもわかるのだが、西九条駅のホームを通って直通も可能ではある。

本格運行のときには 新大阪・大阪(地下)・西九条・安治川口・ユニバーサルシティ・桜島と、

現在の西九条~桜島のシャトル電車の役割を代替出来るような停車駅にしそうではないか。


なにわ筋線開業後のうめきた地下ホームが忙しすぎるという説はあって、

この都合で南海のラピートもJR新大阪発着になるとされている。

なにわ筋線は 西本町~うめきた でJR・南海が共同運行になることが決まっている。

うめきた~新大阪の線路とはつながっているが、これはJRの線路である。

ただ、南海からやってきた列車がすべてうめきたで折り返すのは厳しそうで、

それなら南海もJR新大阪発着にしてはどうですかとなったのではないか。

これとは別に阪急がなにわ筋線に接続して十三・新大阪を結ぶルートを計画しており、

なにわ筋線と同時開業を目論んでいるというが、さすがにそれは厳しいだろと。

こちらは南海とJRの特急以外が乗り入れる形を想定しているようだ。

ハワイに関係ないハワイアン航空便

ちょっと不思議な話なのですが……

ハワイアン航空、成田-シアトル25年5月就航 JALと北米アジア需要獲得へ (Aviation Wire)

ハワイアン航空がハワイ州とは全く関係ないシアトル発着便を飛ばすと。

ますは成田だが、続いてソウル~シアトルも考えているという。


ハワイアン航空とシアトルと聞いて、何のことかすぐに理解できた人は鋭い。

今年、アラスカ航空はハワイアン航空の買収を行った。

このアラスカ航空の本拠地こそがシアトルである。

(以前も紹介したがアラスカ航空という名前だが、本拠地はアラスカ州内ではなく、アラスカ州からの路線が集まるシアトル)

アジア~ハワイ間の需要が落ち込みハワイアン航空の機材も余剰になりかねないところ、

アラスカ航空グループとしてはシアトルを拠点にアジア路線を充実できるということでこうなったと思われている。


アラスカ航空自身の路線網は概ね北アメリカ周辺に留まっており、

他地域への接続路線はJALなど他社路線ばかりだったのだが、

今回、ハワイアン航空の手で、アジア路線が開設されることで、

初めて社内でシアトル発着のアジア路線を運航することとなる。

そう考えるとけっこう大きな話なんですよね。

なお、JALはハワイアン航空・アラスカ航空とともに提携関係にあり、

成田というのはJALのアジア路線との接続も意識したものだろうと。


というわけでハワイアン航空がハワイと全く関係ない路線を飛ばすわけだが、

こういう話を聞くと思い出すのがJTAの羽田~小松・岡山線である。

日本トランスオーシャン航空(JTA)はアメリカ統治下の沖縄で設立された南西航空に由来し、

現在はJALと沖縄県などが出資する航空会社で、那覇空港を本拠地としている。

プロペラ機での運航は子会社の琉球エアコミューター(RAC)に移管しており、

JTAはジェット機で運航する県内路線、JALが運行する那覇~羽田・伊丹以外の県外路線を担当してきた。


ところがこの県外路線のうち、宮古・石垣~羽田は繁忙期に高い需要があり、

機材を大型化したいのだが、JTAはボーイング737-800しか持っていない。

このため2021年からJTAの羽田発着便をJAL他との共同引受に改めJAL便名とした。

共同引受になると日によりJTA運航・JAL運航と機動的に変更できるため、

普段はJTAの737、繁忙期にはJALの787というような対応ができるようになった。

これはこれでよいのだが、こうするとJTAの737が余ってしまう。

なので、この逆に普段はJALが運航している羽田発着便にJTAが入ることになっており、

現在のところ対象路線は羽田~小松・岡山とのこと。


なぜ、羽田発着便の中でも小松・岡山なのかという話だが、

JTAの県外就航地は羽田・中部・関西・福岡・小松・岡山とある。

これらの就航地のうち羽田発着便で普段から737を使っているのは、関西・小松・岡山の3地点。

この中から小松と岡山を選んだということだと思われる。

本業の那覇発着便の時刻表を見てみると、小松は13:35着・14:15発でとんぼ返りだが、

岡山は20:25着・8:30発ということでナイトステイをしている。

当然、JALの羽田~岡山でも夜に到着して朝までナイトステイするのがあるので、

岡山空港で入れ替えを行うことでJTA機は本拠地である那覇と往来しているようだ。


JTAは沖縄路線の需要が旺盛であるがゆえJALの手を借りた結果、余剰機材が出稼ぎ、

ハワイアン航空はハワイ~アジアの需要が減退したのでシアトル路線に回ったということで、

事情はだいぶ違うのだが、機材・乗務員の有効活用という観点では共通する点が多い。

それぞれ地域の航空会社としての役目を果たすために、無縁の路線も飛ばすということになる。

特にJTAは沖縄県などの少数株主もいるわけで、単独でも利益を出さなければいけませんから。

(同様のことは奄美群島の市町村が出資するJACにも言える)

のぞみ号に自由席が必要な理由

昨日、最後にちらっと のぞみ号 の話を書いて思いだしたのだが、

来年春からのぞみ号の自由席が3両→2両に減ることになった。

その分、指定席が増えて指定席を取りやすくなるということである。


のぞみ号と自由席としては最繁忙期の全席指定化が思い起こされる。

全席指定だが自由席特急券で立席可

自由席待ちの人でホームが混雑するなどの問題があり、全席指定化に踏み切ったと。

ひかり号・こだま号はこれまで通り自由席を設定し、

のぞみ号に立席で乗車する場合は自由席特急券を利用するということになった。

このときは6歳以下の幼児を含むグループでの利用がだいぶ高くなるということを紹介している。


自由席縮小の先に待っているのは自由席全廃ではないかという話なのだが、

そうなると困ると言っていたのが近距離での新幹線利用である。

特に 東京・品川~新横浜 と 博多~小倉 である。

在来線では移動が不便な新横浜、あるいは往来が盛んな福岡・北九州間の移動に活用されている。

これらの駅はのぞみ号全停車ということで、のぞみ号が東海道・山陽新幹線の多くを占めることからすれば、

これらの駅間を移動するのに使われている列車の多くはのぞみ号である。

その のぞみ号 から自由席がなくなるということは、本数激減に等しいという話である。


近距離でも指定席を取ればよいのでは? と思った人もいるかもしれない。

確かに在来線特急では近距離でも指定席利用が基本になりつつある。

ただ、この区間はそうもいかない事情があって、それが特定特急券である。

新幹線では隣接駅間の自由席利用に特別に安い料金を設定している。

東京~新横浜は指定席だと2500円(ひかり・こだまは2290円)に対し、自由席(特定)は870円、

博多~小倉は指定席だと2610円(ひかり・さくら・こだまは2290円)に対し、自由席(特定)は990円となる。

のぞみ号だと2.6倍以上の差が付くんですよね。そりゃ使えんわ。


この2区間はわりとすぐ思いつく話なのだが、実はそれだけではないと。

それが山陽新幹線で行われている のぞみ号の選択停車である。

隣接駅の特定料金の対象になる区間はほとんどないのだが、

姫路~岡山、岡山~福山、広島~徳山、新山口~小倉、

といったところはのぞみ号指定席だと2610円、自由席は1760円となる。

2倍以上の差ではないのだが、1.5倍近い差がある。

時間帯や区間によるが、のぞみ号を逃すと1時間に1本のこだま号となる区間も多い。


実際のところ、全席指定化には踏み切らないのではないかと思う。

最繁忙期ののぞみ号も全席指定といいつつ、自由席特急券での立席乗車は認めている。

最繁忙期にはどうせ座れないのだということで正当化できている。

それ以外の時期はなかなかそういう説明はできないだろう。

なので自由席減でしばらくは様子見をしたいということではないか。


一方で長距離利用の指定席ニーズが高まっていることは事実。

これはチケットレス化で従来より指定席の予約が容易になっていることがある。

歴史をたどれば のぞみ号は新設当初は全席指定だったのだが、

本数が大幅に増えて、列車を指定して乗るのは難しいだろうと自由席が設定された経緯がある。

それが本数が多くても、サクッと指定席を取ってしまうのが普通になったわけである。

(近鉄特急は昔からそうだったので、特に違和感はないけど)


全席指定化には踏み切らないのではないかとみているところだが、

もし東海道新幹線の主要な区間で全席指定化をするとしても、

少なくとも 東京~新横浜、小倉~博多だけの自由席車を設定する必要はあるだろう。

新横浜→東京、小倉→博多については次は終点なので、

自由席特急券でも普通車指定席の空席を利用できるという指示をするだけでよく、

逆方向についてもシステム上で指定席を押さえておいて「小倉までは○号車の空席に着席できます」と指示する方法でもよい。

あるいは山陽新幹線は指定席を埋めきるほどは乗らないだろうと、

山陽新幹線区間には自由席車を設定するなんて方法は考えられる。


在来線特急は自由席だと検札省略できない問題があったけど、

新幹線は駅に新幹線特急券を確認する改札があるから別に問題ないんですよね。

で、こだま号などの各停タイプの新幹線はローカルな利用が多いのも確かで、

元々かなり自由席の割合が多くなっていたのはある。

最近は旅行商品・割引商品で指定席を埋めることが増えているのと、

乗換のこだま号区間でも指定席を取ることが増えているので、こだま号の指定席も増える流れはある。

ただ、特定料金のこともあるので、こちらは激増とはならないと思うが。

千鳥停車の使い道

「千鳥停車」というのが話題になっていた。

来年2月からの阪急神戸線のことらしい。


千鳥停車も明確な定義があるわけではないが……

一般的には複数の種別の列車が運行される場合、

上位の種別が停車する駅は、それより下位の種別も停車することが一般的である。

ところが、種別Aが停車してBが通過する駅、Bが停車してAが通過する駅がともに存在するケースがある。

このような場合、種別Aと種別B、どちらか上位か判然としないわけである。

とはいえ、こういうのは時間帯により使い分けるためであることも多い。

休日・昼間は乗換客の多い駅に停車し、ラッシュ時は通勤客の多い駅に停車する一方で乗換駅を通過するなど。

阪急電車だと京都線の特急と通勤特急がこの関係である。


ただ、路線によっては上記のような関係にある種別を同時に走らせることがある。

このような運行形態を千鳥停車と呼ぶのが一般的である。

千鳥のように種別Aと種別Bで交互に客を拾っていくからだろう。

千鳥停車といえば阪神電車と言われることがある。

確かに阪神電車は終日に渡って千鳥停車が行われている。

特急(直通特急)と快速急行の関係がそうなんですよね。(以下は平日朝以外の停車駅)

  • 特急・直通特急: 梅田・尼崎・甲子園・西宮・芦屋・魚崎・御影・三宮……
  • 快速急行: …… 尼崎・武庫川・甲子園・今津・西宮・魚崎・三宮

これだけ見るとどっちが格上なのかさっぱりわからないけど。

これにはやむを得ない理由があって、芦屋・御影には近鉄の8両編成が停車できないのである。

阪神電車に8両編成がやってくる

平日朝以外の尼崎~西宮では急行の停車駅と同じなので、基本的には急行と同格である。


どちらかというと阪神の千鳥停車としては「区間特急」がよく知られている。

朝ラッシュ時の梅田行きのみの運転だが、端的に言えば変な種別である。

  • 直通特急: ……三宮・御影・魚崎・芦屋・西宮・尼崎・梅田
  • 快速急行: 三宮・魚崎・芦屋・西宮甲子園・尼崎……
  • 区間特急: 御影・魚崎~芦屋~香櫨園の各駅・今津・甲子園・尼崎・野田・梅田

区間特急は魚崎~甲子園で通過するのはわずか2駅でほぼ各停なのだが、

その通過する1駅が特急・快速急行停車駅の中で強調した西宮駅なのである。

西宮駅の利用者は特急が利用できるので区間特急はあえて通過している。

一方でこの時間帯の特急は甲子園を通過する。区間特急はその穴埋めの役割を担っている。

西宮と甲子園で相補的な停車駅になっているわけである。


阪神と並んで千鳥停車で有名なのが西武池袋線らしい。

昼間は快速急行・急行・快速・準急・各停とこれらは整然と順序が決まる。

ところが朝ラッシュ時になると通勤準急と通勤急行という変則的な停車駅の種別が入り、

  • 石神井公園は通勤準急は通過、それ以外の一般列車は停車
  • 大泉学園・保谷は快速・急行は通過、通勤急行・通勤準急・準急は停車
  • ひばりヶ丘は通勤急行は通過、それ以外の一般列車は停車

この4駅は利用者の多い駅が団子になっているので、分散を図ったとみられる。

ただ、地下鉄直通は他の時間帯同様の種別であるなど、どれぐらい効果的なのかという疑問はある。

阪神ほどわかりやすいものではないってことだ。


阪急神戸線で千鳥停車と言われたのは、区間急行あらため快速が塚口通過になることを指している。

2025年2月22日(土)初発より阪急神戸線・宝塚線でダイヤ改正を実施します (阪急電鉄)

そもそも朝に10両編成で走っている通勤特急を8両化することが起点となっている。

8両編成になると新開地発着にできるので、神鉄・山陽からの乗換に便利と。

しかし、単純に減車すると西宮北口~梅田の混雑が大変になってしまう。

そこで朝ラッシュ時は通勤急行あらため快速は通勤特急に抜かれないようにする。

こうすることで快速と通勤特急で分散を図ることができると。

このために通勤特急・準急(今津線直通)が停車する塚口を通過することにしたと。

そもそも通勤急行は急行に利用者の多い武庫之荘を追加したものである。

両方停車するのではなく、塚口と武庫之荘のどちらかに停車するようにしたと。

夕方については特急を準特急という新種別に改め、塚口・六甲停車にする。

塚口と武庫之荘を準特急と快速で分担するという形になる。


千鳥停車は列車の混雑を分散させるという意味もあるが、

列車の停車駅の数を揃えて、追い越しを発生しにくくするという効果もある。

阪神の朝ラッシュ時の特急・快速急行・区間特急は芦屋~尼崎の途中停車駅が1駅・2駅・4駅と差が少ない。

阪急の 通勤特急・準特急・快速も西宮北口~十三で1駅停車という点では共通する。

こうなると追い越ししなくてもよくなるので混雑が分散できると。


わかりにくいのは難点なので、時間帯を絞っての実施になっていることが多いが、

よく考えて見れば時刻表を見て乗るような特急ではわりと一般的ですよね。

山陽新幹線の のぞみ号は姫路・福山・徳山・新山口から1~2駅選んで停車する。

これにより特定の列車が遅いとなることを防ぎながら、東京・名古屋まで直通で利用できるようにしている。

こういうのは選択停車って言われることが多いけど、考え方は同じだな。

往復乗車券がなくなる

かなり驚いたのだが、JR各社で往復乗車券と連続乗車券の発売が終了になる。

往復乗車券及び連続乗車券の発売終了について (JR西日本)

もっとも帰りの切符を同時に購入するということ自体は今後も可能とみられ、

その場合は片道乗車券2枚を購入することとなる。


ただ、往復乗車券と片道乗車券2枚はいくつかの差がある。

600km超に適用される往復割引が適用されないことはもっともわかりやすい差異である。

とはいえ、これは600km超乗らなければ関係ないこと。

そうでない場合でも差異があり、それは有効期限である。

往復ともに片道乗車券の倍の有効期限となる。

100km以内あるいは近郊区間完結の乗車券の有効期限は1日(途中下車不可)だが、

往復にすると往復ともに有効期限が2日となる。途中下車不可なのは変わらないが。


このルールはJRに限らず往復乗車券としては一般的なルールなのだが、

これと違うルールを持っている会社があって、それが近鉄である。

近鉄の往復乗車券は往路は1日、復路は2日と決まっている。

近鉄は途中下車制度を廃止していることも考えれば、実用上の差異はないといってもよい。

少なくとも往路は出発日に使い始め、当日中に使い終わるはずだからである。

復路は往路と当日に使うか、翌日に使うかの選択肢がありますよと。


途中下車制度のない近鉄にとってはそれで済む話なのだが、

JRなど途中下車制度のある会社にとってはそうとも言えない話で、

例えば、大阪~倉敷は片道だと有効期限2日の区間だが、

これを往復にすると往復とも4日間有効となる。

金曜に大阪を出て、姫路で1泊、岡山で1泊、日曜朝に倉敷に到着し1泊、月曜中に大阪に戻ってくるというのは、

大阪→倉敷で見れば3日かかるので片道乗車券なら期限が切れるが、

大阪→倉敷→大阪で見れば4日に収まっているので往復乗車券は成立すると。

大阪→倉敷を途中下車して3日もかけることに合理性があるかはさておき。


もう1つ廃止になる連続乗車券についてはこれいらんなとは思う。

典型例の1つが往復でルートが違う場合。

金沢~千葉を往路は長野経由と復路は米原経由とすると、往復乗車券にはならない。

ついでに東京~千葉あたりが往復で重なるから片道乗車券にもならない。

このような場合は往復まとめて連続乗車券とすることもできる。

もう1つが折り返し乗車になる場合。東京→京都→大津は折り返し乗車になるから片道乗車券は出ない。

このような場合は東京→京都→大津の連続乗車券とすることもできる。


でも、どちらも連続乗車券でなければならない理由はないと思う。

特に割引もあるわけではないので、片道乗車券2枚に分ければよい。

東京→京都→大津のような乗り方はごく一般的な使い方だと思うが、

東京都区内→京都市内のきっぷを持って、山科~大津の乗り越し運賃を払っているのではないか。

こちらも有効期限の計算は2つの片道乗車券の合計になる点が異なる。

金沢~千葉は長野経由が4日・米原経由が5日なので全部9日有効、

東京→京都→大津は東京→京都が4日、京都→大津が1日で全部が5日有効となる。

だからどうしたという話だけど。


往復乗車券の制度廃止はこれがチケットレス化の妨げになっているからという指摘があった。

EX予約では新幹線だけで600km超になる区間で往復割引タイプの商品を出しているが、

在来線とあわせて使う場合など、乗車券で往復割引が適用できる範囲とは必ずしも一致しない。

この600kmというのがけっこう微妙なラインなんですよね。


その上、往復乗車券・連続乗車券には有効期限など特殊なルールがあるが、

これを片道乗車券2枚にしても実用上の差異は少ない。

購入時に往復の出発日をそれぞれ指定しないといけないぐらいか。

片道2枚の方が区間変更などの対応もしやすいので、それでいいよねと。


それにしてもJRから往復乗車券がなくなるのは衝撃的だな。

と思ったけど、普通回数券ももはやなくなってしまったからなぁ。

(通信制の通学回数券は残っているが)

これも割引があるがためにチケットレス化の妨げになっていたのは確かだが……

バラ売りなど好ましくない使われ方もされていたわけだし。

一方でICカード非導入区間では有用性はあったと思うところもある。

大半がICカード非導入のJR四国では「6枚回数券」という独自商品は生き残ってるわけだしな。


近鉄の往復乗車券の話を書いたが、近鉄こそ往復きっぷは全然売れてないと思う。

近鉄は券売機で往復は出せないはずで、買えるとすれば窓口だけ。

昔は必ず窓口できっぷを買う駅もあったが、無人駅化で券売機のない駅になってしまった。

JRだと今でも窓口できっぷを買う駅は地域によっては残ってるかな?

そういう駅で「○○まで往復で」なんて買い求める人はいるかもしれない。

あと、JRだと近距離券売機でも往復きっぷが出せるのは案外あるんだよね。

今後も窓口では帰りのきっぷを同時に買うことはできるだろうけど、

近距離券売機ではそうもいかないでしょうから。

でも、そもそも近距離券売機できっぷを買う機会が激減しているというね。