改札外で東西往来できない敦賀駅

北陸新幹線の当面の終着駅となる敦賀駅だが、こんな話を見た。

自由通路が唯一ない「敦賀駅」開業後どうする 米原駅にみる駅と再開発 (中日新聞)

敦賀駅の東西を結ぶ改札外の通路が設けられていないという話である。


線路を越える歩道橋などの通路を整備して、そこに改札口を集約するのは全国各地で行われている。

観点としてはバリアフリー対策、踏切対策が多い。

バリアフリー対策という観点では、近鉄の西大寺駅がその名目だった。

元々地下通路は存在したがバリアフリー化ができていなかった。

このため暫定対策として住民に通行証を発行して駅構内を通していた。

奈良市が南北を結ぶエレベーター完備の自由通路を整備し、そこに面して近鉄が改札口を移転・集約している。

踏切対策という観点では拝島駅がそうで、元々130mにも及ぶ長い踏切があったのだが、

安全面の問題が多々あり、自由通路整備後に踏切は廃止されている。


で、敦賀駅はどうなのかというと、元々駅付近で線路を横断する手段がない。

さらに言えば中心市街地の反対側の駅東側には今は改札すら存在しない。

新幹線開通に合わせて初めて東口が設置されるのである。

駅の東西を結ぶ通路が必要という話は昔から言われていたのだが、

実現しないままずっときて、新幹線開通で初めて駅構内の通路として実現したのである。

ただ、駅構内の通路なので列車を利用しない人は入場券を買わなければ通過できない。


なぜ、このようなことになったのか。

まず地図を見てみると敦賀駅の東側は主に工場で市街地ではない。

このため東側から駅を利用する需要や、駅の東西を往来する需要はあまり想定されていなかったようである。

敦賀駅はもともとホーム間を結ぶ地下道があったが、階段のみだった。

バリアフリー対応として橋上駅に作り替えて、東西を結ぶ通路にしようという案もあったそうだが、

当時は新幹線の計画が固まりきっておらず、バリアフリー対応を急ぐこともあり、

跨線橋を追加してそこにエレベータ・エスカレータを付けることにした。

結果としてはこの通路を延長して新幹線駅舎につなげる形になった。


新幹線駅舎は従来の駅舎より東側に作られることとなり、

駅舎と木ノ芽川の間、狭いがここに駐車場とロータリーが作られることに。

すなわち東口というのは駐車場や送迎で新幹線・特急を利用する人の利用を主に想定している。

東口を整備するにあたり東西を結ぶ通路の整備を改めて検討したようだが、

線路を何本もまたぎ300mにもわたる通路を整備すると50億円以上はかかる。

駅東側の状況を考えれば、それに見合った需要は見込めないだろうと。

バリアフリー対応として作った跨線橋を新幹線駅舎につないだわけである。


ところで敦賀駅は新幹線と在来線が東西に分かれていると単純には言えない。

なぜならば新幹線接続の在来線特急は新幹線の下に発着するからである。

あと、今どきの新幹線の駅には珍しく新幹線に直接出入りできる改札口はない。

市街地側の西口から新幹線だと当然在来線構内を通過するのだが、

東口にしても在来線特急コンコースへの改札口が設けられるだけである。

ここを通って新幹線はすぐ近くの乗換改札、普通列車は跨線橋へ向かうことになる。


逆に西口から新幹線・特急を利用する場合は跨線橋を通ることになる。

気になったのが西口のみどりの窓口が新幹線開通後はなくなること。

みどりの券売機プラスが設けられるのでオペレータ対応は可能ですが。

メインの改札口の窓口がなくなるというのも変な気がしたのだが、

ハピラインふくいお客様カウンター(定期券売場)が西口に設けられるためだそう。

改札業務自体は東西ともJR担当らしいんですけどね。

乗換口や東口にはみどりの窓口があるので、対応できなければ通行証をもらって窓口に行くんじゃないか。


というわけで新しい敦賀駅はたいへん難しい駅である。

東西の往来をできるだけしたくないという考えは当然あるはずで、

そうすると新幹線・特急利用者は東口に乗り付けるのが多くなるだろう。

通勤・通学以外の地元利用者の大半がそうなるのかもしれない。

それで東口利用者は増えるだろうが、西側と歩いて往来できる必要はないかもしれない。


ここまで駅構内の通路が効果的な駅も珍しいんじゃないかな。

高尾駅や逗子駅など定期入場券(入場券の定期券ってこと)が売られている駅はあるけど、

踏切・歩道橋・アンダーパスなど使っても歩けないほど遠くはないように思う。

ただ、敦賀駅については迂回ルートは2km近くあり、歩くには遠すぎる。

それならば入場券を買うかという話もあるが、入場1回で150円である。

すなわち往復すると300円なんだよね。通り抜け目的だとそうなるんだよ。


調査のために新幹線開通後しばらく東西連絡バスを運行するとのこと。

ただ、建設費に見合う効果はないという結論になるんじゃないかな。

そもそも新幹線駅舎ができた後からそういう通路を作れるのかという話で、

やるなら新幹線と一緒にやっておくべきだったと思うが、

それでもGOが出せなかっただけの理由はあるということだな。

東武と他社が同居する駅たち

春を感じたいと思い観梅のため越生に出かけていた。

2021年にも来ているが、今回は往復ともバスを拾えた。

ただ、自家用車の影響か渋滞でノロノロ運転でしたね。

越生へ花見に行く

今回は入園料取られましたね。400円なり。

今年は暖かくなるのが早かったのでまさに満開。綺麗でしたね。


帰り道、寄居に寄り道して帰ってきた。特に目的があったわけではないが。

越生→寄居は本来はJR八高線だけで行けるのだが、

小川町止まりを引いたので、小川町→寄居は東武東上線に乗り換えて。

越生駅は東武とJRが同居する駅だが、こんな感じである。

東武・JRそれぞれのホームに自動改札機(JRはICのみ)・券売機が設置されていて、駅舎に見えたのは待合室と案内所でしかない。


八高線の汽車で2駅、小川町駅に到着、乗換まで時間があったので一旦外に出る。

通路にある改札機にタッチするようにと案内があったのでタッチして、

東武に直接乗り換える場合はどうなるんだろ? と思いながら改札に歩いて行くと、

出口には東武の自動改札機が並び、JRから来た人ももう一度タッチするようにと案内があった。

なるほど、ICカード利用者はJR→東武の乗換後に東武の出場をする仕組みなのか。

東武の券売機が並ぶ中にJR用の券売機(現金専用)が1台置かれていたが、

実はこの券売機は東武所有らしく、きっぷを買うと東武の用紙で出るらしい。


東武に乗って寄居駅に到着したが、ここも通路にある改札機にタッチするように案内がある。

さすがにこれは見逃さないだろうと通路の真ん中に鎮座していた。

この駅は秩父鉄道・東武・JRの3社が同居して1つの改札口を使う。

現在は3社ともICカードを導入しており、多くの利用者がICカードを使う。

そのような実情に合わせて3路線の通路が分かれた先にICカード専用の自動改札機が置かれている。

秩父鉄道はホームに設置されているようだね。

相互に乗り換えて利用する人もいるが、出場→入場とタッチすればよい。


多くの利用者が通路にある改札機にICカードをタッチして使うこともあり、

係員のいる改札口は実態としてフリーパスである。

紙のきっぷはここで渡すんだろうけど、ほとんどICカード利用だからか駅員も立ち番をしてなかった。

実は秩父鉄道のICカード対応以前は小川町駅の逆で、改札口にはJRの改札機(ICカード専用)が置かれ、

ICカードで東武を利用する人は JRの改札機と通路にある改札機を2回タッチする仕組みだったらしい。

この頃は改札係もそこそこ見てたんだろうけどね。

改札外には3社の券売機が並んでいるが、ICカードのチャージはJRの券売機のみ対応している。

秩父鉄道の券売機がいかにも古くさいからかICカード導入からまもないからか、

「秩父鉄道全線で交通系ICカード使えます」と強調されていた。


東武って他社と同居する駅多いよねと思った。

直通運転絡みを除いて他社と改札内で同居している駅としては、

東上線では小川町・寄居、東武線では北千住(JR:千代田線・常磐線快速の乗換の都合)・相老(わたらせ渓谷鉄道)・赤城(上毛電鉄)とあるが、

越生駅もかつて同居していたし、東武線でも伊勢崎駅もJRと同居していた。

紙のきっぷでは自動改札機を設置せず対応してきた駅もICカードとなればそうもいかない。


帰りは森林公園駅から「川越特急」に乗換。

運賃のみで利用できる列車だがTJライナー用の車両を使っている。

川越特急という名前だが、池袋~川越の停車駅は快速急行より1駅少ないだけ。

どちらかというと停車駅の差が大きいのは川越~東松山なんですよね。

快速急行は副都心線直通がメイン、川越特急は池袋発着という違いはあるが。

川越特急という命名は西武の特急「小江戸」(こちらは有料)を意識してるんだろうな。

受取可能駅の理解しにくさ

滋賀から横浜に出かけるのに、新幹線をどうやって予約しようと言ってる人がいて、

e5489で予約して帰りに横浜で受け取れるかわからないという話だった。

ああ、なるほど。確かにこれはちょっと難しい問題だ。


JR東海も主に在来線特急の予約システムとしてe5489を導入している。

なので、JR東海の駅ではJR東海区間を含むe5489の受取ができる。

これは東海道新幹線の駅でもよいが、厳密にJR東海の駅に限られる。

すなわち横浜市内では新横浜駅(その中でもJR東海の券売機・窓口)に限られる。

横浜~滋賀県内の乗車券は通常、横浜市内発着で出る。

すなわち本来は横浜駅とか桜木町から使えるきっぷを新横浜でしか受け取れないことになる。

なので乗車券は往復とも出発前に受取、特急券だけ新横浜での乗換時に受け取る。

これならばe5489でもおそらく問題なく往復利用できる。


ただ、この話をしていて、新幹線と在来線で会社が違う区間が難しいと思った。

東海道新幹線は全線がJR東海の管轄だが、まずそれがよく理解できていない。

東京・品川・新横浜・小田原・熱海は周りはJR東日本、新大阪・京都・米原は周りはJR西日本である。

当然のことながら窓口できっぷを買うときはこれらの会社の窓口で買うことが多い。

桜井駅で名古屋~東京方面の新幹線のきっぷを買えるのは当然とは言えない面もある。

(奈良県内から近鉄で名古屋まで行く人がこういう買い方をすることがあるらしい)

しかし、新横浜からの新幹線のきっぷを桜木町で受け取ることに制約があるのは、なかなか理解しにくい話だと思う。


以前、JR各社のインターネット予約システムの話をいろいろ書いた。

JR各社の予約システムは難しい

JR東日本・西日本・九州がそれぞれ在来線・新幹線の予約システムを持っていて、

これと東海道・山陽・九州新幹線専用のエクスプレス予約(東海・西日本・九州3社共同)があると。

会社またぎの列車も存在するため、この点も概ね考慮はされているが、

あまり考えずに予約すると不便な状況に陥ることは現在もある。


東海道・山陽新幹線は最長で東京~博多を走っている。

これ自体はJR東海とJR西日本の2社またぎだが、周りはJR東日本とJR九州である。

JR東日本の えきねっと で予約するとJR西日本・九州の駅では受け取れない。

JR九州ネット予約を使うとJR東海・東日本の駅では受け取れない。

現在はエクスプレス予約にJR九州が参加するようになり、

東京都区内・横浜市内・小田原・熱海のJR東日本の券売機での受取に対応し、

エクスプレス予約を使った場合はあまり不便を感じないで済む。


名古屋~松本・長野を結ぶ特急しなの、東海・東日本の2社またぎである。

以前は乗車直前にきっぷを受け取るには往復で予約システムを使い分ける必要があった。

2019年からJR東海では在来線特急の予約システムとしてe5489を導入した。

なので東海管内では乗車直前にe5489で予約したきっぷを受け取れる。

これはよいがe5489はJR東日本の駅では基本的に受け取れない。

(長野駅は北陸新幹線のためe5489対応しているが以前はJR東海区間を含むものは受け取れなかった、現在は解消済み)

一方の えきねっと はJR東日本では当然よいが、東海の駅では受け取れない。

このため往復で予約システムを使い分ける人がいたが、

2022年にJR東海の駅の券売機で えきねっと の受取に対応したことで、

しなの号は往復とも えきねっと で予約すれば乗車直前に受け取れるようになった。


e5489の受取可能駅にまつわる問題がサンライズ瀬戸・出雲である。

寝台車に対応した予約システムがe5489のみという事情がある。

ただJR東日本の駅でe5489が受け取れるのは北陸新幹線絡みのみ。

JR東海でe5489に対応するようになってからは、東京・熱海についてはJR東海で受取ができるようになった。

問題は横浜駅である。新横浜駅に行けばJR東海の窓口・券売機で受け取れるが、横浜駅では対応できない。

冒頭に書いた問題に近いのだが、そもそもe5489しか対応できないことが問題を大きくしている。


最後に米原駅でしらさぎ号と東海道新幹線を乗り継ぐ場合について。

今年3月に北陸新幹線が敦賀が到達してからは、米原~敦賀で新幹線同士を結ぶ役割を持つ。

乗継割引廃止もあって、エクスプレス予約と連携した乗継きっぷをe5489で扱うようになる。

これ自体はそういうものかと思ったが、米原~北陸方面はJR西日本完結、

そのためJR東海のe5489受取対応駅での受取ができないのだという。

理屈上はそうなるのかもしれないけど、米原駅の乗換ってけっこうタイトだぞと。


実態としては 名古屋~米原~北陸方面 のような利用が想定されるわけで、

それは名古屋で乗車前に一括して受け取れるべきだろうと思う。

これを契機にJR東海でのe5489受取条件の緩和を検討するべきだったのでは?

あと、なんでチケットレスじゃないんだろうかとは思った。

「北陸乗継チケットレス」という在来線は特急券のみチケットレス(乗車券はICカード利用を想定)、

新幹線はICカードに紐付けて利用できる乗車券一体型のチケットレスという、

そういう組み合わせの商品を用意してるんですよね。

EX商品なんてICカード持ってるの前提なんだし、それと同じでよかったのでは?


昔に比べればだいぶよくなったけどね。でも不便なことはある。

わりとJR東海絡みで問題が多い気がするが、サンライズ瀬戸・出雲の件はJR東海のe5489導入で緩和されたという側面もある。

JR東日本も北陸新幹線対応でe5489入れているけど、拡大した方がいいのでは?

JR西日本のえきねっと対応は北陸エリア限りだが、こちらは実態として問題は少ないかもしれない。

ただ、えきねっとが山陽新幹線停車駅でも対応すれば選択肢が広がるとは思う。

(現在は東海区間を含む えきねっと の予約は西日本管内では受け取れない制限があるので、これが解除されるのが前提だが)


こういうのを考えないといけない時点でダメだと言われればそうだけど。

そして、新幹線絡みは錯誤が起きやすいことも理解しておくべきだなと思った。

N700系のこだま号専用車

山陽新幹線らしい光景と言えば、こだま号で活躍する500系とレールスター700系である。

なかなか他の新幹線では見ない見た目の車両でこれがユニークだが、

かなりボロいよなとは思う。実際、山陽新幹線でも飛び抜けて古い。

そんな500系について置き換えの計画が出てきたようだ。

山陽新幹線の安全性・快適性の向上 (pdf) (JR西日本)


主にのぞみ号で使われる車両は東海道新幹線と同じ型を導入している。

東海道新幹線で導入が進んでいるN700Sの導入を進めるということである。

これにより余剰になるN700系16両編成を、8両編成に短縮して こだま号専用車に、

500系の6編成中4編成がこれにより置き換えられるという内容だった。

全廃が示されたわけではないものの、500系全廃の日はそう遠くないのだろうと思わせる内容である。


N700系は従来の700系に比べて様々な差がある。

注目されたのは山陽新幹線での300km/h走行と、車体傾斜による速度向上だったが、

他にもいろいろあって、短編成化が容易という特徴もあった。

短編成化が容易という特徴は 山陽・九州新幹線直通用の8両編成で早々生かされた。

また、西九州新幹線ではN700Sの6両編成タイプが使用されている。

台湾高速鉄道にもN700Sベースの12両編成が納入される予定である。

というわけでN700系の16両編成から8両編成への改造は比較的容易とみられる。


ただ、一方で疑問点としてはN700Sを16両編成を購入するよりも、

そもそも8両編成のN700Sを購入した方が安上がりなのでは? ということ。

というのも、N700系の短編成化というのは8両捨てるということである。

N700Sを16両買って、500系8両とN700系8両を捨てるよりは、

N700Sを8両買って500系を8両捨てる方が老朽化対策としては効果的なのでは? と。

のぞみ号へのN700S導入を優先したいという意図がありそうなのだが、

N700とN700Sは車内設備が多少異なるものの、そこまで大した差はなさそう。

700系→N700系のときは車両を統一することで全体のスピードアップができたけど、そういう意図はないでしょう。

となると、のぞみ号でN700系を使い続けても悪くないのでは? とも思う。


ただ、のぞみ号で走らせると走行距離はかさみますからね。

走行距離のことを考えれば適当なタイミングでこだま号専用車にして、

走行距離を抑えながら長く活躍させたいという意図もあるのかもしれない。

実際、500系は新幹線にしては本当に長持ちしている車両である。

今日まで現役でいるのもこだま号専用車になったからこそである。

N700系も長く活躍することになるのだろう。

もっとも16両編成の700系はすでにすべて引退しており、

N700系は山陽新幹線ではこだま号専用車以外ではもっとも古い型式である。


山陽・九州新幹線直通用のN700系を置き換えて、

これをこだま号専用車にするのでは? という観測もありましたけどね。

のぞみ号のN700系をN700Sにしてというのも、これはこれで効果的ということで。

雪の後の首都高速は大変

南関東で雪が降ったのが月曜の夜のこと。

火曜の朝はまだ雪がだいぶ積もっていたが、夕方にはそこそこ溶けていた。

今朝もまだ残っているところはあったが、日中にかなり溶けたようだ。

それでも日陰に一部残っており、道の端に寄せられている。


今回、高速道路で立ち往生を防ぐために事前に通行止めにする対策が広範になされた。

近畿圏だと名神高速道路で通行止めをして、新名神ルートを優先する。

新名神ルートも東名阪自動車道と並行する四日市~亀山は東名阪を優先する。

と、雪対策が容易なルートを除雪を徹底して通すという対策をしている。

ただし、昨年1月には新名神まで立ち往生が発生する事態も起きているが、

基本的にはこの方針で東西のルートを維持する対応をしている。

一方、今回は関東平野の各方面で影響が発生することが避けられないと、

どの方面も広範囲に通行止めにしてしまうという対策が取られた。


ただ、今回の雪はその後の除雪にかなりの時間を費やすこととなった。

特に首都高速は今日の夕方まで丸2日通行止めが続く区間も出た。

高架橋では雪が溶けにくいこと、路肩が狭いことが課題だったようだ。

路肩の狭さもあって、手作業での除排雪を行う部分が多かったらしい。


以前、紹介したことがあるが、除雪というのは道の脇に雪を除けることである。

除雪後には道路脇に雪山ができてしまい、安全面に問題がある。

このため除雪された雪を運び出す排雪という作業が行われることがある。

しかし、排雪は大きな労力がかかる作業のため、そう頻繁にはできない。

交差点付近では安全面から比較的多く行われるものの、

幹線道路では年数回、それ以外の道路では年1回できればよいところ。

札幌の排雪は大変

それでなんとかやっているのは道幅に余裕を持たせているからである。


すなわち関東圏で同じようなことが起きても雪を除けておく場所がないと。

もちろん積雪もたかが知れており、気温が上がれば解けていくので、

一般道ではそこまで深刻な状況は起きていない。

しかし、高架橋は雪は解けにくく、都市高速の道幅はギリギリ、

こうなると排雪をしないと間に合わないわけである。

そんな大げさなと思ったけど、実際そういう状況になっていたのだ。


雪が積もっても、解けるまで放置しておけるなら何も問題はない。

でも、都市では交通の妨げになったり、建物が壊れたり問題が起きると。

地域によっては消雪溝や消雪パイプで雪を水にして雨同様に排水できるが、

札幌ではそうもいかないので雪は雪として置いておくしかない。

道幅を広くするなどの対策はしているけれど、200万都市では容易なことではない。

都市ほど雪を置いておける場所がないという問題は、首都高速にもあったという話だった。


ところで高架橋といえば、高速道路もそうだが、新幹線も多いですよね。

上越新幹線、東北新幹線(主に青森県内)では散水で対策している。水で雪を溶かすわけですね。

あと、ちょっと性質は違うのだが、東海道新幹線の関ヶ原区間でも散水をしている。

これは雪が舞い上がるのを防ぐ対策なので、ちょっと違うのだが。

東北新幹線(八戸以南)、北陸新幹線(主に長野県内)では貯雪ということで、

線路部分をかさ上げして、高架橋の中に雪を貯めるスペースを作る対策をしている。

雪は降るが比較的少ないので置いておこうという対策ですね。

高速道路では雪捨てに困る高架橋だが、新幹線ではむしろ好都合だと。


ただ、貯雪にも限度はある。

北陸新幹線の糸魚川~金沢では貯雪に加えて、高架橋の下に雪を捨てるという対策が採用されている。

ただ、市街地など下に捨てられないところもあるので、そこは融雪パネルを付けて対応しているよう。

北海道新幹線では下に穴が開いた高架橋にして、勝手に雪が落ちるようにしていると。

さすがにそれはなかなか使える地域が限られてしまうな。


というわけで雪対策は様々だが、雪を置いておけるということの重要性を改めて確認した。

いろいろあったけど正常化してよかった。

佐渡から羽田には行けない

先日、新潟を拠点とする新しい航空会社、トキエアが新潟~札幌(丘珠)線で運航開始した。

元々昨年6月に運航開始予定だったが、いろいろ手間取って半年遅れ。

その背景には既存航空会社との関係が薄いということがありそうだ。

このような航空会社の新規参入はフジドリームエアラインズ(2009年運航開始)以来か。


トキエアが導入した航空機はATR72、72人乗りのプロペラ機である。

日本で離島路線を中心に多く使われるようになったATR42の大型版で、

すでに日本エアコミューターがATR42と併用して使っている。

ATR機は鹿児島空港が日本における整備・訓練の拠点となっているところである。

比較的短い滑走路で運用できるため、丘珠空港を通年で使えるんですね。(cf. 丘珠空港に足りないもの)


トキエアは佐渡空港への就航を考えていると言われている。

てっきりATR72で佐渡に行くのだと思っていたがそうもいかないようだ。

というのも佐渡空港の滑走路は890mしかない。

この滑走路の短さも相まって、現在は定期便の設定がない。

この長さの滑走路だとATR72は難しいため、ATR42を導入するとのこと。

実はATR42にとっても890mという滑走路は少し短い。

このため座席数を減らす必要があるのが実情のようだ。

ATR42-600SというSTOL性能強化版ならば満員でも対応できるが、こちらは来年以降納入となっている。

いずれにせよATR72では佐渡に乗り入れることはできない。


佐渡発着の路線としては新潟と成田を考えているという。

なんで国内線なのに羽田空港ではなく、成田空港なんだ?

これには明確な理由があって、羽田空港には60席以下の飛行機は原則乗り入れができないという。

もちろん60席以上でも発着枠の調整が必要なので容易ではないのだが、

それ以前の問題なので、羽田空港以外で東京に近い空港ということで、選ばれたのが成田空港だったと見られる。


このような問題はすでに東京都内の離島路線でもあったことである。

調布飛行場の存在意義

調布飛行場は東京都港湾局が管理する空港で、名目上は離島のための空港である。

実際は同飛行場が国管理だった時代からいる自家用機の拠点でもあるが。

自家用機の事故もあり周辺地域からはよく思われていない飛行場だし、

羽田空港と比較すると交通アクセスの面でもかなり悪いのが実情である。

にもかかわらず、大島・三宅島・新島・神津島の路線が発着するのは、

羽田空港の乗り入れ規制のためだと言われている。

じゃあ佐渡便も調布にすれば……それは地元の理解が得られないでしょ。


もしもATR72ならば、60席超という条件は満たすことが出来る。

実際、同程度のジェット機、E170はJAL(J-AIR)便で乗り入れていたことがある。

(現在はクラスJのあるE190に代替されているが)

発着枠の調整は必要であるが、離島路線ということで特別枠もあるかもしれない。

一応、佐渡空港には2000m滑走路を作る計画があり、

これが実現すればジェット機の乗り入れも可能となる。ATR72も当然OK。


羽田空港の忙しさはわかるけど、それで離島空港の活用が難しくなってるのは残念ですね。

これが西日本だと伊丹空港にATR42も乗り入れていますからね。

なお、トキエアは新潟~神戸線を今後運航する予定、これはATR72でしょうが。

発着枠の都合か神戸になったが、神戸もそれはそれで悪くない。

将来的に佐渡~神戸とかもあるのかな。計画には書いてないけど。


でも、佐渡~成田でも今までになかった画期的な路線ではあるので、

成田空港へのアクセスを考えても、新幹線+高速船に比べてだいぶ早いでしょう。

成田空港もそれはそれで忙しい空港ではあるのだが、

羽田空港に比べれば柔軟性は高く、主にLCCの受け皿として機能してきた。

離島路線までそういう選択を強いられるのはどうかと思うけど、選択肢があって助かったことは事実である。

この路線の成否によって佐渡空港の今後は大きく変わると思うので期待している。

きっぷを買えなくなった駅

以前、こんな話を紹介している。

最近で京阪宇治線・交野線の一部駅で券売機を廃止して、ICチャージ機に集約した例があるそうだ。

踏切を挟んで2つに分かれている駅で、宇治方面や交野方面という利用者の少ない方向の改札でこういうことを行ったそうだ。

現金で乗車したい場合、2つの方法があって、1つは踏切を渡って反対側の改札口にきっぷを買いに行くという方法。

もう1つはICチャージ機から乗車駅証明書を出して、これを改札機に通して乗車、降車駅で精算するという方法。

(やっぱり券売機を置くのは大変?)

どうも最近はこれを推し進めてきっぷが買えなくなった駅が発生しているよう。

すなわち改札外にはICカードのチャージ機だけが設置され、乗車駅証明書の発行も可能であると。


これにより駅の小銭を受け付ける機器が精算機だけに集約されていると。

考えようによっては自動精算機だけは維持するという言い方もできる。

ただ、自動精算機も全ての改札口に設置せず、主要な改札だけに集約する流れはあるかもしれない。

このような施策が推し進められた背景にはモバイルICOCA対応もありそうだ。

従来は券売機にICカードを取り込んでチャージなどしていたが、

カードまたは端末を置いてチャージできる仕組みが必要になったと。

このために新しい機器を設置することになったが、紙のきっぷの購入は減っていたので、

比較的利用者の少ない駅・改札では券売機をICチャージ機に置き換え、小銭の扱いをやめたと。

利用者が多いところでは券売機とチャージ機を別設置する対応でしょうね。

なお、精算機もICカードを置くタイプの機器に置き換えているようだ。

こちらは小銭扱いは継続しており、不足額チャージも可能だそう。


こういう対応が可能なのは京阪(本線系統)が他社と改札内でつながってないのもあるのかもねと。

確かにきっぷを買えないまま他社まで乗り越してしまうと面倒である。

乗換駅までのきっぷは持っていれば、精算は苦労しませんから。

あと自動化されていない駅がないというのも大きな要素だろうな。

自動化されていない無人駅があれば、運賃を払う手段がない。

すなわち近鉄でこういうことをやってしまうと大問題なんですよね。

でも、確かに京阪ならば問題はないので、それならいいのかなとも思う。


あとICカードチャージ機をちゃんと設置しているのも好感が持てますね。

というのもJR東日本だと 青梅線の末端区間、鶴見線など大都市圏でもチャージ機の設置がない駅が多々ある。

これらの路線にはICカード用の改札機と感熱紙の乗車駅証明書発行機だけが置かれている。

紙のきっぷを買うニーズが減っているのはもちろんそうだけどけど、

ICカードのチャージすらできないのはどうなんだという話はある。

もちろん乗車時か降車時にチャージ出来ればいいんだけど。

(でもJR東日本では初乗り運賃に足りないICカードは入場すらできないのだが)

現金扱いする機器が全く無くなると楽なのはわかるんですけどね。


京阪の方法が参考になる会社は限られていると思ったが、

紙のきっぷの利用が増えて、券売機のニーズが減っているのはそうだと思った。

複数の改札口のある駅ならば、券売機や精算機の設置場所を集約して、

ICチャージ機の設置のみにするのは1つの考えである。

関東圏を除けば初乗り運賃に満たないICカードでも改札を突破できるので、

最低限、改札内に設置しておけば、改札を通ってからチャージでもよい。

末端区間にしか行けない改札口でかつ降車駅でほぼ精算できるというならば、

乗車駅証明書の発行での対応もそれはそれで問題ないと思う。

ただ、世の中、駅から現金扱いする機器を全廃したいというニーズの方が強いのかなとも思う。


ところでJR東日本だが、駅の精算機の乗車駅証明書対応を進めている。

この前、秋葉原駅で乗車駅証明書の精算に対応した精算機を見てびっくりしたんだけど。

ここで言う乗車駅証明書とは裏が白い感熱紙である。カメラで読み取って処理できるんですね。

どういう想定かはわからないけど、秋葉原駅の立地からすると千葉県方面からの利用を想定したか。

なかなか車掌を呼び止めてきっぷを買うというのも難しいですからね。

というので、こういうのは確かに必要なのかなと思った。


というわけできっぷを買って列車に乗るというのが成り立たないケースが増えているという話だった。

ICカード対応機器のモバイル端末対応というのは関東圏では進んでいるが、

他地域ではまだまだできていないのが実情である。

この点では京阪が先進的であることは確かなようだ。

このときチャージ専用機で対応するというのは関東圏を含めて一般的である。

そこで京阪はこれを機に機器配置を見直した。そういうことですね。

孤立路線のためのフリーきっぷの特例

今年3月に北陸新幹線(敦賀~金沢)が開通する。

これに伴い同区間の北陸本線がIRいしかわ鉄道(大聖寺~金沢)と ハピラインふくい(敦賀~大聖寺)に移管される。

また、九頭竜線(越美北線)がJRのネットワーク上、孤立路線となる。

それに伴い、いくつかのフリーきっぷで制度変更があるという。


「青春 18 きっぷ」「青春 18 きっぷ北海道新幹線オプション券」の発売 および北陸新幹線開業に伴うおトクなきっぷの取扱いについて (pdf) (JR東日本)

すでに新幹線開業に伴い、JRのネットワークから切り離された路線はいくつかある。

それが大湊線と七尾線である。

また、在来線ネットワークという観点では、八戸線・城端線・氷見線も該当する。

八戸線は八戸駅で新幹線と接続しており、同駅の乗換としては比較的多い。

城端線は新高岡駅で新幹線と接続している。この乗換はどうなんだろ?

高岡でその城端線と接続する氷見線も一応はつながっているが……

これらの路線をJR乗り放題のきっぷでどう扱うかという問題である。


まず、ジャパン・レール・パス、日本在住だと買えないきっぷだ。

こちらは新幹線も基本的には利用できる前提である。

このため、新幹線駅に接続するため、最低限の他社線への乗車を認めている。

  • 青い森鉄道の 八戸~野辺地(大湊線接続)~青森
    • 大湊線の一部列車は八戸発着、八戸で新幹線と接続可能
      (2021年までは青森発着便もあったがなくなった)
  • あいの風とやま鉄道の 富山~高岡(氷見線・城端線接続)
  • IRいしかわ鉄道の 金沢~津幡(七尾線接続)
    • 七尾線はすべて金沢発着、金沢で新幹線と接続可能
    • 特急での通過も可能(ジャパンレールパスは特急乗り放題)
  • ハピラインふくい の福井~越前花堂(九頭竜線接続) [3/16から]
    • 九頭竜線はすべて福井発着、福井で新幹線と接続可能

氷見・城端線は富山への直通列車はないし、新高岡接続を含めれば飛び地でもないが、

青春18きっぷに合わせたか、新高岡接続だけでは不便すぎるとみたか、こうなっている。


一方の青春18きっぷは乗車券だけで特急に乗車できる特例を除けば、

特急券を足しても特急に乗車することは出来ない。

このため、最寄りの新幹線駅につないでも特に役に立たないし、

在来線だけで見て飛び地になっている路線の取扱も考える必要がある。

そのため、ジャパンレールパスの特例とは異なる内容になる。

  • 青い森鉄道の 八戸(八戸線接続)~野辺地(大湊線接続)~青森(奥羽本線他・JR他路線へ)
  • あいの風とやま鉄道の 富山(高山本線・JR他路線へ)~高岡(氷見線・城端線接続)
  • IRいしかわ鉄道の 金沢(北陸本線・JR他路線へ)~津幡(七尾線接続) [3/15まで]
  • あいの風とやま鉄道・IRいしかわ鉄道 の 富山~高岡~津幡 [3/16から]
  • ハピラインふくい の敦賀(北陸本線他・JR他路線へ)~越前花堂(九頭竜線接続) [3/16から]

青い森鉄道の特例は同じなのだが、八戸線の接続も意図した内容になっていた。

新高岡での新幹線接続がなくなると、氷見・城端線は完全に飛び地なので、

富山~高岡の特例はこれをつなぐ目的だったのだなと気づく。

もっとも富山駅に乗り入れているJR在来線は高山本線のみなので、

他地域から高山本線で富山へ向かうということが大変である。


金沢~津幡の特例は青春18きっぷでは3月16日以降は廃止らしい。

金沢駅に乗り入れるJR在来線がなくなるので、意味がなくなると。

そのため富山~高岡~津幡をつなぐ特例に変更されるという。

敦賀~越前花堂の特例も同じような話である。

ジャパンレールパスでは福井~越前花堂だが、福井駅にはJR在来線はない。

このため直近でJR在来線に接続できるのは敦賀駅だとなったようだ。

金沢~津幡、福井~越前花堂 より 富山~津幡、敦賀~越前花堂の方が特例区間としては長いが、

七尾線・九頭竜線の全列車が乗り入れる金沢・福井へは別途運賃が必要なのはかえって使いにくいとも。


これらの特例はJRあるいは在来線ネットワークから完全に切り離された路線にはあるが、

  • 花輪線の列車が乗り入れる IGRいわて銀河鉄道 の盛岡~好摩
    • 花輪線は大館駅で奥羽本線に接続している
  • 飯山線の列車が乗り入れる しなの鉄道(北しなの線)の 長野~豊野
    • 飯山線は飯山駅で新幹線、越後川口駅で上越線と接続している

のようなところはケアされていない。

花輪線はIGRの運賃を別払いして使ったことあるな。

弘前には歴史の重みがある

このときは盛岡~弘前を移動するためだったんだな。


ジャパンレールパスの特例は概ね実態に合った内容なのでよいと思うが。

特に金沢~津幡は観光客の利用も多くなるでしょうしね。

(今は地震の影響が続いてるので、なかなかそうもいかないけど)

ただ、これがOKならえちごトキめき鉄道の 上越妙高~直江津 も、

北陸新幹線の接続列車である しらゆき号(上越妙高~新潟)があるよねと。

孤立路線以外はカバーされないのでこういうのは検討すらされなかったのだろう。


一方の青春18きっぷの特例はそれいる? と思うんだよね。

直通列車との関係も薄いし、特例区間もかなり長くなってしまったと。

特例区間を本来の目的と異なる使い方をするケースも多くなるのでは?

敦賀~越前花堂の特例を 京都~敦賀~越前花堂~越前大野 と使えば想定通りだが、

京都~敦賀~越前花堂と乗車してから、越前花堂~福井だけ別途運賃を払って乗車など多そうだが。

(単純に敦賀~福井と乗車すると特例に該当しないが、越前花堂での途中下車は可能なので)


青春18きっぷ は長期休みで通学利用が減る通勤列車の有効活用を意図している。

期間中の閑散路線の利用者が 青春18きっぷ だらけというのはありがち。

価格や普通列車しか使えない特徴からローカル線でこそ強いわけですね。

この観点では必ずしも利用区間がつながっている必要はないような気がするんだよね。

運賃別払いで他社区間を利用することは元々よくあることだし、

特急や他の交通機関(高速バス・船など)が使える区間はそちらを使うことも珍しくはない。


その観点では石勝線の新夕張~新得で特急が利用できる特例も怪しいが。

どうして特急形車両を使うんだ?

後半で書いているが「新夕張~新得は開通以来、一貫して普通列車が設定されたことがない」。

それなら青春18きっぷでカバーする必要はないんじゃないのって。

なお、北海道新幹線開通前には津軽海峡線の蟹田~木古内にも特例があった。

ここは快速「海峡」が走っていたのを廃止した経緯があるのだが、

前後の乗り継ぎが悪く実用に堪えない特例だったと言われている。

現在は「北海道新幹線オプション券」というのがあり、

これを購入することで 奥津軽いまべつ(津軽線 津軽二股駅隣接)~木古内の新幹線と、木古内~五稜郭の道南いさりび鉄道 を利用できる。

ただ、これもかなり使いにくくて、青森~函館を船で移動するとか、

盛岡~八戸は青春18きっぷでストレートに移動できないことも勘案し、

青函トンネルの前後は新幹線・特急でズドンと移動するとか、

そもそも飛行機で北海道入りしてから青春18きっぷを使うケースもあるだろう。


と言うわけで、その特例いる? という話だった。

なお、JR各社では様々なフリーきっぷを出しているが、

きっぷの特徴によりジャパンレールパスや青春18きっぷに準ずる特例が設けられることがある。

あるいはJRから移管された路線をフリーきっぷの利用エリアに含んでいる場合もある。

今のところ 北陸おでかけtabiwaパス と 北陸観光フリーきっぷ では、

こちらは IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道 の全区間が含んでいる。

北陸観光フリーきっぷ は3/16以降は ハピラインふくい も含むことが発表されている。

(北陸おでかけtabiwaパス は3/10以降どうなるかは未発表)

エリアに特化したきっぷならいろいろ対応方法はありますけどね。

北海道&東日本パス は IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行がそもそも利用エリアで、

新青森~新函館北斗は特急券だけ買えば新幹線を利用できる緩和措置もある。

非常口を追加できる構造

先日、アメリカでボーイング737-9の窓が吹き飛んだニュースがあった。

離陸直後に窓など吹き飛ぶ 米でアラスカ航空機が緊急着陸 (NHK)

737-9は ボーイング737MAX の一形式なのだが、

737MAXといえば2018年~2019年で2回の墜落事故を起こしており、

この対策のため運航停止・納入遅延が発生していた。2021年頃には打開されたが。

そんな飛行機で起きた事故だけに、またかと思った人は多かっただろうけど。


しかし飛行機の窓なんてそんな吹き飛ぶことあるんかいと。

実はこの窓は非常口にもできる窓として設計されているんですよね。

ただし、アラスカ航空においてはここは非常口としていないのだけど。

写真を見てもわかるように他の席と変わらない間隔で席が並んでいる。


そもそも737-9とはどんな飛行機なのだろうか?

日本国内線でおなじみの737-800、737NGシリースで最も売れた機種である。

737NGは737MAXで代替されてすでに製造中止になっているが、

これと同サイズの飛行機は737MAXでは737-8という。最大189席とのこと。

ANAはずっと前から注文しているが、納入遅延もあり2025年から納入予定、

JALも昨年注文して2026年から納入予定と言っている。

737MAXでは737-8より胴体が長いタイプとして737-9と737-10があり、

特に737-10は単通路でありながら、ボーイング767の代替も狙えるほどだという。

スカイマークは2022年に737-10を注文して、混雑路線への投入を予定している。

(ただし737-10はまだ型式取得に至っていない)


で、737-9と737-10に共通的な課題として非常口の数があるらしい。

737-800の非常口は通常の乗降に使う前方扉に加え、

後方扉、そして翼上に設けられた片側2つの扉で、計8つの非常口がある。

翼上は扉2つあっても同じ翼の上を通って避難するから、実質6つかな。

航空機の安全基準として、半分の非常口で90秒以内で全乗客が避難できることがある。

737-800のような非常口の配置で対応できるのは190席程度までだという。

このため定員を増やすためには非常口の配置を見直す必要があるのだという。


そこで737-9・737-10では翼と後方扉の間に非常口を追加できるようにした。

ただ、定員が190人程度に留まるならば非常口を追加しなくてもよい。

アラスカ航空は737-9を長距離便への投入を意図して購入しており、

(国内線の)ファーストクラスなど配置した結果、138席に留まっている。

このため非常口を追加できる構造は活用されていないというわけ。


737NGでも737-900ERでは同様の構造が採用されている。

実は737-800より胴体が長い飛行機は以前から存在したんですね。

ただ、単純に胴体を長くした737-900では定員が増やせない問題があり、

改良版の737-900ERでは航続距離の延長とともに非常口を追加できるようにした。

また、737-8でも一部のLCCで座席を詰めた200席仕様の要望があり、

737-8-200というタイプを用意して737-9同様に非常口を追加している。


ところでエアバスA320とA321って、737-8と737-9の関係に似てるけど非常口どうなってるんだろ?

と気になって調べたら、こちらは扉の配置を抜本的に変えていた。

A320は737-8同様に前扉・後扉と翼上に非常扉2つずつの構成だが、

A321は翼上の非常扉がなく、翼の前と後に大型の非常扉を用意している。

A330のような中型機と同様の構成にしてしまったんですね。

ただ737-9のような配置を選択することも可能で、現在はこちらが標準らしく、

Peachもジェットスタージャパンも翼上+翼より後ろの構成になっている。

ピーチとジェットスター、新機材A321LR客室はどう違うのか (Aviation Wire)


737-8についてはとりあえず問題なさそうな感じもするけど、

737-9と737-10という各社から期待を浴びている機種では影響しそうだし、

すでに同様の構造を持っている737-900ERもどうなるか。

ただでさえ運用停止・納入遅延が問題になってきた機種なので、航空会社にとっても辛い話である。


余談ですが、アラスカ航空って名前だけど、本拠地はアラスカ州ではないんですね。

本拠地はワシントン州シアトルで、ここからアメリカ各地、世界各地に飛んでいる。

確かに創業はアラスカ州なのだが、そのアラスカ州各地の路線が集まるのがシアトルだったんですね。

そんなアラスカ航空はハワイアン航空の買収を発表している。

お互いの路線網があまり被らず、独占禁止法上の問題が少ないことも背景にあるという。

両社のブランドは今後も残る予定だという。

滑走路を途中から使う理由

昨晩、羽田空港でJALの飛行機が炎上する映像が出て、

一体何があったのかと気になっていたら、海上保安庁の飛行機と滑走路上で衝突したと。

2箇所で火災が起きていると言われれば合点は行ったが……

JAL側はおそらく満員であろうA350ということで心配していたが、無事全員脱出し、大きなケガなどもなかったという。

機体も荷物も全焼してしまったのは辛いが、命が助かったのはなにより。

一方の海上保安庁側は乗員6名中5名が死亡、よりによって脱出成功したのが機長というのが……


こういう場合、定期便を多く運航するJALより海上保安庁側を疑ってしまうが、

現時点で判明している情報では海上保安庁機が錯誤により滑走路に進入したようである。

海保機に滑走路への進入指示は見当たらず 国交省が交信記録を公表 (朝日新聞デジタル)

このこととの直接的な関係は不明なのだが、海上保安庁機はC5誘導路へ向かうよう指示が出ている。

そこから滑走路の途中に入って離陸を開始することを想定した指示である。

このような滑走路途中からの離陸はインターセクションデパーチャーと呼ばれる。


インターセクションデパーチャーの前提条件として、途中からでも滑走路長が足りる必要がある。

今回、事故があった羽田空港のC滑走路は全部使えば3360mあるのだが、

C5誘導路から入った場合は2420mの滑走路として使用することができる。

この長さであれば小型機は全く問題ないし、中型機でも条件により可能である。

今回の海上保安庁機はDHC-8-300なのでかなり短い滑走路でも足りるが、

そこまで極端な短縮ではなく、わりと使われる離陸方法であることが読み取れる。


では、どのようなときにインターセクションデパーチャーを使うのか。

有名なのは伊丹空港のB滑走路、3000mある長い方の滑走路である。

伊丹空港は通常は南から北に向けて滑走路を使うのだが、南側は市街地がある。

この南側への騒音を軽減するため、通常はW2誘導路から離陸することになっている。

W2誘導路から離陸する場合は滑走路長は2700mとして使うことになる。

現在の伊丹空港は国内線のみということもあり、これでほぼ対応できる。

よっぽどの事情があれば、南端のW1誘導路から入ることもできるようだが、

その場合は騒音軽減のために滑走路の外でエンジンを吹かして入る必要がある。


今回の事故現場ではないけど、羽田空港はA滑走路とB滑走路が交差するため、

この2つの滑走路を同時に使うには様々な制約がある。

B滑走路の離着陸と同時に、A滑走路を使えるとすれば、A滑走路の途中から離陸する場合に限られる。

これもその滑走路の使い方をしている場合は、当然にインターセクションデパーチャーの指示が出ることになる。

なお、その場合は本来3000mの滑走路を2500m程度に短縮して使うことになる。


それ以外ではどのようなときにインターセクションデパーチャーが使われるか。

燃料節約のために離陸機側から要請するような話も出てくるけど、

調べた限りでは管制塔からの指示で実施するケースが多いようである。

インターセクションデパーチャーにより地上走行距離が減るということは、

飛行機を早く離陸させられるということになる。

例えば、この着陸機とこの着陸機の間に離陸機を入れたいとか考えたとき、

インターセクションデパーチャーを指示することでうまく差し込めると。

滑走路の使用タイミングの調整のために指示することが多いようである。


今回、インターセクションデパーチャーの指示がでた経緯は不明だが、

災害救助という事情も踏まえて他の離陸機より先に離陸させることも考えたのかもしれない。

滑走路の端では何機か待機していたので、途中から離陸させれば追い越しができる。

このような順序入れ替えのためにインターセクションデパーチャーを使うこともあるという。


今回の事故の引き金を引いたのはおそらく海上保安庁機の錯誤なのだが、

一方でこのようなケースが起きたとき回避しやすいのは着陸機の方。

いろいろ調べてみると、離陸機が誤って滑走路内に入ってしまったが、

管制塔からゴーアラウンドの指示を出して、着陸をやり直させたことで助かったケースは多くあるよう。

今後の調査ではどうして回避できなかったのかという部分も焦点になるのではないか。

もしかすると回避できなかった理由にインターセクションデパーチャーが関係しているかもしれない。


事故直後は全面閉鎖、成田・中部・茨城への目的地変更や引き返しで対応し、

その後は滑走路3本で再開したが、この時期に滑走路1本使えないのは大変なこと。

能登半島での地震後に一時不通となっていた北陸新幹線が昨日中に復旧したのは救いで、

羽田空港を北陸方面への鉄道代替の目的で使う必要はなくなった。

新幹線で対応できる東北・近畿・中国あたりはそちらに回ってもらい、

沖縄・北海道の便数をできる限り確保するということなんじゃないかなと。