なんで右側通行と左側通行を入れ替える?

日本では見ないスタイルなのだけど……

渋滞と事故を減らす新デザインのインターチェンジ開発がアメリカで進行中 (Gigazine)

Diverging Diamond Interchange(DDI)という高速道路のインターチェンジの一方式なのだが、

右側通行~左側通行~右側通行と入れ換えるという不思議な方法である。


日本では見ないと書いたが、アメリカで近年導入が進んでいるというもので、

ほとんどアメリカ特有と言ってもよいのかもしれない。

この右側通行と左側通行を入れ換える場所は信号で制御されている。

どうにも中途半端な気がするが、これはダイヤモンド型のインターチェンジの構造を少し変えたものである。

日本で見ないのは、そもそも日本にダイヤモンド型のインターチェンジが少ないからというのもあるのかも。


ダイヤモンド型というのは高速道路と出入りするランプと一般道が直接交差するというもの。

コンパクトなのはよいのだが、料金所を設置する場合に数が多くなる欠点がある。

日本でも無料の高速道路や均一制の高速道路では使われることもあるけど、それでも珍しいかも。

欠点は一般道とランプの出入りに日本で言えば右折が発生すること。

右側通行のアメリカで言えば対向車線を横断するのは左折ですか。

それが高速道路をまたぐ両側で発生するので大変なのかもしれない。

そこで考えられたのが右側通行と左側通行を入れ換えるという方策だったようだ。


ただ、入れ換えるところでは信号制御が必要なんですけどね。

とはいえ左折する車両のことは考えなくてよいので、交互に流すだけの簡単な制御で対応できる。

基本的な構造はダイヤモンド型のときと変わらないので、改築は比較的容易で、

それがアメリカで導入が進んでいる理由らしい。


日本では料金所設置の都合もあり、高速道路からトランペット型などで分岐させて、料金所を経て一般道につなぐことが多い。

一般道との接続部は単純にT字路で信号制御で対応していることも多いし、

場合によっては一般道との接続部もトランペット型などで立体化していることもある。

こういうのはダブルトランペット型というのかもしれないが、

高速道路同士のジャンクションでもしばしばみられる構造である。


無料の高速道路と言われて思い浮かぶのは名阪国道だが、

不完全クローバー型が多い印象はあるが、ダイヤモンド型もある。

国道163号線と接続する中瀬ICなどがダイヤモンド型である。

左矢印信号の出せる信号機を使って制御しているようで、

車両が交錯しないように順番に信号を変えているようである。

ここは名阪国道亀山方面~R163大阪方面の流れが多いはずなので、

この向きの青信号が長くなるように制御すれば対応できるのだろうが。


他にもダイヤモンド型の変種としてSingle-point urban interchange(SPUI)というのがあるそう。

これは高速道路の真上の交差点1つで一般道との交差を解決しようというもので、

アメリカで言うところの左折車同士を同時に流せるところが特徴である。

これも日本ではなかなか見ない形なのかなと思う。

東京外環自動車道と首都高速の交差する美女木JCTがスペース上の制約でSPUIになっている。

それぞれ直進する車はそのまま進める。

併設された戸田出入口との関係で、首都高速の大宮方面との直進も想定されている。

SPUIは高速道路の真上に交差点を作るので構造物が大きくなるとか、

歩行者の横断が難しくなるとか欠点はあるが、高速道路同士なら問題ではない……

が、そもそも高速道路同士を信号処理で接続するのは苦肉の策である。

写真を見ると信号注意の標識が大量に設置されている。


でも、SPUIを見て、なんで左右を入れ換えるDDIが必要だったというのはわかった気がしますね。

ダイヤモンド型のインターチェンジを信号制御で対応しようとするとサイクル数が増えるので、

各方面に均等に利用があるようなインターチェンジでは対応しにくい。

そこをシンプルに解決できる方法というのが左右を入れ換えるというやり方だったんだろうな。

ただ、やはり左右を入れ換えるというのは混乱を起こしやすいようで、

あまりよい方法とも思えないところはある。アメリカ特有なのもそんな話なんだろうな。

熊本地震で鹿児島が困る

おととい、熊本地震の話を書いたときに書き忘れていたのだが、

今回、地震の被害が大きかった八代市は、九州自動車道・九州新幹線が通っている。

在来線も鹿児島本線が移管された肥薩おれんじ鉄道が通っている。

この影響を大きく受けるのが鹿児島県と宮崎県である。

当然、熊本県への影響もあるが、熊本市付近と福岡方面の往来はすでにほぼ通常通り確保されている。


さあどうしようかということである。

といってもすぐにとりうる手段は大分経由での迂回なのだけど。

東九州自動車道が北九州~日南で開通している。

さっき宮崎県に影響があると書いたが、九州自動車道の えびのJCTから分岐する宮崎自動車道があり、

平時においては福岡~宮崎は宮崎道+九州道がメインルートである。

宮崎道は鹿児島県内から東九州道へのアクセスにも使えるので、

それも含めて東九州道で大分・北九州に向けて走って行くということになる。

鉄道については鹿児島にとっては新幹線の代替、そして宮崎にとっては高速バスの代替という意味もあるのか、

鹿児島~宮崎や宮崎~大分・北九州の特急が増発されている。


あとは空路ですね。そもそも鹿児島・宮崎というのは空路の利用が多いですが。

福岡~鹿児島は平時はATR42が1往復飛ぶのみだが、ジェット機を動員して増発されている。

おそらくこの便は機材繰りや奄美路線との乗り換えの都合で飛んでいるのだろうが、

いざとなれば増発できるようにという意味もあったんだと思う。


ただ、八代周辺は見ての通りの被害ですから、いつ復旧できるか正直わからない。

九州新幹線は水俣~鹿児島では再開の見込みが立ったそうで、

鹿児島県内の移動手段としては使えるようになるが、そこまでである。

高速道路は九州自動車道は緊急車両限りではお盆頃には通れるようにするとのこと。

そこまでには継ぎ接ぎでも安全なルートを確保するということだろう。

そこから一般車が通れる状況までのギャップがどれぐらいあるのか知らないが。


今回、この八代周辺だけピンポイントで迂回するルートが乏しいことが問題である。

一応方法はある。それが長島~天草のフェリーを使うということである。

この前の夏休みの旅行で走ったルートである。

当初は天草~熊本方面のルートも怪しかったから、さらに天草~島原のフェリーを組み合わせないと使えなかったが、

現在は天草~熊本方面のルートも回復している。

宇城市もひどい被害を受けたから心配をしていたのだが、天草との道路という点ではなんとかなったらしい。

このためここだけピンポイントで迂回する手段としては、

長島~天草を海で渡り天草経由で往来するという手段はある。


ただ、そもそも一般道は往来が全く出来なくなるような状況になっていないようだ。

このため熊本県内で支援物資の輸送などに目立った問題はないよう。

なので、どうしても通らなければならない状況であれば、一般道を通るということなのだろう。

それを普段の九州自動車道などのように使われるととても間に合わない。

ましてや緊急車両の通行の妨げになることも考えられる。

迂回できる人は東九州道に迂回する対応を取るべきだということである。


長期的にどうやって対応していくかは難しい問題ではあるが、

広域においては九州自動車道の開通が最優先なのかなと思う。

これができれば鹿児島県・宮崎県への影響はだいぶ減るので。

ただ、新幹線が復旧しないと鹿児島県への影響はずっと続くでしょうね。

早期になんとかしたいという思いは山々だろうけど、どうなんでしょうね。

サンダーバードの新車が欲しい

昨日、北陸新幹線の話を書いたが、北陸新幹線が京都・大阪に到達するまでのお役目であろうサンダーバード、

新車導入に向けて動いているらしいという話が報じられていた。

JR西日本、特急「サンダーバード」2030年度にも新型車両 快適性向上 (日本経済新聞)

確かにこの車両のまま20年以上持たせることはないのは明らかだが、

直感的には早いなという気がする。


そもそも北陸新幹線の敦賀~金沢の開業により、北陸特急の運行区間は大幅に短縮された。

この中で経年が進んだ車両を廃車にして、比較的新しい車両を使えばよい。

このことは2015年の金沢~長野の開業時にすでに仕込まれていた。

このときも余剰となる車両がでたが、特にはくたか号の車両が余剰となった。

JR西日本は北越急行所有のはくたか号車両を買い取り、自社の車両ともども しらさぎ号に転用した。

1995年ごろ製造で、はくたか号で160km/hを出してた車両なんだという。

金沢に新幹線が到達したときにも余剰の車両は出たのだが、

在来線特急としては廃止された はくたか号の車両をしらさぎ号に転用し、

比較的新しかった元々のしらさぎ号の車両を近畿圏の他の特急に転用したという経緯があったそう。

このときから しらさぎ号 が最後の活躍の場と決まっていたようだ。

(新幹線が開通して車両工場が遠くなる)


過酷な環境で長年使われた車両はボロボロといってもよいものである。

しらさぎ号自身も運行区間が大幅に短縮され余剰車両がでたが、

それでも不足する分はサンダーバードの余剰車両で代替されると思っていた。

ところがまだわずかに旧型の681系が残存しているのである。

しかも繁忙期対応のために置いているとかではなく、毎日走ってるらしい。

さらにサンダーバード自身も増結用の3両編成に一部681系が残っているそう。


なんであんなに走っていたサンダーバードの車両をもってしても、

今のサンダーバード・しらさぎ号の車両を賄うことができないのだろう?

予定通りなのか誤算なのかわからないが、誤算らしいこともある。

1つはサンダーバードの利用が堅調なこと。

全席指定化もあり十分な座席数を確保する必要もあるのだろう。

もう1つは奈良方面の特急、まほろば(休日運転)と らくラクやまと(平日運転)である。

国鉄時代の1967年以来となる奈良県内を走るJR定期特急である。

このための専用車を683系で2編成用意したんですね。

他方面も通勤特急の充実化により、683系の転用先が予想以上に多くなったのかも。

ちなみにしらさぎ号の車両は らくラクびわこ の車両も兼ねている。

というか、らくラクびわこ は 車庫と米原駅の回送代わりである。


というわけで残ってしまった681系の代替分を買うんでしょうね。

ところでかつて北陸方面の特急といえば、交流電化に対応しているのが必須条件だった。

ところが琵琶湖環状線のときに敦賀まで直流電化になったので、

現在のサンダーバード・しらさぎ は交流電化に対応する必要が無い。

このためサンダーバードの新車は直流専用になるのではないかと思われる。

折しも はるか号も新車への代替の話が出ている。

この2つはほぼ同仕様で対応できると思われるが、全く同じになるかは知らない。


まだ683系は走り続けるだろうから、特に心配はしていないのだが 能登かがり火号 というのがある。

金沢~和倉温泉を結ぶ特急で、JR西日本の特急では唯一交流電化への対応が必要である。

厳密に言えば、同区間には観光列車の 花嫁のれん もあるのだが、これはディーゼルカーである。

(なぜディーゼルカーなのかというと、将来的にのと鉄道など非電化区間を走る可能性も考えたかららしい)


能登かがり火 は和倉温泉発着のサンダーバード他に由来する列車で、

2015年に和倉温泉発着の各種特急をほとんど能登かがり火に集約した。

サンダーバードは1往復だけ残ったが、これも2024年には能登かがり火 に振り替えられた。

石川県内の北陸本線はIRいしかわ鉄道に移管されたので、

七尾線はJR西日本が石川県内で経営する唯一の在来線路線となっている。

この区間だけ特急が生き残ったのはそのような事情もある。

しかし、飛び地なだけでなく、特別仕様の車両が必要なのも面倒ではある。

でも、新幹線接続特急としての意義があるし、石川県との関係もあるし、やめられないだろうなとは思いますね。

将来的にどのような車両を用意するのかは見物かもしれない。


しかし、まだあの車両がしらさぎ号に残っているというのは衝撃だったな。

敦賀発着になってまもない頃にしらさぎ号を使っているのだが、

本当に使い込まれた車両だなと思っていたので。

やっと勇退だと思ったら、案外そうでもなかったと。

これよりもっとボロい車両がいたことは事実なんでしょうけど。

桂川駅を新幹線が通るメリット

北陸新幹線のルートについて、前々から敦賀~小浜~京都~学研都市(松井山手)~新大阪 と結ぶ方向ではあったが、

これでほぼ固まったようで、このとき京都市内の駅は桂川駅に併設される案で行くようである。

ここに至るまでのプロセスは気になるところはあるけど、結果は妥当かなという気はする。


この小浜~京都というルートはトンネルありきではあるものの、

かつて鯖街道との1つである周山街道(国道162号線)のルートである。

(もっとも一般に鯖街道と言えば現在の左京区を経る若狭街道を指すが)

かつてこのルートには国鉄バスが設定されており、現在もその一部が高雄・京北線として残存している。

このような観点では歴史に裏付けられたルートということもできる。

この周山街道の福王子付近と松井山手駅を概ね真っ直ぐ結ぶと桂川駅付近を通る。

桂川駅を経由するのはこのようなルートの合理性が1つの理由である。

かつての北陸新幹線の計画では大阪まで直線的に結び、亀岡市内に駅を作ることになっていたが、

この場合、京都市内との往来が制約の多い嵯峨野線になるのに対し、

桂川駅の場合はJR京都線(東海道本線)なので京都駅との往来がよい。

あと、洛西口駅も近いので、ここまで行くと四条方面との往来もよい。


もっとも桂川駅への新幹線駅併設はけっこうな大工事になると言われている。

京都市の郊外とはいえ地下駅となり、地下構造物の都合で相当深くなる。

深い地下から這い出てきて、京都駅まで2駅というのは、あまり便利ではないのでは? という話はある。

この点で対照的なのが京都駅の南側に駅をつくるという案だった。

ここだとそんなに地下深く掘る必要はないし、歩く距離もそこそこである。

工期も桂川経由より若干短く、費用面もそんなに高いものではない。

この点では有力とみた人もいたようだが、不採用となりそうだと。


計画図を見る限り、このルートは主に堀川通・油小路通で京都市街を縦断するものである。

このルートは都市高速が作られたり、計画ルートになったりしており、

京都市街では比較的開発の余地があると考えられているエリアでもある。

この地下をズドンと抜けようという話ではあるのだが、

その周囲に目を向けてみると、地域の理解を得ることの難しさを感じるものもある。


現在の近鉄京都線、当初の構想は伏見エリアを地下で通過するものだったらしい。

ところが当地は酒造りが盛んな土地で、地下水に影響があっては困るということで、

高架構造が採用されたという経緯があるそうだ。

このことは北陸新幹線の計画を立てる上でもかなり慎重に考えたようで、

京都駅から久御山車両基地まで直線的に向かうのではなく、早々に桂川を渡っている。

南側のルートがなかなか無理がありそうに見えるのはこの都合である。


京都市内を縦断する地下鉄道といえば、やはり烏丸線が筆頭でしょうが。

烏丸線が開削工法で作られたが、これがとても大変だったのである。

地表から掘っていくといろいろ遺跡が見つかるからである。

この埋蔵文化財の調査に時間を要したことからハケで掘った地下鉄なんて言われることも。

このように想定外に時間を要するリスクが高いのが京都市街の地下工事である。

さらに烏丸線は地下水への影響も大きく、まだ当時は井戸水を使う世帯も多く、問題になったという。

このあたりは北陸新幹線の懸念事項としても言われているところである。


ただ、これらの問題はシールド工法ではほぼ問題にならない。

シールドトンネルは地下水位への影響が生じにくい。

地表から掘り進むと地下水脈の分断などが避けられないが、シールド工法であれば防げる。

また、地表を掘らなければ遺跡が出てくる心配もない。

このため、例え京都駅を通るルートであっても沿線への影響はほとんどないと説明は出来る状態にあった。

ただ、これまでの経緯もありそれなりの苦労はあるだろうと。


課題はまだいろいろあるんですけど、桂川経由で腹をくくれば話は進むのかなと。

次の大きな課題が建設費である。長大トンネルに京都市内や大阪府内の地下トンネルなど、

新大阪~敦賀の工事費が高いということは散々言われていた。

B/Cが1を超えないという問題は、新大阪~高崎全体で計算することで乗り越えられることになった。

ただ、依然としてこの区間の建設費が高額であるという問題はある。

誰がどのような割合で負担していくかというのは難しいことで、

行政としてはできるだけ貸付料で賄うようにしたいという話はあるものの、

JRとしては貸付料が増えるのは嫌がるので、この調整が難しい。

北陸新幹線の高崎~長野の開業からそろそろ30年となり、ルールの見直しの機運もある。

北陸新幹線全体としてはJR西日本・東日本とも貸付料を払う余地はあるので、

どれだけの額をどれだけの期間払ってもらうか。これが問題でしょうね。

リヤカーを引いた特定原付?

前々から気になっていたことなのだけど……

glafit及び セイノーグループ【地区宅便・日祐】、特定小型原動機付自転車を活用した次世代型配送オペレーションの実証を開始 (glafit)

ダイレクトメールや小型荷物の配達にglafitの電動サイクル(特定原付)を使う実証実験をするという話で、

NFR-01Proの後ろにサイクルトレーラーを付けた車がある。

道路交通法を読んでいると特定原付が牽引することを想定した規定があるが、

果たしてこの車に対する法令の適用はどうなるのかという疑問である。


そもそもという話ですが、自転車や原付はリヤカーを牽引することを想定した規定がある。

自動車(排気量125cc超のバイク含む)が牽引する車両はナンバープレートが必要だが、

自転車や原付の場合はただのリヤカーを牽引することができる。

ただ、それぞれリヤカーを牽引すると様々な制約を受けることになる。


自転車の場合、最も大きな制約が普通自転車に該当しなくなるということである。

普通自転車の要件には、長さ190cm・幅60cm以下、側車がないこと、幼児用座席を除き1人乗りであるなどあり、

さらに「他の車両を牽引していないもの」である必要がある。

普通自転車に該当しなくなると、歩道の通行が一切認められなくなる。

歩道の押し歩きも認められなくなる。軽車両として車道の押し歩きが必須になる。

市内で宅配業者がトレーラー付きの自転車を使っているのだが、

なぜか歩道にあるのをよく見るけど、あれは認められないはず。


また、道路標識の「自転車」は普通自転車を指すので、

「自転車を除く」車両通行止め(歩行者専用)や一方通行にも従う必要が生じる。

道路交通法の規定による自転車歩行者専用の規制がある場合も通行できない。

これは自転車道を通行できる自転車・特定原付以外の車両が通行できないことを表しているが、

牽引している車両は自転車道を通行できないためである。

生活道路の規制にこれらの方法を使っている地域では制約が大きい。

一方で「軽車両を除く」「自動車・原付」の規制はトレーラーの有無は関係ない。

トレーラーを付けても軽車両であることに変わらないためである。


特定原付がリヤカーを牽引する場合どうなるかという話である。

まず、歩道モード(特例特定原付)の定義を見ると「他の車両を牽引していないもの」という条件がある。

このため、歩道モードに切り替えて通行が認められた歩道を通行することは出来ない。

また、自転車道の通行も認められないし、歩道の押し歩きも認められない。

ゆえに自転車歩行者専用の規制がある場合は通行できなくなる。

一方で標識令では別に指示がない限りは特定原付は普通自転車と同様の規制を適用するとなっているので、

標識の「自転車」はトレーラーを付けた特定原付も含むのだろうか。

これはどうも想定と異なるところがあるような気がする。


東京都だと「自転車歩行者専用」の規制はあまりなくて「自転車を除く」の規制が多いので、

こうなるとトレーラー付きの特定原付は歩道モードにして歩道を通れない以外はほぼ制約がないのかもしれない。

ところが、この冒頭の記事を見ると、歩道通行モードへの切替を特色の1つと考えているようである。

ということはこれはリヤカーの牽引ではないのか?


もしかすると、このトレーラー部分も合わせて1台の特定原付という意味なのかもしれない。

NFR-01Proは全長130cm、後ろに60cmまでなら加える余地はある。

幅60cm以内を満たす必要もあるが、これは満たしてるんじゃないかな。

そして特定原付には車輪数の制約がない。4輪でも問題はない。

もし全体として特定原付の制約を満たすものであれば、歩道モードにして通行が認められた歩道を通行することもできる。

積載制限はリヤカーの場合は120kg、原付一種の積載装置の場合は30kgと差があるが、30kgで十分だろう。


もしかすると以前、普通自転車が2輪または3輪と規定されていたのは、

自転車+リヤカーで普通自転車の要件を満たすことを防ぐためだったのかもしれない。

ただ、現在は普通自転車は4輪以下という規定になっている。

このため2輪+2輪であれば普通自転車の要件を満たす可能性はある。

実際、そのようなトレーラー付きの普通自転車が存在するのかは知らないけど。

なお、普通自転車には車輪数の制約があるが、自転車というだけなら制約はない。

自転車というのは人力で漕いで動かす車の多くが該当するため。


この車輪数の制約というのはバイクの方がより厳しい。

三輪以上の「二輪」

排気量50cc以下または出力0.6kW以下の電動車であれば、車輪の数によらず道路運送車両法上の原動機付自転車にあたる。

この中には特定原付も含まれる。特定原付は車輪数の制約がない。

それを超える場合、3輪以上であれば原則的には検査対象軽自動車になる。

ところが側車付きの二輪車という概念があって、道路運送車両法上は二輪の軽自動車扱いになることがある。

2輪であれば50cc超125cc以下(出力0.6kW超2.4kW以下)は原付二種になるところ、

原付二種は側車付きのものが認められていないので、一気に軽自動車扱いになる。

タイヤが3つ以上付いた原付二種があるとすれば、リヤカーの牽引しかないってことですね。


特定原付でも無関係ではないが、原付のリヤカー牽引では最高速度は25km/hに制限される。

一般原付なら元々30km/h制限だからそれより少し厳しい程度だが、

原付二種の場合はもっと速度を出せることも多いはずでたいへん厳しい制約である。

この規定はおそらく特定原付にも適用されるはずだが、

そもそも20km/hのリミッタがあるので、あまり問題にはならないはず。

もちろん牽引ではなく、全体として1台の車として扱えればこの制約はない。

県外に行く人も使ってほしい空港

前から噂には出ていたが、富山空港に新しい愛称「富山高山すし空港」が付いた。

即日適用だったらしく、Webサイトの表記は変わったが、空港の看板は「富山きときと空港」のままである。

特徴として県境をまたいだ「高山」の名前が入ったことがある。

飛騨地域への訪問者も利用してほしいという意図があるようだ。


富山空港は富山県が管理する地方管理空港である。

このような地方管理空港の愛称名に隣接地域の名前が入るものとしては「萩・石見空港」という先例はある。

といっても萩までは相当離れているのだが。

ただ、かなり珍しいことではある。

大阪国際空港について外国語表記では”Osaka Itami Airport”のような表記に統一した話もあるが、

これは混乱防止のためなのでちょっと事情が違う話でもある。(そもそも伊丹市にも空港はかかってるし)


一方で航空会社が隣接地域の名前を使ってアピールする事例は他にもあって、

春秋航空の「佐賀(近福岡)」「茨城(近東京)」はやや特異的な表記である。

佐賀空港はオフィシャルには「九州佐賀国際空港」と九州の玄関口をアピールしているが福岡とは言っていない。

この言い方は春秋航空しかしていないのだが、こういう表記は他の空港にもあるらしい。

それが「小松(金沢・福井)」である。

これは石川県・福井県がJAL・ANAに要望して2006年頃には実現した表記らしい。


この表記に至るまでには歴史があり、それが福井空港である。

福井空港は滑走路1200mで、現在は定期便がないが警察・消防のヘリは常駐している。

この空港は昔は定期便はあったのだが、この滑走路の短さではさっぱり使い物にならない。

福井県も拡張を検討したのだが、実現性がないという結論に至った。

一方で小松空港、正確に言えば航空自衛隊小松基地に併設された小松飛行場も近い。

このため福井県は小松空港に乗っかった方がよいと考え、石川県と共に小松空港の利用増進を図ることになった。

小松空港が北陸の空の玄関口として確たる地位を手にしたのは福井県の助力もあったわけである。


そもそも富山空港がこの愛称を言い出したのも新幹線開通後の手詰まり感があるのだと思う。

富山空港は神通川の河川敷にある空港でいろいろ制約が大きい。

新幹線開通前は東京線の需要が大きかったが、開通後は厳しい状況である。

そこで国際線の誘致を考えているのだろうが、現在は国際線定期便は全て運休中。

ここは小松空港とは対照的で、こちらは国際線が好調である。

国内線も東京線はかつてほどの利用はないが、福岡・那覇・札幌と鉄道と競合しない目的地も多い。

あと小松は貨物もあるんですよね。カーゴルックス航空が昔から乗り入れている。


国際線の就航地というのはある程度固まる傾向はあるように思っていて、

北海道における新千歳はその最たるものではないかと思う。

国際線の方が伸びしろがありそうと考えるのは容易だが、

それが実現するかというと、これはかなり偏りがあるのかなと。

富山県も小松空港に乗っかった方が……という意見もありますが。

しかし、福井~小松は県内移動も同然の近さだけど、それとは違いますからね。

上鳥羽口折り返しで運行中

近鉄京都駅付近で始発電車が脱線したというニュースがあり、

近鉄で始発電車が脱線といえば2009年に東青山駅で脱線があり、

これの原因は保守用の横取装置を外し忘れるというもので、

横取装置を検知して停止信号を出すようにするなどの対策が行われた。

なので同じ原因ではないだろうとは思ったけど……


それはそうとして、運休区間が京都~上鳥羽口と書かれていて、

この状況でよく上鳥羽口までの運行を確保しているなと驚いたが、

なんと驚くべきことに急行以下は上鳥羽口折り返しでほぼ通常通りの運行をしていたという。

(朝は烏丸線直通列車が運休だったが、それもしばらくして解消したそう)

まさかそんなことができるのかと驚いたものだが。


通勤・通学といった用途に限れば、近鉄京都線を京都駅まで乗る人はわりと限られている。

これは丹波橋駅で京阪に乗り換える人と、竹田駅で烏丸線に乗り換える人が多いためである。

京都都心へ向かうとなればこのいずれかのルートが使われることが多い。

上鳥羽口駅は竹田駅の1つ京都側の駅である。

すなわちこれらの利用をしている人はほぼ影響なしということになる。

また、京都駅に向かうにしても竹田駅で烏丸線に乗り換えて行ける。

明確に不便なのは東寺駅を利用していた人だが、これも烏丸線の九条駅からそう遠いわけではない。

バス乗換のために使っている人なら乗換場所が変わるだけの話である。


なぜそれで間に合っているのか? おそらく特急がないからだろう。

伊勢方面の特急は西大寺発着、それ以外は全線運休で対応したようだが、

これで本来京都駅で折り返していた電車はかなり減っている。

これにより上鳥羽口折り返しでほぼ対応できたようだ。そんなものか。


ここまで上鳥羽口行きが走ることも珍しいわけですが、

こういうトラブルも予期して用意してあったのかなと。

高架化のときに付けたなんて話も見た。

竹田駅の隣でわりと処理能力が高いというのは意外な話だったが。


ただ、生活路線としてはそれでもよいのだが、特急がないのは苦しいですよね。

近鉄京都駅の利用者の相当数は新幹線との乗換のための利用で、

それは奈良県方面に特急だか急行だか乗り換えるわけですよね。

当然、烏丸線に乗れば奈良方面に行くことはできるが、それはかなり不便な話である。

もともとが新幹線との乗り換えにすごぶる便利な立地なので。


さて、脱線の原因だが、まだ明確なところはわかっていないらしい。

始発前の目視点検、遠隔点検ともに問題はなく、

何かポイントが想定と異なる動きをしたことに問題がありそうだが、

一体それが何なのかというのはそう容易なことではないよう。

原因究明のための調査をしっかりしないと再開させるにも怖いわけで、

まだしばらく上鳥羽口折り返しが続きそうだ。

バス搭乗の欠点

職場に出張の荷物を担いでいって、職場から空港へ直行とはなかなかタイトである。
ただ、外したくない打ち合わせもあったし、職場でやりたい仕事もあったし。
わりとタイトで職場を出たら寄り道せず空港に行って、保安検査を通過するのは30分前かという具合。
実際はスムーズだったのでもうちょっと早かったけど。


で、空港に着く直前にゲート変更の通知が来ていて、えらい番号のゲートだなと思ったが、
ああ、これバス搭乗ってことだなと気づく。バス搭乗からターミナルビル内でむやみに歩かされることはない。
世界的にみるとそういう考えの空港というのももあるようですね。
今までバス搭乗というと、成田空港第3ターミナルでJetStarを使ったときだけで、
当時はまだエプロンが未完成の部分があり、すぐ近くなんだけど安全面からバスで移動するというものだった。
今回はがっつり遠くのスポットまでバスで移動する。10分弱走ってたよう。
他の車両との交錯もあり、しょっちゅう止まりながら走ってた割にはとも思うけど。


バス搭乗の場合もゲートを通過する時刻は同じだからバス移動の分だけ遅れることになる。
今回はみんな時間より前にゲートを通過できたようで、最後のバスも時間よりちょっと前に出発。
でも、飛行機が動き出すのはバスが飛行機について、タラップ上がって座ってから。
ボーディングブリッジから乗り込めば、時間ぴったりぐらいには動いてそうだったけど、なかなかそうもいかない。


しかし、これはよくないなと思ったのが搭乗開始前に車いすの人が別誘導を受けているのを見たところ。
ボーディングブリッジからの搭乗なら、車いすに乗ってそのままわたって、座席に座らせてもらえば話は済む。
しかしバス搭乗ではそうもいかない。バスは今時ツーステップバスだし、タラップは階段しかない。
これはバスゲートのところに停まっていたのだが、専用のリフト車で連れて行ってもらうことになるのかな。
この設備自体はストレッチャーで乗り込む人なども使うので、なんらか空港には必要なものなのだが、
普通の車いすの人はボーディングブリッジがかかっていれば本来そこまでする必要はない。
バリアフリーを考えればボーディングブリッジは必要だと改めて感じたのだった。

会員登録しないと買えないので

出張に飛行機を使う話を書いた。

飛行機の時刻表は偏っているので

うちの部署からは2人行くのだが、もう1人が手配しようとすると、

会員登録が面倒なので一緒に手配してくれないかということになった。


基本的には飛行機の手配するには会員登録が必要なんですかね。

ただ、これも航空会社によるところがあるようだ。

でも、この会社は登録しないと運賃すら見ることが出来ない。

企業向けの特約運賃は一般で調べても出ないわけですからね。

予算すら立てられないということである。


代表者が会員登録していれば、他の人は会員登録がなくてもよくて、

ただし氏名・生年月日などを入力する必要がある。

精算時は2人分の運賃を精算することになるが、同じ部署なのでどうということはない。

ちなみにこれでもう1人の人が精算しなくてよいかというと、

鉄道など飛行機以外の部分は各自精算する必要はある。


しかし、これやってて思ったんだけど、国際線は登録なくても手配できるんだよな。

後追いでFFP番号を登録したこともありましたが。

国際線の場合は、パスポート情報を基本にしているとか、

必ずしも搭乗する航空会社の会員ではなく、提携先の会員の場合もあるとか、

いろいろ事情はあるんでしょうが。あと必ず旅行会社の手作業があるみたいですね。

最低限の作業で済めば旅行会社の手配料金は安いとは書いてあったが。


このケースはその場で会員登録すればすぐ使えるけど、

鉄道の手配だと登録に日数がかかる予約サービスもあるとか書いてあったな。

いろいろ企業向けのシステムはあるみたいなんだけど、事業者によりけりのようだ。

高カテゴリのILSのために地面を作る?

高松空港は瀬戸内一帯では最も国際線の利用が多い空港である。広島より多いんですよね。

高松市街から割と近く、そこからの往来が便利なのが理由のようだ。

ただ、この高松空港の欠点が濃霧による欠航で、この対策としてILS高カテゴリ化事業がスタートした。

濃霧などの影響を受けやすい国管理空港を順々に改良していて、

その中で高松の番が回ってきたというのが実情でしょうね。


高松空港ILS高カテゴリー化事業における新規事業採択時評価について (pdf) (国土交通省)

現在、高松空港は東から着陸する場合にILSを利用できる。

このILSはカテゴリI(CAT I)で、高度200ft(約60m)地点で滑走路が目視できれば着陸できる。

もし、目視できなければゴーアラウンドとなる。

高松空港ではCAT IIIbにする計画で、これが実現すると自動着陸できるので滑走路が目視できなくても着陸できる。

滑走路が目視できなくても着陸はできるが、着陸後に何も見えないでは困るので、

その場合でも滑走路視距離(RVR)は50m以上あることが要求されている。


これを実現するために必要な設備としてCAT III用の航空灯火、ローカライザー、グライドスロープ、

RVRを測定するための気象施設、そして電波高度計用地とある。

CAT III用の灯火などは今までより上等なものに変えるということだが、

高松空港で大変なのが電波高度計用地であり、でもこれがCAT IIIのキーポイントのようだ。


電波高度計というのは地面に電波を当てて高度を測るものである。

CAT Iでは気圧で高度を測るが、これではどうしても精度が出ない。

なので地面との距離を測ってより精度良く高度を知る必要があると。

この精度良い高度情報があるからこそ、自動着陸もできるということだろう。

そのために必要なのは地面、でも高松空港は滑走路の東側に平らな地面がない。

丘陵地にあるので、東側が平らじゃないんですね。

このために盛土をして平らな面積を広げるか、人工地盤により平らな面を作るか、どちらかの対応が必要になる。

この問題は広島空港にもあって、こちらは人工地盤を使っている。

空港の西側に頼りなく張り出しているのが電波高度計用地である。


日本では滑走路の片側にILSが付いている空港は多いが、

両側にある空港は少なく、新千歳・成田・羽田・中部・関西・福岡・那覇 などに限られる。

もっとも片側にしかILSがないのはケチっているからとも限らず、地形の都合などもある。

伊丹空港は北側に山が迫っているので南側しかないなど。

で、この両側にILSがある空港なのだが、全部CAT II以上という空港は関西・中部の2空港のみである。

関西は2つの滑走路の両側がCAT II、中部は南側から着陸する場合はCAT IIIb、北側はCAT IIである。

他は1つの滑走路の片側だけCAT IIIbに対応するという形である。

羽田空港とか4本滑走路あるけど、1本の片側だけなんですよね。


CAT IIまでというのは現在は日本国内では関西・中部のみである。

電波高度計を使う、自動着陸できるといった特徴はCAT IIIと同じで、

ただ、高度100ftで滑走路が見えないと着陸できないという差はある。

調べると中部は開港時は両側ともCAT IIだったのだが、

濃霧に見舞われることがあり、対策として開港4年後の2009年に一方をCAT IIIにしたという記載がある。

設備面の差はそこまで大きな物ではないのかもしれない。

そして今も関空がCAT IIまでなのは、それで別に困らないからなんだろうな。


実際のところCAT IIやCAT IIIというのは常時使われるものでもないらしい。

これは自動着陸する都合、滑走路の周辺を空けておく必要があるとか、いろいろ制約が多いからだそう。

CAT II・IIIは特別な体制が必要なので航空会社・乗務員・機材の都合によりできない場合もある。

羽田・成田は1つの滑走路だけ対応できても機能維持は難しそうだが、

最低限の機能だけ維持できればよいという割り切りなんだろうか。

一方で近年に基幹空港としてできた関西・中部はCAT II以上に最初から対応しておいたよということかね。


昔に比べると安全に着陸できる空港が増えているのは確かで、

それはILSが導入できないパターンでのRNP-ARの適用もそうだし、

ILSの増設・高カテゴリ化というのもある。

そういう中では高松というのは優先度は一段落ちるかなとは思うものの、

国際線が伸びているというのは後押しになった感じでしょうかね。

平らな地面があればもっと早く着手できていたかもしれないけど、

そもそも濃霧に見舞われるのは丘陵地にあるからなのでなんとも。