日本年金機構から郵便が届いた。
中には国民年金被保険者資格取得届が入っていた。
20歳になると日本国内に住んでいる人は国民年金には必ず加入しなければならない。
ちなみに国民年金には20歳未満でも加入できる。20歳になるまでにサラリーマンとして既に働いている人は入ってるはず。
ただ、それ以外の人は20歳になってはじめて被保険者となる。
ところで国民年金の被保険者には3種類ある。
- 第一号被保険者 (第二号被保険者でも第三号被保険者でもない20歳以上60歳未満の人)
- 第二号被保険者 (サラリーマンなど厚生年金の被保険者と、公務員など共済年金の被保険者)
- 第三号被保険者 (第二号被保険者に扶養されている配偶者)
僕の場合は20歳になったら第一号被保険者になるわけだ。
資格取得届は名前と住所と生年月日を書くぐらいでたいしたことはない。
20歳の誕生日の前日に資格を取得するようだ。
これを市町村に窓口に出すか郵送で送るかだが、郵送で送ることとした。
これで国民年金の加入は完了。
加入するのは大したことではないのだが、問題は保険料やわな。
所得0円だろうがなんだろうが、第二号被保険者に扶養されている配偶者でなければ保険料は取られる。
さらに所得に関係なく毎月15100円だ。
これは納められなくても不思議ではない。特に学生の場合、ほぼ収入もない人がほとんどだろうし。
というわけで、学生納付特例制度というのがある。本人の所得が一定以下の学生は納付が猶予されるというもの。
国民年金には保険料免除というのがあるそうなのだが、被保険者本人・配偶者・世帯主の所得で計算される。
なんで配偶者と世帯主が出てくるのか。
どうも調べると、被保険者本人以外に配偶者・世帯主も連帯して保険料を納付する義務があるらしい。
国民年金法第88条 被保険者は、保険料を納付しなければならない。
2 世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。
3 配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。
払う義務があると言ってるけど、本当に払ってくれる世帯主なんて限られてるだろう。
それで保険料を払えないから国民年金に入らないなんてことになれば、年金を受給できないことになるから都合が悪い。
年金といっても老齢基礎年金だけじゃないからね。障害基礎年金もあるから、若い人でも年金は無関係ではない。
というわけで、そういう制度が作られたのだろう。
同様に若年者納付猶予制度もある。30歳未満の被保険者向けの制度で、本人と配偶者の所得のみで計算される。フリーターなどを意図した制度か。
ただ、猶予されるだけで、あとで納付しないといけないのよね。そうしないと納付してないことになって年金額が目減りする。
それは保険料の免除にも言えて、保険料の免除を受けた分は納付期間を1/2にして計算するからこれも目減りする。
結局払わなあかんのよ。
その猶予を受けた保険料を払う時は、前納をしたときの特典のようなものはない。
前納すると、1ヶ月前納で毎月50円引き、1年前納で年間3800円引きになる。(参考 : 国民年金前納割引制度)
実に1年前納すると2.1%安く済む。
逆に追納する場合は追納加算金が加算される。年率1.5%で3年目から加算されるらしい。
というわけで、猶予を受けても免除を受けても嬉しいことはさほど多くなくて、むしろ悪いことの方が目立つと。
払えないならこういう制度に頼らざる得ないけど、そうでないなら納付した方がお得だろう。
そういうこともあって、父は僕に代わって保険料を納付してくれるようだ。ありがたい話だ。
ちなみに、所得税・住民税には社会保険料控除という所得控除がある。
これは自分の年金保険料・健康保険料・介護保険料だけでなく、同一生計の親族の保険料も対象になる。
なので、父は僕の保険料についても社会保険料控除の計算に入れることが出来る。
所得税の税率が10%なら、住民税10%とあわせて、保険料額の20%も税金が減る。
高所得者ほどこの恩恵は受けやすいから、就職したてで所得の低いうちに追納するよりもずいぶん得なはず。
年金の制度はたすけあいというのが基本になっていると思っている。
現役を退いた老人や障害を受けた人に現役世代が保険料を支払って年金を給付しようと。
この仕組みって自転車操業なのよね。将来の給付は将来現役世代が支払った保険料で払うと言っているわけだから。
ただ、将来受給者が増えることはわかっているので、一部は運用して将来の給付に回すようなことはやっているようだが。けど基本はそうだ。
そういうわけで、保険料を納めないというのは今の給付に影響を与える大きな問題で、きちんと保険料を納付することが大切なわけだ。
とはいうものの、国民年金の保険料は第一号被保険者なら収入によらず同じというのはどう考えてもおかしいと思うのよね。
確かに所得が低い人向けに免除とかそういう制度はある。けど結局追納しなければ給付額は目減りする。
けど、同じく所得が低い人でも、第二号被保険者に扶養されている配偶者は第三号被保険者だから保険料を払わない。
第二号被保険者の厚生年金保険料に含まれていることになっているけど、扶養配偶者がいてもいなくても一定の保険料率だ。
ここいらへんようわからん。多分国民年金ができたときにいろいろあったんだろうな。
また、所得が高い自営業の人もこの保険料しか払わない。厚生年金の保険料に比べたらかなり割安なはず。
サラリーマンの厚生年金に相当する、国民年金基金はあるけど入るかどうかは勝手だ。
現役世代の中では、余力のある人が助けず、余力のない人に無理を強いてないか。そう見えて仕方ない。
最近はあまり話題になっていないけど、年金一元化って話ありましたよね。
厚生年金・共済年金を統一して、自営業者も対象にして同じ保険料率で保険料を払わせると。これは民主党の案か。
その案ではさらに基礎年金、すなわち現在の国民年金に相当するものは消費税で全額まかなうという話だったか。
消費税というのは、概ね所得額に比例して払うから、今の一定額の国民年金保険料に比べればよっぽど能
力に応じた負担だ。
ということを以前にも書いてますね。(参考記事 : 新しい税金の仕組みについて考えてみる )
こう言う制度の方がよっぽどいいですわ。これなら20歳になった途端にろくに所得もないのに保険料払わなあかんとかならんで済む。
ほんまどうにかならんのかなと思うのだが、僕が学生でいる数年の間にどうにかなる問題でもなさそうだしなぁ。
特に自営業者への措置が問題でね。そういうわけで後回しにされがちなんだけど、わりと重大な問題だと思うんだ。