日本で最も混雑する地下鉄路線として名高い東京メトロ東西線、
いや混雑するのはどちらかというと地上走行区間の多い東側ですが。
その中で南砂町駅の改良工事のために土日で一部区間運休で工事を行うことに。
いろいろ工夫をして完全に運休になるのは南砂町駅の前後1区間、東陽町~西葛西だけに抑えている。
ちなみに工事内容はホームを1つ増やして交互発着できるようにするというもの。
新しくなる東西線 南砂町駅、どう変わる? ホーム拡張+線路増設で乗り降りしやすくなる現場を見てきた (トラベルWatch)
東海道新幹線の品川・新横浜・名古屋・京都は全ての列車が停車するが、
列車を待っていると、右側・左側・右側とホームを交互に使っていることに気づく。
列車の乗降中から、後続の列車が反対ホームに入る準備が出来るので、列車を詰められるという仕組みである。
なぜ南砂町なのか? という理由は一見わからないが、南砂町駅の手前で列車が渋滞するらしい。
ラッシュアワーに撮影された動画を見ると、乗客を押し込むのに時間がかかってるっぽい。
それはそうとして気になったのは期間中の運行形態である。
下記の3区間に分けて運転されるという。
- (JR中央線各停~)中野~東陽町
- 中野→茅場町は5分間隔、茅場町→東陽町は10分間隔
- 東陽町→中野は5分間隔
- 西葛西~葛西 : 15分間隔で1駅間の折り返し運転
- 葛西~西船橋(東葉高速鉄道との直通運転はなし)
- 西船橋→葛西は15分間隔
- 葛西→西船橋は7~8分間隔
西葛西は折り返しできない駅なので、西葛西~葛西は単線で1編成が往復している。
こうして1駅でも運休区間を狭めようとしてるんですね。
それはそうとして茅場町~東陽町と葛西~西船橋は往復で本数が違うんですよね。
当然、茅場町→東陽町、西船橋→葛西を回送列車として運行しているのだが、
特に回送列車の運行方法が特別なわけではなく、東陽町・葛西まで営業運転する列車と同じ経路で走っているらしい。
一体なぜこんなことをしているのだろうか?
調べてみると2つの意図があるのではないかと指摘があった。
1つは折り返し作業の時間を稼ぐためという指摘である。
東陽町・葛西とも1つのホームだけで折り返しをやるので短時間で折り返さないといけない。
回送列車として入れば折り返しにかかる時間を短縮できる。
1つのホームで5分間隔でやってくる列車の折り返しは間に合わないだろうが、
半分は茅場町で車内点検しておけば、乗務員交代して早々発車できる。
もう1つが運休区間に突っ込んでくる客を減らすためではないかとのこと。
今回の運休区間には代行バスが運行されるが、元々利用者の多い路線、
とてもバスでは間に合わないと考えられており、他路線での広域迂回や、
東陽町~南砂町の徒歩移動(およそ15分)を推奨しているところである。
広域迂回を考えれば茅場町・西船橋から他路線という形になる。
茅場町~東陽町、葛西~西船橋の途中駅では運休区間から遠ざかる方の本数が手厚いので、
運休区間を遠ざかる方向への利用を促せるという考えである。
2日以上運休での工事といえば、JR渋谷駅のホーム移設と銀座線渋谷駅の移設工事が思い浮かぶ。
JR渋谷駅については山手線・埼京線の線路をそれぞれ移設する形で、
埼京線運休時は山手線、山手線運休時は埼京線で補完する形だった。
銀座線渋谷駅については半蔵門線が平行しており、かなり代替できた。
それに比べると今回の東西線の運休はやっぱり大変である。
門前仲町~西船橋の途中駅にとっては他路線への分散が難しいのが実情で、
遠回りになっても茅場町・西船橋まで回り込んで迂回する形にならざるを得ない。
この区間の江東区・江戸川区・浦安市内の利用が旺盛であることが東西線の混雑の大きな要因だから当然ですけどね。
南砂町駅で交互発着を導入しても渋滞の先頭が動くだけでは?
という指摘はあったのだが、隣の東陽町駅には有楽町線支線(豊洲~住吉)の接続予定がある。
これにより東陽町駅の利用者が分散することへの期待はあるのではないか。
うーん……やっぱりどうなんだろ。
一応、交互発着以外にも折り返し運転にも活用できるというメリットはあるんですけどね。
地上走行区間は強風の影響を受けることがあるので、
地下区間の端、南砂町駅での折り返しができるメリットはありうると。