イトーヨーカドーは売りたくないが

おととい、そごう・西武 をセブン&アイが売却するという話を紹介したが、

イトーヨーカドーも売却しろという株主からの圧があるが、今のところその気はないらしい。

セブン井阪社長「イトーヨーカ堂は手放せない」 (東洋経済ONLINE)

やはり予想通りというか、セブンイレブンとの関係性ですよね。

セブンイレブンの食品を充実させるにはスーパーがあることはメリットであると。


とはいえ、イトーヨーカドーの食品部門はともかく、他はなかなか厳しい。

というか僕は毎週のようにイトーヨーカドーに買い物に行き、

食品メインだが時々衣料品・日用品も購入しているわけだけど、ここですよね。

特に衣料品は厳しいところがある。

行きつけの店では3年前ぐらいに売場構成がガラッと変わり、衣料品の売り場面積は減ったが、それでもまだまだ広い。

それに見合った客がいるか? と言われると厳しそうである。


どこのチェーンもそうだけど、かつては衣料品というのは稼げる商品だったが、

今は専門店の充実もあって、スーパーの衣料品売り場は儲からなくなった。

じゃあやめてしまえと思うわけだけど、そうすると売り場面積を持て余すことになる。

日用品の強化というところで100円ショップに頼るのもよく見る光景である。

イオンと100円ショップ

まぁイオンがキャンドゥを買収したのは、まとまった売り場を100円ショップにするというよりは、もっと小さなところを埋める目的とは思うんだけど。


そこを打開できるものが強いということでは、イオンとPPIHでしょう。

イオンは言わずもがな。総合スーパー(GMS)のガリバーである。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)はドン・キホーテの親会社で、ユニーを傘下に入れたことで知られている。

これ以前はドン・キホーテがスーパーの会社という印象は薄かったのだが、

実はMEGAドン・キホーテはGMSに近い形を指向していたわけである。

ユニーを傘下に入れる前から、長崎屋を傘下に入れていたのはそういうことである。


イオンは専門店化が打開策である。

イオンモールに行くと、イオン直営売場にもいろいろ名前が付いていて驚く。

自転車なら「イオンバイク」住関係なら「HOME COORDY」など。

イオンの衣料品ブランドは意外と多い?

こういう取り組みも実ったのか、かつて赤字に苦しんだGMSも利益が出るようになったらしい。

専門店化で一番手応えがあるのは「イオンリカー」っぽいですけどね。

なんやかんや食なのかと思いつつ、それだけではなんともなりませんから。

なお、イオン店舗はネットスーパーの拠点という役割も増えている。

そういうところもGMS全体での収益改善に貢献しているようだ。


PPIHは衣食住なら「住」というところに活路を見いだしている。

アピタがドン・キホーテ化された店舗について、市内のどの電器店よりもPC関係の品揃えが良いというコメントをしていた人がいて、

これは話半分としても、今までのスーパーではやらなかったところをやるのは確か。

電化製品もプライベートブランドでいろいろやってるんですよね。

アピタ・ピアゴは今後も続けていくようだが、ドン・キホーテの小型店舗を入れるなどの形で良いところは取り入れているとのこと。

なお、PPIH全体としては、都心型の店舗も多く、これは国内外の観光客が減ったりで苦戦しているのだが、ユニーが傘下に入ったことで地域密着型の店舗が増えた。

これでPPIHはだいぶ助かったらしい。都心型店舗ばかりだと地獄だったでしょうね。

ユニー・ファミリーマートホールディングスがユニーを手放すと聞いたときには、どうなることかと思ったけど、結果的には各方面によい影響が出ているようだ。


こういうのと比べると、イトーヨーカドーは……と思っちゃうけどね。

GMSという商売を考えれば、熱意ある会社に渡った方がと思うところはある。

でも、食品売場はいいんですよね。

そこにセブンイレブンとの関係性があるのかと言われれば、あるとは思う。

今のイトーヨーカドーは全国チェーンというには寂しいことも確かだが、

セブンイレブンとあわせて食品分野での強みを生かすには十分ではあるんだろう。


イトーヨーカドーはセブン&アイの祖業だけど、そのさらにルーツにさかのぼれば「羊華堂」という洋品店にある。

他のGMSもそうだけど、衣料品から始まってるんですよね。

そこからセルフサービス店舗に発展したものが現在のGMSのほとんどである。

衣料品売場の割合が高かったのはそういう歴史もあるんですね。

今では邪魔者扱いされがちだが、これがなければイトーヨーカドーの食品売場もセブンイレブンもないというのは確かなことである。

サウジカップデーはチャンスか

昨日はサウジアラビアでサウジカップデーの競馬の国際競走が行われた。

メインレースのサウジカップが超高額賞金というのがとにかく話題になるが、

前座のレースも(世界的に高額賞金の日本競馬から見ても)高額賞金だし、

今年から国際的な格付けが付いたことで、日本国内でも外国の重賞と扱われることになった。

まぁサウジカップはG1だけど、他のサラブレッドのレースはG3なんですけどね。

でも去年まではリステッドですから。この違いは大きいですよ。


日本での馬券発売はなかったが、グリーンチャンネルでは中継が行われた。

21:30~23:00と25:00~28:00という2部構成だが、なぜこうなのかというと、

この間に行われる2レースはローカル重賞と純血アラブの重賞だから。

(だから「サラブレッド」と強調してたんですね)

第一部は芝の3レース、第二部はダートの3レースとなっている。


これが日本馬大活躍だったんですよ。

1R、ネオムターフカップ(芝2100m)は日本からは1頭、オーソリティが出走した。

長距離の印象のある彼が2100mを走るのは意外だったが、次にドバイシーマクラシック(芝2400m)を走るので、その途中でひとっ走りしていくかという。

ところがこんな馬が外国のブックメーカーでは1番人気となっていた。

なぜか調べたら、他にG1級のレースで実績を出しているのが1頭しかいなかったから。

オーソリティはまさかの逃げ切り勝ちだった。楽勝で90万USドル獲得である。

日本の馬は速いから先頭に立たざるを得なかったということだと思うが。


2R、1351ターフスプリント(芝1351m)、距離は怪しげだがG1でも実績のある馬が揃った。

ところで1351mって変な距離だけど、おそらく1400mだとカーブにかかるので、それより少し短くして向正面の直線をフルに使える距離にしたものだろう。

そこにヒジュラ暦のサウジアラビアの建国年、1351を当てはめたということ。

近似的に1400m戦ということで、1200mと1600mの中間の距離が魅力である。

日本からは3頭が向かったが、G2勝ちのあるラウダシオンとソングラインは日本でこの時期の1400m戦は負担重量が加算される。

この時期は1200mならば高松宮記念(GI)があるが、1400m・1600mだと実績馬にはよきレースがない。

(もっともダート1600mならばフェブラリーステークスがある)

結果はソングラインが優勝、ラウダシオンは4着だった。

わりとハイレベルなレースだったのでは? G3からの昇格の可能性もあるんじゃないか。

このレースからドバイワールドカップデーのアルクオーツスプリントへの転戦も可能で、ラウダシオンとエントシャイデンはそうだが、ソングラインは帰国予定。

ヴィクトリアマイルへの出走に万全を来すためではないか。


3R、レッドシーターフハンデキャップ(芝3000m)、名前の通りハンデ戦。

日本からはステイフーリッシュが出走したが、負担重量60kgである。

日本の感覚からすれば重いなぁと。ヨーロッパでは普通らしいが。

ヨーロッパから超長距離の実績馬が揃ったし、実績で劣る地元馬を除けば62~59kgとハンデ差は小さいし、順当にこの辺が上位なんじゃないか?

と思ったら、まさかのステイフーリッシュ逃げ切り勝ち、そんなことある?

この距離は日本の一流馬にとっては天皇賞(春)という大目標もあるし、ハンデ戦ということで躊躇もありそうだが、思ってる以上にチャンスはあるのかな。


ということで芝の3レースはスピード勝負の日本競馬が冴える結果に。

後半はウッドチップ入りの独特のダートに勝負の舞台は移る。

6R、サウジダービー(ダート1600m)、北半球産3歳・南半球産4歳(ウルグアイの馬が来てた)、

日本だとこの時期にダートで実績のある3歳馬が出るレースは少ないので、サウジダービーとUAEダービーは貴重なレースである。

勝ったのは唯一のアメリカ馬、Pinehurstだった。アメリカでG1勝ってるし順当だが。

しかしそれに続く2位がセキフウ、3位がコンシリエーレと日本馬2頭が続いた。

セキフウはUAEダービーに転戦予定、コンシリエーレは帰国らしい。


7R、リヤドダートスプリント(ダート1200m)、日本馬にとっては貴重なダートスプリント戦なので実績馬がこぞって遠征した。

が……まさかのアメリカ馬0頭。というわけで必然的に日本馬に注目が集まる。

勝ったのはカペラステークス優勝で参戦したダンシングプリンスだった。

この馬、中央未勝利から地方競馬に移籍して3連勝してJRAに出戻り、そこから重賞勝ちというだけでもすごかったが、外国重賞勝ちという実績も付いた。

これで1着賞金90万USドルですからね。

JBCスプリント(1着6000万円、今年から8000万円)より高い。


しかしこのレースは2着・3着がものすごい戦績の馬が入っている。

2着のGood Effortはイギリスの馬だが、イギリスのオールウェザーで実績を出している馬だという。

ヨーロッパ競馬のオールウェザーも日本競馬のダートと同じく芝の保護のために導入されたもの。

日本のダート競馬はなんやかんやG1を頂点としたレース体系は組まれている。

でも、ヨーロッパのオールウェザーは本当に芝の補完ですからねぇ。G3はあるらしいけど。

3着に日本のチェインオブラブ、日本での主な戦績は3勝クラス勝ち。

なんでそんな馬が選出されてるのかと思ったが、フェアリーステークス(GIII)2着があった。しかしこのレースは牝馬限定芝1600m戦である。

1着はともかく、2・3着がこれはちょっと……と思っちゃうよね。

なお、4着には昨年覇者のコパノキッキング、これはこれでようやってんのかな。


そしてメインレース、サウジカップ(ダート1800m)である。

これはさすがにアメリカの馬が多かった。超高額賞金だけに選定されることが大変。

日本からはチャンピオンズカップ優勝のテーオーケインズと、BCディスタフ優勝のマルシュロレーヌが走った。

マルシュロレーヌはこれが引退レースですね。国内によきレースがないですからね。

結果は……まさかの地元馬Emblem Roadが優勝、これには現地は大盛り上がり。

これ馬券売ってなくて助かったと思った日本のファンは多かったでしょう。

ケンタッキーダービー優勝のMandaloun、日本のテーオーケインズは8着、昨年覇者のイギリスのMishriffはしんがり負けと、有力馬は散々だった。

もう1頭の日本馬、マルシュロレーヌは6着、まぁこれはよくやった方か。

10着までは賞金が出るので、日本の2頭は超高額賞金のおこぼれで日本の重賞勝ちぐらいの賞金はもらえた。2頭とも転戦せず帰国ですね。


というわけで、全体的に日本馬の活躍が目立ったサウジカップデーですが、

芝のヨーロッパ勢はともかく、ダートのアメリカ勢はなんなんですかね。

さすがに超高額賞金のサウジカップはメンバーが揃ったけど、リヤドダートスプリントでアメリカ勢0頭とか唖然としたわ。

もしかすると第1回サウジカップの1着馬Maximum Securityが薬物検出で結果保留になっているのを引っ張っているのかもしれない。

1着90万USドル(どう考えても高額賞金だけど)のG3なんて危ない橋を渡って出るもんじゃないわよってことか?

そうかと思ったらサウジダービー優勝のPinehurstは、薬物で前科2犯のバファート厩舎の馬だったりするんですよね。(cf. アメリカ競馬も反ドーピングらしいが)

サウジカップ2着のCountry Grammerもバファート厩舎ですね。

やましいことはなにもないのか、「自信」があるだけなのかはわからんけど。


サウジカップについては世界の競馬関係者がどんな馬を送り込めばいいか手探りである。

そういう事情を考えれば日本からの2頭はよく役目を果たしたと言える。

昨年優勝馬が芝実績しかなかったMishriffというのも困惑させる要素だった。

でも今年は惨敗である。違いは天気か? (昨年は雨、今年は晴れ)

ダート1800mなのに1ターンというのも珍しいコースである。

今回、地元馬(といってもアメリカ生まれ)が優勝したことでさらに謎は深まった。


心配なのはアメリカの競馬関係者が拗ねてしまわないかということである。

アメリカの有力馬を招待するぞと高額賞金のレースを作ったが、結局来ないという事例を2つ知っている。

1つはジャパンカップダート、現在はチャンピオンズカップと名前を変え、日本ダート競馬のチャンピオン決定戦になったが、元は国際招待競走である。

ジャパンカップも外国馬が充実しないと嘆いているが、こっちは7回目にして外国馬0頭である。

日本のダートがアメリカで主流のダートとは違うので合わないとか、日本の馬が強いとか、そんな理由でそっぽを向いてしまったらしい。

現在のチャンピオンズカップは外国馬大歓迎だが、当然のように来ない。


もう1つがオールウェザー時代のドバイワールドカップである。

2010年、ドバイにメイダン競馬場ができたときに、当時アメリカ競馬でダートの代替として導入が進められていたオールウェザー馬場を導入した。

そしてドバイワールドカップデーのレースが新しいメイダン競馬場に移転され、

従来ダートのレースはオールウェザーで行われるようになったのだが……

オールウェザー4回目の2014年のドバイワールドカップにはアメリカ馬0頭になってしまった。

この期間に日本のヴィクトワールピサもドバイワールドカップを優勝している。

さすがにこれはマズイと、アメリカから輸入した土に入れ換えたという。

現在はアメリカの有力馬も戻ったが、よかれと思ってオールウェザーにした結果、レースの根幹を失いかねない大事件を起こしてしまったのだった。


サウジカップデーももしかしたらそんな扱いなのかもしれない。

さすがにサウジカップほど賞金が高ければなんとかやるけど……と。

でも、それも日本、ヨーロッパ、中東の馬にやられるようならやめちゃうかもね。

アメリカからの馬を呼ばずに高額賞金のダートG1なんて成り立たんでしょ。

果たしてどうなることやら、と長期的には心配になってしまうサウジカップデーだった。


ただ、日本の馬にとって選択肢が広がるのはよいことだと思いますね。

ダートの3レースはどれも貴重な機会である。

芝についても1351ターフスプリントは高松宮記念とのすみ分けはあるでしょう。

ネオムターフカップはオーソリティのようにドバイシーマクラシックもそうだが、

帰国してから大阪杯やクイーンエリザベス2世カップ(香港)への出走も可能なので、

確かにこの時期は国内でも2000m前後のG2は複数あるが、賞金を考えればネオムターフカップも魅力的ではないか。だからもっと来ると思ったんだけど。

格付けはG3ではあるけど、G3なら重賞ですから悪いことはない。

そごう・西武って買いたいですか?

ちょっと前の話になるんですけど。

そごう・西武売却、魅力は? 駅近の一等地/多い「借り物」 複数陣営が応札 (朝日新聞デジタル)

セブン&アイホールディングスが株主からの要求に応じて、百貨店を経営する そごう・西武 を売却することにしたと。

そこには複数の会社が応募したらしいが……ということである。


コンビニ事業が圧倒的な利益を生み出しているセブン&アイにとって、百貨店というのは異色だし、それでいて儲からない事業である。

そごう徳島店を含む複数の店舗を閉店したことにはこういう感想を書いている。

セブン&アイ(そごう・西武 の今の親会社) は本当にコンビニ以外に無気力で仕方ないなと思わずにはいられなかったものである。

イトーヨーカドーの閉店が相次いでいるのもそうだし、百貨店もこういう扱いである。

確かにGMSも百貨店もかつてほど稼げない商売になっているのはそうだけど、もうちょっとやり方があるだろうと。

(消える百貨店はなぜ)

百貨店としての魅力を高める努力に欠けることは問題である。

ただ、一方で そごう・西武 をセブン&アイが手放すというのは予想外だった。


いや、もちろん熱意ある会社に円満に譲渡できればそれが一番いいんですけどね。

実際、そごう神戸店・西武高槻店 は譲渡され阪急百貨店になっている。

このとき、そごう・西武 の全国の店舗を譲渡する案もあったらしいが、

それは無理と断られて関西2店舗の譲渡という形で決着したようである。

こんなところからもわかるけど、そごう・西武 の店舗網というのは、百貨店チェーンにとって魅力的なものではないようである。

かなり数を減らしたけど、もともと郊外型の店舗が多かったことはあると思う。


その上で、セブン&アイ が そごう・西武 の経営を続けるメリットだが、

西武池袋本店をはじめとして一定の売上のある店舗があること。

西武所沢店をはじめとして実質的なアリオ化(セブン&アイのショッピングセンター)により延命を図っている店舗があること。

百貨店のブランド力を生かして、コンビニ・スーパーでギフトなどの営業活動ができること。

このことから、そごう・西武での百貨店事業を単純に畳むことはしないだろうと。

採算の厳しい店舗を縮小する流れは続くだろうが、イトーヨーカドーとの関係性により事業を続けるのが現実的な策であろうと。


とはいえ株主からの圧には逆らえなかったようだ。

株主の要求はコンビニ以外の採算性の低い事業を売却して資金効率を高めることだという。

この点ではイトーヨーカドーも手放すべき対象と考えられているかもしれない。

ただ、セブンプレミアムの商品開発など、コンビニとスーパーをともに経営することがコンビニとしての強みにつながっている面はある。(僕の好みでは無いが)

あとはなんやかんやいっても祖業ですから。そう簡単には手放さないんじゃ無いか。

それに比べれば、そごう・西武 はグループ入りしたのが2005年と比較的最近、

一定の関係性があるとはいえ、百貨店は他の事業との親和性はそこまで高くない。

今までだって円満に手放せれば手放したいと思っていた事業であろうし、売却への抵抗はあまりなかったのだろう。


そごう・西武 を買収する場合の課題としては、

まず会社自体が2000億円以上の負債を抱えていること。これも買収することになる。

百貨店を畳んで他の用途に転用することも想定されるが、借地の上に建物を建てていたり、借家で百貨店を営んでいる店ばかりであること。

借家といえば閉店した徳島店もそうでしたね。そごう閉店後もアミコビルは存続し、百貨店跡地の一部には三越のサテライトショップが入居することになった。

このように閉店したところで跡地利用に全く関われないのである。

借地についても、西武池袋本店は西武鉄道の駅ビルでもありますから、改築自体が大変。
そもそも閉店するには従業員の雇用をどうするかという問題もある。


土地を持っていればこんな商売やってないわという話はあると思う。

大丸・松坂屋なんてその代表格ではないか。

Fフロントリテイリングは大丸松坂屋百貨店とともにパルコを経営している。

大丸心斎橋店の改築に関係して、百貨店として使っていた建物(元をただせば そごう心斎橋店である)をパルコに移管したり、

松坂屋銀座店を閉店・改築して、GINZA SIXというショッピングセンターに転換したり。

大丸というと百貨店だけど百貨店っぽくない印象も持ってたが、それは正しいんでしょうね。

もちろん百貨店スタイルを完全にやめたわけではないんだけどね。


冒頭で書いたように、セブン&アイには百貨店としての魅力を高める努力に欠ける面はあった。

西武池袋本店など百貨店としての期待が大きな店舗を抱えているわけですから、

ここを打開してより魅力ある百貨店にしてくれる会社にこそ買って欲しい。

だから、セブン&アイから離れるのはポジティブに捉えたいところなのである。

でも、そう思えないのは そごう・西武 には難しい事情がいろいろあるから。

そんな百貨店チェーンを買いたいと思う会社がまともな会社だろうか?

数ヶ月後に手のひら返したように絶賛してるかも知れないけど、現時点での感想はこんな感じ。

Pontaは寄付するとお得

au PAYのキャンペーンの上限を見積もる中で気づいたのだが、

Pontaポイントをau PAYマーケット専用のポイントに交換すると1.5倍になり、

そのポイントはau PAYふるさと納税で使うことができるのだという。

au PAYマーケットをパッと見て、バッタ屋みたいなのが多いので、

特に興味は無かったのだが、ふるさと納税は実質税金の先払いだからお得そうだが。


といっても全く制限がないわけではない。

この1.5倍になるのは1ヶ月に2000ポイント(交換後は3000ポイント)が上限で、

交換後のポイントの有効期限は1ヶ月である。

過去にはもっと上限が高かったときもあったらしいけど、最近はこう。

月をまたぐ前後で2回交換すれば4000ポイントが6000ポイント相当。

かなりお得ではあるか。


この上限を考慮してか、1.1倍になる交換も用意されている。

こちらは1ヶ月の上限が10万ポイントで事実上は無尽蔵と言えるだろう。

1万円の寄付をできるだけPontaポイントだけで行うならば、

1.5倍で4000ポイント、1.1倍で3600ポイント(100ポイント単位)で残り40円である。

普通にau PAY残高に交換したり、Ponta加盟店で使う場合に比べて2360円お得である。

そして寄付額は条件を満たせば税額控除の対象である。


au PAYふるさと納税なんて初めて聞いたわけだけど、確かにここから寄付できる団体の数はやや少ない。

東京都なんて1団体しかないしね。寄付したい団体があるかは問題である。

返礼品を受け取らず寄付だけをすることもできるようだが、

返礼品ごとに定められた金額に追加して寄付するようなことはできないっぽい。

(ふるさとチョイスではできるし、過去にやったことがある)


昨年12月のキャンペーンで付与されたPontaポイントのうち、

3/4ぐらいはすでにau PAY残高に転換してしまったのだが、

残る1/4ぐらいと今月のキャンペーンで付与される分と、あと少しで4000ポイントになりそうなので、それで6000円程度の寄付を検討している。

寄付先の候補は……1団体は見つかったかな。


ポイントを使って寄付するというのはわりと昔からある話で、

かつてYahoo!公金支払いで期間限定Tポイントを寄付に充てたものである。

dポイントも ふるさとチョイス でのdポイント消化を推奨するような記載がある。

楽天ふるさと納税も楽天スーパーポイントの使い道として知られている。

Ponta・au PAY陣営は自前でポータルサイトを作って、こうして上乗せしているわけだが、どういう収支構造なのかは気になるところである。

確かに有利ではあるんですけど……

比較的後発のサイトということで、それが参加団体数の少なさにもつながっていると思うが、お得だと訴求するにもau PAYマーケット自体の知名度が低く……

ポイントの消化というところを入口にするアプローチは悪い話でもないが。

無人駅があるからワンマン化してなかった?

ちょっと話題になっていたのですが。

2022年4月23日(土)ダイヤ変更について~対象路線:南大阪線・吉野線・長野線・御所線~ (pdf) (近鉄)

従来から近鉄南大阪線系統ではワンマン運転が行われてきたが、

この範囲がさらに拡大するという内容で、特に吉野線ではこれまでなかったワンマン列車が設定されることになる。

過去に区間便でワンマン列車があったそうだが、橿原神宮前~吉野通し運転のワンマン列車は初めてのことだという。


従来、吉野線でワンマン列車が設定されていなかったのは、あべの橋~吉野の急行がメインだったという事情もあるが、実は現在の昼間はそうなっていない。

今の吉野線の時刻表を見ると昼間は橿原神宮前~吉野の各停が走ってるんですよね。

これは橿原神宮前で区間急行の行き先変更を行っているものもあるが、

別車両にして吉野線内だけ短い編成で走るパターンもあるという。


そもそも吉野線は比較的利用者が少ない路線である。

花見の時期は利用者が増えるし、通勤・通学の利用は一定あるとおもうが、それを除けば昼間の利用者というのは相当少ない。

それでちょっと前まではあべの橋直通の急行が4両編成で1時間2本走ってたんですよね。

これに加えて特急(近鉄特急は有料)も走っているのだから、そりゃガラガラだよね。

そこで吉野線を朝夕以外は2両編成で走らせるというのはまず考える話だが。


それをさらに推し進めてワンマン列車にするわけだが……

なぜ今まで橿原神宮前~吉野のワンマン列車がなかったのか?

その理由はおそらくこの区間に券売機もない無人駅があったからだと思う。

車掌がいれば無人駅から乗った客は車掌に申し出てきっぷを買える。

あるいは乗り越しが必要なら車掌に申し出ることができる。

近鉄はやらないけど、会社によっては無人駅で車掌がきっぷの回収もしてるよね。


従来、南大阪線系統のワンマン運転は有人駅あるいは券売機・自動改札機の揃った無人駅の続く区間で行ってきた。

かつては有人駅の多かった吉野線も、今の有人駅は下市口駅と吉野口駅(JRの駅員がいる)の2駅になった。

無人駅でもICカード専用の自動改札機はあるが、特急通過駅だと券売機がない駅もある。

当然、紙のきっぷに対応した改札機のある駅となればさらに限られる。

このような事情を考えると、今回の吉野線のワンマン運転は大きな方針転換と言える。


でも、車掌が乗っているからといって、必ず車掌が回ってくるわけでもないし、

車掌から声を掛けてくるということはあまりないだろうし、車掌がいてもいなくてもそんなに変わらないというのはあると思うんだよね。

吉野線の利用形態からすると、無人駅同士での利用というのはかなり少ないと思う。

なので券売機のない無人駅で乗降するとしても、有人駅できっぷを買って乗り、運賃を払って降りるで対応可能だし、実際はそういうケースが多いんじゃないか。

ましてや今はICカードで利用する人も多いのだから、きっぷを買う必要すら無い。

じゃあ車掌なんていてもいなくても一緒じゃないというのは一理ある話である。


吉野線の場合、券売機が無い駅は今のところは限定的である。

しかし、券売機の無い駅同士を乗車するということができないわけではない。

そのような場合にどうやって運賃を徴収するか。ICカードならいいけど。

というので通常は車内に運賃箱を置くという対応を行うわけですが、今の南大阪線系統のワンマンカーはこのような利用を想定していない。さてどうするか?

まだわからないけど、近鉄の他路線では乗務員室のドアに「運賃箱」と書いた穴をあけるという簡易な対応を取っていることがある。

【近鉄】鈴鹿線 柳駅 乗車票 (乗車券ノート)

近鉄名古屋線の支線にあたる鈴鹿線と湯の山線に2駅ずつ無人駅がある。

支線はワンマン列車での運行が基本なのだが、そこに券売機もない無人駅がある。

でも、この無人駅からの乗客は有人駅で降りるか、名古屋線に乗り換えて車掌からきっぷを買うか、どちらかで大半は対応できる。

でも理屈上は無人駅相互で乗る場合もあるので、誰が使うのかわからない穴を開けてあると。


吉野線の券売機のない無人駅もこのレベルだと思う。

近鉄でも券売機のない無人駅が多く並ぶ伊勢中川~賢島はバスのような両替機付きの運賃箱が置いてある。

でも、おそらくそこまでの対応をする必要はないでしょう。

ゆえにアリバイ作りのような運賃箱を用意するのか? それすらないのか?

気になるポイントではある。今さら券売機のない無人駅に券売機を設置することはないでしょう。

(ちなみに近くを走るJR桜井線・和歌山線は無人駅が多いが全駅に券売機を設置している)


無人駅の懸念は安い運賃のきっぷでそのまま降りてしまうということである。

あべの橋から160円のきっぷをもって、吉野線の無人駅で降りられてしまうということである。

車掌がきっぷをチェックして回ればこういうことは防げるかも知れないが、徹底できていないのが実情である。

それなら橿原神宮前駅の前後できっぷ売りの車掌を乗せた方が効果的である。

ワンマン化でそのような係員の再配置が行われるかも知れない。


ところで安い運賃のきっぷで乗り、無人駅で降りてしまうという不正乗車への対処方法として乗換駅に改札を設けるという方法がある。

少なくとも乗換駅までのきっぷは必要なので、大きな取りはぐれは起きないということである。

直通運転やホーム上での乗換がメインの路線には適用しにくいが。(吉野線もこれにあたる)

しかし、そのような仕組みを廃止する路線があるのだという。

それがJR鶴見線、横浜市・川崎市の臨港地帯を走る路線である。

この路線は無人駅が多いが、利用者の多くが鶴見駅で乗換をするため、ここで改札をして効果的に不正乗車を防止してきた。

(他路線への乗換としては浜川崎駅で南武支線への乗換があるが、利用は限定的)

しかし今月末でこの改札は廃止となり、鶴見線へは乗換がフリーになる。


どうしてこの改札がなくなるのか?

気になって調べたところ、鶴見線の無人駅の券売機が撤去されるらしい。

理由はICカードの利用が多いため、券売機の利用が少ないからだという。

このため降車駅で運賃を払うことになる。(乗換先の路線ではなかなか車掌は捕まらないだろう)

これが通常の使い方になるため、改札機を置いては対応しきれなくなる。

このため乗換改札自体を撤去してしまうという決断をしたとみられる。

ICカード利用者にとっての問題はチャージが乗車駅で出来ないことぐらいである。

とはいえ、撤去されることで不正乗車が起きる懸念はけっこうある。


というわけでICカードの普及により、券売機がないから困るということは減ったし、

ICカードで乗るなら券売機も車掌もどっちもいらないというのはその通り。

ただ、それに乗じて不正乗車されることは問題だなと思う。

吉野線については今さらだと思うが、ワンマン運転後も効果的な対策ができるかが問題である。


さて、今回の南大阪線系統のダイヤ変更は運行本数は大きくは変わらない。

ただ、従来はあべの橋~吉野の急行だったのが、橿原神宮前乗換になったり、

あべの橋~橿原神宮前の準急だったのが、古市乗換になったりというのは起こる。

不便になるような気もするけど、本数が変わらないならさほど悪くないかも。

吉野線についてはもともと橿原線に乗り換えて奈良県内・京都、さらには大阪方面に行く場合でも大阪線経由での利用というのがけっこうあると言われている。

もともと橿原神宮前がほとんど入れ替わるぐらいだったからね。

乗換が増えるといっても、橿原神宮前も古市も向かい側の電車に乗り換える程度。

準急も時間帯によっては古市乗換は通常やっていることだしね。


近鉄のこの発表をポジティブに捉えるなら、減便ではなく、短編成化・省人化を行って本数を維持することにしたということである。

正直なところ吉野線の利用状況からすると減便という選択肢もあったかもしれない。

しかし、それは回避して本数を保って維持できる方法を考えたということである。

おそらく花見などで利用が伸びるときはワンマン運転をやめて、急行の直通運転に変更するパターンも考えているんじゃないか。

でも、普段はそこまでする必要はないので、これで十分でしょう。


しかしこうして無人駅の券売機撤去も塵が積もれば山となると、到着駅の負担が増えそうだが、なにか効率化できる方法は無いもんか……

というところでそういえば北海道でこんな話を見ましたね。

2021年1月20日トマム駅で取得する「QRコード乗車駅証明書」による自動精算のサービスを札幌駅、新千歳空港駅、南千歳駅で開始します。 (pdf) (JR北海道)

トマム駅はリゾートの最寄り駅、特急のみが停車する無人駅である。

かつてはリゾート内にきっぷ売場があったらしいが、今はなくなっている。

リゾート最寄り駅という性質から国内外の観光客の利用が多く、このため無人駅からスムーズに特急に乗車する仕組みを考えたのだろう。

その結果が駅のQRコードを読み取って、乗車証明書を画面に出して、到着駅の精算機で運賃・料金を支払うという方法だったらしい。


ただ、このシステム、明らかにおかしいのが、特急には車掌が乗車しているのに、運賃・料金を払うのは到着駅の精算機なんですよね。

おそらくクレジットカードの利用も想定してのことだと思う。

(精算機というが指定席券売機の装置なのでクレジットカードも使えるらしい)

でも、精算機に向かわず逃げられたらどうするのだろうか?

車内でクレジットカードで精算するのは難しいでしょうから。国内外の観光客が利用する無人駅でなんとかクレジットカード対応する苦肉の策なのかなと思った。

気になるところはあるが無人駅から券売機を撤去したとして、ICカードを使わない場合の処理をある程度自動化できる仕組みは考えた方がいいのかもしれない。

セゾンカードの請求が少なすぎる

来月のセゾンカードの請求がなんと1万円を切っていた。

就職以来、請求額が1万円を割るのは初めてだった。

掘り返すと就職直前には1万円を切る請求があったけど、それ以来だな。

とはいえ、原因は沖縄行きを中止したことによりマイナスの請求が入ったためである。

このマイナス分が35000円ほどだから、今月請求分の正味は4万円ほど。

それでも少ない気がするなぁ。

まぁセゾンカード以外のクレジットカードの請求はありますけどね。


旅行が吹き飛んだ影響もあって先月の支出自体が少なめだったのはある。

とはいえ、それ以上に効いているのはクレジットカード以外の支払手段を使っていることだろう。

クレジットカード以外と言っても、クレジットカードからチャージする場合は、結局はクレジットカードで払っているのと同じことである。

ラクマの売上金を楽天ペイで消化し、PayPayフリマの売上金をPayPayで消化し。これがかなり効いてるんですよね。

PayPayはワイモバイルまとめて支払いで実質的にクレジットカードでチャージできるが、最後にチャージしたのは昨年11月である。


確かに年明けぐらいからこうやって貯まったものを積極的に消化するようにした覚えはある。

楽天ペイはラクマ以外のチャージ手段がないので、ラクマの売上金と楽天スーパーポイントで払える範囲に限られるが、それはそれで。

長らく残高消化が滞っていたメルペイも、今月のキャンペーンでGoogle Play決済で相当分を消化した。

来月にメルペイスマート払いを決済すると数百円程度の残高になるはず。

PayPayも最近はYahoo!ショッピングでの買い物が少なく、ヤフオク・PayPayフリマの売上金消化も遅々として進んでいなかった。

しかし、さすがにこれは実店舗でも積極的に使わないと間に合わないだろうと、

先週末までのキャンペーンにあわせて西友で使ったが、まだけっこう残高はある。

あと、金額的には高々知れているけど、ビック買取マネーというのもありましたね。

マイクが壊れたので仕事終わりに買う


この他、ポイント類の消化という計画もある。

およそ1500円相当貯まったTポイントはTマネーにして使い切りを図ろうかとか、

Pontaは現在のau PAYのキャンペーンである程度使ってしまおうかとか。

こういうのも一時的なものだが、クレジットカードの利用を減らすものである。

金額的にはそこまでではないかなとも思いますけど。


あとは今後もセゾンカードを使わないようになりそうなのが、

BOOK☆WALKERの電子書籍とAmazon(Amazon Pay含む)ですかね。

BOOK☆WALKERについては、Google Play経由でコインが買えるようになった。

それでGoogle Playカードってキャンペーンで1割引程度で買えることが多いので、それを消化している。

従来はセゾンカードでコイン1万円分(300円分のおまけ付き)を買ってたが、

現在はセゾンカード以外の支払手段で買うのでこうはならない。

Amazonについては、モバイルSuica経由でのギフト券購入を導入したことによる。

Amazonギフト券をSuicaで買う

後で見たら2万円チャージで1%分のAmazonポイント付いてましたね。

これにより多少なりともセゾンカードの利用が減ることになる。


今月についてはau PAYのキャンペーンがあって、これがセゾンカードからのチャージなので、この分は乗っかってくる。

しかし、それ以外の利用は少ないので、再来月分も比較的少ないのではないか。

ああ、でもチケット代の請求があればそうもいかんか。

もし、今申し込んでるのが当選したらドカンと行きますね。

チケット代はクレジットカード払いのメリットが大きいですからね。


というわけで、最近は普段とは違う支払い方法を使うことが多いのは事実ですね。

いろいろ考えることは多いんですが、持ってる残高を使わないわけにもいかないので。

au PAYはキャンペーン目当てで使っているのは事実だが、その背景にはキャンペーンでもらった残高があるという事情もある。

そういうのが正常化してイトーヨーカドーでnanacoを使い……

という生活に戻るのはいつなのかという話だが、そろそろかな? という気はする。

d払いとマツキヨにダマされた

最近、ダマされたなぁというのがあって。

dポイントカードご提示&d払いご利用で30%dポイント還元 (dポイントクラブ)

これを見てマツモトキヨシで買い物するのにd払いを使えばお得だと思ったのだが、

この30%という異様に高い還元率にはこういう落とし穴があった。

※キャンペーンポイントの進呈上限は、期間中お1人さまあたり300ポイントです。

このことに気づいたのが1100円と1500円で2回買い物してからで、

2回目の買い物による特別な恩恵はなかったと気づき落胆した。


こういう形で上限が決まっているキャンペーン自体は珍しくないが、

このキャンペーンがよくないのは、30%という数字だけデカデカと表示する一方、

上限300ポイントという表示はアプリ上のバナーに記載が無いなどわかりにくく、

またドラッグストアで1000円の買い物というのはそんなに珍しくない金額である。

どちらかというと300ポイントという上限の方が重要だと思うのは普通だと思うのだが。

まぁちゃんと説明読まないのが悪いと言われればそうなんだが。

一応、マツキヨ店内でキャンペーンに気づいたときにdポイント呈示+d払い利用が必要で、d払いはポイント利用では不可で残高払いなどが必要ということは見たのだが。

それでも上限には気づかなかったのは節穴なのか。


上限300ポイントという前提で言えば、そんなに悪くないキャンペーンだと思う。

メルペイの「201円以上のお会計で200ポイント還元」とかいうのは、201円ギリギリを狙えばものすごくお得だが、そういう使い方はあまり健全とは思わない。

1000円以上決済で300ポイント還元とか、そういう考えもあるが、

30%還元で上限300ポイントだと、950円買って285ポイントの還元を受けるとか、

そういう中間的な使い方も誘導できるので悪い話ではないんだろう。

もっともこのキャンペーンにそういう意図があったのかはよくわからないが。


まぁこの辺はキャンペーンの性質によるところが大きいのでなんとも言えませんが。

PayPayクーポンだと「5%付与(最大)」のように何らかの制限がありそうな見せ方をしている。

例えばオリジン弁当のクーポンであれば詳細に1回100円相当が付与上限とある。

オリジン弁当で1回2000円も買う人は……家族・グループまとめ買いすればあるか。

au PAYの「たぬきの大恩返し」キャンペーンはバナーには「※適用条件、期間、還元上限あり」という一般的な記載があるのはさておき、

そこから開くと最大10%還元の下に比較的大きな字で還元上限についての記載がある。

「※200円(税込)ごとに20ポイント(10%)還元」というau PAYのキャンペーン特有のわかりにくい仕組みへの言及もあるが、これで理解できるかは別問題である。

4ピンのケースファンなら静かに出来る


d払いのキャンペーンは、自分にとってはそうではないという記載も多く、

例えば、今やってるマクドナルドモバイルオーダーのキャンペーンだと、

マクドナルド モバイルオーダーでd払いを使うと最大10%ポイント還元! (dポイントクラブ)

10%という字の下に上限1000ポイントとあるのはさておき、

「モバイルオーダーで初めてd払いをつかう方は10%還元」「モバイルオーダーでd払いをつかったことがある方は5%」という記載がある。

すなわち、過去にキャンペーン目当てでd払いをモバイルオーダーで使ったことがある僕の場合は5%が正しい。

しかしアプリでさえ「初めての方は」とかいう記載も無く10%とデカデカとアプリに表示しているのだ。

これは5%でも恩恵があるからまだよい方で、明らかに恩恵がなさそうなキャンペーンのバナーがあれこれ表示されるのはどうにかならんのか。

(明らかに恩恵がないというのは、NTTドコモの回線がないと実質対象にならないキャンペーンも含む)


まぁこういう上限に気づかず突っ込んでしまうというのは大なり小なりあるものだけど。

Yahoo!ショッピングの毎週日曜日に利用額の5%相当のPayPayボーナスが付与されるキャンペーン、上限が1000円相当で、

このことは詳細ページには書いてあるのだが、あまり意識しないわけですよね。

これはYahoo!ショッピングが多くのキャンペーンが同時実施されていて、個別に見ることがないこともある。

この上限にかかることはなかなかないのだが、昨年にYahoo!ショッピングの さとふる で寄付したときにかかって、初めて上限があることを知った。

そうはいっても2万円までなら上限にかからないし、実用上はそんなに気にしなくていいかなとか思いますけどね。

他のキャンペーンも重ねがけされてたし、総合的にはなにも問題ではない。


マツモトキヨシでd払いを使うこと自体は著しく不利な話でもない。

今は銀行口座(スルガ銀行)チャージもできるし。

ただ、キャンペーン目当てならau PAYを優先したいし、残高という点ではPayPayフリマなどの売上金が積み上がったPayPayなど他に使いたいものがある。

そういう意味ではしくじったという思いは正直ある。

とはいえ、別に無駄な買い物をしたわけではないですしね。

マツモトキヨシ自体は普段から買い物にいく店ですから。

当初はQUOカードの消化目当てだったが、今はQUOカードの在庫もそんなにないから、他の決済手段を使うこと自体は妥当である。

完全国体は貴重だが、完全オリンピックも貴重か?

北京オリンピックの閉会式の中で次回開催地へのオリンピック旗の引継ぎがあって、

次回開催地の市長として2人の人が来ていた。

これは2026年の次回冬季大会がミラノとコルティナ・ダンペッツォの共同開催であることによる。

ミラノは氷の競技を、コルティナは雪の競技のメインの開催地となるが、かなり広域に分散する予定である。

共催でオリンピック


しかし氷雪の会場が分かれるということなら今回も氷は北京、雪は張家口で分かれてたし、

その前のピョンチャンも雪はピョンチャンで氷はカンヌンだった。これは隣同士だけど。

オリンピックを複数都市で共同開催するという制度は、オリンピックの種目数が増える中で開催都市の選択肢を増やすという意図があるとみられる。

夏は単純な競技数の多さだが、冬は雪の競技は適地が限られ、山間部には大規模な競技施設は用意しきれないという問題がある。

氷雪分離での開催は今後の冬季オリンピックの標準スタイルになるのかもしれない。

一方で2030年の冬季オリンピック招致を目指している札幌は氷雪の主要な種目を市内で実施する計画である。

唯一無二の豪雪地帯の200万都市らしい「完全冬季オリンピック」構想だが……


というところでふと頭に浮かんだのが「完全国体」という言葉である。

これは国民体育大会の秋季大会と冬季大会を同一都道府県で行うことである。

多くの都道府県では氷雪の競技はできないため、冬季大会は分離して開催される。

しかし県内に氷雪の競技ができる施設があれば、全て1つの都道府県で完結する。

このような国民体育大会は「完全国体」と呼ばれ、最近では2016年の岩手国体が該当する。


ただ、冬季大会って スケート・アイスホッケー・スキーと3区分に分かれてて、

このうち1つ・2つ、あるいはさらにそれを細分化して開催することもある。

会場が特に限られるのがスピードスケートとスキーである。

このためスケートとスキーの分離開催は以前から一般的に行われていたそうだ。

さらにスケートリンクの数も考慮してか、アイスホッケーの分離開催も行われるようになった。

東京都と神奈川県はアイスホッケーだけの国体冬季大会を実施したことがある。

いずれもスケートは山梨県開催であり、隣接地域ということで選ばれたのか。


冬季大会の開催回数を国体2巡目に入った1988年から数えてみた。

その上で冬季大会3区分の開催実績のある都道府県を列挙すると、

北海道・青森県・岩手県・山形県・福島県・群馬県・長野県となる。

これらは確かに完全国体の開催実績あるいは計画がある。

条件は厳しいと書いたが 47都道府県中7道県というのは意外と多いかな。


ところで、完全国体でなくても秋季大会と冬季大会をともに開催する場合がある。

準完全国体とでも言えばいいんですかね。こういうスタイルもいくつかみられる。

これをやった都道府県の1つが東京都である。2013年の東京国体がそうだった。

スキーは秋田開催だけど、スケート・アイスホッケーは東京開催である。

しかし、ここにはからくりがあって、スケートのうちスピードスケートは福島県の会場を使ったんですよね。

国体競技の中でも射撃はできる場所が限られるため他府県での開催が多く、

2013年の東京国体でも射撃の一部は埼玉県・千葉県での開催になっている。

これと同じ理屈でスケートのうちスピードスケートだけは福島県でやったわけですね。

それ以外のスケート、ショートトラックとフィギュアスケートは東京開催なので、

スケート大会全体としては東京国体の一部となっているわけですね。


限りなく完全国体に近いのが2012年の岐阜国体である。

秋季大会と冬季大会のスピードスケートとスキーは岐阜開催だが、それ以外のスケートとアイスホッケーは愛知開催にしたのである。

岐阜県ってスピードスケートができるという点では貴重だけど、

他のスケート競技はできないんですね。それで愛知開催になったんだと思う。

とはいえ、岐阜・愛知は隣接していることを考えれば、実質完全国体では? という気もする。

なお、秋季大会でもセーリングは愛知県の会場を使っている。内陸県だと厳しいよね。

岐阜・愛知の2県で氷上競技を実施するのは、昨年の三重国体でも採用されていて、

秋季大会は三重、冬季スピードスケートは岐阜、他のスケートとアイスホッケーは愛知、スキーは秋田と4県開催の国体となった。

ただし、この大会は延期無しの中止に追い込まれている。(スケート・アイスホッケーだけはやったらしいが)


なお、2028年に青森県で予定されている国民スポーツ大会は冬季大会全てが青森開催になる。

(ところで国民スポーツ大会の略称は国スポらしいが、これ定着するのか?)

とはいえ、これもスキーの一部は秋田県の会場を使用する。

1990年にスキー国体の実績はあるが、現在の設備では対応しきれないようだ。

なので、全競技が県内に収まるという意味での完全開催ではないが、秋と冬3区分は県内でやるのでこれを完全開催だと言っている。


2030年の札幌オリンピック構想について「完全冬季オリンピック」と言ったが、

アルペンスキー滑降が千歳市にかかった以外全て市内で行った1972年大会とは違い、

氷雪それぞれの一部の種目は市外開催となる予定である。


スピードスケートは帯広開催を想定しているが、1972年当時はスピードスケートは屋外競技だったが、現在は国際大会は風の影響を受けない屋内で行うことが多い。

屋内のスピードスケート場は道内では帯広にあり、国内外の大会実績が豊富である。

2017年の冬季アジア大会は札幌で行われたが、スピードスケートは帯広だった。

それと同じなので特に問題ないでしょうということですね。

距離は鉄道・高速道路で3時間ほどと離れているけどね。


アルペンスキーの一部(おそらく高速系種目)はニセコでの開催を想定している。

これは1972年大会の滑降コースは仮設だが、森林伐採などの非難もあったためだろう。

アルペンスキーの高速系種目は立地条件が厳しく、長野オリンピックでも仮設から既設スキー場の利用に変更したが、それでもだいぶ揉めたという。

札幌からは多少離れるが、スキーヤーからの知名度も高いので採用されたのだろう。

こっちは帯広ほどは離れていない上に、新幹線が開通すれば倶知安まではより短時間で移動できる。しかし新幹線開通してるのか?


そしてこれが最大の問題、ボブスレー・リュージュは長野開催を想定している。

もうこれは作っても維持できないのは目に見えているので遠くても既設会場だという話だが、その既設会場はというと老朽化のため製氷停止である。

スパイラルはかくして休止になった

スパイラルを再度使えるようにするのにいくらかかるのかという話である。

日本のそり競技への貢献は大きいが、費用面では厳しいのが実情だと思われる。

これは最悪国外開催もあると思うんですけど、スパイラル廃止の背景であるピョンチャンの施設も維持できてないらしいという話も聞くんですよね。


ということで言うほど完全冬季オリンピックか? という指摘もあると思うが、

札幌がホストタウンであるという体裁には全く問題ない範囲だと思う。

遠隔地といえば今度のパリオリンピックのサーフィンなんてタヒチ開催ですからね。

パリはともかく、フランス本土でも可能っぽいが、よりよい会場を求めた結果がタヒチらしい。

東京オリンピックで酷暑対策で競歩・マラソンが札幌開催になった話もありますが、

夏季大会も限られた期間内に気候上の条件を満たして実施するためには、共同開催を積極的に活用することはあり得るかもしれませんね。

現時点では、パリ・ロサンゼルス・ブリスベンと単独開催が並んでますけどね。

ってブリスベンって南半球だからまた冬に夏のオリンピックをやるのか……

それはやめた方がいいと思うんだけどなぁ。南半球のためにスケジュールずらせない事情もわかるんだけど。

まさかの審判の裁量が全て

フィギュアスケートの話題が続いたけど、その続きでこんな話を。

平野歩夢 “2本目低得点” で世界が猛批判 ライバル国まで「ジャッジは逮捕されるべき」報道  (Yahoo!ニュース)

スノーボード男子ハーフパイプで日本の平野歩夢選手が見事に金メダルを獲得した。

平野選手は東京オリンピックでスケートボードに出場していたが、短期間のオリンピックが連続したことの難しさはあったようだが、本業というべきスノーボードで見事な結果を出した。

この種目は3回演技して最高点を採用するというもので、結果に採用された3回目の演技を見たが見事なものだった。

が……その前の2回目演技の後には採点について物議を醸していたのであった。


スノーボードのハーフパイプ・ビックエアは採点競技だが、

その方式というのがなんと審判が総合的にみて100点満点で採点するという、

未だにそんな方式の採点競技があるということにびっくりしたのだがあるんですね。

まぁ採点競技では多かれ少なかれ審判の裁量により決まる部分というのがあり、

しかしあまりに審判の裁量幅が広すぎると公平な判定が難しくなる。

そこで採点ルールを明確化して審判の裁量幅を狭める傾向にあり、

体操競技では技の難易度と厳格な減点ルールからおのずと点数が決まることが知られている。

審判の裁量がなくなったわけではないが、その幅というのはかなり狭まっている。


スノーボードの採点について、審判によって重視するポイントが違うというのもあるが、

もう1つ言われているのが満点が決まっているがために、よりよい演技があるかもしれないと思うと、高い得点を付けられないということがある。

この問題は採点ルールがある程度明確なフィギュアスケートでもあるという。

フィギュアスケートの得点は技術点(TES)と演技構成点(PCS)で構成され、それぞれの重みが1:1程度になるように設定されている。

TESについては技の難易度による基礎点にGOEと言われる出来映えに基づく加点・減点がある。

PCSについては5つの観点について10点満点で採点を行う。

PCSは満点が決まっているので、演技順が早い選手に高い得点を付けにくいらしい。

さらに言えばPCSというのは実績の無い選手は高い数字が付きにくく、実績のある選手は高い点数が付きやすいという性質もあるらしい。

この選手の演技はせいぜい○点ぐらいだろうという相場観が国際大会の中で形成されていくということではないか。想定の範囲で加減されると。

この他、GOEの加点・減点幅についても審判の裁量幅が大きいという話がある。

加点・減点要素を点数に落とす方法が明確ではないということである。

これは演技順にはあまり関係ないと思うが。


最初の話に戻ると、2回目の平野選手の演技は大技を決めたことは高く評価できるが、全体的な完成度としてはまだ上げる余地があったわけである。

これは3回目演技の完成度がさらに高かったことからもわかる通りである。

ただ、果たしてこの時点で1位のジェームス選手(最終成績では2位)を下回るほどか?

というとなかなか信じがたいところはあったんだろう。

ちなみにここに各審査員の呈示した点数と採用された得点が記載されている。

平野歩夢、採点方法に苦言 2回目の評価「僕以上に怒っている人も」 (朝日新聞デジタル)

平野選手の2回目の演技は96点・95点と高い得点を付けた審査員がいる一方、89点・90点と渋い評価を付けた審査員もいた。

一方でジェームス選手の2回目の演技は91~94点と点数は揃っていた。


こんな採点方式でオリンピックに乗り込んでくるなんてとは思うのだが、

平野選手もこう語るようにスノーボードの評価尺度は流動的な方がよいという考えもあったのだろう。

スノーボードは幅広くいろんなスタイルがあるからこその魅力、自由さが、一つのカッコ良さとしてある

とはいえ採点システムについて見直すべき時期が来ているとも言っている。


まぁフィギュアスケートの採点システムもいろいろな課題を抱えているみたいで、

1つがTESとPCSの比率を1:1程度にするという考え方にPCSが見合っていないという話。

TESが上がればPCSの上限も上がっていく仕組みなのだが、

TESは高難度の技をよい出来映えで完成させればどんどん上がっていく。

しかしPCSは満点が明確に決まっていて、トップレベルの選手は満点近くでの争いになる。

ここで差を付けられるのは上限のないTESだという話になってしまう。

こういう構造が演技構成の硬直化を生む面もあるのかもしれないなと思う。


スノーボード関係者もフィギュアスケートみたいにはなりたくないな、とか思っているのかもしれませんけどね。

とはいえ、やはり各観点の得点配分を明確化せずにやることは無理でしょう。

ここをスノーボード界で合意が取れるかというと、すぐには難しいかも知れないが、

しかし、きちんと向きあってやっていかないとならんことなのは確かでしょう。

中立選手だって連盟で参加できる

先日、フィギュアスケートでドーピング疑惑があったという話を書いた。

ドーピング頼みのフィギュアスケートか?

結果的にはワリエワ選手は女子シングルではフリーの演技がうまくいかず、

メダル圏内は逃すも、それでも4位入賞ですか。(順位は暫定値)

女子シングルはロシア勢がめっぽう強く1・2・4位を占める一方、

日本勢が坂本花織選手が3位で銅メダル、樋口新葉選手が5位ですからね。


ところで東京オリンピックと今回の北京オリンピックでは、

ロシアからの選手はロシアオリンピック委員会(ROC)のチーム名で参加している。

これについては2020年12月にスポーツ仲裁裁判所がロシアの国名で国際大会に参加することを2年間禁止するという裁定を下したことによる。

ロシア除外、2年に短縮 ユニホームに国名可、多い「抜け道」 ドーピング問題、CAS裁定 (朝日新聞デジタル)

オリンピックでは東京・北京の2大会で終わる見込みだったが、果たしてどうなることか。


実はこれはオリンピックに限った話ではないのだという。

この期間、フィギュアスケートの世界選手権には、ロシアフィギュアスケート連盟(FSR)として参加しており、表彰式で掲げられる旗は連盟の旗だったという。

ロシア国旗の白・青・赤の色は入っているが、オリンピック委員会の旗ほどは国旗っぽくはないかな。

オリンピック同様に統括団体の名前で国際大会に参加した例としては、体操競技が見つかり、

これは昨年10月に北九州で実施された 世界体操/世界新体操選手権がそうで、これも ロシア体操連盟(RGF)の名前で参加していたという。


一方で陸上競技については、この裁定が出る以前から中立選手(ANA: Authorised Neutral Athletes)として取り扱っており、これを継続している。

ロシアからの選手は人数などの制限を付けた上で認めている。

この対応はピョンチャンオリンピックでの対応に似ていて、このときは ロシアからのオリンピック選手(OAR)として参加し、表彰式では五輪旗を掲げていた。

一応、OARという区分からロシア選手であることはわかるのだが、今回のようにオリンピック委員会のマーク・旗を使えたわけではない。

陸上競技については参加選手数の制限というのが重い制限ではあるのだけど、

ひとたび中立選手として出場できれば、それがロシアからの選手であるのは明らかではある。


なお、オリンピックにおいて五輪旗を掲げて参加する選手というのはOAR以外にもある。

1つが国家の独立などの都合、オリンピック委員会が未承認の地域が参加する場合。

例えば2000年のシドニーオリンピックのときは、東ティモールが独立まもなく、

同国からの選手は独立参加選手としての参加だったが、以後は東ティモールで参加している。

ロシアも実はそういう経験があり、それがソビエト連邦の解体ですね。

1992年のアルベールビル(冬)・バルセロナ(夏)へは、暫定的にEUNチームで参加した。

もう1つは難民選手団で、これは2016年のリオデジャネイロからの取り組みですね。

難民として逃れたことから本来の国籍国からの参加は困難だが、独立選手としての参加を認めたというそういうチームですね。


話は戻って、ロシアからの選手が独立選手とはいいつつ、実質的に国単位のチームで参加できるということは、制裁内容として妥当なのかという話である。

とはいえ、そうならざるを得ない事情というのもあるのかなと思う。

ドーピングをしてまで他の選手の優位に立とうという行為で被害を受けるのは、

他のチーム(今回のフィギュアスケートなら日本選手もそうですが)と思いがちだが、

ロシア国内の選考に漏れて国際大会参加の機会が失われた選手にもある。

そういう選手を救うためにはロシアから国際大会に参加できる道は残す必要があるということであろう。


とはいえ、この前提としては国内外の競技団体が反ドーピングに取り組むことである。

反ドーピングが根付くためには国内の競技団体の取り組みが重要である。

しかし、実際は実質的なロシアチームとして参加できるということで、

反ドーピング活動が競技団体に根付かなかったんじゃないか?

そりゃそうなるやろなという感じではありますけど。


このドーピング騒動からフィギュアスケート女子シングルの競技にかけて話題となったのが、

「エテリ組」とか エテリ・トゥトベリーゼ コーチのことだった。

国際大会で優秀な成績を残してきたのがエテリコーチの指導する「エテリ組」であって、

しかし、過去の「エテリ組」の選手生命の短さというのは目に余るものがあり、

厳しい体重制限により摂食障害や骨折などの健康を害していることが明らかになっており、そこに今回のドーピング疑惑である。

演技後の選手とのコミュニケーションにも指摘があったところである。

「エテリ組」にフタをされて、国際大会への挑戦がかなわない選手というのはロシア国内にこそいるのかもしれないが、なかなか明らかにならないところである。


まさに今回のフィギュアスケート 女子シングルの1・2・4位が「エテリ組」であって、

3・5位に日本勢、6位に韓国のユ・ヨンなど、入賞あるいは銅メダルという形で評価はされているが、これらの選手もエテリ組にフタをされたと言えるのかも知れない。

現時点で暫定順位扱いなのは4位のワリエワ選手とそれ以下の順位の選手となるが、

しかし彼女1人だけの問題かというと、どうもそんな気はしない。


今後、今大会を含め過去にさかのぼって結果の変更はあるかもしれないが、

しかし、すでに銅メダルとして表彰された坂本花織選手は立派でしたね。

あまりフィギュアスケートの見所というところは明るくないんだけど、

のびのびと演技している姿は印象的だったし、そこが評価のポイントだという。

なぜ4回転も3回転半もない坂本花織が浅田真央氏以来12年ぶりの表彰台となる銅メダルを獲得することができたのか…3つの要因 (Yahoo!ニュース)

実際のところ、エテリ組の得点は極めて高いのだが、技の得点重視の構成ゆえに、表現という点では劣るという指摘はある。

体操競技ほどではないにせよ採点基準が明確なのはよい面はあるが、大技への執着がドーピングを引き起こしたか? という推測もあるところ。

そんな中で技の難易度はやや劣るが、完成度と表現力で評価されたことはいいことですね。

ドーピング疑惑で揺れる中で一石を投じる銅メダルだったんじゃないか。


今日はフィギュアスケートの競技では最後の種目となるペアがありましたけど、

日本の三浦璃来・木原龍一ペアが7位で日本勢でこの種目初めての入賞を果たした。

今後のこの種目の発展に向けて大きな一歩であろうと思う。

しかしロシア勢は強い。最終演技者の直前では上位3組が全部ロシア勢。

同じようなことは男子シングルのときにも日本勢3人揃ったことがあったけど。

金メダルは地元中国の隋文静・韓聡ペア、会場内は限られた観客が大盛り上がりだった。

というか東京オリンピックのときにも「中国応援団」が話題になりましたけど、地元開催だとなおさら。東京のときはルール違反だったような気はするけど。