今年3月に鉄道各社でダイヤ変更が行われるとのことで、
といってもうちの近所ではほぼ変更はないのだが。
ただ、関西ではけっこう変更点が多いそうで、
- JR神戸線・京都線で新快速と快速の運行間隔の変更
- 近鉄大阪線で快速急行・準急から急行・区間準急への置き換えを拡大
- 阪神で朝ラッシュ時大阪行きだけ運行される区間特急の運行区間を延長
- 阪急神戸線で朝ラッシュ時に増結を減らし、通勤特急に女性専用車両を新規設定
JRの新快速・快速の運行間隔変更は新快速ばかりでなく快速も使ってねということだろう。ただし、新快速と快速の接続は悪くなる。
高槻駅で新快速専用ホームができて、快速・普通との乗換が不便になるから、接続は無視してどっちもある程度均等に使ってもらおうとしたんだろうが。
近鉄大阪線の快速急行・準急から急行・区間準急への置き換えは6時以前の早朝と20時以降の夜時間帯で行われる。
やや利用者の少ない時間帯だから置き換えると運行効率がよくなって、ついでに急行も多少増発され、奈良県内から延々準急というのも減って便利になるような気がする。
ただ、どういうわけか知らないけど、上本町7時台着の準急まで区間準急に置き換えられ、この時間帯は快速急行が走るから、国分での急行接続もなく、
今までずっと準急だったところ、これからは延々区間準急ということも発生して辛そうな気はする。多分当たってると思うんだけど。
そんな中で一番野心的なのではと思ったのが京阪だ。
3月19日(土)初発から京阪線のダイヤを変更します (pdf) (京阪電車)
変更内容は大きく2つ、1つは土休日の朝に京都行き、夕方に大阪行きの快速特急「洛楽」を運行すること、
もう1つは昼間時間帯の運行パターンを特急・準急・普通を各毎時6本に改めること。
快速特急「洛楽」はこれまでも臨時列車としてたびたび運行されてきた、京橋~七条でノンストップで走る列車だ。
かつて京阪特急は京橋~七条すなわち京阪間ノンストップでやっていたが、京阪間以外の客が集中する急行がひどく混雑するという問題もあり、
2000年より丹波橋・中書島が特急停車駅に加わり、2003年より樟葉・枚方市も特急停車駅として特急を増発した。
その後、あれこれ変更はあったものの、特急は大阪市内と枚方市内と伏見区を含めた京都市内の間の利用者に広く使われてきた。
ただ、近年では大阪から京都へ向かう観光客をターゲットにしてかつて同様に京阪間ノンストップの快速特急を臨時列車で走らせるようになった。
2003年以降、特急専用車を使わない特急も多くなっており、それに対して快速特急は必ず特急専用車を使うので、
他の特急より多少速くて快適ですよということで観光客に訴えかけてるんだろう。そういう戦略の中で「洛楽」という愛称も付けられた。
3月のダイヤ変更以後は土休日ダイヤの朝9時~11時大阪発、夕方16時~18時京都発の特急のうち30分に1本が快速特急に置き換えられる。
その代替として快速急行が設定される。
快速急行は大阪市内~枚方市が急行に準ずる停車駅、枚方市~京都市内が特急に準ずる停車駅になっているので、ある程度は特急の代わりになる。
ついでに守口市・寝屋川市あたりから京都に行くのも快速急行を使えば乗換なしで速いから便利かも知れない。
もっとも伏見・宇治などを目的地とする利用者にとっては快速特急は使えないので、毎時4本の特急か、毎時2本の快速急行を使うことになる。
それでも特急は毎時4本あるからあまり問題ない気はするが、適当に駅に行くと快速急行に当たる可能性はある。
そういや、以前、快速急行が昼間も走っていた時は、競馬開催時に淀駅臨時停車やってたけど、この快速急行も臨時停車やるのかな?
多分やることになるだろうな。というのも今は急行の淀駅への延長運転やってるけど、次に書く昼間時間帯の運行パターン変更でそれができなくなるから。
もう1つの変更、昼間時間帯の運行パターン変更だが、これはけっこう影響が大きい。
現在は特急・急行または準急・普通をそれぞれ毎時6本走らせている。
ここで急行と準急は交互に走っていて、急行は淀屋橋~樟葉、準急は淀屋橋~出町柳の設定になっている。
以前紹介したが、京阪の準急というのは大阪市内~枚方市ではまさに急行に準ずる種別になっている。
京阪の急行と準急の停車駅を並べてみると、
急行 : 淀屋橋/中之島~京橋・守口市・寝屋川市・香里園・枚方公園・枚方市・樟葉……(樟葉より先に行く急行は少ないので省略)
準急 : 淀屋橋/中之島~京橋・守口市・萱島から各駅
これだけ見ると全く違うように見えるし、昔はそう思ってたんだけど、実は似た役割を持っているそう。
というのも、萱島~枚方市に注目してみると、準急が停まって急行が通過するのは、萱島と光善寺の2駅だけなのよね。
この2駅を追加することで、準急は大阪市内~枚方市で急行に準ずる役割と萱島から先の各停の役割を両立できるわけだ。
(いろいろ準急)
京阪にとっては急行より準急の方が合理性が高く、準急ばっかり走らせたいところだが、そうすると大阪市内~枚方市・樟葉の客は特急しか乗らないし、
それはそれで考え物なのかなということが準急と急行を織り交ぜたダイヤの中から見えてくる。
この準急と急行の混ぜ方は2013年以前は急行4・準急(中之島線発着)2、2011年以前は準急4、快速急行(中之島線発着)2とコロコロ変わっている。
それが3月のダイヤ変更以後は準急に統一されると言うことなのだが、それより大きなポイントが特急と準急の接続駅の変更である。
現在は枚方市・丹波橋・三条で特急と準急または普通との接続をとっているが、これからは樟葉・丹波橋・三条での接続に変わる。
その裏では京橋~枚方市の間で特急は準急を抜くはずだそうだから、今後は大阪市内~枚方市で昼間時間帯に準急が先着することはなくなるそうだ。
このように変更するメリットは特急の所要時間が短縮されることに現れているそうで、大阪市内~京都市内で2~5分の短縮ができるとのこと。
大阪市内~枚方市・樟葉の利用者は特急に乗ればよいので、急行とか準急という選択肢がなくなるものの、特急が使えるから所要時間的には大差ないだろうと。
ただしそれ以外では犠牲となるものはそこそこありそうで、接続駅の変更などで使い勝手はけっこう変わるよなと。
数分の所要時間増ですよと言えばそうなんだけど、逆に得られるものも特急の数分の時間短縮なので、何に重きをおくかの問題ではある。
運行効率は多少上がるのかな。淀屋橋~樟葉の急行+中之島~出町柳の普通が淀屋橋~出町柳の準急+中之島~枚方市の普通になるわけだから。
あと夜間帯で減便をして、今まで本数が減っていた時間より1~2時間早い時間に各種別12分間隔の時間帯ができるそうで。
最初に書いたけど、近鉄大阪線も20時以降で快速急行・準急から急行・区間準急への変更を行い、この時間帯の運行効率を上げるようだ。
運行効率が上がった代わりになにが起きるかと言えば急行の利用者が増えることになる。ただし急行は増発されるので一概にマイナスとは言えない。
これはなかなか賢くて、節約できたリソースの一部を別のところに付け替えて便利になるかもしれないと主張しているのだ。実際悪くない。
それはともかく、京阪も近鉄もこの時間帯の運行体制に手を付けているということからして、本数が多い割に利用者が少ない時間帯という認識なのだろう。
ただ、夕方のラッシュの延長線上にあたる時間帯で僕もかつてはこれぐらいの時間帯の列車で帰宅することもそこそこあった。
18~19時台と比べれば混雑はひどくないけど、安易に減便できるほど利用者が少ない時間帯ではない気はする。
が、減便の余地があるのは確かでそこに食い込んできたのは、コスト面での問題もあるのかな。賃金の深夜割増もあるし、
決して悪い話ばかりでもないのだが、変更点が多いとあれこれ思うところはあるわな。
もう全く他人事だが、京阪のダイヤ変更は端から見てても、これってどうなのかな? と思うところはあるわな。
京阪のダイヤはあれこれ試しては減便という流れが続いているような気はしている。(cf. №1185 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 10.京阪本線 枚方市駅(後) (絶対!乗り物中心主義)
あれこれ工夫するのは野心的ではあるんだけど、今になって振り返ってみると妙なことしてるなぁという感想を持つのも仕方ないわな。
逆に近鉄なんかはちょびちょび変えて、「ここ削ったけどあんまり使い勝手変わらんやろ」という主張を繰り返し続けているから、利用者も騙されるんだろうけど。