硬貨には時間制限がある

今日は、久々に東京に出かけていた。

秋葉原に買い物にいくついでに、CDを売りにいった。

これがけっこう査定に時間がかかって、上野公園を歩いて往復して、東博の東洋館を一通り見る時間があるという。

もともと東博に行く予定はあったので、それはそれでいいんだけど、こうやって往復するのは珍しい。


それで売ったら、そこそこのお金にはなったのだが、買取金は現金でじゃらじゃらと渡される。

元々、財布の中は小銭(特に10円玉以下)が多くて、それに加えてこれだから財布が少し重い。

というわけで100円玉と10円玉1枚ずつ(返却式コインロッカー対応)だけ取っておいて、

残りはATMに投げ込んでしまおうと思った。

店舗内ATMなら硬貨対応していることが多いので。

そんなわけで外神田五丁目交差点にある三菱東京UFJ銀行に行って、そこで入金しようと考えた。

ところが紙幣の入金しかできないようになっていたので、結局小銭をジャジャラさせて帰ったのだった。


確かに硬貨の取扱って時間制限があったりするんだよね。

主な銀行について調べてみると、

  • ゆうちょ銀行 : 平日7~21時・休日9~17時(入出金とも)
  • 三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・りそな銀行 : 平日8:45~18:00(入出金とも)
  • みずほ銀行 : 出金は制限なし、入金は平日8:45~18:00

基本的には平日時間内限りのようで。ただし、ゆうちょ銀行は全体的にゆるく、出金に限ってはみずほ銀行は無制限だ。

ゆうちょ銀行がいけるなら、昌平橋を渡って神田郵便局に行くかと思ったのだが、すでに17時を過ぎてたのでやめた。


なんでATMなのに、こんなに時間制限が厳しいのか?

明確な理由はわからないが、トラブルが発生したら対応できないからだろうかね。

確かに硬貨を取り扱うとなるとメカトラブルが起きやすそうな印象はある。実際はどうか知らんけど。

あと、店舗内ATMに限るというのは、硬貨の補充・回収に手間がかかるからでしょうね。


そもそも小銭なんて使えば減っていくものなのだが、現金の使用頻度が低すぎて、

小銭がたまっても掃けないという問題が時々起きるんだよね。

そういう時にATMに押し込むということを時々やるんだけど。

たいていはゆうちょ銀行ですね。そこからSBI証券(結果的に住信SBIネット銀行)に移し替えるんだけど。


じゃらじゃらしてるのは煩わしいが、来週末に徳島に行くとなにかと現金は使うだろうから、

そのときにむやみやたらと多い10円玉、1円玉含めて掃けて適正量になるだろう。

だからまぁいいかな、ということで置いておくことにした。

紙幣もちょっと普段に比べて多めなんだけど、徳島行くからいいかと。

これで当分、現金を使う予定なしだったら、明日に郵便局に行ってゆうちょ銀行に預けたでしょうがね。

急に腕時計を買い直す

昨日、仕事中に腕時計が壊れた。

ベルトの取り付け部が壊れちゃったのよね。

単に外れたわけではなく、取り付け部のプラスチックが折れたから修理すれば直るという物ではない。


とりあえずだましだましでも使えないかと考えてみたが、ちょっと厳しい。

腕時計なしだといろいろ支障があるので、早々に買いに行くことにした。

というわけで退勤後に市内の電器店に行って、探してみたが、求める条件に合う物は限られる。

よいものがあれば多少高くてもよいとおもったが、そもそもこの店の品揃えで条件にあてはまるものが少ない。

それなら比較的安いものでよいかということで選んだ。4000円なり。


今まで使ってた腕時計は4年前に買ったものだったらしい。もうそんなしてるか。

新しい銀色の腕時計

これがけっこうなこだわりの品だった。

その最大のこだわりがデジタル表示があることだった。

昔からデジタル表示の時計を使ってきて慣れているのもあるが、読み間違いを防ぐという観点で選んでいる。

あと、日付を腕時計で確認することが通常になっているので、日付表示ができるというのも重要だ。


デジタル表示ができることという条件を付けるだけで選択肢はかなり狭まる。

これに比較的小さいことと、黒色や銀色の落ち着いた色であることという条件を付けると、本当に選択肢が少ない。

多機能な時計だとデジタル表示またはアナログ・デジタル併用になることが多いが、そうするとやや大柄になりがち。

さして多くもない選択肢の中から、値段、デザイン、付加的な機能を考慮して、これだと選んだ。

付加的な機能として電波時計であることは考慮したが、あとは値段ですかね。


とりあえずこれで困らないが、長期的には別の時計を探すことになるかなぁ。

なかなか条件的には厳しいところもあるが、長く使い続けられるものを買えれば、メリットはあるだろう。

こだわりの条件が満たせるのなら多少高くても許容できるので。

1年ぐらいのスパンで見つけられればよいかなと。

困らない範囲でできるだけ安いものを選んだことにはそういう意図もある。


そもそも無理してでも延命できないか考えたのは、吟味するための時間を確保するための策だったのだが、

それができなかった以上は、こういう段階的な対応になるのかなと。

まぁ本当に買い換えるかは分からないんだけど、そういう方針で考えていきたいって話ですね。

昼休みはほぼ誰でも空きがある

今日、昼休みに労働組合がセミナーをやるから来いということで行ってきた。

セミナーっていうけど、実質はろうきんの宣伝なんですがね。

職場の代表だというのと、ターゲット層にマッチするので、ぜひとも来いと言われたという次第。


労働組合の活動は基本的には労働時間外にやることになる。

(会社主催の会議に労働者代表として参加する場合などはその限りではないそうだが)

具体的には終業後か昼休みということになる。

だいたい、各種の会議やセミナーは終業後、職場集会は昼休みが選ばれているが。


そんな中で昼休みにセミナーってどうなのよという話ではある。

昼食を食べながら聞いてもいいよ、ということではあったが。

ただ、僕は普段、昼食を食堂で食べてるからねぇ。

とはいえ、ここで昼食を食べないと昼休みに収まらないのは確定なので、

今日は昼食を買ってきて、これを会場に持っていって、食べながら聞いていた。


昼休みを使うメリットは、多くの人にとって都合を付けやすいこと。

終業後は家に早く帰りたいというのもあるだろうし、残業やフレックスタイムで定時で終業とならない場合もある。

けど、昼休みに事業所外に出て行く人はそうそういないし。

ただ、もともと昼休みというのは、そんなに長い時間があるわけではない。

それゆえに慌ただしくなってしまうのが悩みだ。

今日もバタバタしていて、昼食を買いに行って(事業所内に売店がある)、

そこから会場に直行してセミナーが始まる5分前、それで終わって職場に戻ったら昼休み明け8分前とかそんなの。


ちなみにセミナーの結論としては、こういうことには財形貯蓄が役立ちますから、相談・申込みに来てねって話だった。

現在は財形貯蓄の制度上のメリットはほとんどない。というのも極端な低金利だから。

勤務先では定期預金・公社債投資信託・金銭信託・生命保険と低リスクなものしか選択肢がないから、必然的に極端な低金利になるのだ。

ただ、給与天引きであるというのはメリットではあって、計画的な貯蓄の助けになるというところですね。

父が財形貯蓄の引き出し手続きが面倒だなんてぼやいてるのを聞いていたこともあるが、

もらった資料をパラパラ見てると、ろうきんだと一般財形の引き出しはインターネットからの手続きでできるんだね。

財形貯蓄 (中央ろうきん)

それならありがたいという人もいるかも。

もともと計画的に貯蓄できる人なら、財形貯蓄にこだわらない方が選択肢は多いが。


そういや、以前、うっかり配当金領収書を受け取ってしまったから、昼休みに郵便局に行ったことあったな。

配当金領収書が届かないようにしてなかった

そこまで郵便局が混んでなかったので、慌ただしくならずに済んだが。

この事業所で昼食を食堂で食べなかったのってこのとき以来?

その可能性はあるかもしれんなぁ。だって覚えがないもん。

いつ本籍地を指定するか

この前、職場の先輩から結婚式の招待状を受け取ったという話を書いたが、

どうもこの前、役所に婚姻届を提出したようで。

家族の意向と、社宅の手続きの問題で、必然的にここで届出を出さないといけないというのがあったそうで。


おそらく新しい本籍地を決める必要があるだろうと思って、どこにしたか聞くと、

最初に2人で暮らすことになる社宅の街区符号にしたそうで。

「でも社宅はそのうち追い出されますよ」「それはそのときだ」と。まぁそりゃそうか。

本籍地って本質的じゃないけど、どこに決めるか悩む人はいそう。


それはさておき、新しい本籍地を指定する届出というのはいろいろある。

  1. 婚姻届 (新しい筆頭人が現に筆頭人ではない場合)
  2. 分籍届
  3. 出生届 (母親がその親と同じ戸籍にいる場合、子が入るべき戸籍がない場合)
  4. 帰化届
  5. 入籍届 (同じ戸籍になる親などがその親と同じ戸籍にいる場合、入るべき戸籍がない場合)
  6. 養子縁組届 (養親がその親と同じ戸籍にいる場合)
  7. 離婚届 (筆頭人ではない方が新しい戸籍を作る場合)
  8. 養子離縁届 (離縁する養子が新しい戸籍を作る場合)

でも、1以外は、あんまり出さない届出か、新しい本籍地を指定する条件にあてはまらないのが多いからね。


1の婚姻届も必ず本籍地を指定するわけではない。新しい筆頭人がすでに筆頭人ならば指定しない。

どういうケースが想定されるかというと、妻がすでに筆頭人で、妻の氏を指定する場合。

2の分籍届は単純に誰かが独立して新しい戸籍ができるってだけのこと。

4の帰化届は新しく日本人になるのだから、新しい戸籍ができるってだけの話。


ここまではすぐに分かるが、ここからが難しい。

3の出生届で新しい戸籍ができるというのはあまりイメージはないかもしれないが、両親が結婚していない場合は普通に想定される。

両親が結婚していない場合、子は母親の戸籍に入るのだが、母親がその親(子から見れば祖父母)と同じ戸籍にいる場合、

1つの戸籍には2世代までしか入らないというポリシーがあるので、新しい戸籍を作る必要がある。

なので、出生届で新しい戸籍が出来るというのは通常想定されることなのだ。でもあまり多くなさそう。

子が入るべき戸籍がないというのは非常にイレギュラーなケースなので、後で紹介する。

5の入籍届も似たような話で、1つの戸籍には2世代までしか入らないというポリシーで必要になることがあるから。

入籍届は子が両親の戸籍に入る場合(子が生まれてから結婚した場合など)か、氏の変更が裁判所から認められた場合に出す届出だ。

特に子の氏を父親か母親のものに変更するのが主な用途だが、未婚の父親で親と同じ戸籍にいる場合は、未婚の母親と同じ問題が起きる。

6の養子縁組届も同じことだ。(ただ、当てはまるケースはあまり多くなさそうだが)


7の離婚届は、筆頭人ではない方は、元の戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るか選択制になっている。(筆頭人は戸籍の移動なし)

8の養子離縁届も同じで、離縁する養子は、元の戸籍に戻るか、新しい戸籍を作るか選択制になっている。

他の届出は基本的には選択肢がないという想定で作られてるんだけどね。

ただ、戻るべき戸籍がない場合と、離婚・離縁前の氏を名乗り続ける場合は新しい戸籍を作るのが必須になっている。

特に元の戸籍に戻るメリットもないと思うんですけどね。


非常にマニアックなのが出生届で子が入るべき戸籍がないというケース。

理由の1つとして想定されるのは父母が明らかではないというもの。まぁそれは仕方ないよね。

ただ、それ以外のケースでも想定されることがある。

両親が結婚していれば両親の戸籍に入り、結婚していなければ母親の戸籍に入る、では両親が未婚で母親の戸籍がなければどうなる?

そんなことあるの? と思ったかも知れないが、母親が外国人で、父親が日本人で、なおかつ未婚だとこの条件にあてはまる。

ただし、出生届を出す時点で子が日本人であることが確定している必要があるので、父親が子を胎児認知している場合に限られる。

(ちなみに両親が結婚している場合は、父親だけしかいない戸籍でも両親の戸籍なので、子は父親と同じ戸籍に入る)


非常に稀なケースだが、調べてみたらミュンヘンの総領事館のWebサイトに手続きが書かれていた。

出生届 (在ミュンヘン日本国総領事館)

これを見てみると、その他の欄に「出生子について日本人父が平成23年8月10日ドイツ方式にて胎児認知。出生子は『青木』の氏を称し日本国籍を取得し、下記に新戸籍を編製する。」という記入例が書かれている。

ここで気づいたのだが、このようなケースでは子の氏は自明じゃないんだね。

この記入例では日本人の父親の青木という氏を採用しているが、そういうことにこだわらず自由に決める余地がありそう。

具体的には外国人の母親の氏とか。確かにそれはありそうだな。

ちなみに母親が日本人で未婚だと自動的に母親の氏になるのだが、外国人の父親の氏にしたいとなれば裁判所の審判を受けて入籍届を出せばできる。

でも、父親は外国人だから日本の戸籍がない。この場合は子の新しい戸籍ができるって話なんだろうな。

5の入籍届の入るべき戸籍がない場合というのはこういうケースもあるんだろうか。


こうやって考えてみると、1の婚姻届が新しい本籍地を決めるほとんどのケースだろうということがわかる。

ただ、3の出生届というのは本来、普通に想定されることなので、知っておいてもいいんじゃないかな。

1つの戸籍には2世代まで、違う氏になるなら新しい戸籍ができる、それが基本原則ですかね。


ちなみに本籍地の意味は戸籍のインデックス以上の意味は無い。

本籍地+筆頭人という情報で戸籍が特定できるという理屈だ。

でも、住所とは別のインデックスがあったり、本籍地の市町村に縛られたりというのはイマイチな気がするんだよね。

これが法人の登記だと、電子化によりどこの法務局でも取り出せるようになり、所在地・法人名で取り寄せられる。

インデックスは会社法人等番号で、現在は所在地が変わっても番号が引き継がれるようになっている。

自然人の戸籍に比べてはるかに優秀だよね。こういうの見ると戸籍の再設計して欲しいなぁと思うんだけどね。

よく出さないのが悪い

高専の後輩がTwitterで尿酸値が高いと指摘された、ということを言っていた。

ビールが悪いのでは? と言っていたがその通りだろう。

でもビールじゃなければよいという問題ではない。


そもそも尿酸とは何かという話だが、その前に尿素のことを知らなければならない。

人間がタンパク質を食べると、食べたタンパク質は分解されるが、この中でアンモニアが生成される。

ところがアンモニアはそのままでは有害なので、とりあえず安全に貯蔵できる尿素にして留め置かれる。

尿素はその名前の通り、尿として体外に吐き出される。

これが基本なのだが、タンパク質の中には最終的に尿酸になるものがある。

尿酸も窒素分をとりあえず安全に貯蔵する方法ではあるのだが、尿素に比べて水に溶けにくいのが問題。

体の末端で尿酸が蓄積され、それが関節炎などを引き起こすのが痛風ということだそうだ。


タンパク質の中でもプリン体というグループのものが最終的に尿酸になる。

タンパク質の種類にはよるのは確かだが、タンパク質を取れば多かれ少なかれ尿酸は生成される。

適度な尿酸が血中に存在すること自体はよいことだそう。

問題は血中の尿酸濃度が過剰になること。過剰に溶かし込まれてしまうと、温度が下がった途端に析出してしまう。

過剰な尿酸が血中に貯まらないようにするためには2つの考え方がある。

  1. 尿酸を尿として体外に排出する
  2. 尿酸の生成を減らす

さて、その上で最初に書いたビールのことを考えてみる。

ビールは醸造酒ということで、酒類の中では比較的プリン体を多く含むとされている。

ビールの原料となる麦のタンパク質に由来するものだ。

ところが、それ以上に問題がありそうなのが、アルコールの利尿作用のこと。

アルコールを飲むと、血液中の水分を尿として出してしまう作用が強まる。

ビール自体は水分を含むが、利尿作用を考慮すると、かえって体の水分を減らしてしまう。

すると尿酸のように過剰に貯まると体に有害な成分も濃縮され、その排出もままならないという問題が起きる。


ビールのプリン体というのは実は高々知れている。

食品・飲料中のプリン体含有量 (痛風財団)

肉類は内臓を別とすれば100gあたりプリン体が70~150mg程度となっている。

魚類はもうちょっと多くて100gあたり100~200g程度という具合。干物にすると重さあたりは増えるが、乾燥前で見ると変わらんだろう。

これに対してビールは100mLあたり5mg程度、酒類の中では多いと言われるが、

それでもビール2~4Lで肉・魚の100g程度と考えると、無視してもよい数字なのでは?

ビールのプリン体ではなく、そのおつまみのプリン体が問題なのでは? という話もあるぐらい。


他のアルコール飲料、特に蒸留酒だとタンパク質をほぼ含まないので、プリン体は考えなくてよいが、

その一方で利尿作用の問題はアルコールである限り存在する。

しかも蒸留酒はそのままだとアルコール度数が高いから、意識して水分を多く取らないと、脱水が深刻になりかねない。

あと、上で指摘したおつまみの方が問題という指摘については、酒の種類が変わっても同じだろう。

というわけでビールは問題だが、ビール以外のアルコール飲料も同じぐらい問題というのが、最初に書いた話への答え。


一般論として、よく飲んでよく出すということはよいことだ。

水分を多く取り、尿意は我慢せずに出す。

そうやっていれば、体にとって有害なものが蓄積され続けることが避けやすくなる。

アルコールを飲むということは、これに真っ向から反すること。

相応に水分を多く取ることで悪影響は緩和できるが、飲む量が多い、飲む頻度が高いだとそうも言ってられんだろう。

詳しいことは医師に聞いてくれという話ではあるんだけど、結局はここに行き着くのよね。きっと。

日本生まれの洋菓子?

今日、初めて知った話なんだけど、スイートポテトって日本生まれの洋菓子なんだね。

さつまいもを洋菓子の材料に使うということ自体がめずらしいことらしい。

確かにさつまいもの栽培ってアジアに偏っているので、そういう文化が生まれなかったのも無理はないのかも。


日本生まれなのに洋菓子って? と言う人もいるかもしれない。

うーん、確かに純然たるヨーロッパの菓子ではないんだけど、そういう言い方になるんだよね。

似たような話で日本生まれの洋食というのがある。

具体的にはオムライスなどが該当する。


洋菓子も洋食も、ヨーロッパの文化が流入する以前からの和菓子、和食に対する対義語だろう。

実は和菓子も和食も大陸にルーツを持つものは多い。

でも、ヨーロッパ文化が流入する頃には、日本古来のものととらえてもよいぐらいの歴史があった。

それに対する新しい概念として洋菓子、洋食という言葉が導入されたというのが実情のようだ。

なお、洋食のルーツは基本的にフランス料理にあるとされているし、洋菓子もフランス由来の部分が多いようだ。


そうは言っても、洋菓子はあまり日本独自に発展したという印象はあまりないんだよなぁ。

確かに材料の使い方とかが日本の実情に合わせて変わったりというのはあると思うんだけど、まさか全くないものができるとは。

でも、洋食は日本独自の洋食が生み出された理由はある程度明確だ。

それは、日本では洋食といえども米と一緒に食べることを考慮する必要があったからだ。

カレーライスはその代表例で、イギリスで食べられていたカレーを米にかけたものだとされている。

まぁ洋食と思って作ったのが和食になることも時々あって、

とんかつ(元はポークカツレツだった)とか、肉じゃが(ビーフシチューを作ろうと思ったらできた)とか。


以前、こんな怪しげなニュースがあった。

パン屋「郷土愛不足」で和菓子屋に 道徳の教科書検定 (朝日新聞)

国の指摘もよくわからないが、これでよしと考えた出版社もよくわからない。

表題にあるパン屋を和菓子屋に差し替えた件は「『我が国や郷土の文化と生活に親しみ、愛着をもつ』という点が足りない」という指摘への対策だったよう。

ただ、そういう経緯を知った上で見ると、なんか取って付けたような対策だし、言うほど変わった? という考えも出てくる。

だって日本におけるパンの歴史ってかなり長いんだから。

だからこそ、地域社会に根ざした商売の1つとしてパン屋が出てきたんだろうし。


日本におけるパンの歴史はポルトガルからやってきたところから始まる。

だからポルトガル語のpãoに由来してパンって言うわけ。

特に近畿圏ではパンの消費量が多いことが知られ、そりゃ主な主食は米だけど、パンの存在感は相当なもの。

「食べた気がしない」ということで厚めに切った食パンを好むということが知られている。

惣菜パン・菓子パンの中には日本独自のものが多くて、有名なのはあんパンだよね。

パン屋が担う役割の多さはこの通りで、それは長い歴史があるからこそのことである。


もっとも、和菓子と洋菓子という言い方だから、こういう違和感が生じるのだろう。

というのも医学はヨーロッパの医学を蘭方といい、それに対してそれ以前から日本にあったものを漢方と呼んだ。

そう、漢方医学ってこんな名前だけど日本伝統の医学なんだよね。

こういう言い方をするのはそもそものルーツが大陸にあるからなんだけど、そうはいっても日本での歴史が長いですから。

その後、日本は西洋医学を学ばなければ医師にはなれなくなり、漢方医学は廃れていったが、部分的に残っている。

西洋医学にも日本独自のやり方はあるし、漢方医学にも日本独自のやり方はある。あまり意識はしないけどね。


美術館に行って、「日本画」「西洋画」と大きな分類があって、とはいえどっちも日本で制作された作品が多く、

じゃあ何が違うんだと言われたら、道具と技法だという話になる。

スイートポテトも洋菓子の道具・材料を使ったから洋菓子だと言われた。それが全てのような気はするね。

よく考えてみると、芋ようかんもやってることは似てるんだよね。あれはようかんの要領で練り上げたから和菓子って言われるけど。

アナログラジオすら終わる

以前、ノルウェーの公共放送がアナログラジオ放送を順次停止しているというニュースを見た。

ノルウェー、今年末までにFMラジオ放送を廃止 世界初 (CNN.co.jp)

うーん、デジタルラジオへの一本化ねぇ。


VHF帯を使うのはFMラジオと同じ。

ノルウェーは地形が複雑でアナログ放送では高コストなので、デジタル化すると書かれている。

デジタル化で中継局が減らせるという意味なのか、デジタルとアナログ併用するデメリットを考慮しているのか。

どっちなんでしょうね?

いずれにせよ、アナログラジオをほぼ全廃するという方針を示しているのは、今のところノルウェーだけだそうだが。


ヨーロッパではデジタルラジオを導入している地域は多く、普及率もそこそこ高いらしい。

例えば、イギリスだと人口カバー率97%、普及率は58%とか出てくる。

Country Information / United Kingdom (World DAB)

何がメリットと考えられているのか? やっぱりチャンネル数が増えることなんかね。


たびたび紹介しているが、日本でもアナログテレビ放送の跡地にデジタルラジオを導入するという話があった。

ところが、実際にはデジタルラジオの導入には消極的な放送局が多く、

V-Lowの一部を使ってAMラジオ局のFM方式による中継局が設けられることになった。(これをワイドFMと呼んでいる)

AMラジオ局もFMがいい

日本では従来使っていなかった周波数ではあるものの、世界的には一般的な帯域だし、

もともとテレビ1~3chの音声を聞けるラジオがあれば対応できたし、周波数を可変出来る範囲を変えるだけの問題だ。

そこそこ普及してるんじゃないですかね?


おそらく日本のデジタルラジオの当初構想は、アナログテレビ跡地にデジタルラジオの帯域を確保して、

そこにAMラジオ局、FMラジオ局、新しい放送局ともども乗っかれるようにしようとしていたのだろう。

BS放送と同様にハード・ソフトの分離が想定されていたのもそういうことなんだろう。

これができれば電波の有効利用に大変役立っただろうし、各社の投資も小さく抑えられるのだろう。

だから、この構想が進んでいたら、ずいぶん状況は違ったかも知れない。

ただ、そうなるにはハードルが高いということで、FMラジオとしての利用が進められたのが実情だと。


一方で、エフエム東京らはデジタルラジオにこだわり、i-dioを開局させた。

ただ、普及状況はまだまだ。というか中継局が不十分だし、北海道、東北、中国・四国ではまだ放送局自体が開局していない。

エリアの問題もさることながら、受信機が普及していないというか、普及させようという気があまりないというか。

一応、V-ALERTってのが普及に向けた切り札なんですかね。(cf. V-ALERT by i-dio)

いずれにせよ、味方があまりいないので、それが厳しいところ。


日本ではアナログラジオ廃止どころか、AMラジオ局がはびこってるからなぁ。

ヨーロッパではAMラジオは廃止されてる地域も多いようで、ノルウェーもとっくにないそう。

中波放送は少ない送信所で広い範囲をカバーできるものの、中継局の設置が難しいという問題がある。

なにしろNHKラジオ第1東京なんて、関東地方のほぼ全域を久喜市の送信所1つでカバーしてると言っている。

ほぼ全域というのに含まれないのは小笠原諸島だけ。小笠原村の2中継局(FM方式)以外の中継局は存在しないんだよね。

ちなみにNHK-FMだと関東地方の7放送局で計33の送信所がある。この差は大きい。

デジタルラジオになるってことはVHFになるってことだから、送信所の数もFMラジオと同じぐらい必要ってこと。


アナログテレビからデジタルテレビになってのメリットはわりとわかりやすい。

  • ハイビジョン画質での放送
  • 多チャンネル放送
  • 県域放送の充実(茨城県・群馬県・栃木県)
  • 700MHz帯の携帯電話への転用など

それに対してデジタルラジオはどうだろう?

と考えると、もともとFMラジオ程度の音質があればそう悪くはないし(i-dioは高音質をウリにしてるチャンネルもあるが)、

多チャンネル化とか、データ放送とか、簡易動画放送とか、そういうところを狙って行くとよいのだろうか。

けど、それを生かせる放送局がどれぐらいあるのかって話ではある。

切り札は多チャンネル化か? 超!A&G+がそうだったんだけど、インターネットでいいやってのが実情だが。(cf. 未来のラジオは見るものだと思っていた)

法人とはなんぞや

昨日、法人が刑事裁判を受けている話を書いたが(簡易裁判所とは珍しい)、

そもそも法人ってなんやねんという話である。


法人とは、自然人ではないけど法律の定めに従い「権利を有し、義務を負う」もの。

例えば会社がそうなんだけど、会社法を見てみると「会社は、法人とする」とだけ書いた条文があり、

これをもって会社(株式会社・合名会社・合資会社・合同会社)は法人ということになっている。

法人が権利を有し、義務を負うというのは、不動産を所有できたり、税金を納める義務を負うということ。

場合によっては刑事責任を追及され、罰金を払わされるというのが昨日書いた話。


自然人ならば、市町村に出生届を出すと戸籍・住民票に記録される。

が、届出をしなくても、権利を有しないわけではないし、義務を負わないわけでもない。

ただ、法人の場合は、届出が必須で、たいていの法人は法務局に登記を行うことで法人となっている。

具体的には会社・社団法人・財団法人・医療法人・学校法人・独立行政法人などが該当する。

登記されている法人には会社法人等番号というのが振られている。

現在、日本国内に住む自然人にはマイナンバーが振られているけど、法人にも法人番号というマイナンバー相当のものがある。

これは登記されている法人は会社法人等番号を元に付けられていて、なおかつ法人番号は誰でもWeb上で検索できる。

法人番号公表サイト (国税庁)


法人番号は13桁で構成されるが、最初の1桁はチェックディジットなので、本質的な情報は2桁目から。

登記されている法人は2桁目が7以外かつ2~5桁目が0000以外になる。

その上でいろいろな法人を調べてみると、けっこう登記している法人の種類は多いのだなと気づく。

宗教法人って、登記とは別の手続きだと思ってたのだが、役所の認証を得てから登記することになっているようで、

京都市の「知恩院」だと 1130005000279 という法人番号を持っている。

宗教法人って名称に「宗教法人」と付けなければならないとか決まりがないから網羅的に調べるのは難しいけど。

こういう独自の法律で定められている法人も、法律に「登記しなければならない」とか書かれていれば、ちゃんと登記されている。

例えば、日本赤十字社は、6010405002452という法人番号だから、ちゃんと登記されていることがわかる。


労働組合も法人になるには登記が必要となっている。

実は法人ではない労働組合も存在しうるので、全ての労働組合が登記されているわけではない。

実際、勤め先の本社事業所には少なくとも4つの労働組合の本部があるはずなのだが、住所で検索しても2つの組合しかヒットしない。

不動産を所有するなど法人格が必要な組合はそれぐらいしかないということかもね。(本部の建物とか共用してるんだろうし)

そういう微妙な違いを見分けるのに役立つかも。(会社との交渉においては差はないが)


そんな中で法務局への登記をしない法人というのもある。

気づいた範囲では、次の2つがある。

  • 健康保険組合 (厚生局への届出が登記に相当)
  • 共済組合 (省庁への届出が登記に相当)
  • 地縁法人 (市町村への届出が登記に相当)

ただし、これらの法人も必要ならば2桁目が7となる法人番号が指定される。

例えば、総務省共済組合の法人番号は 9700150001066 となっている。

給与を払ったりするならば法人番号が必要なので。

あと日本で事業を営む外国法人も登記はするのだが、会社法人等番号はないので、2桁目が7となる法人番号になる。

例えば、アメリカンファミリーライフアシュアランスカンパニーオブコロンバス (Aflac)の法人番号は 2700150008778 となっている。


あと、登記がないという点では国・地方公共団体(市町村・都道府県の広域連合・組合も含む)もあてはまる。

法人番号の2~5桁目が0000になるのは、そういう行政機関のことで、

法務省は 1000012030001、大阪市は6000020271004、奈良県広域消防組合は8000020298549 などなっている。

国の法人格ってあんまり気にしないし、明確な定義はないけど、省庁単位なんですかね。

そうかとおもいきや、裁判所は最高裁判所の1法人だけなのかなと思ったら、簡易裁判所1つずつに法人番号が振られていたりする。


自分の勤め先の本社所在地とか見てみると、けっこういろんな法人出てくるかもよ。

たいていの法人は登記されていると言うことは、法務局で調べれば何があるかは分かるんだけど、手間もお金もかかる。

マイナンバーのおかげで簡単に調べられるようになった。

まぁ他人の法人番号を本来の用途で使うことはないけどね。ただ、個人のマイナンバーと違って使途は自由なので。

簡易裁判所とは珍しい

今日のニュースを聞いていて、違和感を感じた人もいたのでは?

違法残業があったのに必要な防止措置を取らなかったとして、労働基準法違反の罪に問われた広告大手・電通(東京)に対する初公判が22日、東京簡裁(菊地努裁判官)で開かれた。大企業が長時間残業について刑事責任を追及され、トップが法廷に立つのは異例。

(電通に罰金50万円求刑 違法残業初公判、社長が出廷 (朝日新聞))

ニュースで出てくる裁判で簡易裁判所って珍しいよね。


刑事裁判における簡易裁判所の管轄は、罰金刑以下の罪を対象としている。

一方で、法人に懲役刑などは存在し得ないので、被告人が法人であれば、通常、第一審は簡易裁判所になる。

電通は東京都港区の会社なので、管轄の簡易裁判所は 東京簡易裁判所 となる。

東京簡易裁判所は東京地方裁判所・東京高等裁判所と同じ建物なので、写真はよく見る庁舎だけど。

ただ、簡易裁判所ってたいていはそんなに大きな庁舎ではないから、例えば川口市の会社ならば川口簡易裁判所で行われて、それだとこんな庁舎。

バリアフリーマップ/川口簡易裁判所 (川口市)

一体、何人の傍聴人が入れるんだろうね?


簡易裁判所というのは身近な裁判所ということで、特有の制度がいろいろある。

手軽に使える裁判所

民事裁判では調停と少額訴訟、刑事裁判では略式手続が簡易裁判所特有の制度だ。

一方で簡易裁判所は地方裁判所に比べると機能的な制限があることが想定されていて、

民事・刑事ともに簡易裁判所の判断で地方裁判所へ移送できることになっている。

あと、簡易裁判所が第一審の裁判では、控訴・上告の取扱が特殊だ。

まず、刑事裁判については、控訴審は2つ上級の高等裁判所で行う。だから、今回の裁判に不服があれば控訴審は東京高等裁判所で行われる。

一方の民事裁判は控訴審は1つ上級の地方裁判所で行われる。刑事裁判と民事裁判で違うんだよね。

それをもってしても法律の適用などに疑義がある時は上告審がさらに1つ上級の高等裁判所で行われるのだが……

憲法上の疑義がある場合は、最高裁判所に移送することになっている。


ところでこの裁判は当初、略式手続で行うことを被告人・検察で合意していた。

すなわち、この裁判にはさしたる争いはないということ。

まぁ争いがあろうがなかろうが、裁判を行うのが刑事裁判なので、それはそれでいいんだけど。

ところが、裁判所が略式手続は不相当だと判断して、正式な裁判を行うことになったのだという。

略式手続は100万円以下の罰金刑を対象としていて、今回の検察の求刑が罰金50万円だったから、対象としては妥当ではある。

裁判所としては書面だけで判断はできないか、検察の求刑が妥当ではないと判断をしたから、正式裁判を行うようにしたということのようだ。

ただ、検察の求刑が妥当ではないという判断はないだろう。

なにしろ被告人が法人で、後に書くように法定刑を考慮すると、罰金50万円という求刑が妥当ではないとはなかなか考えにくい。


今回の起訴内容は労働基準法第32条の「一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」という規定に違反したからだろう。

ん? そんな規定あるの? と思ったかも知れないが、法律には明確に週40時間を超えて働かせてはならないと書かれている。

ただ、例外はあって、労働者代表との取り決めがあれば、その範囲で週40時間を超えて働かせることができる。

電通も労働組合と協定を結んでいたのだが、実は労働組合の加入者が従業員全体の半分を切っていたので、

もはや労働者代表との協定ではないということになり、そもそもの前提が崩れていたよう。

すなわち週40時間を超えて働かせた時点で即アウトだったということ。

ただし、今回の起訴事実ではそこは不問にして、協定が生きていたとしても、協定を超える労働時間になっていた従業員がいたということを根拠にしている。


その上で、この規定に違反すると、6ヶ月以下の懲役刑または30万円以下の罰金に処するとなっている。

法人だから懲役刑はなくて、罰金30万円以下という選択肢しかないのだが、あれ? 求刑は50万円だよね。

ただ、法人に対する労働基準法違反は罰金50万円というのが判例として確立しているので、おそらく何らかの理屈で成り立っているのだろう。

複数の刑を足し算して、合計で50万円という計算はできるので、それが理由かなとは言われてるけど、真相は不明だ。

いずれにせよ、法律の規定や、過去の判例を考慮すると、罰金50万円というのは妥当だと判断できる。

ただ、法人に課する罰金としては軽すぎますけどね。


そもそもこの罰則って法人に適用することはあまり想定されていないんじゃないかなぁ。

通常は週40時間(または労働者代表との協定)を超えて時間外労働をさせるのは、経営者や管理職の指示によるもの。

だから、検察が起訴するのは 経営者や管理職 というのが通常想定されるべきものだ。

自然人なら懲役刑だって想定されるので、それなりに大ごとだ。(第一審は地方裁判所になるでしょうし)

今回、検察は管理職なども捜査したものの「残業を強制するなどの悪質性は認められない」ということで起訴猶予になっている。

いろいろ検討した結果、唯一起訴できたのが電通という法人で、それに適用できるのは罰金50万円しかなかったというのが真実らしい。

誰が悪いとは言えないが、会社の管理体制に不行き届きがあったのは確実に罪に問えるという理屈なんだろう。


でも、よく考えてみればおかしな話である。

管理職は残業を強制していないといいながら、週40時間(または労働者代表との協定)以上働かせたと言っているのだ。

せっかく朝日新聞デジタル契約してるんだし、昔の記事を掘ってみたら、

「全社的に労働時間の把握がずさんで、長時間労働が野放しになっている可能性もある」という記載があった。

すなわち、積極的に労働者代表との協定を超えて働かせようとはしなかったが、仕事量が協定の範囲に収まるっているか気を配ることもなかったと。

こういうのを未必の故意って言うんじゃないのかなぁ。どの程度、管理職が予期できたかにもよるんだろうが。


考えれば考えるほど、不思議な裁判だ。

なぜ簡易裁判所なのか? なぜ罰金50万円なのか? なぜ被告人が法人なのか?

要因は上に書いたとおりなのだが、法律が想定通りに効いていないという実情はあるのだろう。

62円切手を貼ってあるが

職場の先輩が結婚なさるということで、「結婚式やるんだけど来てくれないか」という打診があった。

都合もつきそうということで「ぜひとも」ということで返答した。

そしたら正式に招待状を作成したので、職場で渡された。

「招待状の宛名書きが大変だった」「郵送だと82円切手ペタペタするんですか?」「実は92円になるんだ」「そりゃ重いですね」という話をしていた。


それで開けたら、招待状と場所の案内と返送用のハガキが入っていた。

そりゃ返送用のハガキも入れるよねと思って、宛名面を見たら62円切手が貼ってあった。

あー、貼っちゃったか。職場で手渡しにすればこの切手はいらないのだが。

とはいえ、貼られた切手を剥がすには、ハガキをダメにするしか方法はないし、

剥がした62円切手を返されても困るだろうし、それならもはや郵送して使った方が吹っ切れるか。


基本的にこの招待状を受けとった人は、ハガキを返送するという前提だろうから、切手をペタペタ貼るのは合理的だ。(貼る手間を別とすれば)

ただ、返送用にばらまいたハガキが返送されない場合もある。

例えば株主総会の議決権行使書、これはインターネットで議決権を行使する場合、株主総会に出席する場合は郵送しない。

また、全ての株主が議決権を行使する保証もない。

なので、切手を貼って送るのはもったいない。

かといって、議決権行使書を返送する費用を株主負担にするのも不都合だ。(そういう選択肢もあってはいいと思うけど)

というわけで、通常は議決権行使書のハガキは料金受取人払になっている。


料金受取人払だが、使える条件は意外とゆるい。100枚以上配布することぐらいだ。

料金受取人払 (日本郵便)

あまりなじみはないかも知れないけど、書留・特定記録も料金受取人払にできる。

簡易書留での返送を依頼する封筒だったか料金受取人払になってるのを見て「へぇ」と思ったことがある。使ったことはないが。

ただ、その一方で受取側は料金+手数料を支払う必要がある。

この手数料だが、料金後納かつ私書箱宛ならば10円、料金後納なら15円、料金後納でもなく私書箱宛でもない場合は21円となる。

昔はゆうパック着払いでも料金受取人払の手数料というのが存在していて、20円上乗せになっていた。(手続きなしに使えるのは手紙と違うところだが)

現在は他社の宅配便と同じく上乗せはなくなったが、制度上の根拠はここにあったのだという。


ただ、実用上はどうだろう?

料金後納ならば手数料も安くなるし、月締めで支払えば良いので便利だろう。

ただ、料金後納の許可を得るためには、月50通以上の差し出しが必要とか、担保を差し入れないといけない(上場企業や公法人は免除)とかある

なので個人で使うとなると、料金後納にすることは難しいだろう。すると、配達のたびに払うということで手間がかかるし、手数料も一番不利だ。

はがき100枚に切手を貼ると6200円かかる、これに対して料金受取人払で1通受け取ると62+21=83円かかる。

返送されるハガキが74枚までならば料金受取人払の方が有利なのだが、どうだろう?

手続きや料金支払の手間を考慮すると、回収率を半分切るぐらいじゃないとメリット出ないんじゃないかなぁ。

というわけで個人レベルで料金受取人払を使うことは可能だが、実用的ではないと言わざるを得ない。


けど、これが国際郵便ということになれば一気に事情が変わる。

国際郵便にも料金受取人払(IBRS)という制度がある。

国際郵便の場合、返送用封筒に切手を貼って送るということができない。なぜならば日本の切手は日本でしか有効ではないから。

そこで国際切手返信券(IRC)というのがあって、日本で買って、外国に送って、郵便局に持っていくと、その国の切手に交換してもらえる。

日本でIRCを買うと150円、日本の郵便局にIRCを持っていくと130円(航空便・第3地帯・封書25gまで)相当の切手に交換してもらえる。

そうやって手間暇をかけたところで郵送事故にあってしまっては意味がない。

と、とにかく外国から郵便の返送を受けようとすると非常に分が悪い。とアマチュア無線の人は言っている。

ところが料金受取人払を使うと、支払うのは返送されてきた分だけでよく、その料金も25gまでの封書ならば発送元によらず100円均一となっている。

実際はこれに手数料を上乗せした金額になるが、私書箱でも料金後納でもなかったとしても1通あたり121円だからIRCを1枚買うよりも安いよね。


そんなに世の中の人は郵便制度に詳しくないのかもしれないけど。

でも知ってたところで「こういう選択肢もありますね」というのを考慮したとしても、切手を貼るのに勝てないというのはある。

特に料金受取人払ってのは、すごく役立つケースがある一方で、あまり役に立たないケースも多い。

法人でさえ切手を貼った封筒を返送用に送りつけてくるのはザラにあるけど、回収率が高ければ、結局そっちの方が楽で安上がりなんだよね。

その全てが計算尽くかというとそうでもないけど、納得できるものが多いんじゃないかなぁ。