アメリカが戦艦を作る?

高市総理大臣が就任まもない頃に物議をかもした国会答弁があり……

戦艦を使って、武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える

(高市首相、台湾有事「存立危機事態になりうる」 武力攻撃の発生時 (朝日新聞デジタル))

中国政府がいろいろ騒いだ一連の答弁の一部にあった発言である。

この答弁内容は従来の日本政府の考え方を変えるような内容ではないと思うが。

大局的にはそういう話なのだが「戦艦」というところにツッコミを入れる人もいて、

なぜかというと、大砲を主力兵器とした 戦艦(Battleship)は現在存在しないためである。


というわけで「軍艦」の間違いではと指摘されたが、あくまでも例えということで言い間違いではないらしい。

ふーん、と言っていたらアメリカがBattleshipを作るというニュースが飛び込んできた。

「トランプ級戦艦」建造へ 2隻、大統領が発表―米 (JIJI.COM)

まさか高市さんは「戦艦」が主力艦に再び返り咲く時代が来ると読んでいた?


ただ、実際のところミサイルを主力兵器とした船なんですよね。

そのような船は通例 ミサイル駆逐艦(DDG) のように言われることが多い。

日本ではイージス艦って言われてるやつですね。

戦艦が主力だった時代は、駆逐艦は比較的小型で機動性が高い船を指していたが、

現在においては比較的大型の艦船を指すことが多い。

もっともそれにも限度があるだろうと大きいものは ミサイル巡洋艦(CG) と呼ばれることがありアメリカはそうしている。


それよりさらに大きいなら戦艦じゃないの? トランプさんの発想はそんなところだったのかもしれない。

実態としては超大型ミサイル駆逐艦ではないか? という読みはある。

駆逐艦に求められる機能も大きくなる中で、大きい船にしたということか。

それが本当に良いのか? という疑問は当然あるんですけどね。


日本では駆逐艦もフリゲートも「護衛艦」とされているが、

護衛艦の一種として国際的には巡洋艦(Cruiser)にあたる種別が規定されたという。

1つは CG、さっき出てきたミサイル巡洋艦ですね。

駆逐艦というにはデカすぎるイージス艦に適用する想定で、

イージスアショアが頓挫した結果、作ることとなった新しいイージス艦がこの区分になる。

今までのイージス艦も大概デカイので実態はあまり変わらない。


もう1つは CVM である。

この記号は固定翼機対応したヘリコプター搭載護衛艦(DDH)に適用する想定らしい。

固定翼機対応の駆逐艦

駆逐艦(DD)の一種として扱われているが、駆逐艦なのかは甚だ疑問とは言われていた。

実態としては軽空母に近いのだが、輸送・医療などの機能も備えているとか、

なにかに理由を付けてこれは空母じゃないですからねと言ってきたと。

ただ、さすがに駆逐艦ではないだろうということで、それ用の記号を新たに規定した。

それが「CVM」なのだが、CVというと空母だねと考えてしまうが……


ただ、どうも自衛隊にインタビューした人がいたそうでCruiserの”C”との回答だったそうだ。

VはVoler(フランス語の飛行)、MはMultipurpose(多目的)ということで、

多目的な航空巡洋艦というような意味らしい。やっぱりわからんが。

ただ、駆逐艦より大きいものは巡洋艦と呼ぶのが相応という点ではCGと同じ発想である。

なお、CVMを名乗る船は存在していないが、DDHはさらなる改造が予定されており、

この完了後に適用されるのでは? という憶測がある。


結局は同じような船を駆逐艦とするか巡洋艦とするかは各国の判断であり、

その巡洋艦を超えて巨大な船は戦艦と呼んでもいいのでは? というのもやはり各国の判断だと。

そこは日本の海上自衛隊が駆逐艦と巡洋艦の境目で揺れていることにも現れている。

でも、巨大な巡洋艦をBattleshipって言う必要はあるのか? という疑問はやはりある。

本質的な意味はあまりないという話だろう。


それよりなによりアメリカがこういう艦船を作れるのか?

というところを疑っている人はいるようだけど。

造船分野について日本・アメリカの連携を深める覚書を取り交わしているが、

アメリカの造船業は相当ボロボロらしい話は聞く。

そんな中でアメリカの海軍力は維持するのも困難ではないか? と疑われている。

「戦艦」はそのための起死回生の策なのかもしれないが、ドツボにはまるだけでは? という冷ややかな見方も妥当に思える。

性的ディープフェイクの被害者像

ふと気になった話。

生成AI(人工知能)などでわいせつな偽画像を作成する「性的ディープフェイク」について、警察庁は17日、18歳未満からの被害相談が1~9月に79件あり、半数超は同じ学校の児童・生徒が関与していたと明らかにした。

(性的偽画像の被害相談、18歳未満79件 5割超が学校内 生成AI普及で低年齢化―警察庁が初公表 (JIJI.COM))

こういうのは性質上、見つかっていないものが多いんだろうなと。


このような行為は 名誉毀損 や わいせつ電磁的記録媒体陳列 にあたるようだ。

どちらも外に発信するという行為が処罰対象になるものである。

すなわち頭の中で思っただけでは処罰できないわけですね。

それを他の人に伝える(必ずしも不特定多数に発信する必要はない)と問題になる。


AIを利用して画像・動画を生成して自分だけで使うという行為の場合、

実態としてはこれを処罰するのは難しいのではないかと思う。

AIを自分のコンピュータで運用していれば自分で閉じているとも言えるが、

実際にはAIを利用して画像・動画を生成するサービスを使っていることが多いと思われるので、

このサービスとの間では共有が行われることになる。

なので完全に自分の中に閉じる話ではないが、現実問題としてここが明るみになる可能性は低い。


それを嬉々として公開したり売ったり脅迫に使ったりするから問題なのであり、

そこの分別が付かない人が摘発されているとも言える。

同庁によると、裸の偽画像を公開されたといった相談は、中学生からが最多の41件。高校生は25件で、小学生も4件あった。被害者との関係は同級生や先輩など、同じ学校の児童・生徒によるものが53.2%を占めた。

と、いかにも稚拙なやり方なのだろう。

実際には大人の方が多いのかもしれないし、学校の外からの方が多いのかもしれない。


基本的にAIを利用した権利侵害があったとして、その主体はAIを利用する人間であって、

AIを提供している側ではないと考えるのが通常である。

ただ、権利侵害に対して無防備すぎるというような話があると、

AIを提供する側も何らか処罰される可能性はあるのかもしれない。

そういうとき上記のような通常は明るみに出ないものも問われるのかもしれないが、

まだそういうのが処罰されるという段階にはなっていないのかなと。


AIで画像・動画を生成・加工するというもの。

おおよそ撮影が困難な画像・動画を他からの類推で生成できる点に特色がある。

そんな被写体いないよねという画像が作れてしまうと。

その被写体というのは具体的に誰というわけではない場合もあるが、

冒頭で書かれたような おおよそ裸で撮影できるわけがない同級生 というのもある。

こういうのを想像の中だけでやるのは誰にも非難できる話ではないが、

生成AIで具体的に作れるようになり、具体的な形になると公開できてしまう。


どういう形で向き合っていくのがよいかは難しい問題ですね。

基本的に利用者側の責任であるという立場は重要なんですよね。

一方でそれでは権利侵害が止まらない部分もあるので、そこをどう考えるかという話はある。

でも、インターネットサービスは容易に国境を越えますからね。

国際的な合意があったところで、それに従わない世界もあるだろう。

他社も買う自動券売機

JR西日本では独特なタイプの自動券売機が導入されている。

無人型自動券売機 UT70 (JR西日本テクシア)

これ、他社でもけっこう導入されているらしく、JR北海道・JR東海なんていうJR他社も買っているらしい。

なかなかのアイデア商品のようである。


「無人型自動券売機」というのは無人駅での使用に適しているということである。

まず高額紙幣対応である。釣り札を出す機能も持っているのである。

(ただし駅によっては1000円札に限定している場合もある)

ICカードのチャージや残高を利用してのきっぷ購入もできるが、

モバイル端末を入れて使えるトレイタイプになっている。

タッチパネル搭載で、多言語対応、駅によっては特急券や往復乗車券も出せる。


ただ、欠点もあってそれが処理速度の遅さである。

特に小銭の投入が1枚ずつでしかできないのでまごつきやすいそう。

低コストで多機能な代わり、こういうところは犠牲になっていると。

比較的利用者が少ない駅に設置されているので許容できるのと、

ICカードチャージ機としての機能をかなり重視したのではないかと。

ちなみにVC70というICカードチャージ専用機もある。

ICカード入金機 VC70 (JR西日本テクシア)

もともとあったICOCAチャージ機と似たような形状をしているが、

高額紙幣対応の紙幣ユニット、トレイタイプのICカードリーダー、タッチパネルと構成要素はUT70に似ている。


それにしてもJR西日本テクシアはこういう機器をどうやって作ってるんだろうね?

券売機はオムロンのものに似ているように見えるので、OEMにも思えるがそう単純でもないらしい。

ただ、これらの実績あるメーカーから部品単位で手配できる商流があるようで、

それを生かして独自の機器を作っているようである。

ただ、どこまで自社でやっているのかとか、特注品だとかえって高く付くんじゃないかとか、気になるところはいろいろある。

でもニーズに合っているから売れるんでしょうね。

資格確認証の期限が来るが

財布の中に旧来の健康保険証はいれているが、来月頭には資格確認書としての効力もなくなる。

ポイしても特に何も起きないということである。

すでに医療機関(といっても歯医者一軒だけだが)ではマイナンバーカードを呈示しており、

特にこれでどうという話はないので、よいわけだけど……


健康保険の保険者にもよるが、勤務先の健康保険組合について言えば、

現時点でマイナンバーカードの保険証利用登録がされていない場合、

今年12月から1年間有効の資格確認証はとりあえず自動発行されるそう。

その先は都度申請が必要ということになるらしいが、果たしてどうか。

他の制度だと後期高齢者医療制度では2026年7月までは登録有無によらず資格確認証を発行するという。

すでに2025年7月には一度資格確認証を自動発行しているので、

あと1回は自動発行して、2027年7月末までは持つということである。


というわけで従来の健康保険証の資格確認証としての効力停止を前にして、

直ちには混乱を起こさないように各保険者対応しているとのことである。

うちの健康保険組合も今回限りの措置とはいっているけど、

正直なところそれで済むのかはわからない。

膨大な申請を都度受け付けて、それに応じて発行するのも面倒な話だから。

次の1年でさらにマイナンバーカードの保険証利用が進むことは確かだと思う。

でも、使っていない人がごく僅かとなるとは到底考えづらいところはある。

ましてや資格確認証が自動発行される状況だと。今回限りと銘打ってもね。


たびたび書いているのだが、マイナンバーカードの保険証利用はオンライン資格確認という技術によるが、

オンライン資格確認は従来からの保険証にも書かれている保険者番号・記号・番号でも利用できる。

ただ、昔からの保険証にはちょっと問題があって、

それが扶養家族も同じ記号・番号を持っているということである。

この対策として2021年から枝番というのが導入されて、個人別の番号を持つようになった。

この情報は非対応医療機関やトラブル時に呈示する「資格情報のお知らせ」や、

すでに、あるいは今後発行される資格確認書には記載されているはず。


マイナンバーカードの電子証明書から健康保険情報を引っ張ってくると、

この枝番に相当する情報は当然持っているので、個人別に治療内容などの記録が残ることになる。

実は従来の健康保険証はこの点に難があったんですね。

ただ、枝番さえ書けば同じことはできるんで、書いてもらえばよかったのだが。

あと、オンライン資格確認を行うと、同じ記号・番号を持った人が全員表示されるので、

その中で誰か特定して枝番を把握することはできているはず。

結果としては個人単位で治療内容をデータベース化することはできているはず。


あとはそれを医療機関で利用するにあたってはマイナンバーカードでの本人確認が必須とはなっている。

が、これはあくまでもポリシーの問題であり、技術的には問題はない。

実際、災害時などカルテが得られない場合には資格確認証でのオンライン資格確認でも使えるとなっている。

なので根本的にマイナンバーカードでなければならない理由にはなっていない。


当然、マイナンバーカードで健康保険が利用できるなら、

いちいち健康保険証を送らなくてよいというメリットはあるんですけど、

一方でマイナンバーカードで対応できないなら資格確認証を使うというワークアラウンドがある以上、

やはりそういうフローも存在するわけですよね。そこは避けられない話である。

オンライン資格確認はその資格確認証の有効性を確認する手段でもあり、

これは従来の健康保険証が抱えていた欠点の打開策でもある。

じゃあ、それでいいじゃないかというのは思うんですよね。


患者にとってほぼ唯一の差とも言えるのが、医師・薬剤師が治療履歴など確認出来る機能である。

最近は救急でも使用されるようになったようですね。

いずれもマイナンバーカードでオンライン資格確認を行うことが条件である。

が、さっきも書いたように技術的には資格確認証でも可能だし、災害時などには使われる可能性もある。

マイナンバーカードなら顔写真や暗証番号で本人確認を行うので、

それぐらいの本人確認はしないと使ってはいけませんよという話に過ぎない。


このポリシーがある以上、マイナンバーカードの保険証利用が進まないと、

医療機関での治療履歴活用が進まないので問題なわけですけど。

けっこう期待されている機能ではあるんですけどね。

投薬履歴などはかなりリアルタイム性が高まったという話もあるので。

でも、そこ縛る必要あったの? とは思うんですよね。


というわけでいろいろチグハグなところはあるんですよね。

特に支障がなければマイナンバーカードを保険証として使っておけばいいし、

それで楽になっている部分もあるとは思う。

多摩ニュータウンが区画整理だけでない理由

多摩センター地区に向けてバイクで走っていた時、

幹線道路沿いが案外ニュータウンっぽくないと思ったのは別立ての区画整理事業で行われたからという話を書いた。

でも、そもそもこの手のニュータウン開発って土地区画整理事業じゃないの?


多摩ニュータウン開発の中心となったのは新住宅市街地開発事業である。

もっとも早く適用されたものの1つが千里ニュータウンである。

この制度の目的は戦後の住宅難を解消して、居住環境の良好な住宅に住めるようにすること。

1980年代以降の新規適用はあまり多くない。

多摩ニュータウンは事業開始は1965年なので早い方なのだが、

かなり長期間をかけて開発されて、全事業が完了したのは2006年のことである。

この間、様々な情勢の変化があり、当初想定していなかったこともいろいろ起きたそうだ。


さて、土地区画整理事業の大きな違いの1つが、新住宅市街地開発事業は買収方式であるということである。

土地区画整理事業は元々の地権者には区画整理後の宅地が割り当てられる。

この際、公共用地や事業費をまなかうための減歩が行われることがある。

市街地再開発事業も基本的には元の地権者に再開発ビルの床が割り当てられる権利変換方式だが、

大阪の阿倍野再開発など防災などの必要性が高く、地権者が多い場合は買収方式もとられる。

なお、希望者には再開発ビルの床を対価にすることもできて、従来の住民や商店も残っている。


多摩ニュータウン予定地は広大で、その中には農村もいくつかあった。

新住宅市街地開発事業が適用されるとそのまま住み続けることはできない。

この問題は千里ニュータウンでも起きていて、このときは上新田を事業地から除外する方策がとられた。

千里ニュータウンに囲まれた既存集落が存在していたと。今はだいぶ市街地化したが。

で、この問題に対する東京都の答えが既存集落を含むエリアは土地区画整理事業を適用するというものだった。

市街地化が前提ではあるが従来の地権者は同エリアの土地が割り当てられる。

多摩ニュータウン通りが走る乞田川沿いはまさにそういうエリアだったと。


この新住宅市街地開発事業と土地区画整理事業の2本立て、良い面と悪い面があった。

欠点としてよく言われるのは多摩ニュータウンの計画的な町並みが、

区画整理事業区域を挟むごとに打ち切られてしまうということ。

新住宅市街地開発事業が買収方式であるのも面的な整備を目的としたもので、

特に多摩ニュータウンは広大なのでその中で計画的に配置した。

一方、区画整理事業は元々の住民が元々の場所近くで住んだり事業を営めることを重視している。

その中で再配置が行われることはあるけれど、ある程度雑然とした作りになってしまう。


ただ、この用途が雑然としているのは後に良い効果も発揮した。

当初はエリアごとに近隣センターとして商店街を設けていたが、

この商店街が時代に合わなくなってきたところも多い。

一方で土地区画整理事業で開発されたエリアは地権者の意向でなんとでもなって、ニュータウン住民の生活を支えているわけである。


新住宅市街地開発事業の方も長く事業が続くごとに住宅地の需要が見込めなくなってきた。

1980年代以降の適用例が少ないのも住宅一辺倒という開発ニーズが少ないからだろう。

東京都としても1982年に多摩ニュータウンを副都心の1つに位置づけ、

多摩ニュータウンに働く場所としての機能を求めたわけである。

ところが元々住宅整備を目的とした制度で、オフィスや工場などの立地は想定していなかった。

そこをごまかす策として「特別業務地区」というのが導入されたという。

用途地域は「準住居地区」なのだけど、一定の種類の工場が立地でき、住宅が立地できないというものである。

制度的には特別用途地域というものである。今だと地区計画で実現されることも多いが。

1986年に新住宅市街地開発法の改正で「特定業務施設」の立地が可能となっている。


現在は住宅地と工業団地を兼ねたような開発が多いですよね。

このような形態では土地区画整理事業がもっとも適している。

本当は新都市基盤整備事業がそうだったのかもしれない。

これは開発誘導地区は買収方式、その他は権利変換方式とするもので、

用途は住宅中心ではあるがオフィスなども想定されている。

実は多摩ニュータウンで実際に行われたことに近い。

ところがこの制度は創設以来、適用事例がないとのこと。

やりたいことは土地区画整理事業や市街地再開発でできるからと。

確かに先行してデベロッパーが用地買収して区画整理すればいいだけだもんな。

万博で増益になる企業

夢洲での国際博覧会、博覧会協会自身の収支としては200億円超の黒字とのこと。

もっとも追加の警備費を国から出してもらった上での数字なので、それを抜きにするとトントンぐらい。

当然、建設費など国の事業や補助金で行われているものもかなりあるが。

一方で、万博にはいろいろ波及効果もあったはずで……という話。


これがすごかったんですよね。

関西鉄道7社、大阪万博の増収効果1500億円 当初想定より5割上振れ (日本経済新聞)

万博との往来には大概は電車に乗る。となれば運賃が落ちる。

そんなので鉄道会社はなにかと増収が多かったようである。

ただ、その最たるものが東海道新幹線を運営するJR東海というのは面白くない。

万博会場では全く存在感のなかった会社である。推定460億円増収という。


JR西日本も440億円増収とあるが、中国・九州方面からの来場は想定より少なかったという。

実はこの増収というのは万博のオフィシャルショップを筆頭に売店・ホテルによるところが多かったようである。

鉄道事業に限れば200億円程度の増収とのこと。

近鉄も250億円増収で、これも運輸事業(鉄道・バス)もあるが、

近鉄百貨店(オフィシャルショップの運営)とホテルによるところが大きいよう。


あとこれは文句なしだと思いますがOsakaMetro(大阪市高速電気軌道)は222億円の増収、

コスモスクエア~夢洲は加算運賃で49億円の投資を回収する計画だが、

期間中の夢洲駅利用者が4000万人ほどで、大人90円の加算運賃を徴収している。

6~7割程度は期間中に回収できたのではないかと。

今後しばらくは夢洲駅の利用者は通勤や舞洲でのスポーツ観戦などの需要に限られるが、

将来的にはIRで利用者が伸びるので、その頃にはさらに回収が進むということだろう。

OsakaMetroはこの万博で地下鉄もそうだが、バス(大阪シティバス)も大活躍だった。

桜島駅とのバスの中心を担い、会場内あるいは夢洲駅→西ゲートで走ったeMoverも運行している。

大阪市が100%出資する会社なので当たり前かもしれないが万博を各方面から支えた会社である。


有象無象のホテルやタクシーなどにも波及効果があっただろうし、

国際貿易・観光など将来にわたって続くものも当然あるだろう。

実は万博で割を食ったのが関西の他の観光地だと言われており、

その最たるものが万博会場のすぐ近く、USJである。

例年の2~3割減ではないかと言われている。

遠方から万博に行く人はUSJも行かないと片参りという人もいたけど、

実際にはUSJに向かっていた人が夢洲に目的地を変えていたことが多いようだ。

一方でUSJは万博スタッフの再就職に活路を見いだしているよう。

将来にわたって国際観光に波及効果を及ぼすものの1つかもしれない。

父日本人で日本国籍を取得する条件

少し前にニュースになっていたが詳細な事情が最近出てきた。

比残留2世の日本国籍認めず 「就籍」申し立て、家裁が却下 (JIJI.COM)

太平洋戦争後にフィリピンに残された日本人の子が後に日本国籍取得を求めて、

裁判所の審判を経て就籍が認められた事例は過去にもたくさんあったはず。

なのになぜ認められなかったのか? 気になっていたのである。

年月を経て立証が困難なのが問題だと思ったが、それより問題だったのが嫡出子でなかったことである。


現在は父母問わず親が日本人であれば日本国籍が与えられるが、

1984年の国籍法改正以前は、母が日本人で父が外国人の場合は日本国籍は与えられないことになっていた。

父が無国籍とか不明の場合はこれでも日本国籍だったそうだが。

かつてはこういう制度は世界的にも一般的でフィリピンもそうだった。

すなわち太平洋戦争中やそれ以前に生まれた母フィリピン人・父日本人の子は日本国籍しか取得し得なかった。

しかし戦後の混乱により無国籍のまま、ここまで来たわけである。

現在は日本もフィリピンも両親いずれかということで一応解消している。


しかし、ここで問題となったのが法律上の親子関係が認められるかどうかである。

母子関係は特に問題ないが、父子関係を認める条件は大きく2つである。

1つは結婚している妻の子として生まれる場合。嫡出推定ですね。

その場合でも嫡出否認が認められると親子関係はなくなるけど。

もう1つが認知による場合で、基本的には父親の意志で行う必要がある。

しかし、父親が認知を拒めば親子関係が生じないのは問題があるので、

裁判所の審判により強制的に認知させる制度も存在する。


ところがこのケースでは審判で認知させることはできないんですね。

民法第787条 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から三年を経過したときは、この限りでない。

父親の死後、長期間が経過すると強制的な認知はできないのである。

父親が遺言などで認知した事実もなかったので、後にDNA判定などの方法で親子関係が立証できても、法律上の親子関係は生じない。

それでも日本国籍は認めてもいいんじゃないかという裁判だったと思うが、

現在の法律の解釈としては認められませんねと。それ自体は仕方ない判断かもしれない。


わりと近年まで、母外国人・父日本人の場合に法律上の親子関係が生じるタイミングが問題となることがあった。

現在もそうなのだが、生まれた時点で親子関係により国籍を取得する方法は、

「出生の時に父又は母が日本国民であるとき」となっている。

(生まれた時点で父死亡の場合は死亡時点で日本国民であればよい)

一見どうってことなさそうな規定なのだが、両親が結婚していない場合には問題がある。

出生時点で父親が決まるのは嫡出推定による場合か、胎児認知による場合しか存在しないのである。

生後まもなく父親が認知する意図があっても、胎児認知がなければ父不明という扱いになってしまうのだ。


このため、母外国人・父日本人で両親未婚かつ胎児認知なしの場合、出生時点で日本国籍は取得できない。

ただ、こういうケースを救済する制度として届出による日本国籍取得がある。

しかし2008年まではこの条件が「父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で二十歳未満のもの」となっていた。

生まれた時点で両親が婚姻関係になくても、後から結婚すれば夫婦間に生まれた子は嫡出子の身分を取得する。

これを準正と言うのだが、この条件を満たす必要があったのである。

すなわち母外国人・父日本人で日本国籍を得るためには、

両親が出生前後はともかく結婚するか、父親が胎児認知するかどちらかだったわけである。

なお、胎児認知は父親の意志で母親の同意を得て行う必要がある。

出生後の認知は父親の意志だけでできるし、裁判所が関与して強制的に認知させることもできる。

この点で従来は救済されない子がけっこういたわけですね。


このことがまさに母フィリピン人、父日本人のケースで問題になったわけですね。

2008年に最高裁判所で国籍法の規定は法の下の平等に反して違憲なので、日本国籍を認めるという判決があった。

これを踏まえて国籍法の改正が行われ。嫡出子の身分を取得するという条件がなくなり、認知のみでよいことになった。

もっとも従来の場合も日本人の子であることに違いはないので、

日本人の配偶者等の在留資格や、日本人の子としての条件での帰化は可能だったはずである。

帰化は日本国内に定住するのが条件だし、国の裁量権が大きいので、届出による国籍取得よりだいぶ不安定だが。

(裁判でもこのワークアラウンドがあるのを認めながら、法の下の平等に反すると判断している)


今回のケースも現在の法律上の規定としてはこうならざるを得ないという話なのだろう。

なので法律の方に問題があるという判断が必要になるのだろう。

おそらく死後の強制認知ができる期間に制限があるのは、

すでに行われた相続などに影響するのを避けるためなんだと思う。

平穏に相続した財産が、相続後何年もして奪われるようなことがあっては困りますからね。

だから今回の論点は無国籍状態を解消するという点だけのはずである。


とはいえ救済するべきという判断になるかは難しい。

今回は当時の日本・フィリピンが親子関係での国籍取得について父系優先だったという事情がある。

しかし、現在はそこまでして救済する必要はないという判断はある。

そもそも父親の死後、長期間を経ると、親子関係の立証自体かなり困難である。

これも戦後の混乱という事情があったから仕方ないという話だが、

こういう問題は本来は早期に解消しなければならないわけですよね。

総合的に見て現在の法律の規定は問題が無いという判断も十分あると思う。

一方で今回のケースは特殊ケースだと救済するべきという判断もあるし、

年月を経て立証が難しいなどの事情も考えて、やはり認める必要はないという判断もある。


気の毒な話だなとは思うんですけどね。

当時は母フィリピン人・父日本人の子はフィリピン国籍を取得できなかったが、

かといって2009年以前の国籍法の規定では両親が未婚のままでは日本国籍も取得できなかった。

(父系優先が一般的な時代でもこの規定だったのかはわからないけど)

となれば国籍取得は日本なのかフィリピンなのか帰化によるしかなかったわけですね。

ただ、ここまで先延ばしにするとさすがに困難だという考えはある。

今回はそれ以前の問題と突っぱねられているが、親子関係の立証だけでも難題だったはず。

球団が選手の保有権を持つということ

ちょっと気になった話なんだけど……

海外FA権は保有しておらず、球団はポスティングによる移籍は認めない方針。不可欠な戦力として全力で慰留するが、再び夢を追うことを望めば、自由契約になることが現実的だ。

(ソフトバンク・有原航平、流出も メジャー再挑戦の意思 海外FA権なく球団ポスティング認めない方針…自由契約の可能性 (スポーツ報知))

ソフトバンクホークスの有原選手がMLBへの移籍を考えているが、球団は容認していないが、

このまま交渉決裂すると自由契約になって結局はMLBに移籍されてしまう? という話が書かれている。


先日、誰それが戦力外通告という話がニュースで様々報じられた。

戦力外通告というのは制度的にはやや複雑なものである。

各球団は12月頭に保留選手名簿というものを提出する。

来季も契約を継続する意思がある選手を記載するのだが、ここに記載された選手は他球団との契約交渉が禁止される。

現在、支配下契約にある選手のうち、保留選手名簿に記載しない選手には事前に通知をすることが求められている。

これが戦力外通告……と単純に言えないのが難しいところである。


というのも契約を継続する意思があっても、保留選手名簿に書けない選手がいるんですね。

それは大幅減俸を予定している場合。

一定以上の減俸を行う場合は自由契約にしなければならないルールがあり、

保留選手名簿に書けないので、事前の通知が求められている。

それをきっかけに他球団との交渉を行う選手もいるが、減俸を受け入れて契約を継続する選手もいる。

(減俸合意が得られれば保留選手名簿に書くのかもしれないが)


保留選手名簿に書かれた選手は球団に保有権があるという扱いで、

国内外を問わず他の球団に移籍することはできない。

この保有権というのは任意引退した選手も3年間(かつては永久に)存続する。

万が一、引退選手が現役復帰することがあれば、元の球団に戻るか、

元の球団の了承を得て自由契約になる必要があるという意味なのだが……

本当に引退であればどうでもよさそうだが、そうでもないのである。

アマチュア野球の選手・指導者に転身するには自由契約にならないといけないというルールがあるから。

このため最近は引退選手は自由契約にすることが多いようである。


冒頭に書かれたように本人に継続する意志がない場合でも、

球団が保留選手名簿に書けば、他球団との交渉はできない状態が続く。

その場合でも野球界以外に転身する自由はあるため、職業選択の自由はあるとは言えるが……

とはいえ、現実的にこういう状況が続くことは考えにくいように思う。

そもそもなぜ戦力外通告が行われるのか? というところに立ち返ると支配下契約できる人数が限られているからである。

球団が契約の意志があると表明し続ける限り、その分の支配下契約枠は空けておかないといけない。

現実的に契約できないと判明した時点で、その選手を自由契約にしてその枠を他の選手との契約に回すのが合理的である。

なお、保留選手名簿に書いた後で自由契約にすることを「契約保留権放棄」という。


有原選手は現在ホークスに所属しているが、元は日本ハムファイターズにいた。

2020年のオフ、球団の了承を得てポスティング制度でMLBに移籍したが、

うまくいかず自由契約、日本に出戻りすることになった。

この際、ファイターズは再契約のオファーを出したそうである。

ただ、それより好条件を出したホークスに所属することとなったという。

このことを「有原式FA」という人もいて、制度上の欠陥と言う人もいる。


NPB球団間の移籍にフリーエージェント制度を使う場合、

年俸が高い重要度の高い選手が移籍すると、移籍先の球団から移籍元の球団に補償金の支払いが必要で、

さらに人的補償として移籍先の球団から選手を引き抜くこともできる。

人的補償による移籍を拒否すると資格停止処分となり試合に出場できなくなる。

引退するなら関係ないので、これが時に問題になることはあるが。


一方、MLBなど外国への移籍について、フリーエージェント制度を使うと一切補償がない。

この点でポスティング制度は移籍金の支払いがあるという点で移籍元球団には有利である。

このためフリーエージェントで移籍される前にポスティングでの移籍を認めて金にするという戦略がある。

ただし、お金持ちのチームにとっては移籍金もはした金である。

そう、ソフトバンクホークスはお金持ちなのでポスティング制度の移籍金なんていらないのである。


日本人のMLB球団移籍というのは近年では珍しくもないが、

1995年にMLBに移籍した野茂英雄さんは近鉄バファローズといろいろ揉めた末、

バファローズを任意引退して、MLBに移籍するということをやっていた。

当時はルールが未整備のため、NPB球団の保有権は外国まで及ばないということでこうしたらしい。

すなわち日本に出戻りする場合はバファローズと再契約するか、了承を得て自由契約になるかだと。

現在はこういうことはできない。保有権は外国に及ぶし、外国球団に移籍すると保有権は失う。


裏返せば保有権を主張し続ければ、選手の意図によらずMLB移籍は封じられる。

任意引退であれば契約がなくなっても3年間は保有権は継続するが、

任意引退は本人の意志によるものなので球団側から押しつけることはできない。

(円満引退であってもアマチュア転身の意向があれば自由契約にせざるを得ない)

保留選手名簿に記載し続ければよいが、支配下契約枠には限りがある。

このためどこかで自由契約を認めざるを得ない。

ひとたび自由契約を認めればMLBはもちろん、他のNPB球団との契約も自由であり、

ポスティング制度や国内のフリーエージェント制度のような補償制度はない。


選手を過度に縛るのも考え物だが、球団同士の秩序というのもある。

「有原式FA」なんてまさにそうだけど特殊なケースではどうもうまくいかないと。

冒頭で書いた話も、通常のルールでは想定されない話ではあるが、

果たしてそういうこともあるのだろうか?

そもそも契約更改かポスティング制度でのMLB移籍か、通常考えられる選択肢でお互い折り合えればよいのですが。

ダイエーを移管するのも大変だった

イオンのスーパーマーケット事業は地場スーパーの集合体だという話をしばしば書いている。

このため親会社のイオンとは別に上場を維持している会社も多いが、

それがゆえの難しい話があったという話を知った。


それが九州エリアのダイエーである。

ダイエーは経営再建の一環で2015年にイオンの完全子会社となった。

この段階ではダイエーは近畿・関東の食品スーパーに注力する方針だった。

(ダイエーという屋号もなくなりイオンフードスタイルになると言われていたが、これは撤回された)

このためこれと異なる店舗はイオングループ各社に継承されていった。

九州についてはイオン九州への継承を考えたのだが、そう単純にはいかなかった。

なぜならばイオン九州は上場企業で、九州エリアのダイエーは事業規模が大きかったためである。


この問題を打開するために設立された会社が イオンストア九州 である。

イオンストア九州は100%子会社、ダイエーとは兄弟会社にあたる。

いずれもイオンの完全子会社同士なので移管は容易である。

ここに九州エリアのダイエー店舗を移管したわけである。

その後、イオンストア九州は店舗運営をイオン九州に委託することにした。

イオン九州の店舗網と統合され、屋号も順次「イオン」に改められた。

対外的にはイオン九州の店舗と差はなかったが、あくまでもイオンストア九州の店舗なので、

レシートなど「イオンストア九州」と印字されていたそうである。


イオンストア九州への分社化後、改装される店舗もある一方、老朽化により閉店する店舗も多くあった。

全体として経営再建も進んだようである。

イオングループのスーパー事業再編の流れで、2020年にイオン九州・マックスバリュ九州・イオンストア九州は合併、

イオン九州は上場を維持、マックスバリュ九州(上場会社)とイオンストア九州の株主にはイオン九州株が付与された。

これにより九州エリアのダイエーは名実共にイオン九州に移管され、

イオンはイオンストア九州に相当するイオン九州株を得たことになる。


ところでダイエーは本州のGMSタイプの店舗をイオンリテールに移管しているが、

これもイオンリテールストアという会社を介して移管したそう。

すなわちダイエーからイオンリテールストアに分割した後、

店舗運営をイオンリテールに委託するという方法をとったと。

このため近年まで旧ダイエーのイオンではレシートなどでこの社名が見えることがあったよう。

近年までというのは今年3月にイオンリテールに合併するまでである。

イオン100%子会社同士なのにこのような方法をとっていた理由はよくわからないが、何らか事情があったのだろう。


ダイエーについては、2018年に近畿圏のスーパー統括会社になることが表明されている。

もっとも近畿圏といっても前身となった各社の事情により、

兵庫県播磨・但馬・淡路はマックスバリュ西日本→フジの管轄、

滋賀県は大津市内の1店舗を除いてマックスバリュ東海の管轄なんですが。

実態としては京阪神エリアってことですかね。

とはいえ、ダイエーには近畿圏とともに関東圏の店舗も残存していた。

この問題についてはこの時点では棚上げされていたのである。


どうしてなのか? それは当時はまだ不採算店舗も多かったためではないか。

イオングループでは関東圏のスーパー統括会社はUSMH(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)とされている。

この会社は上場会社で、かつて上場会社だったマルエツ、カスミ、いなげや の株主がいる。

ただ、この問題にも打開の目処がついたようである。

ダイエーの関東圏店舗とイオンマーケット(ピーコックストア)を来年3月にマックスバリュ関東に移管するそうである。

イオンはこれに相当するUSMH株を得ることになるのだろうが、どういう手法をとるのかはよくわからない。


ところでマックスバリュ関東という会社の事業規模はそう大きなものではない。

先期のUSMH各社の売上はマルエツが4013億円、カスミが2750億円、いなげや が2110億円に対して、

マックスバリュ関東は448億円である。1桁少ないという。

関東圏のダイエーが具体的にどれぐらいの事業規模かわかる資料はないが、

マックスバリュ関東の倍以上の規模があるのは間違いない。

すなわち新生マックスバリュ関東ってもはやダイエーじゃないのって?

ダイエーの現在の本社が東京(東陽町)にあることを考えると、

それがそのままマックスバリュ関東の新本社になるんじゃないのって。

関東圏の店舗を失ったダイエーの本社はダイエー茨木プロセスセンターに移転するんかね。


一見するとよくわからない話だが、ダイエーはそもそも大阪・千林が創業の地で、

現在も登記上の本店は神戸・ポートアイランドに置いている。

ダイエー神戸三宮店(三宮オーパ2内)が事実上の戦艦店なのだろう。

三宮オーパ2は元々ダイエーの食品フロア以外に移管されたものである。

このような歴史的経緯も踏まえてダイエーという屋号は近畿圏に残したということだろう。

関東圏のダイエー・グルメシティの屋号がどうなるのかはわからない。

他地域のようにマックスバリュになるのかなぁ。

ただ、マックスバリュというブランドも浸透していない地域なので、そこにこだわる理由もないとは思うが。


ともあれ、これにより長きにわたり続いてきたイオンの食品スーパー再編が完了することとなる。

その昔は愛知県内でマックスバリュの運営会社がバラバラなど、

屋号だけ統一して中身はバラバラというとんでもない時代もあった。

近年は屋号はあまり手を入れず、運営会社を地域別にまとめていく方向である。


統括会社として残った会社の歴史をたどってみると面白くて、

北海道の イオン北海道はかつてポスフール、さらに昔はニチイ北海道という社名だった。

元はニチイ→マイカルの関連会社だったが、マイカル経営破綻後に離脱、

独自のブランド、ポスフールに改め、北海道を代表するスーパーとして君臨していた時代があった。

結果としてはマイカル同様、イオン傘下に入り、ポスフールもイオンへの屋号統一が行われたのだが。

神奈川県から滋賀県にわたる東海エリアはマックスバリュ東海に統合されたが、

この会社の前身はヤオハンジャパン、一時は世界的小売業となったヤオハンにルーツを持つ。

1997年に経営破綻した後、イオン傘下で再建が進められていった。

この中でブランドもヤオハンからマックスバリュに改められている。


そして近畿圏の統括会社となるダイエーについては、かつての日本最大の小売業である。

その姿は大きく変わったしまったが、屋号は今後も残ると思われる。

イオン社内にはかつてのダイエーに由来する会社も存在する。

存続会社という観点ではビック・エー と オレンジフードコート(ディッパーダン) ぐらいだと思うが、

イオンモールの事業部門のうち都市型店舗はかつてのオーパに由来する部分が多い。

(ビブレ(旧マイカル)、フォーラス(旧ジャスコ)に由来する店舗もあるが)

使えるものはうまく使っているのである。

東京から万博参戦は案外多い?

万博の来場者総数は2901万人でフィニッシュとなった。

来場者数と入場チケット販売数について (EXPO2025)

結局、一番来場者が多かったのは閉幕前日で24万8002人とのこと。

よくそんなに入れるなという気がする。

台風などで閉場もあるかもしれないと思ったが、そのようなこともなく、

会期中最大のトラブルは8月13日夜の中央線運休だったようだ。

翌14日に開場を遅らせたのが会期中唯一の短縮営業だったのでは?

万博会場で籠城するか脱出するか


万博の来場者がどこから来ているか推定したデータが出ていた。

【速報】 2025年大阪・関西万博の来場者分析(国内居住者)―携帯電話位置情報データによる分析― (三菱UFJリサーチ&コンサルティング)

都道府県・地域別に人口1万人あたりの来場者数を推定しているが、

大阪府が人口1万人あたり12685人でダントツである。

というか1人あたり1.27回来ている計算である。

冷静に考えれば関係者が相当いるわけで、正味はそこまでではないだろうが、

それはそうとしてもリピーターが相当多かったことは想像しやすい。

奈良県(6503人)、兵庫県(5886回)、京都府(4527回)もなかなかの数字。

それに比べると少ないが多い部類なのが、滋賀県(3012回)、和歌山県(2730回)、三重県(1369回)、愛知県(1308回)と。

三重県・愛知県は2005年の愛知万博の影響もあるんでしょうね。当然近いのもありますが。


徳島県(1186回)、福井県(955回)は関西パビリオンの出展もあって県内での宣伝が行き届いていたのかなと想像。

そして、その次に来るのが東京都(945回)で東日本では圧倒的に多い。

神奈川県(681回)も東日本では多い部類である。

これ人口当たりの数字だからこうなるが、実数だとなおさら多くて、

博覧会協会が万博IDで把握できている範囲で居住地割合を調べた結果では、

国内来場者の67%が近畿なのはともかく、16%が関東、9%が中部と、近畿以外では関東圏の割合が比較的高い。


僕も東京都在住で万博に3回行っているわけで、この数字に寄与しているわけだが……

そうはいっても万博は全国的ムーブメントにならずに終わったじゃないかと。

にもかかわらず関東圏から遠路はるばる夢洲に向かった人が多くいるのはなぜだろうと。


要因の1つとして考えられるのは、近畿・東海圏に縁故がある人が多くいるからではないかと。

2005年の愛知万博、1970年の大阪万博に行ったり話を聞いた人が多いと。

まさに僕はそうですよね。そういう経験をして引っ越してきている。

こういう話ってなんか聞いたことあったなと思ったんだけど、阪神タイガースだ。

阪神タイガースのファンは関西に圧倒的に多いわけだが、

関東圏にも相当数居ることが知られている。むちゃくちゃ多い。

ビジターゲームでの観戦機会が比較的多いという事情はあるにせよ、

地元チームがある中で阪神ファンになる動機って何なのかというと、

元々阪神ファンだったのが転居してきたり、親戚から教えてもらったり。

そういうのが積み重なってもはや土着化していたりするらしいけど。


外国事情に感度が高い人が多いとか他の要因もあるでしょうけど。

距離は遠いが、東京・横浜から新幹線での往来が比較的便利なので、

距離の割には意外と行きやすいのが関東圏だったのかもしれない。

全国的ムーブメントにはならなかったが、局所的には関心を呼んでいたと。


万博客が去った夢洲は万博会場の片付けもさることながら、IRの建設が本格化する。

その傍ら、夢洲駅は倉庫への通勤か、夢舞大橋を渡って舞洲のアクセスに細々使われるばかりか。

半分はコスモスクエア折り返しになっているみたいですね。

それもIR開業と同時期には終わりそうですが。