Cities:Skylines2の水力発電

新しいPCになってCities:Skylines2は高画質にしてもそこそこ回っている……と思う。

セーブデータがSSDから救出できていないこともあり、新しい都市を作り始めた。

その地形を見て、水力発電が作れそうだなと思った。


このゲームの水力発電はダムの高低差と幅で決まるそう。

なので幅を広くするとよいのだが、単純に谷にダムを作ればよいわけでもない。

というのもダムの端が現に川の端に近くなければ「水辺にありません」と言われてしまうからである。

というわけで大きなダムを作るには地形を変形させないと難しい。

谷を掘り込むようにダムを作る部分だけ川幅を広げる。

これにより谷に大きなダムを作ることができる。


しかしこのダムというのは高価である。

基本が158万¢なのだが、幅が広がると価格も上がり、

今回のケースでは230万¢も必要で、こうなると借入金の上限が問題になる。

マイルストーン7「にぎやかな街」まで来ると220万¢の借入が可能になるので、

水力発電の電力を売れば余裕も出るのになと思いながら進める。

浄水場・リサイクルセンターといったところは建設費が高く、

これらの借入金を返済した上で、自己資金を確保しないと水力発電所なんて作れない。


しかし、こうして大枚はたいて発電所を作っても「水位が低い」と発電量が少ない。

確かにある程度水がたまるのに時間がかかるのだが、

そうはいっても「水位が低い」で効率99%減はさすがに低すぎる。

いろいろいじくっていたらダムの堤体の下の標高を下げると発電効率が上がって、

40%ぐらいの効率が出るようになった。

もっと上げられるのかはわからないけど、これ以上上げても今は意味がなくて、

なぜかというと送電線の接続1個で売れる上限が400MWで、

都市内の需要を加えて概ね満たせるレベルの発電量が得られたためである。

こうなると売電収入で都市の収支も大幅に改善し、

税率や水道・電気料金を上げていたのも基本の税率・料率まで戻して、

エリア拡張したり、病院を建てたり、高速道路の建設をしたりと。


地形変形は今のところ無料なのでこれでいいわけだけど、

地形変形に相応のコストがかかるとなおさら高価な発電所である。

出来てしまえば騒音ぐらいしか問題はないけど。

騒音は堤体の両端でとてつもない音が発生しているようで、

その周辺に住宅地があったので公園やオフィスへの差し替えを行った。


というわけで水力発電は難しいという話だった。

基本料金が安ければ序盤でも使えるけど、158万¢はそもそも高いわ。

序盤は風力発電頼みだね、といってもこれもマップ次第だけど。

ファンクラブ「Style Party」の謎

連休の頭とお尻に東京に行かないといけない用事があると書いてたが、

それが今日のPyxis 10周年イベントである。

会場は豊洲PIT、オールスタンディングなら2000人は入る大型ライブハウスだが、

座席指定で、その座席も半分ぐらいのスペースで収まるほど。

昼・夜の2部制だとこんなもんなのか。ちょっと寂しい気はしたけど。


Pyxisは 伊藤美来・豊田萌絵の2人ユニットである。

事務所スタイルキューブの同期によるユニットで2015年に結成された。

そこから10年なんですね。といっても10年続いているかという見方は難しい。

というのも音楽活動という観点では2019年以降は新曲が出てなかったからである。

2019年にZERO-Aレーベルが廃業したことも影響しているのだろう。

(もっともZERO-A廃業後も移管の上で歌手活動が続いているものは少なくないが)

このためPyxisとしてのイベントも下火にはなっていた。


だからといってPyxisはなくなったわけではない。

「Pyxisのキラキラ大作戦」というWeb番組はずっと続いているわけだし。

実際のところは2人の活動が充実するにつれて、Pyxisの活動に重点が置かれなくなったということだろう。

伊藤美来さんはソロでの音楽活動が盛況で、東京国際フォーラムホールAだとか4000人規模のホールを使うこともある。(満席ではなかったかもしれないが)

そうなんですよ。今日のイベントはそれより1桁少ないってね。

豊田萌絵さんは「響け!ユーフォニアム」のイベントで飛び回ってる印象がある。


イベントで配布されたチラシでちょっと違和感のある表記があった。

Style Cubeオフィシャルファンクラブ「Style Party」ご入会受付中!

豊田萌絵やPyxis(豊田萌絵&伊藤美来)をはじめとしたスタイルキューブ所属声優の会員限定コンテンツを更新中!

事務所のファンクラブなんですよね。ずっとそれでやっていた。

なぜ「豊田萌絵」はPyxisと別枠で書いているのに「伊藤美来」とは書かないのか。

これは2023年に個人のファンクラブができたことによるものである。

さっきも書いたように個人の音楽活動も盛況という中でStyle Partyとは別立てで始まったと。


もっともスタイルキューブという事務所は一時は移籍・廃業続きで、

Style PartyがPyxisの2人のファンクラブに近い時代もあったのだ。

その状況が変わり始めたのが2017年の石原夏織さんの所属だった。

元をただせばスタイルキューブ所属だったが、別事務所に移籍していた。出戻りとなる。

この後、主に他事務所からの転入が続き、印象深いところでは2022年にMachicoさんの所属がある。

もともとあったファンクラブもそのまま移管されている。

今日のトークパートの補助役としてきていた和泉芳怜さんはアイドルからの転身だという。

そんなのもあるんですね。伊藤美来さんに憧れてなんて言ってたが。

あ、石原夏織さんの追っかけのごとく移籍してきた佐々木琴子さんってのがいましたね。


個人単位のファンクラブも充実していく中で、

Style Partyは事務所のファンクラブとしての充実を図ることになり2023年にリニューアルしたという。

個人単位のファンクラブがない人では豊田萌絵さんがもっとも活動が活発ということか、

ファンクラブのコンテンツも牽引するところが多いようだ。


ちなみにスタイルキューブはある観点においては業界ガリバーである。

それはモーションキャプチャーである。

今は分社化されてソリッドキューブという会社になっている。

Pyxisの2人もモーションアクターの仕事をしていたことがあるという。

モーションキャプチャー関連の事業がうまくいっていたので、

声優事務所としての再興に向けて投資もできたのかな? と想像するところである。

実態はともかく、Pyxisの2人がつないだ事務所という印象は強いですけどね。

凱旋門賞が日本馬を招致したい理由

JRAでの海外馬券発売ももはや定着してきた感はある。

そういえば今日は香港チャンピオンズデーの3レースの馬券発売があるんですね。

その海外馬券発売で飛び抜けて売れるのが凱旋門賞である。

JRAでの売上は当地フランスのPMUの売上よりはるかに多いというのも知られた話である。

ただし、JRAの内規では海外馬券発売は一定の実績のあるJRA所属馬が出走予定の場合のみ行うことになっている。

すなわちJRA所属馬が凱旋門賞に行ってくれないとこの売上はないわけである。


そして凱旋門賞は招待競走ではないので輸送費・滞在費と負担が重い。

このような事情を考慮してJRAでは海外遠征協力金という制度を用意している。

2歳戦を除くG1勝ち馬が出走する場合は500万円、

帰国後にジャパンカップ・有馬記念に出走する場合は+1000万円が支払われる。

原資は凱旋門賞の馬券売上であることは言うまでもない。

とはいえ、この条件にあたる馬だけが出走するわけじゃない。


そんな凱旋門賞だが日本からの遠征馬、最大2頭に限り輸送費補助が導入されるようだ。

日本馬誘致へ凱旋門賞が3つの変更「輸送補助」「前哨戦の前倒し」「馬場改修」ギャロ発表 (日刊スポーツ)

大半を占めるヨーロッパ圏の馬は輸送費自己負担なのは変わらないし、

遠方でもオーストラリアや香港などからの出走に補助があるわけではない。

わざとらしいが、ヨーロッパ以外から凱旋門賞に継続して参戦しているのは日本だけだからとのこと。

前哨戦となるニエル賞・フォア賞・ヴェルメイユ賞も1週繰り上げになる。

JRAの前哨戦繰り上げと重なるが、日本の調教師の意見を聞いてのことらしい。

また、凱旋門賞の時期は雨が多く、馬場が悪くなりやすいため、馬場改修を行うとのこと。

馬場が極端に悪化しては勝負にならないので、遠征なんてやってられないという声もあったのだろうか。


日本からの遠征馬に限り輸送費補助があるのはJRAでの馬券発売の分配金目当てだろう。

こういう話はアメリカのブリーダーズカップでもあった。

元々ブリーダーズカップは北アメリカ以外からの出走馬には輸送費補助がある。

基本的な輸送費補助ではかなり足が出るのだが、日本からの出走は補助額が増額されているらしい。

今回のマルシュロレーヌの場合、むこう(主催者)が出してくれる金額が、輸送費をひっくるめて日本以外の馬だと4万ドルだったんですけど、日本の馬は10万ドルということを聞いて、俄然やる気になりましたよね。

(BCディスタフ覇者マルシュロレーヌの軌跡 (ウエブハロン))

BCディスタフはJRA馬券発売対象のレースではないが、それでも増額対象だったという。

この年のBC開催はJRAでは3レースの馬券を発売して、計13億円の売上となっている。

BCフィリー&メアターフに出て優勝したラヴズオンリーユーが、BCターフとの両にらみだったので日本馬がいないレースの馬券発売が行われる珍事もあったが。


とはいえ、そういう即物的な理由だけでもないんじゃないかという話はある。

凱旋門賞が芝2400mの世界チャンピオン決定戦を死守するための道ではないかということである。

凱旋門賞は世界のトップ100 G1レースの1位になることが多いレースである。

芝2400mの主要レースというのは概ね下記のところである。

  • ドバイシーマクラシック(UAE) (2410mだけど)
  • 凱旋門賞(フランス)
  • キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(イギリス)
  • ブリーダーズカップターフ(アメリカ)
  • ジャパンカップ(日本)

この中でもっとも国際競走らしいのはやっぱりドバイシーマクラシックですよね。

2400mの世界チャンピオン決定戦という意義を失いつつあるという危機感はあるのだろう。


そして、ヨーロッパでは2400mというのは長すぎるという評価になっている。

それは日本にヨーロッパの2400mのチャンピオンが種牡馬として続々と渡ってきていることからもわかる。

フランケル一族が日本に来る理由

世界競馬を見渡したとき、アメリカはダート中心、オーストラリアはマイル以下が中心、

ヨーロッパも平地は2000m以下が評価が高いという状況だが、

日本は芝2400~2500mに格式高いレースが多いため、ここに注力し続けている。

3000m級は日本でもさすがに長いという評価ではあるが、天皇賞(春)と菊花賞はこのクラスの世界最高峰である。

そんな日本で行われる2400mのチャンピオン決定戦、ジャパンカップは近年は外国馬はなかなか歯が立たないレースになっている。

ヨーロッパからの遠征馬にとってはスピード勝負に過ぎるからという話はあるが、

地元勢の層が厚すぎるからという要因も大きいはずである。


実はすでにジャパンカップは2400mの世界チャンピオン決定戦なのではという説もあってですね。

というのも日本競馬は少頭数のレースが少ないんですよね。

それは賞金(6着以下に払われる出走奨励金などを含む)が高いからなんだけど。

ヨーロッパのレースを見るとG1でもこれだけしか頭数いないの? と思ってしまう。

多頭数のレースで形成されるレーティングというのは傑出した馬が発生しにくい傾向にある。

平均的なレベルが高いことは疑いはないし、実際にワールドベストホースランキングには日本馬は多く掲載されている。

でも実際はもっと強い馬がいるんじゃないの? ということである。

世界のトップ100 G1の上位になるレースというのは傑出した馬が上位に入ったレースという側面もかなりある。

2023年にジャパンカップが1位になったのはイクイノックスが走ったからというのが大きな要因である。

ジャパンカップが世界一になるまで


凱旋門賞が日本馬なしに2400mのチャンピオン決定戦の地位が保てない状況だと、

もはやジャパンカップが世界チャンピオン決定戦になってるような気はするけど。

でも、こういうのは既得権みたいなところはありますからね。

既得権があるうちに、日本の有力馬を招致して地位を保ちたいと。


今年の凱旋門賞ですが、日本からも何頭か登録が報じられているが、

やはり参戦有力なのは昨年の有馬記念を優勝したレガレイラでしょうね。

去年も牝馬ながら皐月賞・ダービーに参戦する前後で凱旋門賞登録が報じられていた。

残念ながら春2戦で結果が出なかったので参戦はならなかったが。

前哨戦として(牝馬なので)ヴェルメイユ賞を選ぶかはわからないけど、その可能性もあるのかも。

パトカーで犯罪率が下がるゲーム

1ヶ月ぶりぐらいにCities:Skylines2で遊んでいたら、

アップデートでいろいろ変わっていたが、特に変化が大きかったのが警察。

従来は全く問題なかったはずの治安の指標が「高犯罪率」になってしまった。


理由は警察がパトロールで巡回することで治安が改善する仕組みになったため。

従来は警察の車というのは事件があったときに出て行くだけだった。

なので車の台数が足りないということはあまりなかった。

アップデートにより車の台数や道路での往来のしやすさが治安に影響するということで、

車両数が多い警察署を道路の便がよいところに建て直した。

これにより治安は急激に改善していった。


日本の警察では交番・駐在所が定期的に各戸を巡回している。

その交番の管轄だったのか

郊外だとパトカーでの巡回かもしれないが、市街地では徒歩・自転車だろう。

警察が定期的に顔を見せておけば、犯罪率が下がるという発想は同じだな。

現在は交番・駐在所の体制強化のために集約が進む傾向がある。

どうしても常時人を貼り付けるというのは大変なことなので。

集約した分は警察署のパトロールとの組み合わせで対応しているとのことで、

実態としてはパトカーが巡回することで犯罪率が下がる仕組みに近いのかもしれない。


この結果、市内を警察車両がうろちょろする状態になった。

ゴミ収集車も大概多いが、感覚的にはそれより多いんじゃないかというほど。

よく確認してないけど、警察車両が街中にたくさんいると、

犯罪が行われたときに逮捕できる確率が上がるかもしれない。

他にも逮捕周りの仕様変更があり、従来より拘置施設の稼働率が上がるという話も。

とはいえ、パトカーのカバーエリアの方が重要だと思うけど。


Cities:Skyline2は各種の施設のカバーエリアの決まり方はいろいろある。

医療・消防・公園といったところは、道路での距離と沿線人口で決まるようである。

人口密度が低い地域ならば同じ施設でも広くカバーできるし、

人口密度が高い地域は大規模な施設でも狭い範囲しかカバーできない。

医療機関のカバー範囲では健康度が改善し、消防のカバー範囲では火災発生率が下がり、

そもそも救急車・消防車の出動が減るという仕組みである。

(この手のゲームでは当たり前だが、救急車の出動元は医療機関である)

従来は警察もこの手の施設で、カバー範囲の犯罪率を下げて、パトカーの出動自体が減っていたと。


ゴミ処理、郵便といったところは実際に車両が巡回することで改善する。

ゴミや郵便が貯まって処理されなくなると企業活動の効率が下がったり幸福度が下がると。

各種施設から遠くても処理さえ間に合えばよいとも言えるし、車両数がカバー範囲として重要になってくる。

現在の警察はこちらの考えになったわけですね。


あと死亡率も下がったみたいですね。

なんか異様に死者数が多くて、霊柩車が街中を駆け巡っていて異様だったけど、

それも落ち着いたようで今はそこまででもないみたい。

けっこうこのあたりは仕様変更の影響は大きいんですよね。

実態は26話構成の最終話

昨日、「BanG Dream! Ave Mujica」のアニメ最終話が放送された。

バンドリのアニメの最終回ってだいたいライブ回だよねとは言われていたが、

ほぼ全編がライブで、しかもCMをすっ飛ばすという。

オープニング、エンディングも当然省いていると考えれば、どれだけ詰め込んだか。

そして驚いたのはMyGO!!!!!とAve Mujicaで半々ぐらいだったということである。


確かにこのシリーズはタイトルにAve Mujicaと入っているようにAve Mujicaの話ではある。

しかし、実態としては2023年に放送された「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」と一体をなす作品である。

覆面ガールズバンドその2

冒頭はMyGOの話というよりCRYCHICの話だった。

これはMyGOの前史であるとともにAve Mujicaの前史でもある。

それゆえ両シリーズあわせて26話の最終話という意味合いが強かったのだろう。


Ave Mujicaは精神科病院みたいなアニメだったなという印象が強い。

実際、ある種の精神疾患を意識してキャラクタを描いている部分はあって、

それを乗り越えるすべとしてAve Mujicaというバンドが存在する実情はある。

果たして13話で収束するのかとは途中から疑われていたが、

いろいろな説明を投げ捨てて完結させたところがあるのは否めない。

とはいえ、本筋として重要な部分はちゃんと描いたということでいいかと。


It’s MyGOとAve Mujicaのアニメの続編の制作も決まったようで、

たいへん好評を博したという理解でよいのではないかと思う。

一体どういう続編になるのか想像できない部分はあるが。


バンドリのアニメということで言えば、

2017年に放送された「BanG Dream!」はもっぱらPoppin’Partyの話だった。

これはこれで1つの完結した話とみてよいかと。

その後、2019年~2020年で放送された2nd Season, 3rd Seasonは実態として一体で、

これはPoppin’Party, Roselia, RAISE A SUILENとAfterglow, Pastel*Pallete, ハロー、ハッピーワールド!の6バンドの話で、

全体としてはリアルバンドとして存在している3つのバンドの話が多いが、

いずれにせよ6バンドの話が全て並行して進む形だった。

そうはいっても主人公は明確にPoppin’Partyなのだが。

その穴を埋めるという形で劇場版「BanG Dream! Episode of Roselia」の2部作が存在していて、

これは2nd Season, 3rd Seasonとその先の話をRoseliaの視点で描いたものである。

そして劇場版「BanG Dream! ぽっぴん’どりーむ!」はこれらの総まとめということでよいのかなと。


これに続くストーリーがIt’s MyGOかというと、その間も存在していて、

それが2話構成の「BanG Dream! Morfonication」である。

この2話だけ孤立している感はかなりあるのだけど。

Morfonicaは3rd Seasonのアニメの終わりの頃にMVが公開されて始動、

ただ、キャラクタがアニメに登場するという点では ぽっぴん’どりーむ からである。

とはいえこの話はPoppin’Partyの話がメインなのでMorfonicaの話はあまりなくて、

何らかアニメで描きたいということで作られたのがMorfonicationだろうとは思う。

この当時は知られてなかったのだが、実はCRYCHICはMorfonicaに着想を得て作られたバンドで、

それがMyGOとAve Mujicaにつながっているとすれば、その前史という側面もある。

この前、ガルパ8周年記念ということでMorfonicationのアニメが無料配信されたが、

MyGOやAve Mujicaを通してMorfonicaを知った人に向けたものだろう。


という経緯を考えて見ると、バンドリのアニメは大きく3世代あって、

第1世代がもっぱらPoppin’Partyを描いた2017年に放送されたTVアニメで、

第2世代が概ねガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)のゲームに準拠した話で、

これは2nd Season~ぽっぴん’どりーむ で足かけ4年にわたる展開だった。

第3世代がIt’s MyGOとAve Mujicaということでよいのだと思うが、

実際にはMorfonicationもこちらに含むべきなのだろう。

当初はどちらかというと第2世代の続きと思われていた気はするけど。

携帯電話で3.9Gなんて言われていたLTEがそのまま4Gになってしまったような話か。


バンドリもこの前の2月で10周年だと言っていた。

といっても2015年2月時点では愛美さんが1人でバンドの立ち上げを発表したぐらい。

実態としてバンドリ初めてのバンドであるPoppin’Partyの成立はもう少し先で、

5人揃ったのは同年10月のことで、実質的なデビューには1年ぐらい要している。

この裏ではキャラクタの裏付けとなる小説が作られたり(現在の設定とは結構異なる)、

ガルパのゲーム制作が動き出したりしていたわけだけどね。

ガルパのゲーム制作時に決まったことというのが現在のバンドリを形成している。

元はバックバンドだったRAISE A SUILENのキャラクタ化とかは後付けだけど。

そこが一段落してMorfonica以降は明確に新展開だったということなんだろうな。

もっともMorfonicaはもう5年経って、ガルパでもだいぶ溶け込んでる状態だが。

贋作をどう語るか

少し前から話題になっていたのですが……

徳島県立近代美術館「所蔵作品は贋作」 ベルトラッキ氏の絵と判断 (朝日新聞デジタル)

徳島県立近代美術館にジャン・メッツァンジェ作として所蔵されていた作品が、

「天才贋作師」など言われ、ドイツで実刑判決を受けたヴォルフガング・ベルトラッキ氏によるものと判明したと。

少し前に疑いがかかっていて、裏付け調査の結果、間違いないとなったようだ。


この記事の最後にこんなことが書かれている。

東條揚子館長は記者会見で「これまで鑑賞して頂いた皆様にご心配やご迷惑をおかけすることになり、申し訳ない」と陳謝した。作品は展示を取りやめているが、県民に説明する観点から公開を検討しているという。

素性が明らかではないということで展示をやめていたが、

贋作と判明したことで、改めて展示される可能性が出てきたわけである。

ふと気になったのだが、この場合は作者はなんと書かれるのだろうか。


よく古い作品だと「伝雪舟筆」のように作者の名前に「伝」と付いていることがある。

雪舟が描いた作品だと伝わるが、確証がないとなれば「伝」を付けているというわけである。

おそらくこう書かれるような作品は本人の作ではないという確信は高いのだと思う。

ベルトラッキ氏は著名な作家の未公開作品を名乗って市場に出しているわけで、最初からだます気満々で作品を作っている。

このように最初からだまされているパターンもあるとは思うが、

実際には○○の弟子の作品が、○○の作品として伝承されてしまったり、

○○っぽい作風の作品を作ったら、○○作と伝承されてしまったり、

模写として作ったものが、本物であるかのように伝承されたり……

本物の雪舟筆もあるが、偽の雪舟筆(実際は模写だったりする)とか、自称雪舟の後継者の絵とか、

写真がなかった時代にはそういう形で伝承されて行っていたってことなんだよなぁ。

(まんだらけのいる高島屋)


今回の場合はベルトラッキ作と明確に判明したわけで、

そうなると「メッツァンジェ作」を「ベルトラッキ作」に書き換えればよいとは言える。

とはいえ、制作の経緯からベルトラッキ氏の作品というところに価値はなさそうである。

「伝メッツァンジェ作」に「『天才贋作師』ベルトラッキ氏の制作であることが判明」と注釈する方がよい気がする。

実際、伝○○作とされる作品も、□□作と考えられると注釈されていることはある。

そこには確証の程度というのもあるのかもしれないけど。


ベルトラッキ氏の贋作というのは、既存の作品を模倣したものではなく、

著名な作家の名前だけ知れている作品を創作したというものである。

誰も知らない作品であるがゆえになかなか判明しなかったわけだけど。

制作年とされる時代に存在しなかった顔料が使われてたことが決め手になったという。

このように作風や着想を借りても、それ自体は著作権を侵害する行為ではない。

問題はこれをあたかも○○作のように流通させることである。


このような行為を取り締まる法律の1つに不正競争防止法がある。

不正競争防止法の類型にはいろいろあるが、贋作に関係しそうなものとしては、この2つがある。

  • 周知な商品等表示の混同惹起
  • 著名な商品等表示の冒用

他の作家の名前や署名、印と同一とか類似したものを使った場合に適用されることが考えられる。

前者はそこそこ知られた名前に混同させようという行為があれば対象になる。

贋作を流通させるというのはそういうことですよね。

後者はかなり著名な名前を使うだけでも発生する。

マリオカートみたいなレンタカーは、マリオカートというゲームと混同することはないが、

明らかに著名なデザインを使っているので、不正競争行為にあたるとされた。


実はこういう話はわりと最近ホットな話である。

作家の様々な作品を「学習」した人工知能により、○○風の作品を大量に作れるようになったためである。

著作権法の例外規定により、情報解析の目的での著作物利用は自由である。

先ほども書いたように作風を模倣する行為自体は著作権を侵害するものではない。

しかし、それを○○風とか混同させるような行為は不正競争行為にあたる。

これは人間がやってもAIがやっても変わらないわけである。


情報処理目的での著作物利用は「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」は認められない。

「学習」といいつつ、ほとんど複製に近いことができてしまうとダメだろう。

これが1つ歯止めにはなりうるが、どこまでやると不当なのかは難しい。

模倣行為自体を禁止するのも実情には合わないだろう。

歴史的に見ても模倣を通じて芸術を学んできたことは多々ある。

人間の手業によるものは認めるが、コンピュータによるものは認めないのは難しいのでは。

結局は明確に線引きできるラインが、著名な作家と混同させる行為なんじゃないかと思う。

これは誰がやっても明らかにダメと断言できるし、十分に歯止めにはなるのではないかと思う。


没後の作家の作品はなんとでも言えてしまうという話ではある。

そういうのをありがたがるのもどうなのかという話はあるのだけど、

一方でそういうコレクターがいるからこそ価値が決まる部分はある。

難しい話だと思いますね。

バンダイナムコのVTuberいろいろ

ちょっと話題になっていたのですが。

MEWLIVE【公式】/ 今夜20:00から、#AJ2025勝手にアフターパーティーを無料配信いたします! (略) (x.com)

これ、実は全部バンダイナムコグループなんですね。


以前「バーチャルは生配信を使うこと?」なんて話を書いている。

結局はこのタイトルが全てなのかなという気はするが……

リアルとバーチャルというかアバターとの距離はいろいろだねと。


MEWLIVEというのはバンダイナムコミュージックライブが運営するVTuberプロダクションである。

バンダイナムコミュージックライブってLantisの会社ですよね。

「表現者たちがリアルとバーチャルの架け橋となり、自由に活躍できる世界の実現を目指すVTuberプロダクションです」という説明はよくわからないが、

MEWLIVEは「すでに声優やアーティストとして活動している人のVTuber活動」と

「ゼロからオンラインで活動したい人をオンラインで採用」の2本立てなのだという。

後者は普通な気がするけど、前者は果たしてなんだろうか。

と、MEWLIVEのメンバーについて調べるとちょっと変な記述が見つかる。

我王むすび ※飼い主は来栖りん

熊乃ベアトリーチェ ※飼い主は小岩井ことり

夜羽咲クロネ ※いとこは鈴原希実

(MEWLIVE (ピクシブ百科事典))

うーん? と思うわけだが、この3名は「中の人」が明らかになってるんですね。

一応は別人格なのだが、密接な関係を持って語られているところである。

熊乃ベアトリーチェ|バンダイナムコ研究所の技術協力のもと『バーチャルシンクロライブ』を実施 @『新春みゅ~らいぶ2025』 (Lantis)

顔が置き換えられてるけど、まるっきり中の人じゃないですか。


vα-livは以前紹介したがアイドルマスターシリーズの新プロジェクトで、

ちょうどこの週末に1stライブとしてリアルイベントが行われたところである。

こちらは一貫してアバターなのだが、なんとバンドを伴ってのステージである。

『ヴイアライヴ』待望の1stライブがいよいよ開催!生バンド演奏を背負ってのパフォーマンスで盛り上がった熱狂のステージをリポート (ファミ通App)

アバターがスクリーンに映っているだけじゃないかという見方もあるが、

そこにリアリティを与えられるのはアイドルマスターの強みなのかな。


アイカツアカデミー!(デミカツ) もまたシリーズ展開の中でVTuberを活用したものである。

そもそもアイカツ!シリーズはデータカードダスとテレビアニメの両建てでやってきたが、

それとは デミカツ  は全く違うもので、ファンと双方向につながれることを目的としたコンテンツのようである。

そうなると完全にバーチャルの世界に閉じて、アイカツ!の世界を涵養することが目的なんだろうか。

アイカツ!自体が本来的には子供向けのコンテンツとされる中、VTuberというのはそれよりは大人向けだが、

そこもアイカツ!のターゲットには含まれていますよというアピールでもあるのかなとか想像しますがどうなのだろう。


蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブについては以前も紹介しているが、

ゲーム内の姿での一形態としてアバターでの生配信を取り入れているというものである。

ラブライブ!シリーズの特色であるゲーム内の「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」と、

声優ユニットとしての「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」が併走する形態は変わらない。

世界観を広げるために生配信を取り入れているという点ではデミカツと類似する点はある。

それより大きな差異は「リアルタイム『スクールカレンダー』連動プロジェクト」ということで、

ゲーム内の時間の進みと現実世界の時間の進みを一致させるため、

メンバーが卒業してしまうという大きな話があり、この3月はまさに卒業である。


というわけでいろいろあるのねという話である。

いずれも社内とはいえ、観点が少しずつ違うんだなとは思う。

ただ、技術的には共通的に使っている部分もありそうな気はする。

バーチャルの裏側というのはほとんどわかりませんからね。

MEWLIVEは「飼い主」が暴露している部分も少しありますけど。

三の丸尚蔵館へいく

祝日と土日の間があくところは休暇を取る人が多いが、

僕も休暇をとって東京にお出かけしていた。

大きな目的がパスポートの受取ですね。

マイナポータルで申請したパスポートを受け取るために西新宿に行く必要があったと。

てっきり都庁かと思ったのだが、隣接する都議会議事堂の地下にパスポートセンターがある。

申請はかなりの混雑だったが、受領はスカスカですぐに終わった。この話は改めて書くかも。


そのためだけに東京に行くのもねとは思っていて、

北の丸の東京国立近代美術館に行こうと思ったのだが、

そういえばと思い出したのが三の丸尚蔵館のことだった。

元は御物だけど

相続税の物納や寄贈により国に集まった御物は従来は宮内庁が管理していたが、

他の物納された文化財同様に文化庁に移管され、その管理は国立文化財機構が行うこととなった。

どうも三の丸尚蔵館はこれから改修のためしばらく閉鎖されるようなので、

その前に一度は観に行くかと。皇居東御苑ってことは近所ですからね。


というわけで三田線の大手町駅に到着、三田線なのは都営地下鉄だけで来るため。

大手町駅も広いので、路線により大違いだが、千代田線と三田線だと近い。

ここで大手門に向かって歩いて行く。大手門の入口には “GARDEN IS CLOSED” と書かれた札をもつ人がいる。

ん? と思ったが「三の丸尚蔵館に行きたいのだが、ここでよいか」と聞くと、

チケットを見せてくれと言われて、見せると通れた。

すぐにわかったのだが、月曜・金曜は皇居東御苑は休園なんですね。

おそらく外国人の観光客が多く訪れるのだろう。(なにしろ無料である)

三の丸尚蔵館は月曜はともかく、金曜は開館日なので入ることができる。

ただし、東御苑内を通過することはできないから大手門が唯一の入口となる。


中ではあれこれと工事をしているようだったが、三の丸尚蔵館の工事である。

そもそも国立文化財機構への移管の背景には所蔵品の増加という事情がある。

もともとは昭和天皇の遺品を中心としていたが、その後も皇族や縁故者からの物納・寄贈が続いた。

このため大幅に増築して展示室・収蔵庫とも拡大するのが目的の1つである。

(ちなみにこの改築は宮内庁の事業として行われている)

現在は半分完成した状態だが、これでも宮内庁管理の時代に比べれば広い展示室になったという。


時代としては明治以降のものが多い。

今でも皇室に美術品が「献上」されることってあるんですかね。

今は調度品や儀式につかうものを調達するのは「購入」するという体裁を取ることが多いはず。

宮内庁が購入すればそれは国有財産なので相続税とかいう話にはならない。

国立博物館のネットワークにある施設の中ではもっとも時代的に新しい博物館かなという印象は受けた。

(東京国立博物館と東京国立近代美術館が1907年を境に所蔵品を移管し合った背景もある)

もちろんそれより古い所蔵品もあるんですけどね。

新しい割には伝統的なテーマによるところが多いのは皇室という性格だろう。


観覧しての感想は失われ行く貴族文化ってやつなのかなという話で、

今はなき宮家で使われていた品とかみるとそう思いますよね。

今回は季節がら花にちなんだいろいろな品を並べていて、

当然、美しいんだけど、そこまで一流の品を揃える人はそうそういないんだろう。

本当にすごいんですけどね。それを「献上」してもらえる人がいたんですよね。

日本では皇室がありますので、その点では完全に失われたわけではないが、

いろいろな要因もあり皇族数も減る中で細っているのが実情だろう。

そもそも三の丸尚蔵館ができた背景も、皇室内で伝承し続けられる御物は限られるというのがあり、

文化庁蔵となったことで、国民が伝承していく美術品になったということで、

そう考えればこうして常設の展示施設で盛大に観覧できることはよいことかもしれない。


ちなみに展示室2つと規模としては小さいが、観覧料は1000円である。

Webで日時指定のチケットを購入していったが、直接窓口で買うこともできる。

今年5月に一時閉館後、隣接地で作っている建物をくっつけて展示室が増える予定もある。

1000円ってのはそこを念頭に置いた価格だったのかもしれない。

今でもこれはこれで悪くないですけどね。

国立博物館そのものだったら、奈良博の賛助会会員証を見せればいいけど。

そこは言っても仕方ない話だし、展示活動の充実には必要なことだろう。


引き続きお堀に沿って歩いて東京国立近代美術館へ。

こちらも花にちなんだ作品が多く並べられていた。

春っていうと日本画の淡い感じがよく合う気がする。そうでしょうね。

逆に夏は油絵の濃いやつが合うのかもしれない。ふとそんなことを思った。

桜がさくとそこら中花見だらけだが、まだそういう感じでもなく、落ち着いた感はある。

大阪とシカゴ、タイガースとカブス

MLB TOKYO SERIES としてロサンゼルス・ドジャース vs シカゴ・カブスが東京ドームで行われるにあたり、

その前座として読売ジャイアンツと阪神タイガースが両チームと試合するということで、

大変盛り上がっていたところである。

ちなみにこの試合は日本の2チームのホームゲームの扱いなので、

東京ドームの一塁側に阪神ファンが大挙して詰めかけるという不思議な光景になっていた。

確かに日本という点ではホームだが、阪神が東京で主催試合を行うわけもなく変な光景である。


偶然かどうか知らないけど、大阪とシカゴは友好都市として長年にわたり関係がある。

大阪の友好都市はいろいろあるけれど、シカゴというのはどうにも印象深い。

なにかと類似性の多い都市だと言われている。

お好み焼きとシカゴピザと丸い食べ物に縁がある……というのはさておき。


金融関係では大阪とシカゴは先物取引で名前を聞く都市である。

日経平均株価先物は大阪(大阪取引所)とシカゴ(CME)が代表的である。

実際にはシンガポールも取引量が多いんだけど。

江戸時代に米取引の中心だった大阪、穀物の集積地だったシカゴは似たような歴史背景がある。

なぜ、いずれも穀物の集積地だったかといえば、それは水運が便利だったから。

川沿いに高層オフィスが並ぶ姿はかなり似ている。

もっとも大阪は中之島周辺の比較的狭いエリアに限った話ではあるが。


阪神タイガースそのものは西宮が本拠地だけど、と言ってしまえばそこまでだけど。

とはいえ、阪神タイガースとシカゴ・カブスも類似点が多いチームである。

そもそも長い歴史のあるチームだが、特に本拠地球場の歴史が古い。

甲子園球場は昨年100周年を迎え、NPB本拠地球場では最も古い。

カブスの本拠地のリグレー・フィールドもMLBで2番目に古く1914年開業である。

ツタにも縁がある球場である。甲子園球場では外壁、リグレー・フィールドでは外野フェンスと場所は違うが。

ユニフォームも縦縞なのは共通的である。

(それゆえか今シリーズではタイガースのユニフォームはビジター用のものだった)


あと、名門なのに長年全国優勝から遠ざかっていたことも似ている。

タイガースは「カーネル・サンダースの呪い」とまことしやかに言われていたが、

カブスは「ヤギの呪い」とか「ビリー・ゴートの呪い」と言われる話があった。

いずれも近年、日本シリーズ、ワールドシリーズを制覇して、呪いは過去のものと言われている。

名門チームにはいろいろあるんだなぁと思いますけど。


vs カブス、vs ドジャースと2試合終えた阪神タイガースだが、

いずれも0点に抑えての勝利だったという。

特にドジャースの昨年のワールドシリーズ覇者ですから、

実質世界一かと沸き立っていたが真相はいかに。

MLB TOKYO SERIESとしては火曜・水曜の夜に行われるカブス vs ドジャースが本番ですね。

両チームには日本人選手も多くおり、東京で行うのはそれが理由であろう。

たいへん注目度の高い試合である。

アーモンドアイがウマ娘になるまで

「ウマ娘 プリティーダービー」は「ぱかライブTV」として定期的にインターネット配信番組をやっているけど、

そこに「???役」という出演者がいて、これは誰だと。

この中で発表されるウマ娘と関係があるんだろうけど……


答えは「アーモンドアイ」「ラッキーライラック」「グランアレグリア」だった。

とうとうアーモンドアイが……なんだけど、実は前から結構匂わせていたところはあって、

知る限りでは、その起点はデアリングタクトがウマ娘に登場したあたりから始まる。


ウマ娘にとってデアリングタクトはTVアニメで主人公にもなったスペシャルウィークのひ孫という縁がある。

スペシャルウィークのひ孫だから

当時はまだ現役だったんですよね。

なんでわざわざスペシャルウィークのひ孫でデアリングタクト……というのはこう推測していた。

これは子に2頭ぐらいいるんですよ。ブエナビスタシーザリオですね。

特にブエナビスタはそれらしいウマ娘の絵がゲームリリース前に出たことがある。

ただ、おそらくこの2頭についてはオーナーの承諾が得られなかったとみられる。

今にしてみればどっちもウマ娘になってるんですけどね。

そこまで織り込み済みだったのかもしれないし、そうでもないのかもしれない。


2024年からスタートしたメインストーリー第2部では、

2005年の牝馬三冠を分け合ったラインクラフト、シーザリオ、エアメサイアや、同世代のデアリングハートが登場した。

デアリングタクトの祖母代にあたる2頭(父の母がシーザリオ、母の母がデアリングハート)がともにモチーフになっている。

この中で三冠馬3頭そろい踏みの2020年のジャパンカップを思わせる話があった。

見ての通り、この世代にはデアリングタクトの祖母が2頭ともいたわけだが、

他にもいて、それが後に発表されたフサイチパンドラである。

これ、知ってる人ならすぐわかるけど、アーモンドアイのお母さんですよ。


ところで当初、ブエナビスタとシーザリオが難しいのでは?

と言われていたのはどちらもクラブの馬だからというのはある。

まぁデアリングタクトもそうなんだけど、ノルマンディーだし……みたいな反応だった。

ただ、最近ではクラブ所有馬がモチーフになることも増えている。

これもウマ娘の開発チームが丁寧にやってきたからというのもあるのだろう。

そんな中で、昨年11月にブラストワンピースがウマ娘になることが発表された。

シルクレーシングといえば、アーモンドアイだよなと。

あと、ブラストワンピースはアーモンドアイと同じ世代なんですよね。


そんなわけで包囲網は敷かれていたわけで、満を持しての登場なのだが、

それと同時に発表されたのが同世代でラッキーライラック、

その1年後の牝馬三冠を分け合ったグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスとカレンブーケドールである。

まさかこれ全部揃うとは思ってなかったなぁ。すごいことですよ。

4周年のキービジュアルにはアーモンドアイを中心にこのあたり中心に描かれている。

(なぜかラッキーライラックだけは描かれてないんだけど)


戦績を見てみるとわかるのだが、

ラッキーライラックというのは2歳チャンピオンとして挑んだ牝馬三冠でアーモンドアイにかなわなかった馬である。

その後はエリザベス女王杯2勝、大阪杯と活躍しているが、牝馬三冠以来はアーモンドアイと走ることがなかった。

では、アーモンドアイは敵なしだったのかというとそんなことはなく、

安田記念を2度走って敗れているが、2020年に2着に敗れたときの勝ち馬こそがグランアレグリアである。

あと、2019年に香港遠征を断念した後に出た有馬記念はボロ負けである。


今回発表されたウマ娘のモチーフになった馬が活躍した時代というのは、

さっき挙げた牝馬がいろんな路線に散らばって活躍していたので、涙を呑んだ牡馬も多かったわけである。

そんな牡馬の1頭がブラストワンピースなんでしょうけど。

それがゆえに同じレースで大激突ということもなかなかなかった。

牝馬三冠を分け合ったグランアレグリア、ラヴズオンリーユー、クロノジェネシスが3頭揃ったことはない。

グランアレグリアは桜花賞を勝った後にNHKマイルカップに向かい、

ラヴズオンリーユーは忘れな草賞からのオークス制覇のためである。

ちなみに桜花賞→NHKマイルカップの転戦はラインクラフトもやっており、

この意味でラインクラフトのストーリーは後につながるものだったんですね。


レース選びに苦心したのがラヴズオンリーユーで、

オークス後なかなか勝てない中で5歳に京都記念を勝ってから、

ドバイ→香港→札幌→デルマー→香港と転戦してG1 3勝という快挙である。

勝てなかったけど……というのがカレンブーケドールで、

牝馬三冠でいずれも2着に敗れてから重賞をいろいろ走ったが、

牝馬ながらに挑んだ2021年の天皇賞(春)で3着は印象深い結果である。

異例づくめの天皇賞(春)

このあたりの苦悩も順次描かれるのかな。


ここまで揃うのもモチーフとなった馬の馬主などの理解もあってのことだが、

よくよく考えて見ればカレンブーケドール以外は全部クラブ馬じゃないか。

やっぱりそういう時代なんですかね。

スペシャルウィークの時代とは全然違うか。