韓国経由ブリーダーズカップ行き

今日は韓国のソウル競馬場でコリアカップ・コリアスプリントが行われていた。

国際招待競走で2022年から国際G3となっている。(元々ローカルG1ではある)

今年は両レースに日本から3頭ずつ招待されている。(うち1頭は直前に取消になったが)

昨年は2頭ずつ、2022年は1頭ずつだったので、だいぶ参戦しやすくなったなという印象は受ける。


韓国の競馬は全てダートで行われ、日本の地方競馬に似ている点が多い。

少し前まで騎手服が採用されていたのはその一例である。

賞金水準も日本の地方競馬の高いところぐらいらしい。世界的には高水準だな。

韓国産馬と外国産馬(主にアメリカ産)のレベルの差が大きいなどあるようだ。

そんな韓国競馬も国際化だということで2016年にコリアカップ・コリアスプリントが創設された。

ただ、ダートの実績馬を送り込んでくるのは日本ぐらいである。

近国だと香港からの遠征もあるけど、ダートってのはあんまりみたいですね。

(香港でも「泥地」というのはあるが、オールウェザーのことである)

ダート競馬といえばアメリカだが、なかなか遠征に消極的である。


日本馬にとってみればコリアカップ・コリアスプリントは貴重なレースである。

確かに格付けこそG3ではあるが、定量戦なので実績馬でも負担重量は積まれない。

賞金もコリアカップが1着8億ウォン(8800万円)、コリアスプリントが1着7億ウォン(7700万円)、

ダートだとG1級の賞金じゃないかな。実際、韓国ではG1なわけですからね。

国ごとの枠があるので選定されるハードルは高いが、選定されれば大きなチャンスである。

さらに今年からブリーダーズカップチャレンジの指定レースになった。

これもまた日本勢にとっては大きなモチベーションである。


で、結果なんですけど両レースとも日本勢が1・2着を独占する結果に。

コリアカップを勝ったクラウンプライド、コリアスプリントを勝ったリメイクはいずれも昨年に引き続きの連覇である。

どっちもG1で上位に入るような馬ですから、そりゃ強いわな。

韓国勢はコリアカップは3着に昨年のダービー馬Global Hitが入ったが、

コリアスプリントは外国勢には全く叶わず4着まで。

韓国馬は短距離ではそこそこと言われていたが、今年はさっぱりだった。


さて、先ほど書いたようにこのレースはG3でありながら、BCチャレンジの指定レースになっている。

これまでアジア圏のBCチャレンジ指定レースは日本の4レースだけだった。

  • フェブラリーステークス → BCクラシック
  • ヴィクトリアマイル → BCフィリー&メアターフ
  • 安田記念 → BCマイル
  • 宝塚記念 → BCターフ

昨年に安田記念を勝ったソングラインがBCマイルに参戦している。(結果は5着)

でも、BCマイル以外は活用されてないですね。他はこの転戦はないと思う。

それで今年から韓国の2レースが追加されて……

  • コリアスプリント → BCスプリント
  • コリアカップ → BCダートマイル

コリアスプリントについてはBCスプリントの前哨戦を意識して集まったのは間違えないが、

コリアカップってBCダートマイルの指定レースなの……1800m戦なのに?


ブリーダーズカップのレースは基本的にダートで、芝レースには「ターフ」と付けるのが普通だが、

マイル戦だけは芝が「マイル」で、ダートが「ダートマイル」なんですよね。

ダートマイルは2007年創設の比較的歴史の浅いレースであることに由来する。

どうもアメリカ競馬ではダートのマイル戦に格式の高いレースがあまりないらしく、

1200mと2000mの中間として創設したが……という感じらしい。

そういう意味では穴場かもしれないし、実際2019年に韓国のBlue Chipperが3着に入っている。

(もっともBlue Chipperはコリアスプリントからの転戦である)

韓国にBCクラシックの指定レースは早いと思われたのだろうか。


と、ちょっと不思議なところはあるが、日本勢のBC前哨戦として重宝されそうなレースである。

リメイクはBCスプリントで間違えないみたいね。

なにしろ日本競馬のレース体系がBC遠征に必ずしも適していない中で、

コリアスプリントは条件面からよい前哨戦と言えそうだし、

コリアカップもダートマイルかはさておきBC前哨戦という使い方は想定されそう。

今後、韓国馬のレベルも上がってくることは期待されるが、

そんな中でも日本からの遠征は止まらないんじゃないかなと思いますけどね。

日本勢が苦戦するほどレベルが上がる頃には国際G1になってるんじゃないの。

映画なのにODS上映?

昨日、映画を観に行ったと書いたけど「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第1章」ですね。

ちょうど公開初日である。そこまで気合い入ってたのか? という話だが、

バイク駐車場のこともあって、平日がよかろうというのはあったのだが、

それでもともとの候補は週明け月曜、半日休暇にして行くか? とか考えたが、

当初思っていた作戦が効かないことが判明したことと、

金曜日の上映時間が仕事終わりに行くには様々好都合ということでここにした経緯がある。


作戦というのは月曜日だと割引料金で観覧できるという話で、

これなら前売券よりもはるかに安いぞと見ていたわけである。

ところが直前になって判明したのは特別興行扱いで1800円均一ということである。

1800円ってのはイオンシネマでは大人の定価と同じなので、

これといった金額ではないのだが、これ以上安くなることはないとも言える。

そんなわけでサクッと金曜日に観に行くことにしたわけですね。


なぜこれが特別興行扱いなのか?

冒頭で 松竹→Bandai Namco Film Works→SUNRISEとロゴが3連打あって、

SUNRISEは本作のアニメーション制作を行うサンライズ(バンダイナムコフィルムワークスの事業部門)で、

松竹は配給業者だろうと、ではバンダイナムコフィルムワークスって何だ?

スタッフロールには配給のところにバンダイナムコフィルムワークス と 松竹ODS事業室 の名前が。

すなわち配給業者としてのバンダイナムコフィルムワークスだったのだ。


そしてこの作品が特別興行扱いだった理由もここに現れている。

松竹ODS事業室の「ODS」って果たして何だろうか?

Other Digital Stuff の略で、非映画コンテンツということになる。

一般的には演劇・コンサート・スポーツなどのライブビューイングなどを指す。

テレビアニメやビデオ作品の先行上映・リバイバル上映も含まれることがある。

映画の定義にもよるところで、これらの作品も映画と言うこともできる。

ただ、一般的には映画館で上映する物を映画というと考えられているので、

本来は映画館での上映を想定した作品ではないという点で「非映画」なのかもしれない。


「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 NEXT SKY」は30分のビデオ作品が映画館で上映され、

まさに同じ体制でODS上映が行われていたわけである。

比較的短い作品ということで料金は1500円均一……ちょっと割高か?

最近のバンダイナムコ関連で言えば、アイドルマスターシャイニーカラーズのTVアニメの先行上映も同様である。

ODS上映は柔軟性の高さが特徴と言える。TVアニメの先行上映とか短期間集中ですからね。


ただ、今回の虹ヶ咲の映画はごく一般的なアニメ映画のはずである。

にもかかわらずODS扱いだった理由を考えてみると料金設定ではないかと。

1800円均一というのは定価に対しては特別高くはない。

実際、この作品を上映している映画館でも他の作品の大人定価より安い場合もある。

ただ、これ以上安い料金で観る方法はないのである。

興行収入を確保するための策としてこの方法を使った? と見ているがどうか。


でも、それでもいいのかもねと思ったところもあって、

映画館の割引料金とか無料鑑賞券とかは映画館に足しげく通う人には向いているが、

今どきそうして映画館に通うというのは一般的なことではない。

そんなことを映画上映前にしこたま流れた予告映像を見ながら思ったんだが。

これ見て、次はこの作品観るかと思う人もけっこういたんだろうけど。

そういう人は相手にしてませんよと。それはそれで1つの答えではないか。


「完結編 第1章」とはなんぞやという話なのだが、

TVアニメシリーズ26話、NEXT SKYと話が進んで、もう2月である。

沖縄が主な舞台ということで2月でも南国の景色だが、実はそんな時期である。

3月を迎えるとこの体制での同好会は終わりになるから「完結」にならざるを得ない。

そこに話を詰め込む策として考えた? のが複数地域で行われるスクールアイドルグランプリである。

第1章は沖縄で参戦する6人を描き、おそらく第2章は別地域で参戦する6人を描くと。

人数が多い作品ですから、このような形で尺を確保しようとしたわけだ。

その上で第3章は総仕上げになるストーリーが来るのだろう。

そのための種もいくつか撒いてたような気がするが果たしてどうか。

けっこう内容ぎっしりという印象が強かった。TVアニメでも描ききれなかった部分はけっこうあったんだなって。

アジア競馬会議でレース名が変わる

「次走はタイランドカップを予定」というような話を見て、

それなんだ? と確認したら、札幌競馬場で行われる芝2600mのオープンで……

それは例年だと丹頂ステークスですね。


芝2600m以上のOPクラスのレース(重賞を除く)は近年は年4レースと貴重である。

丹頂ステークスは札幌競馬最終週の名物レースとして知られていた。

そんなレースの名前がどうしてタイランドカップになってしまったのか。

理由は今週に札幌で行われていたアジア競馬会議である。

これに合わせてアジアウィークの交換競走を札幌開催にしたわけである。

とはいえレースの条件は例年の札幌最終週と同じような構成なので、

  • 3歳以上2勝クラス(ダート1700m) → インディアトロフィー
  • 知床特別(3歳以上2勝クラス・芝1200m) → マレーシアカップ
  • 日高ステークス(3歳以上3勝クラス・芝1500m) →アジア競馬連盟トロフィー
  • すずらん賞(2歳OP・芝1200m) → シンガポールターフクラブ賞
  • 釧路湿原特別(3歳以上2勝クラス・芝2000m) → フィリピントロフィー
  • 丹頂ステークス(3歳以上OP・芝2600m) → タイランドカップ

という置き換えになっている。


条件戦はともかく、OPクラスのレースまで名前が変わるのかと。

丹頂ステークスもそうだが、2歳OPの すずらん賞 もそうなんですよね。

確かにこれらのレースは同条件で長期間にわたって継続して行われているが、

重賞やリステッド競走ではないので、名前を変えてもかまわないと考えているようだ。

開催場の変更でOPクラスのレース名や開催時期・条件が変わることはそこそこあって、

今年は阪神競馬場の工事の都合で夏の小倉開催の時期が変わったため、

8月末に例年行っている小倉日経オープンができないので、

2月の例年の関門橋ステークスに相当するレースを小倉日経オープンとしている。

(関門橋ステークスは3勝クラスとして実施されている)


逆に重賞・リステッドだと頑なに名前や時期を変えたがらないという話があって、

それで話題になっていたのが 中京記念(GIII) である。

最近は工事の都合で夏の中京開催の時期が変わることが多く、

2020年は阪神開催、2021・2022・2024年は小倉開催になっている。

小倉ではコースの都合、距離が1600m→1800mに変更されているのだが、

それでもサマーマイルシリーズの対象レースなので、何もかも正しくないと言われる始末。


ただ、今年は例外的に開催時期の入れ替えが行われた重賞があって、

北九州記念(例年は8月下旬の小倉開催)とCBC賞(例年は7月上旬か6月末の中京開催)である。

今年はこの開催時期が入れ替わりになっている。

工事の都合で8月下旬は中京開催、6月末は小倉開催になったのだが、

どちらも1200mのハンデ戦なので入れ換えても差し支えないという理由で、

6月末の小倉で北九州記念、8月下旬の中京でCBC賞が行われている。


ちなみにアジア競馬会議はアジア競馬連盟のメンバーによる会議だが、

アジアに限らず、オセアニア・アフリカ諸国の競馬関係団体もアジア競馬連盟に参加している。

ヨーロッパと南北アメリカ以外のことをアジアと扱っているようだ。

なお、今年に地方競馬全国協会もアジア競馬連盟のアフィリエイトメンバーとなり会議にも参加しているよう。

JRAとNARの2つの統括団体

日本・オーストラリア・香港と潤沢な馬券売上を誇る地域がある一方、

UAE・サウジアラビア・バーレーン・カタールなど賭け事は御法度な中で、王族が牽引して競馬をやる地域もあるし、

マカオ・シンガポールと地域の事情により競馬をやめる地域もある。

(シンガポールターフクラブ賞もおそらく今年が最終回ではないか)

アジアの中で競馬先進国と言える国は実に限られた存在である。

日本はそこに含まれるが、ダート競馬については道半ばという面もある。

覆面バンドではないバーチャル系バンド

だいぶ前の話ですが、こんなことを書いた。

3つ目、バンドリの「夢限大みゅーたいぷ」だが、これはまだ不明点が多い。

現状はキャラクタの姿での生配信をしているだけだから、VTuberにしか見えない。

しかし、このバンドはリアルバンドとしての活動を行うことが明言されている。

(バーチャルは生配信を使うこと?)

そんな「夢限大みゅーたいぷ」は今日1stライブを迎えたのだった。

で、1曲だけインターネットで無料配信しますよとのことだったので見ていた。


ただ、配信環境はスタッフがスマートフォンで撮影するという雑なものだった。

最近のバンドリだと主要な公演では有料で配信を行うことが多い中で、

チケットも完売、記念すべき1stライブなのにこの無料配信が唯一かいと思うのだが、

これはかなり意図的だったのかもしれないと、この雑な配信を見て思う。


夢限大みゅーたいぷ のメンバーは最近までキャラクターの姿での配信を行うばかりだった。

ただ、先週のバンドリ!TV LIVEの配信では 仲町あられ が生身で出演していた。

ただしカーテン越しである。とはいえ生身で他のバンドリ出演者と並んだのである。

ただ、カーテン越しにはキャラクタを意識した衣装・髪型のようだったが。


とはいえ、これで演奏できるわけもあるまい。

画面からキャラクタが出てきたかのような衣装で、普通に顔出しのようだった。

とはいえ、さっき書いたようにスマートフォンでの配信ではだいぶぼやけている。

終演後に写真がアップロードされたのだが、顔の一部を隠していた。

夢限大みゅーたいぷ 1st LIVE「めたもるふぉーぜ」が開催!キャストが生身で実際に楽器を演奏 (Gamer)

セットリスト見ると他のバンドリのバンドの楽曲のカバーが目立つな。


これまでのバンドリ(特にリアルバンド)というのはキャラクタと声優のユニットが併走する形だった。

MyGO!!!!!とAve Mujicaは出演者の名前か明かされない時期があって、

さながら覆面バンドの時もあったが、ある時点で出演者の名前は明かされている。

それと比較した場合、夢限大みゅーたいぷ には2つの特色があるように思った。

1つは生身の人間としての名前は明かされないこと。今後もそうなのだろう。

もう1つはインターネットでの姿は可能な限りキャラクタの姿にしているということ。

リアルバンドなのだから生身の姿を全く見せないということは不可能だが、

あくまでもインターネットの外の姿に留めたいという考えはあるのだろう。


細かく追ってはいないけど、各メンバーにはそれぞれキャラクタになる前からの人生があって、

特に楽器未経験から入ったメンバーにとっては特訓があって今日を迎えている。

これまでキャラクタの姿しか見せてこなかったが、人間らしい話は多い。

それがリアルバンドであるということなのだろう。

エスコンフィールドが人工芝を使う理由

北広島のエスコンフィールドHOKKAIDO、来シーズンから内野が人工芝になるらしい。

【日本ハム】来季エスコン内野を人工芝化でイベント多様化 外野は…前沢本部長「やりたくない」 (日刊スポーツ)

プロ野球・プロサッカー共用の札幌ドームは様々難しい問題があり、

NPBの本拠地球場では唯一となっていた巻き取り式の人工芝は打開できない問題の1つである。

そんなこともあり、ファイターズは北広島に自社球場を建設することとなり、

札幌ドームへの不満の反動か屋根開閉式の球場に天然芝という構成になった。

北海道の冬でも屋根を閉めて芝を育てられるというわけ。(cf. 人工芝は巻き取るものではない)


ただ、やはり難しかったようである。

とはいえ、人工芝になるのは内野だけで外野は従来通りの天然芝である。

内野が人工芝、外野が天然芝というのはNPB本拠地球場には今はないが、

それに似た構成の球場があるよという指摘があった。

それが阪神甲子園球場、現在、高校野球の真っ最中ですけど。

甲子園球場は内野が土、外野が天然芝、これも珍しい構造だが、意図は同じではないかとのこと。


甲子園球場は古い球場だが、最初は全部土だったのだという。

ただ、そのうち外野に草が生えてきて、その後に外野に芝が張られたそう。

甲子園秘話 (阪神甲子園球場100周年記念サイト)

内野が土なのは元々土だったからという歴史的経緯とは言えるのだが、

この構造だからこそ高校野球の連戦に耐えられるのだという話がある。

確かに天然芝の球場なのにアマチュアがこんなに使うのは甲子園球場ぐらいである。

内野が天然芝でないというだけでかなり維持しやすくなるようだ。


人工芝とはいうけど、野球用の固定式人工芝なのでかなり上等なものである。

アメリカで採用実績の多いB1Kという人工芝を採用するそうである。

内野が人工芝になることの効果はいろいろと挙げられている。

まず、本業のプロ野球では練習の充実が期待できる。

本拠地の守備に苦戦している話もありますから、ここは期待できる。

アマチュア野球への貸出拡大という期待もある。

現在もアマチュアへの貸出は行っていて、例えば高校野球の南北海道大会の準決勝以降で使われている。

現在は非常に限定的だが、内野人工芝化によりもう少し拡大できる可能性はあるのだろう。


決定打となったのは多目的利用ということで、従来はどこにステージなど置いても芝への影響があったが、

内野が人工芝になれば、内野部分はある程度は自由に使うことができる。

今の構造でも音楽イベントで使われたこともあるそうで、そこで手応えがあったのかもしれない。

ファイターズの強化、野球の普及拡大に寄与できるメリットもあり、

総合的に見て内野の天然芝はやめようという決断に至ったとみられる。

当初から人工芝のオプションもあった中で、あえて天然芝にした側面もあるようだ。


ちなみに内野人工芝・外野人工芝はNPB本拠地球場としては初めてだが、

ヤクルトスワローズの2軍本拠地、戸田球場はこの構造らしい。

現在、守谷市への移転が進められているが、この構造は継承されるとのこと。

ここは1軍本拠地の神宮球場が人工芝なので、それに合わせれば総人工芝でもよさそうだが、外野は天然芝になっている。


それにしてもエスコンフィールドHOKKAIDOでアマチュア野球とか音楽イベントねぇ。

ファイターズが去った札幌ドームの利用拡大というところで言われていたのもアマチュアスポーツ、音楽イベント、展示会など。

この中でもアマチュア野球は北海道の気候を考えればメリットがあると考えられ、

実際に高校野球の秋季大会で札幌ドームで行われ一定の効果を得ている。

エスコンフィールドは天然芝だからアマチュア利用は難しいだろうと思われていたが、

内野人工芝化で案外使えてしまう? となると果たしてどうなるか。

(といっても日程の自由度を考えれば札幌ドームに分がありそうだが)

音楽イベントはなんとも言えないが、北海道でこのクラスの会場が必要なイベントは限られると言われる中、

エスコンフィールドの条件次第では手強いライバルになるのだろう。


日本ハムとしても相当な投資をした球場なので、

より価値を生むために考えた結果ではないかと思う。

もちろん天然芝も価値の1つではあるが、外野だけでも十分に価値はあると。

だって甲子園球場だってそうじゃないと。それはそうだ。

オリンピックでダンスバトル

パリオリンピックの追加種目、ブレイキン、確か東京のときにも追加種目候補だったはず。

次のロサンゼルスでは追加種目から漏れたので、とりあえずは1回限りである。

でも、今回のパリでの結果次第では正式種目への道も開けるかもしれない。

(柔道も1964年の東京で初実施後、メキシコシティーはやらず、ミュンヘンから現在まで継続して実施されている)

日本からの注目度も高く……でもダンスで競うってどういうこと?


というのでテレビ中継を見ていたのだが、2人の選手が楽曲に合わせて即興で踊って、

それで9人の審判の投票で票数を取った方が勝ちという競技だった。

審判の微妙な判定に揺れる種目が多い中ではあまりに雑なシステムである。

でも、いろいろ話を聞いていると、けっこううまい仕組みのようだ。


というのもブレイキンでは1試合2~3ラウンド、1対1のバトルを何度も繰り返す。

その中で同じような技をやると評価が低くなってしまうのだという。

すなわちブレイキンでトップを争うということは、相当に演技の引き出しが多くなければならない。

その中で演技の完成度とか、舞台への即応性が問われるわけである。

審判の判定尺度はあまり明確ではないことは確かだが、

見応えのある演技を繰り返せるのは相当な実力がなければならないことは理解できる。

なるほど、これがダンスで競うということなのかと。


技を競う種目の代表が体操競技とフィギュアスケートかなと思う。

現在の体操競技はかなり緻密な採点方式を採用していることで知られる。

難易度の高い技を成功できるかどうかというところに左右されるところが大きく、

今回のオリンピックだと男子種目別の鉄棒では落下や着地失敗などが多く、

これはそれだけ難しい技を成功させなければメダルは難しいということである。

そんな中で技の難易度はそこそこに完成度が高かった岡選手が金メダルというのは、意外な結末だったとも言える。

【体操】鉄棒決勝で6/8人がミスの大波乱 落下&転倒でも銅メダル獲得 (日テレNEWS)

でも、基本的には難易度勝負というのが現代の体操競技である。


フィギュアスケートは体操競技に比べれば緩い採点方式とは言える。

基本的な考えは技術点(TES)と演技構成点(PCS)を1:1程度で配分するというもので、

TESは技の難易度を基礎として、GOEと呼ばれる出来映えによる加点・減点がある。

どのように技を並べて、それぞれどれぐらいの完成度を出せるかで決まる。

PCSはコンポジション、プレゼンテーション、スケーティングスキルの3つの尺度で評価する。

滑走全体としての完成度を評価する仕組みも並行してあるのが体操との違いかな?

ただ、これも結局のところ得点が読めるのはTESの部分だと言われている。

特に男子ではPCSの上限問題があり、トップ選手では体操に近い考えになっている。


審判にとってある程度客観的に評価できる尺度があることはよいことである。

ただ、演技全体としての良さを評価していく仕組みとしてはいろいろ難しさがある。

結局は曲芸対決じゃないかと、競技が成熟して行くにつれて問題になる。

そんな中でブレイキンの1対1のバトルを繰り返すという方法は、

1ラウンドごと、審判ごとの判定は非常に揺らぐものであるが、

繰り返し高評価を得るということはそれだけの技があるとは言える仕組みになっていると言えそうだ。

時の運もあるだろうし、非常に競り合う勝負は難しいとは思うんだけど

そんな中で演技をたたえ合う文化もありますからね。


そんなブレイキン、女子の初代オリンピックチャンピオンは日本のAMIだった。

ブレイキン女子 AMI 湯浅亜実が金メダル パリオリンピック (NHK)

男女ともメダル有力候補と言われていたのが日本勢である。

強みは技のバリエーションの多さである。

この辺は体操やフィギュアスケートの日本勢の強みにも通じるところなのかもね。


これも知らなかったのだが、日本におけるブレイキンの聖地というのは川崎市の溝口なんですね。

世界に知られる「ミゾノクチ」、ブレイキン踊るため国内各地から川崎に移住 (読売新聞)

元はアメリカの不良文化、改札前の広場で踊る人が出てきたのが当地に根付いたきっかけである。

それを地域で認められるスポーツに育て上げたのはすごいことだなと思う。

川崎市としても気合いが入っていてパブリックビューイングを実施していたよう。

オリンピックのケイリンとPIST6

今日からオリンピックの自転車競技では「ケイリン」がスタートした。

日本で行われている競輪の先頭固定競走を参考に作られたトラックレースである。

日本の競輪そのものではないし、日本勢もなかなか苦戦しているが、

プロ選手としてオリンピックに参戦するにはメダルを目指したいものである。


日本では男子の競輪はほとんどが「先頭固定競走(オリジナル)」で行われ、

女子の競輪(ガールズケイリン)では「先頭固定競走(インターナショナル)」で行われる。

先頭固定競走(インターナショナル)の方がトラックレースのケイリンに近いとされている。

ただ、これも全く同じというわけではないようだ。


一方で千葉競輪場で行われているPIST6はトラックレースのケイリンのルールに沿っている。

PIST6は制度上は「250競走」という名前が付いている。

千葉競輪場は改築時に国際規格の250mバンクを導入し、その250mバンクを使う競輪としてルールが制定された。

「先頭固定競走(インターナショナル)」とはまた違うルールなんですね。

コースの形状に合わせたルールの違いが主なところに思えたが、

最も違うと思ったのがPIST6だけにあるこのルールである。

第6条第3項

選手は、第1周回終了時において、スプリンターレーンを並び順のとおりに走行していなければならない。

(250競走競技ガイド)

これもトラックレースのケイリンに合わせたルールみたいですね。


一般的な競輪では並び順というのは選手間の駆け引きで決まることになる。

男子の競輪では複数人でチームを組むラインという戦法が認められている。

最終的には個人で競り合うものの、途中までは並んで動くことで有利に進めようという考えである。

そういう戦法が認められるのが「先頭固定競走(オリジナル)」なんですね。

予想の上でも重要なので、発走前の脚見せ(選手紹介)で並び順を見せる慣例がある。

先頭固定競走(インターナショナル)にしても並び順が駆け引きによって決まる点は同じである。

一方でトラックレースのケイリン、あるいはPIST6では最初の1周終わった時点での並び順が抽選で決まる。

PIST6の開始当初は並び順は発走直前に発表され、車券購入時はわからない仕組みだったが、

現在は出走表に並び順が記載されるようになっている。


このルールが導入された背景が定かではないが、

並び順が決まっているのでスタート直後に牽制し合う意味は無いとは言える。

ただ、くじ運に結果が左右されるという側面もあるのでなんともかんとも。

トラックレースのケイリンに敗者復活戦が存在するのもそのためかもしれない。


ただ、PIST6にしてもオリンピックとは日程面ではけっこう異なる。

そもそも従来の競輪は1日1走で、1日目の結果で2日目の走るレースが決まり……

という感じなのだが、PIST6では1日2走が基本となっている。

前半6レースをデイ、後半6レースをナイトということで間は2時間ぐらい開いている。

デイの結果が出てナイトの出走表が出る形になってるはず。


一方のオリンピックのケイリンだが、

1日目は1回戦と敗者復活戦で最大2走となっている。1回戦で勝ち抜けば1走である。

2日目は2回戦・準決勝・決勝と最大3走、上位に残れなければそこで終わり。

1日3走もなかなかだが、準決勝~決勝は1時間も間がない。

他の競技も間に挟みながらなので見てる人が暇になることはないが、

ここまで短期決戦だとそれはそれで大変だなと思う。


PIST6について25分間隔での発走ということで間延びするという指摘もある。

これは車券発売の都合を考えるとやむを得ないレース間隔とは言える。

通常の競輪ならば複数の競輪場で同時にレースをやることで間を持たせるが、

PIST6は千葉でしかやってないですからね。

実力を出せるという点でもレース間隔もある程度空いた方がいいでしょうしね。


パリオリンピックのケイリンの映像で気になったのがペーサーの車である。

いかにもバイクという見た目の乗り物で、これで自転車を引っ張るの? と。

競輪の先頭固定競走は普通競走のとき6番車(成績が下の選手が入る)がトップ引きをしていたことに由来することもあり、

先頭固定競走の先頭員は順位は付かないが選手という位置づけである。

正式には先頭誘導選手という言い方をするみたいですね。

乗っている自転車も一般的な競輪に使われる自転車である。

なお現在のルールでは先頭員はガールズケイリンでも男子選手が行うことになっている。


一方でPIST6のルールを見てみると、ペーサーは審判の1人に位置づけられる。

「電動アシスト付き自転車又は電動バイクを使用し」と記載されている。

これはトラックレースのケイリンも同様である。

日本ではペーサーは電動アシスト自転車を使うことが多いようだ。

東京オリンピックもそうだったし、PIST6もそうである。

ただ、世界的に見るとそもそも電動バイクを使うことも多いようだ。

ルール上はそれでもOKだし、電動アシスト自転車といってもほぼ電動なんだろう。


あと最後にPIST6については現在は女子競技が行われていない。

これは女子選手が少ないってのもあるのかもね。

男子選手だとS級・A級1~2班・A級3班で分けてレースが組まれているけど、

女子選手は全員L級1班に位置づけられ、クラス分けが存在しない状況、

そんな中で別ルールのPIST6までやる余裕はないのはその通りなんだろう。

一方でトラックレースのケイリンは女子競技もあって、

というかガールズケイリンをやることになった背景がトラックレースのケイリン合わせだったので。

そのために「先頭固定競走(インターナショナル)」というルールを作ったわけですよね。


というわけでPIST6にしてもトラックレースのケイリンそのものではない部分はあるようだ。

とはいえ、PIST6には国際ルールに合わせることで外国からの参戦を期待しているところもあるはず。

なかなか日本は自転車大国とは言えないところもありますが、

プロスポーツとしての競輪は世界でも有数のものであることは確かである。

こちらにも期待はしているということで。

11人になったLiella!

今日はまた横浜に出かけていた。

急に昨日思い立ったのだが、1日目の評判を聞いて行こうと思って。

ラブライブ!スーパースター!! Liella! ユニットライブ&ファンミーティングツアー 心・技・体!極上大冒険!!

Liellaといえば5人だった頃にバンナムフェスで見たのは印象深いが、

そこから9人→11人と増えて、11人Liellaって見てたっけ?

と思ったが、よく考えたら異次元フェスの頃にはもう11人だったわ。

その11人のLiellaになって3つのユニットが組まれて、それぞれ各地を回ってきた。

それが横浜で集結ということになっている。


というわけでKアリーナ横浜、往路は横浜駅から歩いて来たが。

基本的には顔認証で入場するのだが、直前に買った人はアプリで表示したチケットを見せて通る。

このパターンに全然言及がなくてスタッフに確認すると、どこでもいいから見せて通れるとのことだった。

Kアリーナ横浜はアリーナとスタンド3層だが、一番上のLEVEL7は閉鎖されていた。

使わない場合はフタを付けられるようになっているの初めて見た。

直前に買ってLEVEL5の18列目、後ろ5列分ぐらいは空いてる感じか。

もったいない感じもするが、それでも12000人ぐらいは入れてるはず。

これだけ入れてもステージとの距離がこれぐらいならいい会場ですよね。


タイトル見てもわかるのだが、このイベントってトークイベントでもある。

ただ、3ユニット集結することもあってミュージックパートも長く、結局25曲ぐらいやってたみたい。

その評判を見て11人Liellaを観るにはいい機会かなんて思ったと。

まずはユニットで回ってきたツアーの総まとめと各ユニットでパフォーマンス。

印象としてはCatChu!とKALEIDOSCOREがどちらもボーカル重視か、

ラブライブ!シリーズにしては珍しいハンドマイクを持って歌っていた。

一方の5yncri5e!はダンス重視ということのようである。

あと、知らなかったんだけどLiellaメンバーのソロ曲もあるんですね。


Liellaについて言えばストーリーよりもパフォーマンスが先行している印象が強く、

そもそも11人になったLiellaの話は今年10月スタートのTVアニメまで待たなければならない。

ちょうど予告映像が流れたけど、11人のLiellaまではけっこう遠そう。

他のラブライブ!シリーズのユニットと比べてもLiellaの苦しいところはここである。

ただ、11人になりユニットも組まれて、パフォーマンスが充実していることは違いない。


パンパンに詰めていないからか、横浜駅への帰りの流れも悪くなさそうだったが、

安全策ということで新高島駅から電車に乗って帰ってきた。

横浜まではそこそこあるけど、急に思い立って行くのにそんなに悪いわけではない。

オフサイドはどうすればよいか

昨日はオリンピックの男子サッカーで日本vsスペインの試合があって、

U23日本代表は準々決勝敗退と相成ったのだった。

メンバーも揃わない中でさすがにスペイン相手では大変である。

結果自体はそんなもんかという感じだが、いくつか物議を醸した審判の判定があったが、

その1つが かかとオフサイド である。


予め言っておくと、この判定自体はルールに沿ったものではある。

ただ、こんなところまでVARで発見する必要があったのかという話である。

ゴールに背を向いた状態でスペイン選手に囲まれた日本の細谷選手がゴールにキックしてネットイン、

ところが前のキックの時点でかかとがスペイン選手より前に出ていたことがVARで発見された。


相手陣内で守備側チームのゴールから2番目の選手(通常はゴールキーパー以外で最もゴールに近い選手)に対して、

身体のいかなる部分でもその選手より前にあることをオフサイドポジションという。

オフサイドポジションにいる選手がボールを蹴ったり、

ボールを蹴った時点でオフサイドポジションにいる選手がプレーに関与するとオフサイドの反則になる。

この定義には沿っていることは確かである。ただ典型例とはだいぶ異なる。

VARなしならスーパープレイという話で話は済んだのではないか。


この話とは直接関係ないのだが、オフサイドのルール変更が検討されている。

その案の1つとして言われているのがヴェンゲルルールである。

オフサイドに大幅なルール変更の可能性…”ヴェンゲル式”導入を国際サッカー評議会が検討か。どのように変わる? (Goal.com)

身体のいかなる部分でも前にあれば、というのを身体の全体が前にあれば、に変更するという案である。

従来きわどいとされていたものは全てセーフになるのはもちろんで、

イメージ図にあるように、相手よりある程度ならゴール側に出ても許容されるということで、

その分、攻撃的なサッカーになるのではと期待されているルール案らしい。


このルールが検討される背景には現代のサッカーは得点が入りにくいという事情もあるのだろう。

オフサイドで取り消されるゴールの多さを考えれば、

こういうゴールもある程度は有効なものにしたほうがいいのではないか。

従来のオフサイドの考え方を生かしながら緩和できる手段として、

少しでも出ていればというのを、完全に出ていればという方法を考えたと。

大枠で見れば相手選手よりゴール側でボールに関与してはいけないという考えは変わらないのだし。


ところでオフサイドってルールはどこから来たんでしょうね?

オフサイドというルールはフットボールでは共通的に持っている考えである。

日本で多く行われているフットボールには、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなどがある。

ラグビーではボールを運ぶ手段は基本的に手で持って走ることである。

フットボールは蹴ることから来た言葉だと思っていたが、足で走って運ぶことから来た言葉という説もある。

サッカーはこの中では手を使うことが厳しく制限されたフットボールだが、

仲間同士でボールをパスして前進するのはどちらかというと邪道で、

走りながらボールをドリブルするほうが正攻法のボールの進め方なんですね。


ラグビーではボールを前に投げたり(スローフォワード)、前に落とす(ノックオン)ことは一律禁止、

キックにしてもキック時点でその選手より後ろにいた選手しか受けられない。

サッカーではパスを回して前進すること自体は禁止されていないが、

相手選手より前に出てボールを受けることはオフサイドということで禁止しているわけだ。

ただ、あまりにこれに厳密ではあまりにチャンスを作りにくいという考えもあると。


とはいえ、これが本当に期待したような効果を得られるかは懐疑的な声もある。

後退して守備を固める戦略をとれば、攻撃の手が薄くなるからである。

ヴェンゲルルールが提案されてしばらく経っているが、

なかなか実現に向けた動きが見えないのは真に期待する効果が得られるか判断が付かないのもあるのだろう。


サッカーが得点しやすくなることの効果はかなり大きいと思われる。

得点しやすくなれば引き分けというのが減ることが期待される。

これにより引き分け狙いの戦いというのは選択されにくくなるだろうと。

トーナメントのように90分引き分けは許容できないという場合は、

延長戦で120分の試合になることがあるが、そうなれば120分の可能性も見据えて選手を温存しなければならない。

120分でも決着しなければPK戦になるが、これはもはやサッカーとは言えない。

本当に攻撃的なサッカーが実現できるとすれば、得られる効果は極めて大きいと思われる。

ただ、そうなる確信は薄いのがヴェンゲルルールの難点なのだろう。


相手選手より前に出ているとは言えないのにオフサイドとなるという問題に対しては効果的である。

今回のかかとオフサイドのようなケースについては完全に回避できると言えるだろう。

ただ、その結果としてより防御的なサッカーを選ばれては楽しくないな。

そういう考えを持つサッカーファンの気持ちも理解できる話である。

ロシア選手の穴を埋めたメダル

パリオリンピックの最初、金メダル数で目立ったのが日本・中国・韓国の東アジア勢だった。

日本のメダルが多いのは柔道(特に軽量級)が日程の最初に組まれているためで、

それに加えてスケートボード、体操が加勢したところが大きい。

この3ヶ国はオリンピックでは決まって後半のメイン種目である陸上競技ではメダル数をあまり稼げないので、

あくまでも前半に限った話だろうと思うが、不思議な並びである。


ただ、これには今大会に特有の理由があるのではないかと指摘があった。

それは今大会、ロシアとベラルーシの選手の出場が厳しく制限されていることである。

東京、冬の北京とロシア選手は国の名前ではなく、オリンピック委員会の名前で参加していた。

とはいえ、実態としてロシア選手団というのは存在して団体種目にも出場していた。

しかし、北京大会後にウクライナでの軍事作戦への制裁として、ロシアとベラルーシの選手が国際大会から追放された。

今回のオリンピックについてはロシア・ベラルーシの選手は競技団体の判断で参加は可能であるものの、

条件としては個人種目に中立選手(AIN)として参加することである。

ただし、オリンピックの出場枠を争う国際大会に参加できない競技も多く、

ロシア15人、ベラルーシ17人というかなりの小所帯になっている。


となると、従来ロシアが強かった種目では他のチームにチャンスが回ると。

ロシア選手の活躍が目立った種目を見てみると……

体操、これは日本と中国にメダルが回ったと言える。

射撃、これは中国と韓国にメダルが回ったと言える。

フェンシングも日本と韓国に回った分はあるだろう。

と、ロシア選手がいない分、有利に働いている部分があるようだ。


今後予定されている種目ではレスリング、

これは元々日本が強いですけど、ロシア選手がいなくなればなおさら?

テコンドー、韓国が苦しんだ種目だが、チャンスが回ってくるかもしれない。

アーティスティックスイミング、元々ロシアが圧倒的だが、

ロシアがいなければ中国や日本にチャンスが回ってくるか。

偶然か必然か、ロシア選手の穴を埋めるのは東アジアの3国が多いのかもしれない。


今は競泳が多く行われていて、これはオーストラリアとアメリカが強く、

日本と韓国は金メダル数としてはやや置いて行かれた感じである。

一方の中国は飛び込みで金メダル数では引き離しにかかっている。

陸上競技が進む頃にはこの様相もだいぶ変わるとは思いますけど。


もちろん種目によりメダル1個の意味は全く異なるので、メダル数を比較してもあまり意味は無いように思う。

階級別にメダルが出る柔道などの格闘技はどうしても数が多くなる。

サッカーのように大所帯のチームで長期間にわたるトーナメントを戦う種目はメダル1個の重みはとても大きい。

あとさっきのランキングは金メダル数のランキングであり、

金・銀・銅の合計で言えば最初からアメリカが引き離していた。

活躍できる種目の多さや選手層の厚さがよく現れているのではないか。


国際大会にロシア選手がいないことを特に意識したのがフィギュアスケートだよね。

特に女子はロシア選手が圧倒的な強さを誇っていたから。

その分、日本・韓国・アメリカなどの選手にチャンスが回ってくるわけだが、

これまで圧倒的な強さを誇ってきたロシア選手がいないのはどうにも物足りない。

とはいえ、ドーピング問題など問題が多かったのもロシアのフィギュアスケート界である。

ファンとしても非常に複雑な思いで国際大会を見ているのでは無いか。


そういえば、アーティスティックスイミングで思い出したのだが、

今回のオリンピックからアーティスティックスイミングのチームでは男子選手の出場が可能となる。

オリンピック種目で女子競技しかないのはアーティスティックスイミングと新体操だが、

そのうち1つが今大会から変わることになる。

ただし男子のアーティスティックスイミングがオリンピック種目になったわけではなく、

8人で行うチーム種目の中に最大2人の男子選手を含むことができるというものである。


女子枠6人・男女不問枠2人というかなり特殊な種目である。

全員女子選手でもよいという点では男女混合種目とも言えないし、

必ず女子選手を含む点では馬術のような男女不問の種目とも違う気がする。

かなり不思議な種目だが、男子選手の参加が進む中でルール変更があったことによる。

世界水泳では2015年からミックスデュエット、2023年から男子ソロが実施されるようになったが、

これらの男女混合・男子種目はオリンピックでは採用に至っていない。

一方、これと同時にチームに男子選手を最大2人まで含むことができるルールができ、

これは従来からのオリンピック種目のチームにも適用されたため、このような不思議な種目ができたという。

不思議だが、これも男子種目実施に向けた地ならしかもしれない。

なお、日本チームは男子選手を入れていないので女子選手8人での演技となる。

冬のノルディック複合は男子競技しかないけど、これは廃止説があるので、

男女両方の種目がないままオリンピックに残るのは新体操が最後になりそうだが、果たしてどうなるか。