NPBのファームリーグ拡大だが、静岡のハヤテ223がウエスタンリーグに、新潟アルビレックスBCがイースタンリーグに入ることで決定したとのこと。
ウエスタンリーグは福岡県から静岡県とかなり広域で6チーム編成となるが、
ソフトバンク(筑後市)と広島(岩国市)、中日(名古屋市)とハヤテ223(静岡市)
のように2チームとの対戦をまとめて遠征するようにすれば負担は減る。
偶数チームになることで対戦スケジュールが組みやすくなるので悪くはないのかも。
いずれの2軍本拠地も新幹線でのアクセスがかなりよいので、
遠征時はバスと新幹線を使い分けながらの移動になるんだろうかね。
と、ウエスタンリーグの移動事情が気になってしまうところだが、
今日の本題はイースタンリーグに参入する新潟アルビレックスBCの話。
新潟アルビレックスBCはすでにBCリーグに参入しているチームで、
独立リーグとはいえプロチームである。今のところ黒字経営とのこと。
このチーム名を聞いて、あれ? と思ったサッカーファンもいるかもしれない。
J1リーグにも アルビレックス新潟 というチームがいますよね。
てっきりサッカーと野球を併営しているのかと思ったのだが、
さすがに別会社で、とはいえ両方ともNSGグループが関わっている。
NSGグループは新潟を中心に教育・福祉事業を行っている。
学校法人、医療法人、社会福祉法人という会社組織でない法人も多く、
プロスポーツチームもそのような複雑な関係の中にあると思われる。
で、NSGグループの関わるプロスポーツチームはいろいろあって、
- アルビレックス新潟 (サッカー: J1リーグ)
- アルビレックス新潟シンガポール (サッカー: Singapore Premier League)
- アルビレックス新潟レディース (サッカー: WEリーグ)
- 新潟アルビレックスBB (バスケットボール: B2リーグ)
- 新潟アルビレックスBBラビッツ (バスケットボール: Wリーグ)
- 新潟アルビレックスBC (野球: BCリーグ→NPBファーム)
- チームアルビレックス新潟 (スキー・スノーボード)
- アルビレックスチアリーダーズ (チアリーディング)
- アルビレックスレーシングチーム (モータースポーツ)
といったところで、全部アルビレックスって付いている。
このアルビレックスというのはサッカーチームの命名として決まったもので、
この名前を他のチームの立ち上げ時にも展開していったのが実情だそう。
スポンサー企業の名前で揃うならともかく、こういう揃え方は珍しい。
なお、女子バスケットボールの 新潟アルビレックスBBラビッツ は JALラビッツ を譲渡されたことに由来する。
すでに存在していた男子チームとの関連性も考えてこの命名になったよう。
なのでこのチームのニックネームはどちらかというと「ラビッツ」である。
女子バスケットボールのWリーグ自体はプロリーグではないと思うが、
このチームはプロチームを標榜しているようである。
あとシンガポールのサッカーチームを保有しているのもユニークですね。
アルビレックス新潟の下部組織として育成を目的としているのだが、
当地での選手・指導者の育成ビジネスという側面もあるらしい。
シンガポールのリーグに参戦しながら外国人枠の制限を受けない特殊なチームだが、
シンガポールへのサッカーへの考慮して認められているのかもしれない。
もう1つユニークな点を挙げるならば、チアリーディングチームのアルビレックスチアリーダーズ ですね。
アルビレックス新潟と新潟アルビレックスBBの両チームと専属契約を結んでいるので、
同じグループ内とはいえ独立したチアリーディングチームになっているのが特色だという。
一般的には特定のチームの下部組織として存在することが多いという。
NPBのチームと他のプロスポーツのチームを持っているといえば、
楽天イーグルスとサッカーのヴィッセル神戸を保有している楽天が有名かな。
仙台と神戸だから全然別のところにあるし、楽天傘下にある経緯も違うけど。
さらに楽天は台湾の野球チーム、楽天モンキーズ も保有している。
あとはDeNAで、こちらはベイスターズの保有をきっかけに拡大、
バスケットボール(B1)の川崎ブレイブサンダース、サッカー(J3)のSC相模原を傘下に収めている。
いずれも既存のチームの持分を取得するという形での参入である。
ファーム限定とはいえNPB参入というのはとても大きな話で、
野球・サッカー・バスケットボールと揃うのはDeNAぐらいのもので、
さらにサッカーとバスケットボールは男女あるのも驚くべきことである。
そしてその全てがアルビレックスなんだなぁって。
なお、とりあえずは1チームずつウエスタンとイースタンに加わる形だが、
3地区制への移行というのも検討されてはいるらしい。
ハヤテ223とアルビレックスの参入が濃厚という話が出てきたときに、
14チームにした上で 4チーム・4チーム・6チーム に分ければ奇数問題は解消できるよねと気づいたが、
移動負担の軽減という点では一考に値するアイデアではあったと思う。
ウエスタンリーグは端と端は遠いが、同じ方面のチームとの対戦をまとめることで移動の負担は軽減できる。
イースタンリーグは仙台と新潟だけが飛び出ているが、これは3地区制になっても特に変わらないだろう。
なので、特に手を入れる必要はないという判断もあったのではないか。