全部アルビレックスなんです

NPBのファームリーグ拡大だが、静岡のハヤテ223がウエスタンリーグに、新潟アルビレックスBCがイースタンリーグに入ることで決定したとのこと。

NPBファームリーグ拡大とJ3リーグ創設は似てる

ウエスタンリーグは福岡県から静岡県とかなり広域で6チーム編成となるが、

ソフトバンク(筑後市)と広島(岩国市)、中日(名古屋市)とハヤテ223(静岡市)

のように2チームとの対戦をまとめて遠征するようにすれば負担は減る。

偶数チームになることで対戦スケジュールが組みやすくなるので悪くはないのかも。

いずれの2軍本拠地も新幹線でのアクセスがかなりよいので、

遠征時はバスと新幹線を使い分けながらの移動になるんだろうかね。


と、ウエスタンリーグの移動事情が気になってしまうところだが、

今日の本題はイースタンリーグに参入する新潟アルビレックスBCの話。

新潟アルビレックスBCはすでにBCリーグに参入しているチームで、

独立リーグとはいえプロチームである。今のところ黒字経営とのこと。

このチーム名を聞いて、あれ? と思ったサッカーファンもいるかもしれない。

J1リーグにも アルビレックス新潟 というチームがいますよね。


てっきりサッカーと野球を併営しているのかと思ったのだが、

さすがに別会社で、とはいえ両方ともNSGグループが関わっている。

NSGグループは新潟を中心に教育・福祉事業を行っている。

学校法人、医療法人、社会福祉法人という会社組織でない法人も多く、

プロスポーツチームもそのような複雑な関係の中にあると思われる。

で、NSGグループの関わるプロスポーツチームはいろいろあって、

  • アルビレックス新潟 (サッカー: J1リーグ)
  • アルビレックス新潟シンガポール (サッカー: Singapore Premier League)
  • アルビレックス新潟レディース (サッカー: WEリーグ)
  • 新潟アルビレックスBB (バスケットボール: B2リーグ)
  • 新潟アルビレックスBBラビッツ (バスケットボール: Wリーグ)
  • 新潟アルビレックスBC (野球: BCリーグ→NPBファーム)
  • チームアルビレックス新潟 (スキー・スノーボード)
  • アルビレックスチアリーダーズ (チアリーディング)
  • アルビレックスレーシングチーム (モータースポーツ)

といったところで、全部アルビレックスって付いている。

このアルビレックスというのはサッカーチームの命名として決まったもので、

この名前を他のチームの立ち上げ時にも展開していったのが実情だそう。

スポンサー企業の名前で揃うならともかく、こういう揃え方は珍しい。


なお、女子バスケットボールの 新潟アルビレックスBBラビッツ は JALラビッツ を譲渡されたことに由来する。

すでに存在していた男子チームとの関連性も考えてこの命名になったよう。

なのでこのチームのニックネームはどちらかというと「ラビッツ」である。

女子バスケットボールのWリーグ自体はプロリーグではないと思うが、

このチームはプロチームを標榜しているようである。


あとシンガポールのサッカーチームを保有しているのもユニークですね。

アルビレックス新潟の下部組織として育成を目的としているのだが、

当地での選手・指導者の育成ビジネスという側面もあるらしい。

シンガポールのリーグに参戦しながら外国人枠の制限を受けない特殊なチームだが、

シンガポールへのサッカーへの考慮して認められているのかもしれない。


もう1つユニークな点を挙げるならば、チアリーディングチームのアルビレックスチアリーダーズ ですね。

アルビレックス新潟と新潟アルビレックスBBの両チームと専属契約を結んでいるので、

同じグループ内とはいえ独立したチアリーディングチームになっているのが特色だという。

一般的には特定のチームの下部組織として存在することが多いという。


NPBのチームと他のプロスポーツのチームを持っているといえば、

楽天イーグルスとサッカーのヴィッセル神戸を保有している楽天が有名かな。

仙台と神戸だから全然別のところにあるし、楽天傘下にある経緯も違うけど。

さらに楽天は台湾の野球チーム、楽天モンキーズ も保有している。

あとはDeNAで、こちらはベイスターズの保有をきっかけに拡大、

バスケットボール(B1)の川崎ブレイブサンダース、サッカー(J3)のSC相模原を傘下に収めている。

いずれも既存のチームの持分を取得するという形での参入である。


ファーム限定とはいえNPB参入というのはとても大きな話で、

野球・サッカー・バスケットボールと揃うのはDeNAぐらいのもので、

さらにサッカーとバスケットボールは男女あるのも驚くべきことである。

そしてその全てがアルビレックスなんだなぁって。


なお、とりあえずは1チームずつウエスタンとイースタンに加わる形だが、

3地区制への移行というのも検討されてはいるらしい。

ハヤテ223とアルビレックスの参入が濃厚という話が出てきたときに、

14チームにした上で 4チーム・4チーム・6チーム に分ければ奇数問題は解消できるよねと気づいたが、

移動負担の軽減という点では一考に値するアイデアではあったと思う。

ウエスタンリーグは端と端は遠いが、同じ方面のチームとの対戦をまとめることで移動の負担は軽減できる。

イースタンリーグは仙台と新潟だけが飛び出ているが、これは3地区制になっても特に変わらないだろう。

なので、特に手を入れる必要はないという判断もあったのではないか。

意図的に作られた地場産品だからね

来月からふるさと納税に関するルールが変わるということで、

特に返礼品を受け取る場合に影響が大きい話である。

ふるさと納税「10月改悪」にはウラがある!“負け組”自治体の泣き言に誰も共感しないワケ (ダイヤモンド・オンライン)

少なくとも半分は寄付を受けた団体に残るようにというルールの影響が大きい。

元々そういう意図でルールは作られていたが「隠れ経費」なんてものもあって、

そこを改めて明確化したという面が大きいようである。


一部で問題なのが、地場産品の定義変更である。

ふるさと納税の返礼品は地場産品でなければならないという規定がある。

地場産品というのは基本的に寄付を受ける市町村・都道府県の区域で生産されたものを指す。

一部に近隣地域の生産物を含むことができる規定もあるのだが、

特に市町村レベルで寄付を受けると適当な返礼品がない問題も起きうる。

この点で不公平感もあるものの、一定の歯止めが必要とこうなったようである。

で、この地場産品のうち熟成肉と精米について、同一の都道府県内の材料であることが条件に加わることとなった。


そりゃそうやろという感じで見ていたのだが、泉佐野市を狙ったものという話があるそう。

もともと泉佐野市は様々な返礼品を並べて寄付金を集めていたのだが、

地場産品でなければならないとなって返礼品を揃えることが難しくなった。

このため返礼品のための地場産品を開発していくこととなったよう。

地元の返礼品に転換した泉佐野市 ふるさと納税のノウハウに視察続々 (朝日新聞デジタル)

返礼品に提供して寄付が集まれば、その寄付を原資に補助金を出すということらしい。

マッチポンプでは? という気はするけど商工振興のために寄付金を使うこと自体は必ずしもおかしな話ではない。

そこで目を付けられたのが熟成肉と無洗米だったという。

特に熟成肉工場は地場産品開発のために新設されたという経緯がある。


ただ、実態として地場産品と言えるのかという疑問はあった。

区域内で一定の付加価値を与えているとは言えるものの、

肉そのもの、米そのものに限りなく近いからである。

かといって新しい地場産品基準でも熟成肉・精米が認められなくなったわけではない。

原材料が同一都道府県産であれば、熟成肉・精米の加工場所の地場産品となるからである。

必ずしも区域内で生産された肉・米でなくてもよいのである。

泉佐野市にとってみれば大阪府産の肉・米を原材料にすればよいのだが、

そもそも大阪府での生産量が少ないわけで、実質的に不可能である。

これが泉佐野市を狙い撃ちにした基準なのではという根拠である。


ただ、泉佐野市には狙い撃ちにされるだけの理由はあると思いますけどね。

そもそも熟成肉の生産で評判を得ている企業が市内にあったならともかく、

実態としてもっぱら返礼品のための熟成肉を生産する工場を誘致したわけで、

そういう異常なことをして寄付を集めるのは問題というのはもっともである。

全国見渡せば返礼品で一定のニーズが見込めるという理由で開発された商品はいろいろあるけど、

もともとある地場産品の発展だったりするケースが多いのではないか。

それが呼び水になって返礼品に限らず売れる製品になっていればとても価値があると。


熟成肉・精米は肉そのもの、米そのものに近いという理由で対策が取られたが、

さっきのニュースを見ると泉佐野市内にはビール工場の建設も進んでいるという。

地場産品開発のための補助金を受けることが前提の新工場である。

さすがにビールを市内で醸造して地場産品でないと言われることはあるまい。

大阪府泉佐野市のふるさと納税の使い道「『ヤッホーブルーイング大阪ブルワリー(仮称)』創造プロジェクト」とは? (マイナビニュース)

飲食施設を併設したり、大阪周辺での需要開拓とかも目論んだものではあるので、

必ずしも返礼品だけのための工場とも言えないのだろうが、どうだろう?

なお、本来は今年から泉佐野市産のビールが返礼品として提供される予定で、

すでに寄付を受け付けていたのだが、開業が遅れて2025年開業とのこと。

そのため、代替として従来の工場で生産されたビールが提供されたとのこと。

どの文字コードでドイツ語を表している?

とある事情でうちの職場の人がドイツ語でコメントが入ったソースコードを解読することになったという。

ドイツの会社で昔に設計されたシステムに組み込まれたマイコンのプログラムだそう。

よくこんなの入手したなぁと思うんだけど。


ドイツ語の多くはASCIIの範囲で表せるが、ウムラウト付きの文字とエスツェットは含まれない。

それで文字コードの選択で「中央ヨーロッパ言語」とか選ぶんだけど、

それでもどうにもおかしいのでバイナリエディタで細かいところを見る。

すると”ü”が0x81というデータで表されているように見える。

一体どんな文字コードなんだろう? 少なくともISO 8859シリーズではないことは確かである。


それでWikipediaのヨーロッパ言語の文字コード一覧をめくっていると、コードページ437であることが判明した。

コードページ437 (Wikipedia)

相当古い文字コードなんですよね。

ASCIIの図形文字(0x20~0x7E)とは互換性があるが、それ以外の部分には独自の文字がぎっしり定義されている。

ASCIIの外側に定義された文字にはドイツ語などの表記に必要な文字もあるが、

罫線がかなり多くて画面に表を表示することを意図したんだろうかとか、

それ以外にも記号類に割いている部分が多いのが特色である。


ドイツ語の表記ならばCP437の範囲で問題ないのだが、

ヨーロッパ言語を表記するという点では物足りないものではあったようで、

もしかすると罫線や記号を削ってアルファベットに置き換えたCP850だったのかもしれない。

いずれにせよ、これらが標準規格にならなかった文字コードである。

デファクトスタンダードってやつですね。


ヨーロッパ言語を表記する文字コードで規格化されたのがISO 8859シリーズである。

これは0x00~0x7FはASCIIと互換性があり、0x80~0x9Fに制御文字の拡張、0xA0~0xFFに図形文字の拡張を行ったものである。

図形文字の拡張は使用を想定する言語ごとに様々設けられている。

もっともよく知られているのがLatin-1こと ISO 8859-1 である。

ドイツ語の表記もかつてはこれが一般的という認識だった。


日本のJIS X 0201もISO 8859と同じような考え方で作られている。

JIS X 0201は1バイトでASCII相当の文字と日本語のカタカナを表現するもの。

カタカナや日本語の記号を0xA0~0xDFの範囲に並べている。

Shift_JISはJIS X 0201との互換性を意図して作られたもので、

いわゆる半角カナとして1バイトのカタカナを表記することができる。

JIS X 0201自体は今となっては古い規格だが使えなくはない仕組みである。


一方のCP437だが、少なくとも手元のエディタでは対応していなかった。

調べてみるとPythonでCP437をエンコーディングに指定できるようで、

with open('in.txt',encoding='cp437') as srcfile:
   textdata=srcfile.read() with open('out.txt','w',encoding='utf-8') as dstfile:
   dstfile.write(textdata)

という、ただテキストデータを右から左に書き直すだけのプログラムを書けば、

多くのエディタが対応しているUTF-8に変換できる。

これでドイツ語として読めるデータになった。


それにしてもなんでCP437あるいはCP850だったんだろうね。

コンピュータ内部で閉じる問題だったからASCIIの外側は何でもよかったのだろうが。

ただ、インターネットでのデータ交換ということで言えば、

Unicodeが普及する以前はISO 8859シリーズを使うのが普通だったはず。

だからそういうのとは全く異なる環境だったんだろうな。


日本語の場合、1バイトではほとんど表現できないのは明らかだったが、

ヨーロッパ言語の場合、1バイトで表記できるという考えが当初あったのだと思う。

ただ、ヨーロッパには様々な言語があり、言語ごとに使う文字もいろいろ。

ラテン文字を使う言語で使う文字を1バイト内に収めることすら容易ではない。

おそらくこのような状況を打開するためにUnicodeが生まれたんだろうなと。

当初のUnicodeは2バイトで世界中の文字を表現しようと考えていた。

ヨーロッパ人の想像では65536字あれば足りると考えていたのだろう。

それをシンプルに表現する手段としてUTF-16という文字コードが考えられていたのだろう。


ただ、漢字圏は大変で、CJK統合漢字やハングルでいろいろ混乱を生みながら、

最終的には65536字で全て表現するのは無理というところに行き着いている。

UTF-16でU+10000以降の文字を表現するためのサロゲートペアもそれはそれで混乱の元である。

このあたりの混乱が収束するまでは各国独自の文字コードを使うことが多かったのが実情だと思う。

ヨーロッパと比べると各国独自の事情が多くて統一できないので。

今では日本語でもUnicodeが使われることは増えた印象である。

JIS X 0221で追加された文字はUnicodeでの表現を想定していることや、

絵文字がUnicodeに収録されたことなど、Unicodeを使うメリットが増してきたのではないか。


というわけでASCIIの外側をどう拡張するかというのは、

ヨーロッパではいろいろなバリエーションがあって、今回はその中でも古いタイプのものを引いたということが言える。

まさか一般的なエディタで対応していない形式を引くとは思わなかった。

日本生まれセントレジャー経由凱旋門賞行き

日曜にはフランスで凱旋門賞が行われる。

日本からはスルーセブンシーズが参戦、ということで馬券発売が決まっている。

中山牝馬ステークス優勝を受けて登録、宝塚記念2着ということで参戦を決めたという。

今年は日本から有力馬の参戦見込みがなく、JRAでの馬券発売はどうなるかと思ったが、なんとかかんとか。


そんな凱旋門賞だが、もう1頭、日本生まれの馬が参戦するという。

凱旋門賞出走15頭確定ハーツ産駒コンティニュアス追加登録 独ダービー馬ファンタスティック急転参戦 (netkeiba)

それがContinuousで、日本生まれ、アイルランド調教、

そして先日、イギリスのセントレジャーを優勝している。

セントレジャー優勝を受けて高額な追加登録料を払っての参戦である。


日本生まれの馬がイギリスのセントレジャーを勝つってどういう状況だと思うが、

クールモア所有の繁殖牝馬が北海道新冠町のパカパカファームに預けられていたと。

Continuous(JPN) (JBIS Search)

預けられていた目的は日本の種牡馬との交配のためである。

日本では生まれた牧場を生産者と書くが、世界的にはBreederというのは母馬の所有者を指す。

北海道生まれアイルランド育ち、ドイツ生まれ日本育ち

このため当地での認識はクールモア生産馬ということになる。

とはいえ、新冠生まれであることは確かであり、優勝を祝う垂れ幕が町内の施設に張り出されたという。

にいかっぷ観光協会/新冠町のパカパカファーム生産のコンティニュアス号がイギリスのG Iレースであるセントレジャーを優勝しました!―― (Twitter)


セントレジャーといえば、日本の菊花賞のモデルとなったレースである。

どちらも3000m級の3歳限定戦だが、そのようなレースを行う国は限られている。

ヨーロッパではイギリスの本家セントレジャー以外にそのようなレースはないという。

日本では皐月賞・ダービーと勝てば三冠を賭けて菊花賞に来るのは普通だし、

今年は皐月賞優勝馬とダービー優勝馬がそれぞれ二冠を賭けてやってくる。

どちらも揃うのは珍しいが、皐月賞・菊花賞の2冠はわりと発生している。

それに比べるとイギリスのセントレジャーは有力馬は揃わない傾向だという。

歴史あるレースではあるんですけどね。


イギリスのセントレジャー優勝馬は障害用種牡馬になることが多いという。

ハリケーンレーンが引退、障害競走用種牡馬へ 愛ダービーなどG1・3勝&凱旋門賞3着 (日刊スポーツ)

アイリッシュダービー、パリ大賞、セントレジャーとG1 3勝、本家ダービー3着、凱旋門賞3着という成績は大変立派である。

このような馬を障害用種牡馬にするのはヨーロッパでの障害戦の地位の高さを表していると言える。

日本では平地から障害への転向が通常だが、ヨーロッパではデビュー時から別路線という。

長丁場のセントレジャーで勝ったということで種牡馬としての期待はそっちへ向かうと。

これはこれで立派だが、障害戦で走るならデビュー前に去勢されてしまいますからね。

この先、血統がつながる可能性が低いのが難点である。


日本では菊花賞馬が引退後に種牡馬として活躍するケースがけっこうある。

例えば、デアリングタクトやエフフォーリアの父エピファネイア、

皐月賞2着、ダービー2着からの菊花賞優勝、翌年のジャパンカップも優勝している。

イクイノックスやソールオリエンスの父キタサンブラック、

皐月賞3着、ダービー14着からの菊花賞優勝、天皇賞(春)2勝、大阪杯、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念など計G1 7勝である。

菊花賞だけの一発屋とかだとなかなか苦しいかもしれないが、

「強い馬が勝つ」と言われる菊花賞だけにこのあたり充実した馬が多い。


セントレジャー優勝馬の凱旋門賞への転戦というのは、

なかなか結果が出ていないルートだと言われている。

1970年に三冠を達成したNijinskyが三冠達成後の凱旋門賞で2着に敗れたことから、ニジンスキーの呪いと言われているが。

(ちなみにNijinsky以来、イギリスでは三冠馬は生まれていない)

セントレジャーが3000m級の特殊なレースで、それ以外の戦績は物足りないとなればContinuousの期待値はあまり高くないのかなという気はする。

でも、オブライエン厩舎はContinuousが最もチャンスがあると見ているようですね。


クールモアは日本に繁殖牝馬を送り、日本の血統をヨーロッパに伝えている。

今年のダービー馬、August Rodinも引退後は種牡馬としてヨーロッパにディープインパクトの血を伝えることになるだろう。

Continuousにもそのような期待をしてしまうのだが、

先ほど書いたように障害用種牡馬となればその1代限りであろうと。

今後の戦績次第ですけどね。

今まで外交関係を結んでなかった理由

こんなニュースを見て、本当にクック諸島とニウエに大使館開設するの? と。

米大統領、クック諸島とニウエに新たな大使館オープンを発表へ-AP (Bloomberg)

実際に島に大使館を開設するかはともかく、アメリカと両国はこのたび外交関係を結ぶことになったそうである。

米 クック諸島 ニウエと外交関係樹立へ 中国念頭に関係強化か (NHK)


そもそも今まで外交関係なかったの? と疑問に思った人もいるかもしれない。

これにはクック諸島とニウエに特有の事情がある。

実はこの2つの国はニュージーランドと自由連合協定を結んでいる。

この協定では国防・外交に関する責任をニュージーランドが持つこと、

クック諸島・ニウエの人々はニュージーランドの国籍を持つことになっている。

このため実務上はニュージーランドとの外交関係があれば足りると考えられている。

しかし、自由連合協定を結ぶ各国は独自の外交をすることが認められており、

このことを踏まえて日本は2011年にクック諸島を、2015年にニウエを国家承認している。

駐ニュージーランドの大使がクック諸島・ニウエも兼任する形なんですけどね。


果たしてクック諸島とニウエは独立国なのかというのは見解が分かれるところがある。

ニュージーランドの制度では、ニュージーランド王国は ニュージーランド、クック諸島、ニウエ、トケラウ、ロス海属領で構成されるとなっている。

ただし、ロス海属領は南極条約により領有権の主張は行われていない。

このうちニュージーランド、クック諸島、ニウエは対等な関係にある国同士となっている。

対等な関係にあるというのは、各国の判断で自由連合協定から離脱できるということである。

国防・外交はニュージーランドが代表して行うが、各国独自の外交を行うことも可能である。

一方、トケラウについては一定の自治権を有するが、対等な関係にあるとは言えない。

実はニュージーランドとしてはトケラウに自由連合協定への移行を提案しているのだが、

トケラウでの住民投票で否決されたそうで、移行できないままだそう。


複数の国が結合した国というのはけっこうある。

例えばイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国の国王が兼任する形で生まれている。

現在もこの4つの国それぞれにサッカー協会が存在することが知られている。

一方で主権国家としては1つの国として扱われている。

イギリス全体の議会や内閣が国レベルの最高機関として存在しているし、

他の国との外交関係もイギリス全体で結ぶことになるからである。


ニュージーランドと似たような形で複数の国が対等に結合した国としてオランダがある。

オランダ王国は、オランダ、アルバ、キュラソー、シント・マールテンで構成される。

オランダはヨーロッパ地域とカリブ海地域の3島(BES諸島)で構成される。

オランダ以外の3つの国はカリブ海の島だけで構成される。

各国は独自の憲法・政府・議会を持つが、それより上位にオランダ王国憲章を持ち、

国防・外交・国籍についてはオランダ王国として責任を持つ。

実態としてはオランダ王国の構成国であるオランダが代表してやっている。

このあたりは必ずしも対等とは言えない関係性ではあるが、

オランダ以外の構成国に関わる条約にはその国の同意が必要などの規定があるという。


逆にフランスはヨーロッパの本土と同じ地位にある海外領土が多数ある。

国会の選挙権は有しているし、EUの市民としての権利も有している。

海外領土の中には高度な自治権を持つ物もあり、

特にニューカレドニアでは独立に向けて住民投票も行われたが否決されている。

独自の法体系を持ち、高度な自治を認められているが、フランス議会の選挙権もあるし、独自の外交関係を結ぶことは出来ないという状況である。


現在、海外領土などと言われるいわゆる本土から遠く離れた領土の多くは離島である。

経済的な自立が難しい国が多いため、独立の機運が高まらないと。

地理的に離れているが本土と同じ地位を選ぶ地域もしばしばある。

オランダのBES諸島はオランダ領アンティル解体時に本土化を選んだ比較的小さな島である。

本土住民と同等の権利を主張できる一方で、独自の政策には制限がある。


かといって完全な独立国になることも容易ではない。

そこで複数の国が対等な関係で結びついたものを選ぶことがあるのだろう。

オランダの場合は各国は主権国家とは扱われないが、

オランダ王国憲章は全ての構成国の同意がなければ変更できないし、

その憲章の範囲で各国は独自の政策をとることが出来る。

ニュージーランドの場合は、自由連合協定からの離脱の自由がある。

国防・外交の責任はニュージーランドが代表することにはなっているが、

各国に独自の外交を行うことも認めているのでそれぞれが主権国家という主張である。


あと、自由連合協定というのはアメリカとパラオ、マーシャル諸島、ミクロネシアの間でも結ばれている。

こちらは国防をアメリカ軍が担い、外交のうち安全保障に関わる部分はアメリカに委ねている。

その代わり、アメリカから経済的な援助がある。

それ以外の分野については全面的な主権が認められているため、主権国家として扱われるのが普通である。


実態としてクック諸島、ニウエとの外交関係がどれぐらい効果的なのかはよくわからない。

確かに両国は独自の政策をとることはできることになっている。

でも、実務的にはニュージーランドと方針を合わせざるを得ないだろう。

経済的に困難な島にとって、自由連合協定からの離脱は現実的ではないので。

太平洋諸島フォーラムなどの場で国同士の対等な立場で議論するための体裁なのかな。


ちなみに現在、クック諸島とニウエに実際に大使を駐在させているのは、ュージーランドとオーストラリアだけとのこと。

どちらも国王を同じくする国同士なので高等弁務官って言うけど。

逆にクック諸島とニウエが大使(高等弁務官)を駐在できている国もあまりなくて、

ニュージーランド、フィジー(クック諸島のみ)、ベルギー(ニウエ)に留まる。

実態としてはニュージーランド駐在の高等弁務官が、ニュージーランド駐在の各国大使とやりとりするという形みたいですね。

ニュージーランドの首都ウェリントンにおいて、我が方、伊藤康一駐クック諸島日本国特命全権大使(ニュージーランドにて兼轄)と先方エリザベス・ライト=コテカ駐NZクック諸島高等弁務官(H.E.Mrs. Elizabeth Wright-Koteka, Cook Islands High Commissioner to New Zealand)との間で、供与額1.5億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

(クック諸島に対する無償資金協力「保健医療体制の強化及び上下水インフラ環境改善のための機材供与」 (外務省))

これが実態に即してるんでしょうね。

EX-ICが消えて、KIPSとPiTaPaは?

ポストに三菱UFJ銀行から封書が届いていて、

開封すると来年10月でKIPS三菱UFJ-VISAが廃止になるとのこと。

これは三菱UFJ銀行の口座に付帯するクレジットカードである。

基本的に年会費有料(条件を満たせば無料)のKIPSカードの中で無条件で年会費無料ということで、

東京三菱UFJ銀行(当時)の口座開設とともに作ったものである。


このカードを作った目的は近鉄の定期券購入とPiTaPaのため。

すでに近鉄沿線を離れた今となっては定期券購入という目的はなく、

PiTaPaのために維持し続けているカードというのが実情である。

PiTaPaの年会費というのは別に設定されているが年1回でも使えばよい。

時々は関西に行くので近鉄やOsakaMetroで使えば特に問題はない。


KIPS MUFGカードへの移行を促す案内が入っており、

これで移行するとKIPSポイントを引き継いだ上で特典も付けるよと。

年会費もPiTaPaを付帯している場合は年1回のショッピング利用でよい。

(PiTaPa利用だけでは条件を満たさない)

ただ、今となってはKIPSカードである理由もないし、

PiTaPaの利用も少なければ割引の恩恵も限定的なわけでどうしたものか。

Suicaオートチャージの効かない関西に行って残高を気にしなくていいのは楽だけど、

残高不足への対策だけならばモバイルSuicaを使うという選択肢もある。

PiTaPaだけならば三井住友カードに付帯させる方法も考えられる。

使えなくなるまでにはまだ1年の猶予があるので、しばらく考えようと思う。


交通系のクレジットカードと言えば、ビューカードとJ-WESTカードがある。

ビューカードはSuicaオートチャージ や えきねっと で使うのだが、

J-WESTカードはEX予約のために「エクスプレス」を選んで作っている。

ただ、今年10月からEX予約の料金体系が大きく変更になり、年会費分のメリットが出ない可能性が高まった。

エクスプレス予約の差を縮めるため

EX予約自体は使っていたが、スマートEXでも同額で利用できる早特商品を使うことも多く、

1回使えば元が取れるケースもあるので保険のような形で残していたところはある。

しかし、新しい料金体系ではそれすらないので、やめようかなと書いた。


それで先日、申込書を取り寄せて、J-WESTカードの「ベーシック」への変更申込みを行った。

手続きが完了すると、J-WESTカードは切り替わることになるが、

それとともにEX-ICカードもその役目を終えることとなる。

かつてはEXサービスを使うには専用のICカードの発行が必要だったが、

年会費無料のスマートEXが登場してからは適当な交通系ICカードに紐付けて利用するようになった。

実はJ-WESTカードでEX予約を使う場合でも、適当な交通系ICカードに紐付けることはできて、

そうするとEX-ICカードを持ち歩く必要はないのだが惰性で持ち歩いていた。

今でもEX-ICカードの発行自体は続いているようだし、

e特急券の受取に使えることを考えれば無意味とも言えないが。

(現在はe特急券の受取にはクレジットカードは使えないため)


というわけで財布から1枚カードが減ることは決まっているのだが、

KIPSカードとPiTaPaカードはどうなりますかねと。

KIPSカードを切り替えて両方残るという案、

他のPiTaPaに切り替えてPiTaPaだけになるという案、

そもそもPiTaPa自体がいらないということでどちらも消える案。

いずれにせよまだ少し先の話なので。

ヤフオクからPayPayフリマ

今月からPayPayフリマの商品がヤフオクの検索結果に出るようになったという。

ヤフオクとPayPayフリマの間には密接な関係があって、

条件を満たすヤフオクの商品はPayPayフリマでも買えるようになっていた。

でも、その逆はこれまでなかったんですよね。


というわけでどうやって表示されるのか見てみた。

そしたら検索結果の中に「PayPayフリマ」というマークが付いて表示され、

現在価格=即決価格という形で見えるようになっている。

ただ、それをクリックするとPayPayフリマのサイトに飛ばされるので、

実際の取引はPayPayフリマのシステムを使ってやることになる。

PayPayフリマは出品はアプリ限定だが、購入はWebでもできるし、

アカウントは共通だし、使えるクーポンの差ぐらいの話だが。


あとPayPayフリマでは価格未定での出品も出来るのだが

さすがにこれはヤフオクでは表示されないよう。

価格未定での出品というのは購入希望者から希望価格を募り、

それを見て価格設定できるというもの。

出品者が価格設定するまでは買えないので、そこも微妙な仕組みだが、

価格を全く決めずに出品できるのはメリットかもしれない。

オークションだと最低価格は決めないといけませんからね。


正直なところ、PayPayフリマの取引量は物足りない気はする。

売る方としてもそうだし、買う方としても物足りない。

ヤフオクの方がもうちょっと活発だが、オークション形式だとすぐ買えないので……

このあたりは両にらみでやることはあるけどね。

PayPayフリマとヤフオクの定額出品の差は終了日時を決めるか否か。

この点では期限を決めないPayPayフリマの方が出品する方にとっては楽。

しかしヤフオクとPayPayフリマだとどうしても認知度に差がある。

今回、双方の検索結果に表示されるようになったので、

その結果としてPayPayフリマの出品が増えれば取引が活発になるという目論見ではないか。


PayPayフリマを出品する上で前提となるのが匿名配送を利用すること。

その配送システム使用料だが来月から変更になる。

対象は ゆうパケットとネコポスというもっとも小型のタイプで、

従来はゆうパケットが180円だったのが205円になる。

ゆうパケットポストminiについては175円に据え置きになっているが。

専用封筒を20円で買う必要があるのと、やや小さいのもあるか。


ゆうパケットを205円というのは特別高いという印象はないが。

ただ、クリックポストの185円に比べれば高くなってしまう。

あと205円というのは送料込みで出品する場合の送料負担額であって、

ヤフオクで送料別払いの場合はゆうパケットの料金は230円となる。

こうするとクリックポストを使って発送してくれる人との差はより大きい。

特にヤフオクでは匿名配送が使いにくくなるなとは思った。

PayPayフリマでは使わざるを得ないが、205円ならギリギリ許せる?


今はメルカリではクリックポストでの発送をしてるんですよね。

メルカリの匿名配送でゆうパケットを使うと230円も取られる。

ゆうパケットポストなら215円(+ラベル代5円)だけど。

メルカリでは匿名配送を推奨しているがそれ以外の手段を使ってもよい。

メルカリもキャンペーン合わせでやればシステム使用料は実質5%に下がることが多い。

そうやっていいとこ取りをしていたと。


全体的にはPayPayフリマは便利だと思うんですけどね。

もっと取引が活発になればいいんだけど、なかなかそうはならないので、

出品者としても条件を満たせばメルカリに回っちゃうよなぁと。

そこを打破する策としてヤフオクの検索結果への掲載は期待しているが……

Bharatって国名はあるんだけど

先日、ニューデリーでG20サミットが行われた。

端から見る限りは混乱の多いサミットだった印象はあり、特にこれ。

突然の首脳宣言合意 日本政府関係者「聞いてない」「ふざけるな」 (毎日新聞)

インドとしては各国折りあいが付く内容が決まった時点で合意としたのだろう。

実際、首脳宣言のとりまとめは大変だったらしいんだけどね。


このG20サミットの少し前に話題になった話がある。

インドは国名変更へ? (Indo.to)

G20サミットの参加国関係者に送られた夕食会の招待状に

“The President of Bharat”という記載があって物議を醸したという話。

これまでインドでは自国の英語表記はIndiaと書いてきたのだが、

なぜかBharatという記載を出してきたので、なんだこれとなったと。


Bharatというのはヒンディー語の国名のラテン文字表記ですね。

インドの憲法は英語版とヒンディー語版があるのだが、

英語版ではIndiaと表記しているものがヒンディー語版ではभारत(Bhārat)になっていると。

インド国内でも英語表記としてはIndiaの方が正確な表記である。

ただ、多くのインド国民にとってみれば国名はBharatに相当する表記で人しきれているので、

その点では英語表記の中でBharatと使われてもそこまで違和感はないと。

日本におけるJapanと日本(Nippon)の関係みたいなもんだろうと。


もしインドが国名の英語表記をBharatにしたとしても、

対外的にはそんなに問題があるとは思えない。

それが定着するかというのは課題はあるが、時間をかければそれなり?

ただ、どちらかというと国内の問題の方が大きそうだし、

そもそもこのG20サミットの夕食会招待状も国内的な事情によるものではと。

野党連合がINDIAという名前でまとまったことへの反発や、

ヒンドゥー至上主義で支持を得てきたモディ首相の考えがあると。


さっきインドの憲法に英語版とヒンディー語版があると書いたが、

実はインドがイギリスから独立するときに英語を公用語から外す案があった。

ところがそれは実現せず、連邦レベルの公用語としてはヒンディー語と英語が並立する形となった。

そもそもインドでは州レベルの公用語があり、18言語にも及ぶ。

このほかに公的な地位を持つ言語もあり、多数の言語が使われている。

インド国内では圧倒的に話者数が多いのがヒンディー語ではあるが、

連邦レベルの公用語をこれに統一することには南部を中心に反発があり、

共通語としての英語を公用語として残すこととなったという経緯がある。


ヒンディー語以外でもBharatに相当する表記が多いようではある。

Names of India in its official languages (Wikipedia)

大きく異なるのはウルドゥー語のHindustānとタミル語のIntiyāあたりか。

ヒンドゥー教徒の土地という意味のヒンドゥスターンはいかにもムスリムの言い分だが。

(ヒンディー語とウルドゥー語は根本的には同じ言語なのだが、ヒンドゥー教とイスラム教という宗教の違いで表記や語彙の差がある)

パキスタン(現バングラデシュ含む)と分かれたとは言え、世界有数のムスリムを抱えるのがインドである。

タミル語を公用語とするタミル・ナードゥ州はヒンディー語を連邦レベルの公用語に統一することへの反発が強かった地域ですよね。

どっちもめんどくさそうな話だなと思いますね。


英語表記の中でBharatと使ったことは、植民地時代に決められたIndiaという表記を捨てることが目的だという話もあるけど、

インドという国がこの形になったのはイギリス領インド帝国ありきのもので、

連邦レベルの公用語として英語が残ることになったのもその結果である。

そのような経緯を考えたときにBharatという表記への納得感には疑問は残る。

そこの納得感が深まった上で英語表記もBharatとするべきとなったならいいけど、

現時点ではモディ首相の暴走と取られても仕方ない話だよねと。

乗継割引ではチケットレスにならない

新幹線・在来線特急の乗継割引が来年春から廃止になるとのこと。

北陸新幹線(敦賀接続)と西九州新幹線については別制度なので、

こちらは今後も新幹線・在来線特急の料金優遇は残るのだが……


廃止される乗継割引というのは、在来線特急側を半額とする制度で、

もともとは長距離の在来線特急が新幹線に接続する特急に変更されたことに対応する措置だった。

例えば、かつては 大阪~米子 を直通する特急が設定されていたが、

山陽新幹線が岡山に到達してからは、岡山で新幹線と やくも号 を乗り継ぐ形となった。

こうすると特急料金の負担が増えるので、在来線側を半額にすると。

ただ、この在来線側を半額というのがいかにも雑な話であって、

京都~米原~富山(新幹線開通前)のように米原で新幹線としらさぎ号を乗り換えると、

京都~富山でサンダーバードを使うより安かった。京都~米原の新幹線を自由席で使えば割安だから。


長距離の在来線特急がなくなってもうだいぶ長いし、

特別な事情のある西九州新幹線と北陸新幹線を手当てできればOKというのは理解できる面もある。

一方で料金的に不利な区間を埋める割引きっぷの重要性は高くなる。

新潟自由席往復きっぷ (JRおでかけネット)

例えばこういうやつ。これは前日購入という条件はあるが。


JR東海は代替手段として「EX旅先予約」という名前を書いている。

2023年10月1日、「エクスプレス予約」で新たな新サービスを開始します! (EX予約)

この西日本の資料を見ると、EX予約をしてからe5489で「乗継チケットレス特急券」やフリーきっぷが買えるというような記載がある。

JR東海は具体的なことを言っていないのだが、同社は在来線特急の予約サービスはe5489を利用している。

東海道・山陽新幹線はEX予約で購入し、西日本・東海管内の接続列車はe5489で買うという形になるのかな。

ただ、西日本管内は特急運行区間でのICOCA導入やチケットレス特急券導入が進んでいるが、

東海管内はそういう話は聞かないのでどうなのかなと気になるところはある。


乗継割引を廃止する背景には各社のインターネット予約サービスで対応できていなかったからではという話もあった。

あれ? e5489って新幹線・在来線をセットで買えたようなと思ったんだけど、

これは制度上の乗継割引ではなく「eきっぷ(乗継用)」という独自商品で実現されていたもので、

紙のきっぷなら乗継割引になる区間でも買えないことは多かった。

そのJR西日本にとっても紙のきっぷの発券が必要なeきっぷだけの対応でチケットレス化はできていなかった。

今後は新幹線・在来線双方でチケットレスを利用するのが合理的になるようにしていくのではないか。

結果として従来より割高になるケースも増えるのだろうが。


ただ、乗り継ぎがある上に割高では利用者は寄りつかないですからね。

というのが北陸新幹線の敦賀乗り継ぎの料金設定を見て思ったんだけど。

北陸新幹線の特急料金の認可申請について (pdf) (JR西日本)

北陸新幹線は来年3月に金沢~敦賀で開業する。

これにより京都・大阪~福井・金沢・富山は敦賀乗り継ぎとなる。

敦賀~大阪のルート決定に時間を要したなどの事情もあり、現在の計画では2046年までこの状態が続くことになる。

関西~北陸など敦賀経由での移動をする人には困った話ではあるのだが、

新幹線の効果を早期に得られる部分は得た方がよいという判断でこうなっている。

新幹線側は福井が時間短縮効果がほぼないのにだいぶ高いとか、

在来線側は京都と大阪の料金差が大きく、京都発着と大阪発着でだいぶ印象が変わる。

敦賀からの料金表に引きずられているのだと思うのだが。


他の交通機関との関係もあるので、実勢価格はそこそこになるとは思うのだが、

新幹線・在来線特急の乗継割引廃止も含めて手当てするべきところは多いのかなと。

特に西日本管内は新幹線・在来線の乗り継ぎがあれこれとあるので、

そのあたりをEX予約とe5489の連携でなんとかしたいのかなとは思う。

都市戸籍と農村戸籍みたいな話

中華人民共和国では都市戸籍と農村戸籍という話があって、

農村出身の人は都市に移住しても農村戸籍のままで受けられる行政サービスに差があるという。

都市で就職して一定の条件を満たせば都市戸籍への移行は可能らしいが、

上海などの大都市では要件が厳しくて、農村戸籍のまま住んでいる人は多いという。

中国「都市戸籍より農村戸籍は不利」、戸籍制度とも絡む根深い教育格差の実態 (東洋経済ONLINE)


こういう話とは違うのだが、日本のかつての戸籍制度では住所と本籍が一致するのが原則とされていた。

ただ、当時の戸籍というのは何世代も入った家単位で編成され、

分家や転籍などの制度はあったが、戸主の同意が必要などの制約もあった。

そんなこんなで本籍と住所が一致しないことは多かったようである。

そこで本籍以外の場所に住所・居所を置く場合は寄留届を出すことになっていた。

本籍から離れて住んでいる場合だけに必要となる手続きである。


1951年に寄留制度は住民登録制度に改められている。

これにより本籍に住んでいる場合も住民登録を行うこととなった。

2012年からは外国人も住民基本台帳制度の対象となっている。

ほとんどの行政サービスは住民登録を元に行われている。

戸籍は婚姻や親子関係などを表す制度という形に分離された。

現在となっては日常生活の中で本籍を意識することはあまりない。

なんで住所表示で本籍を定めないといけないんだろうという疑問もあるぐらい。

でもかつては本籍=住所が原則だったとか考えると、なるほどと納得はいくかもしれない。


中華人民共和国の都市戸籍と農村戸籍の差異は同国の計画経済との関係が大きいという。

中華人民共和国では土地を私有することはできない。

都市の土地は国有で使用権を取得して建物を建てることができる。

一方、農地については農民による集団所有という形で使用することができる。

このような権利を持っているので、農村の社会保障は手薄な傾向がある。

ただ、農民ではなくなると農地を使用する権利も失うこととなる。

都市に引っ越しても出稼ぎという体で農村戸籍を維持して、農地の権利を維持したいというニーズもあるらしい。

私有財産に制限があるがゆえに戸籍制度ごとの差異がいろいろあると。


このような状況を中央政府としては好ましくは思っていないようだが、

一方で地方政府としては財政面の問題から是正を渋っているのかなとか見える。

このあたりの制度差がなくなれば、重要なのは住所だとなるんだろうけどね。

歴史をたどれば、農村戸籍でも部分的には都市での行政サービスが受けられるようになっただけで進歩なんて話もあるんでしょうけどね。