先日、アーモンドアイの初子、アロンズロッドが4戦目にして初勝利を挙げたということで話題になっていた。
たかが未勝利戦という人もいるけど、JRAで未勝利突破するのは大変なことですからね。
というわけで関係者一同ほっとしたのではないかと思う。
ただ、初勝利を挙げた未勝利戦の条件を聞いて驚いた。
東京芝2400m……お母さんが勝ったオークスとジャパンカップと同条件ですけど、
未勝利戦で2400mってそうそうない条件だったような……
確かに昨年実績で芝2400mの未勝利戦は年間15レース、そんな片手で数えられるほどではないけどさ。
そもそも芝2400mの新馬戦というのは存在しない。
なぜか? それは距離設定を馬の成長に応じて変えているためである。
JRAでは2歳6月から新馬戦が始まる。
しばらくは2歳戦は長くても1800mまでのレースが設定されている。
7月になると2000mのレースもちらほら見られるが、2歳戦では2000mが最長距離である。
年を越して3歳になると2100mとか2200mのレースが行われるようになるが、
近年は新馬戦の条件としては見られないようだ。
で、3歳2月になると2400mの未勝利戦がちらほら設定されるようになる。
実はアロンズロッドが勝った2400mの未勝利戦はこの世代最初の2400m戦でもある。
翌日のゆりかもめ賞(1勝クラス)が2レース目といった具合である。
レース設定に合わせてだんだん距離を伸ばして初勝利に届いたのが2400m戦だったと言われると、
この馬はけっこうなステイヤーなのかもしれないなと想像できる。
実際、2400mの未勝利戦を勝った馬を見てみると、長距離戦でよく見る名前がちらほら見られる。
2021年4月の阪神芝2400mで初勝利して、昨年の天皇賞(春)を優勝したテーオーロイヤルとか、
2022年4月の東京芝2400mで初勝利して、メルボルンカップ2着だったワープスピードとか、
2023年4月の京都芝2400mで初勝利して、今年の万葉ステークスを優勝したゴールデンスナップとか、
3000m級のレースでの活躍馬が多いですよね。
果たしてアロンズロッドがこの先どのような活躍をするかはわかりませんが。
当然、ダービーと同条件ということでダービーは目標に考えるだろうが、
このタイミングで未勝利突破からだと、ダービーの出走枠を得るのはなかなか厳しい。
チャンスがないわけじゃないので、手は考えているようだが。
一方で、3歳で3000m級と言えば、そりゃ菊花賞でしょうよ。
秋に向けて余裕を持ってレースが選べるので、その点でもよさそうである。
ところで、さっき芝2400mの未勝利戦を勝った活躍馬を紹介したが、
実はもっとすごい活躍をしている馬がいるんですよ。
それが東京大賞典2勝、ドバイワールドカップ制覇のウシュバテソーロである。
実はウシュバテソーロは2勝クラスまでは芝で勝ち上がっている。
3勝クラスでダートのレースに出てみたら勝ち上がって、
そこからダートに転向してOP 2勝して、東京大賞典に出て勝って……・
それが5歳シーズンの話である。けっこうダート転向は遅かったんですね。
これはレアケースですけど、スタミナがあるとそういうこともできるのかも。