Bリーグの練習生とNPBの育成選手

バスケットボールのプロリーグであるBリーグだが、こんな話が。

Bリーグがチームスタッフの選手登録切り替えを制限…練習生の規定も新設  (バスケットボールキング)

スタッフとして登録されている人を選手登録に切り替えること、練習生には実費以上の支払いを行ってはいけないという内容。

これだけ見るとなんのこっちゃという感じはあるのだけど……


Bリーグでは1チームで選手登録可能な人数は10~13名と定められている。

これに加えて特別指定選手として16~22歳の高校生・大学生を2名まで登録できる。

登録可能期間は最大3ヶ月ということでインターンシップだねと書かれていた。

それで登録可能な10~13名の中で外国籍選手(アジア特別枠を除く)は3名以内、帰化選手またはアジア特別枠の外国籍選手を1名以内登録できる。

(アジア特別枠はフィリピンなどアジアの近国出身者が対象)

さらに外国籍選手(アジア特別枠を除く)は同時に2名までの出場に限られる。

バスケットボールが5人でプレーするスポーツとはいえ、いろいろ狭き門だなというのはわかる。


というわけでこの枠外で有望な選手を抱える方法として「練習生」があると。

練習生の中から必要に応じて契約を結べば効果的だと。

ただし、練習生はあくまでも練習生なんだから実費以上の金銭を払ってはいけませんよと釘を刺したと。

また、チームスタッフならば当然報酬の支払いは発生するが、

そのチームスタッフを選手登録してはいけませんよと。

スタッフという名目で報酬を払って選手候補を囲い込んではいけませんよと。


この問題が特に顕著なのが外国籍選手だという話があるそう。

外国籍選手の登録枠は3人に限られるため、負傷などで離脱するときに十分補充できないと。

体格の問題もあり外国籍選手が戦力に大きく影響するのが実情である。

このため外国籍選手候補をスタッフや練習生として囲い込んでおいて、

それで必要時に選手登録をするということが横行していたらしい。

そこに対して最低限の制約を明文化したというのがこのことらしい。


かつて練習生というのはプロ野球(NPB)にもあったというが、現在は育成選手制度が創設されている。

育成選手にできるのは、ドラフト会議(育成ドラフト)で指名された選手か、

NPBで自由登録になった選手か外国人選手ということになっている。

育成選手は2軍戦に最大5人まで出場でき、必要によって1軍戦に出場できる支配下登録に移行することが出来る。

育成選手になる前にドラフト会議を経る代わりに、必要時に支配下登録に移行できるというのがポイントですかね。

報酬面では最低年俸は240万円で新人選手には支度金を支給するなど。


選手の育成には一定の効果を発揮しているところだが、育成目的か疑わしい使われ方もある。

1つが長期離脱となる選手が育成選手に移行するというもの。

自由契約にした後に育成選手としての契約を結ぶという手続きを踏む。

長期離脱なので1軍戦に出るわけはないので育成選手でもよいと。

この他にも支配下登録から自由契約を経て育成選手への移行はしばしば見られるという。

負傷者が相次いで2軍戦の出場選手が不足したため、スタッフを育成選手として契約するケースもあるという。


それにしても、支配下登録から自由契約を経て育成選手になることに意味はあるのか?

実はここに育成選手制度の穴がある。最低年俸の規定はあるが報酬の上限はない。

梶谷は2億円で育成契約、高梨は1億1千万円でサイン (産経新聞)

年俸2億円の育成選手!? となってしまうが、制度上は問題ない。

自由契約になれば他球団と自由に交渉できる。

ところが、所属球団からは高額報酬での育成選手契約を呈示されている状況では他球団は手出しできない。

そもそも育成のため育成選手を多く抱えること自体がお金がかかる取り組みだが、

実績のある選手を支配下登録の枠外で高額報酬でキープするのはなおさら。


さらにこの育成選手契約への移行には他のメリットもあるという。

これがフリーエージェントの人的補償の対象にならないことだという。

フリーエージェント宣言した選手をNPB球団が獲得する場合、

元所属チームは獲得したチームから金銭補償と同チームの選手を獲得すること(人的補償)が受けられる。

ただし、人的補償で選手を獲得せずに金銭補償の増額を選択することもできる。

なお、獲得した選手が元所属で年俸が上位11位以下ならば補償不要である。

で、人的補償で獲得できる選手は支配下登録の選手からプロテクトされた28名・外国人・新人選手を除くとなっている。

これは育成選手はプロテクトせずとも人的補償で取られる心配がないと。

このことが俗に「育成プロテクト」と呼ばれていると。


NPBが育成選手の制度化が必要で、Bリーグで練習生がはびこることの差を考えて見ると、

NPBにはドラフト会議があり、Bリーグはこれがないというのはあると思う。

(NPBで練習生が存在した頃はドラフト外入団が可能だった時代でもある)

3部制のBリーグにはドラフト会議での戦力均衡化がそぐわない事情もあるようだが。

とはいえ、さすがに練習生という立場はいろいろ問題があるのではないかという疑問はあるが。


あと、Bリーグの問題としては限られた外国籍選手への依存ですよね。

外国籍選手の離脱というのも限られた選手を酷使するがためという側面もあるようだ。

プロリーグとしての魅力を高めるという点では外国籍選手は役立っているが、

ナショナルチームの強化と考えると日本人選手の出場機会が確保できない問題があると。

外国籍選手の登録枠を拡大する話もあるみたいなんだけど、

一方で外国籍枠をギチギチに使えないことが日本人選手の出場機会確保になる面もあるかもしれない。

こんなこと書いているけど、Bリーグの試合を見ているわけでもないし、

あんまりあれこれ言うもんではないと思うんだけど、なかなか思うようにはいかないのかなと。