先日、ポストに布マスク2枚が投函されていた。
4月17日のニュースで東京都世田谷区を筆頭に配布が開始されたと報じられたが、
数量がそろうのに時間がかかったり、追加の検品が必要になったり、広く配布されるには時間を要した。
一体どれぐらいの地域で配布が終わったのかよくわからないところはある。
でも他府県でも届き始めているような話は聞くので、届き始めれば早いのかなと。
布マスクの全戸配布に至った背景としては、まず不織布マスクがとにかく不足していたこと。
不織布マスクについてはできるだけ医療用に回したい。
一般の人がマスクを着用することで自分の感染を防ぐというのは難しい。そういう文献もあると聞いている。
もっとも国民病であるところの花粉症対策には明確に効くわけで、そこで不織布マスクが入手難では困っただろうが。
今年の花粉の飛散が少なめだったのが救いですね。それでも苦しんだ人はいただろうけど。
こと新型コロナウイルス対策としては、一般人に期待されたのはマスク着用で他の人にうつすことを防ぐことだった。
この目的であれば不織布マスクでなくても、布マスクでも効果が得られるのではないか。
もともと不織布マスクを仕方なく洗って再利用することが横行していたわけだから、
それならもとから洗うことを想定した布マスクがよいだろうと。
億単位の布マスクを確保するために、政府が一括発注して、全戸配布することにしたと。
全戸配布には日本郵便のタウンプラスを使用する。おおざっぱだが早く配布できる方法である。
ただし、これだけでは必要数行き渡らないので、小中学校向けとか、介護施設向けとかいくつかの経路を併用することが前提である。
というわけで、このマスクは人にうつさないためのものであり、不織布マスクの浪費を防ぐためのものである。
在宅勤務続きで、外に出るのは買い物ぐらいだけど、買い物に行く店でもマスク着用の呼びかけがあるわけだから。
そんなわけで届いたマスクを着用してみたのだが……
鼻・口ともに覆うことはできるのだが、この状態では口は小さくしか動かせない。
そして、だんだんと下にずれていくので、気づけば鼻の穴が出かけていて、引き戻す必要があったり。
あと、正しい付け方をしたとしても、顔に平面のマスクを当てるわけだから、隙間がいろいろなところにできてしまう。
果たして、これでどれぐらいの効果が得られるのだろうか? ここがよくわからない。
布マスクの配布を決定する前後で、日本において布マスクの地位は高まってきた。
ただ、これが政府の全戸配布のおかげなのかはよくわからない。
どちらかというと、いろいろな業者が布マスクを製造・販売するようになったことの方が影響として大きいと思う。
布マスクを物色したことはないんだけど、市内で布マスクをしている人を見ると、
配布されたマスクに比べると、隙間ができにくく、鼻・口ともに確実に覆いやすい形状になっている印象である。
こうして布マスクが普及したこと、不織布マスクの製造が増えたことで、不織布マスクの入手性も改善したという。
すでに布マスクを持っている人にとっては、全戸配布の布マスクの方が優れていることはないとみられる。
市内でマスクをしている人も半分以上は自分で購入した布マスクに見える。
一方の不織布マスクも需給が改善しているので、これも使っている人はひどく苦労しているわけでもあるまい。
市内全戸にマスクが配布されたとみられるが、自分以外に同様の布マスクを付けている人は1人見たかどうか。
こうなってくると、本当に全戸配布の意味あったのかなぁと思ってしまう。
結果的に言えば、マスクの需給危機を救ったのは、意欲的に布マスク作りに取り組んだ業者に違いない。
ただ、万単位で製造するのと、億単位で製造するのはまた違った難しさはある。
目的からすると、できるだけ多くの住民に早く配布したかった。
そのためには政府一括発注という手段によらないとならなかったのは納得できる面もある。
費用も500億円もかかってないそうなので、国レベルでこれなら安いと思いますよ。費用はとりあえず1回限りだし。
ただし、問題はこのマスクは本当に効果があるのかというところである。
鼻・口ともに確実に覆うことがやや難しいこと、隙間ができやすいこと。
あと、配布された物はガーゼなので布目が比較的粗いのも気になるところ。
飛沫は捕捉できそうだが、一度捕捉された飛沫が、結局は繊維を抜けて飛散しそうである。
それでも、せき や くしゃみをするときだけ、口元を袖などで押さえるよりは効果がありそうだが。
でも、その程度の効果に留まるんじゃないか。それは本当に見合っているのか?
見切り発車で取りかからざるを得なかったことは仕方ないんだけどね。
すぐに億単位の布マスクを製造するのに、あれこれと作り込むのは無理なのは当然ですから。
やっぱりハズレでしたねとなっても、500億円もかかってないし、その程度なら仕方ないかとは思いますけど。
費用をかけても効果のあるものを作れれば、それはそれでいいと思うんだけど、
どういうものを作れば効果があるのかはわからないわけで、スピード重視なら仕方ない。
スピード重視した割には、各戸に届くのは今頃かよという感じはあるけどさ。
結局は国がやらなくても、民間企業が先行してやってしまったのが実情だったけど。
いずれにせよ、後の感染症対策のためにも、布マスクの効果というのは検証が必要だなと思う。
着用した人が他の人にうつすことを防ぐ目的で、布マスクがここまで大々的に使われることもこれまでなかっただろう。
現時点で、素材・形状・使い方いずれを取っても洗練されているとは言いがたいのは仕方ない。
この点について研究が進めば、人にうつすことを防ぐという目的では効果的な布マスクが作れるんじゃないかな。
これが明らかになる頃には新型コロナウイルス対策の目的ではもはやいらないものになっているかもしれないが、
ここは毎年猛威を振るうインフルエンザにも共通する対策かと思うので無意味ではないだろう。
一定の品質基準ができれば、多くのメーカーが作って、安く買えるようになるだろうし。目指すはそこだと思う。