コネクタを全部ショートさせたもの

耐電圧試験をやるということで、そのための治具を用意しろという指示を受けた。

以前、同様の試験をしたことがあって、そのとき使ってた治具を掘り出せばよいと思っていたそうだが、捨ててしまったそうで。


この治具というのは、コネクタの全端子を短絡してケーブルを付けたものである。

今回の耐電圧試験はグランドと信号線などの間の絶縁耐力を確認するのが目的になっている。

この信号線を接続するためのコネクタに取り付けて使うための治具を作ってたんだけど、

なぜ全端子を短絡するんだろうか?


短絡する理由は故障防止のためという話がある。

耐電圧試験で調べたいのはグランドとコネクタの各端子の間の絶縁耐力である。

コネクタの各端子間に電圧を印加する必要はないし、むしろ印加してはいけない。

例えば、端子1と端子2の間には本来5Vしか電圧がかからないとすると、そこに1kVとか印加されてしまうと故障してしまうのは当然である。

そこで、耐電圧試験を効率よく、安全に行うために、試験対象の端子を全て短絡した治具を用意したのである。

これでコネクタの全端子とグランドの間に1kVとか高い電圧を印加することができ、

なおかつコネクタの端子間はショートされているから、変な電圧が印加される心配がない。


全端子を短絡するってのもけっこう大変な話だ。

というのもこのコネクタってかなりピン数が多かったのよね。

ユニバーサル基板にコネクタを付けて、それを端子間を短絡するためのワイヤーとともにはんだ付けするということで、

細かい作業ということはないのだが、とにかく全て短絡というのはやや手間のかかる作業だった。

これにケーブルを取り付けて完成と。


完成したということで、以前、同様の試験をしていた人に見せに行くと「これってケーブルの耐圧大丈夫?」って言われた。

確かに「太めのケーブルを付けて」とは言われたけど、耐圧は全く考えてなかったな。

ケーブルの刻印から調べたところ、十分な耐圧のあるケーブルであることが分かったので、これで安心して使えることが分かった。

どうも、この方が、以前に作った治具に使ったケーブルは耐圧が不十分だったので、

ケーブルの上から絶縁テープを巻いて、それで万が一のことがないようにやったんだそうで。

「なんとなく拾ってきたケーブルだったけど、かなり上等なケーブルだったんですね」ということで、今回は運が良かった。


そんなわけで準備ができたので、道具の使い方を教えてもらいながらやるって話なんだろうな。

今までやったことあったっけ? 確かなかったはず。