天皇陛下が生前に退位できるようにする法律案がほとんど固まったというニュースが流れている。
結局は恒久法にはならないようだけど、先例ができれば後に役立つだろうことで国会でも合意できたようだ。
だから、今後は粛々と手続きが進むということになるんだろうと。
さて、明治以来、一世一元ということで、天皇が即位するごとに元号を変えることになっている。
だから、今の天皇が退位して、次の天皇が即位すると、それで元号を変える必要がある。
とはいえ、生前に退位されるのなら、計画的に日程を決められるので、元日に元号を変えられれば都合がよい。
年の途中で元号が変わってしまうと、例えば1989年が日付によって昭和64年と平成元年で分かれてしまうなんてことがまた起きる。
これはこれで必要なことであったのだろうけど、やっぱり不都合だから、回避できるなら回避したい。
当初は元日に新たな天皇が即位すれば、新年から新しい元号が始められて好都合だと言っていた。
ところがそれは宮中行事との兼ね合いで難しいと指摘があった。
そこで考えた結果、即位の翌月に改元を行うという方法でこの問題を回避することにしたようだ。
陛下退位、18年12月に 政府検討、改元は19年元日 (朝日新聞)
ある年の12月の適当な日に新たな天皇が即位されて、その翌月に改元すれば新年から新しい元号が始められると。
即位から改元まで多少の時間差は発生するが、月末近くで即位すればあまり大きな問題はないだろうということのようだ。
その昔は、「踰年改元」ということで、ある事象の翌年の始まりで改元するという方法もよく使われていたようだ。
通信などが未発達な時代だと、いきなり改元をやるのは難しかった。そういうことで準備期間をおいて改元するという方法が好まれたと。
ところが、即位してから改元されるまでの期間がかなり長くなってしまうというデメリットもある。
そんなわけで、新たな天皇が即位されたということを早く印象づけるという点では、難点もあったわけである。
だから大正・昭和・平成の改元は即位の当日か翌日に改元を行うということをやってきたのだという。
今まで3度行われてきたことだからあまり疑問には思ってなかったけど、絶対ではないらしい。
なお、元号の運用と天皇の即位は自動的にリンクするものではないので、改元の運用にはある程度の裁量の余地がある。
天皇の即位がなければ改元はできないと法律に定められているけど、即位後すみやかに改元しなければならないという規定はない。
なので、従来からキリがよいところで改元するという方法を取ることはできた。
平成の改元では、大正・昭和の改元の先例を踏まえて即位の翌日に改元するという選択をしたということである。
天皇即位の日に「この政令は、公布の日の翌日から施行する」と付して制定したわけだ。
このあたりは内閣の裁量なので、翌月から改元するという運用に特に問題はないわけだ。
必要な法律案ができて、それに伴う政府の対応方針もほぼ固まったので、
これで法律が成立したら、日程や儀式の詳細を決めてもらえばOKってことなんでしょうね。
国会が見届けるのはここまでだけど、実は先にはいろいろあると。