ロシアでBRICSの首脳会合が行われているニュースがあった。
BRICSと言えばBrazil, Russia, India, China, South Africaの頭文字を拾ったもので、
この5ヶ国による会合だったのだが、今回からエジプト, UAE, エチオピア, イランが加わり、9ヶ国による会合となっている。
BRICS首脳会議 22日からロシアで開催 加盟国が拡大して初 (NHK)
それってBRICSなのか?
答えは拡大してもBRICSはBRICSらしい。なんだそれは。
実のところBRICSとはどういうまとまりであるかというのは明確ではない。
G7は裕福な自由民主主義国の集まりであることと対比すれば、
これとは異なる価値観で成長した新興国の集まりと言えそうだがどうだろう?
参加希望の国もいろいろある中で、とりあえず4ヶ国加わったというのが実情らしい。
元々のBRICSの5ヶ国はG20のメンバーでもある。
実はG20を構成する19ヶ国とEUを分類してみると、
7ヶ国とEUはG7メンバーで、5ヶ国がBRICSの当初メンバー、
残る7ヶ国はアルゼンチン・インドネシア・オーストラリア・サウジアラビア・韓国・トルコ・メキシコとなる。
これらは先進国やそれに近い国が多い印象を受けるが、そういう国の集まりもあり、
それがMIKTAで、Mexico, Indonesia, Korea, Turkey, Australia の頭文字を拾っている。
インドネシアは成熟度が低い気がするが、全体的にはG7に次いで成熟度が高い国の集まりと言えそうだ。
BRICSにはヨーロッパ・アメリカの大国を中心としたG7に対抗する意図もありそうだが、
実はそれも明確ではなく、ロシアや中国は対抗心が強いが、インドは慎重という話もある。
BRICS、西側制裁に懸念 「拡大」「反米」に温度差も―ロシア主導で首脳宣言採択 (JIJI.COM)
新興国の共通的な課題を結束してアピールしていきたい意図はあるが、国ごとに事情はいろいろ。
拡大前後を通じてBRICSというのが新興国を代表していると言えるかは疑わしいところはある。
新興国と呼ばれる国々の中では早くに発展し、規模の大きな国々とは言えそうだが。
というわけで拡大前後を通じてBRICSの位置づけの難しさはある。
ただ、外交の様々なところで除外され続けていたロシアが盛大に国際会議を開くということが、
BRICSというのがG7を中心とした世界とはずいぶん違うことを如実にあらわしているとは言えそうだ。
そういう国々の集まりに価値があると考える国はけっこうあるんだろう。
BRICSのさらなる拡大が進むのかは不透明なところはあるけど。
元々、日本にとって見れば中国・ロシアという近国がBRICSメンバーで、
タイ や マレーシア などもBRICSへの加盟を申請したなんて話も。
どちらも中国との交流が深いことからBRICSに興味を持っている。
そうなると近国のかなりがBRICSで結束を強めることになるのかもしれない。
一方で日本はアジア唯一のG7メンバー、地理的には孤独なもんだな。
韓国やオーストラリアなど、G7と価値観を共有しているであろう国は近所にもいるんですけどね。