昨日は西湖・鳴沢まで出かけていたが、その反動で今日はそこそこに抑えておこうと。
出発して黒々した富士山がよく見える。天気がよいのもあるが、走っている道路の名前を見ると「富士見バイパス」と、そのままだった。
別に富士山を見たくて作ったわけではなく、吉田市街の渋滞を避ける目的で作られた道路である。
富士見バイパスを完走して少し南に進むと、ドーム状のものが付いた建物が。
これ、以前に忍野村に行くバスの車窓から見て、気になっていた施設なのだが、
富士山レーダードーム館という博物館である。
ご存じの方もおられるかもしれないが、かつて富士山頂には気象レーダーがあった。
それが1999年に運用停止、その後に移設されたレーダードームを展示する施設として作られた。
なぜ富士山レーダーが作られたか? 大きな目的は台風の観測だという。
ちょうど富士山レーダー建設を追った50分のドキュメンタリーが放映されていたので全部見たのだが、
海上にいる台風を観測する手段というのはかつては極めて限定的だった。
太平洋上に浮かぶ鳥島(東京都)に気象レーダーを作る案もあったが火山活動のため困難、
それならば高さで稼ごうというのが富士山レーダーの発想である。
800kmという遠方まで観測できる気象レーダーはこれまでになく、後にIEEEマイルストーンとして列せられている。
しかし、物資輸送・気候・高山病と非常に厳しい環境でたいへんな難工事だった。
輸送という点では馬と強力による輸送ではうまくいかず、ブルドーザーによる輸送が導入、
空気が薄くても動くブルドーザーというのは課題だったが、現代も物資輸送に使われている「ブル道」が開拓されたという。
1964年から台風観測など活躍してきたが、1977年に気象衛星「ひまわり」が打ち上げ、
こちらが台風観測のメインとなっており、富士山レーダーは老朽化に伴い運用停止となったのだった。
ただ、実は気象衛星で代替されたというのも厳密ではなく、代替となる気象レーダーを2箇所増設しているのである。
必ずしも遠方を観測するという役目だけではなかったらしい。
最上階にはドームでアンテナがクルクル回転する様子や、操作盤などが展示されていた。
さて、次の目的地へ向かう。さらに標高を上げてやってきたのが船津胎内樹形である。
ここにくるきっかけというのは、昨日に鳴沢村で見た溶岩樹形にある。
溶岩樹形というのは溶岩が木を取り囲んだ跡である。
溶岩が木を取り囲むと熱いので木は燃えるのだが、燃える前に溶岩が固まってしまうと、結果として木の形がくりぬかれた溶岩が残る。
これが富士山周辺にはいくつかあって、鳴沢溶岩樹形は12個が天然記念物に指定されている。
国道の脇に逸れた森の中にあるのだが、多くは井戸のような穴が見える。
小型のものだと岩を丸いドリルでくりぬいたように見えるし、
11番の溶岩樹形は水蒸気爆発が伴って形成された溶岩スパイラクルということですさまじい形である。
で、このときに船津胎内樹形は人が入れるような溶岩樹形だという話を知り、それでやってきたわけである。
「河口湖フィールドセンター」と書かれた建物に受付があるらしい。
200円払うといろいろ説明があったのだが、まずこれは船津胎内神社の中に存在している。
神社の社殿の幕をくぐると洞窟のようになっていて入れるわけである。この200円は拝観料ってことらしい。
複数の木が折り重なるように倒れてできた穴で、けっこう複雑になっている。
コの字型のメインルートを通り抜けて拝観するが、途中に20mほど細くて長い穴が分岐している。
かがんで通らないと通れないこの穴の奥を母の胎内といい、
ここを通って生まれ変わってから、富士山に登るというのが流行ったらしい。
しかし、穴の形状を観察すると、確かにこれは木が折り重なった跡だなというのがよくわかる。
確かに信仰の対象になりうる不思議な岩である。
さて、今日は比較的早く河口湖ステラシアターにやってきたので周辺を少し見て回った。
河口湖総合公園の一角にあり、隣接地は芝生広場など町民の憩いの場になっているようだった。
この河口湖ステラシアターは一応は野外音楽堂というものである。富士河口湖町の施設である。
客席はコンクリートの段々になっていて、各自「座布団」というかウレタンマットを持っていってその上に座る。
ただ、隙間はあるが開閉式の屋根はかかっているので、全天候型ではある。
河口湖ステラシアターというと思い浮かぶのが茅原実里という名前である。
2009年~2021年に毎年、この場所でコンサートをしていたのである。
歌手活動の休止でいったん打ち止めになったと思ったが、今年再開してまた河口湖ステラシアターを使っている。
この会場の大得意先で、富士河口湖町の町史に名を残しているかもしれない声優・歌手である。
入口の一角には2018年に10周年を祝う植樹がなされていた。
それで河口湖ステラシアターのアクセスが絶妙に悪いという話は聞く機会が多かったと。
河口湖ステラシアターの話を詳しく書くのが今日の記事になったのは分量の都合だが、
今日のPoppin’Partyの公演について公式が「野外ライブ」というのは、
確かに野外ではあるが壁も屋根もあるしなぁ……と途中までは思っていた。
3日連続で参加していたから思うのだが、昨日までと異なる点がいろいろある。
1つはステージが2段構成になっていること。手前に通常の演奏に必要な楽器はすべて揃っているが、
後ろの段には一体なにが? と思うわけだが、昔からPoppin’Partyのステージを見ている人ならわかるはず。
アコースティックコーナーのための楽器や椅子などを置いてたんですね。
かなり久しぶりで5人揃ってやるのは2019年の7th LIVE以来。
2人だけなら2021年の「香澄とたえの放課後居残りツアー」でやってるんですがね。
ずっとやりたいとは思ってたんだろうが、構成上難しいところもあった中でやっと番が回ってきたと。
もう1つ、昨日までなかった花道、でべそみたいな形だが、追加されていた。
それだけ歩き回って演奏するよってことなんでしょうね。確かに大活躍だった。
そしてアコースティックコーナーが終わったところで、なんと壁が動き出し、
ステージ後ろが開き、屋根もゆっくりと開いて「野外ライブ」と化したのである。
すっかり暗くなって夜空が見えるのを待って開けたようだ。
座席と壁・屋根の位置関係で見えにくかったが、最後には花火が打ち上げられた。
バンドリの中でもここまで引き出しが多いのはPoppin’Partyぐらいのものである。
キャラクタとして演奏するということならばRoseliaにはかなわないところもあるが、
Poppin’Partyはメンバーのいろいろなこだわりも相まって、ステージでできることは本当にたくさんある。
ただ、声優としての仕事もいろいろある中で、あれもこれもとは行かない事情もあり、
この機動性の悪さが後にMorfonicaやMyGO!!!!!など新バンドが出てきた理由かもねと。
だからこそ今回の河口湖は外せなかったわけですよね。
曲数はそこそこに抑えたが、その分やりたいことはいろいろ詰めたので充実度は高かった。
そして最後に発表されたのだが、来年5月に日本武道館で公演を行うとのこと。
2017年の4th LIVE(当時、ガールズバンド史上最速の日本武道館公演なんて言われたりもした)、
2019年の7th LIVE、これはRoselia、RAISE A SUILENで会場を使い回したやつ。
そして、2025年で3回目となるが、これまでとバンドとしての充実度は全然違いますからね。
いろいろある中で今のPoppin’Partyにふさわしい場所はどこだと考えて行き着いた結果ではないか。
河口湖ステラシアターはこの立地とはいえ狭かったからね。(見切れ席も動員している)
TVアニメ合わせとかそういうこともなく自由にできると思うので、やりたいことはどんどこやって欲しいですね。