VRSへの登録が遅れると困る

ワクチン担当大臣がこんなことを言うのはなぜだろう?

接種記録遅い自治体、ワクチン配送見送りも 河野担当相 (朝日新聞デジタル)

実はここにはいろいろな事情があるので掘り下げて考えてみる。


ここまでファイザー製ワクチンの市町村への供給は、

概ね人口に応じて、市町村の希望数を考慮して供給してきたのだが、

来月に入ると、希望数が供給可能数の倍ぐらいに達するらしく、全然希望数に追いつかないらしい。

一方で各市町村に供給してから、接種するまでの在庫というのもある。

これまでの供給数に比して接種数の少ない市町村には在庫が滞留しているはず。

だから、接種数の少ない市町村はワクチンを配布しないこともありうるという話である。


ただ、問題はワクチン接種数の把握にVRSの記録を使っていることである。

地域の体制によってはVRSの記録が遅れているところがあり、極端な場合は全く記録されていないところがある。

極めてシステムの数値が低い自治体がある。在庫を積み増しても仕方ないという考え方もある

なんて大臣は言ったらしいが、とにかく実際の接種状況とは乖離があるわけである。


実はそのことは国も把握していて、ちょっと前にこんなことがニュースになった。

菅義偉首相は9日午後、立憲民主党の枝野幸男代表との党首討論で、新型コロナのワクチン接種について「順調に進んでいる。昨日は100万回を超えてきた」と述べた。ただ、加藤勝信官房長官は同日午前の記者会見で100万回は「未達」との見方を示した。

(首相「接種は大体100万回」 官房長官「未達」の見方 (朝日新聞デジタル))

VRSに登録された接種回数が1日で100万回増えたことをもって、1日100万回程度の接種に達していると総理大臣は解釈したが、

官房長官は実際に達している可能性は低いんじゃないかと言っているわけである。


VRSへの接種記録登録の推奨方法は接種会場でタブレットPCを使って記録する方法で、

国は接種会場(集団接種・医療機関)にタブレットを貸し出すと言っているが、実際には医療機関ではほとんど使われていないという。

これは医療機関がVRSの操作に人手を割けないといった理由で、市町村が肩代わりしているケースが多いからである。

接種できる医療機関の数を多くするためにはここは妥協せざるを得なかったと言われている。

この場合、医療機関から予診票を回収してから登録となるので、タイムラグが発生する。

なので、ある日の接種回数の増分というのは、A会場では前日の接種数だが、B会場では1週間前の接種数ということは当然ある。

この観点では1日の増分は平均的には1日の接種数であり、1日100万回接種数が増えれば、1日概ね100万回の接種だということになる。

しかし、実際にはVRSへの登録はもっと滞っており、今は接種が優先だと先送りにしてきたところも多かったんだという。

ところが国からさっさと登録しろとケツを叩かれ、休日返上で登録したとか、まぁそういうこともあるらしい。


で、当初はVRSへの登録が遅れることでワクチンの配分が遅れるなんてことは全く想定されていなかったという。

なぜならば、接種回数の管理はワクチンの配分に使うV-SYSというシステムで管理していたからである。

V-SYSにはA会場の累計接種回数は何回とか数字で入れればいいので、各医療機関で予診票の枚数を数えて入力するだけでOKと。

ところが、ある時期からV-SYSとVRSで二重管理になるのは好ましくないということで、VRSに一本化されることになった。

しかしながら、上で書いたようにVRSへの登録はもともとリアルタイムでできない接種会場も多い上に、

実際には登録を先送りにしていた市町村もあって、全然実態に合わない数字になってしまったのだという。


本来はVRSはワクチンの接種状況を全国広域でリアルタイムで把握できるようにする仕組みだった。

実際、大手町の接種センターでの接種記録が、すぐに各市町村に伝達されるなどはVRSのおかげとも言える。

これがうまくいっていれば、大臣の言うようにワクチンの在庫数や消費ペースをリアルタイムで把握して、

それに応じて配分数をコントロールすることはできるかもしれない。

が、実際にはVRSのタブレットが全接種会場に設置されることはなく、リアルタイムでの把握は出来ていない。

また、それが問題であると各市町村が認識したのは比較的最近だったというところも問題だった。


じゃあ、これでワクチン接種が滞るのか? というといくつか回避方法はある。

1つは都道府県による調整で、各都道府県は総数をどのように市町村に割りあてるか加減できるので、

VRS上の進捗は悪いが実際に在庫がないという市町村には多く配分することは都道府県の判断としてできる。

とはいえ、接種数とVRSの乖離が大きな市町村だらけだとこういう調整はうまくいかない。

でも、それでもやりようはあって、それはこれがファイザー製ワクチンの配分数であること。

モデルナ製ワクチンの配分は別にあるので、こちらで必要な接種回数を稼ぐということもある。

すなわち、広域接種センターなどモデルナ製ワクチンをすでに使っている会場での接種を見込んで、

その周辺市町村の配分数を減らして、集団接種会場を広域センターに集約するとか、

あるいは市町村の接種に使うワクチンをモデルナ製に切り替えるという方法がある。


実はこの問題というのはファイザー製ワクチンの供給を5~6月にドカンと固めた結果であり、

このおかげで市町村は在庫を尽きることを気にせずに接種体制を拡大できたとも言える。

ところが、ファイザーの供給スケジュールというのもあるので、7月の供給量は概ね半減することになる。

その見通しは少し前から示されていたのだが、この段階でより具体化してきたという状況である。

一方で、後発のモデルナ製ワクチンは同一会場で混在しないようにやってきたところだが、

市町村の接種ペースが維持される前提だとファイザー製ワクチンが尽きてしまうので、

従来はファイザー製ワクチンを使ってきた会場の一部をモデルナ製に転換する必要があるが、

かといって1回目・2回目は同じメーカーにするルールなので、混在する時期があり、これがどうなるかということである。


とりあえず各市町村とも計画を立て直す時期にはあるんだと思う。

当初計画にはなかった広域接種センターや職場での接種数を見込んだ上で、

市内医療機関でこれだけ、市の接種会場はファイザーがこれだけ、モデルナがこれだけとか。

ただ、そのために必要な情報もそろっているとは言えないし、一方でファイザー製ワクチンの供給数は来月には細ってしまう。

市町村担当者はなかなか大変である。


製造業でも現場の情報をリアルタイムで把握することの難しさが言われることがある。

ワクチン接種ではVRSにありのままの接種データがリアルタイムで入れば、

それをリアルタイムで分析して、地域・年齢層・接種場所などの切り口で状況が把握できるはずだった。

でも、それはすぐに頓挫してしまったんですよね。

VRSの操作性の問題などが課題として語られることは多いし、実際それは大きな問題なんだけど、

今までのそういうシステムが定着していなかったところに、無理やり導入しようっていったってうまくいくわけない。

結局は従来の定期予防接種のフローを生かしながら、VRSとどこかで連動させるような形が受け入れやすく、

それでもVRSのメリットはあるのだが、リアルタイムでの把握というところは多少なりとも失われてしまうわけである。


というわけで、VRSへの登録が滞っている市町村は打つワクチンがなくなるということはすぐにはないと思うが、

ただ、結果としては早期にモデルナ製ワクチンの割合を増やすことにはなるかもしれない。

このことから、近所で接種できると思っていたら、想定外に広域接種センターでの接種を迫られるような地域も出るかも知れない。

でも、全くワクチンにありつけない地域が出るというのは現実的な心配ではないと思いますね。

これで困る地域はモデルナ製ワクチンの接種会場にありつきやすい地域とみられているので。

バルコニーのフタを開けて避難する?

今日も今日とて在宅勤務してたら、仕事中にチャイムが鳴って、

玄関からインターフォンで呼ばれたのかと思ったが違って、

気のせいかな? と思ったら、廊下のチャイムを鳴らされていたことに気づき、

廊下に出ると「消防点検です」と。ああ、そういえばそうでしたね。


火災報知器のチェックを流れ作業で3箇所して、それで終わりだと思ったら、

「バルコニーの避難器具の点検もしますので」とスリッパを持ってバルコニーへ出て行った。

確かにバルコニーには「避難器具」と書いたフタが床面にあったのだが、

一体どうなってるのかよくわからなかったのだが、中にはハシゴが入っていた。

ハシゴといっても、チェーンで足場をつないだものなのだが、案外と整然と入っている。

チェーンを引っ張ったりして点検をして、蓋を閉めて帰っていった。


このときフタに「ヒナンハッチ」と書いてあったので検索したら、どうもこういうもんらしい。

避難ハッチ (ORIRO)

どうやってハシゴを使うんだろうと思ったら、下側が開くんですね。

上のフタを開ける→下のフタを開ける→ハシゴを下ろす→避難できる という仕掛けだったと。

(現在は上のフタを開けると、下のフタも連動して開くようなものが多いらしい)

ただ、フタを開けたときの説明書きを見てもそのことは一見してわからなかったけど。

実際に使ったり、あるいは見学した経験がなければ、いきなり使えと言われても困るだろうな。


集合住宅ではよく使われているようだが、このようなものを使わないに越したことはない。

というのは避難が必要となるような事象が発生しない方がよいというのもあるけど、

避難方法にも優先順位はあって、第一優先は普段使っている廊下・階段で玄関から避難するという方法であり、

それに次いでは別方向に設けられた非常口専用の階段からの避難というのが、安全性も高くスムーズに避難できるわけである。

廊下が危険ならば、バルコニーの壁を破壊して避難するというのもあるけど、それはそれでめんどくさいし、

ましてや、そのバルコニーから階段へ到達できず、避難ハッチを使うというのは最終手段に近い。


実際に使おうとすると、いろいろ障壁がありそうである。

上の階にも避難ハッチがあるはずと調べたら、隣の部屋のバルコニーの屋根部分にフタらしきものが見えた。

上の階から避難してくる場合はここに出てくるのだろう。

しかしフタの下の床にはエアコンの室外機が……これが邪魔にならないかというのはある。

自室のバルコニーの下にしても、フタの下には物干し竿がある。

物干し竿はなんかで跳ね飛ばしてしまえば、降りるのに困ることはなさそうだが、

まさかそこに穴が開いてハシゴが降りてくるとは思っていないだろう。


このORIROというメーカーの主力商品が「緩降機」というもので、

そういえば職場のビルでも、避難用の窓の近くにほっそりした箱が設置されていて「ORIRO」というマークが書かれているものがあった。

おそらくこれが緩降機なんだろう。

緩降機の使用方法を覚えよう! (東京消防庁)

支柱と調速機付きのロープで構成されるということで、高いところからの避難器具としては極めてコンパクトである。

適応範囲としては2~10階とのことである。10階からこれで降りるのは相当だと思うが。

ただ、見ての通り、安全に利用するためには注意点が多く、使い方を誤ると容易にケガをするのが難点である。

病院や学校などでは緩降機は避難器具として認められておらず、救助袋(布製のスロープだな) とか すべり台 を使う必要がある。

最近はすべり台が人気だとか聞きますけどね。早くたくさんの人が安全に避難できるわけですから。


実は職場の防災組織では避難誘導班ということで、訓練の時に避難路の安全確認をして報告する係をやってんだが、

緩降機を使わなければならないというシチュエーションを想定した訓練はやったことがない。

実際に緩降機を使うとなると、これは大がかりな話なので、現実的には机上演習ということになるとは思うけど、

万が一、2つの階段のいずれを使っても避難できない人が発生した場合には使いますとか、そのときの操作手順はこうだとか。

そういうのは知らないと使いようがないわけですよね。


アパートの避難だってそうですよね。

大概の人は非常誘導灯のことは知ってるから、それに従って階段から避難するというのは問題ないかもしれないが、

場合によってはバルコニーの壁を破壊して、場合によっては避難ハッチを使ってとか、そういうことも知っておく必要はある。

もちろん、これらの避難器具を使うのに時間的猶予がある場合なら、

例えば下から消防隊員の指示を受けながら操作するとか、そういうこともあり得るのかもしれないけど、

急いで避難しないといけないが、階段は使えないというシチュエーションでは、すぐ使えることも重要である。

そうならないに越したことがないのは今まで書いた通りですが。

メルカリでコンビニ払いをつかう意味

メルカリでいろいろ順調に売れて、ついでにPayPayフリマでも1つ売れて、

今日1日で荷物5個出荷してきた。(集荷が明日になる分もあるけど)

メルカリでも売上金という裏付けがあるのをよいことに、何冊か中古雑誌を購入した。どれもこれも安いけど。


そんな中で1件あったのがコンビニ払いというもの。

メルカリでは前にも1件あったから案外多いなぁと思ったけど、どんなもんなんでしょうね。

メルカリでは相手の支払手段を意識する必要は基本的にはないのだが、

コンビニ払いだけは購入後、一定期間内に支払処理をして発送可能状態するという都合、

購入通知のタイミングと、発送指示のタイミングが異なるというところで認識されるようになっている。

朝に購入通知が入ったので、午前中には支払処理してくれれば、今日の収集に間に合うなと梱包して待ってたら、

結局、支払処理が完了したのは夕方以降で、こうなるとどうやっても当日便には乗らないのでアテが外れた。


メルカリの支払手段において、メルペイ・クレジットカード・FamiPayは手数料なし、

d払い・auかんたん決済・ソフトバンクまとめて支払い・コンビニ/ATM支払は手数料100円となっている。

メルペイというのは、売上金充当とか、銀行口座チャージも含むし、メルペイスマート払いもある。

というわけで、コンビニ払いは1件あたり手数料100円を余分に払う必要があると。

ちなみにYahoo!かんたん決済でもコンビニ決済は100円の手数料がかかる。

(Yahoo!ショッピングでは? と気になったのだが、これは店舗の判断で採用有無・手数料を決定できるよう)


とはいえ、今どき手数料を払ってまでコンビニ払いを選ぶ必要があるのか? という疑問はある。

なぜならばメルペイにコンビニでチャージすれば手数料はかからないからである。

クレジットカードは持っていないという人でも、銀行チャージは比較的使えそうだし、

あるいは現金チャージでメルペイというのも選択肢としてはありそうだが……


と思って調べたのだが、1つ大きなハードルがあって、それがセブン銀行ATMがあることだった。

そうか、メルペイの現金チャージ手段はセブン銀行ATM限定だったんですね。

それは近くにあれば便利だけど、なければセブンイレブンの店舗網からすると本当にどうしょうもない。

そう考えると主なチェーンは全て抑えているコンビニ払いは有用なわけですね。

ただ、手数料100円というのはけっこう重くて、今回だと手数料で10%以上払うわけですよね。

それでも競争的な価格であるとは思うけど、もったいないなとは思う。


ちなみにPayPayでは、セブン銀行とローソン銀行のATMがチャージに使える。

セブンイレブンかローソンとなるとちょっと緩和された気はする。

d払いはATMはセブン銀行だけだが、それ以外のコンビニでもレジで無手数料で入金できる。

ただ、支払の反映が遅くて、それで30分ぐらい電器店でタイムロスしたことがある。

ファミリーマートがなんとなく微妙な感じがするが、それはやっぱりFamiPayでしょ。

メルカリではFamiPay払いが無手数料で使えるので、ファミリーマートが近所にあれば、

それで現金でメルカリで買えるわけですが、果たしてそういう使い方してる人はどれぐらいいるのか。


あとは購入フローの違いで、入金→購入 ではなく 購入→入金 というフローなので、

一刻も早く買わないと売りきれるような商品の場合は100円の手数料の価値はあるのかもしれない。

ただ、売り手にとってみれば、購入されても入金されるまで待たされるわけで、

これが常識的な時間であれば、梱包準備などしてればそんなもんだよという話はあるけど、

やはりだいぶ先延ばしする利用者もいるのは確かで、これがトラブルの原因となることも少しあるらしい。


もっとも、メルペイスマート払いが使えれば、購入→入金というフローでもよいことになる。

メルペイスマート払いをコンビニで決済すると手数料がかかるが、

セブン銀行ATM入金した残高で精算すれば、銀行口座での精算同様に手数料はかからない。

まぁセブン銀行ATMが使えることが前提なのでやはりそこは問題なのだが。

ただ、メルペイスマート払いを使えるような人は、クレジットカードや銀行チャージなど使えるだろという話もある。

銀行チャージもメルペイスマート払いも本人確認というハードルがある。

やればよいという話もあるが、そこで時間を要するのも実情である。

そういえば、僕がメルペイ導入したときってどうだったんだっけ? と思ったら、当時は銀行口座との紐付けで本人確認が完了してたのか。

メルペイを使うとお得だったから


というわけでコンビニ払いにもそれはそれでニーズはあるってことですね。

明らかに非効率なんでどうかとは思うんですけどね。

これはゴーストレストランではないが

ふと「ゴーストレストラン」という言葉をTwitterで検索したら、

これを話題にしてるのってデリバリーサービスの配達員だったりするのね。

それはそれで自分たちの客に対してどうなのかという気もするが、

今どきのデリバリーサービス事情を語るには避けて通れない言葉となっている。


ゴーストレストランとは店舗を持たない飲食店というのを表す言葉らしいが、

その看板を掲げた店舗が実際にない ぐらいの意味で捉えられているようだ。

というのも、飲食営業には許可など必要ですから、ゴーストレストランだけで飲食営業を行っているのはわりと限られる。

(でも、そういうタイプのゴーストレストランもあるし、それが本来の意味でのゴーストレストランである)

多いのは何らかの飲食業を行っている店舗が、その店とは異なる看板で商売していることがあると。

あるところでは そば店 が ゴースト洋菓子店 になってたり、

あるところでは カラオケ店(これも飲食業) が ゴースト韓国料理店 になってたり。

本来の看板からはなかなか信じられない感じはするが、そういうことも商売としてはあると。

このような場合、配達員への連絡事項として、実際の看板に書いてある店舗名が付記されるようだ。


このようなことが行われるのは、検索性などの都合もあるようだ。

丼物と洋食とラーメンを扱うようなレストランはあってもいいかもしれないが、

そのようなレストランは店単位で検索するときにひっかかりにくいと。

それなら、丼物 と 洋食 と ラーメン とか、もっと細分化されることもあるけど、

複数店舗にするほうが検索性がよく集客できるというような事情もあるようだ。

ただ、その結果として、実際には手広くやってる料理店なのに、複数の「専門店」を掲げるような形となり、

この「専門店」をうたうようなことが優良誤認にあたるんじゃないかとかそんな問題提起がある。


そんな中で、大手ファミリーレストランがゴーストレストランっぽいことをしている。

先日、自転車で幹線道路を走ってたら「ガスト」の看板に「から揚げ専門 から好し」という看板が付加されていた。

気になって調べたところ、どうも今どきのガストは大半の店に「から好し」が併設されているようだ。

から好しのから揚げ (ガスト)

ガストがこのような商売をする背景としてはデリバリーサービスでの注文を見込んでいるとみられる。

この考え方がゴーストレストランっぽいが、堂々看板を掲げているのでゴーストレストランとはいえない。

直接店に行って から好し の商品を持ち帰ることも出来るし、ガストで食事したときにお土産に持ち帰ることもできるし、

なんなら店内飲食でも から好し メニューを注文することができるらしい。


よくわかんないなと調べたら、もともと「から好し」というのは単独店舗として2017年に創業している。

唐揚げ専門 から好し 1号店 さいたま道祖土店 (本店の旅)

創業した2017年頃は「から揚げ戦争」時代だったらしい。ほんまかいな。

店内飲食もできるし、持ち帰りもできる。そんな形の店だという。

だから、この時は本当に すかいらーく が経営する唐揚げ専門店だったんですよね。

同社の経営するガストやバーミアンなどに比べれば店舗数は少ないけど。


この状況が変わったのが2020年7月頃のこと、ガストへのから好し併設の実験を行ったという。

時期からしてもわかるがフードデリバリー、あるいはテイクアウトの需要が伸びていたときのこと。

これで売上が伸びることが確認出来たので、全国のガストへ展開、ほとんどの店がから好し併設店となった。

ガスト/から揚げ専門店「から好し」併設店舗が600店突破 (流通ニュース)

唐揚げの調理自体はそんなに難しいわけではなく、下ごしらえもセントラルキッチンを活用しているだろうから、

もともとのファミリーレストランの設備で十分に対応可能だったのだろう。急速に店舗数が増えた。


元々は から好し は間違えなく唐揚げ専門店だったわけだし、提供内容はガスト併設店でも同じであろうと。

そうすると特におかしくはないが「洋食主体のファミリーレストランが唐揚げ専門店?」という疑問符は付くと思う。

そこは中身で勝負ってことだと思いますけどね。

すかいらーく も「から好し」というブランドは前面に押してやっているわけですから。

ガストとは違った形でガストの周辺地域の人々に愛用していただきたいという思いはあるはず。


そんな すかいらーく は初めて店内飲食ができない店舗を東京都中野区に開業したという。

デリバリー・テイクアウト専門 ガスト 新中野店(バーミヤン・から好し取扱店)

店内飲食はできないのだが「GUSTO DELIVERY」という看板が掲げられ、持ち帰りも可能だという。

デリバリー・テイクアウト専門店オープン 新中野店 (YouTube)

店舗面積は従来店舗の1/10、動画で見ると普通に地域住民が買いに来ている姿が見える。

もともと「ガスト新中野店」というのがあったのを閉店して、移転・業態変更したような情報が見える。

(だから、もともと持ち帰りで使ってた客にとっては、近くで移転しただけって感じで定着してたのかも)

これを見るとゴーストレストランというよりは宅配ピザ店みたいな感じだな。実際そういう感じなんだと思う。

この店は実態は1つの店だが、ガスト・バーミアン・から好し の複合店舗という扱いである。

それぞれのブランド力を生かせるということでもあろうが、この発想はゴーストレストラン的である。


僕はフードデリバリーの類は使ったことないけどね。

ゆえにこのあたりの感覚はよくわからないんだけど。

ただ、通常のレストランと求められるところがいろいろ異なるのはその通りで、

かといって飲食営業の参入障壁も多少なりともあるわけで、そこは従来とは異なる考え方がいろいろあると。

そういうことだと思いましたね。

シール版ゆうパケットポストは画期的

以前、日本郵便のメルカリ専用サービス「ゆうパケットポスト」を紹介しましたが。

重くて大丈夫だからゆうパケットポスト

ゆうパケットのポスト投函できるという特徴が、匿名配送でも使えるということがウリなのだが、

それ以上に僕が重要だと思っていたのは重量制限が2kgと、通常のゆうパケットの1kgより緩いこと。

その特色を生かしてメルカリでいくつか出品してきたが、今月からこんなものが出てきた。

売れた商品の資材に貼り付けるだけで郵便ポストから発送可能な「ゆうパケットポスト発送用シール」を提供開始 (メルカリ)

これは画期的なんですよね。


ゆうパケットポストの箱は 縦32.7cm×横22.8cm×厚さ3cm(外寸) となっている。

A4サイズの本を2~3冊入れても2kgに収まるので、これがありがたいのだが、

1冊ならゆうパケットで送れるA4変形判の本だと、横幅がはみ出て入らないんだよね。

この幅22.8cmというのは小型荷物のサイズ制限と考えるとやや厳しくて、

定形外郵便・ゆうメールの規格内サイズの定義は長辺34cm・短辺25cm・厚さ3cm・重量1kg以内、

この微妙な2cmほどの差に阻まれる荷物というのがあると。

重量制限と考えると、1kgと2kgは全然違うので、この制限も仕方ないかなとは思ってたが。


そんな中でゆうパケットポスト発送用シールが単独で売られることになった意味は大きい。

というのもこのシールを使う場合の制限は下記の通りだからである。

3辺合計60cm以内、長辺34cm以内、かつ郵便ポストに投かん可能なもの(重さ2kg以下)

3辺合計60cm以内・長辺34cm以内はゆうパケットの制限と同じ。

厚さについて「郵便ポストに投かん可能なもの」という範囲で定義されてるのは抽象的だが、

日本郵便の発表では概ね3cm厚と記載されているので、寸法制限はゆうパケットと全く同じと考えるべきだろう。・

(逆に言えば、この範囲内でも投函できるポストがなければ出荷できないことになる)

その上で重量制限が2kgということは、A4変形判の本を2~3冊束ねて出荷することも可能ということだ。


元々このサイズの商品はレターパックライトを使ってきた経緯がある。

重量制限がゆるくて助かった

ゆうメールが規格内サイズ(重量制限は1kg以内)となった現在において、

レターパックライト/プラスは重量制限4kg(郵便法における第1種郵便の上限)と価格帯の割には異様に緩い。

これはかつてのエクスパック500(重量制限はゆうパックと同じ30kg)の名残と見られる。

レターパックライトの370円というのは価格的には安いと思うが、あらかじめ購入しておく必要がある。

匿名配送サービスを使うと送料は売上金から自動的に引かれるから楽なんですね。


これがゆうパケットポストが使えると、適当な封筒(角形0号というB4サイズの封筒を使っている)に入れて、

これにシール(郵便局で買うと20枚100円、すなわち1枚5円)を貼って、ポスト投函すればOKで、

メルカリのゆうパケットの料金は200円で済む。封筒・シール代で30円ぐらいかな。

これはレターパックライトに比べても割安で、その分競争力のある価格設定ができる。

(ここで束ねて売る本は1冊400~700円ぐらいで取引されているので、まとめ売りの送料が150円程度安くなる意義は大きい)


そんなわけで利用を検討していたが、昨日からメルカリで販売手数料の一部を後日還元するキャンペーンが行われるということで、

これまで送料面で値付けが難しかった商品を再構成してメルカリにいくつか出品したら。

そしたら早々に複数個が売れたので、ポスト投函で出荷してきた。

ゆうパケットポストの箱がまだ在庫があるので、サイズ的に適するならこっちも使おうと思うが、使いやすさで言えば圧倒的にシールである。

というのも発送者が保管する部分が改良されているからである。

元々のゆうパケットポスト専用箱は、このシールはQRコードが印字されているが、このQRコード自体は箱のシールと同じもの。

このQRコードが箱と紐付く唯一の情報となっているが、一見すればどうやって使えばよいのかわからない。

それがシールでは、QRコードとともに確認符号が文字で印字されているので、分離しても箱との対応関係が取れる。

(実は箱でもQRコードを読み取って、その文字列の末尾6文字が確認符号になっているので、全く確認出来ないわけでもない)

あと、箱の場合は剥がしたシールが控えなので何かに貼らないと保管できないが、

シールの場合は、荷物に貼る部分をはがすので、発送者控えは剥離紙についた状態で残る。これも好都合である。


まぁうちの場合、スマリボックスのあるローソンも、営業時間の長い郵便局も比較的近いので、

重量制限がゆるいことを除けば、そこまでゆうパケットポストにこだわる理由もない。

もちろんポスト投函できれば楽ではありますけどね。

シールは有料だが1枚5円相当なら、そっちの方が楽で良いという人は多いんじゃないか。

あとはメルカリ以外でも使えるようになると嬉しいですけどね。


最大の課題は、ゆうパケットポスト専用箱ほどのサイズになると、ポスト投函での配達が難しいことですね。

自分も1回受け取ったけど、郵便局の人に「ポストに入らないんで来て」と呼ばれたし、

今まで2回出荷して、1回は持ち帰りになってたからねぇ。なかなか難しいですね。

その点ではゆうパケットポスト専用箱のサイズを明らかに下回るような荷物もシールを使う方がよいなと。

それでもポスト投函できるかというと微妙なところはあるが、少しでも小さくなれば可能性は高まる。

ゆうパケットはポスト投函で配達可能なことが前提だが、実際には最大サイズ付近では厳しいことがあるのが実情である。

A4変形判の本を2~3冊束ねたのはなおさら厳しいような気もするが、そこは制度上問題ないということで。

紙の新聞にこだわる理由もない?

朝日新聞の購読料が上がるというニュースを見て、僕が契約している朝日新聞デジタルは? と思ったがこれは関係なさそう。

本紙購読料改定のお知らせ

およそ1割の値上げになるみたいですね。

夕刊のある地域では4400円、朝刊のみの地域では3500円になるとのこと。

朝刊のみの地域なら、値上げしても朝日新聞デジタルのプレミアムコース(3800円)より安いが。

もっとも後で書くような事情により、これを比べること自体がナンセンスなのかもしれない。


背景は新聞の配達コストがあるとみられる。

しかし、インターネットの普及で新聞事業を取り巻く環境が厳しさを増し、販売・広告収入が減る一方、新聞製作コストは高くなっています。深刻な人手不足などで戸別配達を維持することも難しくなってきました。

ゆえに、この値上げというのは朝日新聞社にとってはそこまで恩恵は大きくないのかもしれない。

実際に配達したり、チラシの広告料を受け取るのは地域の新聞店で、ここの経営状況悪化が問題であると読めるから。

値上げ分の相当分は新聞店の取り分に充てられるんじゃないかな? わからないけどね。


そもそも僕が朝日新聞デジタルを契約しているのは、独立した2015年当時に電子版単独で購読できる新聞が限られていて、

そんな中で総合的な新聞といえば、それは朝日新聞しかなかったという事情が大きい。

確かにそれ以前に自宅で購読していたのが朝日新聞だったからというのは背景の1つにあるのだが、

必ずしもそこにこだわることはないと思っていたが、実際のところ選択肢というのがなかった。

朝日新聞デジタルは今年10周年を迎えたとのことである。当初は先進的な取り組みだったという。


そこから時が経って思うのは、紙の新聞と電子版の新聞では情報量が全然違うということである。

朝日新聞はDOIを使う

最近は新型コロナウイルス関係で学術論文を引用した記事が多く出てる。

論文のURLが記載される一方、図解も交えながら一般の人にも理解しやすいように工夫されている。

政治・社会に関わるニュースは、電子版で速報を出して、朝刊・夕刊の紙面でより掘り下げた記事が出る(それは電子版にも掲載される)という流れが多い印象である。

でも、科学とか健康とかそういう分野では違うんですね。紙面は電子版の抜粋以外のなにものでもないんですね。

という感想を書いている。

朝刊・夕刊の締め切りにとらわれず、紙面のスペースにもとらわれず記事を出せる意味はそういうことだと。


ただ、一方で紙の新聞のニーズがなくなるということはないし、

縮刷版としてアーカイブ化されることなど、電子版とは異なる役割も担っていると思う。

あと、電子版の情報量の多さというのは時に誤解を生むという指摘もあって、

それは紙面でベタ記事のように軽い扱いのされるような記事も同列に並べられるので、それが大きなニュースに見えてしまうということである。

限りある紙面では重要度の高い記事を大きく書き、それ以外の記事をコンパクトに収めることが必須だが、

電子版ではその必要が無いため、ニュースの重要性がパッと見てわからないと言うことですね。


ということで紙の新聞の維持を図るための策とも言えるが、これが新聞離れにつながり、

電子版に移行してくれれば朝日新聞社としてはかまわないが、地域の新聞店には救いがない。

そこまでのことはないだろうと高をくくっているのか、それでもかまわないと思っているのか。

まぁ微妙なところですね。


このBlogで何度か書いたような覚えもあるけど、

電子書籍に消極的な出版社はその先の書店のことを考えて、紙の書籍にこだわっている場合があるらしい。

電子書籍でも紙の書籍でも売れれば出版社にはお金が入るが、電子書籍では地域の書店にはお金が落ちませんから。

とはいえ、読者からも著者からも電子書籍での販売の要望も寄せられ、苦慮していると言う話も見たことがある。

(どこかで出版社の方針とは違うが、著者からの強い要望により電子版を出したみたいな記事を見た覚えがある)

それは新聞も同じで、現在も読売新聞オンラインは全機能を使うには紙の新聞の定期購読を要するようだし、

かつての毎日新聞もそうだった。(現在は電子版単独での契約も可能になっている)


でも、そこまでして従来の商流を維持する理由は乏しくなってきているということでもあると思う。

特に朝日新聞は電子版をやるようになって、紙の頃とは編集体制もだいぶ変わったという話がありますから。

朝日新聞の「デジタルファースト」戦略ーー報道の現場はどう変わったのか?(Yahoo!ニュース)

紙の新聞を辞めるほどのものではないけど、自らの身を削ってまで地域の新聞店を守る理由はない。そういうことでしょう。

職場での接種は案外多いな

新型コロナウイルスのワクチン接種についてのニュースですが。

職域接種、初日は500超が申請 中小企業には課題も (朝日新聞デジタル)

現時点では1箇所で1000人以上に接種し、医師・看護師など自社で確保できることが条件だが、

それでも初日で500会場以上の申請があって、ところによっては1箇所で1万人以上の接種を考えているところもある。

1会場あたり5000人程度と見積もり、1週間ぐらいで1000箇所ぐらいには増えるだろうから、累計500万人となる。

日本全国の接種対象者は多分1億人ぐらいだと思うので、その5%ほどにもなる。

これはやや控えめな計算だとも思っているので実際はもっと伸びそうな気もする。

高齢者接種完で2~3割ぐらいの接種が終わるので、残分が7~8割程度と考えれば、職場接種の割合は案外多いなと思う。


もともと職場での接種は計画されていたが、僕の予想はこんな感じだった。

定期予防接種は市町村の業務なので、職場の接種会場も市町村からワクチンの供給を受ける必要がある。

ゆえに一般の医療機関と同じく、立地する市町村の接種会場の1つと言うになろうと。

ただ、立地市町村以外からも通勤している人がいるので、周辺市町村の住民にも接種できないと困る。

原則としては他の市町村で予防接種を受けるには居住地と接種地の双方の市町村に届出が必要だが、

実際には隣接市町村などの医療機関とは取り決めをして、申請なしで接種できるようにしていることが普通である。

そこで周辺市町村と申請なしに住民の接種を可能とするように取り決めをしておけばよいだろうと。


多分、これは一般的に可能だと思うのだが、市町村にとっては手間がかかって大変だと思っていた。

今回の職域接種というのは国が直接ワクチンを供給するのだという。

これはモデルナ製ワクチンを消化するための方策という面もあるらしい。

市町村での接種はファイザー製ワクチンで立ち上がったので、ここを邪魔せずにモデルナ製ワクチンを消化ということで、

これまでは国・都道府県が設置する広域接種センターで消化してきたが、まだまだ使わないといけないらしく、

それで市町村とは別系統の接種方法ということで、職場での接種に使うという話になったようだ。

ワクチンの保管に使用する冷凍庫は国から貸し出されるということで、なかなかの好条件? と思った。

医師・看護師などの確保は各社で行うものの、費用は1回あたりいくらと市町村(実質的には国)から支払われるので、

全部持出というわけでもなく、体制さえ整えられれば、わりと手を出しやすいのだとは思う。


課題はスタッフの確保であり、常勤産業医がいればできるかというとそんな簡単な話でもないんじゃないかと。

産業医は、一定の講習を受けた医師がなれる。2017年度の国の推計では約3万人。社員の健康管理について企業に助言したり、長時間労働をしている働き手の面接をしたりするのが業務の中心。

本来の業務はこなしながら予防接種を行うことが可能かというのはところによるだろうと。

例え、産業医が対応可能だとしても、数こなすには社内のスタッフだけで回すのは難しかろうということだが、

この職域接種では市町村の接種体制に影響を与えないことが前提だとなっているので、

地域の医療機関からの融通というのは期待しにくいところもある。


そう考えると、実施できるところとできないところの差は大きいだろうなと。

もちろん本来は市町村が接種を行うものなので、職場で接種ができないから接種できないということは当然無い。

うちの勤務先ではワクチン接種のための特別休暇が設定されたので、平日に半日休んで接種に行くとかはやりやすくなっている。

なので、自分の職場ではワクチン接種が行われなくても、それはそれで必ずしも問題ではない。

ただ、ワクチン接種が行われる職場に勤める人が多い市町村だと、

市町村で接種を希望する人が大きく浮いて、それ以外の住民への接種が早く回る一方で、

そういう職場がほとんどない地域だと、市町村の接種体制に完全に依存することとなり、

市町村の接種ペースが早ければよいのだが、接種ペースが遅い市町村もありますから、

地域によっては待てども待てども接種できないということが起きそうだなと思った。


このような地域差を平準化することで、重症化リスクの高い住民を早く減らせると思うのだが、

そのためには各市町村はどれぐらいの住民が職場で接種するのかということを把握できる必要があると思う。

ただ、国がとりまとめている都合、そういう情報が市町村に伝わるかというのが課題である。


現に国・都道府県の広域接種センターの予約が余っているというニュースがいろいろ聞かれている。

政府肝いりが一変、ガラガラの大規模接種 高齢者の事情 (朝日新聞デジタル)

東京(大手町)・大阪(中之島)の接種センターも来週分の予約が7~8割余っている状況という。

つい先週ぐらいには横浜市民が大挙して大手町の接種センターの申込みをしているという話が報じられたぐらいだが、

各市町村の接種体制が立ち上がる中で、そっちで収まってしまった分が多いようだ。

広島県が福山市に設置した接種センターはこんな状況だという。

広島県が福山市(人口約46万人)に7日に開設した大規模接種会場。80歳以上の福山市民と周辺2市町の65歳以上を対象に、1日1800人に接種する態勢を整えた。しかし初日に訪れたのは88人。2日目も30人にとどまり、市を通じて集めた介護従事者ら170人に接種した。

福山市は接種体制の立ち上がりが遅かったようで、それを見かねた広島県が接種センターを開設したのだが、

福山市は立ち上がりが遅いなりには計画的に年齢の高い住民から順番に接種券を送っていたら、

接種券を持っていて広島県の接種センターでの接種を希望する住民がほとんどいない状態になっていたようである。

さすがにこれは福山市と広島県の連携不足だと思うのだが、大なり小なりこういうことは全国各地で起きているということである。


というわけで各市町村、65歳未満の住民への接種券送付スケジュールを早める方向でやっているようである。

最近、住んでいる市の65歳未満の接種スケジュールが公表されていたが、

接種券自体は今月中に12歳以上の全住民に送るらしい。年齢が高いグループから順番に送るようだ。

最初のグループはギリギリ大手町の接種センターの1回目接種枠の最後の方にも入れそうな感じはする。

で、まずは医療機関での接種予約が始まるのだが、まずは持病持ちの人から。

あらかじめ持病持ちの人は通院先で相談して、通院先での接種か、集団接種・他医療機関での接種か調整することになる。

このグループが医療機関での接種でも集団接種でも高齢者の次に割り込んでくることになる。

その後は年齢別に集団接種の予約スケジュールが切られ、医療機関での接種も同様のペースで進むとみられる。

一般の30代の集団接種の予約は7月下旬以降となっており、少なくとも市内での接種なら1ヶ月は接種券を保管し続けることになる。


うちの勤務先はどうなんでしょうね?

常勤産業医はいるけどね。ただ、上で書いたように市町村の接種が案外ハイペースではあるんですよ。

あと、東京都は65歳未満の接種を念頭に複数の接種センターの設置を考えているという。

そのために市区町村と調整を進めていて、市町村の体制が手薄だったり、在勤在学者が多い地域なんかに設置するんだと思う。

職場で1万人以上も接種する見込みがあれば準備を考えてもよいかもしれないが、

インフルエンザの予防接種などに比べれば準備も大変でしょうから、どうかなぁとは思いましたね。


あと、現時点では比較的小規模な事業所での接種は想定していない。

工業団地などまとまれば多くの在勤者がいるようなところで接種が進められると、

その周辺の市町村にとっては助かると思うが、運営形態などに課題が大きい。

それこそ市町村の接種会場の1つとして運営するような形も考えるのかも知れない。

ただ、そこまでして職場での接種が必要かは非常に地域差が大きいところではあるかなと思う。

医療機関での接種で普通に回るよとなれば、仕事を休んで自宅近くの医者に接種に行ってもらえばよいわけだし、

場合によっては、すでに予防接種を行っている医療機関が職場に出張してきて接種するみたいなのもあるかもしれない。


というわけでいろんな意味で様子見ですね。

そろそろ全市町村ともども接種体制が本格的に立ち上がってきて、接種体制が不足する地域なども見えてくると思う。

連携が取れないと接種を待つ住民がたくさんいるのに、接種センターがガラガラということにもなりかねないので、

東京都は大手町の接種センターの状況を見て、市区町村との連携の重要性を学んだはずなので、

職域接種の状況、市区町村の接種状況など見極めた上で広域接種センターの運営を考えるんじゃないか。

緊急事態宣言が出てるだけ救いはある

東京都の緊急事態宣言は延長され今も続いている。

ただし、その内容は何度か見直されている。

映画館の休業要請がなくなり、だいたいその頃から都心部の人出が増え始めて(映画館だけが原因ではないけど)、

感染者が増えることはないかと思ったが、今のところ減少傾向は続いているようだ。

減ったといっても、今年2月中旬頃の数字と同じぐらいなので、

昨年3月に対策の手応えが薄れてきていると言ってた時期よりは多いので、これは道半ばだと思うが。

とはいえ重症者が急増する前に感染者増加のペースが落とせたので、なんとか助かってる感じはする。


こうして見てみると、酒類を提供する飲食店に終日休業を要請したことは効いてるなと思う。

あと、これが東京都だけに留まらず、まん延防止等重点措置という名目の差はあれども、

隣接する神奈川県・埼玉県・千葉県でも同様の要請が行われていることも大きいと思う。

意外と面的な対策になっている

ここに至るまでにはいろいろな経緯があったわけだけど、単純な営業時間短縮要請では不十分だったということは事実かなと。

対策の効果はこのように評価できるものの、問題は酒類を提供する飲食店に終日休業を要請するということは、

すなわちは居酒屋のような業態は実質的に休業を強いられるということでもある。

それでも営業内容を変更するなどして、酒なしでの営業に活路を見いだすような店もあるのだけど。

そもそも外食のニーズが細る中では、それを掘り起こすより休業した方がマシという判断になる店は多いと思う。


そんな中でこれは難しいなと思ったことなんですけど。

<新型コロナ>千葉県で「まん延防止」今日から再延長 飲食店への協力金の下限を1万円引き下げ (東京新聞)

「福井モデル」成功の影 戻らぬ客に繁華街から「地獄」 (朝日新聞デジタル)

東京都が当初、休業要請に応じた店に支払っていた協力金というのは、

事業規模に応じて増えるような性質の物ではなく、なおかつ中小企業のみが対象だった。

中小企業支援という意味合いもあったんだと思う。大企業にはテイクアウトの強化などの経営努力を求めたとも言える。

ところが、大企業であっても居酒屋ばかり経営するような会社にとっては取れる手立てに乏しく、

逆に小規模な店舗の場合、昨年は持続化給付金もあったので、焼け太りのようになる事業者も多かったとされている。


このことから、支給基準を見直して、中小企業・大企業それぞれの基準でもって協力金が給付されるように全国的に改められた。

この中で下限額に当たる場合は、従来の基準より支給額が減るが、すると協力に応じない店が増えるのではと思ったのか、

神奈川県・埼玉県・千葉県はいずれも他の財源を使って、下限額の支給水準を維持してきたが、財源に限りがあるのでやめると。

この点では東京都は恵まれていて、なぜならば緊急事態宣言の対象地域の方が支給水準が高く設定されていて、国が持ってくれるから。

そもそもこの協力金の支給水準は、家賃が高い東京都の事業者が不平を言って引き上げさせたような事情もある。

おかげで多くの店の協力が得られているとも言えるが、それは緊急事態宣言であることが前提でもある。

これがまん延防止等重点措置を根拠とするようになれば、国が決めた支給水準は切り下げられる。

かといって、居酒屋の類にとっては実質的に営業困難であることは変わらないでしょうから、単純に支給水準だけが切り下げられる。

強制力という点でも休業命令を出すには至りませんから、これまでの経緯を考えれば従わない店が増えるのは容易に想像できる。

そんなことを考えると、東京都の緊急事態宣言は、感染者数が大きく減少して、感染拡大に不安なしとなるまでは解除できないと思った。


あと、そもそもこの協力金というのは行政からの要請が出ているところにだけ支払われる。

福井県は感染者数が少ない状態を保つために、クラスタ対策を徹底しており、それができるのは感染者数が少ないからとも言えるが、

この結果として北陸でも特に少ない水準に抑えており、Go To Eatキャンペーンも再開したらしい。

が、そもそもこのような結果になっているのは、住民が自主的に感染リスクを回避したからという面もあり、

隣接地域の感染状況を考えれば、福井県内の感染者が低い水準にあると言っても、安全という認識にはならないと思う。

この判断は正しいと思う。そうして油断したところに飛び火して対策に追われた例はいくらでもある。

この結果、行政からの要請も出ない代わり、客足の激減を補う手段がほとんどない状況になっているという。


もともと、休業要請などに応じた店に協力金を払っても、その先の取引先は注文が減るだけで得るものがない。

このことは問題視されており「月次支援金」ということで、売上減少を補填するような国の制度もできた。

持続化給付金で不正受給が相次いだことの対策で手続きが煩雑になってるようだけど。

ただ、これも全国のいずれかの地域に緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が出ているのが前提ではある。

それがなくなったらこの制度はなくなるでしょうからね。なかなか先は見通しにくい。


ふと思うのである。東京都は当初自主財源を使って協力金を出すことで、スムーズに休業要請に協力してもらえる仕組みを作った。

これは当時先進的な取り組みだったが、それが全国的に広がり、要請も長期化する中で、

協力金の額が足りないだの、支給が遅いだの、大企業にとっては不十分など、事業者の不平が募っていった。

また、業種によって協力金が支給されたり支給されなかったりということでの分断も生まれていった。

もし、これを協力金のような仕組みによらず、罰則だけで実効性を持たせるようにしたらどうなってたんだろう。

誰も等しく金を受け取れないので、その点では不平はないと思う。

罰則規定を整備して、指示に従わなければ投獄されるような状況にすれば、指示に反して営業を継続するのは難しいだろう。

その点では今よりももっと実効的な効果があったかもしれない。


ただ、そうすると多くの企業が倒産し、特に飲食業界では非常に限られた業態だけが生き残ることになると思う。

他の企業がバッタバタ倒れる中で生き残った企業には、感染状況が改善した後に大きなチャンスがあるかもしれないが、

果たしてそういうのし上がり方を許して良いのかという話にもなってくる。

多くの企業が倒産し、そこで働く人が失業し、浮浪者であふれかえるようなことになれば、社会全体にとって大きな損失である。

今はなんやかんや言っても、各種の支援制度により、仕事が減ったなりには雇用が維持されていると見るべきだと思う。

それでも失業者は出てますけどね。でも、なければもっとひどいのは目に見えてますから。


東京都の緊急事態宣言の行方がどうなるかはなんとも見通せないところはあるが、

一方で、北海道と沖縄県の状況が最近悪く、これらの地域では状況改善に時間を要するものと見られる。

緊急事態宣言、期限まで2週間 解除の鍵は北海道と沖縄 (北海道新聞)

知らなかったんだけど、緊急事態宣言が出ている地域が1つでもあると、影響は全国に及ぶらしい。

コロナ対応の改正特措法では、全国的に急速なまん延の恐れがある場合に宣言を発令すると規定。宣言中の都道府県が一つでもあれば全市町村が対策本部を設置する義務があり、影響は全国に及ぶ。

もしかして、これが大阪府で緊急事態宣言を出すのに手間取った理由なのかなぁ。

東京都については、療養患者の回復が進み、新規感染者の減少が進めば、まもなくステージ3の水準には達すると見られる。

南関東全体として感染経路不明の割合が常に高いことから抜け目ない対策が続けられるかが課題である。

しかし、全国的な状況を見たときに、愛知県・大阪府・福岡県は感染者が一時激増した影響で患者の回復に時間を要しており、

北海道・沖縄県は今まさに新規感染者が多く、病床の逼迫はさらに進むことが懸念されている。


そのような状況で全国いずれの地域でも緊急事態宣言が不要になる時期というのを見通すことは難しい。

1地域でも残るのならば、いくつ残っても全国的な体制としてはそうそう変わらないとも言える。

東京都だけの都合で全国的な影響が続くならば、これは考え所なのだけど、

直近では北海道・沖縄県の緊急事態宣言要否のほうが支配的だと思うので、もはや東京都は関係ないなと思った。

東京都において、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も、事業者がやるべきことは大半に置いて本来は変わらないでしょう。

しかし、まん延防止等重点措置になると、協力金が切り下げられ、休業命令という手札も失うことになる。

なんだかんだと理由を付けて継続することは可能でしょうから。

北海道における郡ってなんだろう?

昨日、北海道安平町(というかノーザンファーム)生まれの馬の話を書いた。

北海道生まれアイルランド育ち、ドイツ生まれ日本育ち

「北海道勇払郡安平町」という表記を見て、この郡の名前なんて読むんだろと確認して、

「ゆうふつぐん」だったので、だいたい予想通りだったのだが、この郡を構成する町村を見て不思議なことに気づいた。


北海道は広大なため、道庁の出先の役所が設けられている。

かつては支庁と呼んでいたが、現在は振興局と名前を変えている。

数は14で変わらないけど、振興局で扱う一部の業務について、隣接地域に集約されていることがあるよう。

安平町は胆振総合振興局の管轄地域にあたる。

北海道においては大まかな地域を表すのに振興局の名前を使って「胆振管内」というような言い方をすることがあり、

「石狩管内全域に時短営業を要請」のような記載があるのは、他の地域の人にもなんとなくわかると思うが、

町村の大まかな位置を表すために「渡島管内七飯町」というような表記も見られるのは珍しい。


最初に不思議なことと書いたのは勇払郡を構成する町村のうち、

厚真町・安平町・むかわ町は胆振管内、占冠村(しむかっぷむら)は上川管内と振興局をまたいでいたということ。

占冠村ってなんか聞いたことあるなと確認したら、星野リゾート トマム(旧:アルファリゾート・トマム)に代表されるリゾートの村だと。

山深い地域なんだろうとは思ってたが、それがだいたいの理由である。

占冠村が勇払郡である理由は鵡川の上流部ということで、川筋など地形面を考慮しての区分だという。

ところが歴史的に隣接する南富良野町との交流が多かったわけである。山を挟んではいるけど近かったわけですね。

この観点から富良野市などと同じ上川総合振興局(旭川市)の管内になっているということらしい。


実は複数の振興局にまたがる郡というのはけっこうあるらしい。

虻田郡(あぶたぐん)もそうだったんですね。

虻田郡といえば、洞爺湖町に行ったことがあるが、札幌から山越えのバスで行き、洞爺駅から列車で函館へ行くという形だった。

洞爺湖町は室蘭市に近いこともあって当然に胆振管内である。隣接する豊浦町も同じである。

しかし、虻田郡のそれ以外の地域は後志(しりべ)管内にあたる。

札幌から洞爺湖へのバスは中山峠を越えて喜茂別町に入るが、ここから虻田郡である。だからこの辺だと札幌に近いんですね。

このあたりの中心的な町が後志総合振興局が置かれている倶知安町ということらしい。

なお、後志管内で最大の都市は小樽市である。にも関わらず倶知安町に振興局があるのは札幌から近いところに置いてもという判断なのかな。


その逆に同じ名前の郡なのに、実は異なる郡ということがあるらしい。

北海道の郡一覧 (もっともっと北海道~もっと知りたい知ってほしい北海道)

このリストを見ると「上川郡」と言う記載が、上川管内に2つ、十勝管内に1つあるが、この3つは全て異なる郡らしい。

北海道は古くは蝦夷地と呼ばれ、全域が日本の行政機構に組み込まれたのは明治以降のことである。

このことによりこのような奇妙な現象が発生しているとみられる。


現在に渡るまで町村を区分する郡というのは、律令時代の国・郡の区分に由来するものを手直ししながら使っていて、

例えば、埼玉県に杉戸町・松伏町が属する北葛飾郡というのがあるが、

これは古くは下総国葛飾郡という現在の江戸川に沿って東京湾に至る非常に細長い郡だった。

葛飾郡の南側は江戸川を挟んで分断される一方で、その西側は江戸に近く都市化が進んでいたので武蔵国に移管した。

(隅田川にかかる両国橋は武蔵・下総国境に由来する名前で、かつてはそんなところまで下総国葛飾郡があったということである)

さらに下総郡一帯は細長すぎたこともあって、武蔵側が東京府・埼玉県、下総側が千葉県・茨城県・埼玉県に分割された。

北葛飾郡というのは武蔵国葛飾郡・下総国葛飾郡の埼玉県域に由来するもので、葛飾郡の名前を直接的に残している。

東京都南葛飾郡、千葉県東葛飾郡はもはや存在しないが、それぞれ葛飾の西部・東部ということで葛西とか東葛とかいう広域地名は残ってる。


話は少し逸れてしまったが、もともと国がなかった北海道には明治になって後追いで国と郡が設定され、

石狩国川上郡、天塩国川上郡、十勝国川上郡 と3つの国に川上郡が出来てしまった。どれも川の上流に由来する名前らしい。

その後、まもなく開拓使が設置され、これが北海道庁に発展することになる。(当時の北海道庁というのは他の府県とは制度面では大きく異なる)

明治時代には郡役所という広域行政を担うシステムが全国的に作られたが(あまりうまくいかなかったらしいけど)、

北海道の場合、開拓使が発展したという経緯や、郡という考えが成熟してなかったのもあってか、郡役所は設置されなかったのだという。

とはいえ、町村の区域の住所表示には郡名を書くという考え方があるので、

「北海道上川郡美瑛町」(旧石狩郡)、「北海道上川郡和寒町」(旧天塩国)、「北海道上川郡新得町」(旧十勝国)となるんだそう。


実際のところ、北海道以外でも郡という概念はわりと希薄なものになっているのだけど。

市になると郡から抜けるというルールにより、市町村合併や都市化が進む中で郡部が減っていることの方が大きいと思うが。

町村の住所表記に郡を書く理由については、同一県内に同じ名前の町村がある場合があったからだそうだけど、

現在は同一県内に同じ名前の町村があるところはなくなったので、書かなくてもわかると思う。

実務的にも郵便番号を記載する場合は住所の一部を省略することが多く、なおさら郡名は書かないんじゃないか。

長野県ぐらい町村の数が多いと郡の名前で大まかな区分をつかむこともあるかもしれないけど、

多分大抵の都府県ではそういう話にはならないと思う。もはや町村のグループとして機能している郡の方が少ない。

北海道も町村が多いのはそうなんですが、冒頭の方でも書いたが振興局の区分が使われることが多いのが実情で郡名はあまり使われない。


ちなみに日本の町村は全て郡に属しているのかというと、一部に例外がある。

それが東京都島しょ部でここは郡に属しないので「東京都大島町元町1丁目」のような表記以上の書き方がない。

伊豆諸島はもともと伊豆国に属していて、当時は賀茂郡(現在の下田市を含む)に属していたが、

航路の都合もあって東京府(→東京都)に属して以降は郡の区分に属することなく来てしまったらしい。

小笠原村については歴史的に郡に属したことがない。(これはなんとなくわかるけど)

そんなにレアな地域だとは思いませんでしたね。他の離島でもあるのだと思ったら、町村はいずれかの郡には属しているそうで。

このため、東京都の郡部は西多摩郡に現存する瑞穂町・日の出町・檜原村・奥多摩町の4町村だけとなる。

いまどき「郡部」なんて言い方使わんだろというのが正論だと思いますけど。

北海道生まれアイルランド育ち、ドイツ生まれ日本育ち

日本時間で昨晩行われた、イギリスの元祖・オークスステークス、

優勝したのはなんと北海道安平町生まれの Snowfall という馬だった。

といっても日本からの遠征馬ではなく、アイルランド調教馬なんですけどね。

2着に16馬身差付けて優勝、日本だと10馬身以上は「大差」と書くので、日本式に言えば「大差勝ち」ですね。

G1レースでそんなことある? って思うけどね。日本に比べれば少頭数でクラス分けも厳密ではないとはいえ珍事である。

とはいえ、この馬の強さには疑いはなく、ブックメーカーの凱旋門賞の前売りオッズでは突如1番人気に浮上したという。

この馬の強さもさることながら、凱旋門賞は3歳牝馬に有利という定説も踏まえたものだと思う。(出走するか不確実だけど)


安平町というのは、日本競馬で猛威を振るう ノーザンファーム のことである。

実際、この馬はJBISサーチなど日本のデータベースには、生産者は「ノーザンファーム」として登録されている。

しかし、イギリスのデータベースを見てみるとBreederには「Roncon, Chelston Ire & Wynatt」と書いてある。

Snowfall (JPN) (Racing Post)

実は生産者について、日本とヨーロッパ他では考え方が違うのである。


どうしてこの馬は安平町生まれでアイルランドに渡ったのか。

そもそもこの馬はクールモアスタッドと言われるアイルランドの生産者が所有しているが、

クールモアは日本で大活躍していた種牡馬、ディープインパクトの子が欲しくて、

それで自身の所有する繁殖牝馬を北海道に送ってきていたんですね。

晩年のディープインパクトはそのようにして外国から渡ってきた繁殖牝馬への種付けが多かったとされている。

去年、フランスのディアヌ賞(仏オークスとも)を優勝した Fancy Blue も同様の経緯で生まれた馬である。

違うのはFancy Blueは母親が帰国後に生まれているのでアイルランド産、Snowfallはそのまま北海道で生まれたので日本産だったということ。

Snowfallの母親はその翌年もディープインパクトに種付けしてもらって帰国、アイルランドで生まれたようである。


実は世界的には競走馬のBreederというのは、母馬の所有者の名前を記載することになっている。

このため、クールモアの馬がノーザンファームに来て生まれた子でも、それはクールモア関係者の名前になるわけである。

特に生まれた牧場がどこであるかは重要ではない。ただ、産まれた国を表す (JPN) という表示が馬名に付いてくるんだけど。

一方で日本では生産牧場として生まれた牧場の名前を登録することになっており、

ノーザンファームで生まれれば血統登録証明書には「北海道勇払郡安平町 ノーザンファーム」と記載される。

ただし、日本でも母馬所有者を別に登録するので、例えば今年の桜花賞を優勝したソダシはノーザンファーム生産と知られるが、

母子とも金子オーナー所有であることからわかるように母馬所有者は「金子真人ホールディングス株式会社」となってるはず。


この逆に外国生まれの馬が日本で走ると奇妙なことが起きる。

シュネルマイスター(GER) (JBIS Search)

かつては「マル外(外国産馬)のダービー」と言われたNHKマイルカップ、ダービーが内国産馬限定だった時代の話だが、

日本生まれの馬のレベルが上がり、ダービーに外国産馬も出られるようになり、すっかり死語になっていたが、

2001年優勝のクロフネ以来、20年ぶりの外国産馬優勝となったのがドイツ生まれの馬、シュネルマイスターだった。

ドイツ産馬が日本のGIを勝つのも1995年以来で、JRA所属馬に限れば初めてということで、珍しい快挙でもあった。

日本ではあまりいない血統の持ち主ということで、早速、引退後の種牡馬としての活躍が期待されている。


で、このデータベースを見ると生産牧場に「Northern Farm」と記載されているんですよね。

これは日本のノーザンファームがドイツに牧場を持っているわけでも、偶然「Northern Farm」という牧場があっtわけでもなく、

母馬所有者がノーザンファームであるという意味である。これが日本で登録されるとこうなるんですね。

なお、シュネルマイスターの母親、セリエンホルデは彼を産んだ後に北海道に渡んでノーザンファームにやってきている。

2020年に弟が生まれているが、生産牧場の「ノーザンファーム」というのはこれは北海道安平町のノーザンファームのことである。


そんなシュネルマイスターは今日の安田記念に挑戦、今週から3歳馬は4歳以上馬に混ざって出走できるようになったのだ。

NHKマイルカップ→安田記念という転戦は時々あるが、最近はあまりよい成績を出す馬がいない。

3歳馬は成長途上であることも考慮して負担重量が軽減され、実に4歳以上牡馬から4kg軽減となる。それでもなかなか。

1番人気は昨年覇者でヴィクトリアマイル圧勝したグランアレグリア、なんと単勝オッズ1.5倍である。

2番人気は一昨年覇者インディチャンプ、シュネルマイスターは4番人気に推された。


結果はなんと8番人気のダノンキングリーが優勝、ここまで重賞3勝とはいえ、昨年同レースで7着であるなど最近は冴えた結果がなかった。

グランアレグリアがとんでもない人気だったこともあるけど、単勝の払戻金が4760円とはすごいな。

圧倒的人気に推されたグランアレグリアは2着、というのも道中で他の馬に取り囲まれてしまったのである。

それでもルメール騎手はなんとか道を切り開き2着まで連れてきたのだった。(他の馬に迷惑をかけたので騎手は3万円の過怠金を課せられたけど)

やっぱりヴィクトリアマイル→安田記念の転戦は鬼門だな(昨年のアーモンドアイも圧勝→2着)と言われたのだった。

そしてシュネルマイスターは3着ということで、上位2頭には半馬身届かなかったが、立派な成績を挙げた。

近年、NHKマイルカップ→安田記念の転戦は散々な結果の馬が多かっただけに、こいつは本当に強いぞと知らしめたと言える。


今年の凱旋門賞には日本から6頭の馬が登録している。全頭行くとは限りませんけど。

このうち最有力と言われているクロノジェネシスの父はフランスで活躍し、凱旋門賞を優勝したバゴという馬である。

引退にあたって、ジャパンカップを引退レースとして日本にやってきて、北海道に渡り、活躍馬を輩出してきた。

クロノジェネシス、あとステラヴェローチェもそうだけど、この2頭は凱旋門賞に勝てば、親子制覇ということになる。

一方のヨーロッパ勢、最有力がまさか北海道生まれ・ディープインパクトの娘のSnowfallとなれば、

これは日本の競馬ファンにとっては穏やかではないですね。