昨日、突如としてウマ娘のロサンゼルス公演の出演者のビザが発給されておらず、
このままでは開催できるか怪しい、とそれを3日前に言うかという話だが。
で、結局これは無理だということで中止になったそうである。
話によれば半年前から申請には着手していたそうである。
このタイプのビザは事前にアメリカ国内でI-129 “Petition for a Nonimmigrant Worker” という書類を提出して、
外国から人を呼び寄せるに値するイベントであることを認めてもらう必要がある。
その上で、これを根拠にして個人単位のビザ申請を行うことになるそう。
前者の段階で大きく遅れていればこのタイミングでの発表にはならないだろうから、
後者の個人単位での手続きが遅れているのではないかと推測できる。
ウマ娘は出演者が多く、審査に時間を要することが想像できるが、
この手続きは大使館・領事館を通じて行うため進捗も見えにくいのだろう。
すなわち大使館・領事館での手続き自体は想定していた時期には終わっていたということだろう。
そもそもアメリカではビザ申請の処理が遅くなっているよう。
背景にはトランプ政権の政策などありそうだが、一番問題なのは人手不足である。
人手不足でもちゃんと審査はしないといけない。
この結果として申請結果が出るまで1~3年ぐらいかかることがあるよう。
そんなに前に申請できるわけないんですよね。
というわけで最近はアメリカ国内でコンサートを予定するも断念というのは世界的にも多々あるよう。
ところでウマ娘の出演者はアメリカ国内のイベントに招かれていくこともある。
これも同じようなものではないか? と思うのだけどちょっと位置づけが違うらしい。
あとは短期商用の範囲内で済んでいる可能性もある。
この場合は日本人だとESTAの申請で済むので比較的早い。
さて、日本だとどうなのか? という話なのだが、
日本では短期滞在を除けば、日本国内で在留資格認定証明書の申請を行う。
日本国内で在留資格認定証明書が発行されれば、それを入国予定者に送付する。
そして、それを在外公館に持って行くと、1週間程度でビザがパスポートに貼られる。
これで準備完了で、入国審査ではビザを貼ったパスポートと在留資格認定証明書を提出すればよい。
なお、近年まで在留資格認定証明書は原本を本人に送り持参する必要があったが、
現在は電子メールで送付(代理人からの転送も可)したものを呈示すればよいとなっている。
日本だと「興行」の在留資格にあたるが、調べてみるといろいろな基準が書かれている。
演劇・舞踊・演奏などを目的とする場合の基準がイ・ロ・ハと分かれている。
「イ」は実績ある機関が風俗営業以外の施設での興行に受け入れる場合。
実績ある機関が受け入れるのだから緩和された基準でよいとなっている。
「ロ」はそれ以外の場合で、問題が生じにくかろうというものをいろいろ列挙している。
客席で飲食物を提供せず(バーカウンターで提供するのはOK)、100席以上(スタンディングでも可)の会場での興行、
1日50万円以上の報酬を得て滞在期間が30日以内などの要件は比較的満たしやすいように思う。
こういう場合も比較的緩和された基準で審査が行われるよう。
そして「ハ」はそれ以外、これが厳しいのだと思う。
というのもかつては典型的にフィリピンからダンサーという名目で多く来日していた。
これがいろいろ問題があり、現在では厳格化されている。
「客席で飲食物を提供せず」というのはここの裏返しなわけですね。
日本では興行の在留資格認定証明書の交付までの日数は概ね16日程度のよう。
就労系の在留資格の中ではかなり早いことから、審査要件が緩和されている案件が多いことが推測できる。
認定証明書が出ればビザの発行まで1週間程度である。
日本ではすでに国内にいる外国人が新たな在留資格を得た場合はビザというものは発行されない。
中長期在留者の場合は在留カードに記録されるものが全てである。
あくまでもビザは外国から日本に新規入国する際にだけ使うものである。
そこで気になるのはすでに在留資格認定証明書を持っている人のビザの審査って何なんだ? ということである。
在留資格認定証明書を提出した場合、在留資格の適合性は問題ない。
上陸拒否の条件にあたらないことも、ある程度は審査されているであろう。
ただ、出入国在留管理庁に確認出来なくて、在外公館でないと確認出来ないこともあって。
申請人が有効な旅券を所持しており、本国への帰国又は在留国への再入国の権利・資格が確保されていること。
このためにビザの申請というのが必要だと言うことである。
日本国内で居続けるのであれば、パスポートがないことは必ずしも問題とは言えない。
というわけで日本だとこういうケースの各種手続きは1ヶ月ぐらいで済むであろうということになる。
在留資格の特徴から迅速化が図られているということだろう。
日本国内で手続きのほとんどが完了し、在外公館ではかなり形式的な手続きで済むのも特徴である。
アメリカの場合、個人単位のビザ申請に要する期間が長い傾向はかなりある。
この要因の1つには大使館・領事館で行われる面接があるのだという。
面接の意図はいろいろあり、本人確認(指紋採取もあるらしい)という側面もあるし、
留学などの目的によっては語学などの能力確認、あと滞在目的の確認などいろいろ意図があるよう。
単発のコンサート出演ならば、本人確認ぐらいしか意味は無いように思うが。
面接後の審査もいろいろあるわけだし、最終判断は本国になる。
これがどうしても所要時間が減らない理由でもあるのではないかなと。
国際交流の面では大問題だと思いますけどね。
ただ、そうはいってもここまでのことが起こるのは信じがたいことである。
日本のコンテンツの単独イベントというのが難しかったのか。
でも、その場合は最初のI-129の審査で問題になるはずで、もっと早くダメだと気づけたはず。
となれば、出演者が多すぎたことかと思うが、これはどうでしょうね?