紙の新聞にこだわる理由もない?

朝日新聞の購読料が上がるというニュースを見て、僕が契約している朝日新聞デジタルは? と思ったがこれは関係なさそう。

本紙購読料改定のお知らせ

およそ1割の値上げになるみたいですね。

夕刊のある地域では4400円、朝刊のみの地域では3500円になるとのこと。

朝刊のみの地域なら、値上げしても朝日新聞デジタルのプレミアムコース(3800円)より安いが。

もっとも後で書くような事情により、これを比べること自体がナンセンスなのかもしれない。


背景は新聞の配達コストがあるとみられる。

しかし、インターネットの普及で新聞事業を取り巻く環境が厳しさを増し、販売・広告収入が減る一方、新聞製作コストは高くなっています。深刻な人手不足などで戸別配達を維持することも難しくなってきました。

ゆえに、この値上げというのは朝日新聞社にとってはそこまで恩恵は大きくないのかもしれない。

実際に配達したり、チラシの広告料を受け取るのは地域の新聞店で、ここの経営状況悪化が問題であると読めるから。

値上げ分の相当分は新聞店の取り分に充てられるんじゃないかな? わからないけどね。


そもそも僕が朝日新聞デジタルを契約しているのは、独立した2015年当時に電子版単独で購読できる新聞が限られていて、

そんな中で総合的な新聞といえば、それは朝日新聞しかなかったという事情が大きい。

確かにそれ以前に自宅で購読していたのが朝日新聞だったからというのは背景の1つにあるのだが、

必ずしもそこにこだわることはないと思っていたが、実際のところ選択肢というのがなかった。

朝日新聞デジタルは今年10周年を迎えたとのことである。当初は先進的な取り組みだったという。


そこから時が経って思うのは、紙の新聞と電子版の新聞では情報量が全然違うということである。

朝日新聞はDOIを使う

最近は新型コロナウイルス関係で学術論文を引用した記事が多く出てる。

論文のURLが記載される一方、図解も交えながら一般の人にも理解しやすいように工夫されている。

政治・社会に関わるニュースは、電子版で速報を出して、朝刊・夕刊の紙面でより掘り下げた記事が出る(それは電子版にも掲載される)という流れが多い印象である。

でも、科学とか健康とかそういう分野では違うんですね。紙面は電子版の抜粋以外のなにものでもないんですね。

という感想を書いている。

朝刊・夕刊の締め切りにとらわれず、紙面のスペースにもとらわれず記事を出せる意味はそういうことだと。


ただ、一方で紙の新聞のニーズがなくなるということはないし、

縮刷版としてアーカイブ化されることなど、電子版とは異なる役割も担っていると思う。

あと、電子版の情報量の多さというのは時に誤解を生むという指摘もあって、

それは紙面でベタ記事のように軽い扱いのされるような記事も同列に並べられるので、それが大きなニュースに見えてしまうということである。

限りある紙面では重要度の高い記事を大きく書き、それ以外の記事をコンパクトに収めることが必須だが、

電子版ではその必要が無いため、ニュースの重要性がパッと見てわからないと言うことですね。


ということで紙の新聞の維持を図るための策とも言えるが、これが新聞離れにつながり、

電子版に移行してくれれば朝日新聞社としてはかまわないが、地域の新聞店には救いがない。

そこまでのことはないだろうと高をくくっているのか、それでもかまわないと思っているのか。

まぁ微妙なところですね。


このBlogで何度か書いたような覚えもあるけど、

電子書籍に消極的な出版社はその先の書店のことを考えて、紙の書籍にこだわっている場合があるらしい。

電子書籍でも紙の書籍でも売れれば出版社にはお金が入るが、電子書籍では地域の書店にはお金が落ちませんから。

とはいえ、読者からも著者からも電子書籍での販売の要望も寄せられ、苦慮していると言う話も見たことがある。

(どこかで出版社の方針とは違うが、著者からの強い要望により電子版を出したみたいな記事を見た覚えがある)

それは新聞も同じで、現在も読売新聞オンラインは全機能を使うには紙の新聞の定期購読を要するようだし、

かつての毎日新聞もそうだった。(現在は電子版単独での契約も可能になっている)


でも、そこまでして従来の商流を維持する理由は乏しくなってきているということでもあると思う。

特に朝日新聞は電子版をやるようになって、紙の頃とは編集体制もだいぶ変わったという話がありますから。

朝日新聞の「デジタルファースト」戦略ーー報道の現場はどう変わったのか?(Yahoo!ニュース)

紙の新聞を辞めるほどのものではないけど、自らの身を削ってまで地域の新聞店を守る理由はない。そういうことでしょう。