昨日は中山グランドジャンプ(J・GI)が行われた。
オジュウチョウサンがいないのは8年ぶり、他のチャンピオンも多くが引退、
昨年末の中山大障害を勝ったニシノデイジーも障害戦のキャリアは浅く、
大変フレッシュな面々が揃ったと言われた。
一方、昨日はイギリスではグランドナショナルが行われた。
イギリスで最も馬券を売るレースで、世界で最も有名な障害レースだと思う。
イギリスでの注目度は日本でいうところの有馬記念みたいなものかも。
ただ、ハンデ戦のため、かつてはG3、今年から Premier Handicap という新区分になった。
(ヨーロッパでは平地のハンデ戦はグループ制の対象外とされているため、障害のグレード制もそこに合わせたとみられる)
賞金は高くて1着50万ポンド(8300万円)、世界最高賞金の障害レースである。
日本の中山グランドジャンプ・中山大障害の1着6600万円も十分高いが、もう少し高額である。
ただ、グランドナショナルはとてもチャンピオン決定戦とは言えないトンデモレースである。
Racing Replay: Randox Grand National Handicap Chase (Premier Handicap) (Class 1) (Turf) (Racing TV)
まず頭数の多さにびっくりするが。1頭除外の39頭立てである。
そして第1障害で4頭落馬、第2障害で2頭落馬、いきなりこれはひどい。
結局完走したのは17頭、ここ最近はこれぐらいの数字らしい。
こんなレースなので、動物愛護団体による妨害も恒例となっており、
今年はそれが原因で発走が14分遅れ、100人以上の逮捕者を出したという。
ただ、これだけ落馬が相次ぐレースだが、致命傷を負うものはそこまで多くない。
障害が難しく負担重量も重いのでスピードが出ないということらしい。
とはいえ、今年も1頭が転倒で死んでおり、なかなか全頭無事とはいかないのも実情である。
主催者側も出走資格の厳格化(7歳以上・長距離の障害レースで4着以内など)、
落馬の多い障害の改良など、それなりの対策はしているところである。
障害レースに落馬は付きものであり、ある程度は仕方ないと思うのだが、
ただ、落馬した馬がカラ馬として走り続けて、そのカラ馬に邪魔されて落馬(2:15ごろ)と、
落馬が落馬を生むような状況はさすがにどうなの? と思う。
これでもカラ馬が待避路が逃げやすくなる対策をしてるらしいんだけど。
なお、転倒した馬が除けられない場合は待避路を走らせることになっていて、
5:05ごろに旗を出して待避路を走るように指示している姿が見える。
実は……というほどでもないが中山大障害はグランドナショナルをモデルに作られたレースである。
中山大障害は年2回開催だったが、春は 中山グランドジャンプ として独立、
開催時期を考えれば 中山グランドジャンプ は 日本のグランドナショナルというべきレースである。
ただ、距離が4250mと本家の約6900mと比べればずいぶん短く、
障害の難易度はほどほど、なによりハードル並みのスピード勝負である。
中山グランドジャンプは国際招待競走だった時期もあり、
現在も国際競走ではあるのだが、さすがにこのスピード勝負では参戦しにくい。
どうしても障害レースは落馬・転倒が多く、亡くなる馬もそれなりにいる。
JRAでは年125レースほどの障害レースがあるが、2021年・2022年はともに6頭が障害レースで死んだという。
これをどう見るかという話はありますが。事故率は平地より1桁ぐらい高そうだが……
ただ、未勝利やクラスで頭打ちになった馬にとってのチャンスではあり、
オジュウチョウサンが平地未勝利から障害入りして長くチャンピオンにあったのは有名な話である。
グランドナショナルがイギリスで最も馬券を売るのとは対照的に日本では障害レースの人気はそこまで高くはない。
馬券売上も平地に比べればだいぶ見劣り、中山グランドジャンプの売上は18.2億円、
同日のアーリントンカップ(GIII)が38.0億円だから、これの半分も売れてない。
ただ、馬券売上の割には賞金は高く、障害未勝利で1着790万円など。
そこにはJRAの障害レースへの期待が込められているのではないか。
雨が降る中で行われた今年の中山グランドジャンプ、10頭全頭が完走し、
優勝したのはイロゴトシ、熊本県生まれの馬である。大差勝ちだった。
九州産馬がG1級のレースを勝つのは初めてで、障害とはいえ快挙である。
九州産馬のダービーこと ひまわり賞 を含む平地3勝を挙げるも、
平地3勝クラスは厳しいとみたか障害へ転向、今年2月に障害初勝利、
前哨戦のペガサスジャンプステークスで3着で手応えを感じたのか参戦と。
いろいろあるもんだなぁと思いますね。