接種間隔が長いんですけど

最近、新型コロナウイルスのワクチンの話題が多いんですが、

昨日、アストラゼネカ製ワクチンについてこう書いたのは必ずしも正しくなかったらしい。

説明文を読んで初めて知ったんですけど、アストラゼネカ製ワクチンって、

1回目接種~2回目接種は4~12週間と規定されていて、かなり幅が広いんですね。

ファイザー製とモデルナ製がそれぞれ3週間後できるだけ早く、4週間後できるだけ早く、となっているのとは対照的。

実務的にはモデルナ製ワクチンと同じような4週間後できるだけ早く、と解されているようですが。

(市町村へのワクチン供給は細いまま)


実は多数派は1回目接種から2回目接種はおよそ8週間後とする方法らしい。

なぜ、ファイザー製の3倍近く、モデルナ製の2倍もの間隔を空けるのか。

調べたら添付文書にこういう記載があるようですね。

・1回目の接種後、通常、4~12週間の間隔(※)で2回目の接種を受けてください。
(※)最大の効果を得るためには、8週以上の間隔をおいて接種することが望ましいとされています。

(アストラゼネカ社の新型コロナワクチンについて (厚生労働省))

なるほど。ちゃんと理由があったんですね。


しかし、だからといって8週間空けがもっともよいとは限らない。

2回接種が完了しないと重症化を防ぐ効果が不十分だからである。

4~12週間の幅であれば、どの間隔で接種しても一応は十分な効果が得られるはずですから、

1回目接種の4週間後に2回目接種をする方法は、単純に4週間早く効果が得られると考えてよいだろう。

ただし、2回目接種後の効果は8週間空ける場合より多少劣ることになる。

しかし、いずれのケースでもmRNAワクチンよりは効果は多少劣るはずなので、どんぐりの背比べである。


アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンの接種を希望する理由もいろいろで、

mRNAワクチンの成分にアレルギーの懸念があるケースが1つ考えられる。

このような事情がある場合は、40歳以上に限らず、18歳以上ならば使用可能だという。

ただ、mRNAワクチンの供給不足を補う目的でアストラゼネカ製ワクチンを選択するケースも想定されるところである。

しかし8週間の間隔を空けて接種する場合、5週間後にファイザー製ワクチンの1回目接種を受ける人と2回目接種完のタイミングは同じとなり、

数週間待ってファイザー製 あるいは モデルナ製ワクチンの接種をする方が何においても優れているのでは? となる。

一般にアストラゼネカ製ワクチンを接種できるのは40歳以上に限られており、

現在、市町村ではファイザー製ワクチンでこの年代の人にせっせと接種している事情を考えれば待ちますよね。


今にして振り返ってみれば、これがイギリスで1回目接種から2回目接種の間隔を長く取っていた理由なんだなと。

これにより1回接種を済ませて、ある程度の免疫の付いた住民を早期に増やすことが出来、

なおかつ8~12週間空けで接種することで、2回接種後の効果も最大となるとなっているので、

この中では最大の12週間隔を基本として考えていたわけである。

しかし、ウイルスの変異が進む中で1回接種の住民が感染・重症化するケースが増えて問題となった。

このことから現在は8週間隔に短縮したという。それでも8週なんですが。


というわけでけっこう悩ましいんですよね。

アストラゼネカのお膝元、イギリスでは当初12週間隔、現在8週間隔なので、

これがもっとも実績があると考えられる一方で、短縮されてもなお1~2回目の間隔が長いわけですよ。

で、日本では2社のmRNAワクチンが先行し、3~4週間間隔というのが定着している。

ファイザーとモデルナの1週間の差は軽微な問題ということで処理されている。

(モデルナ製ワクチンは3週間後まで早めても問題ないと記載されているので、この点では完全に同じと言ってもよい)

これが1回接種でもそこそこ効果があると見積もれるなら8週空けでもよかったんだろうけど、

2回接種でないと効果が不十分で、それが急を要するという状態ではちょっと厳しいんじゃないかなと。


異なる方式のワクチンが混在することにこんな問題があったとは思わなかった。

これでは特別な事情がない人はアストラゼネカ製ワクチンは選べないでしょう。

40歳以上という年齢制限が付き、50代・40代の1回目接種がせいぜい来月中には回るでしょうという状況ですからね。

(市町村により多少の差はあるだろうけど、国から市町村への供給スケジュールを考えるとほぼ可能だろう)

特別な事情がある人にとっても悩ましい話である。

早期に2回接種になる方がよいか、2回接種後の効果を最大にする方がよいかというのは昨今の状況からは究極の選択である。

しかし、その選択は実質的には接種会場の運営者に委ねられているわけである。


この頃には塩野義の組み替えタンパクワクチンが選べるのでは? と思ってた時期もありましたが。

塩野義製薬は2日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、効果を補強するために添加する「アジュバント(免疫補助剤)」を別の物質に変更し、新たに国内で初期段階(第1、第2相)の臨床試験(治験)を始めると発表した。(中略)

今年中の供給開始も視野に入れながら、昨年12月から約300人を対象に国内で初期段階の治験を実施。安全性と有効性の確認を進めてきたが、中和抗体価(血液中の抗体の量)が十分に高くならなかったという。

(塩野義製薬の新型コロナワクチン 年度内の供給開始目指す (Yahoo!ニュース))

これはダメそうですね。

おそらく、先行するmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンと同程度の効果があると示せる必要があったが、それは厳しいと判断したようだ。

中国のシノバック製の不活化ワクチンが「水ワクチン」呼ばわりされている話もあるが、

一定の効果はあるから水ワクチンは言い過ぎだが、他方式より明らかに見劣りするものは他のワクチンで代替しないとならんだろう。

ましてや塩野義のワクチンは後発ですから、先行するワクチンと比べて明らかに見劣りする物は出せないわけですよね。

組み替えタンパクワクチンの可能性が消えたわけではないが、早期供給は期待できないですね。


というわけで難しいですね。

基本的には2社のmRNAワクチンのどちらかを接種するということだし、

その2社でおそらく今年中には希望する全住民に回るのでは? という状況で、基本的にはよくやってると思います。

ヨーロッパ諸国などと比べて立ち上がりが遅かった日本のワクチン接種ですが、

mRNAワクチンで接種が進んで、添付文書の接種間隔に忠実に接種を進めていることもあって、

2回接種完の人口はよく伸びており、来月ぐらいには人口比でヨーロッパ諸国に匹敵するぐらいはなりそうな感じはする。

持病持ちの人は早く接種に行き、職場などで接種機会がある人はそれを使い、それ以外の住民は整然と年齢順に打つ、

ということでやっていく以外に道はないし、市町村と職域接種、あるいは市町村間で足の引っ張り合いをしているのも否めないところはあるが、

早期に接種を終えれば、その分はもう抜けるわけですから、そこはちょっと冷静に待とうということですね。

1ヶ月経てば供給状況が全然違うというのはこれまで見てもわかる通りですから。

市町村へのワクチン供給は細いまま

出勤したら「副反応から1日で復帰したのね」と驚かれる始末。

どうも、同じ部署で40℃以上の発熱に見舞われ数日ダウンしていたひとがいたらしく、

それで戦々恐々としていたらしいのだが、それに比べればだいぶマシだわな。

(そんな話を聞くこともなかったが、公には体調不良以外の情報が流れていなかったのがある)

当然、個人差は大きいということだが。


新型コロナウイルスのワクチンの配分について、いろいろ混乱があったところだが。

モデルナ製ワクチンも足りないの?

9月のワクチン配分数が決まったのだが、東京都の市町村への配分数が少ないような……

ファイザー社ワクチン第13・第14・第15クールの配分等について(pdf) (厚生労働省)

この期間の2週間あたりの配分数は 716箱→708箱→690箱 となっている。

東京都の人口は千葉県の倍以上あるが、千葉県の配分数は 595箱→595箱→595箱 である。

ちょっと不思議な数字ですね。


この都道府県単位の配分数を決定する根拠は下記の通りである。

(1)12歳以上の人口の8割に2回接種するために必要なワクチンの接種回数を都道府県別に計算

(2)医療従事者用のワクチンを含め、これまで配分したファイザー社ワクチンの接種回数を都道府県別に計算(都道府県が設置する大規模接種会場用に分配したものは8月1日までに配分したもののみ)

(3)これまで分配した武田/モデルナ社ワクチンの接種回数について、①自衛隊大規模接種会場、②自治体大規模接種会場、③職域接種会場ごとにVRSに登録されたデータを踏まえ、都道府県別に按分(4)(2)と(3)の和を(1)から減じて配分が必要な接種回数を計算し、その3分の1に相当するワクチン量を計算した上で、都道府県が設置する大規模接種会場に必要なワクチン量を加えて、都道府県別分配量とする

一時問題となったが、在庫を貯め込んでいるとみなされた市町村への配分を絞るという方法はすでに採用されていない。

VRSに登録された分は具体的にどの市町村の住民に接種されたか把握できているのでよくて、

配布したが未接種のワクチン、あるいは接種したがVRS未登録分のワクチン(これが以前言われた「在庫」)について、

国・都道府県の大規模接種会場や職域接種に配布されたモデルナ製ワクチンは、各区分ごとにVRS登録実績に応じて都道府県毎に按分、

その上で、各都道府県の住民の8割以上に接種できるだけのワクチンが10/15ごろまでに各都道府県にあるようにしたと。

そういうことである。


確かに国の大規模接種会場や職域接種は、配送先の都道府県と実際に接種を受ける人の住所地は一致しないことも多く、

このことを考慮して、すでにVRSに登録された実績で各都道府県に按分するという方法を取っているようだ。

VRSに登録するには接種券が必要なので、職域接種をこの方法で按分するのが妥当かという話はあるものの、

何も考えずに職域接種のワクチン配送先に割り振るよりはマシであろう。


これを各市町村に割り振るわけだが、東京都の市町村への供給量がこうも少なくては、

当然各市区町村への配分は8月より9月以降で細り、ただでさえ7月から8月にかけて細ったのに、それより悪くなる。

このことについては市から東京都に抗議文が出ているような状況である。

一応、東京都の説明によれば、

第15クールまでの分配により、原則として、各区市町村における12歳以上の接種対象人口へのファイザー社ワクチン配付率は5割以上となる見通しです。

ということで、各市区町村に届いたワクチンの累積は、対象人口の5割以上になるようにしているということで、

早くに多くのワクチンを受け取っていた市区町村ほど、9月以降のワクチン配分数が細る仕掛けとなっている。

国→都道府県の配分は、市町村以外での接種を含めて、未接種・未登録分を見積もって、対象住民の8割に届くように、

東京都→市区町村の配分は、市町村での接種が住民の5割以上に行き届くように、ということでちょっと観点が違うんですね。


とはいえ、さすがに国→東京都の市町村への配分数が少なすぎるのではと思ったら、

よくよく見てみると見落としていたものがあって、それが東京都の大規模接種会場へ割りあてられるワクチンで、

これが2週間毎に 278箱→270箱→252箱 とあってやたらと多い。

これを合計すると 994箱→978箱→942箱 となり、これでも人口比少ないことには違いはないが、そこまでではなくなる。

実は東京都はいろいろな大規模接種会場を設置している。

都が設置するワクチン大規模接種会場に関する情報について (東京都)

消防・警察・医療関係・オリンピック関係者の接種はもう1回目は回りきった頃だろう。

今1回目接種でやっているのは教育関係、大学生、中小企業従業員 ですかね。

あと、井の頭恩賜公園ワクチン接種会場はユニークで、これはドライブスルー接種会場ですね。

東京都として自力移動が困難な人へのワクチン接種を行っているんですね。

地域の医療機関が往診などで対応しているケースもあると思うが。


ただ、こういうことをやっていると市町村で重点的に行っている50代・40代への接種を加速できないとも言える。

もちろん、東京都だって教育関係者の接種は高年齢の人を優先してやっているわけだし、

自力移動困難な人というのは往々にして高齢者とか持病持ちで優先接種を受けるべき人ではある。

その点では東京都の大規模接種会場は市町村の接種とは競合するとは言えないのだが、

大学生への接種とか、中小企業従業員の接種というのは、果たして市町村での接種より優先されるものなのだろうか?

出遅れで職域接種の恩恵にあずかれない大学生やサラリーマンのガス抜きでしかないんじゃないか?


一方で、条件付きで利用できることとなったアストラゼネカ製ワクチン、

各都道府県で1箇所以上は接種できる場所を用意するようにという話はあったが、

緊急事態宣言の対象地域では優先して配分することとなり、それを受けて配分を受けて受付を開始した市区町村もあるようだ。

説明文を読んで初めて知ったんですけど、アストラゼネカ製ワクチンって、

1回目接種~2回目接種は4~12週間と規定されていて、かなり幅が広いんですね。

ファイザー製とモデルナ製がそれぞれ3週間後できるだけ早く、4週間後できるだけ早く、となっているのとは対照的。

実務的にはモデルナ製ワクチンと同じような4週間後できるだけ早く、と解されているようですが。


予防接種は本来的には市町村の業務だが、今回は市町村以外での接種の割合が無視できないほど多く、

それがゆえに市町村への配分がどんぶり勘定になっている感はある。

東京都の場合、大手町の接種会場、職域接種、東京都の接種会場と、市町村以外での接種が相当に多いですからなおさら。

接種ペースの加速という点では大きく貢献していることは事実だが、必ずしも優先度が高いところに接種が回らないのが課題である。

接種の基本を担う市町村としてはなかなか納得しがたいことではないかと思う。

現状がどんぶり勘定なのはVRSの実績を受け取ればより正確に必要数を見積もれるようになるので、そこで帳尻合わせをするのだろう。


そもそも、どれだけの住民が接種を希望するかというところはまさに出たとこ勝負ですから、

とりあえず8割ぐらいで見積もっているけど、日本では9割ぐらいの人が接種を希望するポテンシャルはあると思うので。

(cf. コロナワクチン「接種したくない」11% 世代や性別でも違い (NHK))

最終的には地域の医療機関で細々と接種を継続していくことになるだろうし、そこまで持ち込むことが重要である。


というわけで、職域接種と大規模接種で市町村以外に大量のワクチンがばらまかれればこうなるよねという感じ。

これにより、持病持ち優先・高年齢者優先という接種スケジュールに狂いが生じることになったわけだが、

一方で、整然と接種を進めても、最近の感染急拡大に間に合ったとは考えにくいところもある。

1回接種ならある程度回ったかも知れないが、2回接種しないと重症化の抑止にも不十分って話だしね。

せめて高齢者に回ってたのが救いだが、そもそもそれでだいぶ楽になるという当初の見込みが外れた時点で地獄なのである。

ワクチン打った翌日は発熱する

今週は連日出勤だが、その初日がワクチン接種2回目なのは運がいいのか悪いのか。

ワクチン接種のスケジュールは1回目接種日により決まり、

今週が連日出勤なのは、先週にとあるものが納入されたことによるので特に関係ない。


午前中に「時間単位特別休暇」で職場を抜けて、食堂へ行ってワクチン接種。

食堂でワクチン接種

受付係、問診の医師、接種をする看護師、いずれにも1回目の接種後どうだったと聞かれる始末。

打ったところは痛いけどインフルエンザの予防接種とそんなに変わらんねというと、そうかという感じ。

接種する看護師も慣れたのか前回よりスムーズだった。

接種後の待ち時間で後ろを振り返ると、看護師が詰めて注射器への充填作業をしていた。


その後、職場に戻って、届いたものの検品作業を進めて、全部の動作確認が出来て報告して、作業場を片付けて……

そんな具合で1日の仕事を終えたが、1回目よりも接種したところが痛くなるのが早かったような。

ともかく、仕事終わりまではこれといったこともなく帰宅。

それで夜に寝たがちょっと寝苦しい気が。


それで朝に起きて体温を測ったら 37.3℃……うーん。

朝に体温測定したのは出勤予定だからというのもあったのだが、

朝起きてこの体温では明らかに平熱とは言えないから、これで出勤するわけにはいかんよなぁ。

新型コロナウイルス対策として定期的な検温が求められているということはそういうことだ。

仕事できないほどの体調ではなかったし、在宅勤務なら突っ切ってたかもしれないけど、出勤予定だったので、特別休暇とすることにした。

副反応の場合は1日は特別休暇が取得できるのだ。(1日は半日・時間単位に分割することも可能)


その後、ゼリー食って、朝食食って、寝てたが、昼頃には体温は平熱となった。

腕が痛いのは相変わらずだが、これも少し緩和してきたかな。

結果的には半日でよかった気もするが、出勤前提だと半日だけというのもめんどくさい話だし、

制度上は1日まではOKだし、これは問題ないでしょう。

明日はきっちり仕事が出来るはず。


職場で接種したことからもわかる通りモデルナ製ワクチンなんですけど、これすごいんですよね。

モデルナ製ワクチン、2回目接種翌日に8割で37・5度以上の発熱…ファイザー製の2倍に (読売新聞)

接種翌日に37.5℃以上の発熱した人が78%、38℃以上の発熱した人が62%ということで、

37.5℃程度の発熱でもマシな方なんですよね。

原理が同じファイザー製ワクチンも副作用の出方は似ているのだが、発熱などの頻度は倍ぐらい違うという。

いずれにせよ、こんなワクチン聞いたことないわ! という感じはするが、逆に言えばその程度である。

稀に心筋炎になる人がいるという話はあるが、極めて稀だし、軽度で推移することが大半という。

ウイルスベクターワクチンの血栓症(ワクチン誘発性免疫性血栓性血小板減少症)も稀といえばそうだが、

これよりもさらに少ないので、mRNAワクチンは安全性が高く、高い効果が得られると言ってよいと思う。

ただし、発熱で翌日ダウンする人はかなり多い。水分取って寝て養生してればなんとでもなると思うが。


というわけで、軽度で推移した方だとは思うけど、こういうことはあるってことですね。

職場で接種できたことと、副反応の特別休暇があったこともあって、かなり気楽ではありましたね。

これがなかったら、接種で半日休暇2回、副反応で有給休暇1日ですか。

それでも必要なものだし、休暇は取ってでもやったとは思いますけどね。


さて、報じられているように全国で多くの感染者の報告があり、

その中には重症化する患者もいるわけだが、東京都では過去最高の重症患者数を数えるに至っている。

東京都の重症患者数の数え方は人工呼吸器を使っているなど、重症度のかなり高い患者を限定して数えており、

一般的な基準である集中治療室に入院しているとか言う基準とは違うが、その分ごまかしのきかない数字である。

これは本当に当初の目論見が外れていて、重症化しやすい高齢者、持病持ちの人がワクチンを接種すれば、

これで医療機関の負担はかなり減るはずと思っていたらそうはならないんですね。

しかし、ワクチンの効果がないわけではなく、むしろワクチンに助けられているのである。

では、なにが悪いかというと、ウイルスの変異により重症化しやすくなっているということである。


以前、こういうことを書きましたけど。

半端にワクチン接種が進むほど怖い

確かに「同居家族にうつっては怖いから宴会など避けていたが、ワクチンを打ったのでその必要が無くなった」というような話も聞くが、

そういうことが最近の感染拡大にすごく寄与しているかはよくわかりませんね。

ウイルスの変異が進む中で従来と同じ対策では効果を得にくいという話はいろいろ言われていますから。


そんな中でワクチンが全年代に行き渡ることへの期待は大きいわけだが、どうでしょうね。

今は、医療機関は全年代の持病持ちの人、市町村の集団接種は40代以上の人を主として接種を進めている。

一般の30代以下はうちの地域だと9月以降に接種開始みたいですね。

そんな中で職場で接種したことで2ヶ月ぐらい先回りできたのは単純にはラッキーだが、

職域接種が利権争いのようになっている中でこれでよいのかという思いはある。

(とはいえ、うちの職場は50代・40代の在勤者も多いのだから、そこはよいことではあるのだが)

職場で接種したことで市にとってもその分の負担が減ったのはある。

ただし職域接種でVRSに登録された分は今後の配分で控除されるような話もある。

(こうすると接種券を送るのを引き延ばす方がお得ということになるのだが、それはそれでおかしな話である)

職場で打ったがために、他の市民の首絞めるようなことになっては申し訳ないが、そこまで問題とならないことを願う。


しかし、重症者数が実際に増えてきて、感染者数も減る気配がないとなれば、これからが地獄だよな。

短期間の厳しい対策はなんとかなっても、長期間の厳しい対策は持たないということがわかっている。

「オリンピックを決行するなら――」という気の緩みも指摘されるところだが、そうでなくても厳しいと思う。

家でバタバタ死ぬ恐怖のどちらが勝るかだが、それすらも疑わしい。

正直なところ、打開策はなかなか見あたらないですね。

従来通りの対策を徹底して続けていくのが最善策だと思うが、それでも感染するときは感染しますからね。

パラリンピックは難しい

オリンピックが終われば期間を空けてパラリンピックが始まるわけだけど、

医療機関の負担が増える中で、本当に決行できるのだろうか?

オリンピックに派遣された医療スタッフがこの状況でオリンピックに行ってよいものかとなった話はあるが、

東京都でも新型コロナウイルスの重症患者(人工呼吸器など使っている人数)が過去最大となる中で本当にできるのだろうか。

(東京都の重症患者数は一般に重症と認識される患者の一部ではあるが、一貫性のある基準であると考える)

果たしてこの状況を統括団体はどう考えているのだろうか。


パラリンピックという名前が付いたのは1964年の東京大会が初めてだという。

その点では2020年の東京パラリンピックはパラリンピックの里帰りとも言える大会だ。

その間に障害者スポーツの社会の認知度も高まり、パラリンピックへの熱も高まった。

パラリンピックのメダルもオリンピックのメダルに並ぶほどの価値として認識されつつあるが、

ここで問題となるのがクラス分けである。


今回の東京パラリンピックでは22競技539種目が実施されるとあり、

これはオリンピックの33競技339種目と比べると種目数の多さが目立つが、これは障害の種類や程度により種目が細分化されるためである。

もっとも障害の程度が異なる人が混ざって参加する車いすバスケットボールや、

パラリンピックでも男女2種目ぐらいに集約される競技もある。

種目数がかさんでいるのは陸上競技とか水泳とかが大きいのかな。

とはいえ、パラリンピックのメダルの価値が高まる中で、種目数を絞り込む流れもある。

2000年のシドニーパラリンピックのときは18競技561種目だったのだが、あまりに多すぎると絞り込まれ、

一方で東京ではテコンドーとバドミントンが新競技となったが、このように新競技の採用などで増えてもピーク時よりは少ない。


ここで重要なのがクラス分けなのだが、障害の状態は変化していくのでそれに応じてクラス分けも見直される。

この結果、パラリンピックのメダル有力候補が突如として出場資格を失うことがある。

ある日突然「健常者」に パラ選手、筋力回復し資格失う (朝日新聞デジタル)

日本国内の制度としては身体障害者として認定されているが、それとパラリンピックのクラス分けは別である。

クラス分けは クラシファイヤー という専門家が行うが、国内に有資格者がいない種目もあったりするので大変である。

クラス分けが見直されることで、メダルに近づく人もいれば、遠ざかったり、そもそも出る種目がない人も出てくる。

直近では車いすバスケットボールのクラス分け基準の見直しで、出場資格を失う人が出て問題となっていたようだ。

東京パラ、出場資格失い苦悩 「足切断も最終手段」 (朝日新聞デジタル)

国際パラリンピック委員会から除外警告を受けて、軽い障害の人は除外することを迫られたみたいですね。


ちなみに、陸上競技や水泳の場合、パラリンピックに直結しない国内大会限定のクラスがあるらしい。

これは国際大会で規定されているクラスには該当しないが身体障害者として認定されているとか、そういう場合に対象になる。

当たり前といえばそうですけど、障害者スポーツの全てがパラリンピックにつながるわけではないんですよね。

パラリンピックに出場できない程度に障害が軽いとしても、健常者と同じように競技ができるかは別問題だろう。

そういう選手たちの目標となる国内大会があることは意義があるんじゃないか。


あと、クラス分けにまつわる不正というのもあって、健常者が障害者を偽るようなことも時々明るみになっている。

金メダルをとった視覚障害の韓国人選手、本当の視力は「1.0」だった?=韓国ネット「世界を相手に詐欺?」「メダルを返そう」 (Record China)

視覚障害を偽って健常者をパラリンピックやアジアパラ競技大会に送り込んだという話で、

この件は韓国国内で刑事事件として立件されたそうですね。

ここに書かれていることからすると稚拙に過ぎる気はするが、そういう偽装も時には通じてしまうということである。

そういう偽装をしてまで勝とうとするのは、それだけパラリンピックのメダルの価値が重くなっているということである。


ところで、パラリンピックって身体障害者の大会だと思っていた頃もあったんですが、

競技の性質によっては知的障害者のクラスもあるんですね。

例えば、陸上競技だと400m走・1500m走・走幅跳・砲丸投にF20,T20(知的障害)が設けられている。

ペース配分に工夫が求められる距離が長い種目やフィールドの状況を把握する力が求められる種目が対象らしいですね。

一方で身体障害者でも明確に対象外なのが聴覚障害で、デフリンピックという世界大会を独自に開催している。

聴覚障害は運動能力のハンデキャップにはならない一方で、スタートの合図などは工夫が必要なので健常者と同ルールでの実施は難しい。

このことが独自の大会を行う理由になっており、手話によるコミュニケーションも特色だという。


こういう経緯を見たときに、オリンピックとパラリンピックは決定的に違うなと思うわけである。

確かにパラリンピックにはオリンピックにない特色のある競技もあるし、それはそれで面白いんですけど、

クラス分けにより排除されたからといって、健常者と同じく競技できるわけではない人もあるわけだし、

同じ競技でも障害の重さによって複数のチャンピオンが出てくるということの難しさもある。

ロンドンパラリンピック~東京パラリンピックにかけて、パラリンピックについての報道も多くなる中で、

これは無理があるんじゃないかという思いが強くなっていったのが正直な感想である。


そんな中で注目を浴びたのが義足の陸上選手のオリンピック挑戦だった。結局は実現しなかったんだけど。

義足選手の五輪出場認めず 陸上 (朝日新聞デジタル)

義足で健常者と争うルールがないということが問題だったんじゃないかと思う。

義足が身体能力以上に跳躍力を高めているのではという疑念があって認めるに至らなかったような話を聞いている。

とはいえ、障害の性質や競技の特徴によってはこういうことも真面目に考えていくべきところはあると思う。

ここまでできる人はごくわずかだろうけど、オリンピックで世界チャンピオンを目指す道もあった方が夢がある。


オリンピックを開催したのだから、パラリンピックを開催するのもお役目という考えはあると思うが、

一方でオリンピックだって医療スタッフに十分な協力が得られるかが問題だったところ、

開幕時点ではなんとかなると思ったものの、閉幕時点では厳しい状況になってしまった。

無観客化で体調不良の観客が出なかったからなんとかなったけど……と言うのはあるが。

オリンピックは「アルマゲドンでもない限りやる」という統括団体の強いメッセージがあった。

この発言への非難は相当のものだったが、一応は統括団体としての決意ではある。


しかし、パラリンピックについては統括団体の考えはほとんど報じられていない。

これはオリンピックの閉会式後にあっさりと中止を発表してしまうのではとも思っていたほどである。

もちろん障害者スポーツにとっても1年延期のパラリンピックは貴重な機会である。

実施できるに越したことはないが、そのためには大変な覚悟が必要である。

果たして、国際パラリンピック委員会と各競技団体にはそれだけの覚悟があるのか。

僕は疑っているのだが、それは考えすぎだろうか?

競輪は自転車競技の助けになるか

オリンピックの馬術競技にJRAが大きく貢献しているという話を紹介しましたが。

競馬が盛んなのは馬術の助けになってるか

もう1つ、オリンピック競技に直接的に貢献している公営競技があって競輪ですね。

まずなんといってもトラック競技の会場となった 伊豆ベロドローム は競輪マネーで作られた、

日本初の国際標準の室内250m木製走路の自転車競技場として作られた。

このあたりはJRAと馬事公苑の関係にも似てる気がするが、自転車の場合、トラック競技にプロの競輪選手も参加している。

スプリントとケイリンを掛け持ちして出場していたようですね。


プロスポーツとしての自転車競技はロードレースはヨーロッパ中心に盛んであるものの、

トラックレースをプロスポーツとしてやってるのは、競輪をやっている日本と韓国ぐらいじゃないか。

(韓国の競輪は日本の競輪をモデルとして導入されている。これは競馬・競艇にも共通する。)

日本はヨーロッパの自転車大国に比べれば、自転車競技は普及しているとは言えないが、

一方で競輪マネーというのは自転車競技の強化に役立っている。

オリンピックでメダルを獲得すると競技団体などから報奨金が出る場合があるが、

全競技中もっとも高額なのが自転車競技だという話がある。

実際、北京オリンピックでケイリンで銅メダルを獲得した永井選手は3200万円の報奨金が渡されている。

ケイリン銅の永井に報奨金計3200万円 (日刊スポーツ)

オリンピック以外の国際大会でも上位の成績を収めた選手には報奨金が支払われていたり、

さらに強化指定選手の報奨金が支払われていたり、具体的な額は不明点も多いが、わりと大盤振る舞いという感じがする。


ただ、難しいのはプロスポーツの競輪とトラックレースはだいぶ違うという話で、

それは例え、日本の競輪にルーツを持つトラックレースのケイリンでもだいぶ違うんだという。

ケイリンでは先頭に誘導員を置き、残り1周ぐらいまではみんな誘導員の後ろを走る。

これにより全員が空気抵抗を抑えながら走ることができる。そして誘導員がいなくなったら、先頭争いが始まるというわけ。

これがおそらく他の種目に対するケイリンの特色なのかなと。

(ケイリンってなんだ?)

先頭誘導員を置くというところ以外は全然違うと言ってもいいかもしれない。

日本ゆかりの競技とあって力が入っているのは確かだが、だからといって勝てるわけではない。

今回は男子ケイリンで脇本選手が善戦しましたけど、準決勝を勝ち抜けず、順位決定戦では1着で7位入賞ですか。


プロ選手にとって難しいのは、本業の競輪と国際大会に向けた練習をいかに両立するかというところだという。

もちろん自転車で走りを競うという点では共通点は多いが、競技は違うわけですよね。

競輪で賞金を稼ぐことを犠牲にして、自転車競技に力を入れるという決断ができるかということでもあり、

おそらくこのことは自転車競技の報奨金や奨励金が手厚い理由につながっているのだと思う。

このあたりは野球やサッカーとはまた事情は違うかも知れない。

(もっともチーム戦という事情もあり、所属チームの理解がなければ国際大会参加が難しいという別の問題もあるが)

あと、競輪選手の活躍が期待できるのはトラックの短距離種目に限られるだろうから、

自転車競技全体としてはアマチュア選手とプロ選手がともに力を付けていかないといけないという事情もあろう。


ただ、競輪というのはなかなか苦しい立場にある。

一時期は落ち込んだ公営競技の売上は、インターネット投票の充実により底を打ったのだが、

競馬(特に地方競馬)と競艇が大きく伸びているのに比べると、競輪・オートレースは横ばいぐらい。

インターネット投票の比率は他に比べると低いという。(このため無観客開催の影響も大きかったと言われている)

施設の老朽化もある中で存廃の議論になることもある。


そんな中、他の公営競技と比べると競輪は自転車競技との関わりが強いという特色がある。

競輪場は自転車競技場を兼ねているわけですよね。

トラックレースがプロスポーツとして行われているのが日本と韓国に限られるものの、

それ以外の国からもトラックレースで優秀な成績を収めた選手が短期登録選手としてやってくるなど国際交流の場ともなっている。

国際交流という点では競馬にはかなわないだろうけど、あれは馬のスポーツだから。

ともあれ、自転車競技の発展のためにも競輪への期待はあるわけだが。


そんな中で競輪界にブレイクスルーとなりそうな話がある。

千葉競輪場は設備老朽化のため廃止も検討されたが、国際標準の室内250m木製走路に作り替えられることとなった。

これは自転車競技の振興も考えたものとみられるが、あくまでも競輪場である。

ここでは新ルールの「250競輪」というものが実施されるが、トラックレースのケイリンに類似するルールになるようである。

250競輪 (千葉市)

選手にとってもファンにとっても、トラック競技と伝統的な競輪を橋渡しするような役目が期待されているとみられる。

現在の競輪は最大9車立てだが、250競輪ではコースの都合、6車立てになるようである。

単純に考えればギャンブルとしては堅い決着が多くなりそうという話で、ここが課題となりそうである。

とはいえ、伝統的な競輪はとっつきにくいところが多いとも言われており、そこを打開するための策でもあるようだ。


現在の競輪は先頭固定競走というルールで行われているが、かつてはいろいろなルールのものがあったという。

現在も規則上はスプリントレースのルールが残されており、これはトラックレースのスプリントに類似している。

250競輪以外のルールでの競輪開催も模索しているような話も見たので、

その中でスプリントレースの再構築とか、あるいはより距離の長いレースが行われるようになったり、

国際標準の自転車競技場での競輪というのは、自転車競技の発展という点では面白いネタかもしれない。

千葉で成果が出れば他の地域にも普及するかも知れない。


プロスポーツとしての競輪があるのは自転車競技にとって助けではあるが、

プロスポーツとしての競輪と自転車競技はまた別物というのは難しい悩みである。

とはいえ、日本が自転車競技で自転車大国と戦うには競輪をうまく生かすのが得策であり、

そのための方策はいろいろ考えているはずである。

人工芝なら屋内でもいいよね

東京オリンピックは無事閉幕したわけだけど、

メイン会場となった国立競技場の近くに 屋内ラグビー場 ができる計画があるという。

これは神宮外苑の再開発に伴うもので、現在の秩父宮ラグビー場の代替なのだが、

屋内でラグビー場? って感じはするけど、そこにはそれなりの理由があるという。


そもそも秩父宮ラグビー場とはなんなのか?

関東圏におけるラグビーの聖地とも言われ、様々なラグビーの試合が行われている。

使用頻度が高いのは大学ラグビーなんですかね。ともかくラグビーならば多目的に使われている。

もっともそんなに人が入るわけではないので、ワールドカップの舞台にはなってませんけどね。

国立競技場が改築のため使えなかった分の代替は調布市の東京スタジアム(味の素スタジアム)に回ってたし。

で、このラグビー場には1つ問題があって、それが「秩父宮ビーチ」とか言われているけど、

あまりの試合数の多さに芝の痛みが激しく、砂が露出した部分もしばしば見られるのだという。


そういえば、これこそラグビーの聖地として知られる東大阪市の花園ラグビー場は3つのグラウンドがあるという。

この3つのグラウンドに分散させることで、高校ラグビーの全国大会などが実施できてるんですね。

平時は多すぎるので、サッカー場として使ったり、陸上競技場として使ったりしているそう。


で、神宮外苑の再開発にあたって秩父宮ラグビー場を移転・改築するにあたって、

芝が痛みやすいことの根本的解決として考えられたのが人工芝の採用だという。

サッカーでは試合目的での人工芝の利用は限定的で、日本では練習や地域大会で使われる程度である。

(ただし、カナダで2015年に行われた 女子サッカーのワールドカップは全会場人工芝であったなど、国際大会での利用も行われつつある)

一方、ラグビーでは2004年に人工芝利用を想定した国際的なルールが作られており。

その後も日本では試合目的での利用には慎重だったが、2015年以降は国際大会での活用も想定したルールが制定されたという。

このことから丈夫で維持しやすい人工芝を新ラグビー場で採用することを決めたと見られる。


で、人工芝ならば太陽の下である必要はありませんから、多目的利用を想定して屋内ラグビー場という話が出たんだそうで。

新秩父宮ラグビー場、完全密閉型屋根付きアリーナへ (日刊スポーツ)

ここに書かれているのですが、屋内ラグビー場というのはすでに実績があるんですね。

屋根は、フランス・パリ郊外の「Uアリーナ」というラグビー場をモデルにしているという。

屋内ラグビー場となることで、観戦環境もよくなり、これでラグビーファンを増やしたいという意図もあるようだ。

選手・観客・経営者の三方よしの計画ということだろう。(経営者にとってよいのは多目的利用で稼げるということ)


ただし、神宮球場と場所を入れ換えながら工事をするという事情もあり、

新ラグビー場の完成は2033年ごろとだいぶ先になる予定である。

たぶん、多くの人にとっては神宮球場の改築・移転の方が大きな話だと思うんですが、

こういう面白そうな計画もあるんですね。だいぶ先ですがちょっと楽しみな話。

兵役逃れには厳しい

オリンピックでは世界各国からやってきた選手の活躍を見ることになるが、

日本選手の活躍する種目だと、韓国選手も同じように活躍していることはけっこうあって、

日本選手のライバルとして立ち向かうのを見る機会も多かった。

そんな韓国選手にとってオリンピックというのは特別な意味があるらしい。


というのがこれですね。

東京オリンピック、韓国での関心は「だれが兵役免除になるか」 (朝日新聞GLOBE+)

韓国では兵役の義務が定められていて、対象は健康な男性ということかね。

ちなみに17歳以前に外国の永住権を取得している場合は対象外なので、

日本にずっと住んでいる韓国人は徴兵の対象にならない。日本にいるのに徴兵するというのが無理がありますからね。

ともあれ、典型的な韓国の男は18~28歳の間に2年ほど兵隊に入らなければならないわけである。

でも、スポーツや芸術などで顕著な成績を収めた人は免除される制度がある。

スポーツ関係では、オリンピックでメダルを獲得するか、アジア競技大会で金メダルを獲得するという条件で、

兵役前でオリンピック出場権を得た選手は、オリンピックは兵役逃れのチャンスだということらしい。


実際、韓国政府も兵役免除がスポーツへのモチベーションを高めることにつながるという認識はあるらしく、

過去にはいろいろな国際大会で上位の成績(大会によるが優勝である必要もなかった)をおさめれば免除になっていたようだ。

例えば、2002年に日本・韓国で開催したサッカーワールドカップでは上位16チームに入れば免除と言われていて、

このとき韓国は見事に4位となっているので、このときのメンバーは兵役免除になったという。

自国開催のサッカーワールドカップでの韓国チームの活躍を期待してのことで、実際に成果を挙げたと言える。

ただ、現在は対象がかなり絞られてスポーツ分野では オリンピック と アジア競技大会 の2つだけになっているようだ。


というのも、韓国では「兵役逃れ」について批判も強いようで、そのためむやみに免除にするわけにもいかず、

例えば、外国在住者の兵役免除条件が厳しくなっていて、これは兵役逃れを困難にするためだという。

その過程でスポーツ・芸術分野の大会での成績による免除も絞り込まれたようである。

それだけに韓国の28歳以下のスポーツ選手にとっては、オリンピックでのメダル獲得は貴重な機会ということらしい。

しかし、オリンピックなんて出場するだけでも大変なのに、メダル獲得なんて厳しいことをおっしゃる。


ところで、韓国では兵役の対象者は男だけなんですね。

伝統的に女性は兵役の対象にならず、法の下の平等という点で対象になる国も出てきたがイスラエルなどかなり少数派である。

これは大勢の女性兵士を受け入れる体勢が整わないというのが大きいんでしょうね。

韓国社会は兵役逃れに厳しいという話を書いたけど、女性は自動的に兵役対象外ということもあって、

このあたりが男女間の断絶を生むこともあるようでいろいろ問題があるようで。

女性は兵役がない分若い内から活躍しやすく、このことが不平を生みやすいのだが、

一方で韓国社会では兵役を経験していないと一人前扱いしてもらえないという実情もあり、ここで疎外感を感じる女性もいるとか。

オリンピックのメダリストの女性が韓国のインターネットでよくわからない批判を浴びた背景には兵役にまつわる不平があると言われている。


そんなことに悩まされるぐらいなら徴兵なんてやめればいいのにねと思うんですけどね。

ただ、北部地域との戦争はあくまでも停戦扱いで、あくまでも戦時下という事情もあり、

徴兵制廃止という決断はしにくく、徴兵をする以上は公平性が必要ということで、兵役逃れ対策を進めているということらしい。

この結果、国際大会に出場するようなトップアスリートでも、簡単には兵役免除が得られなくなっているということである。

あんまりいいことではないと思うんですけどね。


兵役に関わる話だけじゃないけど、韓国はなにかと厳しい国だと思いますね。

それが功を奏するときもあるけど、ことにおいて兵役はたいていにおいてメリットはありませんから。

アメリカ野球は滑るボールに粘着物質

オリンピックで1大会限りの復活を果たした野球、

決勝戦は 日本 vs アメリカ になるみたいですね。

このオリンピックではアメリカのプロ野球選手も参加している。

ただ、メジャーリーグの選手はいなくて、マイナーリーグの選手が主体みたいですね。


そんなアメリカの選手がオリンピックで使っているボールを気に入ったという話がニュースに出ていた。

「野球人生で最高のボール」「SSKの方がずっと好き」粘着物質問題に揺れた米国代表は“日本製ボール”にぞっこん【東京五輪】 (Yahoo!ニュース)

オリンピックでは日本のSSK製のボールが使われているそう。

日本のプロ野球だと ミズノ製のボールに使われてるし、これまでのオリンピックでも(開催地によらず)そうだったらしい。

SSK製のボールを気に入ったというだけなら、それはただの感想だと思うのだが、

現在、アメリカのプロ野球では「粘着物質問題」というのが起きていて、それと関連してのことらしい。


ということで調べてみたら、こういうことらしい。

大リーグ 粘着性物質つける不正投球問題 ダルビッシュが言及 (NHK)

アメリカで使われているローリングス製のボールは日本で使われているボールより滑りやすく、

日本からアメリカに渡った投手はこれに苦しむことがしばしばあったらしい。

じゃあ、アメリカの野球選手はどうしているのかというと、実は規定外の「粘着物質」を使っていたという。

このことはルール違反ではあるものの長年黙認されてきた公然の事実だったという。

ところが最近ではより強力な粘着物質が使われ、これがボールの回転数などに顕著な影響を与えているという疑惑が出て、

これはよくないと今年6月以降、粘着物質の取り締まり強化に出たということだが、

なにしろ今まで黙認されていたことだけに大変な戸惑いが起きているという。そういう話らしい。


ところで投手はボールを投げる前に白い粉を付けている姿を見るが、

あれはロジンバックというものを使っていて、中には炭酸マグネシウムと松ヤニの混合物が入っている。

炭酸マグネシウムは手汗を吸い取り、松ヤニは粘着性を持ち、あわせてすべり止めとして機能する。

投手は主催者が用意したロジンバックを適宜利用することができる。

ちなみに日本で用意されたロジンバックも評判がよかったらしい。

現在ヤクルトで抑えを務めるスコット・マクガフはボールだけでなく、日本製のロジンを気に入っているようだ。アメリカ製は非常に硬さがあるようで、「日本のはちょっと湿っていて少しつけるだけでも、ボールをずっとしっかり握ることができるんだ」と語る。

これ以外のものをすべり止め目的で使うことが問題なわけですね。


アメリカで長年規定外で使われてきた粘着物質としては下記のようなものがあるらしい。

使われている禁止物質は松やにのほか日焼け止めのクリームや整髪料などさまざまで、ピッチャーは登板前にあらかじめグローブの内側や首の裏、手首などにこうした物質を塗り付け、それをボールに付けていたとされています。

ただ、近年「粘着物質問題」が顕著になってきたのは、より強力な「スパイダータック」などが使われることになったからというのもあるらしい。

このスパイダータックはもともとアトラスストーンという巨石を持ち上げる競技のために作られたものらしい。

野球で使うことは想定していないのだが、投手が使ったとすると回転数など顕著に上がることは実験的に確認されているようだ。

このことからアメリカでは粘着物質の取り締まり強化に動いたとされている。


強力な粘着物質を使うことは問題という考えはあったとしても、

ボールが滑りやすいのを打開するために粘着物質を使うことは長年黙認されてきたはずで、

もし粘着物質の取り締まりを強化するならば、それはボールが滑りやすいという問題を解決する必要があるのではないか。

こういう背景があっての、SSK製ボールを絶賛する感想が出てきたと言う話らしい。

そう考えるとけっこう深い問題なわけですね。


さっきも書いたけど、国際大会では長年ミズノ製のボールが使われていて、最近はSSK製だが、

どっちも日本メーカーではあって、これが国際標準として受け入れられているということである。

とはいえ、どこでもそうだと思うけど、やっぱり地元メーカーの製品を優先して使うわけだよね。

それがアメリカではローリングス社なわけですけど、これだけ言われて改善する気配はないという。

今までそれはそういうものだとして許されてきてたが、「粘着物質問題」で追い込まれるのかどうか。

根本的には「粘着物質」が問題なのではなく「滑るボール」が問題だという主張が多いんですよね。

外回りばっかり走らせればいいわけではない

今日から東京オリンピックは札幌での陸上競技が始まった。

2021年夏の札幌都心に掲げられた「TOKYO 2020」の下を選手たちが必死で歩いていた。

それにしてもこれが東京から830km離れた札幌であるというのは外国からテレビ観戦している皆さんには伝わってるのかね?

冬には雪に見舞われるけど、そんなことも感じさせないような大都会ですからね。

練習場所は1972年の札幌オリンピックでメイン会場となった真駒内屋外競技場という冬季オリンピック要素もあったらしい。

しかし、今年は北海道も暑いんだな。WBGTで見れば東京より多少マシだけど、それでも過酷ですよ。


今さらなんですけど、10月23~24日にJR山手線が一部運休となる。

渋谷駅山手線内回り線路切換工事(ホーム拡幅)に伴う列車の運休について (pdf) (JR東日本)

目的は渋谷駅の山手線ホームの工事のためで、現状、内・外それぞれのホームがあるのを1つにまとめて拡幅するんだそうで。

やりたいことの割には大がかりすぎる工事だと思うんですけどね。

で、今回は池袋→大崎の内回りの線路の工事なので、当該区間の内回りは全て運休となる。

ここで珍しいのが内回りだけ運休となることである。


じゃあ、外回りは普通に動いてるんかいと思ったらそういうわけにもいかない。

JRの説明に期間中の山手線の運行形態は、

内回り 池袋~渋谷~大崎間・・・運休

    大崎~東京~池袋間・・・本数を大幅に減らして運転(池袋駅で上野方面に折返し運転)

外回り 大崎~渋谷~池袋間・・・本数を減らして運転 (一部、大崎駅で東京方面に折返し運転)

すなわち 大崎→池袋→上野→品川→大崎 という列車と 大崎~品川~上野~池袋 を言ったり来たりする列車が混在して走ると。

山手線の電車は車庫を出れば基本的には車庫に入るまでは同じ方向に走り続ける方式らしいのだが、

この期間はぐるぐる回るのと、折り返し運転を織り交ぜて走るというスタイルになるわけだ。


しかし、山手線というのは品川~田端では京浜東北線と並行して走っているのだから、

あえてこの区間の往復運転を確保する必要があるのかと思ったのだが、よくよく考えてみれば重要である。

大崎~品川~上野~池袋 で京浜東北線と並行しないのは 大崎~品川 と 池袋~田端、

前者については途中駅はなく、代替手段がいくつかある(後で書く)ということでなんとでもなると思う。

しかし、池袋~田端は平行する鉄道路線がないわけですよね。ここら辺は豊島区内の生活路線という色が濃い区間だが。

外回りだけの運転だと、池袋→巣鴨 みたいな移動はよいけど、逆に巣鴨→池袋はこれといった代替手段がない。

それは困るので、外回りの大崎→池袋の運行本数を削ってでも、内回りの本数は少なくても、往復運転を確保しているんじゃないか。


そんなわけで、期間中に線路に電車が走らなくなるのは 池袋→大崎 の山手線だが、

当該区間には埼京線・湘南新宿ライン(山手貨物線)の電車が運行されており、埼京線で増発が行われる。

ただし、停車駅が 池袋・新宿・渋谷・恵比寿・大崎 と限られている。

停車駅相互なら埼京線で移動すればよいが、池袋側から通過駅に行きたい場合はどうするか。

この場合、行きすぎてから外回りの電車で引き返すとかいう使い方も考えるのかも知れない。

あるいは振替輸送ですね。高田馬場~西武新宿(歌舞伎町だからJRの駅からはちょっと遠いけど)の西武新宿線とか。


大崎~品川については、往復の運行は確保されるものの本数が大きく減る。

ただ、代替手段はいろいろある。

1つは埼京線の直通先、りんかい線(振替輸送対象)の大井町駅で京浜東北線と乗換ができること。

渋谷~川崎みたいな移動だったら、大井町でりんかい線から京浜東北線乗り換えて行けばいいわけですね。

1つは湘南新宿ラインと横須賀線(品川方面)を西大井で折り返すという方法。

平時にやると不正乗車になる可能性はあって、なぜならば大崎~西大井は運賃計算上は品川経由とみなすルールがあるから。

ただ、大崎→品川の本数が激減するので、複乗になるとしても西大井での折り返しは正当な理由があると考えていいんじゃないか。


そして、実はこの区間を埋める臨時列車が設定されるらしい。

山手貨物線の線路を使用し、品川~新宿間で臨時列車を運転

(臨時列車は、品川・恵比寿・渋谷・新宿に停車)

なんだこりゃ? と思ったのだが、どうも埼京線の線路から大崎駅をすり抜けて品川駅へ至るルートがあるらしい。

ただし、本数は毎時1~2本程度と当たればラッキーという程度の本数である。

多分、大概においては 大井町のりかえ か 西大井折り返し の方が早いと思う。


今回は運休にもかかわらず、全く電車の来ない駅はないというのが珍しいスタイルである。

ただ、電車は来ても一方向きしか来ないとか、往復で本数は全然違うとか、いろいろ混乱はある。

埼京線が利用できるケースはまだよいが、そうでない場合は地下鉄などへの迂回を検討すべきだろう。

実際、これがどれぐらいの混乱を起こすんだろうなとは思うんですけど、

駅自体は動いてて、折り返したりなんとかすれば使えてしまうというのは案外難しい話だと思う。


とはいえ、これは難しい工事だけど、埼京線があるおかげで長時間の運休も許容できるというのは助けになってると思う。

実際、渋谷駅の埼京線ホーム移設のときは、山手線があるということで運休を許容できる部分は多かった。

その逆をやるが、埼京線の停車駅は絞り込まれてるので、ここがポイントである。

総合種目はどうやって競う

今回のオリンピックの追加種目にスポーツクライミングがある。

長年オリンピック採用に向けて動いていたところで、やっと採用にこぎつけたというものらしい。

このスポーツクライミングは「複合」ということで、スピード・ボルダリング・リードの3種目の総合種目になっている。

元々、これらの種目は単独で大会が行われていたのだが、オリンピック採用のために複合種目ができたという経緯があるよう。

後で書くけど、この3種複合種目は東京オリンピックが最後になるらしい。


この複合種目の順位決定方法は、3種目各々の順位のかけ算で決まるんですね。

昨日の男子複合予選で通過した8人の順位決定式を並べると、

  1. ミケル・マウェム(フランス) スピード3位×ボルダリング1位×リード11位=33 [3.2]
  2. 楢崎智亜(日本) スピード2位×ボルダリング2位×リード14位=56 [3.8]
  3. コリン・ダフィー(米国) スピード6位×ボルダリング5位×リード2位=60 [3.9]
  4. ヤコプ・シューベルト(オーストリア) スピード12位×ボルダリング7位×リード1位=84 [4.4]
  5. アダム・オンドラ(チェコ) スピード18位×ボルダリング3位×リード4位=216 [6.0]
  6. アルベルト・ヒネスロペス(スペイン) スピード7位×ボルダリング14位×リード3位=294 [6.6]
  7. バサ・マウェム(フランス) スピード1位×ボルダリング18位×リード20位=360 [7.1]
  8. ナサニエル・コールマン(米国) スピード10位×ボルダリング11位×リード5位=550 [8.2]

3つの順位の乗算で順位を決めるというのは、言い換えれば順位の幾何平均(相乗平均とも)で順位を決めるとも言える。

幾何平均というのは、N個の数字を全て掛け合わせて、N乗根を取るということである。

[]内に書いた数字はかけ算した数字の3乗根ということで、これが順位の幾何平均ということですね。


オリンピックには異なる複数の種目の総合成績で競う種目がいくつかある。

調べた範囲では下記があると思ったが、見逃しがあるかもしれない。

  • 体操総合(個人・団体) : 各種目の得点の合計
  • 総合馬術(個人・団体) : 各種目の減点を合計
  • 陸上 十種競技(男子)・七種競技(女子) : 各位種目の成績(走破時間・投てき距離・跳躍距離)を計算式により得点化
  • ノルディック複合 : 先に行うジャンプの得点をタイム差に換算して、後で実施するクロスカントリーのスタートに反映
  • 近代五種 : 先に行う4種目の結果をタイム差に換算して、最後に実施するレーザーランのスタートに反映

この中で一番シンプルなのは体操ですね。各種目の採点システムの完成度が高いですからね。各種目の重み付けは均等と言える。

総合馬術については先日書いたが、クロスカントリーで大きな得点差が付きやすく、他の2種目で小差を競う感じですね。

陸上競技は時間・距離というものを計算式で得点化して総合力を競う種目があるが、これはタフですね。

スキーのノルディック複合と近代五種は、最後の種目のタイム差に換算して、最後の種目のゴールに入った順位で競うという。


そんな中では順位の幾何平均というのは珍しい方式と言えるが、

スポーツクライミングのボルダリングとリードという種目は、大会毎に課題が異なり、その課題は直前に呈示される。

課題の難しさによって、その結果の持つ意味が違うので、絶対値で得点化することが難しいということだと思う。

陸上競技の十種競技・七種競技は各種目の数字の持つ意味はことなるが、各種目の難易度というのは決まっている。

なので、それぞれの競技ごとの得点を定式化することはできそうな気はする。

スポーツクライミングでもスピードは決まった壁を登り切るのにかかる時間なので、これだけは定式化できるかもしれないが、

ボルダリングとリードはそういうわけにもいかず、従来からの順位を決めるルールに頼り切っているわけですね。


その上で幾何平均という方法はどうだろうという話である。

幾何平均での比較というのは順位の対数を平均して比較することに等しいとも言えるらしい。

1位と2位の差は2位と4位、4位と8位、8位と16位の差に等しいということだから、

上位争いに参加できる選手は非常に評価される一方で、下位の順位差はそこまで気にしなくてよいと。

この結果、スピードでは上位争いできるが、他の種目はそこまで……という選手も参加しているようで、

男子予選の数字で言えば、バサ・マウェム選手はスピードで卓越した成績を出して決勝進出を果たしたといえるわけですね。


冒頭にも書きましたが、この方式での複合種目はおそらく東京オリンピックが最後になる。

スポーツクライミングは次回、パリオリンピックでの採用も決まっている。

上位勢を見てもわかるが、日本もフランスもクライミングが盛んな地域ですからね。

一応はまだ追加種目という扱いらしいのだが、このまま定着していきそうな感じはする。

で、そのときにはスピードは単独種目となり、ボルダリングとリードの2種複合種目との2本立てになるようで。

これは決まった壁でタイムトライアルをするスピードと、

直前に与えられた課題を頭と身体を使ってボルダリング・リードは求められる性質がだいぶ違うことによる。


スピードは単独種目になるので、それは単純にタイムで競うのでよいとして、

2種複合はやはり2種類の種目の合計で競うが、順位の幾何平均ということではなくなるようで。

スポーツクライミングコンバインド「2種複合」の新ルール 第4回CJC 2021年6月時点 (Mickipedia)

両種目の課題達成状況を点数化して、1位の選手の得点を100点に正規化して合計するという方法が考えられているよう。

理論上の満点で正規化するんじゃなくて、実際に1位の選手の成績で正規化するというのが難易度調整なんでしょうね。

ボルダリングの得点だけで順位を取れば、概ねこれまでのボルダリングの順位と同じようになるはずだし、

リードの得点だけで順位を取れば、概ねこれまでのリードの順位と同じようになるように設計されている。


問題は合計したときにそれがどうやって現れるかというところである。

順位の幾何平均だと課題達成状況が小差でも1位・2位の差は大きかったし、大差でも7位と8位の差は小さい。

これが得点を正規化して合計する方式なら、ボルダリングの完登数・リードの高度で並ぶような小差であれば得点差は小差となる。

なのでもう一方の種目で差を付けることが求められるわけですね。この点では総合力が問われやすくなる。

一方で、リードはトップレベルの争いは1つ高度を上げられるかが大違いなのに、ボルダリングほどは得点差が出にくいのでは? という指摘もある。

実際にこのルールで実施された大会では、ボルダリングの得点差はリードではほぼ挽回できてないですね。

スポーツクライミング 第4回コンバインドジャパンカップ/リザルト (日本山岳・スポーツクライミング協会)

優勝した選手が決勝ではどっちも1位(100点)なんだから、それはもう文句の付けようはないんですけど。

陸上の十勝競技・七種競技だとべき関数により点数が規定されているので、高度を進めるごとに重みが増えて行く方が面白いかも知れませんね。


というわけで総合種目は難しいですね。

陸上の十種競技・七種競技とか近代五種なんてほとんど無理くりだろと思うわけですけど、総合力を競うことの面白さもあるわけですよね。

(それにしても近代五種は無理のある競技だが)

スポーツクライミングは今回の東京オリンピックはオリンピックでは最初で最後のクライミング王決定戦になるかもという話もあった。

スピードが独立した競技としてオリンピックに登場することの方がクライミング界にとっては大きなことだと思うんだけど、

3種複合もそれはそれでおもしろい種目だったねと振り返る意見もあるようだ。大会でやるかは別問題なんでしょうけど。