グレード別定戦を求めて

今年からJRAのスケジュールが大きく変更されているという話を前に書いた。

かなりのレースを前倒しにする

前哨戦の前倒し、宝塚記念の2周前倒しなどなど。

その中にはサマーマイルシリーズ第1戦、米子ステークス あらため しらさぎステークス の重賞格上げがある。

で、どういうわけかしらないけど……

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なんで大幅に距離短縮してこのレースなんだろ?


いろいろ調べてみると、この時期に2000m前後でハンデ戦ではない重賞が少ないからという話があった。

6月~8月で4歳以上馬が出られる平地・芝の重賞でハンデ戦以外というと、

  • 6/8 安田記念(GI) 芝1600m 定量
  • 6/14 函館スプリントステークス(GIII) 芝1200m 別定
  • 6/15 宝塚記念(GI) 芝2200m 定量
  • 6/22 しらさぎステークス(GIII) 芝1600m 別定
  • 8/3 アイビスサマーダッシュ(GIII) 芝1000m 別定
  • 8/3 クイーンステークス(GIII) 芝1800m 牝馬限定 別定
  • 8/17 中京記念(GIII) 芝1600m 別定
  • 8/17 札幌記念(GII) 芝2000m 定量
  • 8/24 キーンランドカップ(GIII) 芝1200m 別定
  • 8/31 新潟記念(GIII) 芝2000m 別定

6月で2000m前後というと宝塚記念はあるんだけど、

これを逃すと7月末まではハンデ戦だらけという状況。

このため距離短縮してでも宝塚記念翌週のしらさぎステークスを選んだという説である。


ここでいう別定戦というのはグレード別定戦ということで、

直近1年の重賞勝ち、それ以前のGI, GII勝ちで負担重量が増減されるものである。

ハンデ戦は実力に応じて負担重量の差が大きくなるが、

JRAのグレード別定戦はそこまで負担重量の差は大きくなくて、

この2頭はいずれも基本の負担重量+2kgになるはず。


なんで宝塚記念じゃないのかというのはあるけど。

特にチェルヴィニアは2400mのドバイシーマクラシックからなので、

そりゃ宝塚記念への転戦だろうと思うのだけど、そうはなっていない。

今年のドバイワールドカップデーは例年より1週遅かったことが背景にあるのではという話がある。

遅れたのはラマダン明けの大祭の後ろに持って来たためである。

これにより宝塚記念への転戦だと余裕が減るので、わずかに1週だが遅いレースを選んだのでは? という説である。

なおかつ距離は短縮したいとなれば、1600mは短縮しすぎとは思うが、短いには短い。


もともとの米子ステークスは賞金別定ということで、

収得賞金により負担重量が際限なく加算されるレースだった。

G1以外のオープンクラスだと勝つごとに+1~2kg加算されるぐらいのペースのはず。

でも重賞何勝もしていたり、G1勝ってたりするとかなり積まれるから、そういう馬は来なかった。

以前はJRAの重賞でも賞金別定があったのだけど、2023年からグレード別定に統一された。

米子ステークスを重賞にするにあたって「別定」は引き継いだものの、

重賞以外のOPクラスの別定と、GIIIの別定は意味が違うわけである。


というわけでなぜか実績馬が出やすいレースになってしまったのである。

おそらく意図とは異なるような気がしていて、それは安田記念の直後だからである。

マイルの実力馬にとってこの時期の目標になるのが安田記念で、

同時期に実力馬が選びやすい同距離のレースがあるのは意図と異なるんじゃないかと思う。


この時期、宝塚記念を除けば2000m前後のレースはハンデ戦が多いと書いたが、

これは宝塚記念とのすみ分けということになろうかと思う。

宝塚記念の開催前倒しに伴い、サマー2000シリーズの開幕も前倒し、

最初の3戦、函館記念(6/29), 七夕賞(7/13), 小倉記念(7/20)はいずれもハンデ戦である。

一方で後半の2戦は、定量戦の札幌記念、別定戦の新潟記念ということで、

いずれも秋に向けての前哨戦という意味もあり、実績馬にも出走しやすくなっている。

新潟記念をサマー2000シリーズの決勝戦にする意図もあって、

従来ハンデ戦だったものが今年から別定戦になっている。

札幌記念は以前より定量戦だったが、このレースはスーパーG2とも言われ、

春のG1からの転戦も多く、サマー2000シリーズにはあまり寄与しないレースだった。

(サマーシリーズの優勝にはシリーズ内2戦以上の出走は必須である)


サマーマイルシリーズは第1戦のしらさぎステークス、第3戦の中京記念が別定戦、

第2戦の関屋記念、第4戦の京成杯オータムハンデがハンデ戦である。

こちらは開幕が別定戦で、最後がハンデ戦なんですね。

もっとも去年はアスコリピチェーノが3歳牝馬にしては相当な負担重量を背負って勝ってますけどね。

その前年はのちにマイルチャンピオンシップとドバイターフを勝つソウルラッシュが59kg背負って勝ってるし、

実力馬がハンデ背負ってでも出るレースなんだね。確かにそんな印象はあるな。

別定戦がよければ前週の中京記念を選べばいいわけですが。


ハンデ戦が続くという問題は香港競馬ではとても深刻である。

そもそも香港競馬はほとんどがハンデ戦である。

賭け事としてはハンデ戦というのは面白いんでしょうけど。

年末の香港国際競走 と 春の香港チャンピオンズデー は距離別のチャンピオン決定戦が行われ、これは当然定量戦である。

ちなみに当地での馬券の売上は他のハンデ戦と大差ないらしい。

(日本だとG1の馬券売上がドカンと跳ねるのだが)

これ以外にもチャンピオン決定戦やその前哨戦はいろいろあるけど、

距離と時期によっては転戦に困ることがあるのは事実のようである。


日本競馬は実力馬はハンデ戦をかなり嫌うこともあって、

定量戦とグレード別定戦でそれなりに転戦できるように考えてきた。

その結果としてやたらメンバーが揃うG2とかG3があるんだけど。

天皇賞(秋)の前哨戦という名目だが、実際にはマイルチャンピオンシップの前哨戦になっている毎日王冠(G2)はその1つだが。

去年までは6月上旬に鳴尾記念(G3)があって、これもなかなか。

宝塚記念の前哨戦という名目でG2相当の負担重量設定になっていたからである。

スーパーGIIIもある

これも2000mにこだわる実力馬にとっては便利なレースだったのだが、

宝塚記念の時期が変わったので、大きく動かされてしまった。

宝塚記念かサマー2000シリーズかどちらか選べということなんだろうけど。


もしかしたらこのあたりも見直しはあるかもしれませんけどね。

しらさぎステークスが安田記念・宝塚記念のメンバーを食うのでは困るけど、

宝塚記念の時期が早まったことでレース選びに困る馬がいれば、

そういう馬が選びやすくなるように条件を見直すというのもある。

このレース選び、ちょっと変だよねとは思われているはずなので。