先日、Suicaエリア統合の話を紹介した。
Suicaエリア外という概念がなくなる?
この発表では次のステップとして「どこでも改札(仮称)」というのがあり、
これにより2030年代初めには、JR東日本の全駅がSuica対応になるという話がある。
で、どこでも改札ってなんやねんという話だが、こういう説明である。
Suica カードやモバイル Suica のタッチ処理をタブレット端末などで行う改札方式です。車両や駅に柔軟に設置できる汎用的な端末を活用することで、これまで Suica をご利用いただけなかった駅での Suica サービスをスピーディーに実現します。運転本数の少ない線区の列車への搭載も検討しており、GPS 機能により 1 台の端末で複数駅に対応することで、Suica をご利用いただける場面を広げます。
車載式の端末というと、これもJR西日本ではすでにやっていることだが……
JR西日本では2019年の境線を皮切りに、一部路線で「車載型IC改札機」を搭載している。
特徴としては駅に設置される自動改札機と組み合わせて利用できることである。
昔からバスや路面電車では車載式の端末が使われていたじゃないかという話はあるが……
均一運賃の場合はタッチしたらその金額を引き落とすだけだし、
乗車時にタッチして、降車時に区間に応じた運賃を引き落とすにしても、乗降が同じ車なので乗車場所の情報は車載器側で覚えておけばよい。
実はバス・路面電車では乗車時にタッチしてもカードへの書き込みを行わないのが通常である。
(誤ってタッチした時に乗務員に聞いたら、特に対応不要と言われて知った)
ところが境線では米子駅と境港駅、さらにその乗換先は駅に自動改札機がある。
なので駅の自動改札機同様に乗車時にはICカードへの書き込みを行い、降車時にはICカードから乗車駅情報を得て運賃計算する必要がある。
この仕組みは、きのくに線(田辺~新宮)・和歌山線(五条~和歌山)・関西本線(加茂~亀山)・七尾線 に導入されている。
きのくに線と七尾線は特急停車駅は駅に自動改札機を設置している。
すなわち 車載型IC改札機 は普通列車のみに搭載すればよい。
また、JR西日本以外でも えちぜん鉄道・福井鉄道 ・近江鉄道では同じ仕組みが導入されている。
この仕組みは西日本管内以外ではなかなか見ない仕組みである。
運賃収受は車内でするような路線でも、ICカードは駅設置の改札機で対応としている例がほとんどである。
上毛電気鉄道では今年に駅・車載併用でICカード(Suica, nolbé)を導入している。
ただ、低コスト化のためにバス同様のシステムで導入したという記載があり、
乗車時にはカードへの書き込みは発生していないのではないか。
これもJR西日本の後追いか、とは思うも実現手法には異なる点もある。
それは「どこでも改札(仮称)」には汎用端末を使うということである。
タブレット端末にそのような機能を搭載して処理できるようにすると。
このようなものを駅・車両に多数設置することで、早期に全駅対応にしたいということらしい。
果たして汎用端末で十分な性能や信頼性が得られるのか? 疑問はありますか。
このあたりもJR西日本の方が早期に堅実にやっている印象は受けるのだが、
それぞれおかれている状況には差があるので単純に比較できない部分はあるのだろう。
JR西日本も 車載型IC改札機 でのエリア拡大は一部に限られていて、
車両に設置するのもそれはそれで大変であることがうかがえる。
全線全駅ということになればJR東日本のアプローチの方がよいのかもしれない。