小型モジュール炉に投資するメリット

ODAのようだと紹介した日本からアメリカへの投資、

その中で小型モジュール炉という新しい原子炉が候補にあるとのこと。

【独自】対米投資、次世代原発が有力 AI覇権争い、インフラを整備 (47NEWS)

アメリカとしては電力確保のため新しい原子力発電所を欲していること。

原子力発電に関わる日本企業が多く、アメリカでの受注が見込めること。

そして将来的に日本国内に展開できることなど、理由があるようだ。


この小型モジュール炉は現在の原子力発電所の1/3以下の出力である。

どうして出力が小さくなったものが次世代の原子力発電所と言われているのだろうか?

普通はこういうのは大きくなるものではないか?


それで気になって調べたのだが、2つの目論見があるそうだ。

1つは小型化したことで、万が一、ポンプなどが停止したとしても自然冷却が可能であること。

過去には原子炉を冷却する機能が失われたことで事故が起きており、

日本ではなんといっても2011年の福島第一原子力発電所の事故が知られている。

その後、地震・テロなど想定した追加対策が各地の原子力発電所で行われているが、相当な大規模な追加工事が必要になっている。

小型モジュール炉では、外部からの電源供給などが途絶えたとしても、

出力を低下させながら、熱を除去するということができるように設計されるという。


もう1つが低コスト化で、工場での量産効果を狙っているという。

1基あたりの出力が小さければ、それを多数並べればよいわけである。

オーダーメイドではなく、同様の設計の原子炉を量産すればコストが下がると。

ただ、これは本当に実現するのかはよくわからないところがある。

従来型の原子力発電所の方が結局は低コストなのでは? という話はある。


小型モジュール炉もいろいろな方式が検討されており、具体的にどのような形態になるかはわからない。

ガス炉など従来より高い温度でのエネルギー取り出しを狙っていたり、

高速炉として利用できる燃料の拡大を狙っているものもある。(cf. マイナーアクチノイドを分ける)

ただ、最初に書いたような受動的安全性能については必須要件である。

そのためならば多少コストが高くなっても実現するべきという考えはあると思う。


ゆえに勝算はよくわからない部分はあるが、うまくいけば日本でも活用したいという意図はよくわかる。

短期的には日本企業の受注という点でメリットはあるけど、それだけではないということである。