USB Type-CをA端子につなぎたい

昨日、こんなのを買ってきた。

USB3.1Gen2変換アダプタ Aオス – Cメス U32AC-MFAD(Ainex)

まぁ元々買おうと思ってたのはこれじゃないんだけど……


実は元々はダイソーにUSB Aオス~Type-Cメスの変換器が売っているという噂を聞いて探しに行ったのだが……

【Type-CをAに】100均ダイソー USBタイプC → USB A 変換アダプタ(USB3.0対応) (ひざまん)

これは並んでいなかった。おそらく終売になったのではないか。

そうか、さすがにこれを売り続けるわけにはいかなかったかと思いつつ、

近所に電器店があったのでダメ元で見てみたら、同じ機能の商品がいくつかあり、

その中では500円弱の比較的安いものを買った。

ダイソーの4倍以上したが、そもそもそんなに高いものじゃないし、すぐ買えるのならと。


さて、どうしてこの変換器を買ったのかという話だが、

スマートフォン・タブレットで使うためにUSB Type-C接続のイヤホンを持っている。

USB Type-Cにイヤホンをつなぎたい

タブレット(HUAWEI MediaPad)は3.5mmミニプラグがないが、USB Type-Cからのアナログ出力に対応している。

スマートフォン(AQUOS sense6)には3.5mmミニプラグがあり、

USB Type-Cのプラグもあるが、ここからのアナログ出力には対応していない

この両方に接続できるものとして、USB Type-Cかつデジタル接続のイヤホンを携帯している。

デジタル接続のものを探すのは難しいんだけど、まぁ探せばある。


元はスマートフォン・タブレットのためだったが、PCに接続しても重宝するので活用している。

特にマイクがデジタル接続なのは雑音が入りにくくてメリットが大きい。

そこで問題だったのがUSB Type-C接続がないデスクトップPCである。

Type-C接続のイヤホンを使えたとすればメリットが大きいということで、

それでUSB Aオス~Type-Cメスの変換アダプタを探しに行ったわけ。


ただ、このアダプタは注意するべき点が多い。

そもそも、USB Type-Cメスに形状変換するというのは本来は禁止されている。

USBの誤接続対策

歴史的な経緯も含めて紹介している。

もともとはUSBのコネクタはホスト側にA端子、デバイス側にB端子を使うという形状で誤接続を防止してきた。

これがスマートフォンなどデバイス・ホスト兼用の機器が出てきて揺らぎだし、

Type-Cでは両側の形状を同じくして、CC端子を使って識別する方法になったと。

少なくともUSB Type-Cメス端子を備える機器は、識別をしてから電源供給など開始しなければならない。

そうでなければ機器の故障や火災など引き起こしかねないからである。

単なる形状変換を行うアダプタでは要件を満たすことは不可能なので禁止されていると。

ダイソーが一時並べたが、現在は撤去した(?)のもここに背景がありそう。


ただ、いくつかの制限事項を守れば機能的な問題はない。

このアダプタのパッケージには下記のような丁寧な説明が書かれていた。

・Type-C側をホスト(パソコン/スマホ)、Type-A側を周辺機器とすると正常動作しません。Type-C側をパソコン/スマホ、Type-A側をUSB電源に接続する場合は問題ありません。

・スマホ/タブレットなどとeMarker内蔵C-Cケーブルと本製品の組み合わせは動作しません。どちらがホスト側になるか認識できないためです。Apple純正C-CケーブルはeMarkerを内蔵しています。(すべてのApple製品を確認していません)

・Type-Cの構造上、接続するType-Cコネクタの表裏で転送速度が10Gbpsか480Mbpsになります。転送速度が遅いと感じた場合は、本製品と接続するType-Cケーブルの表裏を反転させてください。

他にもいくつか注意書きがあるけど、このアダプタ特有の注意事項はこの3つか。

これらの注意事項は何を意味しているのかということである。


A端子オス~Type-Cオスというケーブルは規格でも定められたものだが、

これに相当するものをアダプタとType-C同士のケーブルで実現しよう。

そういう意図を持って作られたアダプタである。

A端子オス~Type-CオスのケーブルはType-C側のCC端子を56kΩでプルアップして、

USB 3.1対応のケーブルではSuperSpeed対応のデータバスはCC端子側に結線する。

USB Type-Cは中央にUSB 2.0相当のデータバス、左右にSuperSpeed対応のデータバスが2組ある。

この2組のデータバスはUSB 3.2の倍速通信で使ったり、片側のAlternate ModeのDisplayPortで使ったりというのがあるが、

片側がA端子となれば、CCで表裏を認識してどちらか選択して使うしかない。


上記の特徴から注意事項が導かれるのである。

注意事項1つ目はType-C側をホストとする使い方はA端子オス~Type-Cオスのケーブルの対象外であるから。

この変換器が存在することで、Type-Cを備えないホスト同士を結線するということが物理的には可能になってしまう。

Type-Cメスを備える機器はCC端子で識別するまで電源供給などしてはいけないが、

それ以外の場合はホスト側が問答無用で電源供給するので危険というわけ。


注意事項2つ目は、CC端子を56kΩでプルアップしながら、eMarkerが接続されるという組み合わせは存在しないはずだからだと思う。

USB Type-Cのホスト側はCC端子を10kΩ(3A供給対応)または22kΩ(1.5A供給対応)でプルアップすることになっている。

56kΩはUSB Type-C非対応機器との互換用モードという位置づけですよね。

eMarkerなしのケーブルを使うか、eMarkerの識別を行わない場合は、

A端子オス~Type-Cメスのケーブルと区別が付かないので問題が無いと。

eMarkerはType-C同士のケーブルのうちUSB PD 5A対応またはUSB 3.1~対応のケーブルでは必須なので高級なケーブルほど問題になりやすいと。


注意事項3つ目は、SuperSpeedデータバスの左右どちらを使うか識別するのに問題が生じる場合があるという話。

CC端子はType-Cメスのコネクタには線対称にCC1・CC2があって、

Type-Cオスのコネクタはこのうち一本をCCとして両側に渡すことになっている。

(もう一方はeMarkerへの電源供給用のVconnとして使われる)

Type-Cメスを備えた機器はCC1,CC2のどちらで接続されたか識別して、

どちらのSuperSpeedのデータバスを使うか選択できなければならない。

ところがこのアダプタはSuperSpeedのデータバスは一方のみ決め打ちで結線している。

このため、逆向きに接続するとUSB 3.1非対応ケーブルになってしまうと。

USB 2.0用のデータバスは中央にあって点対称なので、確実に通信できる。


長々と書いてきたが、今回のUSB Type-C接続イヤホンでは全て問題にならない。

  1. Type-C側(イヤホン)は周辺機器である
  2. 機器にケーブルが直付けされているのでeMarkerは関係ない
  3. イヤホンはUSB 2.0接続なので点対称で表裏不問

このことから問題なく使えると判断したし、実際に想定通りの動きをしている。

このアダプタ自体はUSB 3.1対応と書かれているが、

全般的にUSB 3.1で使うと問題が起きやすいように思える。


充電用にこういうアダプタを使う人もいるんかなと思ったけどどうなんだろ?

僕は携帯用のACアダプタはUSB PD対応ということはType-C出力で、

モバイルバッテリーもType-C対応なので、基本的にはType-C同士のケーブルを使う。

ただ、高速バスの座席などUSB A端子の電源が取り付けられていることがある。

そういうところで使うためにA端子オス~Type-Cオスの充電専用ケーブルを持ち歩いている。

(実はこの充電専用ケーブルはメルカリShopsで誤認してつかまされたものである)

ただ、Type-C同士のケーブルを基本にA端子オス~Type-Cメスの変換アダプタを追加で持ち歩く方がコンパクトではある。

とはいえこのType-C同士のケーブルが5A対応とかでeMarkerを搭載してると問題が起きるかもとか。

そういう懸念はあると思うんですけどね。そこら辺どう考えるか。