マイナンバーカードは過積載?

昨日、書こうと思って書かないまま寝てしまったんだけど。

政府 健康保険証を再来年秋ごろ廃止 マイナカード一体化で調整 (NHK)

これについては以前、こんな話を書いている。

ただ、これもそう遠くないうちにマイナンバーカードに一本化される可能性がある。

以前も紹介したのだが、健康保険について外国人のなりすまし受診が問題という話がある。

そこで受診時に顔写真付きの本人確認書類の呈示を求めることを考えたが、(略)

そこを打開する策として考えられるのが、マイナンバーカードの呈示である。

(マイナンバーカードが必要なのは同意のため)

オンライン資格確認の必須化とか、薬剤情報・健診情報との連携とか、

他の意図もあるとは思うんだけど、決定的な理由というのはこれじゃないかなと。


このマイナンバーカードの健康保険証としての利用は、マイナンバーカードの利用者証明用電子証明書のシリアルナンバーを利用するものである。

この仕組みはマイナンバーカードを利用した多くのシステムで活用されている。

暗証番号を使って本人確認を行うこともできるが、

シリアルナンバーの確認だけならば暗証番号の入力が不要というのもポイントで、

健康保険証としての利用時はほとんど暗証番号の入力はしないのでは?

マイナンバーカードに格納された顔写真または目視確認での本人確認が基本になるとみられる。


なので、マイナンバーカードに記載されたマイナンバーは医療機関では使わない。

でも、実態として医療機関に持参するカードは、マイナンバーという制度上かなりセンシティブなものが記載されている。

ここに対して抵抗感を示す人が多いのではないかという指摘があった。

なるほど。確かにマイナンバーカードにいろいろな機能を持たせるとそう思われてしまうのかと。


マイナンバーカードのルーツは住民基本台帳カードにある。

住民基本台帳カードの役割は大きく下記の4つだった。

  1. 氏名・住所・性別・生年月日・顔写真を記載した本人確認書類
    (ICチップに同内容を格納し偽造防止)
  2. 市町村窓口で使用する住民票コードを格納
  3. 公的個人認証の署名用電子証明書を格納
  4. 空き領域に追加情報を格納可能

1.はいいし、2.は転居時に市町村窓口で内部的に使うだけだから意識しなくてよい。

3.は希望者が格納を受けるもので、4.は結局使用例が少なかった。

市町村が発行する顔写真付きの証明書というのが一般的な認識だったのでは?


これにマイナンバーカードでは下記の機能が追加された。

  1. マイナンバーの確認 (裏面に記載、両面合わせてマイナンバーの申告が可能)
  2. 利用者証明用電子証明書を格納

マイナンバーの申告にはマイナンバーの確認書類と本人確認が必要で、この両方が1つで済むのがマイナンバーカードの特徴である。

特に通知カードの運用が停止されて、マイナンバーカード以外のマイナンバー確認書類と言えばマイナンバーを記載した住民票の写しなどが必要となる。

これがこのカードがマイナンバーカードと呼ばれることになった理由である。


一方で電子証明書のシステムが変わったことで、マイナンバーカードの多目的利用が一気に進むことになった。

電子証明書は従来は希望者だけだったのが、基本的に全員が発行を受けるようになり、

実印相当の署名用電子証明書に加えて、利用者証明用電子証明書が追加された。

これを使うことで、識別番号の取得と暗証番号での本人確認だけならばカードに追加情報を書き込む必要がなくなった。

「マイナンバーカードを使って○○する」のほとんどはこの仕組みである。

マイナポータルのログイン、マイキーIDの利用(マイナポイント)、コンビニでの証明書発行――そして健康保険証としての利用である。


それで思い出したけどこんな話がありましたね。

「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会」 第2次とりまとめが公表されています (デジタル庁)

マイナンバーカードがスマートフォンに搭載されるというのはイメージしにくいが、

あくまでも電子証明書のことである。でもこれこそマイナンバーカードの機能の多くとも言える。

これで健康保険証も対応可能になるんじゃないかということである。


「今どきクレジットカードもナンバーレス化されるのに、マイナンバーカードはナンバーレス化されないものか」と言っている人がいた。

ただ、当初の住民基本台帳カードは住民票コードはナンバーレスだったんだよね。

(これは住民票コードの利用範囲がごく限られていたことによる)

それが税・社会保険関係の手続きにマイナンバーの申告が必要になり、

その申告というのは紙ベース・目視ベースで行われるのが大半だから、マイナンバーが見えるというのが重要である。

将来、マイナンバーは機械読み取りによるべしとなればナンバーレス化できるが。

でも、その道はまだ遠いでしょう。そのための仕組みはあるんですが。

(券面入力補助APを暗証番号入力で利用すればそのような使い方は可能)