日曜日にG20真っ只中の大阪を通過したわけだが(cf. パソコン工房になったもの)、
大阪でのG20は無事に終わり、一定の成果は残せたようだ。
交通規制による影響は大きかったが、計画的に回避する車が多く、渋滞はあまり問題にならなかった。
もっとも、副作用は大きく、咲洲に住んでいる人工透析患者の通院が困難になっているというニュースもあったが。
あらかじめ入院するなど計画的な対応ができたのはよかったが、こういうのはなんとかならんかったのかなとは思う。
今回のG20サミットの会場はインテックス大阪だった。
展示場ということで広い面積を取れるのはメリットだが、会議場としての機能はあるが貧弱だ。
一体どんな使い方をするのだろうと思ったら、6号館の中に会議場もメディアセンターも事務所も作ってしまったらしい。
G20大阪サミット成功でMICE誘致に弾み 施設は老朽化…会議室充実も課題 (産経新聞)
河野太郎 / G20の事務局の部屋。お疲れさま、ありがとう!! (Twitter)
メディアセンターと事務局の写真に「6C」「6D」という表示が見える。
会議場は柱などが綺麗に隠されているのでわからないが、6号館のいずれかのホールと考えられている。
6号館だけなの? と思ったんだけど、インテックス大阪の総展示面積は72978m2(うち屋外展示場 2900m2)だが、
6号館だけで40061m2ということで、インテックス大阪全体の55%が1棟にあるんですね。
6号館はインテックス大阪で唯一の2層構造の展示場で、面積を稼ぎやすいんですね。
柱があったり、屋根が低かったり、展示場としての制約はあるが、G20サミットの諸機能にはあまり問題はない。
なおかつ、他の展示場より出来た時期が新しく、展示場に付属する会議室なども比較的充実している。
ただ、もともと会議場ではないので、いろいろなものを仮設する必要があり、大がかりな準備を要したのが実情だが。
インテックス大阪は日本で2番目の展示面積の広い展示場ではある。
1番広いのが東京ビッグサイト(およそ10万m2)、3番目が千葉市の幕張メッセ(72000m3)で、この3つが抜きん出ている。
東京ビッグサイトは、増築の結果、大きく抜きん出たが、オリンピック・パラリンピック期間の利用制限と仮設棟もあるので、実態はわかりにくい。
インテックス大阪は確かに広いのだが、使いやすさという面では課題がある。
というのも、1号館から6号館まで、それぞれ特徴が違って、複数ホール連結しての使用もいろいろ制約がある。
かたや幕張メッセなんて1~8ホールは同じ大きさのホールが横一列に並んでいるだけ。好きな数だけ連結して使える。
そもそも展示面積の55%は2層構造の6号館で稼いでいるぐらい。無柱なのは3号館と5号館Aゾーンだけ。
老朽化も進んでおり、比較的新しい6号館を除いては付属する会議室もなし。
5号館Bゾーンの2階にも会議室はあるが、一旦外に出ないといけないので導線がわかりづらい。
そんなこともあって、インテックス大阪は展示場の面積の割に稼働率が悪いのが実情である。
多目的に活用されているのは確かなんだけど、広い展示面積を生かした展示会にはなかなかならないと。
複数ホール連結した展示会をやろうにも、そもそも連結できるホールが限られていますからね。
大規模な展示会の構想をそもそも描けないので、稼働率が上がらないのが実情ではないか。
老朽化も顕著になっていて、G20サミットにあわせて改修もしたとは聞いたが、1~5号館にほとんど手は入っていないだろう。
一方で、大阪では夢洲での統合型リゾート(IR)構想があって、そこに展示施設を設けることも想定される。
そうなったときにコスモスクエア地区のインテックス大阪と、夢洲のIRでどういうすみ分けをするんだろうかということである。
まだ夢洲のIRは具体化した話ではないし、そもそも実現するのかという話はある。
ただ、インテックス大阪の今後に大きく関わる問題なのは間違えない。
そこでどんな展示場を目指すのがよいのだろうかねということで、3つぐらい想定してみた。
1つ目は量で勝負ということで、幕張メッセのようにシンプルな展示場をたくさん並べてあるようなもの。
量で勝負といっても、展示場付属の会議室は充実させるのが前提ですけどね。
ただ、インテックス大阪の現在の敷地だと展示場がギチギチにあるので、このままだとなかなか量は稼げないが、
1~5号館を全部つぶすと、東京ビッグサイト東展示場1~6ホールと同じぐらいは取れそうで、改善効果はあるかな。
隣接地に臨時駐車場の敷地とかもあるので、そこへの拡張も考えられるが、それをやるぐらいなら夢洲でやるか。
2つ目は会議場を充実させて、会議場と連動して使ってもらえるようにすると。
パシフィコ横浜とか典型だけど、最大5千人ほども入るホールまである会議場に付随して、2万m2ほどの本格的な展示スペースがあるので国際会議で重宝される。
さらに、展示場に付属する会議室なども充実しているからね。展示場面積はほどほどでも使い勝手はとてもよさそう。
近畿圏ではポートアイランドの神戸国際会議場・神戸国際展示場がそういう用途でよく活用されている。
ポートアイランドに任せてもいいかなとも思う一方で、会議場も展示場もさらに充実した施設があってもいいとは思うし、
現状の敷地ではインテックス大阪が展示面積だけで勝負するのは厳しい面もあるので、それなら展示場を少し犠牲にしても、会議場を充実させるのもありかなと。
3つ目はエンターテインメント機能を充実させると言うことで、これはマリンメッセ福岡を見て思ったんだけど。
近畿圏では収容人数3000人を超える多目的ホールがきわめて少なく、
使用実績が多いのは大阪城ホールか神戸のワールド記念ホールぐらいだが、需要に応えきれていないという話がある。
そんな中、インテックス大阪の5号館は無柱で暗転可能ということで、コンサート用途でも使われてはいる。
ただ、根本的に真っ平らな展示場ですからね。エンターテインメント用途では微妙で、どうしょうもなく使っているのが実情では?
そこで展示場とアリーナを兼用できるようなホールがあってもいいんじゃないかということだ。
平日はビジネスに、休日はエンターテインメントにという形で役立つとは思いますがね。
ただ、先に書いたとおり夢洲のIR構想との整合性が取れるのが前提ですけどね。
IRでは会議場が大きくて展示場が小さいパターンと、展示場が大きくて会議場が小さいパターンと、その中間のパターンが想定されている。
展示場が大きいパターンだと12万m2の展示場が必要だそうなので、インテックス大阪で展示場面積を求める意味は全くなくなる。
会議場が大きいパターンだと2万m2の展示場が必要で、最大の会議室が6000人以上という条件も考慮すると、パシフィコ横浜に近いね。
中間パターンは、展示場が6万m2以上、最大の会議室が3000人以上、このパターンでさえ展示場はインテックス大阪と同程度になる。
既存施設との共存共栄という点では、会議場を充実させるパターンがいいと思うけどね。
都心立地のグランキューブ大阪(大阪国際会議場)とも、スペース重視のインテックス大阪とも、うまく共存できそうだ。
いろいろ課題はあるんだけど、G20で各国からやってきた人たちからの評判はよかったようだ。
「中国は最悪だったが…」外国メディアが絶賛の“体感型”G20 これはまるで万博だ (FNN PRIME)
インテックス大阪はボロくて使いにくかったかもしれないが、G20サミットに必要な諸機能を集約できたのは確か。
もともと持っていた展示場としての機能は、大阪あるいは日本の魅力を発信する拠点としても役立った。
2025年には国際博覧会を控え、夢洲のIR構想も動きつつある中で、よい経験になったんじゃないかと思う。